JPH05271169A - 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法 - Google Patents
新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法Info
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- JPH05271169A JPH05271169A JP7394092A JP7394092A JPH05271169A JP H05271169 A JPH05271169 A JP H05271169A JP 7394092 A JP7394092 A JP 7394092A JP 7394092 A JP7394092 A JP 7394092A JP H05271169 A JPH05271169 A JP H05271169A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光学活性tert- ロイシンの製造に有用な新規
中間体およびその製造法ならびにDL-tert-ロイシンの光
学分割方法を提供しようとするものである。 【構成】 一般式(I) 【化9】 で示される光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フ
ェニル)エタンスルホン酸塩、およびDL-tert-ロイシン
に光学活性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸
を作用させる光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換
フェニル)エタンスルホン酸塩の製造法ならびに該塩を
分解することを特徴とする光学活性tert-ロイシンの製
造法である。
中間体およびその製造法ならびにDL-tert-ロイシンの光
学分割方法を提供しようとするものである。 【構成】 一般式(I) 【化9】 で示される光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フ
ェニル)エタンスルホン酸塩、およびDL-tert-ロイシン
に光学活性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸
を作用させる光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換
フェニル)エタンスルホン酸塩の製造法ならびに該塩を
分解することを特徴とする光学活性tert-ロイシンの製
造法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性tert- ロイシン
の製造中間体として有用な新規な光学活性tert- ロイシ
ン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩およ
びその製造法ならびにDL-tert-ロイシンの光学分割方法
に関する。
の製造中間体として有用な新規な光学活性tert- ロイシ
ン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩およ
びその製造法ならびにDL-tert-ロイシンの光学分割方法
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】tert
- ロイシンは、ボトロマイシン(Bottromycin) の構成ア
ミノ酸の一つであることが知られており、その側鎖に三
つのメチル基をもつユニークな化学構造をしている。そ
のため、その光学活性体は不斉触媒試薬などの原料とし
て有用な化合物である。
- ロイシンは、ボトロマイシン(Bottromycin) の構成ア
ミノ酸の一つであることが知られており、その側鎖に三
つのメチル基をもつユニークな化学構造をしている。そ
のため、その光学活性体は不斉触媒試薬などの原料とし
て有用な化合物である。
【0003】光学活性tert- ロイシンの製造法として
は、 (1)DL-tert-ロイシンのアミノ基をアシル化したの
ち、光学分割剤としてブルシンあるいはシンコニンのご
とき天然アルカロイドを作用させ、生成するジアステレ
オマーを分別晶析により分離する方法(エー アベデル
ハルデンら、ツァイックリフト フュール フュジオロ
ーギシュ フェミー(E. Abederhalden et al., Z. Phys
iol. Chem.) 、 288, 187(1934) 、ティー タナベら、
ブラチン オブ ザ ケミカル ソサエティ オブ ジ
ャパン(T. Tanabe et al., Bull. Chem. Soc. Jpn.) 、
41, 2178(1968)、ティー ミヤザワら、同誌(T. Miyaza
wa etal., Bull. Chem. Soc. Jpn.) 、52, 1539(1979)
およびディー エー ジェーガーら、ジャーナル オブ
アメリカン ケミカル ソサエティ(D. A. Jaeger et
al., J. Am. Chem. Soc.)、 101, 717(1979) 参照)。
は、 (1)DL-tert-ロイシンのアミノ基をアシル化したの
ち、光学分割剤としてブルシンあるいはシンコニンのご
とき天然アルカロイドを作用させ、生成するジアステレ
オマーを分別晶析により分離する方法(エー アベデル
ハルデンら、ツァイックリフト フュール フュジオロ
ーギシュ フェミー(E. Abederhalden et al., Z. Phys
iol. Chem.) 、 288, 187(1934) 、ティー タナベら、
ブラチン オブ ザ ケミカル ソサエティ オブ ジ
ャパン(T. Tanabe et al., Bull. Chem. Soc. Jpn.) 、
41, 2178(1968)、ティー ミヤザワら、同誌(T. Miyaza
wa etal., Bull. Chem. Soc. Jpn.) 、52, 1539(1979)
およびディー エー ジェーガーら、ジャーナル オブ
アメリカン ケミカル ソサエティ(D. A. Jaeger et
al., J. Am. Chem. Soc.)、 101, 717(1979) 参照)。
【0004】(2)DL-tert-ロイシンにd−10−カンフ
ァスルホン酸を作用させ生成したジアステレオマー塩の
溶解度差を利用して光学分割する方法(特公昭63−5
4700号公報参照)。
ァスルホン酸を作用させ生成したジアステレオマー塩の
溶解度差を利用して光学分割する方法(特公昭63−5
4700号公報参照)。
【0005】などが報告されている。しかし、これらの
(1)および(2)の方法はいずれも純粋なtert- ロイ
シンをうるためには何回かの再結晶を繰り返す必要があ
り、必ずしも効率のよい製造法とはいいがたい。とくに
(1)の方法はまずtert- ロイシンをN−アシル化する
ことが必要で、かつ光学分割後このアシル基をラセミ化
させずに除去しなければならないという煩雑な工程が必
要である。さらに光学分割剤として高価で毒性の強い天
然アルカロイド類を使用しなければならず、しかもd−
10−カンファスルホン酸を含めてこれらの分割剤は天然
型光学異性体のみが入手可能なことから、高い光学純度
でえられるのは一方の対掌体のみに限られる欠点があっ
た。
(1)および(2)の方法はいずれも純粋なtert- ロイ
シンをうるためには何回かの再結晶を繰り返す必要があ
り、必ずしも効率のよい製造法とはいいがたい。とくに
(1)の方法はまずtert- ロイシンをN−アシル化する
ことが必要で、かつ光学分割後このアシル基をラセミ化
させずに除去しなければならないという煩雑な工程が必
要である。さらに光学分割剤として高価で毒性の強い天
然アルカロイド類を使用しなければならず、しかもd−
10−カンファスルホン酸を含めてこれらの分割剤は天然
型光学異性体のみが入手可能なことから、高い光学純度
でえられるのは一方の対掌体のみに限られる欠点があっ
た。
【0006】そこで、本発明者らは上述の欠点を克服す
べく鋭意研究を進めた結果、DL-tert-ロイシンに光学活
性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸を作用さ
せることにより、容易に高収率で高純度のD-およびL- t
ert-ロイシンがえられることを見いだした。
べく鋭意研究を進めた結果、DL-tert-ロイシンに光学活
性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸を作用さ
せることにより、容易に高収率で高純度のD-およびL- t
ert-ロイシンがえられることを見いだした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式(I)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Aは水素原子、アルキル基または
ハロゲン基、*は不斉炭素を表わす)で示される光学活
性tert− ロイシンの製造中間体として有用な、光
学活性tert-ロイシン・1−(4−置換フェニル)エタ
ンスルホン酸塩に関する。
ハロゲン基、*は不斉炭素を表わす)で示される光学活
性tert− ロイシンの製造中間体として有用な、光
学活性tert-ロイシン・1−(4−置換フェニル)エタ
ンスルホン酸塩に関する。
【0010】また本発明はDL-tert-ロイシンに一般式(I
I)
I)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Aは水素原子、アルキル基または
ハロゲン基、*は不斉炭素を表わす)で示される光学活
性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸を作用さ
せることを特徴とする光学活性tert- ロイシン・1−
(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩の製造法に関
する。さらに本発明はDL-tert-ロイシンを一般式(II)
ハロゲン基、*は不斉炭素を表わす)で示される光学活
性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸を作用さ
せることを特徴とする光学活性tert- ロイシン・1−
(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩の製造法に関
する。さらに本発明はDL-tert-ロイシンを一般式(II)
【0013】
【化7】
【0014】(式中、Aは水素原子、アルキル基または
ハロゲン基、*は不斉炭素を表わす)で示される光学活
性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸と反応さ
せ、生成する2種ジアステレオマー塩の溶解度差を利用
してその一方の難溶性ジアステレオマー塩たる一般式
(I)
ハロゲン基、*は不斉炭素を表わす)で示される光学活
性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸と反応さ
せ、生成する2種ジアステレオマー塩の溶解度差を利用
してその一方の難溶性ジアステレオマー塩たる一般式
(I)
【0015】
【化8】
【0016】(式中、Aおよび*は前記と同じ)で示さ
れる光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フェニ
ル)エタンスルホン酸塩を分離・採取し、ついで該塩を
分解することを特徴とする光学活性tert- ロイシンの製
造法に関する。
れる光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フェニ
ル)エタンスルホン酸塩を分離・採取し、ついで該塩を
分解することを特徴とする光学活性tert- ロイシンの製
造法に関する。
【0017】
【実施例】以下に本発明を具体的に説明する。
【0018】一般式(I) で示される本発明のジアステレ
オマーD-tert- ロイシン・1−(4−置換フェニル)エ
タンスルホン酸塩およびL-tert- ロイシン・1−(4−
置換フェニル)エタンスルホン酸塩においてAで示され
るアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基などの炭素数1〜4の低級アルキル基があ
げられる。また、ハロゲン基としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子などがあげられる。さらに、好ましい
化合物としては、一般式(I) においてAがメチル基、エ
チル基、または塩素原子である化合物があげられる。
オマーD-tert- ロイシン・1−(4−置換フェニル)エ
タンスルホン酸塩およびL-tert- ロイシン・1−(4−
置換フェニル)エタンスルホン酸塩においてAで示され
るアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基などの炭素数1〜4の低級アルキル基があ
げられる。また、ハロゲン基としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子などがあげられる。さらに、好ましい
化合物としては、一般式(I) においてAがメチル基、エ
チル基、または塩素原子である化合物があげられる。
【0019】本発明に用いる光学活性1−(4−置換フ
ェニル)エタンスルホン酸は、たとえば1−(4−置換
フェニル)エチルハライドをスルホン化し、えられる該
ラセミ体を光学活性p−ヒドロキシフェニルグリシンの
ような分割剤を用いて光学分割することにより(+)−
および(−)−1−(4−置換フェニル)エタンスルホ
ン酸を工業的規模で調製することが可能である(特開昭
59−170057号公報参照)。とくに好ましくは、
光学活性1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸
を用いれば、従来の方法におけるような再結晶を行なう
ことなく光学純度の高いtert- ロイシンがえられるとい
う優れた特徴を有する。
ェニル)エタンスルホン酸は、たとえば1−(4−置換
フェニル)エチルハライドをスルホン化し、えられる該
ラセミ体を光学活性p−ヒドロキシフェニルグリシンの
ような分割剤を用いて光学分割することにより(+)−
および(−)−1−(4−置換フェニル)エタンスルホ
ン酸を工業的規模で調製することが可能である(特開昭
59−170057号公報参照)。とくに好ましくは、
光学活性1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸
を用いれば、従来の方法におけるような再結晶を行なう
ことなく光学純度の高いtert- ロイシンがえられるとい
う優れた特徴を有する。
【0020】本発明の方法は、適当な溶媒中でDL-tert-
ロイシンに光学活性1−(4−置換フェニル)エタンス
ルホン酸を作用させ、必要に応じて加熱溶解し、静置ま
たは撹拌下に放冷して生成する難溶性ジアステレオマー
塩の結晶を析出させ、D-tert- ロイシン・1−(4−置
換フェニル)エタンスルホン酸塩とL-tert- ロイシン・
1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩とを分別
晶析させることで実施される。
ロイシンに光学活性1−(4−置換フェニル)エタンス
ルホン酸を作用させ、必要に応じて加熱溶解し、静置ま
たは撹拌下に放冷して生成する難溶性ジアステレオマー
塩の結晶を析出させ、D-tert- ロイシン・1−(4−置
換フェニル)エタンスルホン酸塩とL-tert- ロイシン・
1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩とを分別
晶析させることで実施される。
【0021】本発明に用いられる溶媒としては、水また
はメタノール、エタノールもしくはプロパノールなどの
アルコール類、アセトンもしくはメチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ベンゼ
ン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素
類、塩化メチレンもしくはクロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、またはヘキサンもしくはシクロへキサン
などの飽和脂肪族炭化水素類などを好適な例としてあげ
ることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよい
が、必要に応じて適当な比率で二種類またはそれ以上を
混合して使用してもよい。とりわけ、水単独または水と
アルコール類との混合溶媒が好ましい。
はメタノール、エタノールもしくはプロパノールなどの
アルコール類、アセトンもしくはメチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ベンゼ
ン、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素
類、塩化メチレンもしくはクロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、またはヘキサンもしくはシクロへキサン
などの飽和脂肪族炭化水素類などを好適な例としてあげ
ることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよい
が、必要に応じて適当な比率で二種類またはそれ以上を
混合して使用してもよい。とりわけ、水単独または水と
アルコール類との混合溶媒が好ましい。
【0022】ここで用いられる光学活性1−(4−置換
フェニル)エタンスルホン酸の使用量は、とくに限定さ
れるものではないが、DL-tert-ロイシンに対して0.5 〜
1.5倍モル量、好ましくは0.9 〜1.2 モル量を使用する
のが好適である。
フェニル)エタンスルホン酸の使用量は、とくに限定さ
れるものではないが、DL-tert-ロイシンに対して0.5 〜
1.5倍モル量、好ましくは0.9 〜1.2 モル量を使用する
のが好適である。
【0023】反応溶液から難溶性ジアステレオマー塩を
析出させる温度条件としては、上記の各溶媒の凝固点か
ら沸点までが可能であるが、好ましい温度範囲は室温か
ら溶媒の沸点以下である。
析出させる温度条件としては、上記の各溶媒の凝固点か
ら沸点までが可能であるが、好ましい温度範囲は室温か
ら溶媒の沸点以下である。
【0024】D-tert- ロイシン・1−(4−置換フェニ
ル)エタンスルホン酸塩とL-tert-ロイシン・1−(4
−置換フェニル)エタンスルホン酸塩の溶解度差は充分
大きい。したがって、この方法により、容易に光学純度
の高い光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フェニ
ル)エタンスルホン酸塩を分離することができる。
ル)エタンスルホン酸塩とL-tert-ロイシン・1−(4
−置換フェニル)エタンスルホン酸塩の溶解度差は充分
大きい。したがって、この方法により、容易に光学純度
の高い光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フェニ
ル)エタンスルホン酸塩を分離することができる。
【0025】また、本発明では反応液から難溶性ジアス
テレオマー塩は容易に析出するので、接種の必要はない
が、析出を容易にするため適当な温度条件下で目的とす
るジアステレオマー塩と同種の結晶を接種してもなんら
問題はない。
テレオマー塩は容易に析出するので、接種の必要はない
が、析出を容易にするため適当な温度条件下で目的とす
るジアステレオマー塩と同種の結晶を接種してもなんら
問題はない。
【0026】反応液から析出した難溶性ジアステレオマ
ー塩の結晶は、ろ過、遠心分離などの通常の固液分離法
によって容易に分離することができる。また、えられた
難溶性ジアステレオマー塩の結晶は、必要に応じて再結
晶してその純度を高めることができる。
ー塩の結晶は、ろ過、遠心分離などの通常の固液分離法
によって容易に分離することができる。また、えられた
難溶性ジアステレオマー塩の結晶は、必要に応じて再結
晶してその純度を高めることができる。
【0027】かくして分離されたジアステレオマー塩
は、さらに、公知のいかなる方法によっても分解でき、
たとえば、水またはアルコール類に溶解し、水酸化ナト
リウム、トリエチルアミンまたはピリジンのような塩基
で中和するか、水に溶解し強酸性陽イオン交換樹脂を充
填したカラムに通液した後、アンモニアで溶離すること
により容易に分解でき光学活性tert- ロイシンを取得す
ることができる。
は、さらに、公知のいかなる方法によっても分解でき、
たとえば、水またはアルコール類に溶解し、水酸化ナト
リウム、トリエチルアミンまたはピリジンのような塩基
で中和するか、水に溶解し強酸性陽イオン交換樹脂を充
填したカラムに通液した後、アンモニアで溶離すること
により容易に分解でき光学活性tert- ロイシンを取得す
ることができる。
【0028】また、分割剤の光学活性1−(4−置換フ
ェニル)エタンスルホン酸は化学的にも光学的にも安定
な分割剤であるので、塩分解後の母液から通常の方法に
より回収して、再利用が可能である。
ェニル)エタンスルホン酸は化学的にも光学的にも安定
な分割剤であるので、塩分解後の母液から通常の方法に
より回収して、再利用が可能である。
【0029】以下実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
発明はこれらによって限定されるものではない。
【0030】実施例1 DL-tert-ロイシン (Leu)8.14g(0.062 モル)を14.2%
(+)−1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸
(MPES)水溶液88.7g(0.063 モル)に70〜80℃で加熱溶
解し、徐冷後室温下に1時間撹拌した。析出晶を濾過
し、少量の冷水およびアセトニトリルで洗浄後減圧乾燥
し、L-tert-Leu・(+)−MPES塩6.17g(用いたDL- 体
に対して収率30.0%)をえた。融点は233 〜234 ℃(分
解)、比施光度は
(+)−1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸
(MPES)水溶液88.7g(0.063 モル)に70〜80℃で加熱溶
解し、徐冷後室温下に1時間撹拌した。析出晶を濾過
し、少量の冷水およびアセトニトリルで洗浄後減圧乾燥
し、L-tert-Leu・(+)−MPES塩6.17g(用いたDL- 体
に対して収率30.0%)をえた。融点は233 〜234 ℃(分
解)、比施光度は
【0031】
【数1】
【0032】であった。この塩6.1 gを純水170ml に溶
解し、IR−120 (H+ )イオン交換樹脂30mlに通液し、
洗浄(通過液および洗液は合わせて濃縮し(+)−MPES
を回収した)後、5%アンモニア水でL-tert-Leuを溶離
した。溶離液と洗液を合わせて濃縮乾固しアセトンに分
散後濾過して80℃で5時間乾燥し、L-tert-Leu 2.33g
(収率96.5%)をえた。比施光度は
解し、IR−120 (H+ )イオン交換樹脂30mlに通液し、
洗浄(通過液および洗液は合わせて濃縮し(+)−MPES
を回収した)後、5%アンモニア水でL-tert-Leuを溶離
した。溶離液と洗液を合わせて濃縮乾固しアセトンに分
散後濾過して80℃で5時間乾燥し、L-tert-Leu 2.33g
(収率96.5%)をえた。比施光度は
【0033】
【数2】
【0034】であった。
【0035】実施例2 DL-tert-Leu8.67 g(0.066 モル)を14.1%(−)−MP
ES水溶液95.5g(0.067 モル)に70〜80℃に加熱溶解
し、徐冷後室温下に1時間撹拌した。析出晶を濾過し、
少量の冷水およびアセトニトリルで洗浄後減圧乾燥し、
D-tert-Leu・(−)−MPES塩7.09g(用いたDL−体に対
して収率32.3%)をえた。融点は233〜234 ℃(分
解)、比施光度は
ES水溶液95.5g(0.067 モル)に70〜80℃に加熱溶解
し、徐冷後室温下に1時間撹拌した。析出晶を濾過し、
少量の冷水およびアセトニトリルで洗浄後減圧乾燥し、
D-tert-Leu・(−)−MPES塩7.09g(用いたDL−体に対
して収率32.3%)をえた。融点は233〜234 ℃(分
解)、比施光度は
【0036】
【数3】
【0037】であった。この塩7.00gを純水200ml に溶
解し、実施例1と同様にIR−120 (H+ )イオン交換樹
脂処理してD-tert-Leu 2.75g(収率99.3%)をえた。
比施光度は
解し、実施例1と同様にIR−120 (H+ )イオン交換樹
脂処理してD-tert-Leu 2.75g(収率99.3%)をえた。
比施光度は
【0038】
【数4】
【0039】であった。
【0040】実施例3 DL-tert-Leu2.0g(0.016 モル)を7.0 %(−)−1−
(4−クロロフェニル)エタンスルホン酸(CPES)水溶液
50g(0.017 モル)に70〜80℃で加熱溶解し、徐冷後室
温下2時間撹拌した。析出晶を濾過し、少量の冷水およ
びアセトニトリルで洗浄後減圧乾燥し、D-tert-Leu・
(−)−CPES塩2.52gをえた。この塩を水30mlから再結
晶することによって、D- tert-Leu ・(−)−CPES塩1.
25g(用いたDL−体に対して収率23.5%)をえた。融点
は234 〜235 ℃(分解)、比施光度は
(4−クロロフェニル)エタンスルホン酸(CPES)水溶液
50g(0.017 モル)に70〜80℃で加熱溶解し、徐冷後室
温下2時間撹拌した。析出晶を濾過し、少量の冷水およ
びアセトニトリルで洗浄後減圧乾燥し、D-tert-Leu・
(−)−CPES塩2.52gをえた。この塩を水30mlから再結
晶することによって、D- tert-Leu ・(−)−CPES塩1.
25g(用いたDL−体に対して収率23.5%)をえた。融点
は234 〜235 ℃(分解)、比施光度は
【0041】
【数5】
【0042】であった。この塩1.0 gを純水50mlに溶解
し、実施例1と同様にIR−120 (H+)イオン交換樹脂
で処理してD−tert−Leu 0.37g(収率99.0
%)をえた。比施光度は
し、実施例1と同様にIR−120 (H+)イオン交換樹脂
で処理してD−tert−Leu 0.37g(収率99.0
%)をえた。比施光度は
【0043】
【数6】
【0044】であった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、新規な光学活性tert- ロ
イシン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩
をえることができ、この中間体を用いて従来の煩雑な工
程を行なうことなく容易に、光学純度の高い光学活性te
rt- ロイシンを高収率にえることができる。
イシン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩
をえることができ、この中間体を用いて従来の煩雑な工
程を行なうことなく容易に、光学純度の高い光学活性te
rt- ロイシンを高収率にえることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Aは水素原子、アルキル基またはハロゲン基、
*は不斉炭素を表わす)で示される光学活性tert- ロイ
シン・1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸塩。 - 【請求項2】 DL-tert-ロイシンに一般式(II) 【化2】 (式中、Aは水素原子、アルキル基またはハロゲン基、
*は不斉炭素を表わす)で示される光学活性1−(4−
置換フェニル)エタンスルホン酸を作用させることを特
徴とする光学活性tert- ロイシン・1−(4−置換フェ
ニル)エタンスルホン酸塩の製造法。 - 【請求項3】 DL-tert-ロイシンを一般式(II) 【化3】 (式中、Aは水素原子、アルキル基またはハロゲン基、
*は不斉炭素を表わす)で示される光学活性1−(4−
置換フェニル)エタンスルホン酸と反応させ、生成する
2種ジアステレオマー塩の溶解度差を利用してその一方
の難溶性ジアステレオマー塩たる一般式(I) 【化4】 (式中、Aおよび*は前記と同じ)で示される光学活性
tert- ロイシン・1−(4−置換フェニル)エタンスル
ホン酸塩を分離・採取し、ついで該塩を分解することを
特徴とする光学活性tert- ロイシンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4073940A JP2555244B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4073940A JP2555244B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271169A true JPH05271169A (ja) | 1993-10-19 |
JP2555244B2 JP2555244B2 (ja) | 1996-11-20 |
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ID=13532618
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JP4073940A Expired - Lifetime JP2555244B2 (ja) | 1992-03-30 | 1992-03-30 | 新規な光学活性tert−ロイシン・1−(4−メチルフェニル)エタンスルホン酸塩およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2555244B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0604857A1 (en) * | 1992-12-28 | 1994-07-06 | Tanabe Seiyaku Co., Ltd. | Process for preparing optically active 4-mercapto-2-pyrrolidone derivative and intermediate therefor |
US5495012A (en) * | 1992-12-28 | 1996-02-27 | Tanabe Seiyaku Co., Ltd. | Process for preparing optically active 4-mercapto-2-pyrrolidone derivative and intermediate therefor |
WO2003074470A1 (fr) * | 2002-03-06 | 2003-09-12 | Ajinomoto Co., Inc. | Procede de production de tert-leucine |
EP2502896A1 (en) * | 2011-03-21 | 2012-09-26 | Divi's Laboratories Limited | A process for the preparation of enantiomerically pure tert-leucine |
CN103159647A (zh) * | 2011-12-15 | 2013-06-19 | 浙江九洲药业股份有限公司 | 一种n-甲氧羰基-l-叔亮氨酸的制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59170057A (ja) * | 1983-03-16 | 1984-09-26 | Tanabe Seiyaku Co Ltd | スルホン酸誘導体及びその製法 |
JPH0312052A (ja) * | 1989-06-08 | 1991-01-21 | Sony Corp | テープローディング装置 |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP4073940A patent/JP2555244B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2555244B2 (ja) | 1996-11-20 |
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