JP3738470B2 - 光学活性 1−(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類のRS体を光学分割することによる、対応する光学活性1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類は、農薬、医薬中間体、光学分割剤及び不斉誘導剤等として有用な化合物である(特開平 2-76846号公報、J.Med.Chem.,16,106(1973). 、特開平2-306942号公報など) 。
例えば、光学活性な1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミンの製造方法としては、そのRS体を水溶媒下にN-ホルミルフェニルアラニンで光学分割することが知られている(特開平 2-306942 号公報) が、この方法では、フェニルアラニンをホルミル化して用いるため、フェニルアラニンが高価であるという問題の他に操作が煩雑になるという工業上の問題があった。
【0003】
一方、1-(4- クロロフェニル) エチルアミンの光学分割方法として、メタノール溶媒下に酒石酸を用いる方法(J.Chem.Soc.,(B)1971,2418)が、1-フェニルエチルアミンの光学分割方法として、水溶媒下にマンデル酸を用いる方法( 特開昭 56-26848 号公報) 、水溶媒下に酒石酸、リンゴ酸を用いる方法(Org.Synthesis,Coll.Vol.2,506(1943)) が知られている。
しかしながら、これらの1-フェニルエチルアミン類の光学分割方法を1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類に適用しても、光学分割し得ないあるいは光学純度の著しく低いものしか得られないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、より工業的に優れた光学活性 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、分割溶媒として有機溶媒を用い、かつ光学分割剤として光学活性なマンデル酸という特定のカルボン酸を用いることにより、目的とする光学活性 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類を高光学純度でしかも効率良く工業的に有利に製造し得ることを見出し本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、有機溶媒下、一般式〔I〕
(式中、クロル原子は2,3-、2,4-、2,6-又は3,4-位に置換していることを表し、*は不斉炭素を表す。)
で示される1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類のRS体を光学活性なマンデル酸で光学分割することを特徴とする、対応する光学活性な1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の工業的に優れた製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料として用いられる1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕のRS体は、例えばOrganic Reaction 5,301(1949)の方法に準拠し、対応するジクロロアセトフェノン類にアンモニアと蟻酸を反応させることにより製造し得る。
1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕のRS体としては、R-体とS-体とを等量含むラセミ混合物が通常使用されるが、一方の光学異性体を過剰に含む混合物であっても使用し得る。
【0007】
本発明の光学分割剤である光学活性なマンデル酸は、D-体、L-体いずれでも使用し得る。
その使用量は、1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕のRS体に対して、0.1 〜1.2 モル倍、好ましくは0.3 〜1 モル倍程度である。
【0008】
また分割溶媒として使用される有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチル-t- ブチルエーテル、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、これらの混合物などが挙げられる。有機溶媒は水を含有していても良い。
【0009】
溶媒の使用量は、用いる溶媒の種類及び1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕の種類等によって異なるが、1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の〔I〕のRS体に対して、通常2〜100 重量倍、好ましくは2〜10重量倍程度である。
【0010】
光学分割するにあたっては、例えば、上記溶媒中で、1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕のRS体と光学活性なマンデル酸とを反応させてジアステレオマー塩を形成させた後、もしくは予め調製したジアステレオマー塩を溶解させた後、静置もしくは攪拌することにより一方のジアステレオマー塩を析出させる。必要に応じ冷却、濃縮することもできる。温度範囲は、通常−20℃〜溶媒の沸点である。
【0011】
その後、析出した該塩を分離する。得られた該塩は必要に応じて再結晶することもできる。次いで、この塩をアルカリで分解して、生じた有機層を分液または有機溶媒で抽出することにより目的とする光学活性な 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕を得ることができる。
有機層を分液または抽出した残りの水層は、酸を用いて酸性にした後、有機溶媒で抽出することにより光学活性なマンデル酸を回収することができる。
一方、ジアステレオマー塩を分離した母液に、上記と同様な操作を施すことにより、前記とは異なる絶対配置を有する光学活性な1-( ジクロロフェニル) エチルアミン類〔I〕と光学活性なマンデル酸を回収することができる。
【0012】
ここで、ジアステレオマー塩を分解する際に用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が通常用いられる。その量は、塩に対して、通常1〜5モル倍程度である。
また塩を分解することにより生成したアミンを抽出する場合の抽出溶媒としては、例えば、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチル-t- ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒などが通常使用される。その量は、塩に対して通常0.1 〜5重量倍程度である。
【0013】
光学活性なマンデル酸を回収する場合に使用する酸としては、例えば塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸が挙げられる。酸は、水層のpHが0.5 〜2になるように使用される。またこの場合、塩化ナトリウム等の塩を加えることもでき、その量は水層の重量の0.1 〜0.2 倍程度が通常である。
また光学活性なマンデル酸の抽出溶媒としては、例えば、メチル-t- ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、n-ブタノール等の水と二層系を形成し得るアルコール系溶媒が挙げられる。その使用量は水層の重量に対して通常0.1 〜10倍程度である。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、溶媒として有機溶媒を用い、かつ光学分割剤として光学活性なマンデル酸という特定のカルボン酸を用いることにより、目的とする光学活性 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕を高い光学純度で容易にしかも効率良く製造し得る。
加えて、光学分割剤としての光学活性なマンデル酸も容易に回収し得、リサイクルすることができるので工業的に有利である。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0016】
実施例1
(RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン2gとエタノール12mlからなる溶液を70℃に加熱攪拌し、これにD-マンデル酸1.6gとエタノール12mlからなる溶液を約1分間で加えた後、25℃になるまで攪拌放冷し、同温度で12時間攪拌放置した。
析出した結晶を濾別し乾燥することにより、ジアステレオマー塩1.4gを得た。この結晶20%水酸化ナトリウム水 1g を加えた後、トルエン2ml で2回抽出し、得られたトルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去することにより、(S)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミン 0.77gを得た
このものの光学純度を光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果 91 %eeであった。
【0017】
実施例2
(1) (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン16g とエタノール10mlからなる溶液を70℃に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸12.8g とエタノール40mlからなる溶液を約30分間で加えた後、75℃まで昇温して同温度で30分攪拌した。
次いで、5時間かけて20℃まで冷却し、析出した結晶を濾別し、これを乾燥することによりジアステレオマー塩13.2g を得た。この結晶20%水酸化ナトリウム水 10gを加えた後、トルエン20mlで2回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去することにより、(R)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミン 7.3g を得た。このものの光学純度は82%eeであった。
【0018】
(2) ジアステレオマー塩を濾別した母液から低沸分を留去することにより残渣15.6g を得た。これに20%水酸化ナトリウム水 13gを加えた後、トルエン30mlで2回抽出し、得られたトルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去することにより、(S)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミン12.7g を得た。このものの光学純度は70%eeであった。
(3) (1) 及び(2) でトルエン抽出した残りの水層を混合した後、36%塩酸を加えてpHを0.7 に調製した。次いで、50mlの酢酸エチルで3回抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去することによりL-マンデル酸12.3g を得た。
【0019】
実施例3
(RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン16g と酢酸エチル17mlからなる溶液を70℃に加熱攪拌し、これにL-マンデル酸 6.4g と酢酸エチル80mlからなる溶液を約30分かけて滴下した後、75℃まで昇温して同温度で30分間攪拌を続けた。次いで、5時間かけて20℃まで冷却した後、析出した結晶を濾別、乾燥することによりジアステレオマー塩12.9g を得た。
このものの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を測定したところ81.2%eeであった。
【0020】
実施例4
(RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン19g と95%エタノール120ml とL-マンデル酸15.2g からなる混合物を加熱し還流させた後、一晩放冷した。析出した結晶を濾別、乾燥することによりジアステレオマー塩10.8g を得た。
このものの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を測定したところ64%eeであった。
【0021】
比較例1
実施例4において、L-マンデル酸15.2g の代わりにL-酒石酸15g を用いたが、95%エタノール120ml では、還流下においてもL-酒石酸の結晶が多量残存していたので、95%エタノール1080mlを追加することによりこの結晶を消失させた。これら以外は実施例4に準拠して実施することにより、ジアステレオマー塩10.8g を得た。
このものの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を測定したところ36%eeであった。
【0022】
比較例2
実施例4において、L-マンデル酸15.2g の代わりにL-リンゴ酸13.4g を用いたが、95%エタノール120ml では、還流下においてもL-リンゴ酸の結晶が残存していたので95%エタノール360ml を追加することによりこの結晶を消失させた。これら以外は実施例4に準拠して実施することにより、ジアステレオマー塩14.5g を得た。
このものの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を測定したところ0.8 %eeであった。
【0023】
比較例3
実施例4において、95%エタノール120ml の代わりに水 120mlを用いる以外は実施例4に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
そこで、L−マンデル酸を16.9g に、水を25gに代えて、再度実施例4に準拠して実施したが、やはり水層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
【0024】
実施例5
(1) (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン90g とメチル-t- ブチルエーテル167gからなる溶液を45℃に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸32g とメチル-t- ブチルエーテル197gからなる溶液を約30分間で加えた後、同温度で30分攪拌した。 次いで、6時間かけて20℃まで冷却し、析出した結晶を濾別、42g のメチル-t- ブチルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することによりジアステレオマー塩84g を得た。この結晶に5%水酸化ナトリウム水185gを加えた後、メチル-t- ブチルエーテル42g で2回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去することにより、(R)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミン39.9g を得た。このものの光学純度は95.2%eeであった。
【0025】
(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水18g を加えて洗浄した。有機層の低沸分を留去することにより(S)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミン50.1g を得た。このものの光学純度は77.6%eeであった。
(3) (1) 及び(2) において得られた水酸化ナトリウム水で処理した後の有機層を分離した残りの水層を混合した後、36%塩酸を加えてpHを1.4 に調製した。次いで150gのメチル-t- ブチルエーテルで3回抽出、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去することによりL-マンデル酸31.7g を得た。
【0026】
実施例6
(1) (RS)-1-(2,6-ジクロロフェニル) エチルアミン10g とメチル-t- ブチルエーテル30g からなる溶液を45℃に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸3.6gとメチル-t- ブチルエーテル30g からなる溶液を約30分間で加えた後、同温度で30分攪拌した。次いで、6時間かけて20℃まで冷却し、析出した結晶を濾別、20g のメチル-t- ブチルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することによりジアステレオマー塩7.9gを得た。この結晶に5%水酸化ナトリウム水21g を加えた後、メチル-t- ブチルエーテル10g で2回抽出し、得られた有機層から溶媒留去することにより、(R)-1-(2,6- ジクロロフェニル) エチルアミン4.2gを得た。このものの光学純度は89.8%eeであった。
【0027】
(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水2gを加えて洗浄した。得られた有機層から溶媒留去することにより、(S)-1-(2,6- ジクロロフェニル) エチルアミン5.8gを得た。このものの光学純度は64.4%eeであった。
【0028】
比較例4
実施例6-(1)において、メチル-t- ブチルエーテル60g の代わりに水60g を用い、加熱を90℃で行う以外は実施例6-(1)に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
そこで、L−マンデル酸を4gに、水を13g に代えて、再度同条件で実施したがやはり水層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
【0029】
実施例7
(1) (RS)-1-(3,4-ジクロロフェニル) エチルアミン41g とメチル-t- ブチルエーテル78g からなる溶液を45℃に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸14.6g とメチル-t- ブチルエーテル90g からなる溶液を約30分間で加えた後、同温度で30分攪拌した。 次いで、6時間かけて20℃まで冷却し、析出した結晶を濾別、40g のメチル-t- ブチルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することによりジアステレオマー塩32.9g を得た。この結晶に5%水酸化ナトリウム水82g を加えた後、メチル-t- ブチルエーテル20g で2回抽出し、得られた有機層から溶媒留去することにより、(R)-1-(3,4- ジクロロフェニル) エチルアミン18.2g を得た。このものの光学純度は87.4%eeであった。
【0030】
(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水16g を加えて洗浄した。得られた有機層から溶媒留去することにより、(S)-1-(3,4- ジクロロフェニル) エチルアミン22.8g を得た。このものの光学純度は70.2%eeであった。
【0031】
比較例5
実施例7-(1)において、メチル-t- ブチルエーテル168gの代わりに水168gを用い、加熱を90℃で行う以外は実施例7-(1)に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
そこで、L−マンデル酸を16.2g に、水を54g に変えて、再度同条件で実施したところ結晶が析出したので実施例7-(1)に準拠して処理し、(R)-1-(3,4- ジクロロフェニル) エチルアミン17.9g を得た。このものの光学純度は58.6%eeであった。また、実施例7-(2)に準拠して(S)-1-(3,4- ジクロロフェニル) エチルアミンを得たところ、その光学純度は45.4%eeであった。
【0032】
実施例8
(1) (RS)-1-(2,3-ジクロロフェニル) エチルアミン10g とメチル-t- ブチルエーテル30g からなる溶液を45℃に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸3.6gとメチル-t- ブチルエーテル30g からなる溶液を約30分間で加えた後、同温度で30分攪拌した。次いで、6時間かけて20℃まで冷却し、析出した結晶を濾別、20g のメチル-t- ブチルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することによりジアステレオマー塩7.2gを得た。この結晶に5%水酸化ナトリウム水21g を加えた後、メチル-t- ブチルエーテル10g で2回抽出し、得られた有機層から溶媒留去することにより、(S)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチルアミン4gを得た。このものの光学純度は90.4%eeであった。
【0033】
(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水2gを加えて洗浄した。得られた有機層から溶媒留去することにより、(R)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチルアミン6gを得た。このものの光学純度は58.8%eeであった。
【0034】
比較例6
実施例8-(1)において、メチル-t- ブチルエーテル60g の代わりに水60g を用い、加熱を90℃で行う以外は実施例8-(1)に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
そこで、L−マンデル酸を4gに、水を13g に変えて、再度同条件で実施したところ結晶が析出したので実施例8-(1)に準拠して処理し、(S)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチルアミン4gを得た。このものの光学純度は53.8%eeであった。また、実施例8-(2)に準拠して(R)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチルアミンを得たところ、その光学純度は37.2%eeであった。
【0035】
比較例7
実施例6において、(RS)-1-(2,6-ジクロロフェニル) エチルアミン10g の代わりに(RS)-1-(2,5-ジクロロフェニル) エチルアミン10g を用いる以外は実施例6に準拠して実施したが、結晶が析出しなかった。
【0036】
比較例8
実施例6において、(RS)-1-(2,6-ジクロロフェニル) エチルアミン10g の代わりに(RS)-1-(3,5-ジクロロフェニル) エチルアミン10g を用いる以外は実施例6に準拠して実施することにより、ジアステレオマ−塩8.1gを得た。
このものの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を測定したところ0.04%ee であった。
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