JP2721553B2 - シス・トランス混合菊酸の光学分割法 - Google Patents

シス・トランス混合菊酸の光学分割法

Info

Publication number
JP2721553B2
JP2721553B2 JP1208397A JP20839789A JP2721553B2 JP 2721553 B2 JP2721553 B2 JP 2721553B2 JP 1208397 A JP1208397 A JP 1208397A JP 20839789 A JP20839789 A JP 20839789A JP 2721553 B2 JP2721553 B2 JP 2721553B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cis
trans
chrysanthemic acid
acid
benzylaminocyclohexylmethanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1208397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0374347A (ja
Inventor
博之 野平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KURARE KK
Original Assignee
KURARE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KURARE KK filed Critical KURARE KK
Priority to JP1208397A priority Critical patent/JP2721553B2/ja
Publication of JPH0374347A publication Critical patent/JPH0374347A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2721553B2 publication Critical patent/JP2721553B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−
プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(以下、菊酸と
呼称する)のシス・トランス混合物を光学分割して、光
学活性なシス・トランス混合菊酸を製造する方法に関す
る。
菊酸は、アレスリン、テトラメスリン、レスメスリン
などのピレスロイド系殺虫剤のカルボン酸成分であり、
これらのピレスロイド系殺虫剤製造において不可欠な化
合物である。菊酸は4つの光学異性体が存在するが、こ
れから誘導されるピレスロイドの殺虫活性は、1(R)
−トランス体のものが最も強く、ついで1(R)−シス
体の順である。そして、1(S)体の場合は、シス体、
トランス体共にほとんど活性がないことが知られてい
る。従って、光学不活性なシス・トランス混合菊酸を光
学分割して、1(R)体を効率よく得る方法の開発が望
まれてきた。
[従来の技術] 従来、菊酸の光学分割に関する研究は、1(R)−ト
ランス体のものが最も活性が強いため、主としてトラン
ス菊酸について行われてきた。1(RS)−シス・トラン
ス混合菊酸をシス・トランス比を保持したまま光学分割
した例としては、2−(4−メチルフェニル)−1−フ
ェニルエチルアミンを用いて、シス・トランス比が20〜
30/80〜70の1(RS)シス・トランス混合菊酸を分割し
た例が知られている(特開昭63−35540号参照)。
[発明が解決しようとする課題] 工業的には菊酸は、シス・トランスの混合物として製
造される。工業的に優れた製法の一つであるセネシオン
酸メチルとプレニルフェニルスルホンのマイケル付加に
より得られる菊酸はシス体を7〜15%、トランス体を93
〜85%含む。この組成の菊酸をシス・トランス比を保持
したまま分割出来れば、この方法により得られた菊酸の
活性成分のみを効率よく取り出せることになる。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、この点を解決するために種々の検討を
重ねた結果、光学分割剤として、光学活性なシス−2−
ベンジルアミノシクロヘキシルメタノールを用いること
により、1(RS)−シス・トランス混合菊酸をシス・ト
ランス比をほぼ保持したまま光学分割出来ることを見出
し本発明に到達した。本発明によれば、4種の異性体に
それぞれ対応するジアステレオマー塩が形成され、これ
らのジアステレオマー塩をその溶媒に対する溶解度差を
利用して、分離することにより、シス・トランス比をほ
ぼ保持したまま1(R)−シス・トランス混合菊酸を得
ることができる。
本発明では、分割剤としての光学活性なシス−2−ベ
ンジルアミノシクロヘキシルメタノールと1(RS)−シ
ス・トランス混合菊酸とのモル比は特に限定されない
が、分割剤をシス・トランス混合菊酸に対して、0.4〜
1当量使用するのが1(RS)−シス・トランス混合菊酸
を効率よく、かつ高純度で分割するために好ましい。こ
のシス−2−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール
は一般に溶媒の存在下で使用され、この目的のために使
用し得る溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プ
ロパノール、1−プロパノール、1−ブタノールなどの
1〜4の低級アルコール、アセトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのC3〜6のアルキルメチルケトン若しく
は水が好ましい。また上記の低級アルコール或いはアル
キルメチルケトンの水溶液も好ましい溶媒である。
用いる溶媒の量は、溶媒の種類、溶解温度、晶析温度
によってそれぞれ異なり、一義的に規定することは出来
ないが、通常は用いるシス−2−ベンジルアミノシクロ
ヘキシルメタノール1モルに対して、150〜1500mlの範
囲で用いられる。晶析温度も用いる溶媒の量、溶媒の種
類、溶解温度によって好ましい温度が異なるが、経済的
な見地も合わせ考えて、通常−10〜50℃の範囲から選ば
れる。
本発明は例えば次のような方法で実施する。
1(RS)−シス・トランス混合菊酸及びこれに対して
0.4〜1当量の1(S)−シス−2−ベンジルアミノシ
クロヘキシルメタノール及び溶媒を加え、加熱溶解した
後、冷却して過飽和となし、好ましくは、目的物である
1(R)−シス・トランス混合菊酸・1(S)−シス−
2−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール塩を少量
摂種して同種の難溶性のジアステレオマー塩を析出さ
せ、これを分離する。ジアステレオマー塩の分離方法と
しては、濾過、遠心分離などの方法が用いられる。な
お、溶媒として水を使用する場合には、ジアステレオマ
ー塩形成後残存する過剰量の1(RS)−シス・トランス
混合菊酸を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウムあるいはアンモニアなどの塩基によって中和す
ると、1(R)−シス・トランス混合菊酸を効率よく得
ることができる。
得られたジアステレオマー塩を水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどの塩基で処理し1(S)−シス−2−
ベンジルアミノシクロヘキシルメタノールを回収し、更
に、塩酸、硫酸、燐酸、p−トルエンスルホン酸等の酸
を作用させて、1(R)−シス・トランス混合菊酸を得
る。尚、上記操作は酸処理、次いで任意的な塩基処理の
順に行っても良い。
次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例1. シス/トランス=8/92の1(RS)−シス・トランス混
合菊酸1.009g(6.0mmol)および1(S)−シス−2−
ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール0.789g(3.6m
mol)を66.6%メタノール4.7mlに加熱溶解した後、室温
で4時間放置した。析出した結晶を濾別することによ
り、1(R)−シス・トランス混合菊酸・1(S)−シ
ス−2−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール塩を
得た(0.665g,1.7mmol)。これを66.6%メタノール2.5m
lで再結晶することにより、1(R)−シス・トランス
混合菊酸・1(S)−シス−2−ベンジルアミノシクロ
ヘキシルメタノール塩を得た。(0.528g,1.4mmol) mp.123〜126℃、 [α]−0.3゜(C1.O0,メタノール) これに1規定の水酸化ナトリウム水溶液2.1mlを加え
遊離した1(S)−シス−2−ベンジルアミノシクロヘ
キシルメタノールをエーテルで抽出除去し、水層に2規
定の塩酸1.3mlを加えエーテルで抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、エーテルを留去した後、
減圧蒸留することにより、1(R)−シス・トランス混
合菊酸を得た。(0.213g,1.3mmol) [α]−32.6゜ この物の1部を(+)−1−(4−ブロモフェニル)
エチルアミンとのアミドとし、そのHPLC分析により光学
純度を求めた。また1部をジアゾメタンエーテル溶液を
作用させてメチルエステルとし、そのGC分析からシス/
トランス比を求めた。
シス/トランス=8/92 シス菊酸の光学純度 100% トランス菊酸の光学純度 97% 実施例2 シス/トランス=8/92の1(RS)−シス・トランス混
合菊酸1.009g(6.0mmol)および1(S)−シス−2−
ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール0.789g(3.6m
mol)を2−プロパノール3.4ml加熱溶解した後、室温で
4時間放置した。析出した結晶を濾別することにより、
1(R)−シス・トランス混合菊酸・1(S)−シス−
2−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール塩を得
た。これを2−プロパノール2.9mlで再結晶することに
より、1(R)−シス・トランス混合菊酸・1(S)−
シス−2−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール塩
を得た。(0.665g,1.7mmol) mp.125〜127℃、 [α]−0.6゜(C1.0,メタノール) これに1規定の水酸化ナトリウム水溶液2.1mlを加え
遊離した1(S)−シス−2−ベンジルアミノシクロヘ
キシルメタノールをエーテルで抽出除去し、水層に2規
定の塩酸1.3mlを加えエーテルで抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、エーテルを留去した後、
減圧蒸溜することにより、1(R)−シス・トランス混
合菊酸を得た。(0.288g,1.7mmol) [α]−31.6゜ この物の1部を(+)−1−(4−ブロモフェニル)
エチルアミンとのアミドとし、そのHPLC分析により光学
純度を求めた。また1部をジアゾメタンエーテル溶液を
作用させてメチルエステルとし、そのGC分析からシス/
トランス比を求めた。
シス/トランス=10/90 シス菊酸の光学純度 100% トランス菊酸の光学純度 90% 実施例3 シス/トランス=13/87の1(RS)−シス・トランス
混合菊酸0.673g(4.0mmol)および1(S)−シス−2
−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール0.526g(2.
4mmol)を66.6%メタノール2.0mlに加熱溶解した後、室
温で4時間放置した。析出した結晶を濾別することによ
り、1(R)−シス・トランス混合菊酸・1(S)−シ
ス−2−ベンジルアミノシクロヘキシルメタノール塩を
得た(0.820g,2.1mmol)。これを66.6%メタノール3.7m
lで再結晶することにより、1(R)−シス・トランス
混合菊酸・1(S)−シス−2−ベンジルアミノシクロ
ヘキシルメタノール塩を得た。(0.396g,1.0mmol) mp.122〜127℃、 [α]−0.9゜(C1.0,メタノール) これに1規定の水酸化ナトリウム水溶液2.1mlを加え
遊離した1(S)−シス−2−ベンジルアミノシクロヘ
キシルメタノールをエーテルで抽出除去し、水層に2規
定の塩酸1.3mlを加えエーテルで抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、エーテルを留去した後、
減圧蒸溜することにより、1(R)−シス・トランス混
合菊酸を得た。(0.170g,1.0mmol) [α]−23.2゜ この物の1部を(+)−1−(4−ブロモフェニル)
エチルアミンとのアミドとし、そのHPLC分析により光学
純度を求めた。また1部をジアゾメタンエーテル溶液を
作用させてメチルエステルとし、そのGC分析からシス/
トランス比を求めた。
シス/トランス=21/79 シス菊酸の光学純度 62% トランス菊酸の光学純度 56% [発明の効果] 本発明によって、特定の分割剤を作用させることによ
るシス・トランス混合菊酸の効率的な光学分割法が提供
される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1(RS)−シス・トランス混合菊酸に分割
    剤として光学活性なシス−2−ベンジルアミノシクロヘ
    キシルメタノールを作用させることを特徴とする1(R
    S)−シス・トランス混合菊酸の光学分割方法。
JP1208397A 1989-08-11 1989-08-11 シス・トランス混合菊酸の光学分割法 Expired - Fee Related JP2721553B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1208397A JP2721553B2 (ja) 1989-08-11 1989-08-11 シス・トランス混合菊酸の光学分割法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1208397A JP2721553B2 (ja) 1989-08-11 1989-08-11 シス・トランス混合菊酸の光学分割法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0374347A JPH0374347A (ja) 1991-03-28
JP2721553B2 true JP2721553B2 (ja) 1998-03-04

Family

ID=16555579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1208397A Expired - Fee Related JP2721553B2 (ja) 1989-08-11 1989-08-11 シス・トランス混合菊酸の光学分割法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2721553B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100645277B1 (ko) * 1999-10-18 2006-11-13 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 (+)-트랜스-크리산테뮴-모노카르복실산의 제조방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6268525B1 (en) 1998-01-29 2001-07-31 Sumitomo Chemical Company, Limited Process for producing optically active chrysanthemic acid

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56133244A (en) * 1980-03-24 1981-10-19 Hiroyuki Nohira Optical resolution of (+-)-trans-chrysanthemum-mono- carboxylic acid
JPH0667871B2 (ja) * 1986-07-31 1994-08-31 住友化学工業株式会社 第一菊酸の光学分割法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本化学会誌,1979,(6),754−757

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100645277B1 (ko) * 1999-10-18 2006-11-13 스미또모 가가꾸 가부시끼가이샤 (+)-트랜스-크리산테뮴-모노카르복실산의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0374347A (ja) 1991-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0298480B1 (en) Process for the optical resolution of (+)-cis or (+)-trans-permethric acid
JP2721553B2 (ja) シス・トランス混合菊酸の光学分割法
CA1056388A (en) Resolution of racemic pantolactone
US4546201A (en) Process for the optical resolution of (±)2-(6'methoxy-2'-naphthyl)-propionic acid
EP0329156B1 (en) Process for the optical resolution of (+-)-2-hydroxy-4-phenylbutanoic acid
JPS5822470B2 (ja) 光学活性フエニルグリシンアミドと光学活性フエニルグリシンとの混合物を分離する方法
US4237313A (en) Racemization of optically active α-substituted-α-phenylacetic acid derivatives
JPH05229986A (ja) 2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸の光学分割方法
JP4320870B2 (ja) (+)−トランス第一菊酸の製造方法
US4376213A (en) Method for optical resolution of 2-(4-chlorophenyl)-3-methylbutanoic acid
FI101880B (fi) Menetelmä R(-) 2-(3-bentsoyylifenyyli)propionihapon muuttamiseksi S(+) -isomeeriksi
RU2015953C1 (ru) Способ расщепления рацемата 2,2-диметилциклопропанкарбоновой кислоты
JP2000256255A (ja) (±)−トランス−ペルメトリン酸の光学分割法
FI96681C (fi) Menetelmä 2,2-dimetyylisyklopropaanikarboksyylihapon rasemaattipilkkomiseksi
JPH0481977B2 (ja)
JPS6139299B2 (ja)
JPH0720915B2 (ja) (±)−トランス−ペルメトリン酸の光学分割法
JPH0778052B2 (ja) Dl−パントラクトンの光学分割法
JPH085840B2 (ja) ジャスモン酸の光学分割方法
US4757155A (en) Process for the preparation of optically active 2-[4-(2',4'-dihalophenoxy)phenoxy]propionic acids
JPH0419215B2 (ja)
JP2687939B2 (ja) ジヒドロジャスモン酸の光学分割方法
JPS6354342A (ja) (±)−α−エチルベンジルアミンの光学分割方法
JP2001288140A (ja) 光学活性2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造方法
JP3284605B2 (ja) 光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミンの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees