JP2001139516A - 光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法 - Google Patents

光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法

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JP2001139516A
JP2001139516A JP32513199A JP32513199A JP2001139516A JP 2001139516 A JP2001139516 A JP 2001139516A JP 32513199 A JP32513199 A JP 32513199A JP 32513199 A JP32513199 A JP 32513199A JP 2001139516 A JP2001139516 A JP 2001139516A
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Koju Hagitani
弘寿 萩谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 さらに工業的に有利に光学活性α−アルキ
ル−1−フェニル酢酸類を製造する方法を提供するこ
と。 【解決手段】一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基を表わ
し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子
で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシ
基を表わす。)で示されるα−アルキル−1−フェニル
酢酸類と光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルア
ミンを溶媒中で反応させて、一方の光学活性α−アルキ
ル−1−フェニル酢酸類と光学活性1−フェニル−2−
メチルプロピルアミンとのジアステレオマー塩を得、該
ジアステレオマー塩を酸処理することを特徴とする光学
活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性α−アル
キル−1−フェニル酢酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性α−アルキル−1−フェニル酢
酸類は、医農薬中間体等として、重要な化合物であり、
その製造方法として、α−アルキル−1−フェニル酢酸
類を光学分割する方法が数多く報告されている。かかる
光学分割による製造方法としては、例えば(+)−1−
(p−トリル)エチルアミンを用いる方法(例えば特公
平6−84332号公報等)、(+)−2−(4−メチ
ルフェニル)−3−ブチルアミンを用いる方法(特開平
5−229986号公報)等が挙げられるが、これらの
方法は、光学分割剤が比較的高価である、光学分割剤の
入手が困難である等の理由から、工業的に必ずしも十分
満足しうる方法とは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者は、光学活性α−アルキル−1−フェニル
酢酸類をさらに工業的に有利に製造する方法について鋭
意検討し、光学分割剤として、入手容易で、比較的安価
な光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンを
用いることにより、収率良く、高い光学純度で光学活性
α−アルキル−1−フェニル酢酸類を製造し得ることを
見出し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基を表わ
し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子
で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシ
基を表わす。)で示されるα−アルキル−1−フェニル
酢酸類と光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルア
ミンを溶媒中で反応させて、一方の光学活性α−アルキ
ル−1−フェニル酢酸類と光学活性1−フェニル−2−
メチルプロピルアミンとのジアステレオマー塩を得、該
ジアステレオマー塩を酸処理することを特徴とする光学
活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。下記一般式(1) で示されるα−アルキル−1−フェニル酢酸類の式中、
1は炭素数1〜4の低級アルキル基を表わし、R2は水
素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシ基を表わす。
【0006】炭素数1〜4の低級アルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキ
ル基が挙げられる。
【0007】ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0008】ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1
〜4の低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n
−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、
tert−ブトキシ基、フルオロメトシキ基、ジフロオ
ロメトキシ基、トリフロオロメトキシ基、フルオロエト
キシ基、トリフルオロエトキシ基、クロロメトキシ基、
ジクロロメトキシ基等が挙げられる。
【0009】かかるα−アルキル−1−フェニル酢酸類とし
ては、例えばα−エチルフェニル酢酸、α−エチル−p
−フルオロフェニル酢酸、α−エチル−p−クロロフェ
ニル酢酸、α−エチル−p−ブロモフェニル酢酸、α−
エチル−p−メトキシフェニル酢酸、α−イソプロピル
フェニル酢酸、α−イソプロピル−p−フルオロフェニ
ル酢酸、α−イソプロピル−p−クロロフェニル酢酸、
α−イソプロピル−p−ブロモフェニル酢酸、α−イソ
プロピル−p−メトキシフェニル酢酸、α−n−プロピ
ルフェニル酢酸、α−イソブチル−p−クロロフェニル
酢酸、α−イソブチル−p−ブロモフェニル酢酸等が挙
げられる。
【0010】α−アルキル−1−フェニル酢酸類は、R体お
よびS体の2種類の光学異性体があるが、本発明に用い
られるα−アルキル−1−フェニル酢酸類としては、R
体とS体の等量混合物であってもよいし、R体もしくは
S体のいずれか一方が過剰の混合物であってもよい。後
者の場合、該混合物中のR体/S体比は、特に制限され
ない。
【0011】光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルア
ミンの使用量は、α−アルキル−1−フェニル酢酸類に
対して、通常0.2〜1.5モル倍、好ましくは0.3
〜1モル倍の範囲である。
【0012】α−アルキル−1−フェニル酢酸類と光学活性
1−フェニル−2−メチルプロピルアミンの反応は、溶
媒中で行われ、溶媒としては、例えばトルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホル
ム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジ
エチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶
媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、水およびこれ
らの混合溶媒等が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素
系溶媒が用いられる。
【0013】溶媒の使用量は、α−アルキル−1−フェニル
酢酸類に対して、通常0.5重量倍以上、好ましくは1
重量倍以上である。溶媒の使用量の上限は特にないが、
容積効率等を考慮すると、実用的には、100重量倍以
下、好ましくは50重量倍以下である。かかる溶媒は予
めα−アルキル−1−フェニル酢酸類もしくは光学活性
1−フェニル−2−メチルプロピルアミンに加えておい
てもよい。
【0014】α−アルキル−1−フェニル酢酸類と光学活性
1−フェニル−2−メチルプロピルアミンの反応は、通
常α−アルキル−1−フェニル酢酸類を溶媒に溶解させ
た溶液に、光学活性1−フェニル−2−メチルプロピル
アミンをそのままもしくは溶媒に溶解させ溶液として添
加することにより実施される。光学活性1−フェニル−
2−メチルプロピルアミンは連続的に添加してもよい。
【0015】反応温度は、通常0℃以上、反応混合物の還流
温度以下の範囲である。
【0016】反応終了後、光学活性α−アルキル−1−フェ
ニル酢酸類は、光学活性1−フェニル−2−メチルプロ
ピルアミンとジアステレオマー塩を形成しており、通常
一方の光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類と光
学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとのジ
アステレオマー塩の一部が反応マス中に晶出している。
これをそのまま取り出してもよいが、該反応マスを冷却
するか、あるいは、濃縮することにより、さらに多くの
該ジアステレオマー塩を晶出させて取り出すことが好ま
しい。この際、該反応マスを例えば昇温して、晶出して
いるジアステレオマー塩の一部もしくは全部を溶解させ
た後、冷却あるいは濃縮してもよい。
【0017】条件によっては、該ジアステレオマー塩が反応
マス中に完溶していることもあり、この場合には、反応
マスを冷却するか、あるいは、濃縮することにより、該
ジアステレオマー塩を晶出させて取り出すことができ
る。
【0018】晶出させた光学活性α−アルキル−1−フェニ
ル酢酸類と光学活性1−フェニル−2−メチルプロピル
アミンとのジアステレオマー塩は、通常の濾過操作によ
り容易に取り出すことができる。
【0019】得られた光学活性α−アルキル−1−フェニル
酢酸類と光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルア
ミンとのジアステレオマー塩を酸処理することにより、
光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類を得ること
ができる。
【0020】酸処理は、通常該ジアステレオマー塩と酸水溶
液を混合することにより行われる。酸水溶液としては、
例えば塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸の水溶液が挙げられ
る。酸の使用量は、ジアステレオマー塩に対して、通常
1モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多
いと経済的に不利になるため、実用的には5モル倍以下
である。酸水溶液中の酸の濃度は、通常1〜90重量
%、好ましくは5〜70重量%の範囲である。酸処理の
処理温度は、通常−10〜100℃の範囲である。
【0021】該ジアステレオマー塩を酸処理すると、通常光
学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類は、結晶とし
て処理マス中に析出しているか、もしくは油層として処
理マスから遊離している。光学活性α−アルキル−1−
フェニル酢酸類が結晶として析出している場合には、こ
れをそのまま濾過処理等により取り出してもよいが、さ
らに冷却してより多くの結晶を析出させた後取り出すこ
とが好ましい。また、水に不溶の有機溶媒を加えて、抽
出処理し、光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類
を含む有機層を得、該有機層を冷却するか、あるいは濃
縮して、光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類を
取り出してもよい。光学活性α−アルキル−1−フェニ
ル酢酸類が油層として処理マスから遊離している場合に
は、該油層を分液することにより、光学活性α−アルキ
ル−1−フェニル酢酸類を取り出すことができる。この
場合も、水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、光学
活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類を含む有機層を
得、該有機層を冷却するか、あるいは濃縮して、光学活
性α−アルキル−1−フェニル酢酸類を取り出してもよ
い。
【0022】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチル
エーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶
媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、その
使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮する
と、実用的には、酸処理に用いたジアステレオマー塩に
対して、0.1〜10重量倍である。かかる水に不溶の
有機溶媒は、予め酸処理の際に加えておいてもよい。
【0023】また、得られた光学活性α−アルキル−1−フ
ェニル酢酸類と光学活性1−フェニル−2−メチルプロ
ピルアミンとのジアステレオマー塩を予め塩基処理し
て、光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミン
を除去した後、酸処理することにより、光学活性α−ア
ルキル−1−フェニル酢酸類を得ることもできる。
【0024】塩基処理は、通常得られたジアステレオマー塩
と塩基を混合することにより行われる。塩基としては、
例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ
金属水酸化物等が挙げられる。その使用量は、ジアステ
レオマー塩に対して、通常1モル倍以上であり、その上
限は特にないが、あまり多いと経済的に不利になるた
め、実用的には、5モル倍以下である。かかる塩基は通
常水溶液として用いられ、その濃度は通常1〜50重量
%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。塩基処理
の処理温度は、通常−10〜100℃の範囲である。
【0025】ジアステレオマー塩を塩基処理すると、通常光
学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンが油層
として処理マスから分液しており、当該光学活性1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンを含む油層を分液除
去した後の水層について、酸処理が行われる。
【0026】該油層をそのまま分液除去することなく、水に
不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理し、光学活性1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンを除去してもよい。
水に不溶の有機溶媒としては、上記したものと同様のも
のが挙げられ、その使用量も特に制限されないが、実用
的には、塩基処理に用いたジアステレオマー塩に対し
て、0.1〜10重量倍である。
【0027】引き続き行われる酸処理は、通常上記で得られ
た該水層と酸を混合することにより行われ、通常該水層
のpHが3以下、好ましくは2以下に調整される。酸と
しては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸が用いら
れ、通常水溶液として用いられる。水溶液として用いる
場合の酸の濃度は、通常1〜90重量%、好ましくは1
0〜70重量%である。酸処理の処理温度は、通常−1
0〜100℃である。
【0028】酸処理すると、通常光学活性α−アルキル−1
−フェニル酢酸類は、結晶として処理マス中に析出して
いるか、もしくは油層として処理マスから遊離してい
る。光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類が結晶
として析出している場合には、これをそのまま濾過処理
等により取り出してもよいが、さらに冷却してより多く
の結晶を析出させた後取り出すことが好ましい。また、
水に不溶の有機溶媒を加えて、抽出処理し、光学活性α
−アルキル−1−フェニル酢酸類を含む有機層を得、該
有機層を冷却するか、あるいは濃縮して、光学活性α−
アルキル−1−フェニル酢酸類を取り出してもよい。光
学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類が油層として
処理マスから遊離している場合には、該油層を分液する
ことにより、光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸
類を取り出すことができる。この場合も、水に不溶の有
機溶媒を加え、抽出処理し、光学活性α−アルキル−1
−フェニル酢酸類を含む有機層を得、該有機層を冷却す
るか、あるいは濃縮して、光学活性α−アルキル−1−
フェニル酢酸類を取り出してもよい。水に不溶の有機溶
媒としては、上記したものと同様のものが挙げられ、そ
の使用量は、特に制限されないが、実用的には、先の塩
基性処理に用いたジアステレオマー塩に対して、0.1
〜10重量倍である。
【0029】なお、本反応に用いた光学活性1−フェニル−
2−メチルプロピルアミンは、以下のようにして回収
し、本発明の方法に再使用することができる。光学活性
α−アルキル−1−フェニル酢酸類と光学活性1−フェ
ニル−2−メチルプロピルアミンとのジアステレオマー
塩を酸処理した場合には、光学活性α−アルキル−1−
フェニル酢酸類を取り出した後の水層中に、光学活性1
−フェニル−2−メチルプロピルアミンが含まれてお
り、該水層を塩基処理することにより、光学活性1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンを回収することがで
きる。
【0030】塩基処理は、通常該水層に塩基を加えることに
より行われ、該水層のpHが通常12以上となるまで該
水層に塩基が加えられる。塩基としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
等が挙げられ、かかる塩基はそのままもしくは水溶液と
して用いられる。かかる塩基を水溶液として用いる場
合、該水溶液中の塩基の濃度は、通常1〜50重量%で
ある。かかる塩基処理の処理温度は、通常−10〜10
0℃である。
【0031】該水層を塩基処理すると、通常光学活性1−フ
ェニル−2−メチルプロピルアミンが油層として処理マ
スから分離しており、該油層を分液し、濃縮処理するこ
とにより、光学活性1−フェニル−2−メチルプロピル
アミンを回収することができる。また、該処理マスに水
に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理して、光学活性1−
フェニル−2−メチルプロピルアミンを含む有機層を
得、該有機層を濃縮処理することにより、光学活性1−
フェニル−2−メチルプロピルアミンを回収することも
できる。水に不溶の有機溶媒は、塩基処理の際に予め加
えておいてもよい。かかる水に不溶の有機溶媒として
は、上記したものと同様のものが挙げられ、その使用量
は特に制限されない。なお、水に不溶の有機溶媒とし
て、α−アルキル−1−フェニル酢酸類と光学活性1−
フェニル−2−メチルプロピルアミンとの反応に用いる
溶媒と同じ溶媒を用いた場合には、抽出処理により得ら
れる有機層をそのまま再使用してもよい。
【0032】また、得られたジアステレオマー塩を予め塩基
処理し、次いで酸処理した場合には、塩基処理後に、光
学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンが油層
として処理マスから分離しており、該油層を分液するこ
とにより光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルア
ミンを回収することができる。該油層を分液することな
く、水に不溶の有機溶媒で抽出処理することにより、光
学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンを含む
有機層を得、該有機層を濃縮処理することにより、光学
活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンを回収す
ることもできる。水に不溶の有機溶媒は、塩基処理の際
に予め加えておいてもよい。かかる水に不溶の有機溶媒
としては、上記したものと同様のものが挙げられ、その
使用量は特に制限されない。なお、水に不溶の有機溶媒
として、α−アルキル−1−フェニル酢酸類と光学活性
1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとの反応に用
いる溶媒と同じ溶媒を用いた場合には、抽出処理により
得られる有機層をそのまま再使用してもよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、得られた光学活性α−アルキル−1−
フェニル酢酸類の光学純度は、光学活性カラムを用いる
高速液体クロマトグラフ分析法によって求めた。
【0034】実施例1 ラセミα−イソプロピル−p−クロロフェニル酢酸10
gをトルエン50gに溶解し、内温80℃に昇温した。
同温度で攪拌しながら、(S)−1−フェニル−2−メ
チルプロピルアミン(S体比=99.4%)5.6gを
含むトルエン溶液15.6gを30分かけて加えた後、
同温度で2時間攪拌、保持した。その後、5時間かけて
内温20℃まで冷却した。析出している塩を濾取し、ト
ルエン30gで洗浄し、(S)−α−イソプロピル−p
−クロロフェニル酢酸と(S)−1−フェニル−2−メ
チルプロピルアミンとのジアステレオマー塩7.4gを
得た。
【0035】このジアステレオマー塩に、5重量%水酸化ナ
トリウム水溶液30gを加え、内温40℃で30分間攪
拌、保持後、トルエン20gで2回洗浄処理した。洗浄
処理後の水層に、トルエン30gを加え、さらに70重
量%硫酸を加えてpH2に調整した。トルエン層を分離
し、水30gで洗浄し、(S)−α−イソプロピル−p
−クロロフェニル酢酸のトルエン溶液を得た。該トルエ
ン溶液からトルエンを減圧留去して、(S)−α−イソ
プロピル−p−クロロフェニル酢酸の白色結晶4.4g
を得た。S体比は、86.8%であった。
【0036】実施例2 ラセミα−イソプロピル−p−クロロフェニル酢酸10
gをトルエン50gに溶解し、内温60℃に昇温した。
同温度で攪拌しながら、(S)−1−フェニル−2−メ
チルプロピルアミン(S体比=99.4%)5.6gを
含むトルエン溶液15.6gを30分かけて加えた後、
内温70℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。
その後、5時間かけて内温20℃まで冷却した。析出し
ている塩を濾取し、トルエン30gで洗浄し、(S)−
α−イソプロピル−p−クロロフェニル酢酸と(S)−
1−フェニル−2−メチルプロピルアミンとのジアステ
レオマー塩を得た。得られたジアステレオマー塩につい
て、実施例1と同様の後処理を行ない、(S)−α−イ
ソプロピル−p−クロロフェニル酢酸の白色結晶3.9
gを得た。S体比は、92.5%であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、入手容易で、比
較的安価な光学分割剤である光学活性1−フェニル−2
−メチルプロピルアミンを用いることにより、α−アル
キル−1−フェニル酢酸類から、容易にかつ高い光学純
度で光学活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類を得る
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1は炭素数1〜4の低級アルキル基を表わ
    し、R2は水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子
    で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルコキシ
    基を表わす。)で示されるα−アルキル−1−フェニル
    酢酸類と光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルア
    ミンを溶媒中で反応させて、一方の光学活性α−アルキ
    ル−1−フェニル酢酸類と光学活性1−フェニル−2−
    メチルプロピルアミンとのジアステレオマー塩を得、該
    ジアステレオマー塩を酸処理することを特徴とする光学
    活性α−アルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法。
  2. 【請求項2】ジアステレオマー塩を予め塩基処理して、
    光学活性1−フェニル−2−メチルプロピルアミンを除
    去した後、酸処理する請求項1に記載の光学活性α−ア
    ルキル−1−フェニル酢酸類の製造方法。
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