JP2771678B2 - 含フッ素化合物およびその製造法 - Google Patents

含フッ素化合物およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、含フッ素化合物およびその製造法に関す
る。この含フッ素化合物は医薬・農薬の分野において重
要な不斉フッ素化合物である。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
近年、生理活性を有する有機フッ素化合物が数多く見
出され、注目を集めている。これらの有機フッ素化合物
はある有化合物の特定の位置をフッ素置換したもので、
生理活性において著しい変化の現れることがしばしば見
られ、医薬・農薬の分野では興味ある研究対象となって
いる。
現在、多くのフッ素化反応が研究・開発されつつある
が、副反応が少なく収率の良い反応は少なく、かつフッ
素化剤の反応性・毒性等のため特殊な技術や反応装置が
必要とされる場合が多い。それゆえ、さまざまな有機化
合物への変換が可能な、入手容易な含フッ素低分子化合
物の一般的な合成法が望まれている。しかも、生物活性
化合物のほとんどが光学活性体であることから、その低
分子化合物において、フッ素原子が不斉炭素に直結し、
光学活性体であることは非常に重要になる。しかし、フ
ッ素原子が不斉中心に直結した化合物の製造法に関して
は、ほとんど知られていない。最近、2−アルキル−2
−フルオロマロン酸ジエチルエステルからの酵素を用い
る不斉加水分解による光学活性モノエステルへの誘導が
報告されている。(T.Kitazume,T.Sato,T.Kobayashi,an
d J.T.Lin;J.Org.Chem.,51 1003(1986))しかし、こ
のような生物学的手法では、基質特異性、あるいは光学
純度の面で問題があり、一般的合成法とは言い難く、化
学的手法の確立が望まれている。
本発明者らは、モノアルキルマロン酸の光学活性なメ
ントール類の半エステルを用い、一方の光学活性体を選
択的に合成すると成功し、得られた光学活性体より、エ
ナンチオ選択的に光学活性な最小不斉炭素単位である1,
3−プロパンジオール誘導体を合成する新手法を開発し
た。(M.Ihara,M.Takahashi,N.Taniguchi,K.Yasui,and
K.Fukumoto;J.Chem.Soc.,Perkin Trans1,897(1989)) さらに本発明者らは、上記半エステルのエナンチオ面
選択的なアルキル化により、不斉四級炭素を持つ、α−
アルキル−α−アミノ酸を高い立体選択性をもとに合成
する方法を確立した。(M.Ihara,M.Takahashi,N.Tanigu
chi,H.Niitsuma,K.Yasui,and K.Fukumoto;J.Org.Chem.,
54,5413,(1989)) 一方、梅本らは、最近、新規フッ素化剤として、N−
フルオロピリジニウムトリフレート(以下FPOTfと略
す)系化合物を開発した。(梅本照雄、和光純薬時報、
57,29,(1989))この系列の化合物は、広範な化合物に
対し、温和な条件下で選択性の高いフッ素化剤として利
用されている。
以上の知見を踏まえ、本発明者らは鋭意検討した結
果、モノアルキルマロン酸の、例えば(1R,3R,4S)−1
−メチル−4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−
シクロヘキサノール(以下(−)−フェニルメントール
と略す)の半エステルの不斉三級炭素を、エナンチオ面
選択的にフッ素化することを見い出し、不斉炭素にフッ
素原子を持ち、有機合成的および医・農薬の分野で有用
なフッ素化合物の製造法を確立し、この発明を完成する
に至った。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は 1.一般式(I) (式中Rはアルキル基、フェニル基またはベンジル基を
示す。) で表わされる含フッ素化合物および 2.一般式(II) (式中Rは前記と同じ意味を示す。) で表わされる化合物に、フッ素化試薬によりフッ素原子
を導入することを特徴とする一般式(I)の化合物の製
造法である。
ここに、一般式(I)または(II)におけるフェニル
メンチル基には光学異性体が存在するが、この発明はこ
れらすべてを含むものとする。式中のRがアルキル基の
場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が
例示される。フッ素化試薬とは具体的には、前述のFPOT
f以外に、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウ
ムトリフレート(以下FTMPOTfと略す)、N−フルオロ
−3,5−ジクロロピリジニウムトリフレート等が例示で
きる。
一般式(I)の化合物は、文献公知化合物である一般
式(II)の化合物を塩基存在下、前記したフッ素化剤で
フッ素化することにより製造する。この際、ヘキサン、
ベンゼン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン系の溶
媒が使用できるが、特に望ましくはテトラヒドロフラン
が用いられる。塩基としては、水素化ナトリウム、リチ
ウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシ
ラジド(以下LHMDSと略す)等の金属塩基が使用できる
が、特に望ましくはLHMDSが用いられる。反応温度は−7
8℃から室温まで、好ましくは−78℃から0℃までであ
る。反応時間も特に制限はないが、通常1時間から24時
間程度である。塩基およびフッ素化剤の使用量は、通常
モル比で、一般式(II)の化合物に対し、当量ないし5
倍程度である。
以上のようにして一般式(I)の化合物は容易に製造
されるが、この際、一般式(II)の化合物の三級炭素が
光学活性体の場合、この反応を行うことにより、光学的
に活性な一般式(I)の化合物を得ることができる。こ
の場合の収率および光学活性体の生成比を下記に示す。
〔実施例〕 以下、実施例によってこの発明をさらに詳細に説明す
るが、この発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−
3−イル,2−メチル−2−フルオロマロン酸ジエステル a)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,メチルマロン酸ジエステル (1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−3−イル
水素 メチルマロネート(100mg,0.30mmol)のメタノー
ル(5ml)溶液に、過剰のジアゾメタン−ジエチルエー
テル溶液を室温で加え、30min同温で放置する。溶媒留
去後、残留物をジエチルエーテルに溶かし、これを飽和
NaHCO3水溶液及び飽和NaCl水溶液で洗浄する。無水MgSO
4で乾燥後、溶媒を留去し、残留物をシリカ ゲルを用
いるフラッシュカラムクロマトグラフィに付す。ヘキサ
ン−酢酸エチル(95:5v/v)溶出部より目的物(104mg,9
5%)を無色油状物として得る。
▲[α]21 D▼+18.76゜(C=1.13,CHCl3).IRνmax
(neat)cm-1:1750(C=0),1730(C=0);NMR(CD
Cl3)δ:0.86,0.87[3H(1.6:1),各d,J=5.6Hz,CH2
CH−CH3],1.18[1.2H,d,J=7.5Hz,O2C−CH−CH3],1.2
1[3H,s,C−CH3],1.23,1.24[3H(1.6:1),各s,C−CH
3],1.31[1.8H,d,J=5.4Hz,O2C−CH−CH3],2.58[0.4
H,q,J=5.4Hz,H3C−O2C−CH],2.99[0.4H,q,J=7.5Hz,
H3C−O2C−CH],3.64,3.73[3H(1.6:1),各s,CO2C
H3],4.82,4.86[1H(1:1.6),各dt,J=4.2Hz,10.7Hz,
CH−O2C],7.6〜7.19[1H,m,Ar−H],7.21〜7.32[4H,
m,4×Ar−H];MS(m/z):346(M+);High MS(m/z):
計算値C21H30O4:346.2142. 実測値:346.2123 b)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,2−メチル−2−フルオロマロン酸ジエス
テル a)において得られた化合物(25mg,0.072mmol)の無
水THF(2ml)溶液に −LHMDS−THF溶液(0.11ml,0.11mmol)を−78℃で空気
気流下滴下し、混合溶液を同温度で30分撹拌する。これ
にFTMPOTf(31mg,0.11mmol)を−78℃で加え、混合物を
−78℃〜室温で16時間撹拌する。反応物をベンゼンで希
釈後、5%KHSO4水溶液及び飽和NaCl水溶液で洗浄し、
無水MgSO4で乾燥する。溶媒留去後、残留物をシリカ
ゲルを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィで精製
し、ヘキサン−酢酸エチル(95:5v/v)溶出部より生成
比3.2:1の二種のフッ化物(22.5mg,87%)を無色油状物
として得る。
IRνmax(neat)cm-1:1753(C=0);NMR(CDCl3)δ:
0.84,0.85[3H(3.8:1),各d,J=6.6Hz,CH2−CH−C
H3],1.24,1.26[3H(1:3.8),各s,C−CH3],1.30,1.3
1[3H,(3.8:1),各s,C−CH3],1.56,1.69[3H(1:3.
8),各d,J=23Hz,O2C−CF−CH3],3.80,3.81[3H(1:
3.8),各s,CO2CH3],4.89,4.95[1H(3.2:1),各dt,J
=4.0Hz,11.1Hz,CH−O2C],7.18〜7.20[1H,m,Ar−
H],7.23〜7.26[4H,m,4×Ar−H];MS(m/z):364(M
+);High MS(m/z):計算値C21H29FO4:364.2048. 実
測値:364.2068 実施例2 メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−
3−イル,2−エチル−2−フルオロマロン酸ジエステル a)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,エチルマロン酸ジエステル (1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−3−イル
水素 エチルマロネート(212mg,0.61mmol)を実施例1
のa)と同様の反応に付し、目的物(219mg,99%)を無
色油状物として得る。 ▲[α]23 D▼−5.49゜(C=
1.20,CHCl3).IRνmax(neat)cm-1:1726(C=0),17
48(C=0):NMR(CDCl3)δ:0.85,0.87[3H(1.3:
1),各d,J=2.4Hz,CH−CH3],0.90[3H,t,J=7.3Hz,CH
2CH3],1.22,1.31[各3H,各d,J=8.5Hz,2×C−CH3],
1.74〜1.78[2H,m,CH2CH3],2.55[0.6H,t,J=7.9Hz,CH
−CO2CH3],2.80[0.4H,dd,J=6.7Hz,8.8Hz,CH−CO2C
H3],3.65,3.72[3H(1.3:1),各s,CO2CH3],4.81,4.8
5[1H(1:1.3),各dt,J=4.9Hz,12.1Hz,CH−O2C],7.1
2〜7.18[1H,m,Ar−H],7.20〜7.32[4H,m,4×Ar−
H];MS(m/z):360(M+).元素分析:計算値C22H
32O4:C,73.30;H,8.95.実測値:C,72.95;H,9.04 b)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,2−エチル−2−フロオロマロン酸ジエス
テル a)において得られたメチルエステル(400mg,1.11mm
ol)を −LHMDS(2.22ml,2.22mmol)及びFTMPOTf(802mg,2.76m
mol)を用いて実施例1のb)と同様の反応に付し、生
成比2.0:1の二種の目的フッ化物(403mg,96%)を無色
油状物として得る。▲[α]24 D▼−6.92゜(C=0.26,
CHCl3).IRνmax(neat)cm-1:1752(C=0);NMR(CD
Cl3)δ:0.85,0.86[3H(1:2.0),各d,J=6.1Hz,CH−C
H3],0.)5,1.00[3H(2.0:1),各t,J=7.3Hz,CH2−CH
3],1.26,1.28[3H(2.0:1),各s,C−CH3],3.82[3H,
s,CO2,CH3],4.92,4.94[1H(1:2.0),各dt,J=4.3Hz,
8.0Hz,CH−O2C],7.18〜7.19[1H,m,Ar−H],7.26〜7.
31[4H,m,4×Ar−H];MS(m/z):378(M+). 実施例3 メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−
3−イル,2−プロピル−2−フルオロマロン酸ジエステ
ル a)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,プロピルマロン酸ジエステル (1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−3−イル
水素 プロピルマロネート(216mg.0.6mmol)を実施例
1のa)と同様の反応に付し、目的物(215mg,96%)を
無色油状物として得る。
▲〔α〕21 D▼+14.19゜(C=2.62,CHCl3).IRνmax
(neat)cm-1:1720(C=0),1755(C=0);NMR(CD
Cl3)δ:2.65[0.6H,t,J=7.07Hz,CH−CO2CH3],2.88
[0.4H,dd,J=6.2Hz,8.0Hz,CH−CO2CH3],3.65,3.71[3
H(1.2:1),各s,CO2CH3],4.81,4.85[1H(1:1.2),
各dt,J=4.4Hz,10.3Hz,CH−O2C],7.17〜7.19[1H,m,Ar
−H],7.22〜7.35[4H,m,4×Ar−H];MS(m/z):374
(M+).元素分析:計算値C23H34O4:C,73.76;H,9.15.実
測値:C,75.72;H,9.16 b)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,2−エチル−2−フロオロマロン酸ジエス
テル a)によって得られたメチルエステル(173mg,0.46mm
ol)を −LHMDS(0.92ml,0.92mmol)及びFTMPOTf(334mg,1.15m
mol)を用いて、実施例1のb)と同様の反応に付し、
生成比2.0:1で二種の目的フッ化物(173mg,96%)を無
色油状物として得る。IRνmax(neat)cm-1:1752(C=
0);NMR(CDCl3)δ:0.85,0.86[3H(2.0:1),各d,J
=6.7Hz,CH−CH3],0.94,0.97[3H(2.0:1),各t,J=
7.9Hz,CH2−CH2−CH3],1.26,1.27[3H(2.0:1),各s,
C−CH3],1.30,1.32[3H(2.0:1),各s,C−CH3],3.81
[3H,s,CO2CH3],4.92,4.94[1H(1:2.0),各dt,J=4.
9Hz,10.2Hz,CH−O2C],7.14〜7.19[1H,m,Ar−H],7.2
5〜7.31[4H,m,4×Ar−H];MS(m/z):392(M+);High
MS(m/z):計算値C23H23FO4:392.2361.実測値:392.23
84 実施例4 メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−
3−イル,2−ベンジル−2−フルオロマロン酸ジエステ
ル a)(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタン−3−
イル,マロン酸モノエステル (−)−フェニルメントール(402mg,1.73mmol)を無
水アセトニトリル(10ml)−無水メチレンクロライド
(10ml)混液に溶解し、ジメチルアミノピリジン(DMA
P)(10mg,0.08mmol)を加え、N2気流下−35℃にてジシ
クロヘキシルカーボジイミド(DCC)(428mg,2.08mmo
l)の無水メチレンクロライド(10ml)溶液を滴下、−3
0℃で10時間撹拌する。溶媒留去の後、得られる残留物
をジエチルエーテルに溶解し、セライト濾過によりN,
N′−ジシクロヘキシルウレアを除去する。濾液を飽和K
HSO4水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄する。無水Na2SO4
乾燥後、溶媒留去する。得られる残留物をシリカ ゲル
を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィに付し、ベ
ンゼン−アセトン(4:1 v/v)溶出部より半エステルを
無色結晶として得る。ベンゼンより再結晶し目的物(54
1mg,98%)を.m.p.111〜112℃の無色針状晶として得
る。IRνmax(KBr)cm-1:1695(C=0),1748(C=
0);NMR(CDCl3)δ:0.87[3H,d,J=6.9Hz,CH−CH3],
1.20,1.32[各3H,各s,2×C−CH3],2.31,2.72[各1H,
各d,J=18.0Hz,2×CH−CO2H],4.93[1H,dt,J=4.8Hz,1
1.4Hz,CH−O2C],7.22〜7.41[5H,m,5×Ar−H];MS(m
/z):318(M+);High MS(m/z):計算値C19H26O4:318.
1831.実測値:318.1838 b)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,ベンジルマロン酸ジエステル ジイソプロピルアミン(0.27ml,1.88mmol)の無水THF
(2ml)溶液に、空気気流下−78℃にて −n−ブチルルチウム−ヘキサン(0.85ml,1.38mmol)
を加え、同温で30分撹拌する。a)で得られた化合物
(200mg,0.63mmol)の無水THF(4ml)溶液を滴下し、同
温で30分撹拌する。次いでベンジルブロマイド(1.0ml,
8.4mmol)を滴下し、−25℃で12時間撹拌する。反応終
了後、反応溶液に5%KHSO4水溶液を加え、メチレンク
ロライドで抽出する。抽出液を飽和NaCl水溶液で洗浄
し、無水MgSO4で乾燥する。溶媒を留去して、半エステ
ル(230mg,89%)を無色油状物として得る。この油状物
は精製することなく次の反応に付した。
上記半エステル(230mg,0.56mmol)を実施例1のa)
と同様の反応に付し、シリカ ゲルを用いたフラッシュ
カラムクロマトグラフィで精製し、ヘキサン−ジエチル
エーテル(95:5 v/v)溶出物より目的物(219mg,93%)
を無色油状物として得る。この油状物は、室温で数日放
置することにより異性化晶出をおこし、m.p.62〜63℃の
無色プリズム晶を得る。▲〔α〕25 D▼−6.29゜(C=
0.26,CHCl3).IRνmax(neat)cm-1:1730(C=0),17
48(C=0);NMR(CDCl3)δ:0.85[3H,d,J=6.5Hz,CH
−CH3],1.12,1.17[各3H,各s,2×C−CH3],3.00〜3.0
7[2H,m,CH2C6H5],3.61,3.67[3H(9.7:3),各s,CO2C
H3],4.81[1H,dt,J=4.6Hz,11.0Hz,CH−O2C],7.10〜
7.31[10H,m,10×Ar−H];MS(m/z):422(M+);元素
分析:計算値C27H34O4:C,76.74;H,8.11.実測値:C,76.7
9;H,8.07 c)メチル,(1R,3R,4S)−8−フェニル−p−メンタ
ン−3−イル,2−ベンジル−2−フロオロマロン酸ジエ
ステル b)で得られた化合物(101mg.0.24mmol)を −LHMDS(0.48ml,0.48mmol)及びFTMPOTf(152mg,0.52m
mol)を用いて実施例1のb)と同様の反応に付し、生
成比1.6:1の二種の目的フッ化物(94mg,88%)を無色油
状物として得る。IRνmax(neat)cm-1:1752(C=
0);NMR(CDCl3)δ:0.81[3H,d,J=8.0Hz,CH−CH3],
3.16〜3.43[2H,m,CH2C6H5],3.74,3.77[3H(1.6:
1),各s,CO2CH3],4.84〜4.93[1H,m,CH−O2C],7.13
〜7.32[10H,m,10×Ar−H];MS(m/z):440(M+) 〔発明の効果〕 以上のように、この発明は、フッ素原子を不斉炭素上
に持つ第四級炭素化合物およびその製法を開示した。こ
れらこの発明化合物は、さまざまな含フッ素医薬品およ
び農薬の合成に有用な出発物質となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中Rはアルキル基、フェニル基またはベンジル基を
    示す。) で表わされる含フッ素化合物。
  2. 【請求項2】一般式(II) (式中Rはアルキル基、フェニル基またはベンジ基を示
    す。) で表わされる化合物に、フッ素化試薬によりフッ素原子
    を導入することを特徴とする請求項1に記載の一般式
    (I)の化合物の製造法。
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