JPH0987179A - 視神経障害改善剤 - Google Patents

視神経障害改善剤

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JPH0987179A
JPH0987179A JP5306396A JP5306396A JPH0987179A JP H0987179 A JPH0987179 A JP H0987179A JP 5306396 A JP5306396 A JP 5306396A JP 5306396 A JP5306396 A JP 5306396A JP H0987179 A JPH0987179 A JP H0987179A
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芳樹 緋田
Tomihiko Yano
富彦 谷野
Takashi Ueno
隆司 上野
Hiroyoshi Nagama
弘宜 長間
Toru Hirato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視神経疾患患者の視神経障害を改善するため
の薬剤を提供する。 【解決手段】 プロスタン酸化合物を有効成分とする視
神経障害改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視神経障害改善剤
である。
【0002】
【従来の技術】視神経の構造は、視神経細胞からでた軸
索突起すなわち視神経線維が網膜神経線維層を乳頭へ向
い、放射状の弧を描いて乳頭(視神経乳頭)に入る。乳頭
後方の眼球壁通過部位に強膜篩状野がある。視神経の外
面は視神経鞘におおわれている。外鞘の前端は強膜に移
行し、後端は視神経管部骨膜と融合している。内鞘と外
鞘は強膜篩状野の後方で融合し、内鞘はさらに延びて視
神経線維を脈絡膜と強膜から隔てる膜につらなってい
る。視神経障害には、その病因、発症様式により様々な
ものがある。しかしながら、軸索が変性すれば髄鞘が失
われ、髄鞘が侵されればやがては軸索にも変性が及ぶの
で、視神経のどの部分の障害(変性・萎縮)も視神経乳頭
の蒼白となってあらわれる。例えば、視神経細胞層に広
範な障害が起こる(例えば、網膜中心動脈閉塞による)と
視神経は上行性に変性・萎縮し、乳頭が蒼白になる(上
行性視神経障害)。また、軸索に障害が起こる(種々の病
因による)と変性・萎縮はその病巣から上行性にも下行
性にも進行し、広汎な障害では乳頭が蒼白するととも
に、乳頭縁において視神経線維層が薄くなる。
【0003】視神経障害は、その病因によって次のよう
な例が挙げられる。網膜性(または黄色)視神経障害は、
種々の網膜の変性疾患によって網膜に広汎な変性・萎縮
があると視神経乳頭が蝋性黄白色になる。炎症性視神経
障害は、視神経炎、乳頭炎、鬱血乳頭などの後に起こ
り、乳頭が混濁を残して退色し炎性惨出物とその結組織
化のため乳頭の境界は不鮮明になり、強膜篩状野は明ら
かでなくなる。その他、単性視神経障害、軸性視神経障
害、緑内障性視神経障害、半盲性視神経障害などが挙げ
られる。
【0004】この視神経障害を引き起こす疾患の例とし
ては、例えば、中心性網脈絡膜症、中心性網脈絡膜炎、
高血圧性網膜症、老人性眼底、動脈硬化性網膜症、腎性
網膜症、糖尿病性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉
塞、網膜剥離、網膜色素変性、未熟児網膜症、貧血性網
膜症、白血病性網膜症、外傷による網脈絡膜障害、視神
経炎、乳頭炎、クモ膜炎、レーベル病、脊髄炎などが挙
げられる。視神経障害による最も顕著な臨床所見は、視
力低下・視野狭窄であり、療法としては視神経の一般愛
護療法、低周波または直流の通電、脂溶性ビタミンB1
・B12、ATP製剤等の顎動脈注、手術療法しかな
い。
【0005】プロスタン酸は、天然に存在するプロスタ
グランジン(PG)類の一般的構造特性をなす骨格化合物
であり、下記構造式で示される。
【化1】 天然PG類は5員環の構造特性によって、PGA類、P
GB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、P
GG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類さ
れ、さらに鎖部分が、不飽和および酸化の存在および不
存在によって 下付1......13,14−不飽和−15−OH 下付2......5,6−および13,14−ジ不飽和−15
−OH 下付3......5,6,13,14−および17,18−ト
リ不飽和−15−OH として、分類さ れる。さらにPGF類は
9位の水酸基の配置によってα(水酸基がアルファー配
置である)およびβ(水酸基がベータ配置である)に分類
される。また、15位の水酸基の代わりにオキソ基を有
する化合物も知られている。さらにプロスタン酸化合物
のいくつかは眼圧下降作用を有することも知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記視神
経障害の改善には未だ満足できるものがないのが現状で
ある。そこで、本発明者は上記視神経障害の改善剤につ
いて鋭意研究を重ねた。
【0007】上記のように、視神経障害の病因は多彩で
あるが、本質的には視神経の変性・萎縮によって視力低
下・視野狭窄が引き起されると言える。そこで、本発明
者は視神経疾患患者において視力や視野の回復が認めら
れれば、視神経障害の改善がなされたと言えるのではな
いと言う観点にたって、研究を進めた。例えば、レーベ
ル病は遺伝性の視神経疾患であり、視神経障害により2
0歳前後において両眼性に急激な視力障害(すなわち視
力低下)をきたす。原因は先天的により視交又部が圧迫
されて起こると言われている。発病は急激なことが多
く、急性球後視神経炎の形でおこり、やがて軸性視神経
障害、単性視神経障害の経過で、大体数カ月の間で視力
が急激に低下する。つまり、レーベル病患者の視力低下
と視神経障害との間には、明確な相関性が存在するので
ある。従って、レーベル病患者の視力の改善が認められ
れば、視神経障害そのものの改善がなされたと判断でき
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は以上の
観点にたって、視神経障害を改善できる化合物を求めて
種々の化合物を探索した結果、プロスタン酸化合物が予
想外に優れた視神経改善作用を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明はプロスタ
ン酸化合物を有効成分とする、視神経障害改善剤に関す
る。
【0009】この発明のプロスタン酸誘導体の命名に際
しては式(A)に示したプロスタン酸の番号を用いる。前
記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、本発明
では炭素数がこれによって限定されるものではない。即
ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸を1と
し5員環に向かって順に2〜7までをα鎖上の炭素に、
8〜12までを5員環の炭素に、13〜20までをω鎖
上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する場合、2
位から順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2位に
カルボキシル基(1位)に代わる置換基がついたものとし
て命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少する場合、
20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増加する場
合、21番目以後の炭素原子は置換基として命名する。
また、立体配置に関しては、特に断りのない限り、上記
基本骨格の有する立体配置に従うものとする。また、例
えばPGD、PGE、PGFは、9位および/または1
1位に水酸基を有する化合物をいうが、この発明では、
9位および/または11位の水酸基に代えて他の基を有
するものも包含する。これらの化合物を命名する場合、
9−デヒドロキシ−9−置換体あるいは11−デヒドロ
キシ−11−置換体の形で命名する。
【0010】前述のように、この発明ではプロスタン酸
化合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいて行う。ま
た、上記化合物がプロスタグランジンと同一の部分構造
を有する場合には、簡単化のためPGの略名をも利用す
ることがある。これをIUPAC命名法に基づいて命名
すると、例えば13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6R,S−フルオロ−PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,
3R)−3−ヒドロキシ−2−[(4R,S)−4−フルオ
ロ−3−オキソ−1−オクチル]−5−オキソ−シクロ
ペンチル}−ヘプト−5−エン酸; 13,14−ジヒドロ
−15−ケト−20−エチル−11−デヒドロキシ−1
1R−メチル−PGE2メチルエステルはメチル、7−
{(1R,2S,3S)−3−メチル−2−[3−オキソ−1
−デシル]−5−オキソシクロペンチル}−ヘプト−5−
エノエート; 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−
19−メチル−PGE2エチルエステルはエチル、7−
{(1R,2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(7−メチル
−3−オキソ−1−オクチル)−5−オキソ−シクロペ
ンチル)−6−オキソヘプタノエートである。13,14
−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイ
ソプロピルエステルはイソプロピル(Z)−7−[(1R,
2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−{3−オ
キソ−1−デシル}シクロペンチル]−ヘプト−5−エノ
エートであり; 13,14−ジヒドロ−15−ケト−2
0−メチル−PGF2αメチルエステルは、メチル(Z)
−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ
−2−(3−オキソ−1−ノニル)−シクロペンチル]−
ヘプト−5−エノエートである。
【0011】この発明で使用するプロスタン酸化合物と
しては、プロスタン酸の15位の炭素がカルボニル基
(15−ケト)を形成している特性を有するものが好まし
く、5−6位の炭素結合が単結合である15−ケト−P
1類、二重結合である15−ケト−PG2類、5−6位
の炭素結合および17−18位の炭素結合がいずれも二
重結合である15−ケト−PG3類のいずれであっても
よい。化合物の例としては上記プロスタン酸のα鎖末端
のカルボキシル基がエステル化された化合物、生理学的
に許容し得る塩、2−3位の炭素結合が二重結合あるい
は5−6位の炭素結合が三重結合を有する化合物、3
位、6位、16位、17位、19位および/または20
位の炭素に置換基を有する化合物、9位および/または
11位の水酸基の代わりに低級アルキル基またはヒドロ
キシ(低級)アルキル基を有する化合物等がある。
【0012】3位、17位および/または19位の炭素
原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1〜4の
アルキル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が挙げ
られる。16位の炭素原子に結合する置換基としては、
例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基、ヒド
ロキシ基または塩素、フッ素などのハロゲン原子、トリ
フルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基が挙げ
られる。20位の炭素原子に結合する置換基としては、
1-4アルキルのような飽和または不飽和の低級アルキ
ル基、C1-4アルキルのような低級アルコキシ基、C1-4
アルコキシ−C1-4アルキルのような低級アルコキシア
ルキルを含む。6位の炭素原子の置換基としては、カル
ボニル基を形成するオキソ基を含む。9位および/また
は11位の炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルまた
は低級(ヒドロキシ)アルキル置換基を有する場合の立体
配置はα,βまたはそれらの混合物であっても構わな
い。さらに、上記化合物は、ω鎖が天然のPG類より短
い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、フェノキシ基、フ
ェニル基等の置換基を有するものであってもよい。特に
好ましい化合物は、20位の炭素に例えばメチル基、エ
チル基なとの低級アルキル基を有する化合物である。
【0013】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【化2】 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキルまたはオキソ
(ただし、XおよびYの基のうち少なくとも1つは、水
素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合
を有していてもよい)、AはCOOH、その塩類またはエ
ステル、Bは−CH2−CH2−、−CH=CH−または
−C≡C−、Zは
【化3】 (ただし、R3は低アルキル基または水素原子)、R1
非置換またはハロ、オキソまたはアリールで置換され
た、二価の飽和または不飽和、低−中級脂肪族炭化水素
残基、R2は非置換またはオキソ、ヒドロキシ、ハロ、
低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低
級)アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換さ
れた、飽和または不飽和、低−中級脂肪族炭化水素残基
である]を有する。
【0014】上式中、R1およびR2における「不飽和」の
語は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、少な
くとも1つまたはそれ以上の2重結合および/または3
重結合を孤立、分離または連続して含むことを意味す
る。通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不
飽和は若い方の位置番号を表示することにより示し、連
続しない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示
して示す。好ましい不飽和は、2位の2重結合および5
位の2重結合または3重結合である。「低〜中級脂肪族
炭化水素」または「中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数
1〜14または5〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、
側鎖は炭素数1〜3のものが好ましい]を有する炭化水
素を意味し、好ましくはR1の場合炭素数2〜8、特に
4〜8の炭化水素であり、R2の場合炭素数1〜9、特
に2〜7の炭化水素である。
【0015】「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素お
よびよう素を包含する。「低級」の語は、特にことわりの
ない限り炭素原子数1〜6を有する基を包含するもので
ある。「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖
または分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。「低
級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上述と同意義で
ある低級アルキル−O−フェニルを意味する。「ヒドロ
キシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも1つのヒドロ
キシ基で置換された上記のようなアルキルを意味し、例
えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒ
ドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒドロキシエチ
ルである。「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO
−O−(ここで、RCO−は上記のような低級アルキル
が酸化されて生じるアシル、例えばアセチル)で示され
る基を意味する。「シクロ低級アルキル」の語は、上記の
ような低級アルキル基が閉環して生ずる基を意味する。
【0016】「アリール」の語は、置換されていてもよい
芳香性炭素環または複素環基(好ましくは単環性の基)を
包含し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよびチエ
ニルを含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲン置換
低級アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低級アル
キル基は前記の意味)が含まれる。「アリールオキシ」の
語は、式ArO−(ここで、Arは上記のようなアリール
基)で示される基を意味する。Aで示されるカルボキシ
ル基の塩類としては、医薬上許容される塩が適当であ
る。
【0017】適当な「医薬上許容される塩」としては、慣
用される非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばアル
カリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土
類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニ
ウム塩、有機塩基との塩、例えばアミン塩(例えばメチ
ルアミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン
塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミ
ン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、ト
リエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミ
ノ)エタン塩、モノメチル-モノエタノールアミン塩、リ
ジン塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミ
ノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)テトラアルキ
ルアンモニウム塩等があげられる。これらの塩類は、例
えば対応する酸および塩基から常套の中和反応によって
または塩交換によって製造し得る。
【0018】エステルとしては、メチルエステル、エチ
ルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステ
ル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチル
エステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチ
ルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステ
ル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチ
ニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニル
エステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキ
シ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステル、
1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)
アルキルエステルのような脂肪族エステルおよび例えば
フェニルエステル、トリルエステル、t−ブチルフェニ
ルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフ
ェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所
望により置換されたアリールエステル、ベンジルエステ
ル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のア
リール(低級)アルキルエステルがあげられる。これらの
エステルは、例えば対応する酸およびアルコールから常
套のエステル化反応によってまたはエステル交換によっ
て製造し得る。
【0019】好ましいA基の例は、−COOH、−CO
OCH3、−COOCH2CH3、−COOCH(CH3)で
ある。上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖の配置
は、天然のプロスタグランジン類の配置と同様かまたは
異なっていてもよい。しかしながら、この発明は、天然
の配置を有する化合物および非天然の配置を有する化合
物の混合物も包含する。
【0020】本発明において好ましいプロスタン酸化合
物は15位がケト型である15−ケト−プロスタグラン
ジン類、13および14位が飽和している13,14−
ジヒドロプロスタグランジン類、20位が延長されてい
る20−アルキル置換プロスタグランジン化合物、特に
炭素数1〜4個延長した化合物、およびF型プロスタグ
ランジン類などである。
【0021】この発明の典型的な化合物の例は、15−
ケト−20−低級アルキルPGA〜F類および△2−誘
導体、3R,S−メチル誘導体、6−ケト誘導体、5R,
S−フルオロ誘導体、5,5−ジフルオロ誘導体、16
R,S−メチル誘導体、16,16−ジメチル誘導体、1
6R,S−フルオロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導
体、16−フェニル−17,18,19,20−テトラノ
ル−誘導体、17S−メチル誘導体、17R,S−フル
オロ誘導体、17,17−ジフルオロ誘導体、17−フ
ェニル−18,19,20−トリノル−誘導体および19
−メチル誘導体である。
【0022】特に好ましい具体的化合物の例は15−ケ
ト−PG類、特にPGF類、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−PG類、特にPGF類、13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−20−低級アルキル(特にエチル)−P
G類、特にPGF類などである。
【0023】この発明の成分のプロスタン酸のうち、1
5−ケト−PGにおいて、11位のヒドロキシと15位
のケト間のヘミアセタール形成により、ケト−ヘミアセ
タール平衡を生ずる場合がある。このような互変異性体
が存在する場合、両異性体の存在比率は他の部分の構造
または置換基の種類により変動し、場合によっては一方
の異性体が圧倒的に存在することもあるが、この発明に
おいてはこれら両者を含むものとし、このような異性体
の存在の有無にかかわりなくケト型の構造式または命名
法によって化合物を表わすことがあるが、これは便宜上
のものであってヘミアセタール型の化合物を排除しよう
とするものではない。
【0024】この発明においては、個々の互変異性体、
その混合物または光学異性体、その混合物、ラセミ体、
その他の立体異性体等の異性体も、同じ目的に使用する
ことが可能である。この発明の成分であるプロスタン酸
化合物のあるものは、特開平2−108号、特開平2−
96528号に記載の方法によって製造し得る。また一
般に、これらの化合物は、上記と同様の方法または環部
分に関する既知合成法を加味した方法によって製造し得
る。
【0025】13,14−ジヒドロ−15−ケト体の製
造法としては、市販の(−)コーリーラクトンを出発原料
とし、これをコリンズ酸化してアルデヒドを得、これに
ジメチル(2−オキソアルキル)ホスホネートアニオンを
反応させて、α,β−不飽和ケトンを得、これを還元し
てケトンを得、該ケトンのカルボニル基をジオールと反
応させてケタールとして保護し、次いで脱 p−フェニル
ベンゾイル化によってアルコールを得、この新たに生じ
た水酸基をジヒドロピランで保護し、テトラヒドロピラ
ニルエーテルとする。これによって、ω鎖が13,14
−ジヒドロ−15−ケトアルキル基であるPG類の前駆
体を得る。
【0026】上記テトラピラニルエーテルを原料として
【化4】 である6−ケト−PG1類はテトラヒドロピラニルエー
テルをジイソブチルアルミニウムヒドリドなどを用いて
還元しラクトールを得、これに(4−カルボキシブチル)
トリフェニルホスホニウムブロミドから得たイリドを反
応させ、次いでエステル化した後、5−6位の二重結合
と9位の水酸基とをNBSまたはヨウ素を用いて環化し
て、ハロゲン化物を得、これをDBU等を用いて脱ハロ
ゲン化して、6−ケト体を得、ジョーンズ酸化後、保護
基を外すことによって得ることができる。
【0027】さらに、
【化5】 であるPG2類は、上記テトラヒドロピラニルエーテル
を還元してラクトールを得、これに(4−カルボキシブ
チル)トリフェニルホスホニウムブロミドから得たイリ
ドを反応させてカルボン酸を得、次いでエステル化した
後、ジョーンズ酸化し、次いで保護基を外すことにより
得ることができる。
【0028】上記テトラヒドロピラニルエーテルを原料
として、
【化6】 であるPG1類を得るには、
【化7】 であるPG2類と同様にし、得られた化合物の5−6位
の二重結合を接触還元し、次いで、保護基を外すことに
より得ることができる。5、6および7位の炭化水素鎖
【化8】 である5,6−デヒドロ−PG2類の合成は、下に示すよ
うなモノアルキル銅錯体あるいはジアルキル銅錯体
【化9】 を4R−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロ
ペンテン−1−オンに1,4−付加して生じる銅エノレ
ートを6−カルボアルコキシ−1−ヨード−2−ヘキシ
ンあるいはこれの誘導体で捕捉することにより合成し得
る。
【0029】11位の水酸基の代りにメチル基を有する
PG類の製造法としては、11−トシレート体の9位の
水酸基をジョーンズ酸化して得られるPGAタイプ化合
物に、ジメチル銅錯体を作用させることにより、11−
デヒドロキシ−11−メチル−PGEタイプが得られ
る。あるいはp−フェニルベンゾイル基を脱離後に得ら
れるアルコールをトシレートとし、これをDBU処理し
て得られる不飽和ラクトンをラクトールとし、ウィティ
ッヒ反応を用いてα−鎖を導入後、得られるアルコール
(9位)を酸化してPGAタイプとし、これへジメチル銅
錯体を作用させることにより11−デヒドロキシ−11
−メチル−PGEタイプが得られる。これを例えば水素
化ホウ素ナトリウムで還元することにより11−デヒド
ロキシ−11−メチル−PGFタイプが合成しうる。
【0030】11位の水酸基の代わりにヒドロキシメチ
ル基を有するPG類は、上記で得られたPGAタイプに
対してベンゾフェノンを増感剤として用い、メタノール
を光付加することにより11−デヒドロキシ−11−ヒ
ドロキシメチル−PGEタイプが合成できる。これを例
えば水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより11
−デヒドロキシ−11−ヒドロキシメチル−PGFタイ
プを合成しうる。16−フルオロ−PG類は、α,β−
不飽和ケトンを得る際にジメチル(3−フルオロ−2−
オキソアルキル)ホスホネートアニオンを用いればよ
く、19−メチル−PG類はジメチル(6−メチル−2
−オキソアルキル)ホスホネートアニオンを用いればよ
い。また、例えば17−フェニル−18,19,20−ト
リノル−PG類であれば、ジメチル(4−フェニル−2
−オキソブチル)ホスホネートアニオンを用いればよ
い。
【0031】本発明において合成法は、これに限定され
るものではなく、保護方法、酸化還元法等は適宜適当な
手段を採用すればよい。プロスタン酸化合物の具体的な
製造例は、例えば特開平1−151552号、特開平2
−108号、特開平2−96528号および特開平2−
96529号に記載されている。
【0032】この発明で用いる化合物は動物およびヒト
用の薬剤として使用することができ、通常、全身的ある
いは局所的に点眼、経口、静脈注射(点滴を含む)、皮下
注射、直腸内投与などの方法で使用される。特に点眼剤
としての使用が有用である。投与量は動物またはひと等
のような対象の種類、年令、体重、処置されるべき症
状、所望の治療効果、投与方法、処置期間等により変化
するが、通常局所投与の場合0.01〜100μg/眼
の投与量または1日2から4分割用量または持続形態で
全身投与する場合0.001〜500mg/kgの投与
量で通常十分な効果がえられる。
【0033】この発明による点眼剤としては、点眼液ま
たは眼軟膏等が含まれる。点眼液は、有効成分を無菌の
水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかま
たは用時溶解用に組合せて作られる。眼軟膏は、基剤に
有効成分を混合して作られる。
【0034】この発明による経口投与のための固体組成
物としては、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸
剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物
においては1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくと
も1つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトー
ル、ぶどう糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性
セルロース、でんぷん、ポリビニルピロリドン、メタケ
イ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は常
法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステ
アリン酸マグネシウムのような滑沢剤や繊維素グルコン
酸カルシウムのような崩壊剤、α,βまたはγ−シクロ
デキストリン、ジメチル−α−、ジメチル−β−、トリ
メチル−β−またはヒドロキシプロピル−β−シクロデ
キストリン等のエーテル化シクロデキストリン、グリコ
シル−,マルトシルーシクロデキストリン等の分枝シク
ロデキストリン、ホルミル化シクロデキストリン、硫黄
含有シクロデキストリン、ミソプロトール、りん脂質の
ような安定剤を含んでいてもよい。上記シクロデキスト
リン類を用いた場合はシクロデキストリン類と包接化合
物を形成して安定性が増大する場合がある。また、りん
脂質を用いたリポソーム化することにより安定性が増大
する場合がある。錠剤または丸剤は必要により白糖、ゼ
ラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレートなどの胃溶性あるい
は腸溶性物質のフィルムで被覆してもよいし、また、2
以上の層で被覆してもよい。更にゼラチンのような崩壊
され得る物質のカプセル剤としてもよい。速効性を必要
とするときは、舌下錠としてもよい。
【0035】基剤としてはグリセリン、乳糖等を用いれ
ばよい。 経口投与のための液体組成物としては、乳
剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示
される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精
製水、エタノール等を含んでいてもよい。この組成物は
不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助
剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していても
よい。
【0036】経口投与のためのその他の組成物として
は、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。この
発明による非経口投与のための注射剤としては無菌の水
性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含する。水性
の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸留水、
生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。非水性の液
剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート
等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾
過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって
無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造
し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して
使用することもできる。
【0037】別の形態は坐薬または腟坐薬である。これ
らの坐薬はカカオ脂等の体温で軟化する基剤に有効成分
を混合して作ることができ、適当な軟化温度を有する非
イオン界面活性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。
本発明の視神経障害改善剤は、後述の試験例より明らか
なように、視力や視野の回復という優れた視神経障害改
善作用を有するので、種々の視神経障害疾患、例えば、
中心性網脈絡膜症、腎性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜
動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜剥離、網膜色素変性、未
熟児網膜神経炎、乳頭炎、クモ膜炎、レーベル病、脊髄
炎などによる視神経障害の改善に有効な薬剤として用い
ることができる。
【0038】この発明において、「改善」の語は、予防、
治療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあらゆ
る疾患の管理を包含する。またこの発明は改善すべき対
象にこの発明の改善剤を投与することからなる、視神経
障害の改善法を提供するものである。
【0039】
【実施例】以下、この発明を試験例によりさらに詳細に
説明するが、これはこの発明を限定するものではない。 試験例1 (方法)患者(男性、26歳、レーベル病)に、レスキュラ
点眼液(0.12%)を、1日2回8週間投与した。 (結果) ・他覚的所見:明らかな視力回復が認められた。 ・自覚的所見:投与前に比較して、見やすくなったと感
じる(立体感がでてきた。)。なお、投与開始後、13カ
月において、右眼のみ、視力が0.3まで回復した。 レスキュラ点眼液(0.12%):有効成分として13,
14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−プロスタ
グランジンF2αイソプロピルエステル(一般名:イソ
プロピルウノプロストン)を0.12%含有。
【0040】試験例2 患者(女性、69歳)に試験例1で用いたのと同じレスキ
ュラ点眼液を1日2回4週間投与した。投与前および投
与後の視野の状態をハンフリー視野測定計を用いて測定
した。得られた「グローバルインデックス」を以下に示
す。なお、投与前の眼圧は左右眼とも18mmHgであ
り、投与後は右眼18mmHg、左眼20mmHgであ
り、眼圧には殆ど影響が認められなかった。 ・グローバルインデックス 投与前右眼 投与前左眼 MD*: −5.74DB −7.28DB CPSD**: 0.00DB 7.44DB 投与後右眼 投与後左眼 MD: −1.33DB −1.03DB CPSD: 2.68DB 3.04DB *MD:平均偏差(年代別正常値からの感度低下の平均:視野全体の沈下を意味す る) **CPSD:修正パターン標準偏差(PSDとSFで補正したもの:局所的な沈 下を表わす)。PSDは正常パターンからの感度のばらつき、SFは2回測定部 位の実測閾値のばらつきを示す。 実測閾値を図1および2に示す。図中、数値は中心30
°の各測定点の感度をdBで表示したものである。以上
のように、ハンフリー視野測定計の測定結果から、明ら
かな視野改善の効果が認められた。
【0041】試験例3 患者(女性、66歳)に試験例1で用いたのと同じレスキ
ュラ点眼液を1日2回2カ月投与した。投与前および投
与後の視野の状態をゴールドマン視野計を用いて測定し
た。V/4を用いた周辺視野の測定結果を図3および図
4に示す。図3および図4中、点線は日本人の健常者の
平均残存視野を示し、その残存視野の角度を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】図3および図4中、黒の太い実線は患者の
残存視野を示す。投与後のV/4面積は大きくなり、暗
点も消失していた。また、この測定結果から「視野障害
認定の手引」(厚生省)に基づき、各々の視能率を求め
た。さらにこの測定結果から残存視野の面積を求めた。
面積の測定はブラニメーター(面積計)(PLANIX5
000、タマヤ計測システム)を用いて行った。その結
果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2中、視能率は、残存視野の角度の合計
を健常者のそれ(560)で除して%表示したものであ
る。なお、投与前の眼圧は左右眼とも20mmHgであ
り、投与後は左右眼とも20mmHgであり、眼圧には
影響が認められなかった。以上のように、ゴールドマン
視野計の測定結果から、明らかな視野改善の効果が認め
られた。
【0046】試験例4 患者(女性、49歳、ただし疾患は左眼のみ)に試験例1
で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4カ月間
投与した。投与前および投与後の視野の状態をハンフリ
ー視野測定計を用いて測定した。得られた「グローバル
インイデックス」を以下に示す。「実測閾値」を図5に示
す。 以上のように、ハンフリー視野測定計の測定結果から、
明らかな視野改善の効果が認められた。なお、投与後の
グローバルインデックスMD値は正常範囲内を示してい
る。
【0047】試験例5 患者(男性、23歳、レーベル病)に、試験例1で用いた
のと同じレスキュラ点眼液を1日2回9カ月間投与し
た。以下に示す投与前および投与後の視力の測定結果か
ら、明らかな視力回復が認められた。 右眼 左眼 投与前視力(矯正眼) 0.04 0.06 投与後視力(矯正眼) 0.08 0.4
【0048】試験例6 患者(女性、13歳、網膜色素変性症)に、試験例1で用
いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4カ月間投与
した。投与前および投与後の視野の状態をゴールドマン
視野計を用いて測定した。V/4を用いた周辺視野の測
定結果を図6および7に示す。この結果から、試験例3
と同様に、各々の視能率および残存視野の面積を求め
た。その結果を表3に示す。
【0049】
【表3】 以上のように、ゴールドマン視野計の測定結果から、明
らかな視野改善の効果が認められた。
【0050】試験例7 患者(男性、14歳、網膜色素変性症)に、試験例1で用
いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4カ月間投与
した。投与前および投与後の視野の状態をゴールドマン
視野計を用いて測定した。V/4を用いた周辺視野の測
定結果を図8および9に示す。この測定結果から、試験
例3と同様に、各々の視能率および残存視野の面積を求
めた。その結果を表4に示す。
【表4】 以上のように、ゴールドマン視野計の測定結果から、明
らかな視野改善の効果が認められた。
【0051】試験例8(ラット網膜視細胞の障害モデル) ・飼育条件 SD系ラット(雄、11週齢、310〜360g)を80
0〜1200ルクスの照明を4日間連続照射(光照射期
間)することにより、飼育した(第2群〜第5群)。正常
対照である第1群は、蛍光灯による照明で明暗各12時
間として4日間飼育した(300ルクス以下)。
【0052】・試験方法 1.試験群、濃度、動物数
【表5】 2.投与方法 光照射期間中、被験薬をラットに5μl/eyeで1日3
回(10:00、13:00および16:00)両眼に点
眼した。なお、病態対照(第2群)は基剤のみを点眼し
た。 3.標本作成 光照射期間終了の翌日に、ラットをエーテル麻酔にて致
死させ、両眼を摘出し、直ちに固定液(2%パラホルム
アルデヒド、2.5%グルタルアルデヒドを含むリン酸
緩衝液)に浸漬した。2時間後、角膜をカミソリで切り
取り、水晶体を取り除き、さらに同液で1晩、固定を行
った。固定された組織はアルコール系列(70〜100
%エタノール)を経て、パラフィン包埋を行った。組織
切片は、眼球経線に沿って平行に切り、視神経乳頭部を
含む網膜の薄切切片を1眼につき3枚作成した。染色は
ヘマキトシリン・エオジン染色を行った。 4.光学顕微鏡を用いて100倍で鏡検を行い、ポジテ
ィブフィルム(RDPII135:富士写真フィルム製)に
て顕微鏡写真を撮影し、外顆粒層から外節までの細胞層
の厚さを測定し、実際の細胞層の厚さを求めた。結果を
表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】被験薬1:13,14−ジヒドロ−15−
ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステル 被験薬2:13,14−ジヒドロ−18,19,20−ト
リノル−17フェニル−PGF2αイソプロピルエステ
ル 被験薬3:2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエ
チル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16
−ジフルオロ−20−エチル−PGE1イソプロピルエ
ステル 被験薬は、対応濃度となるように、下記基剤に、溶解し
て、点眼投与した。
【0055】*基剤 ポリソルベート80 5g NaCl 3g 滅菌蒸留水を適量用い、全体として500mlとなるよ
うに調整した。以上の結果から、各被験薬は、光照射に
よる視神経障害に対する改善効果が明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例2におけるハンフリー視野計で測定し
た投与前の実測閾値。
【図2】 試験例2におけるハンフリー視野計で測定し
た投与後の実測閾値。
【図3】 試験例3において、視野の状態をゴールドマ
ン視野計を用いて測定した投与前の結果。
【図4】 試験例3において、視野の状態をゴールドマ
ン視野計を用いて測定した投与後の結果。
【図5】 試験例4におけるハンフリー視野計で測定し
た投与前後の実測閾値。
【図6】 試験例6におけるゴールドマン視野計を用い
て測定した投与前の結果。
【図7】 試験例6におけるゴールドマン視野計を用い
て測定した投与後の結果。
【図8】 試験例7におけるゴールドマン視野計を用い
て測定した投与前の結果。
【図9】 試験例7におけるゴールドマン視野計を用い
て測定した投与後の結果。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 隆司 兵庫県西宮市美作町7−29 (72)発明者 長間 弘宜 兵庫県三田市けあき台5−5−14 (72)発明者 平戸 徹 兵庫県三田市すずかけ台1−29−B103

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロスタン酸化合物を有効成分とする、
    視神経障害改善剤。
  2. 【請求項2】 プロスタン酸化合物がプロスタグランジ
    ン化合物である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 プロスタグランジン化合物がプロスタグ
    ランジンEまたはF化合物である請求項2記載の剤。
  4. 【請求項4】 プロスタグランジン化合物が13,14
    −ジヒドロ−プロスタグランジン化合物である請求項2
    または3記載の剤。
  5. 【請求項5】 プロスタグランジン化合物が15−ケト
    −プロスタグランジン化合物である請求項2または3記
    載の剤。
  6. 【請求項6】 プロスタグランジン化合物が13,14
    −ジヒドロ−15−ケト−プロスタグランジン化合物で
    ある請求項2または3記載の剤。
  7. 【請求項7】 プロスタグランジン化合物が20−低級
    アルキル−プロスタグランジン化合物である請求項2ま
    たは3記載の剤。
  8. 【請求項8】 プロスタグランジン化合物が20−エチ
    ル−プロスタグランジン化合物である請求項2または3
    記載の剤。
  9. 【請求項9】 プロスタグランジン化合物が2−デカル
    ボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−プロスタグラン
    ジン化合物である請求項2または3記載の剤。
  10. 【請求項10】 プロスタグランジン化合物が18,1
    9,20−トリノル−17−フェニル−プロスタグラン
    ジン化合物である請求項2または3記載の剤。
  11. 【請求項11】 プロスタグランジン化合物が16モノ
    またはジフルオロ−プロスタグランジン化合物である請
    求項2または3記載の剤。
  12. 【請求項12】 プロスタグランジン化合物が13,1
    4−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−プロスタグ
    ランジン化合物である請求項2または3記載の剤。
  13. 【請求項13】 プロスタグランジン化合物が13,1
    4−ジヒドロ−15−ケト−16モノまたはジフルオロ
    −プロスタグランジン化合物である請求項2または3記
    載の剤。
  14. 【請求項14】 プロスタグランジン化合物が2−デカ
    ルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−
    ジヒドロ−15−ケト−16モノまたはジフルオロ−プ
    ロスタグランジン化合物である請求項2または3記載の
    剤。
  15. 【請求項15】 プロスタグランジン化合物が2−デカ
    ルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−
    ジヒドロ−15−ケト−16モノまたはジフルオロ−2
    0−エチル−プロスタグランジン化合物である請求項2
    または3記載の剤。
  16. 【請求項16】 プロスタグランジン化合物が13,1
    4−ジヒドロ−18,19,20−トリノル−17−フェ
    ニル−プロスタグランジン化合物である請求項2または
    3記載の剤。
  17. 【請求項17】 視神経改善剤の剤型が点眼液である請
    求項1記載の剤。
  18. 【請求項18】 視力低下の改善を目的とする請求項1
    記載の剤。
  19. 【請求項19】 視野狭窄の改善を目的とする請求項1
    記載の剤。
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