JP2580404B2 - ビナフトール類のラセミ化および光学分割法 - Google Patents
ビナフトール類のラセミ化および光学分割法Info
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- binaphthyl
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビナフトール類のラセ
ミ化方法およびラセミ化と同時に光学分割を行なわせし
める光学分割法に関する。
ミ化方法およびラセミ化と同時に光学分割を行なわせし
める光学分割法に関する。
【0002】
【従来の技術】広範囲にわたる不斉反応において極めて
有用な光学活性化合物であるビナフトール類(例えば、
J. Am. Chem. Soc., 106, 6709 (1984) はラセミ体のビ
ナフトール類を光学分割することにより、光学活性体が
得られていた(例えば、Synthesis, 222 (1990) )。し
たがって、一対の鏡像体のうち、必要とする鏡像体を用
いた残りの部分の不要になる側の鏡像体は、無駄になっ
て非経済的である。そこで、いかに効率的に不要になる
側の鏡像体をラセミ化し、必要な鏡像体に戻せるかが重
要である。しかしながら、ビナフトール類のラセミ化に
ついての研究は少なく、ジオキサン中、塩酸を作用させ
る方法とブタノール中水酸化カリウムを作用させる方法
が知られているのみであった。
有用な光学活性化合物であるビナフトール類(例えば、
J. Am. Chem. Soc., 106, 6709 (1984) はラセミ体のビ
ナフトール類を光学分割することにより、光学活性体が
得られていた(例えば、Synthesis, 222 (1990) )。し
たがって、一対の鏡像体のうち、必要とする鏡像体を用
いた残りの部分の不要になる側の鏡像体は、無駄になっ
て非経済的である。そこで、いかに効率的に不要になる
側の鏡像体をラセミ化し、必要な鏡像体に戻せるかが重
要である。しかしながら、ビナフトール類のラセミ化に
ついての研究は少なく、ジオキサン中、塩酸を作用させ
る方法とブタノール中水酸化カリウムを作用させる方法
が知られているのみであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は、ラセミ化が遅いうえに、容積効率が低い。こ
のため、ラセミ化が速く進行し、容積効率も良く、経済
的なビナフトール類のラセミ化方法、または特別なラセ
ミ化の操作を必要とせずに、ラセミ化と光学分割が同時
に行えるようなビナフトール類の光学分割法が望まれて
いる。本発明の目的は、工業的な光学活性ビナフトール
類の製造方法としてふさわしい経済的なビナフトール類
のラセミ化方法、およびラセミ化と光学分割を同時に行
なわせしめるビナフトール類の光学分割法を提供するこ
とである。
の方法は、ラセミ化が遅いうえに、容積効率が低い。こ
のため、ラセミ化が速く進行し、容積効率も良く、経済
的なビナフトール類のラセミ化方法、または特別なラセ
ミ化の操作を必要とせずに、ラセミ化と光学分割が同時
に行えるようなビナフトール類の光学分割法が望まれて
いる。本発明の目的は、工業的な光学活性ビナフトール
類の製造方法としてふさわしい経済的なビナフトール類
のラセミ化方法、およびラセミ化と光学分割を同時に行
なわせしめるビナフトール類の光学分割法を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を解
決するため種々の検討を行なった結果、ジアミンを反応
させ加熱することにより、ビナフトール類のラセミ化を
簡単に行なえることを見出し本発明に至った。すなわ
ち、本発明のビナフトール類のラセミ化方法は、一般式
(A)
決するため種々の検討を行なった結果、ジアミンを反応
させ加熱することにより、ビナフトール類のラセミ化を
簡単に行なえることを見出し本発明に至った。すなわ
ち、本発明のビナフトール類のラセミ化方法は、一般式
(A)
【化2】 で示されるビナフトール類に光学不活性ジアミンを作用
させて加熱することを特徴とする。また、本発明のビナ
フトール類の光学分割法は、上記一般式(A)で示され
るビナフトール類に光学活性ジアミンを作用させ加熱す
ることによるラセミ化後、冷却して生成する結晶成分と
液成分とを分離することを特徴とする。
させて加熱することを特徴とする。また、本発明のビナ
フトール類の光学分割法は、上記一般式(A)で示され
るビナフトール類に光学活性ジアミンを作用させ加熱す
ることによるラセミ化後、冷却して生成する結晶成分と
液成分とを分離することを特徴とする。
【0005】本発明のラセミ化方法の加熱は、ビナフト
ール類を単にその融点以上に加熱するだけで良く、必要
な加熱時間はビナフトール類の構造および量に依存する
が、10分程度でほとんど完全にラセミ化する。ラセミ
化の際には分解反応などを抑制するために窒素雰囲気下
で行なうことが望ましい。
ール類を単にその融点以上に加熱するだけで良く、必要
な加熱時間はビナフトール類の構造および量に依存する
が、10分程度でほとんど完全にラセミ化する。ラセミ
化の際には分解反応などを抑制するために窒素雰囲気下
で行なうことが望ましい。
【0006】本発明のラセミ化方法のアミンの作用は、
ビナフトール類をアミン存在下で加熱することにより行
なわれる。用いるアミンはエチレンジアミン、o‐フェ
ニレンジアミン、1,2‐シクロヘキサンジアミン、
1,2‐ジフェニルエチレンジアミンなどの1,2‐ジ
アミンがラセミ化の速度の点で適している。これを無溶
媒で行なうときは、その混合物、またはビナフトール類
とアミンからあらかじめ調製した錯体の融点以上に加熱
するだけで良い。必要な加熱時間はビナフトール類およ
びアミンの構造および量に依存するが、2時間程度でビ
ナフトール類はほとんど完全にラセミ化する。このラセ
ミ化した混合物または錯体からラセミ体のビナフトール
類を単離するには塩酸、硫酸、または酢酸などの酸を加
え、室温でかくはんして処理する。またはアミンの沸点
が低い場合には、加熱を減圧下で行なうことにより、ビ
ナフトール類をラセミ化させるとともにアミンを分離す
ることができる。
ビナフトール類をアミン存在下で加熱することにより行
なわれる。用いるアミンはエチレンジアミン、o‐フェ
ニレンジアミン、1,2‐シクロヘキサンジアミン、
1,2‐ジフェニルエチレンジアミンなどの1,2‐ジ
アミンがラセミ化の速度の点で適している。これを無溶
媒で行なうときは、その混合物、またはビナフトール類
とアミンからあらかじめ調製した錯体の融点以上に加熱
するだけで良い。必要な加熱時間はビナフトール類およ
びアミンの構造および量に依存するが、2時間程度でビ
ナフトール類はほとんど完全にラセミ化する。このラセ
ミ化した混合物または錯体からラセミ体のビナフトール
類を単離するには塩酸、硫酸、または酢酸などの酸を加
え、室温でかくはんして処理する。またはアミンの沸点
が低い場合には、加熱を減圧下で行なうことにより、ビ
ナフトール類をラセミ化させるとともにアミンを分離す
ることができる。
【0007】ラセミ化を溶媒中で行なわせるときは、そ
の溶液の沸点に加熱することにより効率的に行なわれ
る。用いる溶媒は加熱時にビナフトール類およびアミン
を溶解するものであればよく、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ブロモベンゼンなどの沸点を有するものであれ
ばよい。必要な加熱時間はビナフトール類およびアミン
の構造、量および溶媒の種類に依存し、かつビナフトー
ル類の立体配置および光学純度に大きく依存する。
の溶液の沸点に加熱することにより効率的に行なわれ
る。用いる溶媒は加熱時にビナフトール類およびアミン
を溶解するものであればよく、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ブロモベンゼンなどの沸点を有するものであれ
ばよい。必要な加熱時間はビナフトール類およびアミン
の構造、量および溶媒の種類に依存し、かつビナフトー
ル類の立体配置および光学純度に大きく依存する。
【0008】使用するビナフトール類が不要の側の鏡像
体を多く含むにつれて還流時間を長くする必要がある
が、不要の側の鏡像体の含有率が100%でも24時間
程度でビナフトール類はほとんど完全にラセミ化する。
ラセミ化の際には分解反応などを抑制するために窒素雰
囲気下で行なうことが望ましい。このラセミ化した混合
物または錯体の溶液からラセミ体のビナフトール類を単
離するには、溶媒を留去して得た残渣に塩酸、硫酸、ま
たは酢酸などの酸を加え、室温でかくはんして処理す
る。またはアミンの沸点が低い場合には、溶媒を留去し
て得た残渣を減圧下で加熱することによっても、アミン
を分離し、ラセミ体のビナフトール類を得ることができ
る。
体を多く含むにつれて還流時間を長くする必要がある
が、不要の側の鏡像体の含有率が100%でも24時間
程度でビナフトール類はほとんど完全にラセミ化する。
ラセミ化の際には分解反応などを抑制するために窒素雰
囲気下で行なうことが望ましい。このラセミ化した混合
物または錯体の溶液からラセミ体のビナフトール類を単
離するには、溶媒を留去して得た残渣に塩酸、硫酸、ま
たは酢酸などの酸を加え、室温でかくはんして処理す
る。またはアミンの沸点が低い場合には、溶媒を留去し
て得た残渣を減圧下で加熱することによっても、アミン
を分離し、ラセミ体のビナフトール類を得ることができ
る。
【0009】本発明の光学分割法は、ビナフトール類と
光学活性1,2‐ジアミンの溶液を加熱後、放冷し析出
した結晶をろ取し、ろ液を更に加熱還流し、放冷し析出
した結晶をろ取する操作を繰り返すことによって行なわ
れる。用いるアミンとしては、光学活性1,2‐シクロ
ヘキサンジアミン、光学活性1,2‐ジフェニルエチレ
ンジアミンなどが適している。用いる溶媒は加熱時にビ
ナフトール類およびアミンを溶解するものであればよ
く、ベンゼン、トルエン、キシレン、ブロモベンゼンな
どの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパ
ノールなどのアルコール類が望ましい。必要な加熱時間
はビナフトール類およびアミンの構造、量および溶媒の
種類に依存し、かつビナフトール類の立体配置および光
学純度に大きく依存する。使用するビナフトール類が不
要の側の鏡像体を多く含むにつれて還流時間を長くする
必要があるが、不要の側の鏡像体の含有率が100%で
も24時間程度でビナフトール類はほとんど完全にラセ
ミ化し、このうち必要な側の鏡像体が分割される。加熱
還流の際には分解反応などを抑制するために窒素雰囲気
下で行なうことが望ましい。ろ液の還流および結晶化の
回数は多ければ多いほど、必要な側の鏡像体の収率は上
り、100%に近くなるが、実際的には4回繰り返すだ
けで90%を越える。あるいは、工業的に実施する場合
には、1回目の光学分割の際に得られるろ液を新たにラ
セミ体のビナフトールと光学活性ジアミンの混合物に加
え、これを還流後、析出した結晶をろ過し、そのろ液を
再び、ラセミ体のビナフトールと光学活性ジアミンの混
合物に加え、同様に処理する操作を連続的に行うことも
可能である。このようにして得られた結晶を更に同じ溶
媒から再結晶することにより純度を上げることができ
る。この純度向上のための再結晶の際には長時間加熱す
るとかえって純度を下げることになるので、できるだけ
結晶が溶解すると同時に加熱を止め、放冷を開始するこ
とが望ましい。こうして得られた結晶は光学活性ビナフ
トール類と光学活性アミンの錯体であり、これから光学
活性ビナフトール類を単離するには、結晶に塩酸、硫
酸、または酢酸などの酸を加え、室温でかくはんしてア
ミンを分離する。
光学活性1,2‐ジアミンの溶液を加熱後、放冷し析出
した結晶をろ取し、ろ液を更に加熱還流し、放冷し析出
した結晶をろ取する操作を繰り返すことによって行なわ
れる。用いるアミンとしては、光学活性1,2‐シクロ
ヘキサンジアミン、光学活性1,2‐ジフェニルエチレ
ンジアミンなどが適している。用いる溶媒は加熱時にビ
ナフトール類およびアミンを溶解するものであればよ
く、ベンゼン、トルエン、キシレン、ブロモベンゼンな
どの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパ
ノールなどのアルコール類が望ましい。必要な加熱時間
はビナフトール類およびアミンの構造、量および溶媒の
種類に依存し、かつビナフトール類の立体配置および光
学純度に大きく依存する。使用するビナフトール類が不
要の側の鏡像体を多く含むにつれて還流時間を長くする
必要があるが、不要の側の鏡像体の含有率が100%で
も24時間程度でビナフトール類はほとんど完全にラセ
ミ化し、このうち必要な側の鏡像体が分割される。加熱
還流の際には分解反応などを抑制するために窒素雰囲気
下で行なうことが望ましい。ろ液の還流および結晶化の
回数は多ければ多いほど、必要な側の鏡像体の収率は上
り、100%に近くなるが、実際的には4回繰り返すだ
けで90%を越える。あるいは、工業的に実施する場合
には、1回目の光学分割の際に得られるろ液を新たにラ
セミ体のビナフトールと光学活性ジアミンの混合物に加
え、これを還流後、析出した結晶をろ過し、そのろ液を
再び、ラセミ体のビナフトールと光学活性ジアミンの混
合物に加え、同様に処理する操作を連続的に行うことも
可能である。このようにして得られた結晶を更に同じ溶
媒から再結晶することにより純度を上げることができ
る。この純度向上のための再結晶の際には長時間加熱す
るとかえって純度を下げることになるので、できるだけ
結晶が溶解すると同時に加熱を止め、放冷を開始するこ
とが望ましい。こうして得られた結晶は光学活性ビナフ
トール類と光学活性アミンの錯体であり、これから光学
活性ビナフトール類を単離するには、結晶に塩酸、硫
酸、または酢酸などの酸を加え、室温でかくはんしてア
ミンを分離する。
【0010】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれにより限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明の範囲はこれにより限定されるもの
ではない。
【0011】実施例1 窒素雰囲気下、光学純度100%ee(HPLC:ダイ
セル化学工業(株)製CHIRALPAK OT使用、
以下同様)の(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ
‐1,1′‐ビナフチルの1.00gを220℃で10
分間加熱し、溶融させた。冷却後、光学純度0%eeの
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルであっ
た。
セル化学工業(株)製CHIRALPAK OT使用、
以下同様)の(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ
‐1,1′‐ビナフチルの1.00gを220℃で10
分間加熱し、溶融させた。冷却後、光学純度0%eeの
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルであっ
た。
【0012】実施例2 窒素雰囲気下、光学純度100%eeの(R)‐(+)
‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの
2.65g(9.26mmol)とo‐フェニレンジアミン
の1.00g(9.25mmol)をトルエン5ml中、2時
間加熱還流後、冷却し、析出した結晶に氷冷下でエタノ
ール3mlと1M塩酸30mlを加え、30分間かくはんし
た。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、光学純度0
%eeの2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチ
ルの2.52g(8.80mmol)を得た。
‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの
2.65g(9.26mmol)とo‐フェニレンジアミン
の1.00g(9.25mmol)をトルエン5ml中、2時
間加熱還流後、冷却し、析出した結晶に氷冷下でエタノ
ール3mlと1M塩酸30mlを加え、30分間かくはんし
た。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、光学純度0
%eeの2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチ
ルの2.52g(8.80mmol)を得た。
【0013】実施例3 窒素雰囲気下、光学純度100%eeの(R)‐(+)
‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの
4.76g(16.6mmol)とエチレンジアミンの1.
00g(16.6mmol)をトルエン20ml中、20時間
加熱還流後、冷却し、析出した結晶に氷冷下でエタノー
ル3mlと1M塩酸30mlを加え、30分間かくはんし
た。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、光学純度0
%eeの2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチ
ルの4.09g(14.3mmol)を得た。
‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの
4.76g(16.6mmol)とエチレンジアミンの1.
00g(16.6mmol)をトルエン20ml中、20時間
加熱還流後、冷却し、析出した結晶に氷冷下でエタノー
ル3mlと1M塩酸30mlを加え、30分間かくはんし
た。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、光学純度0
%eeの2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチ
ルの4.09g(14.3mmol)を得た。
【0014】実施例4 窒素雰囲気下、dl‐1,2‐シクロヘキサンジアミン
の1.00g(8.76mmol)と光学純度100%ee
の(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′
‐ビナフチルの2.51g(8.77mmol)の混合物を
170℃で2時間、加熱溶解し、冷却後、氷冷下でエタ
ノール3mlと1M塩酸30mlを加え、30分間かくはん
した。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、光学純度
0%eeの2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルの2.46g(8.70mmol)を得た。
の1.00g(8.76mmol)と光学純度100%ee
の(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′
‐ビナフチルの2.51g(8.77mmol)の混合物を
170℃で2時間、加熱溶解し、冷却後、氷冷下でエタ
ノール3mlと1M塩酸30mlを加え、30分間かくはん
した。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、光学純度
0%eeの2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルの2.46g(8.70mmol)を得た。
【0015】実施例5 窒素雰囲気下、ベンゼン30mlに[α]D 20+103°
(c 1.00,MeOH)の(1R,2R)‐(+)
‐1,2‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンの1
0.0g(47.1mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒ
ドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの13.5g(47.
1mmol)を加え、加熱かくはんした後、室温まで冷却
し、析出した結晶をろ取した。ろ液をそのまま40時間
加熱還流させた後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ
取した。ろ液を還流させ、結晶化させる操作を合計5回
繰り返し、得られた結晶を合わせてベンゼンから3回再
結晶を行ない、(1R,2R)‐(+)‐1,2‐ジア
ミノー1,2‐ジフェニルエタン・(R)‐(+)‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチル錯体を
得た。その物性値はつぎのとおりである。 m.p.55−57℃、 IR(KBr disk):3520,3420,33
90,3300,3600−2000,1615,15
90,1505cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.2(s,6H),
3.8(s,2H),6.8−8.1(m,12H),
7.33(s,10H) この結晶に氷冷下でエタノール30mlと1M塩酸300
mlを加え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過
し、真空乾燥して、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒド
ロキシ‐1,1′‐ビナフチルの12.3g(42.9
mmol)を得た。収率91%、光学純度97%ee(HP
LC)、m.p.202−203℃であった。
(c 1.00,MeOH)の(1R,2R)‐(+)
‐1,2‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンの1
0.0g(47.1mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒ
ドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの13.5g(47.
1mmol)を加え、加熱かくはんした後、室温まで冷却
し、析出した結晶をろ取した。ろ液をそのまま40時間
加熱還流させた後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ
取した。ろ液を還流させ、結晶化させる操作を合計5回
繰り返し、得られた結晶を合わせてベンゼンから3回再
結晶を行ない、(1R,2R)‐(+)‐1,2‐ジア
ミノー1,2‐ジフェニルエタン・(R)‐(+)‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチル錯体を
得た。その物性値はつぎのとおりである。 m.p.55−57℃、 IR(KBr disk):3520,3420,33
90,3300,3600−2000,1615,15
90,1505cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:3.2(s,6H),
3.8(s,2H),6.8−8.1(m,12H),
7.33(s,10H) この結晶に氷冷下でエタノール30mlと1M塩酸300
mlを加え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過
し、真空乾燥して、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒド
ロキシ‐1,1′‐ビナフチルの12.3g(42.9
mmol)を得た。収率91%、光学純度97%ee(HP
LC)、m.p.202−203℃であった。
【0016】実施例6 窒素雰囲気下、トルエン300mlに[α]D 20−36.
7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加
え、加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結
晶をろ取した。ろ液をそのまま15時間加熱還流させた
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得ら
れた結晶を合わせてトルエンから2回再結晶を行ない、
(1R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサンジア
ミン・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチル・トルエン(1:1:1)錯体の38
8gを得た。物性値はつぎのとおりである。 m.p.150−155℃、 IR(,KBr disk):3450,3380,3
300,3060,1620,1600,1515,8
20,745cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.0−2.0(m,
8H),3.6(s,8H),7.1−8.3(m,1
2H),7.4(s,12H) この結晶388g(788mmol)に氷冷下でメタノール
400mlと1M塩酸4000mlを加え、30分間かくは
んした。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、(R)
‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルの221g(772mmol)を得た。収率88%、光
学純度100%ee(HPLC)、m.p.202−2
03℃であった。
7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加
え、加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結
晶をろ取した。ろ液をそのまま15時間加熱還流させた
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得ら
れた結晶を合わせてトルエンから2回再結晶を行ない、
(1R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサンジア
ミン・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチル・トルエン(1:1:1)錯体の38
8gを得た。物性値はつぎのとおりである。 m.p.150−155℃、 IR(,KBr disk):3450,3380,3
300,3060,1620,1600,1515,8
20,745cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.0−2.0(m,
8H),3.6(s,8H),7.1−8.3(m,1
2H),7.4(s,12H) この結晶388g(788mmol)に氷冷下でメタノール
400mlと1M塩酸4000mlを加え、30分間かくは
んした。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、(R)
‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルの221g(772mmol)を得た。収率88%、光
学純度100%ee(HPLC)、m.p.202−2
03℃であった。
【0017】実施例7 窒素雰囲気下、トルエン300mlに[α]D 20+36.
7°(c 4.14,H2 O)の(1S,2S)‐
(+)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加
え、加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結
晶をろ取した。ろ液をそのまま15時間加熱還流させた
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得ら
れた結晶を合わせてトルエンから2回再結晶を行ない、
(1S,2S)‐(+)‐1,2‐シクロヘキサンジア
ミン・(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチル・トルエン(1:1:1)錯体の39
2gを得た。物性値はつぎのとおりである。 m.p.150−155℃、 IR(,KBr disk):3450,3380,3
300,3060,1620,1600,1515,8
20,745cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.0−2.0(m,
8H),3.6(s,8H),7.1−8.3(m,1
2H),7.4(s,12H) この結晶392g(796mmol)に氷冷下でメタノール
400mlと1M塩酸4000mlを加え、30分間かくは
んした。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、(S)
‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルの223g(780mmol)を得た。収率89%、光
学純度100%ee(HPLC)、m.p.202−2
03℃であった。
7°(c 4.14,H2 O)の(1S,2S)‐
(+)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加
え、加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結
晶をろ取した。ろ液をそのまま15時間加熱還流させた
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得ら
れた結晶を合わせてトルエンから2回再結晶を行ない、
(1S,2S)‐(+)‐1,2‐シクロヘキサンジア
ミン・(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチル・トルエン(1:1:1)錯体の39
2gを得た。物性値はつぎのとおりである。 m.p.150−155℃、 IR(,KBr disk):3450,3380,3
300,3060,1620,1600,1515,8
20,745cm-1 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.0−2.0(m,
8H),3.6(s,8H),7.1−8.3(m,1
2H),7.4(s,12H) この結晶392g(796mmol)に氷冷下でメタノール
400mlと1M塩酸4000mlを加え、30分間かくは
んした。析出した結晶をろ過し、真空乾燥して、(S)
‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルの223g(780mmol)を得た。収率89%、光
学純度100%ee(HPLC)、m.p.202−2
03℃であった。
【0018】実施例8 窒素雰囲気下、トルエン300mlに[α]D 20−36.
7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミン100g(8
76mmol)および光学純度100%ee(HPLC)の
(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチルの251g(877mmol)を加え、15時間
加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結晶を
ろ取した。ろ液をそのまま15時間加熱還流させた後、
室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を還流
させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得られた
結晶を合わせてトルエンから2回再結晶を行ない、(1
R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミン
・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′
‐ビナフチル・トルエン(1:1:1)錯体の370g
を得た。この結晶370g(751mmol)に氷冷下でメ
タノール400mlと1M塩酸4000mlを加え、30分
間かくはんした。析出した結晶をろ過し、真空乾燥し
て、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチルの211g(737mmol)を得た。収
率84%、光学純度100%ee(HPLC)、m.
p.202−203℃であった。
7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミン100g(8
76mmol)および光学純度100%ee(HPLC)の
(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチルの251g(877mmol)を加え、15時間
加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結晶を
ろ取した。ろ液をそのまま15時間加熱還流させた後、
室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を還流
させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得られた
結晶を合わせてトルエンから2回再結晶を行ない、(1
R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミン
・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′
‐ビナフチル・トルエン(1:1:1)錯体の370g
を得た。この結晶370g(751mmol)に氷冷下でメ
タノール400mlと1M塩酸4000mlを加え、30分
間かくはんした。析出した結晶をろ過し、真空乾燥し
て、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチルの211g(737mmol)を得た。収
率84%、光学純度100%ee(HPLC)、m.
p.202−203℃であった。
【0019】実施例9 窒素雰囲気下、m‐キシレン300mlに[α]D 20−3
6.7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)および光学純度100%ee(HPL
C)の(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加え、2
時間加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結
晶をろ取した。ろ液をそのまま2時間加熱還流させた
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得ら
れた結晶を合わせてm‐キシレンから再結晶を行ない、
(1R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサンジア
ミン・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチル・キシレン錯体を得た。この結晶に氷
冷下でメタノール400mlと1M塩酸4000mlを加
え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過し、真
空乾燥して、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ
‐1,1′‐ビナフチルの209g(730mmol)を得
た。収率83%、光学純度100%ee(HPLC)、
m.p.202−203℃であった。
6.7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)および光学純度100%ee(HPL
C)の(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加え、2
時間加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出した結
晶をろ取した。ろ液をそのまま2時間加熱還流させた
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、得ら
れた結晶を合わせてm‐キシレンから再結晶を行ない、
(1R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサンジア
ミン・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチル・キシレン錯体を得た。この結晶に氷
冷下でメタノール400mlと1M塩酸4000mlを加
え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過し、真
空乾燥して、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ
‐1,1′‐ビナフチルの209g(730mmol)を得
た。収率83%、光学純度100%ee(HPLC)、
m.p.202−203℃であった。
【0020】実施例10 窒素雰囲気下、p‐キシレン170mlに[α]D 20−3
6.7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの4.42g
(38.7mmol)およびdl‐6,6′‐ジブロモ‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの1
7.2g(38.7mmol)を加え、加熱かくはんした
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
そのまま24時間加熱還流させた後、室温まで冷却し、
析出した結晶をろ取した。ろ液を還流させ、結晶化させ
る操作を合計4回繰り返し、得られた結晶を合わせてキ
シレンから5回再結晶を行ない、(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンと(R)‐
(−)‐6,6′ジブロモ‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルからなる結晶性錯体を得た。この
結晶に氷冷下でエタノール20mlと1M塩酸200mlを
加え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過し、
真空乾燥して、(R)‐(−)‐6,6′ジブロモ‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの1
5.8g(35.6mmol)を得た。収率92%、光学純
度100%ee(HPLC)であった。
6.7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの4.42g
(38.7mmol)およびdl‐6,6′‐ジブロモ‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの1
7.2g(38.7mmol)を加え、加熱かくはんした
後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ液を
そのまま24時間加熱還流させた後、室温まで冷却し、
析出した結晶をろ取した。ろ液を還流させ、結晶化させ
る操作を合計4回繰り返し、得られた結晶を合わせてキ
シレンから5回再結晶を行ない、(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンと(R)‐
(−)‐6,6′ジブロモ‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルからなる結晶性錯体を得た。この
結晶に氷冷下でエタノール20mlと1M塩酸200mlを
加え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過し、
真空乾燥して、(R)‐(−)‐6,6′ジブロモ‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの1
5.8g(35.6mmol)を得た。収率92%、光学純
度100%ee(HPLC)であった。
【0021】実施例11 窒素雰囲気下、混合キシレン300mlに[α]D 20−3
6.7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加
え、2時間加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出
した結晶をろ取した。ろ液をそのまま2時間加熱還流さ
せた後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ
液を還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、
得られた結晶を合わせて混合キシレンから再結晶を行な
い、(1R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサン
ジアミン・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチル・キシレン錯体を得た。この結晶
に氷冷下でメタノール800mlと1M塩酸4000mlを
加え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過し、
真空乾燥して、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキ
シ‐1,1′‐ビナフチルの200g(698mmol)を
得た。収率80%、光学純度100%ee(HPL
C)、m.p.202−203℃であった。
6.7°(c 4.14,H2 O)の(1R,2R)‐
(−)‐1,2‐シクロヘキサンジアミンの100g
(876mmol)およびdl‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルの251g(877mmol)を加
え、2時間加熱かくはんした後、室温まで冷却し、析出
した結晶をろ取した。ろ液をそのまま2時間加熱還流さ
せた後、室温まで冷却し、析出した結晶をろ取した。ろ
液を還流させ、結晶化させる操作を合計4回繰り返し、
得られた結晶を合わせて混合キシレンから再結晶を行な
い、(1R,2R)‐(−)‐1,2‐シクロヘキサン
ジアミン・(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチル・キシレン錯体を得た。この結晶
に氷冷下でメタノール800mlと1M塩酸4000mlを
加え、30分間かくはんした。析出した結晶をろ過し、
真空乾燥して、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキ
シ‐1,1′‐ビナフチルの200g(698mmol)を
得た。収率80%、光学純度100%ee(HPL
C)、m.p.202−203℃であった。
【0022】実施例12 トルエン1500mlに[α]D 20−35°(c 4.0
0,H2 O)の(1R,2R)‐(−)‐1,2‐ジア
ミノシクロヘキサン60g(525mmol)およびdl‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの15
0g(524mmol)を加え、加熱かくはんした後、室温
まで冷却し、ろ過することにより、(R)‐(+)‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルを含む
錯体の粗結晶を135g得た。ろ過液からトルエンを留
去して得られた残渣を170℃で1時間加熱した後、放
冷し100℃まで冷却したところでトルエン750mlを
加え、更に室温まで放冷し、ろ過することにより(R)
‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルを含む錯体の粗結晶を66g得た。ろ過液を濃縮、
加熱、希釈、放冷、そしてろ過する操作を計4回繰り返
し、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチルを含む錯体の粗結晶を合わせて251
g得た。これをトルエン2500mlから再結晶し、
(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチル・(1R,2R)‐(−)‐1,2‐ジアミ
ノシクロヘキサン・トルエン(1:1:1)錯体213
g(432mmol)を得た(収率82%)。この結晶をメ
タノール400mlに懸濁させ、1M塩酸2000mlを加
え、室温で30分間かくはんした。析出した白色固体を
水で洗浄後、減圧下で乾燥し、(R)‐(+)‐2,
2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチル120g
(419mmol)を得た。収率80%、光学純度100%
ee(HPLC、ダイセル化学工業(株)製CHIRA
LPAK OT,MeOH,0.5ml/minm)であっ
た。
0,H2 O)の(1R,2R)‐(−)‐1,2‐ジア
ミノシクロヘキサン60g(525mmol)およびdl‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの15
0g(524mmol)を加え、加熱かくはんした後、室温
まで冷却し、ろ過することにより、(R)‐(+)‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルを含む
錯体の粗結晶を135g得た。ろ過液からトルエンを留
去して得られた残渣を170℃で1時間加熱した後、放
冷し100℃まで冷却したところでトルエン750mlを
加え、更に室温まで放冷し、ろ過することにより(R)
‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフ
チルを含む錯体の粗結晶を66g得た。ろ過液を濃縮、
加熱、希釈、放冷、そしてろ過する操作を計4回繰り返
し、(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,
1′‐ビナフチルを含む錯体の粗結晶を合わせて251
g得た。これをトルエン2500mlから再結晶し、
(R)‐(+)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチル・(1R,2R)‐(−)‐1,2‐ジアミ
ノシクロヘキサン・トルエン(1:1:1)錯体213
g(432mmol)を得た(収率82%)。この結晶をメ
タノール400mlに懸濁させ、1M塩酸2000mlを加
え、室温で30分間かくはんした。析出した白色固体を
水で洗浄後、減圧下で乾燥し、(R)‐(+)‐2,
2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチル120g
(419mmol)を得た。収率80%、光学純度100%
ee(HPLC、ダイセル化学工業(株)製CHIRA
LPAK OT,MeOH,0.5ml/minm)であっ
た。
【0023】実施例13 トルエン1500mlに[α]D 20−35°(c 4.0
0,H2 O)の(1S,2S)‐(+)‐1,2‐ジア
ミノシクロヘキサン60g(525mmol)およびdl‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの15
0g(524mmol)を加え、加熱かくはんした後、室温
まで冷却し、ろ過することにより、(S)‐(−)‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルを含む
錯体の粗結晶を133g得た。ろ過液からトルエンを留
去して得られた残渣を200℃で15分間加熱した後、
放冷し100℃まで冷却したところでトルエン750ml
を加え、更に室温まで放冷し、ろ過することにより
(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチルを含む錯体の粗結晶を68g得た。ろ過液を
濃縮、加熱、希釈、放冷、そしてろ過する操作を計5回
繰り返し、(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルを含む錯体の粗結晶を合わせて2
57g得た。これをトルエン2500mlから再結晶し、
(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチル・(1S,2S)‐(+)‐1,2‐ジアミ
ノシクロヘキサン・トルエン(1:1:1)錯体221
g(449mmol)を得た(収率86%)。この結晶をメ
タノール450mlに懸濁させ、1M塩酸2200mlを加
え、室温で30分間かくはんした。析出した白色固体を
水で洗浄後、減圧下で乾燥し、(S)‐(−)‐2,
2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチル126g
(440mmol)を得た。収率84%、光学純度100%
ee(HPLC、ダイセル化学工業(株)製CHIRA
LPAK OT,MeOH,0.5ml/minm)であっ
た。
0,H2 O)の(1S,2S)‐(+)‐1,2‐ジア
ミノシクロヘキサン60g(525mmol)およびdl‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルの15
0g(524mmol)を加え、加熱かくはんした後、室温
まで冷却し、ろ過することにより、(S)‐(−)‐
2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチルを含む
錯体の粗結晶を133g得た。ろ過液からトルエンを留
去して得られた残渣を200℃で15分間加熱した後、
放冷し100℃まで冷却したところでトルエン750ml
を加え、更に室温まで放冷し、ろ過することにより
(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチルを含む錯体の粗結晶を68g得た。ろ過液を
濃縮、加熱、希釈、放冷、そしてろ過する操作を計5回
繰り返し、(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐
1,1′‐ビナフチルを含む錯体の粗結晶を合わせて2
57g得た。これをトルエン2500mlから再結晶し、
(S)‐(−)‐2,2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐
ビナフチル・(1S,2S)‐(+)‐1,2‐ジアミ
ノシクロヘキサン・トルエン(1:1:1)錯体221
g(449mmol)を得た(収率86%)。この結晶をメ
タノール450mlに懸濁させ、1M塩酸2200mlを加
え、室温で30分間かくはんした。析出した白色固体を
水で洗浄後、減圧下で乾燥し、(S)‐(−)‐2,
2′‐ジヒドロキシ‐1,1′‐ビナフチル126g
(440mmol)を得た。収率84%、光学純度100%
ee(HPLC、ダイセル化学工業(株)製CHIRA
LPAK OT,MeOH,0.5ml/minm)であっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明は工業的な光学活性ビナフトール
類の製造方法としてふさわしい経済的なビナフトール類
のラセミ化方法、およびラセミ化と光学分割を同時に行
なわせしめるビナフトール類の光学分割法である。
類の製造方法としてふさわしい経済的なビナフトール類
のラセミ化方法、およびラセミ化と光学分割を同時に行
なわせしめるビナフトール類の光学分割法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 39/38 C07C 39/38 51/487 51/487 65/11 65/11 67/60 67/60 69/94 69/94 // C07M 7:00
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(A) 【化1】 で示されるビナフトール類に光学不活性ジアミンを作用
させて加熱することを特徴とするビナフトール類のラセ
ミ化方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の一般式(A)で示される
ビナフトール類に光学活性ジアミンを作用させ加熱する
ことによるラセミ化後、冷却して生成する結晶成分と液
成分とを分離することを特徴とするビナフトール類の光
学分割法。
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---|---|---|---|
JP3117859A JP2580404B2 (ja) | 1991-04-23 | 1991-04-23 | ビナフトール類のラセミ化および光学分割法 |
CA002048286A CA2048286A1 (en) | 1990-08-06 | 1991-08-01 | Optical resolution method |
EP91307218A EP0471498B1 (en) | 1990-08-06 | 1991-08-06 | Optical resolution method |
DE69128442T DE69128442T2 (de) | 1990-08-06 | 1991-08-06 | Optisches Trennungsverfahren |
US07/974,826 US5395962A (en) | 1990-08-06 | 1992-11-16 | Optical resolution method |
US08/293,036 US5510520A (en) | 1990-08-06 | 1994-08-19 | Optical resolution method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3117859A JP2580404B2 (ja) | 1991-04-23 | 1991-04-23 | ビナフトール類のラセミ化および光学分割法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3117859A Expired - Lifetime JP2580404B2 (ja) | 1990-08-06 | 1991-04-23 | ビナフトール類のラセミ化および光学分割法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2580404B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100870227B1 (ko) | 2007-07-20 | 2008-11-24 | (주)그린포뮬라 | 강력한 수소결합 제공기를 갖는 알라닌 라스메이즈 모방키랄 바이나프톨 유도체 및 이 유도체를 이용한 광학 분할및 변환 방법 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61172841A (ja) * | 1985-01-29 | 1986-08-04 | Nissan Chem Ind Ltd | ビ−2−ナフト−ル誘導体の製造法 |
JPS6466143A (en) * | 1987-09-07 | 1989-03-13 | Nippon Kayaku Kk | Racemization of optically active alpha-substituted aryl acetic acid |
JP2689600B2 (ja) * | 1989-05-08 | 1997-12-10 | 住友化学工業株式会社 | α―イソプロピル―p―クロロフェニル酢酸の光学分割法 |
-
1991
- 1991-04-23 JP JP3117859A patent/JP2580404B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100870227B1 (ko) | 2007-07-20 | 2008-11-24 | (주)그린포뮬라 | 강력한 수소결합 제공기를 갖는 알라닌 라스메이즈 모방키랄 바이나프톨 유도체 및 이 유도체를 이용한 광학 분할및 변환 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04330026A (ja) | 1992-11-18 |
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