JPH107574A - エンドセリン拮抗剤 - Google Patents

エンドセリン拮抗剤

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JPH107574A
JPH107574A JP15538396A JP15538396A JPH107574A JP H107574 A JPH107574 A JP H107574A JP 15538396 A JP15538396 A JP 15538396A JP 15538396 A JP15538396 A JP 15538396A JP H107574 A JPH107574 A JP H107574A
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keto
compound
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prostaglandin
endothelin
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JP15538396A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sugiyama
哲也 杉山
Ikuo Azuma
郁郎 東
Takashi Ueno
隆司 上野
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R Tech Ueno Ltd
Original Assignee
R Tech Ueno Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンドセリンが関与する種々の疾患や病態の
処置に有用な点眼用エンドセリン拮抗剤を提供する。 【解決手段】 15−ケト−プロスタグランジンF化合
物、ただしα鎖の骨格炭素原子が8以上の化合物を除
く、を有効成分とする、点眼用エンドセリン拮抗剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、15−ケト−プ
ロスタグランジンF化合物のエンドセリン拮抗剤として
の新用途に関するものである。この発明の剤は、特に眼
科領域においてエンドセリンが関与する種々の疾患の処
置剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】エンドセリンは21個のアミノ酸から成
る内在性の生理活性ペプチドであり、エンドセリン−
1、エンドセリン−2およびエンドセリン−3の3種類
のものが知られている。エンドセリンは直接的または間
接的(種々の内因性物質の遊離を調節)に血管性および非
血管性の平滑筋を持続的に収縮させる生理活性物質であ
り、エンドセリンの産生は内皮の障害によって増強され
る。その過剰産生は高血圧症、肺血圧症、バージャー
病、レイノー病、喘息、眼底(網膜、脈絡膜等)疾患、糖
尿病、動脈硬化症、腎不全、心筋梗塞、狭心症、脳血管
攣縮および脳梗塞等の病因の1つであると考えられてい
る。また、エンドトキシンショック等に起因する多臓器
不全、汎発性血管内凝固等の疾患、シクロスポリン等誘
発の腎障害に対して重要なメディエーターであることが
知られている。さらに肝移植等の臓器移植後に血中エン
ドセリン濃度が上昇することも知られている。プロスタ
グランジン類(以後プロスタグランジンはPGとして示
す)はヒトおよび他の哺乳類の組織または器官に含有さ
れ、広範囲の生理学的活性を示す有機カルボン酸の1群
である。天然に存在するPG類は一般的な構造特性とし
て、プロスタン酸骨格を有する。
【0003】
【化1】
【0004】一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格
を持っている。天然PG類は5員環の構造特性によっ
て、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE
類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびP
GJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和および酸化
の存在および不存在によっても 下付1...13,14−ジ不飽和−15−OH 下付2...5,6−および13,14−ジ不飽和−15
−OH 下付3...5,6−、13,14−および17,18−
トリ不飽和−15−OH として、分類される。また、PGF類は9位の水酸基の
配置によってα(水酸基がアルファー配置である)および
β(水酸基がベータ配置である)に分類される。
【0005】PGE1、PGE2およびPGE3は血管拡
張、血圧降下、胃液分泌減少、腸管運動亢進、子宮収
縮、利尿、気管支拡張および抗潰瘍活性をもつことが知
られている。また、PGF1α、PGF2αおよびPGF
3αは血圧上昇、血管収縮、腸管運動亢進性、子宮収
縮、黄体退行および気管収縮活性を有することが知られ
ている。
【0006】また、幾つかの15−ケト(すなわち、水
酸基の代わりに15位にオキソ基を持つ)PG類および
13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGは、天然PG
の代謝中に酵素の作用によって自然に産生される物質と
して知られている[アクタ・フィジオロジカ・スカンジ
ナビカ(Acta Physiologica Scandinavica)、66
巻、509頁、1966年]。さらに、15−ケト−P
GF2αは抗妊娠活性を持つことも報告されている。ま
た、15−ケト−PGE化合物が種々の疾患の治療に使
用し得ることが知られている(ヨーロッパ特許出願公開
第0284180号など)。
【0007】エンドセリンに対する作用としては、PG
2がラットにおいて、エンドセリン誘発性の血管収縮
を阻害することが知られている。また、13,14−ジ
ヒドロ−15−ケト−エチル−PGF2αイソプロピル
エステル(一般名:イソプロピルウノプロストン)の硝
子体内投与がエンドセリン−1誘発視神経乳頭血流量減
少をわずかに抑制するという報告もある(日眼会誌9
8:1079−1084、1994)。しかしながら、
ヒトの眼疾患の治療において硝子体内投与を実施するこ
とはあり得ない。また、例えばペプタイド等は硝子体内
投与で作用を発現しても点眼投与では作用を発現しない
というように、硝子体内投与と点眼投与では得られる効
果が異なることが当業者には知られており、点眼投与の
ためのエンドセリン拮抗剤については知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、エンドセ
リンが関与する種々の疾患や病態の処置に有用な点眼用
エンドセリン拮抗剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、15−
ケト−PGF化合物の生物活性について鋭意研究の結
果、医薬品としての投与ルートである点眼投与によって
15−ケト−PGF化合物が極めて強いエンドセリン拮
抗作用を発現することを見出し、この発明を完成したも
のである。すなわち、この発明は、15−ケト−プロス
タグランジンF化合物、ただしプロスタン酸のα鎖の骨
格炭素原子が8以上のものを除く、を有効成分とするエ
ンドセリン点眼用拮抗剤を提供するものである。
【0010】この発明の点眼用エンドセリン拮抗剤は、
極めて強いエンドセリン拮抗作用を有するので、特に眼
科領域におけるエンドセリンが関与する種々の疾患や病
態の処置に有効である。ここにいう「処置」には、予
防、治療、症状の軽減、症状の減退、進行停止等、あら
ゆる管理が含まれる。また、「点眼用」の語には通常の
点眼用液体製剤の他、眼軟膏も含まれる。
【0011】本願の拮抗剤はエンドセリンが関与する種
々の疾患や病態、特にエンドセリンが関与する血管障害
に起因する眼底(網膜、脈絡膜等)の疾患や病態、例えば
糖尿病性網膜症、腎性網膜症、網膜静脈閉塞症等の処置
に有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】「15−ケト−プロスタグランジ
ンF化合物」とは、以下15−ケト−PGF化合物と略
称するが、いずれも13および14位の間の2重結合の
存在または不存在に関係なくプロスタン酸骨格の15位
に水酸基の代わりにオキソ基を持つあらゆるプロスタグ
ランジンF誘導体を含む。
【0013】この発明の15−ケト−PGF化合物類の
命名に際しては式(A)に示したプロスタン酸の番号を用
いる。前記式(A)はC−20の基本骨格のものである
が、本発明では炭素数がこれによって限定されるもので
はない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボ
ン酸を1とし5員環に向って順に2〜7までをα鎖上の
炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜20ま
でをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する
場合、2位から順次番号を抹消して命名する。同様に、
炭素数がω鎖上で減少する場合、20位から炭素の番号
を順次減じ、ω鎖上で増加する場合、21番目以後の炭
素原子は置換基として命名する。また、立体配置に関し
ては、特にことわりのないかぎり、上記基本骨格の有す
る立体配置に従うものとする。
【0014】従って、例えばω鎖に10個の炭素原子を
有する15−ケト−PGF化合物を15−ケト−20−
エチル−PGF類と命名する。ただしα炭素上の骨格炭
素原子が8以上である化合物は本発明の範囲外である。
上記式は最も典型的な配位である特定配置を示すが、こ
の明細書において、特にことわらない限り化合物は、上
記の配置を有するものとする。
【0015】PGF類とは、一般にプロスタン酸の9位
および11位に水酸基を持つ化合物を指すが、この発明
の15−ケト−プロスタグランジンF化合物は9位およ
び/または11位に他の基を有する化合物類まで拡張し
て包含する。上記化合物類のうち例えば11位に置換基
を有する化合物については11−デヒドロキシ−11−
置換化合物類と称する。また、例えば11位の水酸基の
代わりに水素原子を有する場合は、単に11−デヒドロ
キシ−化合物類と称する。
【0016】本発明において用いられる15−ケト−P
GF化合物類は15位に水酸基の代わりにオキソ基を有
し、α鎖の骨格炭素原子数が7以下であるあらゆるPG
Fの誘導体類であり得、さらに1つの一重結合(15−
ケト−PGFタイプ1化合物類)、5位と6位の間に1
つの二重結合(15−ケト−PGFタイプ2化合物)、ま
たは5位と6位および17位と18位の間に2つの二重
結合(15−ケト−PGFタイプ3化合物)を有し得る。
また、15−ケト−PGF化合物類は13−14位の二
重結合が飽和した13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGF化合物類も包含する。
【0017】本発明に用い得る代表的な例は、15−ケ
ト−PGFタイプ1、15−ケト−PGFタイプ2、1
5−ケト−PGFタイプ3、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−PGFタイプ1、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−PGFタイプ2、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−PGFタイプ3、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−20−低級アルキルPGFタイプ1、13,
14−ジヒドロ−15−ケト−20−低級アルキルPG
Fタイプ2、13,14−ジヒドロ−15−ケト−20
−低級アルキルPGFタイプ3等、およびこれらの誘導
体である。
【0018】置換体または誘導体の例は、上記15−ケ
ト−PGF類のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化
された化合物、生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭
素結合が2重結合あるいは5−6位の炭素結合が3重結
合を有する化合物、3位、5位、6位、16位、17
位、19位および/または20位の炭素に置換基を有す
る化合物、9位および/または11位の水酸基の代り
に、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基または
水素原子を有する化合物(但し9位と11位の両方が同
時に水素原子となることはない)等である。
【0019】この発明において3位、17位および/ま
たは19位の炭素原子に結合する置換基としては、例え
ば炭素数1〜4のアルキル基があげられ、特にメチル
基、エチル基があげられる。16位の炭素原子に結合す
る置換基としては、例えばメチル基、エチル基などの低
級アルキル基、水酸基あるいは塩素、ふっ素などのハロ
ゲン原子、トリフルオロメチルフェノキシ等のアリール
オキシ基があげられる。17位の炭素原子の置換基とし
ては、塩素、ふっ素等のハロゲンが挙げられる。20位
の炭素原子に結合する置換基としては、C1-4アルキル
のような飽和または不飽和の低級アルキル基、C1-4
ルコキシのような低級アルコキシ基、C1-4アルコキシ-C1-4
アルキルのような低級アルコキシアルキルを含む。5位
の炭素原子の置換基としては、塩素、ふっ素などのハロ
ゲンを含む。6位の炭素原子の置換基としては、カルボ
ニル基を形成するオキソ基を含む。9位および/または
11位の炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルまたは
低級(ヒドロキシ)アルキル置換基を有する場合のこれら
の基の立体配置はα,βまたはそれらの混合物であって
もかまわない。さらに、上記誘導体は、ω鎖が天然のP
G類より短い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、フェノ
キシ基、フェニル基等の置換基を有するものであっても
よい。
【0020】特に好ましい化合物は、16位の炭素に例
えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を有する
化合物、塩素、ふっ素などのハロゲン原子を有する化合
物、17位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲンを有す
る化合物、19位の炭素に例えばメチル基、エチル基な
どの低級アルキル基を有する化合物、5位の炭素に塩
素、ふっ素などのハロゲンを有する化合物、6位の炭素
にオキソ基を有する化合物、20位の炭素に例えばメチ
ル基、エチル基などの低級アルキル基を有する化合物で
あり、また、16位あるいは17位の炭素以後のアルキ
ル鎖の代わりにハロゲン原子またはハロゲン化アルキル
基等の置換基を有することもあるフェニル基あるいはフ
ェノキシ基が16位あるいは17位の炭素原子に結合し
た化合物である。
【0021】この発明に使用される好ましい化合物は、
式(I)
【化2】
【0022】[式中、R,R’はそれぞれ独立して水
素、水酸基、ヒドロキシ低級アルキルまたは低級アルキ
ル(ただしR,R'が同時に水素となることはない)、
Aは−CH2OH、−COCH2OH、−COOHまたは
その官能性誘導体、Bは−CH2−CH2−、−CH=C
H−、−C≡C− Q1およびQ2は水素、ハロゲンまたは低級アルキル R1は非置換またはハロゲン、オキソもしくはアリール
で置換された、炭素数2〜6の二価の飽和または不飽和
炭化水素残基、R2は非置換またはハロゲン、オキソ、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキ
シ、低級シクロアルキル、アリールまたはアリールオキ
シで置換された、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭
化水素残基、低級シクロアルキル基、アリール基または
アリールオキシ基である]を有する。
【0023】上式中、R1およびR2における「不飽和」の
語は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、少な
くとも1つまたはそれ以上の2重結合および/または3
重結合を孤立、分離または連続して含むことを意味す
る。通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不
飽和は若い方の位置番号を表示することにより示し、連
続しない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示
して示す。好ましい不飽和は、2位の2重結合および5
位の2重結合または3重結合である。
【0024】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数
1〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数1
〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、好
ましくは炭素数2〜10の炭化水素である。「ハロゲン」
の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1〜
6を有する基を包含するものである。「低級アルキル」の
語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化
水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよび
ヘキシルを含む。「低級アルコキシ」の語は、低級アル
キルが上述と同意義である低級アルキル−O−を意味す
る。「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも1
つのヒドロキシ基で置換された上記のようなアルキルを
意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチ
ル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒド
ロキシエチルである。「低級アルカノイルオキシ」の語
は、式RCO−O−(ここで、RCO−は上記のような
低級アルキルが酸化されて生じるアシル、例えばアセチ
ル)で示される基を意味する。「低級シクロアルキル基」
の語は、炭素原子3個以上を含む上記のような低級アル
キル基が閉環して生ずる基であり、例えばシクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを
含む。「アリール」の語は、置換されていてもよい芳香性
炭素環または複素環基(好ましくは単環性の基)を包含
し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよびチエニル
を含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲン置換低級
アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低級アルキル
基は前記の意味)が含まれる。「アリールオキシ」の語
は、式ArO−(ここで、Arは上記のようなアリール基)
で示される基を意味する。
【0025】Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)、
エステルおよびアミド類を含む。適当な「医薬上許容し
得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機塩
基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリ
ウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネ
シウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、例え
ばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルアミン塩、
シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジ
ン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエ
タノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス
(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノ
エタノールアミン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフェ
イン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リ
ジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩等があげられ
る。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から
常套の方法によってまたは塩交換によって製造し得る。
【0026】エステルの例としては、メチルエステル、
エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチ
ルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエ
チルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステ
ル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチ
ニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニル
エステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキ
シ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステル、
1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)
アルキルエステルのような脂肪族エステルおよび例えば
フェニルエステル、トシルエステル、t−ブチルフェニ
ルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフ
ェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所
望により置換されたアリールエステル、ベンジルエステ
ル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のア
リール(低級)アルキルエステルがあげられる。アミドと
しては、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミド
等のモノもしくはジ低級アルキルアミド、アニリド、ト
ルイジド等のアリールアミド、メチルスルホニルアミ
ド、エチルスルホニルアミド、トリルスルホニルアミド
等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミド等があ
げられる。
【0027】好ましいA基の例は、−COOH、−CO
OCH3、−COOCH2CH3、−COOCH(CH3
2、−CONHSO2CH3である。
【0028】上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖
の配置は、天然のプロスタグランジン類の配置と同様か
または異なっていてもよい。しかしながら、この発明
は、天然の配置を有する化合物および非天然の配置を有
する化合物の混合物も包含する。
【0029】この発明の典型的な化合物類の例は、15
−ケト−PGF類、13,14−ジヒドロ−15−ケト
−PGF類および6−オキソ誘導体、△2−誘導体、3
R,S−メチル誘導体、6−ケト誘導体、5R,S−フル
オロ誘導体、5,5−ジフルオロ誘導体、16R,S−メ
チル誘導体、16,16−ジメチル誘導体、16R,S−
フルオロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導体、17
S−メチル誘導体、17R,S−フルオロ誘導体、17,
17−ジフルオロ誘導体、19−メチル誘導体、20−
メチル誘導体、20−エチル誘導体、19−デスメチル
誘導体および16−デブチル−16−フェノキシ誘導体
である。
【0030】この発明で用いる15−ケト−PGF化合
物において、13,14位が飽和している場合に11位
のヒドロキシと15位のケト間のヘミアセタール形成に
より、ケト−ヘミアセタール平衡を生ずる場合がある。
このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在
比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動
し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在するこ
ともあるが、この発明においてはこれら両者を含むもの
とし、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケ
ト型の構造式または命名法によって化合物を表わすこと
があるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール
型の化合物を排除しようとするものではない。この発明
においては、個々の互変異性体、その混合物または光学
異性体、その混合物、ラセミ体、その他の立体異性体等
の異性体も、同じ目的に使用することが可能である。
【0031】この発明に使用する化合物のあるものは、
特開平1−151519号等に記載の方法によって製造
し得る。別法として、これらの化合物は、ここで記述し
たのと同様の方法または既知方法によって製造し得る。
【0032】上記15−ケト−PGF化合物は、点眼用
エンドセリン拮抗剤として有用である。この発明の剤
は、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤等であっ
てよい点眼用の剤として提供される。水性の溶液剤、懸
濁剤用希釈剤としては蒸留水、生理食塩水が含まれる。
非水性の溶液剤、懸濁剤用希釈剤としては、食物油、流
動パラフィン、鉱物油、プロピレングリコール、p−オ
クチルドデカノール等がある。さらに涙液と等張にする
ことを目的として塩化ナトリウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化フェドリン、塩化プロカイン、クロラムフェニ
コール、クエン酸ナトリウム等の等張化剤、pHを一定に
保持することを目的としてホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液
等の緩衝剤を用いることができる。また、亜硫酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、EDTA、プロピレングリコー
ル等の安定剤、グリセリン、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシビニルポリマー等の粘稠剤、ポリソルベ
ート、マクロゴール、モノステアリン酸アルミニウム等
の希釈剤、パラベン、ベンジルアルコール、ソルビン酸
等の保存剤あるいはさらに溶解補助剤、賦形剤を含んで
いてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルター
を通す濾過、加熱滅菌によって無菌化される。点眼剤の
調整において特に重要な点は点眼剤のpHとイオン強度
であり、用いる活性物質あるいは他の添加剤の種類と量
によって最適値に適宜、調整すればよい。
【0033】この発明で用いる化合物は動物およびヒト
用の点眼用剤として使用する。点眼用剤の有効成分の濃
度は通常、0.01〜10%、好ましくは0.03〜5
%、より好ましくは0.06〜1%程度である。投与量
は動物またはヒト等のような対象の種類、年令、体重、
処置されるべき症状、所望の治療効果、投与方法、処置
期間等により変化するが、通常1〜1000μg/眼、
好ましくは10〜1000μg/眼、より好ましくは2
0〜1000μg/眼程度の投与量で通常十分な効果が
得られる。以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0034】
【実施例】合成例 合成チャート:
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】に従って、13,14−ジヒドロ−15−
ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステル
を合成した。具体的手順は以下の通りである: (1) 1S−2−オキサ−3−オキソ−6R−(3−オ
キソ−1−トランス−デセニル)−7R−(4−フェニル
ベンゾイルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.0]オク
タン(3)の合成:市販の(−)−コーリーラクトン(1)(7
g)をジクロルメタン中コリンズ酸化し、アルデヒド
(2)を得た。これをジメチル(2−オキソノニル)ホスホ
ネート(4.97g)アニオンと反応させ、1S−2−オ
キサ−3−オキソ−6R−(3,3−エチレンジオキシ−
1−トランス−デセニル)−7R−(4−フェニルベンゾ
イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン(3)
を得た。
【0037】(2) 1S−2−オキサ−3−オキソ−6
R−(3−オキソデシル)−7R−(4−フェニルベンゾ
イルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン
(4)の合成:不飽和ケトン(3)(7.80g)を酢酸エチル
(170ml)中、5%Pd/炭素および水素を用いて還元
した。常法処理により得られた生成物(4)を次の反応に
用いた。
【0038】(3) 1S−2−オキサ−3−オキソ−6
R−(3,3−エチレンジオキシ−デシル)−7R−(4−
フェニルベンゾイルオキシ)−シス−ビシクロ[3.3.
0]オクタン(5)の合成:飽和ケトン(4)を乾燥ベンゼン
(150ml)中、エチレングリコールおよびp−トルエン
スルホン酸(触媒量)を用いてケタール(5)とした。
【0039】(4) 1S−2−オキサ−3−オキソ−6
R−(3,3−エチレンジオキシ−デシル)−7R−ヒド
ロキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン(6)の合
成:ケタール(5)を無水メタノール(150ml)に溶解
し、炭酸カリウム(2.73g)を加え、室温で終夜撹拌
した。酢酸を加え中和した後、減圧濃縮した。得られた
粗生成物を酢酸エチルで抽出し、希重曹水、食塩水で洗
浄後、乾燥した。常法処理により得られた粗生成物をク
ロマトグラフィーし、アルコール(6)を得た。収量:
3.31g。
【0040】(5) ラクトール(7)の合成:アルコール
(6)(0.80g)を−78℃で乾燥トルエン(8ml)中、
DIBAL−Hで還元し、ラクトール(7)を得た。
【0041】(6) 13,14−ジヒドロ−15,15−
エチレンジオキシ−20−エチル−PGF2α(8)の合
成:(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウム
ブロミド(3.65g)から調整したイリドにラクトー
ル(7)のDMSO溶液を加え、終夜撹拌し、カルボン酸
(8)を得た。
【0042】(7) 13,14−ジヒドロ−15,15−
エチレンジオキシ−20−エチル−PGF2αイソプロ
ピルエステル(9)の合成:カルボン酸(8)をアセトニト
リル中、DBUおよびヨウ化イソプロピルを用いて、1
3,14−ジヒドロ−15,15−エチレンジオキシ−2
0−エチル−PGF2αイソプロピルエステル(9)を得
た。収量: 0.71g。
【0043】(8) 13,14−ジヒドロ−15−ケト
−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステル(1
0)の合成:13,14−ジヒドロ−15,15−エチレン
ジオキシ−20−エチル−PGF2αイソプロピルエス
テル(9)(0.71g)を酢酸/THF/水(3/1/1)
に40℃に3時間保った。減圧濃縮して得られた粗生成
物をクロマトグラフィーし、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエス
テル(10)を得た。収量: 0.554g。
【0044】試験例 試験方法 日本白色種雄性ウサギ(体重2.5〜2.8kg)を使用
し、ウレタン麻酔下でエンドセリン−1(ET−1:ペ
プチド研究所)を10-6μlをウサギの硝子体内へ投与
し、視神経乳頭循環障害を誘発した。被験物質として、
本発明の13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エ
チル−PGF2αイソプロピルエステルを用いた。各濃
度の被験物質を含有する生理的食塩水35μlをET−
1の投与の15分前に1回点眼投与した。対照群には生
理食塩水のみを同量投与した。水素クリアランス式組織
血流計(バイオメディカルサイエンス製)にて、経時的
視神経乳頭血流量を測定し、ET−1投与前の視神経乳
頭血流量を100%としたときの相対的視神経乳頭血流
量(%)を求めた。
【0045】視神経乳頭血流量の測定は以下のように行
った。ウレタン麻酔下でウサギ眼球をやや上転位に固定
した後、針状関電極を眼球輪部より後極側の強膜から硝
子体内へ刺入し、ビトレクトミーレンズを用いた直視下
で乳頭中央部へ刺入した(刺入深度0.7mm)。ま
た、不関電極を頭部皮下に挿入固定した。開放式マスク
法にて自発呼吸下で4%H2含有空気を5分間吸入さ
せ、水素クリアランス式組織血流計(バイオメディカル
サイエンス社製)を用い、水素吸入停止後の組織水素濃
度の減衰から視神経乳頭組織血流量(ml/分/100g
組織)を算出した。
【0046】結果 結果を表1に示す。なお、経過時間(分)はET−1投
与時を0分としたものである。
【表1】 表中、**はp<0.01を、*はp<0.05(ダンネ
ット検定による対象群との比較)を示す。
【0047】上記結果は、本願のエンドセリン拮抗剤が
エンドセリン誘発循環障害に対し、点眼投与によって有
意な拮抗作用を発現することを示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15−ケト−プロスタグランジンF化合
    物、ただしα鎖の骨格炭素原子が8以上の化合物を除
    く、を有効成分とする点眼用エンドセリン拮抗剤。
  2. 【請求項2】 15−ケト−プロスタグランジンF化合
    物が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグ
    ランジンF化合物である、請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 15−ケト−プロスタグランジンF化合
    物が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−低級
    アルキル−プロスタグランジンF化合物である、請求項
    1記載の剤。
  4. 【請求項4】 15−ケト−プロスタグランジンF化合
    物が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチ
    ル−プロスタグランジンF化合物である、請求項1記載
    の剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6197821B1 (en) 1997-11-28 2001-03-06 R-Tech Ueno, Ltd. Endothelin antagonist
WO2003020283A3 (en) * 2001-08-29 2003-05-01 Novartis Ag Method for treating diabetic retinopathy

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6197821B1 (en) 1997-11-28 2001-03-06 R-Tech Ueno, Ltd. Endothelin antagonist
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