JP2001114728A - (+)−トランス第一菊酸の製造方法 - Google Patents

(+)−トランス第一菊酸の製造方法

Info

Publication number
JP2001114728A
JP2001114728A JP29515499A JP29515499A JP2001114728A JP 2001114728 A JP2001114728 A JP 2001114728A JP 29515499 A JP29515499 A JP 29515499A JP 29515499 A JP29515499 A JP 29515499A JP 2001114728 A JP2001114728 A JP 2001114728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trans
chrysanthemic acid
acid
primary chrysanthemic
methylpropylamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP29515499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4320870B2 (ja
Inventor
Koju Hagitani
弘寿 萩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP29515499A priority Critical patent/JP4320870B2/ja
Priority to HU0004005A priority patent/HUP0004005A3/hu
Priority to IN869MA2000 priority patent/IN190898B/en
Priority to IT2000TO000965A priority patent/IT1320818B1/it
Priority to CNB001342320A priority patent/CN1225452C/zh
Priority to KR1020000061007A priority patent/KR100645277B1/ko
Publication of JP2001114728A publication Critical patent/JP2001114728A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4320870B2 publication Critical patent/JP4320870B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C61/00Compounds having carboxyl groups bound to carbon atoms of rings other than six-membered aromatic rings
    • C07C61/16Unsaturated compounds
    • C07C61/35Unsaturated compounds having unsaturation outside the rings
    • C07C61/37Chrysanthemumic acid
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C211/00Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton
    • C07C211/01Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C211/26Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to acyclic carbon atoms of an unsaturated carbon skeleton containing at least one six-membered aromatic ring
    • C07C211/27Compounds containing amino groups bound to a carbon skeleton having amino groups bound to acyclic carbon atoms of an unsaturated carbon skeleton containing at least one six-membered aromatic ring having amino groups linked to the six-membered aromatic ring by saturated carbon chains
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/43Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/487Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to chemical modification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/09Geometrical isomers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】(+)−トランス第一菊酸をさらに工業的に有
利に製造する方法を提供すること。 【解決手段】(±)−トランス第一菊酸または(±)−
シス/(±)−トランス混合第一菊酸と(S)−1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンを溶媒中で反応させ
て、(+)−トランス第一菊酸と(S)−1−フェニル
−2−メチルプロピルアミンとのジアステレオマー塩を
得、該ジアステレオマー塩を酸処理することを特徴とす
る(+)−トランス第一菊酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(+)−トランス
第一菊酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第一菊酸は、合成ピレスロイド系殺虫剤
(エステル)の酸成分を構成する重要な化合物である。
一般に合成ピレスロイド系殺虫剤の殺虫効力は、シス体
の第一菊酸エステルよりトランス体の第一菊酸エステル
の方が強く、また(−)体の第一菊酸エステルよりも
(+)体の第一菊酸エステルの方が強いことが知られて
おり、特に(+)−トランス第一菊酸を工業的に有利に
製造する方法の開発が望まれていた。
【0003】従来から、(+)−トランス第一菊酸の製
造方法としては、(±)−トランス第一菊酸または
(±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸を光学分
割する方法が数多く報告されている。かかる光学分割に
よる製造方法としては、例えば天然キニンと(−)−フ
ェネチルアミンを組み合わせて用いる方法(J.Sc
i.Food.Agri.,,189)、(+)−1
−(p−トリル)エチルアミンを用いる方法(特公昭4
6−20382号公報、特公昭54−37130号公
報)、L−リジンによる方法(特公昭46−30832
号公報)、D−スレオ−1−(p−ニトロフェニル)−
2−ジメチルアミノプロパン−1,3−ジオールによる
方法(特公昭49−33197号公報)、(−)−α−
(1−ナフチル)エチルアミンによる方法(特公昭51
−23497号公報)、(+)−2−(4−メチルフェ
ニル)−3−ブチルアミンによる方法(特開昭61−1
72853号公報)、(S)−シス−2−ベンジルアミ
ノシクロヘキシルメタノールによる方法(特開平3−7
4347号公報)、(+)−α−プロピルベンジルアミ
ンによる方法(特開平3−148237号公報)、
(R)−N−(ヒドロキシ,アルコキシ置換ベンジル)
−1−置換フェニルエチルアミン類による方法(特開平
5−201938号公報)等が挙げられるが、これらの
方法は、光学分割剤が比較的高価である、光学分割剤の
入手が困難である、得られる(+)−トランス第一菊酸
の光学純度や収率が低い等の理由から、工業的に必ずし
も十分満足しうる方法とは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者は、(+)−トランス第一菊酸をさらに工
業的に有利に製造する方法について鋭意検討し、光学分
割剤として、入手容易で、比較的安価な(S)−1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンを用いることによ
り、(±)−トランス第一菊酸または(±)−シス/
(±)−トランス混合第一菊酸から、収率良く、高い光
学純度で(+)−トランス第一菊酸を製造し得ることを
見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(±)−トランス第一菊酸または(±)−シス/(±)
−トランス混合第一菊酸と(S)−1−フェニル−2−
メチルプロピルアミンを溶媒中で反応させて、(+)−
トランス第一菊酸と(S)−1−フェニル−2−メチル
プロピルアミンのジアステレオマー塩を得、該ジアステ
レオマー塩を酸処理することを特徴とする(+)−トラ
ンス第一菊酸の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。(±)−トランス第一菊酸としては、(+)体/
(−)体比に特に制限はなく、(+)体と(−)体の等
量混合物であってもよいし、(+)体もしくは(−)体
のいずれか一方が過剰の混合物であってもよい。
【0007】また、本発明で用いる(S)−1−フェニ
ル−2−メチルプロピルアミンは、トランス第一菊酸と
選択的にジアステレオマー塩を形成するため、(±)−
トランス第一菊酸と(±)−シス第一菊酸との混合物で
ある(±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸も使
用することができる。
【0008】(±)−シス/(±)−トランス混合第一
菊酸中の(±)−シス第一菊酸と(±)−トランス菊酸
の比率は、特に制限されないが、あまりシス体が多すぎ
ると、分割効率が悪くなるので、該混合第一菊酸中のシ
ス体/トランス体比は、通常0/100〜40/60、
好ましくは0/100〜20/80である。なお、
(±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸中の
(+)体/(−)体比は、特に制限されず、(+)体と
(−)体の等量混合物であってもよいし、(+)体もし
くは(−)体のいずれか一方が過剰の混合物であっても
よい。
【0009】(S)−1−フェニル−2−メチルプロピ
ルアミンの使用量は、(±)−トランス第一菊酸または
(±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸に対し
て、通常0.2〜1.5モル倍、好ましくは0.3〜1
モル倍の範囲である。
【0010】(±)−トランス第一菊酸または(±)−
シス/(±)−トランス混合第一菊酸と(S)−1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンの反応は、溶媒中で
行われ、溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族
炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエ
ーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶
媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセ
トニトリル等のニトリル系溶媒、水およびこれらの混合
溶媒等が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素系溶媒が
用いられる。
【0011】溶媒の使用量は、(±)−トランス第一菊
酸または(±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸
に対して、通常0.5〜100重量倍、好ましくは1〜
50重量倍である。かかる溶媒は予め(±)−トランス
第一菊酸または(±)−シス/(±)−トランス混合第
一菊酸もしくは(S)−1−フェニル−2−メチルプロ
ピルアミンに加えておいてもよい。
【0012】(±)−トランス第一菊酸または(±)−
シス/(±)−トランス混合第一菊酸と(S)−1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンの反応は、通常
(±)−トランス第一菊酸または(±)−シス/(±)
−トランス混合第一菊酸を溶媒に溶解させた溶液に、
(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンをそ
のままもしくは溶媒に溶解させ溶液として添加すること
により実施される。(S)−1−フェニル−2−メチル
プロピルアミンは連続的に添加してもよい。
【0013】反応温度は、通常0℃以上、反応混合物の
還流温度以下の範囲である。
【0014】反応終了後、光学活性トランス第一菊酸は
(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとジ
アステレオマー塩を形成しており、通常(+)−トラン
ス第一菊酸と(S)−1−フェニル−2−メチルプロピ
ルアミンとのジアステレオマー塩の一部が反応マス中に
晶出している。これをそのまま取り出してもよいが、該
反応マスを冷却するか、あるいは、濃縮することによ
り、さらに多くの該ジアステレオマー塩を晶出させて取
り出すことが好ましい。この際、該反応マスを例えば昇
温して、晶出しているジアステレオマー塩の一部もしく
は全部を溶解させた後、冷却あるいは濃縮してもよい。
【0015】条件によっては、該ジアステレオマー塩が
反応マス中に完溶していることもあり、この場合には、
反応マスを冷却するか、あるいは、濃縮することによ
り、該ジアステレオマー塩を晶出させて取り出すことが
できる。
【0016】晶出させた(+)−トランス第一菊酸と
(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとの
ジアステレオマー塩は、通常の濾過操作によって容易に
取り出すことができる。
【0017】得られた(+)−トランス第一菊酸と
(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとの
ジアステレオマー塩を酸処理することにより、(+)−
トランス第一菊酸を得ることができる。
【0018】酸処理は、通常該ジアステレオマー塩と酸
水溶液を混合することにより行われる。酸水溶液として
は、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸の水溶液が挙げ
られる。酸の使用量は、ジアステレオマー塩に対して、
通常1〜5モル倍程度である。酸水溶液中の酸の濃度
は、通常1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の
範囲である。酸処理の処理温度は、通常−10〜100
℃の範囲である。
【0019】該ジアステレオマー塩を酸処理すると、通
常(+)−トランス第一菊酸は、結晶として処理マス中
に析出しているか、もしくは油層として処理マスから遊
離している。(+)−トランス第一菊酸が結晶として析
出している場合には、これをそのまま濾過処理等により
取り出してもよいが、さらに冷却してより多くの結晶を
析出させた後取り出すことが好ましい。また、水に不溶
の有機溶媒を加えて、抽出処理し、(+)−トランス第
一菊酸を含む有機層を得、該有機層を冷却するか、ある
いは濃縮して、(+)−トランス第一菊酸を取り出して
もよい。(+)−トランス第一菊酸が油層として処理マ
スから遊離している場合には、該油層を分液することに
より、(+)−トランス第一菊酸を取り出すことができ
る。この場合も、水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理
し、(+)−トランス第一菊酸を含む有機層を得、該有
機層を冷却するか、あるいは濃縮して、(+)−トラン
ス第一菊酸を取り出してもよい。
【0020】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチ
ルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系
溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、そ
の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮する
と、実用的には、酸処理に用いたジアステレオマー塩に
対して、0.5〜10重量倍である。かかる水に不溶の
有機溶媒は、予め酸処理の際に加えておいてもよい。
【0021】また、得られた(+)−トランス第一菊酸
と(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンと
のジアステレオマー塩を予め塩基処理して、(S)−1
−フェニル−2−メチルプロピルアミンを除去した後、
酸処理することにより、(+)−トランス第一菊酸を得
ることもできる。
【0022】塩基処理は、通常ジアステレオマー塩と塩
基を混合することにより行われる。塩基としては、例え
ば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属
水酸化物等が挙げられる。その使用量は、ジアステレオ
マーに対して、1〜5モル倍程度である。かかる塩基は
通常水溶液として用いられ、その濃度は通常1〜50重
量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。塩基処
理の処理温度は、通常−10〜100℃の範囲である。
【0023】ジアステレオマー塩を塩基処理すると、通
常(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンが
油層として処理マスから分液しており、当該(S)−1
−フェニル−2−メチルプロピルアミンを含む油層を分
液除去した後の水層について、酸処理が行われる。
【0024】該油層をそのまま分液除去することなく、
水に不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理し、(S)−1
−フェニル−2−メチルプロピルアミンを除去してもよ
い。水に不溶の有機溶媒としては、上記したものと同様
のものが挙げられ、その使用量も特に制限されないが、
実用的には、塩基処理に用いたジアステレオマー塩に対
して、0.1〜10重量倍である。
【0025】引き続き行われる酸処理は、通常上記で得
られた該水層と酸を混合することにより行われ、通常該
水層のpHが3以下に調整される。酸としては、例えば
塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸が用いられ、通常水溶液と
して用いられる。水溶液として用いる場合の酸の濃度
は、通常1〜90重量%、好ましくは10〜70重量%
である。酸の使用量は、先に用いた塩基の量によっても
異なり、通常該水層のpHが3以下となる量が用いられ
る。酸処理の処理温度は、通常−10〜100℃であ
る。
【0026】酸処理すると、通常(+)−トランス第一
菊酸は、結晶として処理マス中に析出しているか、もし
くは油層として処理マスから遊離している。(+)−ト
ランス第一菊酸が結晶として析出している場合には、こ
れをそのまま濾過処理等により取り出してもよいが、さ
らに冷却してより多くの結晶を析出させた後取り出すこ
とが好ましい。また、水に不溶の有機溶媒を加えて、抽
出処理し、(+)−トランス第一菊酸を含む有機層を
得、該有機層を冷却するか、あるいは濃縮して、(+)
−トランス第一菊酸を取り出してもよい。(+)−トラ
ンス第一菊酸が油層として処理マスから遊離している場
合には、該油層を分液することにより、(+)−トラン
ス第一菊酸を取り出すことができる。この場合も、水に
不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、(+)−トランス
第一菊酸を含む有機層を得、該有機層を冷却するか、あ
るいは濃縮して、(+)−トランス第一菊酸を取り出し
てもよい。水に不溶の有機溶媒としては、上記したもの
と同様のものが挙げられ、その使用量は、特に制限され
ないが、実用的には、先の塩基性処理に用いたジアステ
レオマー塩に対して、0.1〜10重量倍である。
【0027】なお、本反応に用いた(S)−1−フェニ
ル−2−メチルプロピルアミンは、以下のようにして回
収し、本発明の方法に再使用することができる。(+)
−トランス第一菊酸と(S)−1−フェニル−2−メチ
ルプロピルアミンとのジアステレオマー塩を酸処理した
場合には、(+)−トランス第一菊酸を取り出した後の
水層中に、(S)−1−フェニル−2−メチルプロピル
アミンが含まれており、該水層を塩基処理することによ
り、(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミン
を回収することができる。
【0028】塩基処理は、通常該水層に塩基を加えるこ
とにより行われ、該水層のpHが通常12以上となるま
で該水層に塩基が加えられる。塩基としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物等が挙げられ、かかる塩基はそのままもしくは水溶
液として用いられる。かかる塩基を水溶液として用いる
場合、該水溶液中の塩基の濃度は、通常1〜50重量%
である。かかる塩基処理の処理温度は、通常−10〜1
00℃である。
【0029】該水層を塩基処理すると、通常(S)−1
−フェニル−2−メチルプロピルアミンが油層として処
理マスから分離しており、該油層を分液し、濃縮処理す
ることにより、(S)−1−フェニル−2−メチルプロ
ピルアミンを回収することができる。また、該処理マス
に水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理して、(S)−
1−フェニル−2−メチルプロピルアミンを含む有機層
を得、該有機層を濃縮処理することにより、(S)−1
−フェニル−2−メチルプロピルアミンを回収すること
もできる。水に不溶の有機溶媒は、塩基処理の際に予め
加えておいてもよい。かかる水に不溶の有機溶媒として
は、上記したものと同様のものが挙げられ、その使用量
は特に制限されない。なお、水に不溶の有機溶媒とし
て、(±)−トランス第一菊酸または(±)−シス/
(±)−トランス混合第一菊酸と(S)−1−フェニル
−2−メチルプロピルアミンとの反応に用いる溶媒と同
じ溶媒を用いた場合には、抽出処理により得られる有機
層をそのまま再使用してもよい。
【0030】また、得られたジアステレオマー塩を予め
塩基処理し、次いで酸処理した場合には、塩基処理後
に、(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミン
が油層として処理マスから分離しており、該油層を分液
することにより(S)−1−フェニル−2−メチルプロ
ピルアミンを回収することができる。該油層を分液する
ことなく、水に不溶の有機溶媒で抽出処理することによ
り、(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミン
を含む有機層を得、該有機層を濃縮処理することによ
り、(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミン
を回収することもできる。水に不溶の有機溶媒は、塩基
処理の際に予め加えておいてもよい。かかる水に不溶の
有機溶媒としては、上記したものと同様のものが挙げら
れ、その使用量は特に制限されない。なお、水に不溶の
有機溶媒として、(±)−トランス第一菊酸または
(±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸と(S)
−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとの反応に
用いる溶媒と同じ溶媒を用いた場合には、抽出処理によ
り得られる有機層をそのまま再使用してもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、得られた(+)−トランス第一菊酸の
光学純度は、光学活性カラムを用いる高速液体クロマト
グラフ分析法によって求めた。
【0032】実施例1 (±)−シス/(±)−トランス混合第一菊酸(シス/
トランス体比=4.1/95.9、(+)体比=47.
8%)10gをトルエン40gに溶解し、内温45℃に
昇温した。同温度で攪拌しながら、(S)−1−フェニ
ル−2−メチルプロピルアミン(S体比=99.4%)
6.2gを含むトルエン溶液46.2gを30分かけて
加えた後、内温65℃まで昇温した。同温度で2時間攪
拌、保持した後、5時間かけて内温20℃まで冷却し
た。析出している塩を濾取し、トルエン30gで洗浄
し、(+)−トランス菊酸と(S)−1−フェニル−2
−メチルプロピルアミンとのジアステレオマー塩5.7
gを得た。該ジアステレオマー塩の融点:125〜13
0℃(分解)
【0033】このジアステレオマー塩に、5重量%水酸
化ナトリウム水溶液30gを加え、内温40℃で30分
間攪拌、保持後、トルエン20gで2回抽出処理した。
抽出処理後の水層に、トルエン30gを加え、さらに7
0重量%硫酸を加えてpH2に調整した。トルエン層を
分離し、水30gで洗浄し、(+)−トランス菊酸のト
ルエン溶液を得た。該トルエン溶液からトルエンを減圧
留去して、(+)−トランス菊酸の白色結晶3.0gを
得た。光学純度は(+)体比=96.9%、シス/トラ
ンス体比=0.7/99.3であった。
【0034】実施例2 実施例1において、(S)−1−フェニル−2−メチル
プロピルアミン(S体比=99.4%)6.2gを含む
トルエン溶液46.2gに代えて、(S)−1−フェニ
ル−2−メチルプロピルアミン(S体比=99.4%)
4.4gを含むトルエン溶液14.4gを用いた以外
は、実施例1と同様に実施して、(+)−トランス菊酸
3.2gを得た。光学純度は(+)体比=89.5%、
シス/トランス体比=1.0/99.0であった。
【0035】実施例3 実施例1において、(±)−シス/(±)−トランス混
合第一菊酸(シス/トランス体比=4.1/95.9、
(+)体比=47.8%)10gに代えて、(±)−シ
ス/(±)−トランス混合第一菊酸(シス/トランス体
比=19.2/80.8、(+)体比=48.9%)1
0gを用い、該(±)−シス/(±)−トランス混合第
一菊酸を溶解させるトルエン量を40gから28gに代
え、(S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミン
(S体比=99.4%)6.2gを含むトルエン溶液4
6.2gに代えて、(S)−1−フェニル−2−メチル
プロピルアミン(S体比=99.4%)4.4gを含む
トルエン溶液14.4gを用いた以外は、実施例1と同
様に実施して、(+)−トランス菊酸3.5gを得た。
光学純度は(+)体比=82.6%、シス/トランス体
比=5.9/94.1であった。
【0036】実施例4 実施例3において、(±)−シス/(±)−トランス混
合第一菊酸(シス/トランス体比=19.2/80.
8、(+)体比=48.9%)10gに代えて、(±)
−シス/(±)−トランス混合第一菊酸(シス/トラン
ス体比=35.0/65.0、(+)体比=50.0
%)10gを用いた以外は、実施例3と同様に実施し
て、(+)−トランス菊酸3.9gを得た。光学純度は
(+)体比=72.9%、シス/トランス体比=13.
4/86.6であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、入手容易で、比
較的安価な光学分割剤である(S)−1−フェニル−2
−メチルプロピルアミンを用いることにより、(±)−
トランス第一菊酸または(±)−シス/(±)−トラン
ス混合第一菊酸から、容易にかつ高い光学純度で(+)
−トランス第一菊酸を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(±)−トランス第一菊酸または(±)−
    シス/(±)−トランス混合第一菊酸と(S)−1−フ
    ェニル−2−メチルプロピルアミンを溶媒中で反応させ
    て、(+)−トランス第一菊酸と(S)−1−フェニル
    −2−メチルプロピルアミンとのジアステレオマー塩を
    得、該ジアステレオマー塩を酸処理することを特徴とす
    る(+)−トランス第一菊酸の製造方法。
  2. 【請求項2】ジアステレオマー塩を予め塩基処理して、
    (S)−1−フェニル−2−メチルプロピルアミンを除
    去した後、酸処理する請求項1に記載の(+)−トラン
    ス第一菊酸の製造方法。
  3. 【請求項3】(+)−トランス第一菊酸と(S)−1−
    フェニル−2−メチルプロピルアミンとのジアステレオ
    マー塩。
JP29515499A 1999-10-18 1999-10-18 (+)−トランス第一菊酸の製造方法 Expired - Fee Related JP4320870B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29515499A JP4320870B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 (+)−トランス第一菊酸の製造方法
HU0004005A HUP0004005A3 (en) 1999-10-18 2000-10-13 Method for producing (+)-trans-chrysanthenum-monocarboxylic acid
IN869MA2000 IN190898B (ja) 1999-10-18 2000-10-13
IT2000TO000965A IT1320818B1 (it) 1999-10-18 2000-10-16 Procedimento per produrre l'acido monocarbossilico (+)-trans-crisantemico.
CNB001342320A CN1225452C (zh) 1999-10-18 2000-10-16 制备(+)-反-菊一酸的方法
KR1020000061007A KR100645277B1 (ko) 1999-10-18 2000-10-17 (+)-트랜스-크리산테뮴-모노카르복실산의 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29515499A JP4320870B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 (+)−トランス第一菊酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001114728A true JP2001114728A (ja) 2001-04-24
JP4320870B2 JP4320870B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=17816966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29515499A Expired - Fee Related JP4320870B2 (ja) 1999-10-18 1999-10-18 (+)−トランス第一菊酸の製造方法

Country Status (6)

Country Link
JP (1) JP4320870B2 (ja)
KR (1) KR100645277B1 (ja)
CN (1) CN1225452C (ja)
HU (1) HUP0004005A3 (ja)
IN (1) IN190898B (ja)
IT (1) IT1320818B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008530180A (ja) * 2005-02-17 2008-08-07 エンデュラ ソシエタ ペル アチオニ 菊酸のエナンチオマーの取得方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101613268B (zh) * 2009-07-28 2012-06-13 大连凯飞化学股份有限公司 一种富反式第一菊酸的制造方法
CN101628206B (zh) * 2009-08-14 2012-04-04 德州中钿生物科技有限公司 一种用于脱除棉籽中的棉酚的纳滤膜和方法
RS60983B1 (sr) 2010-02-24 2020-11-30 Chiesi Farm Spa Postupak za proizvodnju i prečišćavanje lizozomske alfa-manozidaze

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2721553B2 (ja) * 1989-08-11 1998-03-04 株式会社クラレ シス・トランス混合菊酸の光学分割法
US6268525B1 (en) * 1998-01-29 2001-07-31 Sumitomo Chemical Company, Limited Process for producing optically active chrysanthemic acid
JP6067871B2 (ja) * 2014-05-19 2017-01-25 日本特殊陶業株式会社 プラグ接続具、ゴム部材、および、リング部材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008530180A (ja) * 2005-02-17 2008-08-07 エンデュラ ソシエタ ペル アチオニ 菊酸のエナンチオマーの取得方法

Also Published As

Publication number Publication date
HU0004005D0 (en) 2000-12-28
HUP0004005A2 (hu) 2001-11-28
KR20010070144A (ko) 2001-07-25
IN190898B (ja) 2003-08-30
ITTO20000965A1 (it) 2002-04-16
IT1320818B1 (it) 2003-12-10
CN1298862A (zh) 2001-06-13
CN1225452C (zh) 2005-11-02
JP4320870B2 (ja) 2009-08-26
ITTO20000965A0 (it) 2000-10-16
HUP0004005A3 (en) 2003-10-28
KR100645277B1 (ko) 2006-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6093830A (en) Enantioselective resolution process for arylpropionic acid drugs from the racemic mixture
EP0010874B1 (en) Process for separating optical isomers of substituted cyclopropane carboxylic acids; amine salts of substituted cyclopropane carboxylic acids; a substituted cyclopropane carboxylic acid
US4546201A (en) Process for the optical resolution of (±)2-(6'methoxy-2'-naphthyl)-propionic acid
JP2001114728A (ja) (+)−トランス第一菊酸の製造方法
US5235095A (en) Preparation of optically active aliphatic carboxylic acids
DE60036758T2 (de) Verfahren zur Herstellung von optisch aktiver 3,3,3-Trifluor-2-hydroxy-2-methylpropionsäure und deren Salze
US4327038A (en) Method for preparing optically active 2,2-dimethyl-3-(2,2-dichlorovinyl)cyclopropanecarboxylic acid
EP0093511B1 (en) Method for producing and optically active 2,2-dimethylcyclopropanecarboxylic acid
EP0915080B1 (en) Process for preparing optically active amines and optically active carboxylic acids, and intermediates for preparation
JPH0453850B2 (ja)
JP3358281B2 (ja) 光学活性な(z)−5−ヒドロキシ−7−デセン酸の製造法及び光学活性なジャスミンラクトンの製造法
JPH0558970A (ja) 含窒素ペルフルオロカルボン酸の光学活性体及びその製造方法
JP3010694B2 (ja) 2―(3―ベンゾイル)フェニルプロピオン酸のラセミ化法
JP2001288140A (ja) 光学活性2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造方法
JPH05279325A (ja) 光学活性3−ヒドロキシピロリジンの製法
HU205594B (en) Process for producing optical isomeres of cyclopropane-carboxylic acids5
IE66490B1 (en) Process for racemate resolution of 2,2-dimethylcyclopropanecarboxylic acid
JP3959798B2 (ja) 1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの光学分割方法
JPH024581B2 (ja)
JP2687939B2 (ja) ジヒドロジャスモン酸の光学分割方法
JP3738470B2 (ja) 光学活性 1−(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法
JP2001288120A (ja) 光学活性2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造法
JPH0419215B2 (ja)
EP1853545B1 (en) Process for obtaining enantiomers of chrysanthemic acid
JP2001139516A (ja) 光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090316

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090525

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees