JP2689600B2 - α―イソプロピル―p―クロロフェニル酢酸の光学分割法 - Google Patents

α―イソプロピル―p―クロロフェニル酢酸の光学分割法

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佳明 織田
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は農薬の中間体として有用なα−イソプロピル
−p−クロロフェニル酢酸(以下ICPAと略す)の光学分
割法に関する。更に詳しくは、不斉炭素原子を有しない
アミン(以下アラルキルなアミンと略す)および疎水性
有機溶媒の存在下に光学活性なα−フェニル−β−p−
トリルエチルアミン(以下PTEと略す)またはα−フェ
ニルエチルアミン(以下PEAと略す)を光学分割剤とし
て用いるICPAの光学分割法に関する。
<従来の技術> ICPAの光学分割法としては、光学活性なPTEまたは光
学活性なPEAを光学分割剤として用いる方法が知られて
いる(特公昭56−417号公報)。しかしながら、該方法
については、光学純度の高い光学活性なICPAを得るため
に多量の溶媒と数回にわたる再結晶等の精製工程を必要
とするなどの問題点があり、必ずしも満足な方法ではな
かった。
<発明が解決しようとする課題> 本発明者らは、工業的有利なICPAの光学分割法を鋭意
検討した結果、本発明を完成した。
<課題を解決するための手段> 本発明は、ICPAを、アラルミルなアミンおよび疎水性
有機溶媒の存在下に光学活性なPTEまたは光学活性なPEA
と反応させて光学活性なICPAの一方の体掌体のジアステ
レオマー塩を選択的に晶出させることを特徴とするICPA
の光学分割法である。
疎水性有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロルベンゼンもしくはジクロルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素またはペンタン、ヘキサシ、ヘプ
タンもしくはオクタン等の脂肪族炭化水素などがあげら
れる。
その使用量は特に制限されないが、ICPAに対して1〜
10重量倍が好ましい。有機溶媒に加えて水を用いてもよ
く、水の共存下に光学分割を行う場合、ICPAに対して10
重量%以下の水が使用される。
光学活性なPTEまたは光学活性なPTEは、ICPAに対して
通常0.45〜1.0モル倍、好ましくは、0.5〜0.8モル倍使
用される。これらの中、光学活性なICPAの光学純度の観
点から光学活性なPTEが好ましく使用される。
アキラルなアミンは、ICPAと該アミンとで形成される
塩が疎水性有機溶媒に難溶性でないかぎり、特に制限さ
れない。例えば、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタ
ン(以下、DBUと略す)、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.
0〕−5−ノネンもしくは1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕−7−ウンデセン等の強塩基性アミンまたはピリジ
ン、γ−ピコリン、3,5−ジメチルピリジン、γ−コリ
ジン、トリエチルアミン、アニリンもしくはN−メチル
アニリン等の弱塩基性アミン等があげられる。
該アキラルなアミンは、ICPAに対して0.1〜0.5モル
倍、好ましくは0.3〜0.5モル倍使用される。
ICPAとアキラルなアミンの塩形成に要する時間は30分
以上あればよく、上限値は特に制限されない。
本発明の光学分割法は、例えば、ICPAを疎水性有機溶
媒に溶解させた後、前記のアキラルなアミンを添加し、
さらに光学活性なPTEまたは光学活性なPEAを仕込む等の
方法により行われる。この際の温度は任意でよいが、目
的物である光学活性なICPAの光学純度を高める目的で塩
形成時または塩形成後、ICPAと光学活性なPTEまたは光
学活性なPEAとのジアステレオマー塩を製造する際に40
〜150℃に加熱保温することが望ましい。この加熱保温
時においては、ICPAと光学活性なPTEまたは光学活性なP
EAとのジアステレオマー塩は必ずしも完溶している必要
はない。ICPAと光学活性なPTEまたは光学活性なPEAとの
シアステレオマー塩を製造する反応は、必ずしもICPAと
アキラルなアミンとの塩形成後連続して行う必要はな
く、一旦、ICPAとアキラルなアミンとの塩を単離した後
に前記の疎水性有機溶媒中で、ICPAと光学活性なPTEま
たは光学活性なPEAとのジアステレオマー塩を製造して
もよい。シアステレオマー塩製造後、必要ならば冷却
し、析出した光学活性なICPAのジアステレオマー塩の結
晶を、母液より濾過等の操作を加えて分離することがで
きる。分離は、好ましくは0〜60℃より好ましくは0〜
30℃で行われる。
結晶として得られた光学活性なICPAのジアステレオマ
ー塩の取出しは、塩酸もしくは硫酸等の酸または水酸化
ナトリウムもしくは水酸化カリウム等のアルカリを用い
て塩分解することにより行われる。
一方、母液中に存在する上記の光学活性なICPAの対掌
体のジアステレオマー塩のラセミ化は、従来、該対掌体
のジアステレオマー塩を酸析してICPAを単離後に行って
いた。しかしながら、本発明においてアキラルなアミン
として前記の強塩基性アミンを用いた場合には、母液中
のジアステレオマー塩をそのままラセミ化することがで
きる。すなわち、ラセミ化と光学分割とを連続して実施
できるのであって、具体的にはラセミ化が完了した母液
中に先に分離した光学活性なICPAのジアステレオマー塩
の量に相当するICPA及び光学分割剤である光学活性なPT
Eまたは光学活性なPEAを加えることにより光学分割を行
うことができる。
<発明の効果> 本発明方法によれば高光学分割収率および高光学純度
で光学活性なICPAが得られ、特にアキラルなアミンとし
て強塩基性アミンを用いた場合には、ラセミ化と光学分
割が連続して実施できるので、母液中に存在する光学活
性なICPAとは対掌体の関係にある光学活性なICPAのジア
ステレオマー塩を酸析して上記の対掌体の関係にある光
学活性なICPAを単離した後に別途ラセミ化を行うという
繁雑な操作を必要とせず、工業的有利に光学活性なICPA
が得られる。
<実 施 例> 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 ICPA10.0gおよびトルエン30.0gの溶液にDBU3.58gを添
加する。次いで、これに(−)PEA(光学純度96.6%e
e)2.84gを加えて70℃まで昇温する。70℃で1時間保温
後、25℃まで冷却して析出した結晶を濾取する。この結
晶を10%硫酸水溶液で処理して塩分解後、トルエンで抽
出処理した後、得られたトルエン層を水洗する。次に、
トルエンを留去して(+)ICPA4.52gを得た。
収率45.2%(仕込ICPAに対して) 光学純度87.2%ee 比較例1 ICPA10.0gおよびトルエン30.0gの溶液に(−)PEA
(光学純度96.6%ee)2.84gを加えて70℃まで昇温す
る。70℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出した結
晶を濾取する。この結晶を10%硫酸水溶液で処理して塩
分解後、トルエンで抽出処理した後、得られたトルエン
層を水洗する。次に、トルエンを留去して(+)ICPA4.
53gを得た。
収率45.3%(仕込ICPAに対して) 光学純度77.2%ee 実施例2 ICPA10.0gにトルエン30.0gおよび水0.4gを加えて撹拌
溶解した混合物にDBU3.58gを添加する。次いで、(+)
PTE(光学純度95.0%ee)4.97gを加えて70℃まで昇温す
る。70℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出した結
晶を濾取する。この結晶を5%水酸化ナトリウムで処理
して塩分解した。トルエン抽出により(+)PTEを回収
後、分液後の水層を10%塩酸水溶液異で酸析して(+)
ICPA4.00gを得た。
収率40.0%(仕込ICPAに対して) 光学純度94.9%ee 比較例2 ICPA10.0gにトルエン30.0gおよび水0.4gを加えて撹拌
溶解した混合物に(+)PTE(光学純度95.0%ee)4.97g
を加えて70℃まで昇温する。70℃で1時間保温後、25℃
まで冷却して析出した結晶を濾取する。この結晶を実施
例2と同様の処理を行って(+)ICPA3.15gを得た。
収率31.5%(仕込ICPAに対して) 光学純度94.6%ee 実施例3 ICPA10.0gにトルエン30.0gおよび水0.4gを加えて撹拌
溶解し、次にDBU2.86gを添加する。次いで、この混合物
中に(+)PTE(光学純度95.0%ee)5.96gを加えて70℃
まで昇温する。
70℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出した結晶
を濾取する。この結晶を実施例2と同様の処理を行って
(+)ICPA4.26gを得た。
収率42.6%(仕込ICPAに対して) 光学純度93.6%ee 比較例3 ICPA10.0gにトルエン30.0gおよび水0.4gを加えて撹拌
溶解する。この混合物中に(+)PTE(光学純度95.0%e
e)5.96gを加えて70℃まで昇温する。70℃で1時間保温
後、25℃まで冷却して析出した結晶を濾取する。この結
晶を実施例2と同様の後処理を行って(+)ICPA3.97g
を得た。
収率39.7%(仕込ICPAに対して) 光学純度93.6%ee 実施例4 ICPA10.0gにキシレン30.0gを加えて撹拌溶解した後、
DBU2.15gを添加する。ここで得た混合物中に(+)PTE
(光学純度95.6%ee)5.46gを加えて70℃まで昇温す
る。70℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出した結
晶を濾取する。この結晶を実施例2と同様の後処理を行
って(+)ICPA4.86gを得た。
収率48.6%(仕込ICPAに対して) 光学純度91.6%ee 実施例5 ICPA10.0gにキシレン30.0gを加えて撹拌溶解した後、
DBU2.86gを添加する。ここで得た混合物中に(+)PTE
(光学純度95.6%ee)5.96gを加えて70℃まで昇温す
る。70℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出した結
晶を濾取する。一方、濾液は別に残した。この結晶に実
施例2と同様の後処理を加えて(+)ICPA4.58gを得
た。
収率45.8%(仕込ICPAに対して) 光学純度94.4%ee 一方、先に得た濾液を140℃に昇温し、同温度で18時
間保温する。70℃まで冷却後、ICPA4.58gおよび(+)P
TE5.96gを加えて同温度で1時間保溜後、25℃まで冷却
して析出した結晶を濾取する。この結晶に実施例2と同
様の後処理を加えて(+)ICPA4.5gを得た。
実施例6 ICPA10.0gにキシレン30.0gを加えて撹拌溶解した後ピ
リジン1.86gを添加する。この混合物中に(+)PTE(光
学純度95.6%ee)4.97gを加えて70℃まで昇温する。70
℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出した結晶を濾
取する。この結晶を実施例2と同様の後処理を加えて
(+)ICPA4.20gを得た。
収率42.0%(仕込ICPAに対して) 光学純度92.6%ee 実施例7 ICPA10.0gにキシレン30.0gを加えて撹拌溶解した後、
N−メチルアニリン2.52gを添加する。この混合物中に
(+)PTE(光学純度95.6%ee)4.97gを加えて70℃まで
昇温する。70℃で1時間保温後、25℃まで冷却して析出
した結晶を濾取する。この結晶に実施例2と同様の後処
理を加えて(+)ICPA3.50gを得た。
収率35.0%(仕込ICPAに対して) 光学純度92.3%ee

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−イソプロピル−p−クロロフェニル酢
    酸を不斉炭素原子を有しないアミンおよび疎水性有機溶
    媒の存在下に光学活性なα−フェニル−β−p−トリル
    エチルアミンまたは光学活性なα−フェニルエチルアミ
    ンと反応させて光学活性なα−イソプロピル−p−クロ
    ロフェニル酢酸の一方の対掌対のジアステレオマー塩を
    選択的に晶出させることを特徴とするα−イソプロピル
    −p−クロロフェニル酢酸の光学分割法。
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