JPH08325213A - 光学活性 1−(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法 - Google Patents

光学活性 1−(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法

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JPH08325213A
JPH08325213A JP7227965A JP22796595A JPH08325213A JP H08325213 A JPH08325213 A JP H08325213A JP 7227965 A JP7227965 A JP 7227965A JP 22796595 A JP22796595 A JP 22796595A JP H08325213 A JPH08325213 A JP H08325213A
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勝久 増本
Koju Hagitani
弘寿 萩谷
Etsuko Harada
恵津子 原田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 有機溶媒下、一般式〔I〕 (式中、クロル原子は2,3-、2,4-、2,6-又は3,4-位に置
換していることを表し、*は不斉炭素を表す。)で示さ
れる1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類のRS体
を光学活性なマンデル酸で光学分割することを特徴とす
る、対応する光学活性な1-( ジクロロ置換フェニル) エ
チルアミン類の製造方法。 【効果】 本発明によれば、溶媒として有機溶媒を用
い、かつ光学分割剤として光学活性なマンデル酸という
特定のカルボン酸を用いることにより、目的とする光学
活性 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類を高い
光学純度で容易にしかも効率良く製造し得る。加えて、
光学分割剤としての光学活性なマンデル酸も容易に回収
し得、リサイクルすることができるので工業的に有利で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1-(ジクロロ置換
フェニル) エチルアミン類のRS体を光学分割することに
よる、対応する光学活性1-( ジクロロ置換フェニル) エ
チルアミン類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】1-(ジ
クロロ置換フェニル) エチルアミン類は、農薬、医薬中
間体、光学分割剤及び不斉誘導剤等として有用な化合物
である(特開平 2-76846号公報、J.Med.Chem.,16,106(1
973). 、特開平2-306942号公報など) 。例えば、光学活
性な1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミンの製造方
法としては、そのRS体を水溶媒下にN-ホルミルフェニル
アラニンで光学分割することが知られている(特開平 2
-306942 号公報) が、この方法では、フェニルアラニン
をホルミル化して用いるため、フェニルアラニンが高価
であるという問題の他に操作が煩雑になるという工業上
の問題があった。
【0003】一方、1-(4- クロロフェニル) エチルアミ
ンの光学分割方法として、メタノール溶媒下に酒石酸を
用いる方法(J.Chem.Soc.,(B)1971,2418)が、1-フェニル
エチルアミンの光学分割方法として、水溶媒下にマンデ
ル酸を用いる方法( 特開昭 56-26848 号公報) 、水溶媒
下に酒石酸、リンゴ酸を用いる方法(Org.Synthesis,Col
l.Vol.,506(1943)) が知られている。しかしながら、
これらの1-フェニルエチルアミン類の光学分割方法を1-
( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類に適用して
も、光学分割し得ないあるいは光学純度の著しく低いも
のしか得られないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは、より工業的に優れた光学活性 1-(ジクロロ置
換フェニル) エチルアミン類の製造方法を見出すべく、
鋭意検討を重ねた結果、分割溶媒として有機溶媒を用
い、かつ光学分割剤として光学活性なマンデル酸という
特定のカルボン酸を用いることにより、目的とする光学
活性 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類を高光
学純度でしかも効率良く工業的に有利に製造し得ること
を見出し本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、有機溶媒下、一般式
〔I〕 (式中、クロル原子は2,3-、2,4-、2,6-又は3,4-位に置
換していることを表し、*は不斉炭素を表す。)で示さ
れる1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類のRS体
を光学活性なマンデル酸で光学分割することを特徴とす
る、対応する光学活性な1-( ジクロロ置換フェニル) エ
チルアミン類の工業的に優れた製造方法を提供するもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料として用いられる1-( ジクロロ置換フェニ
ル) エチルアミン類〔I〕のRS体は、例えばOrganic Re
action 5,301(1949)の方法に準拠し、対応するジクロロ
アセトフェノン類にアンモニアと蟻酸を反応させること
により製造し得る。1-( ジクロロ置換フェニル) エチル
アミン類〔I〕のRS体としては、R-体とS-体とを等量含
むラセミ混合物が通常使用されるが、一方の光学異性体
を過剰に含む混合物であっても使用し得る。
【0007】本発明の光学分割剤である光学活性なマン
デル酸は、D-体、L-体いずれでも使用し得る。その使用
量は、1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類
〔I〕のRS体に対して、0.1 〜1.2 モル倍、好ましくは
0.3 〜1 モル倍程度である。
【0008】また分割溶媒として使用される有機溶媒と
しては、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノー
ル等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶
媒、メチル-t- ブチルエーテル、ジオキサン、ジエチル
エーテル等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトニトリル等のニ
トリル系溶媒、これらの混合物などが挙げられる。有機
溶媒は水を含有していても良い。
【0009】溶媒の使用量は、用いる溶媒の種類及び1-
( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕の種類
等によって異なるが、1-( ジクロロ置換フェニル) エチ
ルアミン類の〔I〕のRS体に対して、通常2〜100 重量
倍、好ましくは2〜10重量倍程度である。
【0010】光学分割するにあたっては、例えば、上記
溶媒中で、1-( ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類
〔I〕のRS体と光学活性なマンデル酸とを反応させてジ
アステレオマー塩を形成させた後、もしくは予め調製し
たジアステレオマー塩を溶解させた後、静置もしくは攪
拌することにより一方のジアステレオマー塩を析出させ
る。必要に応じ冷却、濃縮することもできる。温度範囲
は、通常−20℃〜溶媒の沸点である。
【0011】その後、析出した該塩を分離する。得られ
た該塩は必要に応じて再結晶することもできる。次い
で、この塩をアルカリで分解して、生じた有機層を分液
または有機溶媒で抽出することにより目的とする光学活
性な 1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類〔I〕
を得ることができる。有機層を分液または抽出した残り
の水層は、酸を用いて酸性にした後、有機溶媒で抽出す
ることにより光学活性なマンデル酸を回収することがで
きる。一方、ジアステレオマー塩を分離した母液に、上
記と同様な操作を施すことにより、前記とは異なる絶対
配置を有する光学活性な1-( ジクロロフェニル) エチル
アミン類〔I〕と光学活性なマンデル酸を回収すること
ができる。
【0012】ここで、ジアステレオマー塩を分解する際
に用いられるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム等が通常用いられる。その量は、塩に対して、通常
1〜5モル倍程度である。また塩を分解することにより
生成したアミンを抽出する場合の抽出溶媒としては、例
えば、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチル-t- ブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等
のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン等の芳香族系溶媒などが通常使用される。その量は、
塩に対して通常0.1 〜5重量倍程度である。
【0013】光学活性なマンデル酸を回収する場合に使
用する酸としては、例えば塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸が
挙げられる。酸は、水層のpHが0.5 〜2になるように使
用される。またこの場合、塩化ナトリウム等の塩を加え
ることもでき、その量は水層の重量の0.1 〜0.2 倍程度
が通常である。また光学活性なマンデル酸の抽出溶媒と
しては、例えば、メチル-t- ブチルエーテル等のエーテ
ル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、n-ブタノー
ル等の水と二層系を形成し得るアルコール系溶媒が挙げ
られる。その使用量は水層の重量に対して通常0.1 〜10
倍程度である。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、溶媒として有機溶媒を
用い、かつ光学分割剤として光学活性なマンデル酸とい
う特定のカルボン酸を用いることにより、目的とする光
学活性1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類
〔I〕を高い光学純度で容易にしかも効率良く製造し得
る。加えて、光学分割剤としての光学活性なマンデル酸
も容易に回収し得、リサイクルすることができるので工
業的に有利である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン2gとエタ
ノール12mlからなる溶液を70℃に加熱攪拌し、これにD-
マンデル酸1.6gとエタノール12mlからなる溶液を約1分
間で加えた後、25℃になるまで攪拌放冷し、同温度で12
時間攪拌放置した。析出した結晶を濾別し乾燥すること
により、ジアステレオマー塩1.4gを得た。この結晶20%
水酸化ナトリウム水 1g を加えた後、トルエン2ml で2
回抽出し、得られたトルエン層を硫酸マグネシウムで乾
燥、溶媒留去することにより、(S)-1-(2,4- ジクロロフ
ェニル) エチルアミン 0.77gを得たこのものの光学純度
を光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
により分析した結果 91 %eeであった。
【0017】実施例2 (1) (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン16g
とエタノール10mlからなる溶液を70℃に加熱、攪拌
し、これにL-マンデル酸12.8g とエタノール40mlからな
る溶液を約30分間で加えた後、75℃まで昇温して同温度
で30分攪拌した。次いで、5時間かけて20℃まで冷却
し、析出した結晶を濾別し、これを乾燥することにより
ジアステレオマー塩13.2g を得た。この結晶20%水酸化
ナトリウム水10gを加えた後、トルエン20mlで2回抽出
し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留
去することにより、(R)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エ
チルアミン 7.3g を得た。このものの光学純度は82%ee
であった。
【0018】(2) ジアステレオマー塩を濾別した母液
から低沸分を留去することにより残渣15.6g を得た。こ
れに20%水酸化ナトリウム水 13gを加えた後、トルエン
30mlで2回抽出し、得られたトルエン層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥、溶媒留去することにより、(S)-1-(2,4- ジ
クロロフェニル) エチルアミン12.7g を得た。このもの
の光学純度は70%eeであった。 (3) (1) 及び(2) でトルエン抽出した残りの水層を混
合した後、36%塩酸を加えてpHを0.7 に調製した。次い
で、50mlの酢酸エチルで3回抽出、硫酸マグネシウムで
乾燥、溶媒留去することによりL-マンデル酸12.3g を得
た。
【0019】実施例3 (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン16g と酢
酸エチル17mlからなる溶液を70℃に加熱攪拌し、これに
L-マンデル酸 6.4g と酢酸エチル80mlからなる溶液を約
30分かけて滴下した後、75℃まで昇温して同温度で30分
間攪拌を続けた。次いで、5時間かけて20℃まで冷却し
た後、析出した結晶を濾別、乾燥することによりジアス
テレオマー塩12.9g を得た。このものの一部を実施例1
に準拠して処理した後、光学純度を測定したところ81.2
%eeであった。
【0020】実施例4 (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン19g と95
%エタノール120ml とL-マンデル酸15.2g からなる混合
物を加熱し還流させた後、一晩放冷した。析出した結晶
を濾別、乾燥することによりジアステレオマー塩10.8g
を得た。このものの一部を実施例1に準拠して処理した
後、光学純度を測定したところ64%eeであった。
【0021】比較例1 実施例4において、L-マンデル酸15.2g の代わりにL-酒
石酸15g を用いたが、95%エタノール120ml では、還流
下においてもL-酒石酸の結晶が多量残存していたので、
95%エタノール1080mlを追加することによりこの結晶を
消失させた。これら以外は実施例4に準拠して実施する
ことにより、ジアステレオマー塩10.8gを得た。このも
のの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を
測定したところ36%eeであった。
【0022】比較例2 実施例4において、L-マンデル酸15.2g の代わりにL-リ
ンゴ酸13.4g を用いたが、95%エタノール120ml では、
還流下においてもL-リンゴ酸の結晶が残存していたので
95%エタノール360ml を追加することによりこの結晶を
消失させた。これら以外は実施例4に準拠して実施する
ことにより、ジアステレオマー塩14.5gを得た。このも
のの一部を実施例1に準拠して処理した後、光学純度を
測定したところ0.8 %eeであった。
【0023】比較例3 実施例4において、95%エタノール120ml の代わりに水
120mlを用いる以外は実施例4に準拠して実施したが水
層と油層に分離し、結晶が析出しなかった。そこで、L
−マンデル酸を16.9g に、水を25gに代えて、再度実施
例4に準拠して実施したが、やはり水層と油層に分離
し、結晶が析出しなかった。
【0024】実施例5 (1) (RS)-1-(2,4-ジクロロフェニル) エチルアミン90g
とメチル-t- ブチルエーテル167gからなる溶液を45℃
に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸32g とメチル-t-
ブチルエーテル197gからなる溶液を約30分間で加えた
後、同温度で30分攪拌した。 次いで、6時間かけて20
℃まで冷却し、析出した結晶を濾別、42g のメチル-t-
ブチルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することに
よりジアステレオマー塩84g を得た。この結晶に5%水
酸化ナトリウム水185gを加えた後、メチル-t- ブチルエ
ーテル42g で2回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥、溶媒留去することにより、(R)-1-(2,4-
ジクロロフェニル) エチルアミン39.9g を得た。このも
のの光学純度は95.2%eeであった。
【0025】(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液
と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水18g
を加えて洗浄した。有機層の低沸分を留去することによ
り(S)-1-(2,4- ジクロロフェニル) エチルアミン50.1g
を得た。このものの光学純度は77.6%eeであった。 (3) (1) 及び(2) において得られた水酸化ナトリウム
水で処理した後の有機層を分離した残りの水層を混合し
た後、36%塩酸を加えてpHを1.4 に調製した。次いで15
0gのメチル-t- ブチルエーテルで3回抽出、硫酸マグネ
シウムで乾燥、溶媒留去することによりL-マンデル酸3
1.7g を得た。
【0026】実施例6 (1) (RS)-1-(2,6-ジクロロフェニル) エチルアミン10g
とメチル-t- ブチルエーテル30g からなる溶液を45℃
に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸3.6gとメチル-t-
ブチルエーテル30g からなる溶液を約30分間で加えた
後、同温度で30分攪拌した。次いで、6時間かけて20℃
まで冷却し、析出した結晶を濾別、20g のメチル-t- ブ
チルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することによ
りジアステレオマー塩7.9gを得た。この結晶に5%水酸
化ナトリウム水21g を加えた後、メチル-t- ブチルエー
テル10g で2回抽出し、得られた有機層から溶媒留去す
ることにより、(R)-1-(2,6- ジクロロフェニル) エチル
アミン4.2gを得た。このものの光学純度は89.8%eeであ
った。
【0027】(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液
と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水2gを
加えて洗浄した。得られた有機層から溶媒留去すること
により、(S)-1-(2,6- ジクロロフェニル) エチルアミン
5.8gを得た。このものの光学純度は64.4%eeであった。
【0028】比較例4 実施例6-(1)において、メチル-t- ブチルエーテル60g
の代わりに水60g を用い、加熱を90℃で行う以外は実施
例6-(1)に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結
晶が析出しなかった。そこで、L−マンデル酸を4gに、
水を13g に代えて、再度同条件で実施したがやはり水層
と油層に分離し、結晶が析出しなかった。
【0029】実施例7 (1) (RS)-1-(3,4-ジクロロフェニル) エチルアミン41g
とメチル-t- ブチルエーテル78g からなる溶液を45℃
に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸14.6g とメチル-t
- ブチルエーテル90g からなる溶液を約30分間で加えた
後、同温度で30分攪拌した。 次いで、6時間かけて20
℃まで冷却し、析出した結晶を濾別、40gのメチル-t-
ブチルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することに
よりジアステレオマー塩32.9g を得た。この結晶に5%
水酸化ナトリウム水82g を加えた後、メチル-t- ブチル
エーテル20g で2回抽出し、得られた有機層から溶媒留
去することにより、(R)-1-(3,4- ジクロロフェニル) エ
チルアミン18.2g を得た。このものの光学純度は87.4%
eeであった。
【0030】(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液
と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水16g
を加えて洗浄した。得られた有機層から溶媒留去するこ
とにより、(S)-1-(3,4- ジクロロフェニル) エチルアミ
ン22.8g を得た。このものの光学純度は70.2%eeであっ
た。
【0031】比較例5 実施例7-(1)において、メチル-t- ブチルエーテル168g
の代わりに水168gを用い、加熱を90℃で行う以外は実施
例7-(1)に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結
晶が析出しなかった。そこで、L−マンデル酸を16.2g
に、水を54g に変えて、再度同条件で実施したところ結
晶が析出したので実施例7-(1)に準拠して処理し、(R)-
1-(3,4- ジクロロフェニル) エチルアミン17.9g を得
た。このものの光学純度は58.6%eeであった。また、実
施例7-(2)に準拠して(S)-1-(3,4- ジクロロフェニル)
エチルアミンを得たところ、その光学純度は45.4%eeで
あった。
【0032】実施例8 (1) (RS)-1-(2,3-ジクロロフェニル) エチルアミン10g
とメチル-t- ブチルエーテル30g からなる溶液を45℃
に加熱、攪拌し、これにL-マンデル酸3.6gとメチル-t-
ブチルエーテル30g からなる溶液を約30分間で加えた
後、同温度で30分攪拌した。次いで、6時間かけて20℃
まで冷却し、析出した結晶を濾別、20g のメチル-t- ブ
チルエーテルで2回洗浄して、これを乾燥することによ
りジアステレオマー塩7.2gを得た。この結晶に5%水酸
化ナトリウム水21g を加えた後、メチル-t- ブチルエー
テル10g で2回抽出し、得られた有機層から溶媒留去す
ることにより、(S)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチル
アミン4gを得た。このものの光学純度は90.4%eeであっ
た。
【0033】(2) ジアステレオマー塩を濾別した濾液
と洗液を合わせて、これに5%水酸化ナトリウム水2gを
加えて洗浄した。得られた有機層から溶媒留去すること
により、(R)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチルアミン
6gを得た。このものの光学純度は58.8%eeであった。
【0034】比較例6 実施例8-(1)において、メチル-t- ブチルエーテル60g
の代わりに水60g を用い、加熱を90℃で行う以外は実施
例8-(1)に準拠して実施したが水層と油層に分離し、結
晶が析出しなかった。そこで、L−マンデル酸を4gに、
水を13g に変えて、再度同条件で実施したところ結晶が
析出したので実施例8-(1)に準拠して処理し、(S)-1-
(2,3- ジクロロフェニル) エチルアミン4gを得た。この
ものの光学純度は53.8%eeであった。また、実施例8-
(2)に準拠して(R)-1-(2,3- ジクロロフェニル) エチル
アミンを得たところ、その光学純度は37.2%eeであっ
た。
【0035】比較例7 実施例6において、(RS)-1-(2,6-ジクロロフェニル) エ
チルアミン10g の代わりに(RS)-1-(2,5-ジクロロフェニ
ル) エチルアミン10g を用いる以外は実施例6に準拠し
て実施したが、結晶が析出しなかった。
【0036】比較例8 実施例6において、(RS)-1-(2,6-ジクロロフェニル) エ
チルアミン10g の代わりに(RS)-1-(3,5-ジクロロフェニ
ル) エチルアミン10g を用いる以外は実施例6に準拠し
て実施することにより、ジアステレオマ−塩8.1gを得
た。このものの一部を実施例1に準拠して処理した後、
光学純度を測定したところ0.04%ee であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒下、一般式〔I〕 (式中、クロル原子は2,3-、2,4-、2,6-又は3,4-位に置
    換していることを表し、*は不斉炭素を表す。)で示さ
    れる1-(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類のRS体
    を光学活性なマンデル酸で光学分割することを特徴とす
    る、対応する光学活性な1-( ジクロロ置換フェニル) エ
    チルアミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】有機溶媒が、アルコール系溶媒、エステル
    系溶媒、エーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1の製造方法。
JP22796595A 1994-10-27 1995-09-05 光学活性 1−(ジクロロ置換フェニル) エチルアミン類の製造方法 Expired - Lifetime JP3738470B2 (ja)

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