JP4380325B2 - 光学活性カルボン酸の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、光学活性カルボン酸、詳しくは光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、特にそのS−体の新規製造方法、更に詳しくは農薬、医薬等の中間体として重要な光学活性2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を、その光学異性体混合物(ラセミ体又は光学的に不純な物)を含む2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸から光学的に不活性なアミンによるアンモニウム塩生成(形成)(沈殿、晶析等)により前記光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を製造する方法、そのための新規中間体である新規アンモニウム塩、及びそのために使用する光学分割剤である光学的に不活性なアミン等に関する。
背景技術
光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、特にその光学活性体(S−体等)は、殺虫剤等の農薬(英国特許第1,260,847号明細書等参照。)或いは医薬中間体(化学と生物,19,204(1981);EP0,048,301等参照。)として極めて有用な化合物である。特に、S−体((S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸;(S)−(+)−2,2−Dimethylcyclopropane carboxylic acid)は下記式(2)で示される化合物であるが、製造中間体としてより有用な光学活性体である。
Figure 0004380325
これまでに、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学分割法が幾つか報告されている。例えば、キラルなアルコールとのジアステレオマーエステルやキラルなアミンとのジアステレオマー塩に誘導後、結晶化による光学分割法(英国第1,260,847号明細書、特開昭60−25956号公報、特開昭60−56936号公報等参照。)等が知られている。ジアステレオマー法は不斉合成法に比べ、光学純度や収率の改善が求められている。
例えば、フェニルエチルアミンによる光学分割法によれば、収量、光学純度共に不十分であり、1−メントールとのエステルによる方法(特開昭60−25956公報参照。)によれば、満足のいく光学純度を与えるが、酸クロリドに誘導する等、比較的手間がかかる。
また、仮に光学分割法を用いて目標とする光学純度を達成しても、光学分割剤が高価であることから、ラージスケールで製造を想定した場合は、光学分割剤の回収を考慮する必要があるといった問題もあった。
以上のような情況下に、光学分割或いは光学的精製法の更なる改良が求められている。
発明の開示
1.発明が解決しようとする課題
本発明の課題は、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物(ラセミ体又は光学的に不純な物)を含む2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸から、農薬、医薬等の製造中間体として重要な光学活性2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を分離、精製(製造)する方法として、前記目的とする光学活性体の分割、精製(製造)を安価に簡便に行うことができる方法を開発することにある。
2.課題を解決するための手段
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物中に光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が他の異性体に対して等モル以上含まれている場合に、光学的に不活性なアミンと、当該光学異性体混合物とを接触させたときには、当該アミンが当該光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と優先的に反応してそのアンモニウム塩を容易に生成(形成)する(例えば、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物中に光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が他の異性体に対して等モル以上含まれている場合には、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と優先的に反応しそのアンモニウム塩を容易に生成(形成)する)ので、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸用の光学分割剤として優れていることを見出した。更に、このように生成(例えば、沈殿、晶析等)した塩を分離して脱塩工程(塩から遊離体を形成する工程)に付すことにより容易に目的とする光学活性な遊離体を高い光学純度かつ高収率で得られること、当該アミン(アンモニアを含む。)は安価であることからも光学分割剤として、工業上極めて有利であること等を見出し、これ等種々の知見に基づいて本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物と、光学的に不活性なアミンとを反応させて光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させることに特徴を有する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(アンモニウム塩の形態でもよい。)の製造方法(以下、「本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法」とも称する。)に存する。
また、本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法では、前記光学異性体混合物中に光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が他の異性体に対して等モル以上含まれている場合には、より高い収率、かつ高い光学純度で前記光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を製造することができる。前記光学異性体混合物中に不純物として少なくとも光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のR−体((R)−(−)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸)が含まれている場合には、少量(不純物量)であるためこれを容易に分離、除去することができる。
更に、前記光学異性体混合物が、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のラセミ体である場合にも、光学的に不活性なアミンと反応させて、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させることができる。好ましくは、前記アンモニウム塩の生成は、所望の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩、又は光学純度の高い光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を種晶として用いて簡便に行うことができる。ここで、取得したアンモニウム塩の光学純度が低い場合には、更にこの発明を繰り返すことにより光学純度の高い光学活性体を製造することができる。このように光学純度の低い光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を製造する方法も本発明に含まれる。
一方、前記光学的に不活性なアミンとして、下記一般式(1)で示される1〜3級アミンを使用することができる。
Figure 0004380325
上記式中、R、R及びRは独立しており、それぞれ
(イ)脂環式若しくは芳香族の置換基を有していてもよい、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜8の炭化水素基;
(ロ)飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、酸素原子及び/若しくは窒素原子を含む複素環含有炭化水素基;
(ハ)炭素数3〜8の脂環式の炭化水素基;
(ニ)飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、芳香族の炭化水素基;又は
(ホ)水素原子
を表す(但し、アンモニアも含まれる。)。
また、本発明において、「光学的に不活性なアミン」の中にアンモニアも含まれる。
更に、光学的に不活性なアミンがt−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン及びベンジルアミンの少なくとも1種、好ましくは何れか1種を使用する場合には高い収率で、かつ高い光学純度で前記光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を製造することができる。
尚、本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法には、当該光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を脱塩工程(塩を遊離体に変換する工程)に付して光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体を生成する工程を含めることができる。
本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法において、アンモニウム塩生成反応がその生成、沈殿に好適な溶液中で行われる場合には当該光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩の分離、精製が簡便である。
従って、本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法には、沈殿する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩、例えば、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を得る工程、得られたアンモニウム塩を脱塩工程、即ち塩を遊離体に変換する工程に付して光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、例えば、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のS−体(遊離体)を得る工程、及び前記溶液中の2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の他の光学異性体、例えば、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のR−体を分離する工程等を含めることができる。
本発明は、別の形態として、光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩の形態にあることに特徴を有する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(以下、「本発明のアンモニウム塩」とも称する。)、例えば、そのS−体に存する。尚、前記光学的に不活性なアミンについては、前記記載のとおりである。
本発明は、更に別の形態として、光学的に不活性なアミンを含有することに特徴を有するアンモニウム塩形成による光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸分離用光学分割剤に存する。尚、前記光学的に不活性なアミンについては、前記記載のとおりである。
本発明は、更に別の形態として、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物と、光学的に不活性なアミンとを反応させて光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させることに特徴を有する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法(以下、「本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法」とも称する。)に存する。
また、本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法では、例えば、前記光学異性体混合物中に光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が他の異性体に対して等モル以上含まれている場合には、より高い収率、かつ高い光学純度で前記光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を分離、精製することができる。前記光学異性体混合物が不純物として少なくとも光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のR−体を含む場合には、前記同様、これを容易に分離、除去することができる。尚、前記光学的に不活性なアミンについては、前記記載のとおりである。
本発明は、更に別の形態として、光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩の形態にある光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を脱塩工程に付してその遊離体を生成せしめることに特徴を有する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法(以下、「本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体の製造方法」とも称する。)に存する。尚、前記光学的に不活性なアミンについては、前記記載のとおりである。
また、本発明において、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩或いはその遊離体を製造する場合、特に、光学純度が好ましくは低くとも92%ee(92%ee以上)程度、より好ましくは低くとも95%ee程度、更に好ましくは低くとも99%ee程度の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(或いはそのアンモニウム塩)、例えば、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(或いはそのアンモニウム塩)を製造することができる。
尚、一部他の異性体を含む光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(或いはそのアンモニウム塩)の製造も、光学純度が悪いかもしれないが、当然本発明に含まれる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明には、光学的に不活性なアミンにより光学活性体の塩を形成(生成)、分離、必要により脱塩(塩から遊離体の形成)して目的とする光学活性体を製造する方法が含まれる。尚、本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法及び光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法に関し、特に、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物中に等モル以上含まれている場合を中心に説明するが、本発明はこれ等に限定されるものではない。例えば、前記光学異性体混合物中に、光学活性な(R)−(−)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が等モル以上含まれている場合には、同様に、より高い収率、かつ高い光学純度で光学活性な(R)−(−)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を容易に製造することができる。
(本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法)
本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法について説明する。
本発明において使用する出発原料としては、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を含む混合物であればよい。例えば、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物中に光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸及び不純物として少なくともその光学異性体(R−体)を含む光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のラセミ体等が使用される。
このようなラセミ体の2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸については多くの合成例が報告されており、容易に合成することができる(E.R.ネルソン,J.Am.Chem.Soc.,79,3467(1957)等参照。)。
本発明において使用する光学的に不活性なアミンは、特に制限が無く、市販品を購入、使用することができる。具体的に選択される前記光学的に不活性なアミンについては、好ましくは前記説明のとおり、下記一般式(1)で示される1〜3級アミンであるが、より好ましくは下記一般式(3)で示される1〜2級アミンが選択される;
Figure 0004380325
尚、上記式中、R、R及びRは独立しており、それぞれ
(イ)脂環式若しくは芳香族の置換基を有していてもよい、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜8の炭化水素基;
(ロ)飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、酸素原子及び/若しくは窒素原子を含む複素環含有炭化水素基;
(ハ)炭素数3〜8の脂環式の炭化水素基;
(ニ)飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、芳香族の炭化水素基;又は
(ホ)水素原子
を表す。但し、前記記載のように、光学的に不活性なアミンには、アンモニアも含まれる。
飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜8の炭化水素基は炭素数1〜8を有するもので、例えば、飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基(t−ブチル基等)等、不飽和炭化水素基としては、ビニル基及びアリル基等を挙げることができる。これ等の炭化水素基は直鎖状又は分岐鎖状である。また、これ等の炭化水素基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等の脂環式の炭化水素基、フェニル等の芳香族の炭化水素基等を更に置換基として有していてもよい。一方、炭素数3〜8の脂環式の炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、芳香族の炭化水素基としては、例えば、フェニル、メチルフェニル及びエチルフェニル等、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、酸素原子及び/若しくは窒素原子を含む複素環含有炭化水素基としては、例えば、フリル、ピリジル、フリルメチル、ピリジルメチル、メチルピリジル及びメチルフリル等を、それぞれ挙げることができる。
更に好ましくは、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン及びベンジルアミンの少なくとも1種、特にそれ等のうち何れか1種が選択される。これ等は1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明において使用する光学的に不活性なアミン(光学分割剤)の使用量については、目的とするアンモニウム塩を構成するために出発物質中に存在する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸に対して、モル比で好ましくは1対0.1〜5、より好ましくは1対0.8〜3、更に好ましくは1対0.8〜1.2程度のアミンを使用することができる。
本発明においてアンモニウム塩の生成は適当な溶液中で行うことができる。使用可能な溶媒としては前記両化合物を十分に溶解することができる溶媒(複数溶媒の混合物も含まれる。)で、これ等アンモニウム塩を形成する各物質と反応しない溶媒を選択することが望ましい。好ましくは、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、炭素数1〜4のアルコール等の有機溶媒、及び水、並びにこれ等複数の混合溶媒で、均一な溶媒がより好ましい。更に好ましくは、生成する塩が所定の溶解度を有し、同時にその塩をその溶剤から、沈殿化、結晶化(再結晶等)させることもできるような溶媒を使用する。勿論、塩の生成と塩の再結晶、再沈殿とで別の溶媒系を選択することもできる。
本発明には沈殿する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩、例えば、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を得る工程、得られたアンモニウム塩を脱塩工程(塩から遊離体を形成する工程)に付して光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、例えば、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のS−体を得る工程、前記溶液中の2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の他の光学異性体、例えば、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のR−体を分離する工程等を含めることができる。
即ち、分割、又は分離すべき目的とする化合物が、例えば、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の場合には、光学分割剤として前記光学的に不活性なアミンを使用して目的とするアンモニウム塩を形成(沈殿、晶析等)せしめ、これを分離することで前記目的とする化合物が得られる。更に、この得られたアンモニウム塩を脱塩工程に付して、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のS−体(遊離体)を高い光学純度、好ましくは低くとも92%ee程度、より好ましくは低くとも95%ee程度、更に好ましくは低くとも99%ee程度で得ることもできる。一方、例えば、前記光学的に不活性なアミンを使用して光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を優先的に形成(沈殿、晶析等)せしめ、これを分離した溶液(母液)について(R)−(−)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を分割、又は分離することができる。
分離したアンモニウム塩から光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体(エナンチオマー)を生成するにはこの塩を脱塩工程に付すとよい。例えば、強酸(塩酸、硫酸等)と接触することにより達成することができる。強酸で処理する工程の場合、水媒体中で行うことができるが、水の使用量については、このとき生成する強酸とアミンとの塩が十分に溶解するように選択することができる。
このようにして得られた光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体の大部分は油状物として分離し、一部は水相に溶解している。水相に溶解している部分について分離する場合、例えば有機溶媒で抽出、分離することができる。
前記有機溶媒としては、好ましくは5〜8個の炭素原子を有する炭化水素類、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等、酢酸エチル等のエステル等、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤等を挙げることができ、この中で特に好ましくは酢酸エチルを使用することができる。抽出後、例えば蒸留によりこのような抽出溶媒を、容易に光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体から分離、除去することができる。
このようにして得られた光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は、更に必要により蒸留等で精製することができる。
一方、前記説明と同様に、得られた光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸について、光学純度が低い場合には本発明を繰り返すことにより、光学純度を向上せしめることができる。即ち、再度そのアンモニウム塩生成を繰り返すことにより光学純度を更に改善することができる。
生成したアンモニウム塩分離後に得られる母液や、再結晶を行った後の結晶分離母液に含まれる光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸は既知の方法で回収し、必要により既知の方法でラセミ化して、再度本発明の製造方法を適用することができる。
前記の如く、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のラセミ体と、光学的に不活性なアミンとを反応させて光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させることもできる。この場合、当該アンモニウム塩生成において、具体的には、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と光学的に不活性なアミンとを反応させた後に、所望の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩、又は光学純度の高い光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩(例えば、目的とする化合物が光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の場合には、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩)を種晶として使用する(反応させる)ことにより、当該アンモニウム塩を容易に取得することができる。このようにして得られた光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(或いはそのアンモニウム塩)は光学純度が低いことが多いが、前記同様に、再度そのアンモニウム塩生成を繰り返すことにより光学純度を更に改善することができる。
前記種晶の製造方法については、特に困難はなく、別途常法により得られた光学純度の高い光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸からそのアンモニウム塩を、適当な溶媒に溶解し、析出させることで容易に前記目的とする種晶を製造することができる。
溶媒中でアンモニウム塩を生成し、沈殿、結晶化等で得られた塩を分離した場合、特に前記のようにラセミ体からアンモニウム塩を形成したような場合には、光学純度が低い場合が多いので、再度本発明に付すか、再結晶により光学純度を高純度に高めることができる。このような再結晶に使用する溶媒についても前記アンモニウム塩生成のために使用した前記溶媒の中から好適な溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、炭素数1〜4のアルコール等の有機溶媒、及び水、並びにこれ等複数の混合溶媒を選択し、これを使用して再結晶を行うことができる。
本発明の方法で得られる光学活性体は光学的に極めて高純度であり、故に各種中間体に使用することができる。また、一般に入手が容易で安価な光学的に不活性なアミンを用いて簡便な操作で行うことができ、収率が良いこと等を考慮すると本発明は工業的方法として極めて有用である。
(本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法)
本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法は、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物と、光学的に不活性なアミンとを反応させて、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させ、この結果、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と他の光学異性体とを分離する方法である。例えば、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させ、この結果、S−体とR−体とを分離することができる。また、再度この発明において使用するアンモニウム塩生成を繰り返すことにより光学純度を更に改善することができる。尚、この発明の方法自体については、前記本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法の内容を参考にして容易に実施することができる。
(本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体の製造方法)
本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体の製造方法は、光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩の形態にある光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、例えば、光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を脱塩工程、即ち塩を遊離体に変換する工程に付してその遊離体を生成せしめる方法である。この方法についても、前記本発明の光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法における脱塩工程、即ち塩を遊離体に変換する工程に関する記載内容を参考にして容易に実施することができる。
(本発明のアンモニウム塩)
本発明のアンモニウム塩は、光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と、前記光学的に不活性なアミンとの付加塩であり、前記記載のとおりである。
本発明において使用する光学分割剤は、前記光学的に不活性なアミンを有効成分として使用するものであり、実施方法等については前記説明のとおりである。
好適な実施の形態
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、この実施例により本発明は何等制限されるものではない。尚、濃縮残渣の含量については、全てH−NMR(CDCl)により見積もりをした。
[実施例1]
(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸3.0g(86.6%ee、26mmol)に酢酸エチル5mlを加え、70℃でシクロヘキシルアミン2.6g(26mmol)を添加 したところ結晶が析出した。これに、更に酢酸エチル55ml及びメタノール(MeOH)24mlを加え、攪拌下80℃以上まで加熱し均一の溶液とした後、20℃まで冷却した。一晩攪拌した後、析出した結晶を濾過して綿状の白色結晶を1.6g得た。この結晶に水40ml及び6M−HCl 7mlを加え溶解(pH1以下に調整)し、酢酸エチル50mlで3回抽出、分層した後、合わせた酢酸エチル層を水40mlで洗浄した。その後酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮して、残渣として(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸1.3gを得た(含量72%、収率30%)。これを光学活性カラム(クロムパック製:CP−Chirasil DEX CB 0.25mm×25m df=0.25mm)用いたガスクロマトグラフィー(GC)にて分析したところ、光学純度は99.0%eeであった。
[実施例2]
(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸3.0g(86.6%ee、26mmol)に酢酸エチル5mlを加え、50℃でベンジルアミン3.5g(26mmol)を添加したところ結晶が析出した。これに、更に酢酸エチル40mlを加え75℃まで加熱し均一の溶液とした。その後20℃まで放冷し20℃で一晩攪拌した。晶析スラリーを濾過し綿状結晶5gを得た。この結晶に水50ml及び6M−HCl 10mlを加え溶解(pH1以下に調整)させ、酢酸エチル100mlで3回抽出、分層した後、合わせた酢酸エチル層を水100mlで洗浄した。その後、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、残渣として(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2.4gを得た(含量87%、収率68%)。光学純度は94.3%ee(前記と同様にGCにより分析)であった。
[実施例3]
(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸3.0g(86.6%ee、26mmol)に酢酸エチル5mlを加え、室温でジイソプロピルアミン2.7g(26mmol)を添加したところ結晶が析出した。これに、更に酢酸エチル5mlを加え70℃まで加熱し均一の溶液とした。その後20℃まで放冷し20℃で一晩攪拌した。析出した結晶を濾過して4.4gを得た。この結晶に水40ml及び6M−HCl 20mlを加え溶解し(pH1以下に調整)、酢酸エチル100mlで3回抽出、分層した後、合わせた酢酸エチル層を水100mlで洗浄した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、残渣として(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2.7gを得た(含量91%、収率81%)。光学純度は96.2%ee(前記と同様にGCにより分析)であった。
[実施例4]
(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸3.0g(86.6%ee、26mmol)に酢酸エチル−メタノール溶液(8:2v/v)10mlを加え、これにt−ブチルアミン1.9g(26mmol)を添加したところ結晶が析出した。これに、更に酢酸エチル−メタノール溶液(8:2v/v)170mlを加え70℃まで加熱、均一の溶液とした。その後、放冷したところ48℃で結晶が析出した。そのまま、20℃まで放冷し20℃で一晩攪拌した後、スラリーを濾過し結晶3.6gを得た。この結晶に水40ml及び6M−HCl 15mlを加え溶解し(pH1以下に調整)、酢酸エチル100mlで3回抽出、分層した後、合わせた酢酸エチル層を水100mlで洗浄した。更に、この酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、残渣として(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2.6gを得た(含量81%、収率71%)。光学純度は99.1%ee(前記と同様にGCにより分析)であった。
[実施例5]
(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸3.0g(86.6%ee、26mmol)に2−プロパノール20mlを加え、これにt−ブチルアミン1.9g(26mmol)を添加したところ結晶が析出した。更に、2−プロパノール85mlを加え、80℃まで加熱し均一の溶液とした。その後、放冷したところ47℃で結晶が析出した。そのまま、20℃まで放冷し、20℃で一晩攪拌した後、スラリーを濾過し結晶3.4gを得た。この結晶を100mlの水で溶解し、6M−HCl 10mlを溶解し(pH1以下に調整)、酢酸エチル100mlで3回抽出、分層した後、合わせた酢酸エチル層を水100mlで洗浄した。更に、この酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、残渣として(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸2.3gを得た(含量93.8%、収率70.3%)。光学純度は99.8%ee(前記と同様にGCにより分析)であった。
以上の結果から、本発明方法は極めて簡便であり、また、本発明品は光学純度の点で優れていることが分かる。
発明の効果
本発明によれば、農薬、医薬等の中間体として重要な光学活性2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を、その光学異性体混合物(ラセミ体又は光学的に不純な物)を含む2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸から効率よく分離、精製して前記目的化合物を簡便に製造することができる。
収率及び光学純度共に優れ、容易に入手可能な光学分割剤である光学的に不活性なアミンを使用し、容易かつ簡便に目的とする光学活性体を製造することができるので、本発明は工業的に極めて有用である。
上記分離精製に使用する光学分割剤(光学的に不活性なアミン)や中間体(光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩、特に好ましくは(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸と光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩等)も提供する。

Claims (10)

  1. 2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物と、光学的に不活性なアミンとを反応させて光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させることを特徴とする光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(アンモニウム塩の形態でもよい。)の製造方法。
  2. 前記光学異性体混合物中に光学活性な(S)−(+)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸が他の異性体に対して等モル以上含まれる請求の範囲1に記載の方法。
  3. 前記光学異性体混合物が、2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のラセミ体である請求の範囲1に記載の方法。
  4. 前記光学的に不活性なアミンが、下記一般式(1)で示される1〜3級アミンである請求の範囲1〜3の何れか一に記載の方法。
    Figure 0004380325
    (式中、R、R及びRは独立しており、それぞれ脂環式若しくは芳香族の置換基を有していてもよい、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1〜8の炭化水素基、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、酸素原子及び/若しくは窒素原子を含む複素環含有炭化水素基、炭素数3〜8の脂環式の炭化水素基、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を有していてもよい、芳香族の炭化水素基、又は水素原子を表す。)
  5. 前記光学的に不活性なアミンがt−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン及びベンジルアミンの少なくとも1種である請求の範囲1又は4に記載の方法。
  6. 前記光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を脱塩工程に付して当該光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の遊離体を生成する工程を含む請求の範囲1〜5の何れか一に記載の方法。
  7. アンモニウム塩生成反応が溶液中で行われ、沈殿する光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を得る工程、得られたアンモニウム塩を脱塩工程に付して光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を得る工程、又は前記溶液中の2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の他の光学異性体を分離する工程を含む請求の範囲1〜6の何れか一に記載の方法。
  8. 光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩の形態にあることを特徴とする光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸。
  9. 2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学異性体混合物と、光学的に不活性なアミンとを反応させて光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸のアンモニウム塩を生成させることを特徴とする光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の光学的精製方法。
  10. 光学的に不活性なアミンとのアンモニウム塩の形態にある光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を脱塩工程に付してその遊離体を生成せしめることを特徴とする光学活性な2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法。
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