JPH08231469A - シクロペンタンカルボン酸誘導体及びその製造法 - Google Patents

シクロペンタンカルボン酸誘導体及びその製造法

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JPH08231469A
JPH08231469A JP7058287A JP5828795A JPH08231469A JP H08231469 A JPH08231469 A JP H08231469A JP 7058287 A JP7058287 A JP 7058287A JP 5828795 A JP5828795 A JP 5828795A JP H08231469 A JPH08231469 A JP H08231469A
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compound
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ethyl acetate
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JP7058287A
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Inventor
Yuichiro Ichikawa
裕一郎 市川
Masahiro Sagawa
征博 佐川
Akira Masuda
亮 増田
Masatoshi Abe
雅年 阿部
Naoko Hoshino
尚子 星野
Setsuko Niitsuma
節子 新妻
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗ウイルス剤等の医薬品の製造中間体として有
用な、シクロペンタンカルボン酸誘導体、及びその製造
方法を提供する。 【構成】一般式(I)で示されるシクロペンタンカルボ
ン酸誘導体は、一般式(III)で表されるシクロペン
タン誘導体を加水分解した後に、所望により光学分割す
ることにより得られる。このシクロペンタンカルボン酸
誘導体(I)より、数工程を経て式(IV)で示される
抗ウイルス性化合物が製造される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば抗ウイルス薬と
して期待される化合物(IV)
【0002】
【化7】
【0003】で表される光学活性なヌクレオシド誘導
体、9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロペンチル]アデニン(特開平5−
1044)の製造過程に於ける新規な製造中間体及びそ
の製造法を提供するものである。
【0004】
【従来の技術】特開平5−1044は9−[(1R,2
R,3S)−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロ
ペンチル]アデニン(化合物式(IV))製造の中間体
として、(2S,3S)−2,3−ビス(t−ブチルジ
フェニルシリルオキシメチル)シクロペンタノン(化合
物(VIa))を開示し、下記式
【0005】
【化8】
【0006】[式中、TPSはt−ブチルジフェニルシ
リル基を示す]に示すような、光学活性なシクロブタノ
ン誘導体(V)をジアゾメタンで環拡大する製造法を開
示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この製
造法は異性体である化合物(VII)が副生し化合物
(VIa)の収率が低いこと、及び爆発の危険性が高い
ジアゾメタンを用いていることから、優れた工業的製造
法とは言えない。このため、より安価で安全な化合物式
(IV)の製造法が望まれていた。公知である化合物
(IIIa)
【0008】
【化9】
【0009】は文献(例えばW.L.White,
P.B.Anzeveno, andF.Johnso
n,J.Org.Chem.,47,2379(198
2))記載の方法により、比較的容易に製造できる。本
化合物はラセミ体であるがこれが容易に光学分割できれ
ば、抗ウイルス薬として期待される化合物(IV)の有
用な製造中間体となり得るが、その方法は全く知られて
いなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは新規な製造
法を種々検討してきた結果、一般式(III)
【0011】
【化10】
【0012】[式中、R1 はエステル残基を示す]で表
わされるラセミ体のシクロペンタン誘導体を加水分解処
理することにより、2個存在するエステル基のうちの一
方のみが加水分解された一般式(I)
【0013】
【化11】
【0014】[式中、R1 はエステル残基を示す]で表
わされるラセミ体のシクロペンタンカルボン酸誘導体が
選択的に生成することを見いだした。
【0015】また、ここに得られた一般式(I)で表さ
れる化合物を光学活性アミン誘導体等を用いて光学分割
を行うことにより、効率よく一般式(II)及び(II
B)
【0016】
【化12】
【0017】[式中、R1 はエステル残基を示す]で表
わされる光学活性シクロペンタンカルボン酸誘導体が製
造できることを見いだした。
【0018】ここで、R1 で示されるエステル残基は特
に限定されず、例えば、置換基を有していてもよい、炭
素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル
基、又はアリール基等が挙げられる。炭素数1〜6のア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロヘキシル基等が
挙げられ、炭素数1〜6のアルケニル基としては、アリ
ル基等が挙げられ、これらは、反応に影響を与えないア
ルコキシ基、アミノ基、アリール基(フェニル基、メチ
ルフェニル基等)等の置換基を有していてもよい。アリ
ール基としては、フェニル基などが挙げられ、これは、
反応に影響を与えないアルキル基、アルコキシ基、アミ
ノ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等の置換基を
有していてもよい。好ましくは、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜6のアル
キル基またはベンジル基等のアリール置換アルキル基が
挙げられる。また、より好ましくはメチル基、エチル
基、ベンジル基等が挙げられる。
【0019】また、光学分割を行なうに際に用いる光学
活性アミン誘導体としては、特に制限がなく、不斉中心
を1つ以上有する塩基性物質であれば良い。例えば、ブ
ルシン、キニーネ等のアルカロイド誘導体や一般式(V
IIIA)または(VIIIB)
【0020】
【化13】
【0021】[式中、R2 及びR3 は、それぞれ独立
に、水素または炭素数1〜6のアルキル基を示す]で示
されるα−メチルベンジルアミン誘導体が挙げられる。
好ましくは一般式(VIIIA)または(VIIIB)
で示されるα−メチルベンジルアミン誘導体が挙げら
れ、より好ましくは、(S)−(−)−α−メチルベン
ジルアミン及び(R)−(+)−α−メチルベンジルア
ミンが挙げられる。
【0022】一般式(I)或いは一般式(II)で表さ
れる化合物としては、例えば以下のようなシクロペンタ
ンカルボン酸誘導体が挙げられる。 1.トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキ
シカルボニルシクロペンタノン 2.トランス−2−エトキシカルボニル−3−ヒドロキ
シカルボニルシクロペンタノン 3.トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−イソプ
ロポキシカルボニルシクロペンタノン 4.トランス−2−ブトキシカルボニル−3−ヒドロキ
シカルボニルシクロペンタノン 5.トランス−2−t−ブトキシカルボニル−3−ヒド
ロキシカルボニルシクロペンタノン 6.トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−ペント
キシカルボニルシクロペンタノン 7.トランス−2−シクロヘキシルオキシカルボニル−
3−ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン 8.トランス−2−アリルオキシカルボニル−3−ヒド
ロキシカルボニルシクロペンタノン 9.トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−フェノ
キシカルボニルシクロペンタノン 10.トランス−2−ベンジルオキシカルボニル−3−
ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン
【0023】11.(2R,3S)−3−ヒドロキシカ
ルボニル−2−メトキシカルボニルシクロペンタノン 12.(2R,3S)−2−エトキシカルボニル−3−
ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン 13.(2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2
−イソプロポキシカルボニルシクロペンタノン 14.(2R,3S)−2−ブトキシカルボニル−3−
ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン 15.(2R,3S)−2−t−ブトキシカルボニル−
3−ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン 16.(2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2
−ペントキシカルボニルシクロペンタノン 17.(2R,3S)−2−シクロヘキシルオキシカル
ボニル−3−ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン 18.(2R,3S)−2−アリルオキシカルボニル−
3−ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン 19.(2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2
−フェノキシカルボニルシクロペンタノン 20.(2R,3S)−2−ベンジルオキシカルボニル
−3−ヒドロキシカルボニルシクロペンタノン
【0024】本発明方法の詳細を次に示す。一般式
(I)の化合物は一般式(III)の化合物を穏和な条
件で加水分解することにより得ることができる。例え
ば、 一般式(III)で表わされるラセミ体のシクロ
ペンタン誘導体を、水、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、ア
セトン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホル
ムアミド(DMF)等の水溶性溶媒中、またはこれらの
混合溶媒中、好ましくは水−メタノール混合溶媒中、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等のアルカ
リ、好ましくは水酸化リチウムを1当量から大過剰、よ
り好ましくは2当量から5当量加え、0℃から溶媒の沸
点付近、好ましくは0℃から50℃の温度で撹拌するこ
とにより、一般式(I)で表されるシクロペンタンカル
ボン酸誘導体が生成する。この反応液を、塩酸、硫酸、
硝酸、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム等の酸で
酸性にした後、ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、塩化
メチレン、ブタノール、THF等の溶媒、またはこれら
の混合溶媒、好ましくは酢酸エチルで抽出し、乾燥後、
溶媒を溜去することによって一般式(I)で表されるラ
セミ体のシクロペンタンカルボン酸誘導体が単離され
る。本化合物は必要に応じて、精製後、または未精製の
まま次の反応に用いる。
【0025】一般式(I)で表されるラセミ体のシクロ
ペンタンカルボン酸誘導体を、例えばメタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系溶媒とジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、THF等のエーテル系溶
媒との組み合わせ溶媒または混合溶媒中、好ましくはエ
タノールとジエチルエーテルとの組み合わせ溶媒または
混合溶媒中、あるいはエタノールとジイソプロピルエー
テルとの組み合わせ溶媒または混合溶媒中、−20〜5
0℃の温度で、好ましくは0℃〜室温下において、光学
活性アミン誘導体をシクロペンタノン誘導体に対し0.
1から2当量、好ましくは0.5から1当量作用させ、
析出する結晶を濾取し、得られた結晶を酸性水溶液、好
ましくは塩酸水溶液に溶解させ、その水層をヘキサン、
トルエン、酢酸エチル、塩化メチレン、ブタノール、T
HF等の溶媒、またはこれらの混合溶媒、好ましくは酢
酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮後得られた結晶を、メタ
ノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶
媒とジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、TH
F等のエーテル系溶媒との組み合わせ溶媒または混合溶
媒中、好ましくはエタノールとジエチルエーテルとの組
み合わせ溶媒または混合溶媒中、あるいはエタノールと
ジイソプロピルエーテルとの組み合わせ溶媒または混合
溶媒中、−20から50℃の温度で、好ましくは0℃〜
室温下において、光学活性アミン誘導体0.1から2当
量、好ましくは0.7から1.0当量作用させ、析出す
る結晶を濾取し、得られた結晶を酸性水溶液、好ましく
は塩酸水溶液に溶解させ、その水層をヘキサン、トルエ
ン、酢酸エチル、塩化メチレン、ブタノール、THF等
の溶媒、またはこれらの混合溶媒、好ましくは酢酸エチ
ルで抽出し、乾燥、濃縮後得られた結晶を酢酸エチル、
イソプロパノール、酢酸エチルとヘキサンとの組み合わ
せ溶媒、あるいはイソプロパノールとジイソプロピルエ
ーテルとの組み合わせ溶媒、好ましくは酢酸エチルとヘ
キサンとの組み合わせ溶媒を用いて再結晶することによ
りそれぞれ一般式(II)または(IIB)で表される
化合物が得られる。
【0026】これら反応の際、一般式(III)で表さ
れる化合物として、R1 がメチル基であるラセミ体のト
ランス−2,3−ビス(メトキシカルボニル)シクロペ
ンタノン(IIIa)を用いれば、一般式(I)で表さ
れる化合物として、R1 がメチル基であるラセミ体のト
ランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカル
ボニルシクロペンタノン(Ia)が得られ、さらに、光
学活性アミン誘導体として、(S)−(−)−α−メチ
ルベンジルアミンを用い光学分割を行えば、R1 がメチ
ル基である一般式(II)で表される化合物(2R,3
S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカルボ
ニルシクロペンタノン(IIa)が得られる。また、光
学活性アミン誘導体として、(R)−(+)−α−メチ
ルベンジルアミンを用い光学分割を行えば、R1 がメチ
ル基である一般式(IIB)で表される化合物(2S,
3R)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカル
ボニルシクロペンタノン(IIBa)が得られる。
【0027】
【化14】
【0028】このようにして得られる本発明化合物を用
いれば、例えば以下のようにして、重要中間体である化
合物(VI)、さらには、化合物(IV)が容易に製造
できる。
【0029】
【化15】
【0030】[式中、R1 、R4 はそれぞれエステル残
基(例えば、前記R1 として例示した基等)、R5 はそ
れぞれ炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアル
ケニル基、アリール基、またはアリール置換アルキル基
等の前記R1 として例示した基を示すか、又は2つのR
5 が結合して例えば炭素数2〜5のアルキレン基を示
し、R6 は保護基を、Xは脱離基を示す]
【0031】例えば、本発明化合物である一般式(I
I)で表される化合物を、順次エステル化及びケタール
化を行うか、または一挙にエステル化及びケタール化を
行い、一般式(IX)で表される化合物へ誘導し、エス
テル部分を還元し、生じたアルコールを保護した後、ケ
タール基を脱保護する事により、一般式(VI)で表さ
れる重要中間体が製造できる。この化合物は、ケトンを
還元し、生じたアルコールを脱離基に変換した後、アデ
ニンを縮合させ、最後に保護基を脱保護することによ
り、化合物(IV)が製造できる。以上のように、本発
明化合物及びその製造法は、抗ウイルス薬として期待さ
れる化合物(IV)の重要合成中間体であり、一般式
(VI)で表される化合物の、安全でかつ簡便な工業化
規模での製造法を提供するものである。
【0032】
【実施例】
実施例1 トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカ
ルボニルシクロペンタノン(ラセミ体)の製造 200mL一頚フラスコに、トランス−2,3−ビス
(メトキシカルボニル)シクロペンタノン(10.00
g,49.95mmol)、メタノール(50mL)を
加え室温で溶解した後、水(25mL)を加え、溶液を
氷水で冷却した後、水酸化リチウム一水和物(6.29
g,149.90mmol)を加え、反応液を室温にも
どし終夜撹拌する。反応溶液を再び氷水で冷却し、6N
塩酸(25mL)を注意深く加え液性を酸性とする。こ
の溶液を酢酸エチル(50mL)で抽出し、更に水層を
酢酸エチル(50mL)で2回抽出(総抽出操作計3
回)した後、酢酸エチル層を飽和食塩水(30mL)で
洗浄し、更に水層を酢酸エチル(50mL)で抽出す
る。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧濃縮することによりトランス−3−ヒドロキ
シカルボニル−2−メトキシカルボニルシクロペンタノ
ン(8.87g,収率95.4%)を得る。これは精製
すること無しに次工程に用いる。得られたトランス−3
−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカルボニルシク
ロペンタノンの物理化学的性質は次のとおり。1 H−NMR(200MHz,CDCl3)δ:2.05
(1H,m),2.20−2.87(3H,m),3.
50−3.75(2H,m),3.77(0.48H,
s),3.80(2.52H,s),8.30(IH,
brs).13 C−NMR(50MHz,CDCl3)δ:24.16
6,24.451,31.621,37.816,4
4.333,45.115,51.454,52.95
8,57.125,99.577,168.001,1
78.238,181.069,208.110. MS(FAB,POS)m/z:187〔M+H〕+
【0033】実施例2−1 (2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メト
キシカルボニルシクロペンタノンの製造 10Lの4頚フラスコ(塩化カルシウム管、1L等圧滴
下ロ−ト、温度計)に実施例1で得たラセミ体のトラン
ス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカルボニ
ルシクロペンタノン(180.87g,0.9716m
ol)とエタノール(900mL)とを加え撹拌する
(内温25℃)。次にここへ(S)−(−)−α−メチ
ルベンジルアミン(87.7mL,0.6803mo
l)のジエチルエーテル(1800mL)溶液を室温下
約1時間で滴下する(途中結晶析出)。滴下終了15分
後、反応溶液を氷水で30分間冷却した後、ジエチルエ
ーテル(1800mL)を約1時間で滴下する。このサ
スペンジョン液を同温下約1時間撹拌した後、析出した
結晶を濾取し、結晶をジエチルエーテルで洗浄する。こ
の結晶を3N塩酸(680mL)に溶解させ、酢酸エチ
ル(680mL)を加え抽出する。水層を更に酢酸エチ
ル(680mL)で抽出を行い(更にもう1回行う。抽
出計3回)、得られた酢酸エチル溶液を飽和食塩水(5
00mL)で洗浄し、水層を更に酢酸エチル(680m
L)で抽出を行う。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾過後減圧濃縮を行い結晶を得る
(54.82g,光学純度(方法1)72.8%d.
e.)。更に得られた結晶(54.82g,0.294
5mol)を、5Lの4頚フラスコ(塩化カルシウム
管、1L等圧滴下ロ−ト、温度計)に移し、エタノール
(548mL)を加え撹拌する(内温23.5℃)。次
にここへ(S)−(−)−α−メチルベンジルアミン
(34.2mL,0.2653mol)のジエチルエー
テル(548mL)溶液を室温下約1時間で滴下する
(途中結晶析出)。滴下終了後、反応溶液を氷水で10
分間冷却し、ジエチルエーテル(548mL)を約40
分で滴下する。このサスペンジョン液を同温下約2時間
撹拌した後、析出した結晶を濾取し、結晶をジエチルエ
ーテルで洗浄する。この結晶を3N塩酸(270mL)
に溶解させ、酢酸エチル(270mL)を加え抽出す
る。水層を更に酢酸エチル(270mL)で抽出を行い
(更にもう1回行う。抽出計3回)、得られた酢酸エチ
ル溶液を飽和食塩水(200mL)で洗浄し、水層を更
に酢酸エチル(200mL)で抽出を行う。得られた酢
酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後減
圧濃縮を行い結晶を得る(42.08g,光学純度(方
法1)96.2%d.e.)。得られた結晶(33.7
0g)に酢酸エチル(100mL)を加え約50℃下で
溶解させる。この溶液へ同温下ヘキサン(100mL)
を加え、その後室温まで放冷撹拌する(途中結晶析
出)。次に室温下ヘキサン(50mL)を追加した後、
サスペンジョン液を氷水で30分冷却し、その後、析出
した結晶を濾取し、ヘキサンで洗浄し乾燥することによ
り(2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メ
トキシカルボニルシクロペンタノン(26.31g,収
率78.1%,光学純度(方法1)>99%d.e.,
光学純度(方法2)>99%e.e.)を得る。
【0034】再結晶濾液濃縮物(7.56g)をエタノ
ール(75.6mL)に溶解させ、(S)−(−)−α
−メチルベンジルアミン(4.71mL,0.0365
mmol)のジエチルエーテル(75.6mL)溶液を
室温下約1時間で滴下する(途中結晶析出)。滴下終了
後、反応溶液を氷水で10分間冷却した後、ジエチルエ
ーテル(75.6mL)を約25分で滴下する。このサ
スペンジョン液を同温下約1時間撹拌した後、析出した
結晶を濾取し、結晶をジエチルエーテルで洗浄する。こ
の結晶を3N塩酸(36mL)に溶解させ、酢酸エチル
(36mL)を加え抽出する。水層を更に酢酸エチル
(35mL)で抽出を行い(更にもう1回行う。抽出計
3回)、得られた酢酸エチル溶液を飽和食塩水(35m
L)で洗浄し、水層を更に酢酸エチル(35mL)で抽
出操作を行う。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧濃縮を行い、得られた結晶(5.
51g)に酢酸エチル(16.5mL)を加え約50℃
下で溶解させる。この溶液へ同温下ヘキサン(16.5
mL)を加え、その後室温まで放冷撹拌する(途中結晶
析出)。つぎに室温下ヘキサン(8mL)を追加した
後、サスペンジョン液を氷水で30分冷却し、その後析
出した結晶を濾取し、ヘキサンで洗浄し乾燥することに
より(2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−
メトキシカルボニルシクロペンタノン(4.46g,光
学純度(方法2)>99%e.e.)を得る。通算収率
20.9%。
【0035】1H−NMR (200MHz,CDC
3)δ:2.03(1H,m),2.20−2.80
(3H,m),3.50−3.72(2H,m),3.
77(0.29H,s),3.80(2.71H,
s),7.75(brs,1H). IR (neat) cm-1: 3200(OH),1
720(C=O) 旋光度:[α]D −26.0゜(C1.065,メタノ
ール) 融点:86.5〜88℃
【0036】トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2
−メトキシカルボニルシクロペンタノンの光学純度測定
法 方法1 トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカ
ルボニルシクロペンタノンと(S)−(−)−α−メチ
ルベンジルアミンの塩をメタノールに溶解させ、約50
℃で3時間撹拌するか、あるいは室温で終夜放置し、エ
ナミンとした後、溶液を減圧濃縮し分析サンプルとす
る。光学純度はジアステレオマー過剰率(d.e.)で
表した。 分析サンプル:1mg/mLを2μL注入 カラム:MQ Pack ODS−M−15,5μm,
4.6mmφ×250mm 展開溶媒:アセトニトリル:水:1%リン酸水=30:
70:1 カラム温度:35℃ 流速:1.0mL/min 保持時間: N−[(3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メト
キシカルボニルシクロペンタ−1−エン−1−イル]−
N−[(S)−α−メチルベンジル]アミン:約32分 N−[(3R)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メト
キシカルボニルシクロペンタ−1−エン−1−イル]−
N−[(S)−α−メチルベンジル]アミン:約35.
5分
【0037】方法2 トランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカ
ルボニルシクロペンタノン(100mg,0.537m
mol)をメタノール(1mL)に溶解させ、この溶液
にオルトギ酸メチル(0.17mL)、p−トルエンス
ルホン酸一水和物(5.1mg)を加え室温にて3時間
撹拌する。反応終了後、この反応溶液に1N塩酸(0.
1mL)を加え、同温にてさらに20分間撹拌する。反
応溶液に水(10mL)を加え、酢酸エチル(10m
L)にて3回抽出する。得られた酢酸エチル層を飽和食
塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧
溜去することにより、トランス−2,3−ビス(メトキ
シカルボニル)シクロペンタノン体(定量的)を得る。
これをイソプロパノール:ヘキサン=1:1に溶解し分
析サンプルとする。光学純度はエナンチオマー過剰率
(e.e.)で表した。 分析サンプル:1mg/mLを20μL注入 カラム:Chiralpak AS,4.6mmφ×2
50mm 展開溶媒:ヘキサン:イソプロパノール=90:10 カラム温度:30℃ 流速:0.5mL/min 保持時間: (2R,3S)−2,3−ビス(メトキシカルボニル)
シクロペンタノン:約22分 (2S,3R)−2,3−ビス(メトキシカルボニル)
シクロペンタノン:約26分
【0038】実施例2−2 (2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メト
キシカルボニルシクロペンタノンの製造 200mL1頚フラスコに実施例1で得たラセミ体のト
ランス−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシカル
ボニルシクロペンタノン(3.00g,16.12mm
ol)をイソプロパノール(15mL)に加え、35℃
に加熱し溶解させ、溶解後ジイソプロピルエーテル(1
5mL)を加え撹拌する。この溶液を室温まで冷却し、
ここへ(S)−(−)−α−メチルベンジルアミン
(1.44mL,11.17mmol)のイソプロパノ
ール(7.5mL)とジイソプロピルエーテル(7.5
mL)の混合溶液を室温下5分で滴下する(2分後結晶
析出)。滴下終了30分後、サスペンジョン液を氷水で
冷却し30分撹拌する。析出した結晶を濾取し、結晶を
ジイソプロピルエーテルで洗浄する。この結晶を3N塩
酸(16mL)に溶解させ、酢酸エチル(32mL)を
加え抽出する。水層を更に酢酸エチル(32mL)で抽
出を行い(更にもう1回行う。抽出計3回)、得られた
酢酸エチル溶液を飽和食塩水(16mL)で洗浄し、水
層を更に酢酸エチル(16mL)で抽出を行う。得られ
た酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
濃縮を行い結晶を得る(0.596g,光学純度(方法
1)83.6%d.e.)。
【0039】更に得られた結晶(0.596g)を、エ
タノール(3mL)で溶解し、ジイソプロピルエーテル
(3mL)を加え撹拌する(内温22.5℃)。次にこ
こへ(S)−(−)−α−メチルベンジルアミン(0.
36mL,2.79mmol)のエタノール(1.5m
L)とジイソプロピルエーテル(1.5mL)の混合溶
液を室温下3分で滴下する(途中結晶析出)。滴下終了
30分後、サスペンジョン液を氷水で冷却し30分撹拌
する。析出した結晶を濾取し、結晶をジイソプロピルエ
ーテルで洗浄する。析出した結晶を濾取し、結晶をジイ
ソプロピルエーテルで洗浄する。この結晶を3N塩酸
(3.2mL)に溶解させ、酢酸エチル(6.4mL)
を加え抽出する。水層を更に酢酸エチル(6.4mL)
で抽出を行い(更にもう1回行う。抽出計3回)、得ら
れた酢酸エチル溶液を飽和食塩水(3.2mL)で洗浄
し、水層を更に酢酸エチル(6.4mL)で抽出を行
う。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、濾過後減圧濃縮を行い結晶を得る(0.442
g,光学純度(方法1)94.7%d.e.)。得られ
た結晶(0.442g)に酢酸エチル(1.3mL)を
加え約50℃下で溶解させる。この溶液へ同温下ヘキサ
ン(1.3mL)を加え、その後室温まで放冷撹拌す
る。次に室温下ヘキサン(0.65mL)を追加した
後、サスペンジョン液を氷水で30分冷却し、その後結
晶を濾取し、ヘキサンで洗浄し乾燥することにより(2
R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メトキシ
カルボニルシクロペンタノン(0,324g,光学純度
(方法1)97.6%d.e.)を得る。通算収率1
0.8%。
【0040】参考例1 (2R,3S)−1,1−ジメトキシ−2,3−ビス
(メトキシカルボニル)シクロペンタンの製造 (2R,3S)−3−ヒドロキシカルボニル−2−メト
キシカルボニルシクロペンタノン(34.29g,0.
1842mol)をメタノール(184mL)に溶解
し、オルトギ酸メチル(50.4mL,0.4607m
ol)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.75
g,0.0092mmol)を順次加え、室温下終夜撹
拌する。反応溶液に炭酸水素ナトリウム水(8.92
%,13mL)を加え減圧濃縮し、残渣をトルエン(1
70mL)で希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水
(40mL)にて2回洗浄し、次いで飽和食塩水(50
mL)にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
濃縮することにより(2R,3S)−1,1−ジメトキ
シ−2,3−ビス(メトキシカルボニル)シクロペンタ
ン(44.58g,収率98.3%)を得る。これは精
製すること無しに次工程に用いる。1 H−NMR (200MHz,CDCl3) δ:1.
82−1.96(2H,m),2.04(1H,m),
2.16(1H,m),3.21(3H,s),3.2
9(3H,s),3.34−3.42(2H,m),
3.69(3H,s),3.73(3H,s).
【0041】参考例2 (2S,3S)−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)−
1,1−ジメトキシシクロペンタンの製造 ジエチルエーテル(160mL)に水素化リチウムアル
ミニウム(12.18g,0.3209mol)を加え
約0℃に冷却する。このサスペンジョン液に参考例1で
得た(2R,3S)−1,1−ジメトキシ−2,3−ビ
ス(メトキシカルボニル)シクロペンタン(39.52
g,0.1605mol)のジエチルエーテル(32m
L)溶液を約1時間で滴下し、同温下30分撹拌する。
反応液に水(12.2mL)を約30分かけて滴下し、
更に15%水酸化ナトリウム水(12.2mL)、水
(24.5mL)を順次滴下した後30分撹拌する。次
いで無水硫酸ナトリウム(38.6g)を加え約1時間
撹拌した後、ジエチルエーテル(160mL)、ハイフ
ロスーパーセル(23g)を加え15分撹拌する。不均
一物質を濾取し(濾液1)、イソプロパノール(120
mL)に残渣を加え60℃下15分撹拌した後、不均一
物質を濾取し(濾液2)、更にイソプロパノール(12
0mL)に残渣を加え50℃下30分撹拌した後、不均
一物質を濾取する(濾液3)。濾液(濾液1,2,3)
を合わせ減圧濃縮することにより(2S,3S)−2,
3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,1−ジメトキシシ
クロペンタン(29.89g,収率97.9%)を得
る。これは精製すること無しに次工程に用いる。1 H−NMR (200MHz,CD3 OD) δ:
1.29(1H,m),1.63−2.07(5H,
m),3.19(3H,s),3.22(3H,s),
3.42(1H,dd,J=6.8Hz,11.2H
z),3.43−3,62(2H,m),3.71(1
H,dd,J=5.4Hz,11.2Hz). IR(neat)cm-1:3350(OH).
【0042】参考例3 (2S,3S)−1,1−ジメトキシ−2,3−ビス
[(4−メチルベンゾイル)オキシメチル]シクロペン
タンの製造。 参考例2で得た(2S,3S)−2,3−ビス(ヒドロ
キシメチル)−1,1−ジメトキシシクロペンタン
(5.00g,26.28mmol)をピリジン(40
mL)に溶解し、氷冷下にてトルオイルクロライド
(7.65mL,57.85mmol)を加え、同温に
て2時間撹拌する。反応溶液に水(100mL)を加
え、ジエチルエーテル(100mL)にて3回抽出を行
う。得られたジエチルエーテル層を、1N塩酸(50m
Lx6)、飽和炭酸水素ナトリウム水(50mL)、水
(50mL)、飽和食塩水(50mL)にて順次洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧溜去するこ
とにより(2S,3S)−1,1−ジメトキシ−2,3
−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシメチル]シク
ロペンタン(11.62g)を得る。これは、精製する
こと無しに次工程へ用いる。
【0043】参考例4 (2S,3S)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイ
ル)オキシメチル]シクロペンタノンの製造。 参考例3で得た(2S,3S)−1,1−ジメトキシ−
2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシメチ
ル]シクロペンタン(11.62g)をアセトン(50
mL)に溶解させ、次いで水(2.5mL)及び1N塩
酸(2.5mL)を加え、室温にて30分間撹拌する。
反応溶液を冷却し、1N水酸化ナトリウム水(2.5m
L)で中和した後、アセトンを減圧溜去する。得られた
残渣に飽和食塩水(100mL)を加え、ジエチルエー
テル(100mL)にて2回抽出する。得られたジエチ
ルエーテル層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧溜
去し、得られた残渣(10.20g)をジエチルエーテ
ル−ヘキサンにて再結晶を行うことにより(2S,3
S)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ
メチル]シクロペンタノン(6.04g)を得る。ま
た、再結晶母液(4.14g)をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル120g、ヘキサン:酢酸
エチル=5:1)にて精製し、得られる結晶(1.59
g)をジエチルエーテル−ヘキサンにて再結晶を行うこ
とにより(2S,3S)−2,3−ビス[(4−メチル
ベンゾイル)オキシメチル]シクロペンタノン(0.9
0g,合計6.94g,2工程収率69.4%)を得
る。1 H−NMR (200MHz,CDCl3) δ:1.
79(1H,m),2.18−2.79(5H,m),
2.39(3H,s),2.41(3H,s),4.5
1(2H,d,J=5.4Hz),4.56(1H,d
d,J=4.5Hz,11.4Hz),4.71(1
H,dd,J=3.5Hz,11.4Hz),7.20
(2H,d,J=8.3Hz),7.22(2H,d,
J=8.3Hz),7.84(2H,d,J=8.3H
z),7.89(2H,d,J=8.3Hz). IR(KBr)cm-1:1745(C=O),1710
(C=O).
【0044】参考例5 (1S,2S,3S)−2,3−ビス[(4−メチルベ
ンゾイル)オキシメチル]シクロペンタノールの製造。 参考例4で得た(2S,3S)−2,3−ビス[(4−
メチルベンゾイル)オキシメチル]シクロペンタノン
(1.00g,2.63mmol)をTHF(10m
L)に溶解させ、外温−78℃にてL−セレクトライド
のTHF溶液(3.15mL,3.15mmol)を加
え、同温にて15分間撹拌する。反応溶液に、メタノー
ル(2mL)を加え、同温にて10分間撹拌した後、氷
冷下にて飽和炭酸水素ナトリウム水(10mL)及び3
0%過酸化水素水(1.34mL)を加え、室温にて1
5分間撹拌する。次いでこの反応溶液に飽和食塩水(3
0mL)を加え、酢酸エチル(30mL)にて3回抽出
を行う。得られた酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウム
にて乾燥、減圧溜去することにより(1S,2S,3
S)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ
メチル]シクロペンタノール(0.96g)を得る。こ
れは、精製すること無しに次工程に用いる。
【0045】参考例6 (1S,2S,3S)−2,3−ビス[(4−メチルベ
ンゾイル)オキシメチル]シクロペンチル メタンスル
ホネートの製造。 参考例5で得た(1S,2S,3S)−2,3−ビス
[(4−メチルベンゾイル)オキシメチル]シクロペン
タノール(0.96g)を塩化メチレン(10mL)に
溶解させ、トリエチルアミン(0.55mL,3.94
mmol)を加え氷冷する。次いで、氷冷下にてメタン
スルホニルクロリド(0.24mL,3.10mmo
l)を加え、同温にて30分間撹拌する。反応溶液に、
リン酸緩衝液(pH7,30mL)を加え、酢酸エチル
(30mL)にて3回抽出を行う。得られた酢酸エチル
層を飽和食塩水(30mL)にて洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥、減圧溜去し、残渣(1.29g)を
シリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル6g,塩化
メチレン)にて精製を行う。得られた結晶(1.17
g)をジエチルエーテル−ヘキサンにて再結晶を行うこ
とにより(1S,2S,3S)−2,3−ビス[(4−
メチルベンゾイル)オキシメチル]シクロペンチル メ
タンスルホネート(498.9mg)を得る。また、母
液(0.63g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル30g,ヘキサン−酢酸エチル=4:1
〜3:1)にて精製を行い、得られた結晶(445.2
mg)をジエチルエーテル−ヘキサンにて再結晶を行う
ことにより(1S,2S,3S)−2,3−ビス[(4
−メチルベンゾイル)オキシメチル]シクロペンチル
メタンスルホネート(194.9mg,合計693.8
mg,2工程収率57.3%)を得る。1 H−NMR (200MHz,CDCl3)δ:1.7
1(1H,m),2.05(1H,m),2.14−
2.35(2H,m),2.35−2.57(2H,
m),2.40(3H,s),2.41(3H,s),
2.97(3H,s),4.37(2H,d,J=4.
5Hz),4.44(1H,dd,J=8.6Hz,1
1.2Hz),4.61(1H,dd,J=5.1H
z,11.2Hz),5.35(1H,m),7.23
(2H,d,J=8.2Hz),7.24(2H,d,
J=8.2Hz),7.92(4H,d,J=8.2H
z). IR(KBr)cm-1:1710(C=O).
【0046】参考例7 9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス[(4−メ
チルベンゾイル)オキシメチル]シクロペンチル]アデ
ニンの製造。 DMF(2mL)に油性60%水素化ナトリウム(4
1.1mg,1.0275mmol)及びアデニン(1
39.0mg,1.0286mmol)を加え、室温に
て1時間撹拌する。ついで、この懸濁液に参考例6で得
た(1S,2S,3S)−2,3−ビス[(4−メチル
ベンゾイル)オキシメチル]シクロペンチル メタンス
ルホネート(236.8mg,0.5142mmol)
のDMF(1mL)溶液を外温130〜140℃にて2
3分かけて加え、同温にて40分間撹拌する。反応溶液
を室温まで冷却した後、この溶液にリン酸緩衝液(pH
7,30mL)を加え、酢酸エチル(30mL)にて3
回抽出を行う。得られた酢酸エチル層を水(30mL)
にて3回、飽和食塩水(30mL)にて1回洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、減圧溜去し、得ら
れた残渣(280.1mg)をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル10g,塩化メチレン〜塩化
メチレン:メタノール=30:1〜25:1〜20:
1)にて精製することにより9−[(1R,2R,3
S)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ
メチル]シクロペンチル]アデニン(60.5mg,収
率23.6%)を得る。また、上記化合物を有する混合
物(41.9mg)をプレパレイティブTLC(塩化メ
チレン:メタノール=20:1x2)にて精製すること
により9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス
[(4−メチルベンゾイル)オキシメチル]シクロペン
チル]アデニン(30.1mg,収率12.0%,合計
91.5mg,収率35.6%)を得る。1 H−NMR (200MHz,CDCl3)δ:2.0
0−2.60(5H,m),2.37(3H,s),
2.41(3H,s),3.04(1H,m),4.4
1(1H,dd,J=6.1Hz,12.4Hz),
4.49(1H,dd,overlapped wit
h other peaks),4.52(2H,d,
J=5.9Hz),4.83(1H,apparent
q,J=8.8Hz),5.80(2H,brs),
7.14(2H,d,J=8.1Hz),7.25(2
H,d,J=8.1Hz)7.59(2H,d,J=
8.1Hz),7.86(1H,s),7.98(2
H,d,J=8.1Hz),8.27(1H,s).
【0047】参考例8 9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロペンチル]アデニンの製造。 参考例7で得られた9−[(1R,2R,3S)−2,
3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシメチル]シ
クロペンチル]アデニン(60.5mg,0.1211
mmol)をメタノール(6mL)と塩化メチレン(1
mL)の混合溶液に溶解させ、この溶液にナトリウムメ
チラートのメタノール溶液(0.254mL,0.25
4mmol)を加え、室温にて5時間撹拌する。反応溶
液に1N塩酸(0.25mL)を加え、減圧濃縮をす
る。この残渣に水(15mL)を加え、ジエチルエーテ
ル(15mL)にて洗浄する。得られたジエチルエーテ
ル層を水(10mL)にて抽出を行い、水層を合わせて
減圧濃縮を行う。得られた残渣をダイアニオンHP−2
0(5mL)にて精製することにより9−[(1R,2
R,3S)−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロ
ペンチル]アデニン(31.8mg,収率99.7%,
光学純度>99%d.e.)を得る。この物は、標品
(特開平5−1044)と一致。1 H−NMR (200MHz,CD3OD) δ:1.
74−2.48(6H,m),3.56(2H,d,J
=5.1Hz),3.69(2H,d,J=5.9H
z),4.77(1H,apparent q,J=
8.6Hz)(1H,m),8.20(1H,s),
8.24(1H,s). 光学純度測定法(HPLC法) 分析サンプル:1mg/mLを2μL注入 カラム:Chiralpak AS,4.6mmφ×2
50mm 展開溶媒:ヘキサン:エタノール=92:8 カラム温度:37℃ 流速:1.0mL/min 保持時間: 9−[(1R,2R,3S)−2,3−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロペンチル]アデニン:約23分 9−[(1S,2S,3R)−2,3−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロペンチル]アデニン:約27分
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、抗ウイルス薬として有
用な式(IV)の化合物の合成中間体として使用できる
式(I)又は(II)の化合物を好収率で安全に合成で
き、該合成中間体を提供したことにより、式(IV)の
化合物の合成が容易となる。
フロントページの続き (72)発明者 新妻 節子 東京都北区王子本町2−8−16 三玉コー ポ101

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 [式中、R1 はエステル残基を示す。]で表わされるシ
    クロペンタンカルボン酸誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(II) 【化2】 [式中、R1 はエステル残基を示す。]で表わされる光
    学活性な請求項1記載のシクロペンタンカルボン酸誘導
    体。
  3. 【請求項3】R1 が置換基を有していてもよい、炭素数
    1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基又は
    アリール基である請求項1又は2記載のシクロペンタン
    カルボン酸誘導体。
  4. 【請求項4】R1 がアリール基で置換されていてもよい
    炭素数1〜6のアルキル基である光学活性な請求項2記
    載のシクロペンタンカルボン酸誘導体。
  5. 【請求項5】R1 がメチル基、エチル基又はベンジル基
    である光学活性な請求項2記載のシクロペンタンカルボ
    ン酸誘導体。
  6. 【請求項6】一般式(III) 【化3】 [式中、R1 はエステル残基を示す。]で表される化合
    物を加水分解し、所望により光学分割をすることを特徴
    とする一般式(I) 【化4】 [式中、R1 はエステル残基を示す。] で表わされるシ
    クロペンタンカルボン酸誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】一般式(III) 【化5】 [式中、R1 はエステル残基を示す]で表される化合物
    を加水分解し、光学分割をすることを特徴とする一般式
    (II) 【化6】 [式中、R1 はエステル残基を示す]で表わされる光学
    活性シクロペンタンカルボン酸誘導体の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997028114A1 (fr) * 1996-01-31 1997-08-07 Nippon Kayaku Co., Ltd. Derives du cyclopentanone disubstitues en 2,3, leur procede d'obtention et leurs emplois medicaux
JP2013522273A (ja) * 2010-03-16 2013-06-13 ジヤンセン・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド Hcvの大環状プロテアーゼ阻害剤の製造のための方法及び中間体

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