JP2000007609A - カルボン酸誘導体の製造法 - Google Patents

カルボン酸誘導体の製造法

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JP2000007609A
JP2000007609A JP17777098A JP17777098A JP2000007609A JP 2000007609 A JP2000007609 A JP 2000007609A JP 17777098 A JP17777098 A JP 17777098A JP 17777098 A JP17777098 A JP 17777098A JP 2000007609 A JP2000007609 A JP 2000007609A
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JP17777098A
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Inventor
Hisanobu Wakita
尚宜 脇田
Takeshi Ishigaki
剛 石垣
Hitoshi Hatakeyama
仁志 畠山
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的にも利用可能な、カルボン酸誘導体のマ
ロノニトリル誘導体からの製造方法を提供する。 【解決手段】マロノニトリル誘導体を、溶媒中、アルカ
リ性水溶液を用いて反応することを特徴とするカルボン
酸誘導体の製造法。 【効果】本発明は、マロノニトリル誘導体からカルボン
酸誘導体が穏和な条件下、高収率で得られる製造方法で
あり、医薬品をはじめカルボキシル基を持つ化合物の製
造に広く適用でき、工業的にも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マロノニトリル誘
導体からカルボン酸誘導体を製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来知られているマロノニトリル誘導体
からカルボン酸誘導体を製造する方法としては、アルカ
リ溶液中、過マンガン酸カリウムにて酸化する方法(S.
Datta, et al, Sulfur Letters, 4 (2), 37-43, 198
6)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られている方法は、強力な酸化剤を用いなくてはなら
ず、他の酸化されやすい官能基は保護しなくてはならな
い。しかもカルボン酸誘導体の収率も低くて実用性が低
い。本発明の目的は、穏和な条件でマロノニトリル誘導
体からカルボン酸誘導体を高収率で得ることができる製
造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討した結果、マロノニトリル誘導体を強力な酸化
剤を用いることなくカルボン酸誘導体へ変換できること
を見出した。
【0005】すなわち、本発明は一般式(I)
【化12】 (式中、R1およびR2は同一または異なってもよく、水
素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
してもよいアリール基を示す。)で示されるマロノニト
リル誘導体を、溶媒中、アルカリ性水溶液を用いて反応
させることを特徴とする一般式(II)
【化13】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ)で示されるカ
ルボン酸誘導体の製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、発明の構成を詳しく説明す
る。
【0007】本発明において、一般式(II)
【化14】 (式中、R1およびR2は同一または異なってもよく、水
素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
してもよいアリール基を示す。)で示されるカルボン酸
誘導体は、一般式(I)
【化15】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ。)で示される
マロノニトリル誘導体を、溶媒中、アルカリ性水溶液を
用いて反応させることにより、得ることができる。
【0008】また、一般式(I)で示されるマロノニト
リル誘導体は、たとえば一般式(III)
【化16】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ。Xは−OSO
23、−OCOR4、ハロゲン原子(Cl,Br,I)
を示し、R3およびR4はアルキル基または置換基を有し
てもよいアリール基を示す。)で示される化合物を、塩
基およびマロノニトリルと反応させることにより、得る
ことができる。
【0009】さらに、一般式(III)で示される化合物
のうち、一般式(IIIa)
【化17】 (式中、R1およびR3は前記定義と同じ)で示される化
合物は、たとえば一般式(IV)
【化18】 (式中、R1は前記定義と同じ。R5は水素原子または低
級アルキル基を示す。)で示されるカルボン酸誘導体を
還元して得られる一般式(V)
【化19】 (式中、R1は前記定義と同じ)で示されるアルコール
体と、一般式(VI)
【化20】 (式中、R3は前記定義と同じ。)で示されるスルホン
酸塩化物とから得ることができる。
【0010】一般式(I)、(II)、(III)、(IV)
および(V)で示される化合物において、R1およびR2
は同一または異なってもよく、水素原子、置換基を有し
てもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基
を示す。
【0011】置換基を有してもよいアルキル基の置換基
としては、たとえば、水酸基、メトキシ基、tert-ブチ
ル(ジメチル)シリルオキシ基、シクロペンタ[b]ベ
ンゾフラニル基などが挙げられる。また、アルキル基
は、直鎖あるいは分岐したC1〜C20アルキル基であ
り、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル
基、tert-ブチル基などが挙げられる。
【0012】置換基を有してもよいアリール基の置換基
としては、たとえばハロゲン原子(フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素)、水酸基、直鎖あるいは分岐したC1〜C
20アルキル基、直鎖あるいは分岐したC1〜C10ア
ルコキシル基などが挙げられる。また、アリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0013】一般式(Ia)、(IIa)、および(IIIa)
で示される化合物において、R1は先に述べた一般式
(I)、(II)、および(III)で示される化合物のR1
の定義と同じである。
【0014】一般式(III)で示される化合物におい
て、Xは−OSO23、−OCOR4、ハロゲン原子
(Cl,Br,I)を示し、R3およびR4は、アルキル
基または置換基を有してもよいアリール基を示す。
【0015】R3およびR4において、アルキル基は直鎖
あるいは分岐したC1〜C10アルキル基であり、たと
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル
基などが挙げられるが、好ましくはメチル基が用いられ
る。
【0016】また、R3およびR4において、置換基を有
してもよいアリール基の置換基としては、たとえばハロ
ゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、直
鎖あるいは分岐したC1〜C20アルキル基、直鎖ある
いは分岐したC1〜C10アルコキシル基などが挙げら
れるが、好ましくは臭素、メチル基が用いられる。ま
た、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基など
が挙げられるが、好ましくはフェニル基が用いられる。
【0017】一般式(IIIa)で示される化合物におい
て、R3は先に述べた一般式(III)で示される化合物中
のR3の定義と同じである。
【0018】一般式(IV)で示される化合物において、
5は水素原子または低級アルキル基を示す。低級アル
キル基とは、直鎖あるいは分岐したC1〜C6アルキル
基であり、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基などが挙げられる。
【0019】一般式(VI)で示される化合物において、
3は先に述べた一般式(III)で示される化合物中のR
3の定義と同じである。
【0020】一般式(II)で示されるカルボン酸誘導体
は一般式(I)で示されるマロノニトリル誘導体を、溶
媒中、アルカリ性水溶液と反応させることにより得るこ
とができる。
【0021】
【化21】 反応に用いられる溶媒は、水単独あるいは水と有機溶媒
との混合溶媒である。ここで用いる有機溶媒としては、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、メタノ
ール、エタノールなどのアルコール系溶媒、ジエチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系溶媒、DMF、DMSOなどの非プロトン性極性溶
媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒な
どが挙げられ、好ましくはメタノール、エタノールなど
のアルコール系溶媒であり、より好ましくはメタノール
である。
【0022】アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムなどの水酸化物の水溶液が挙げられ、好ましくは水
酸化ナトリウム水溶液である。
【0023】反応温度は0℃〜100℃で任意である
が、好ましくは20℃〜80℃である。反応時間につい
ては特に制限されないが、通常1時間から36時間、好
ましくは3時間から24時間程度である。
【0024】このようにして得られる反応混合物から、
抽出、分離、濃縮、カラムクロマトグラフィーなどの一
般的な操作により、目的とするカルボン酸を得ることが
できる。
【0025】一般式(I)で表されるマロノニトリル誘
導体は、一般式(III)で表される化合物から得ること
ができる。
【0026】
【化22】 まず、マロノニトリルを溶媒中、塩基と反応させる。こ
こで用いる溶媒はジエチルエーテル、ジオキサン、テト
ラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、DMFなどの非
プロトン性極性溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素系溶媒などが挙げられる。好ましくは、ジエチ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル系溶媒である。
【0027】塩基としては、メチルリチウム、ブチルリ
チウム、t−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、
リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメ
チルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
などの金属アミド、ナトリウムメトキシド、カリウムte
rt-ブトキシドなどの金属アルコキシドなどが挙げられ
る。好ましくはリチウムジイソプロピルアミド、リチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス
(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチ
ルシリル)アミド、などの金属アミド、ナトリウムメト
キシド、カリウム t−ブトキシドなどの金属アルコキ
シドであり、もっとも好ましいのはカリウム tert-ブト
キシドである。
【0028】反応温度は−100℃〜100℃で任意で
あるが、好ましくは-20℃〜40℃である。反応時間
については特に制限されないが、通常10分間から3時
間、好ましくは30分間から2時間程度である。
【0029】ついで、一般式(III)で表される化合物
を加えて反応させ、一般式(I)で表されるマロノニト
リル誘導体に変換する。反応温度は0℃〜100℃で任
意であるが、好ましくは20℃〜80℃である。また、
反応時間については特に制限されないが、通常6時間か
ら48時間、好ましくは12時間から36時間程度であ
る。
【0030】このようにして得られる反応混合物から、
抽出、分離、濃縮、カラムクロマトグラフィーなどの一
般的な操作により、一般式(I)で示されるマロノニト
リル誘導体を得ることができる。この化合物から一般式
(II)で示されるカルボン酸誘導体への変換方法は前述
の通りである。
【0031】また、一般式(III)で示される化合物の
うち、一般式(IIIa)で示される化合物は、市販もしく
は公知の方法により得られる一般式(IV)で示されるカ
ルボン酸誘導体から得ることができる。
【0032】
【化23】 まず、一般式(IV)で示されるカルボン酸誘導体を溶媒
中、還元剤を用いて還元して一般式(V)で表されるア
ルコール体を得る。用いる溶媒は、ジエチルエーテル、
ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒な
どが挙げられる。好ましくは、ジエチルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒であ
り、より好ましくはテトラヒドロフランである。
【0033】還元剤としては、水素化アルミニウムリチ
ウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水素
化トリt-ブトキシアルミニウムリチウム、水素化アル
ミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホ
ウ素、水素化トリエチルホウ素リチウムなどが挙げら
れ、好ましくは、水素化アルミニウムリチウム、水素化
ジイソブチルアルミニウムである。
【0034】反応温度は−100℃〜100℃で任意で
あるが、好ましくは−80℃〜40℃であり、より好ま
しくは−20℃〜20℃である。反応時間については特
に制限されないが、通常10分間から6時間、好ましく
は30分間から3時間程度である。
【0035】このようにして得られる反応混合物から、
抽出、分離、濃縮、カラムクロマトグラフィーなどの一
般的な操作により、一般式(V)で表されるアルコール
体を得ることができる。
【0036】次に、得られた一般式(V)で表されるア
ルコール体を溶媒中、アミン類の存在下、一般式(VI)
で示されるスルホン酸塩化物と反応させて一般式(III
a)で表される化合物を得ることができる。用いる溶媒
は、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶
媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳
香族炭化水素系溶媒、DMFなどの非プロトン性極性溶
媒などが挙げられる。好ましくは、ジクロロメタン、ク
ロロホルムなどのハロゲン系溶媒であり、より好ましく
はジクロロメタンである。
【0037】アミン類としては、トリエチルアミン、ピ
リジン、2,6−ルチジン、4−(ジメチルアミノ)ピ
リジンなどの脂肪族もしくは芳香族アミンが挙げられ、
好ましくは、トリエチルアミンである。
【0038】反応温度は−100℃〜100℃で任意で
あるが、好ましくは−80℃〜40℃であり、より好ま
しくは−20℃〜20℃である。反応時間については特
に制限されないが、通常10分間から6時間、好ましく
は30分間から3時間程度である。
【0039】このようにして得られる反応混合物から、
抽出、分離、濃縮、カラムクロマトグラフィーなどの一
般的な操作により、一般式(IIIa)で表される化合物を
得ることができる。
【0040】前述の、一般式(III)で表される化合物
から一般式(I)で表される化合物を経て一般式(II)
で表されるカルボン酸誘導体に変換する方法に従って、
一般式(IIIa)で表される化合物は、一般式(Ia)で表
されるマロノニトリル誘導体に変換され、続いて一般式
(IIa)で表されるカルボン酸誘導体へと導かれる。
【0041】
【化24】 本製造法は、強力な酸化剤を用いることなく穏和な条件
下で、マロノニトリル誘導体からカルボン酸誘導体を高
収率で得ることができるので、医薬品をはじめカルボキ
シル基を持つ化合物の合成に広く適用することができ、
工業的にも有用である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】実施例1. 6−メチル−5−(1,1,
2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−6−
フェノキシヘプタン酸(化合物2)の合成
【化25】 25mLフラスコに(5−メチル−4−(1,1,2,2,
−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−5−フェノ
キシヘキシル)メタン−1,1−ジカルボニトリル(化
合物1)32.2mg、テトラヒドロフラン1mL、2N水酸化ナ
トリウム水溶液を仕込み、50℃にて8時間撹拌した。反
応終了後、反応混合物を冷却し、1N塩酸2.3mLを加えて
溶液を酸性にし、酢酸エチル10mLで3回抽出した。有機
層を合わせて、飽和食塩水5mLで洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成
物をシリカゲルカラム中圧液体クロマトグラフィー(シ
クロヘキサン:酢酸エチル=80:20〜50:50)で精製
し、化合物2を21.7mg(収率71%)得た。
【0044】IR(液膜法) 3700〜2600 (br), 1712, 1595, 1491, 1464, 1412, 138
5, 1364, 1253, 1229, 1136, 1108, 1004, 886, 835, 7
75 cm-1.1 H-NMR(300MHz、δppm、CDCl3) 7.29ー7.21 (2H, m), 7.06 (1H, td, J=7.4, 1.1Hz), 6.
96 (2H, dd, J=8.5, 1.1Hz), 3.70 (1H, dd, J=7.6, 3.
0Hz), 2.40 (2H, t, J=7.0Hz), 2.03-1.64 (3H,m), 2.0
2ー1.80 (2H, m), 1.49 (1H, m), 1.23 (3H, s), 1.15
(3H, s), 0.91 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.08 (3H, s). LRMS (FAB) m/z 405 [(M+H)+]. 実施例2. 3−(3H−3a(S),8b(S),−
cis−1(S),2(R),3a(S),8b(S)
−テトラヒドロ−1(S)−(3(S)−(1,1,
2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−4−
メチル−4−フェノキシペンテニル)−2(R)−
(1,1,2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキ
シ)−シクロペンタ[b]ベンゾフラン−5−イル)ブ
タン酸(化合物7)の合成 (1) 3−(3H−3a(S),8b(S),−ci
s−1(S),2(R),3a(S),8b(S)−テ
トラヒドロ−1(S)−(3(S)−(1,1,2,2
−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−4−メチル
−4−フェノキシペンテニル)−2(R)−(1,1,
2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−シク
ロペンタ[b]ベンゾフラン−5−イル)プロパノール
(化合物4)の合成
【化26】 アルゴン気流下、メチル(3−(3H−3a(S),8
b(S),−cis−1(S),2(R),3a
(S),8b(S)−テトラヒドロ−1(S)−(3
(S)−(1,1,2,2−テトラメチル−1−シラノ
プロポキシ)−4−メチル−4−フェノキシペンテニ
ル)−2(R)−(1,1,2,2−テトラメチル−1
−シラノプロポキシ)−シクロペンタ[b]ベンゾフラ
ン−5−イル))プロピオネート(化合物3)117 mg
(0.172 mmol)の無水THF 3.5 ml 溶液に、水素化アル
ミニウムリチウム 7.2 mg(0.190 mmol)を氷冷下にて
加え、室温にて1.5時間撹拌した。氷冷した反応混合物
に飽和ロッシェル塩水溶液 8 ml を加え、しばらく撹拌
した後、セライトを敷いたグラスフィルターで濾過し
た。残渣を酢酸エチルで洗浄した後、得られた濾液を酢
酸エチル(3×10 ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽
和食塩水 5 ml にて洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られ
た油状物 117 mg を、中圧カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル、シクロヘキサン:酢酸エチル=85:15)
にて分離すると、化合物4が無色油状物として103 mg
(収率91%)得られた。
【0045】IR(液膜法) 3400, 1595, 1491, 1456, 1381, 1363, 1255, 1230, 11
93, 1125, 1029, 977, 868, 837, 772 cm-1.1 H-NMR(300MHz、δppm、CDCl3) 7.29ー7.21 (2H, m), 7.08ー7.02 (2H, m), 7.00ー6.90 (3
H, m), 6.75 (1H, dd, J=7.4, 7.4Hz), 5.83 (1H, dd,
J=15.7, 5.2Hz), 5.71 (1H, dd, J=15.8, 7.5Hz), 5.15
(1H, ddd, J=8.6, 7.3, 4.9Hz), 4.22 (1H, d, J=5.2
Hz), 3.99 (1H, ddd, J=7.5, 6.6, 6.2Hz), 3.64ー3.56
(2H, m), 3.51 (1H, dd, J=8.6, 7.7Hz),2.70ー2.61 (3
H, m), 2.48 (1H, ddd, J=13.3, 7.5, 4.9Hz), 2.07 (1
H, dd, J=5.5, 5.5Hz), 1.97 (1H, ddd, J=13.5, 7.5,
4.9Hz), 1.89ー1.73 (2H, m), 1.26(3H, s), 1.17 (3H,
s), 0.94 (9H, s), 0.75 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.09
(3H, s), 0.00 (3H, s), -0.06 (3H, s). LRMS(EI) m/z 652 (M+). (2) 3−(3H−3a(S),8b(S),−ci
s−1(S),2(R),3a(S),8b(S)−テ
トラヒドロ−1(S)−(3(S)−(1,1,2,2
−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−4−メチル
−4−フェノキシペンテニル)−2(R)−(1,1,
2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−シク
ロペンタ[b]ベンゾフラン−5−イル)プロピルメタ
ンスルホナート(化合物5)の合成
【化27】 アルゴン気流下、化合物4 60.4 mg(0.0925 mmol)の
無水ジクロロメタン 1.5 ml 溶液に、無水トリエチルア
ミン 0.13 ml(0.933 mmol)を加え、氷冷した。この溶
液に塩化メタンスルホニル 0.035 ml(0.452 mmol)を
加え、室温で一晩撹拌した。氷冷した反応混合物にメタ
ノール 1 ml を加えた後、濃縮した。残渣に 0.1N 塩酸
10 ml を加え、酢酸エチル(3×15 ml)で抽出した。
有機層を合わせ、順次、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
8 ml、水 8 ml、飽和食塩水 8 ml にて洗浄し、乾燥
後、濃縮した。得られた油状物 76.8 mg を、中圧カラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、シクロヘキサン:
酢酸エチル=85:15)にて精製すると、化合物5が無色
油状物として 64.0 mg(収率95%)得られた。
【0046】IR(液膜法) 1595, 1491, 1458, 1361, 1255, 1228, 1178, 1125, 10
09, 975, 926, 837, 777cm-1.1 H-NMR(300MHz、δppm、CDCl3) 7.29ー7.21 (2H, m), 7.08ー7.02 (2H, m), 6.97 (2H, d
d, J=8.7, 1.1 Hz), 6.91(1H, br d, J=6.6 Hz), 6.74
(1H, dd, J=7.4, 7.4Hz), 5.83 (1H, dd, J=15.7, 4.8H
z), 5.71 (1H, dd, J=15.7, 7.0Hz), 5.13 (1H, ddd,
J=8.9, 7.4, 4.5Hz), 4.24 (2H, t, J=6.4 Hz), 4.22
(1H, d, J=4.8 Hz), 3.99 (1H, ddd, J=7.1, 6.4, 6.0H
z), 3.50 (1H, dd, J=8.9, 7.1Hz), 3.00 (3H, s), 2.7
2ー2.58 (3H,m), 2.48 (1H, ddd, J=13.5, 7.4, 6.0Hz),
2.12ー1.96 (2H, m), 1.96 (1H, ddd, J=13.5, 6.4, 4.
6Hz), 1.27 (3H, s), 1.17 (3H, s), 0.95 (9H, s), 0.
75 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.01 (3H,
s), -0.06 (3H, s). LRMS(EI) m/z 730 (M+). (3) (4−(3H−3a(S),8b(S),−c
is−1(S),2(R),3a(S),8b(S)−
テトラヒドロ−1(S)−(3(S)−(1,1,2,
2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−4−メチ
ル−4−フェノキシペンテニル)−2(R)−(1,
1,2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−
シクロペンタ[b]ベンゾフラン−5−イル)プロピ
ル)メタン−1,1ージカルボニトリル(化合物6)の
合成
【化28】 アルゴン気流下、マロノニトリル 52.0 mg(0.787 mmo
l)の無水THF 1.5 ml溶液に、氷冷下にてカリウム-t-ブ
トキシド 84.0 mg(0.748 mmol)を加え、室温にて30分
間撹拌した。氷冷したこの溶液に、化合物5 17.0 mg
(0.0233 mmol)の無水テトラヒドロフラン 1.5 ml 溶
液を加え、70℃にて27時間撹拌した。氷冷した反応混合
物に飽和塩化アンモニウム水溶液 8 ml を加え、酢酸エ
チル(3×12 ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽和食
塩水 5 ml にて洗浄し、乾燥後、濃縮した。得られた油
状物 60.1 mg を、中圧カラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル、シクロヘキサン:酢酸エチル=95:5〜80:2
0)にて精製すると、化合物6を無色油状物として 13.1
mg(収率80%)得た。
【0047】IR(液膜法) 1595, 1490, 1458, 1384, 1254, 1225, 838, 776 cm-1.1 H-NMR(300MHz、δppm、CDCl3) 7.28ー7.21 (2H, m), 7.10ー7.02 (2H, m), 6.97 (2H, d
d, J=8.7, 1.2 Hz), 6.89(1H, br d, J=6.6 Hz), 6.76
(1H, dd, J=7.4, 7.4Hz), 5.83 (1H, dd, J=16.0, 5.8
Hz), 5.71 (1H, dd, J=16.0, 7.6Hz), 5.16 (1H, ddd,
J=8.8, 7.4, 4.4Hz), 4.22 (1H, d, J=4.7 Hz), 3.99
(1H, ddd, J=6.6, 6.6, 5.7Hz), 3.89 (1H,t, J=6.9H
z), 3.52 (1H, dd, J=8.8, 6.7Hz), 2.73ー2.53 (3H,
m), 2.47 (1H,ddd, J=13.7, 7.4, 5.7Hz), 2.12ー1.87
(5H, m), 1.27 (3H, s), 1.17 (3H, s),0.95 (9H, s),
0.74 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.09 (3H, s), 0.00 (3
H, s),-0.07 (3H, s). LRMS (EI) m/z 700 (M+). (4) 3−(3H−3a(S),8b(S),−ci
s−1(S),2(R),3a(S),8b(S)−テ
トラヒドロ−1(S)−(3(S)−(1,1,2,2
−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−4−メチル
−4−フェノキシペンテニル)−2(R)−(1,1,
2,2−テトラメチル−1−シラノプロポキシ)−シク
ロペンタ[b]ベンゾフラン−5−イル)ブタン酸(化
合物7)の合成
【化29】 化合物6 49 mgをテトラヒドロフラン5mLに溶解し、2
N 水酸化ナトリウム水溶液5mLを加えて室温で終夜撹拌
した後、60℃に加熱してさらに3時間撹拌した。放冷
後、酢酸エチル (40 mL×2)で抽出し、有機層は合わせ
て、0.01 N 塩酸(50 mL)、飽和食塩水 (50 mL×3)で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、中圧液
体クロマトグラフィー (シリカゲル、シクロヘキサン:
酢酸エチル=4:1) で精製すると、化合物7を 39.1
mg(収率 82%)得た。
【0048】IR (液膜法) 2932, 2860, 1711, 1595, 1491, 1456, 1381, 1363, 12
55, 1125, 1006, 911, 837, 777, 735, 698 cm-1 1 H-NMR (300MHz, CDCl3, δ) 7.25 (2H, t, J=7.7Hz), 7.05 (2H, t, J=7.4Hz), 6.97
(2H, d, J=7.4Hz), 6.92 (1H, d, J=6.6Hz), 6.73 (1
H, t, J=7.4Hz), 5.81 (1H, dd, J=15.6, 5.2Hz),5.72
(1H, dd, J=15.6, 7.0Hz), 5.12 (1H, ddd, J=10.1, 7.
6, 4.9Hz), 4.22(1H, d, J=4.9Hz), 4.02-3.93 (1H,
m), 3.47 (1H, dd, J=8.5, 7.7Hz), 2.70-2.42 (4H,
m), 2.34 (2H, t, J=7.4Hz), 2.01-1.88 (3H, m), 1.27
(3H, s), 1.17 (3H, s), 0.95 (9H, s), 0.76 (9H,
s), 0.12 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.01(3H, s), -0.05
(3H, s) MS (FAB) m/z 703[(M+Na)+
【0049】
【発明の効果】本発明によれば一般式(II)で示される
カルボン酸を、一般式(I)で示されるマロノニトリル
誘導体から穏和な条件にて高収率で容易に得ることがで
き、その工業的価値は非常に高い。本反応は、カルボキ
シル基をもつ化合物、たとえばプロスタグランジン、G
ABA誘導体、GABA受容体リガンド、興奮性アミノ
酸受容体リガンド、アミノ酸誘導体、インドメタシン・
イブプロフェン・ナプロキセン・ジクロフェナックのよ
うな非ステロイド性抗炎症薬、ペニシリンのような抗生
物質、クラブラン酸のようなβ−ラクタマーゼ阻害薬、
メトトレキサート誘導体などの医薬品の合成に適用でき
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 AC25 AC46 BB11 BB14 BB15 BB20 BB22 BB25 BD70 BE10 BE11 BE60 BS10 4H049 VN01 VP01 VP02 VQ25 VQ58 VQ77 VR23 VR41 VS25 VS58 VS77 VT03 VT23 VV16 VV20 VW01 VW33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は同一または異なってもよく、水
    素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有
    してもよいアリール基を示す。)で示されるマロノニト
    リル誘導体を、溶媒中、アルカリ性水溶液を用いて反応
    させることを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ)で示されるカ
    ルボン酸誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】一般式(III) 【化3】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ。Xは−OSO
    23、−OCOR4、ハロゲン原子(Cl,Br,I)
    を示し、R3およびR4はアルキル基または置換基を有し
    てもよいアリール基を示す。)で示される化合物を、塩
    基およびマロノニトリルと反応させて一般式(I) 【化4】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ)で示されるマ
    ロノニトリル誘導体とし、ついで溶媒中、アルカリ性水
    溶液を用いて反応させることを特徴とする一般式(II) 【化5】 (式中、R1およびR2は前記定義と同じ)で示されるカ
    ルボン酸誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(IV) 【化6】 (式中、R1は前記定義と同じ。R5は水素原子または低
    級アルキル基を示す。)で示されるカルボン酸誘導体を
    還元して得られる一般式(V) 【化7】 (式中、R1は前記定義と同じ)で示されるアルコール
    体と、一般式(VI) 【化8】 (式中、R3は前記定義と同じ。)で示されるスルホン
    酸塩化物とから得られる一般式(IIIa) 【化9】 (式中、R1およびR3は前記定義と同じ。)で示される
    化合物を、塩基およびマロノニトリルと反応させて一般
    式(Ia) 【化10】 (式中、R1は前記定義と同じ)で示されるマロノニト
    リル誘導体を得て、ついで溶媒中、アルカリ性水溶液を
    用いて反応させることを特徴とする一般式(IIa) 【化11】 (式中、R1は前記定義と同じ)で示されるカルボン酸
    誘導体の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009275003A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Hiroshima Univ ジシアノメチレン誘導体の製造方法
CN102372531A (zh) * 2010-08-06 2012-03-14 清华大学 一种芳香羧酸化合物的制备方法

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