JPH0558970A - 含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体及びその製造方法 - Google Patents

含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体及びその製造方法

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JPH0558970A
JPH0558970A JP3240579A JP24057991A JPH0558970A JP H0558970 A JPH0558970 A JP H0558970A JP 3240579 A JP3240579 A JP 3240579A JP 24057991 A JP24057991 A JP 24057991A JP H0558970 A JPH0558970 A JP H0558970A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 (R1f、R2fは炭素数1〜5のペルフルオロアルキル
基であり、たがいに結合してNやOをヘテロ原子とする
複素環を形成していてもよく、nは2又は3)で表わさ
れる含窒素ペルフルオロカルボン酸の新規な光学活性
体、及び光学分割剤として(+)ー1ーフェニルエチル
アミン又は(−)ー1ーフェニルエチルアミンを用い、
該含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体を製造す
る。 【効果】 簡単なプロセスにより、含窒素ペルフルオロ
カルボン酸の光学活性体が容易に得られる。このもの
は、光学純度決定試薬や、農・医薬、液晶などの原料と
して有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含窒素ペルフルオロカル
ボン酸の新規な光学活性体及びその製造方法に関するも
のである。さらに詳しくいえば、本発明は光学活性なア
ミンやアルコールのエナンチオマー混合物の光学純度決
定試薬として、あるいは医薬、農薬、液晶などに利用で
きるキラル化合物の出発原料として有用な含窒素ペルフ
ルオロカルボン酸の光学活性体及びこのものを(+)ー
1ーフェニルエチルアミンあるいは(−)ー1ーフェニ
ルエチルアミンを光学分割剤として用いることにより、
簡便で有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、生理活性物質には光学異性体間で
生理作用が異なる例が多く見いだされており、医薬品の
場合には、時として深刻な問題を引き起こすことが知ら
れている。このため医薬品においては、安全性の観点か
ら、可能な限り純粋な光学活性体を使用する、あるいは
光学異性体のそれぞれの薬理作用の違いを明らかにした
上で申請を行うなどの傾向が強まっている。したがっ
て、医薬品の開発のためには、それらの光学活性体の光
学純度を決めることは不可欠の操作であり、多くの場合
それ自体が光学活性体である光学純度検定試薬が使用さ
れている。
【0003】さらに、最近では高速応答性やメモリ性な
どの優れた特性を有することから、光学活性体である強
誘電性液晶が注目され、この液晶材料の前駆体として高
性能な新規光学活性体が求められており、また、この光
学活性化合物は医薬、農薬などの前駆体としても重要な
ものである。
【0004】ところで、ペルフルオロカルボン酸の光学
活性体は、強固なCーF結合のため使用中にラセミ化し
ない上、低表面エネルギーのための粘性が低いなどの特
徴を有することから、高速応答性に優れた液晶の開発が
期待できるし、また、揮発性の高い誘導体を与えるた
め、分析操作が容易な光学純度検定試薬への応用が期待
される。さらに、光学純度検定試薬として利用する場
合、ケミカルシフト差が1HーNMRよりおおきな19
ーNMRを分析の手段として用いることができる。
【0005】このようなペルフルオロカルボン酸の光学
活性体としては、例えばペルフルオロー2ープロポキシ
プロピオン酸の光学活性体が知られている。この化合物
は不斉炭素に隣接して酸素原子を有する光学活性な含酸
素ペルフルオロカルボン酸である〔ジャーナルオブフロ
ーリンケミストリー、20,475(1982)〕。
【0006】光学活性体としては、不斉炭素原子上の置
換基のかさ高さの差が大きくなればさらに高性能になる
ことが示唆されており、したがって、その候補として、
ペルフルオロアルコキシ基中のペルフルオロアルキル基
をさらにかさ高いペルフルオロジアルキルアミノ基に置
換したのものが考えられる。
【0007】しかしながら、このような極めてかさ高い
ペルフルオロジアルキルアミノ基置換ペルフルオロアル
コキシ基を有するペルフルオロカルボン酸類の光学活性
体については、これまで全く知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学純度検
定試薬や液晶原料などとして有用な、極めてかさ高い含
窒素ペルフルオロアルキル基を置換基として有するペル
フルオロカルボン酸の新規な光学活性体、及びこのもの
を容易に入手しうる光学分割剤を用いて、簡便な操作で
収率良く製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ペルフル
オロカルボン酸類の新規な光学活性体を開発するために
鋭意研究を重ねた結果、2ー位にペルフルオロジアルキ
ルアミノ基置換ペルフルオロアルコキシ基を有するペル
フルオロプロピオン酸フルオリドのラセミ体、又はこの
ものを加水分解することにより生成するペルフルオロー
2ージアルキルアミノ基置換アルコキシプロピオン酸の
ラセミ体を、光学分割剤として(+)ー1ーフェニルエ
チルアミンあるいは(−)ー1ーフェニルエチルアミン
を用いて光学分割することにより、種々の用途に適した
含窒素ペルフルオロカルボン酸の新規な光学活性体が得
られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、一般式
【化4】 (式中のR1f及びR2fは、それぞれ同一又はたがいに
異なる炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基であっ
て、それらは直接に、あるいは酸素原子又は窒素原子を
介して結合し、両者が結合している窒素原子とともに複
素環を形成していてもよく、nは2又は3である)で表
わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体を
提供するものである。
【0011】本発明に従えば、この含窒素ペルフルオロ
カルボン酸の光学活性体は、前記一般式(I)で表わさ
れる含窒素ペルフルオロカルボン酸のラセミ体を、光学
分割剤として(+)ー1ーフェニルエチルアミン又は
(−)ー1ーフェニルエチルアミンを用いて光学分割す
ることにより、あるいは一般式
【化5】 (式中のR1f、R2f及びnは前記と同じ意味をもつ)
で表わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸フルオリド
のラセミ混合物を、光学分割剤として(+)ー1ーフェ
ニルエチルアミン又は(−)ー1ーフェニルエチルアミ
ンを用いて光学分割したのち、加水分解することによ
り、製造することができる。
【0012】本発明の前記一般式(I)で表わされる含
窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体は、文献未載
の新規な化合物であって、該一般式(I)中のR1f及
びR2fは、それぞれ炭素数1〜5のペルフルオロアル
キル基であり、それらは同一であってもよいし、たがい
に異なっていてもよく、また直接にあるいは酸素原子又
は窒素原子を介して結合し、両者が結合している窒素原
子とともに五員環、六員環又は七員環を形成していても
よい。すなわち、該一般式(I)における化6で示され
る基の例としては、
【化7】 (ただし、m及びlは1〜5の整数である)で表わされ
るものなどが挙げられる。
【0013】本発明方法においては、前記一般式(I)
で表わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性
体は、該一般式(I)で表わされる含窒素ペルフルオロ
カルボン酸のラセミ体を光学分割することにより、ある
いは、前記一般式(II)で表わされる含窒素ペルフル
オロカルボン酸フルオリドを光学分割したのち、加水分
解することにより製造される。
【0014】前記一般式(II)で表わされる含窒素ペ
ルフルオロカルボン酸フルオリドのラセミ体は、例えば
一般式
【化8】 (式中のR1及びR2は、それぞれ同一又はたがいに異な
る炭素数1〜5のアルキル基であって、それらは直接
に、あるいは酸素原子又は窒素原子を介し、両者が結合
している窒素原子とともに複素環を形成していてもよ
く、kは1又は2である)で表わされるジアルキルアミ
ノ基置換カルボン酸のエステル又は酸ハライドを、フッ
化水素中において電解フッ素化して、一般式
【化9】 (式中のR1f、R2f及びkは前記と同じ意味をもつ)
で表わされるペルフルオロジアルキルアミノ基置換カル
ボン酸フルオリドを得たのち、ペルフルオロプロピレン
オキシドとオリゴメリ化することにより、得られる。
【0015】本発明方法においては、光学分割剤とし
て、(+)ー1ーフェニルエチルアミン又は(−)ー1
ーフェニルエチルアミンが用いられる。
【0016】本発明方法において、前記一般式(II)
で表わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸フルオリド
のラセミ体を光学分割する場合には、まず該ラセミ体と
(+)ー1ーフェニルエチルアミン又は(−)ー1ーフ
ェニルエチルアミンとを縮合させてジアステレオマー混
合物を生成させたのち、これを分離すればよい。
【0017】このジアステレオマー混合物を分離するた
めの手段としては、例えばガスクロマトグラフィー、カ
ラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄
層クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー法が用
いられる。
【0018】カラムクロマトグラフィー、液体クロマト
グラフィー、薄層クロマトグラフィーを行う場合の展開
溶媒については、ジアステレオマー混合物に対して不活
性なものであればよく特に制限はないが、例えばヘキサ
ン、ヘプタンなどのパラフィン系炭化水素とベンゼンな
どの芳香族炭化水素あるいはイソプロパノールなどのア
ルコールとの混合溶媒が適当である。分離した各ジアス
テレオマーの光学純度が不十分な場合には、同様な操作
を繰り返すか、あるいは別のクロマトグラフィー法によ
り、所望の光学純度まで精製すればよい。
【0019】このようにして分離された各ジアステレオ
マーは公知の方法により分解することにより、それぞれ
に対応する含窒素ペルフルオロカルボン酸フルオリドの
光学活性体が得られ、これらをさらに加水分解すること
により、本発明の含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学
活性体が得られる。
【0020】一方、前記一般式(I)で表わされる含窒
素ペルフルオロカルボン酸のラセミ体を光学分割する場
合には、まずこのものに(+)ー1ーフェニルエチルア
ミン又は(−)ー1ーフェニルエチルアミンを作用させ
てジアステレオマー塩混合物を生成させたのち、適当な
溶媒に溶解させ、次いで選択的に晶析させることによ
り、各ジアステレオマー塩に分離し、さらにこの塩を加
水分解することにより、本発明の含窒素ペルフルオロカ
ルボン酸の光学活性体が得られる。
【0021】この際に使用する溶媒については、ジアス
テレオマー塩が可溶であり、かつ溶液中から化学的に変
質することなく析出させうるものであればよく特に制限
はないが、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベン
ゼン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素及びこ
れらの炭化水素とジエチルエーテル、プロピルエーテル
などのエーテルとの混合溶媒などが適当である。
【0022】ジアステレオマー塩を含む溶液を所望濃度
に調整する方法としては、例えば冷却、濃縮、溶媒組成
の変化、あるいはこれらの組合せなど、通常の方法が用
いられる。析出操作は、通常0〜60℃程度の温度で行
うのが有利である。
【0023】単離された塩の光学純度がまだ不十分であ
る場合には、これを再度溶媒に溶解させ、選択的晶析を
行う操作を繰り返すことにより、所望の光学純度まで精
製することができる。この際、使用する溶媒の種類、組
成、濃度、析出温度などを変化させてもよいことはいう
までもない。
【0024】
【発明の効果】本発明方法によると、含窒素ペルフルオ
ロカルボン酸の新規な光学活性体を、簡単なプロセスに
より容易に得ることができるので、該方法は含窒素ペル
フルオロカルボン酸の光学活性体の工業的製法として有
用である。
【0025】また、該含窒素ペルフルオロカルボン酸の
光学活性体は、極めてかさ高い含ヘテロ原子ペルフルオ
ロアルキル基を有する文献未載の新規化合物であって、
高い光学活性能を示し、光学活性なアミンやアルコール
のエナンチオマー混合物の光学純度決定試薬として、あ
るいは医薬、農薬、液晶などの合成原料として工業的価
値の極めて高いものである。
【0026】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、例中の[α]は20℃における
値である。
【0027】実施例1 2ーモルホリノ酢酸メチルを電解フッ素化して得た生成
物を蒸留することにより得られたペルフルオロ(2ーモ
ルホリノアセチルフルオリド)とペルフルオロプロピレ
ンオキシドとのモル比1:1混合物を、アセトニトリル
中でCsFを触媒として反応させたのち、蒸留により精
製ペルフルオロ(2ーモルホリノエトキシプロピオン酸
フルオリド)を得た。
【0028】次に、このペルフルオロ(2ーモルホリノ
エトキシプロピオン酸フルオリド)を6.00g(1
2.1mmol)を、(−)ー1ーフェニルエチルアミ
ン1.60g(13.2mmol)及びトリエチルアミ
ン1.4g(13.8mmol)をアセトニトリル10
mlに溶解し、氷冷した溶液に滴下した。滴下終了後、
反応液を室温にもどし、さらに30分間かきまぜたの
ち、反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテル(30m
l,10ml×3回)で抽出した。エーテル抽出液を1
Nー塩酸、5wt%炭酸ナトリウム液及び水で洗浄した
のち、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いでエーテルを減圧
下で流去すると、ほぼ純粋なジアステレオマーアミド
6.70g(11.3mmol,収率93%)を得た。
【0029】このジアステレオマーアミドの(−,−)
体と(+,−)体との混合物のシリカゲルカラムによる
HPLC分析の結果、(−,−)体と(+,−)体との
分離係数は1.0wt%イソプロパノール/ヘキサン混
合液を展開液に用いた場合1.94であった。
【0030】このジアステレオマー混合物1.0gを、
展開液として、0.5wt%イソプロパノール/ヘキサ
ン混合液を用いて、5.0cm×50cmのシリカゲル
を詰めたカラムにより、分離精製すると、純粋な(−,
−)体のアミドが第一のフラクションとして0.48g
得られた〔[α] −61.5(c=1.00,CHC
3)〕。また第二のフラクションとして(+,−)体
が0.47g得られた〔[α] −53.1(c=1.
00,CHCl3)〕。
【0031】同様の分離操作を5回行い、生成した前記
の(−,−)体アミド2.1g(3.5mmol)に濃
硫酸3.0mlを加え、室温で1時間かきまぜたのち、
反応液を氷にあけ、油層をエーテルで抽出した。この抽
出液を減圧下で濃縮したのち、残留物に6Nー水酸化ナ
トリウム水溶液4.0mlを加え2時間加熱還流させ、
次いで反応液を6Nー塩酸により酸性にし、生成したカ
ルボン酸をジエチルエーテル15ml(5ml×3回)
で抽出した。この抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥した
のち、濃縮し、濃硫酸1.0mlを加えて減圧蒸留する
ことにより、(−)ーペルフルオロー2ーモルホリノエ
トキシプロピオン酸1.3g(2.7mmol)を得た
(収率77%)。(+,−)体アミドより(+)ー体カ
ルボン酸も同様に得られた。
【0032】
【化10】 沸点:105.0〜106.5℃/30torr [α]−12.6(c=1.00,CHCl3
【化11】 沸点:105.0〜106.5℃/30torr [α]12.6(c=1.00,CHCl3
【0033】実施例2 3ージメチルアミノプロピオン酸メチルを電解フッ素化
して得た生成物を蒸留することにより得られたペルフル
オロ(3ージメチルアミノプロピオン酸フルオリド)と
ペルフルオロプロピレンオキシドとの1:1混合物をア
セトニトリル中でCsFを触媒として反応させたのち、
蒸留により精製ペルフルオロ(3ージメチルアミノプロ
ポキシピロピオン酸フルオリド)を得た。
【0034】次に、このペルフルオロ(3ージメチルア
ミノプロポキシピロピオン酸フルオリド)6.0g(1
2.9mmol)を、(−)ー1ーフェニルエチルアミ
ン1.60g(13.2mmol)及びトリエチルアミ
ン1.4g(13.8mmol)をアセトニトリル10
mlに溶解し、氷冷した溶液に滴下した。滴下終了後、
反応液を室温にもどし、さらに30分間かきまぜたの
ち、反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテル(30m
l,10ml×3回)で抽出した。エーテル抽出液を1
Nー塩酸、5wt%炭酸ナトリウム液及び水で洗浄した
のち、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いでエーテルを減圧
下で流去すると、ほぼ純粋なジアステレオマーアミド
6.00g(12.4mmol,収率96%)を得た。
【0035】このジアステレオマーアミドの(−,−)
体と(+,−)体との混合物を、実施例1と同様な条件
でHPLC分析を行った結果、(−,−)体と(+,
−)体との分離係数は1.92であった。
【0036】このジアステレオマー混合物1.0gを、
展開液として、0.5wt%イソプロパノール/ヘキサ
ン混合液を用いて、5.0cm×50cmのシリカゲル
を詰めたカラムにより、分離精製すると、純粋な(−,
−)体のアミドが第一のフラクションとして0.48g
得られた〔[α] −61.5(c=1.00,CHC
3)〕。また第二のフラクションとして(+,−)体
が0.47g得られた〔[α] −53.1(c=1.
00,CHCl3)〕。
【0037】同様の操作を5回行い、生成した前記の
(−,−)体アミド2.1g(3.7mmol)に濃硫
酸3.0mlを加え、室温で1時間かきまぜたのち、反
応液を氷にあけ、油層をエーテルで抽出した。この抽出
液を減圧下で濃縮したのち、残留物に6Nー水酸化ナト
リウム水溶液4.0mlを加え2時間加熱還流させ、次
いで反応液を6Nー塩酸により酸性にし、生成したカル
ボン酸をジエチルエーテル15ml(5ml×3回)で
抽出した。この抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥したの
ち、濃縮し、濃硫酸1.0mlを加えて減圧蒸留するこ
とにより、(−)ーペルフロオロー2ージメチルアミノ
プロポキシプロピオン酸1.3g(2.9mmol)を
得た(収率78%)。(+,−)体アミドより(+)ー
体カルボン酸も同様に得られた。
【0038】
【化12】 沸点:95.5〜97.0℃/30torr [α]−11.8(c=1.00,CHCl3
【化13】 沸点:95.5〜97.0℃/30torr [α]11.9(c=1.00,CHCl3
【化6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 211/66 9165−4C 241/16 6701−4C 265/30 9283−4C // C07B 57/00 360 7419−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のR1f及びR2fは、それぞれ同一又はたがいに
    異なる炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基であっ
    て、それらは直接に、あるいは酸素原子又は窒素原子を
    介して結合し、両者が結合している窒素原子とともに複
    素環を形成していてもよく、nは2又は3である)で表
    わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中のR1f及びR2fは、それぞれ同一又はたがいに
    異なる炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基であっ
    て、それらは直接に、あるいは酸素原子又は窒素原子を
    介して結合し、両者が結合している窒素原子とともに複
    素環を形成していてもよく、nは2又は3である)で表
    わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸のラセミ体を光
    学分割剤として(+)ー1ーフェニルエチルアミン又は
    (−)ー1ーフェニルエチルアミンを用いて光学分割す
    ることを特徴とする請求項1記載の含窒素ペルフルオロ
    カルボン酸の光学活性体の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式 【化3】 (式中のR1f及びR2fは、それぞれ同一又はたがいに
    異なる炭素数1〜5のペルフルオロアルキル基であっ
    て、それらは直接に、あるいは酸素原子又は窒素原子を
    介して結合し、両者が結合している窒素原子とともに複
    素環を形成していてもよく、nは2又は3である)で表
    わされる含窒素ペルフルオロカルボン酸フルオリドのラ
    セミ体を、光学分割剤として(+)ー1ーフェニルエチ
    ルアミン又は(−)ー1ーフェニルエチルアミンを用い
    て光学分割したのち、加水分解することを特徴とする請
    求項1記載の含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性
    体の製造方法。
JP3240579A 1991-08-27 1991-08-27 含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0720917B2 (ja)

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