JPH0533A - シクラメンの不定芽の増殖用培地および増殖方法 - Google Patents
シクラメンの不定芽の増殖用培地および増殖方法Info
- Publication number
- JPH0533A JPH0533A JP41821090A JP41821090A JPH0533A JP H0533 A JPH0533 A JP H0533A JP 41821090 A JP41821090 A JP 41821090A JP 41821090 A JP41821090 A JP 41821090A JP H0533 A JPH0533 A JP H0533A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- medium
- cyclamen
- adventitious buds
- proliferation
- adventitious
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
率よくシクラメンの組織片を培養して不定芽を増殖させ
大量の幼苗を生産することのできる培地と、同培地を用
いるシクラメンの増殖方法を提供する。 【構成】MS培地中に含まれる窒素源が硝酸態窒素のみ
であり、その濃度が5mM以上30mM以下であること
を特徴とするシクラメンの不定芽の増殖用培地と、同培
地を用いるシクラメンの不定芽の増殖方法。
Description
増殖用培地と、同培地を使用するシクラメンの不定芽の
増殖方法に関する。
り種子を採取し、播種、育苗の手段によって栽培されて
いる。この従来方法では、種子の生産過程でシクラメン
の個体間で交配を行なうため、花色や花型などの重要な
形質が固定化されず、親株と同じものが安定して得られ
ないという品質上の問題がある。
メンの組織を培養して不定芽やカルスを増殖させ、不定
芽を分化させ、この不定芽を良好に生育させて幼苗を形
成させる方法が試みられている。そしてこの場合シクラ
メンの組織片を培養して不定芽を分化させる培地として
はムラシゲ・スクーグ(Murashige & Sk
oog)培地(以下「MS培地」という)などの公知の
植物組織培養培地をそのままの組成で用いるか、これら
の培地において全無機塩を2分の1または3分の1に希
釈した組成の培地を用いる試みがなされている(特開昭
63−226215号公報、特開昭63−137617
号公報、図解組織培養入門第72〜75頁(昭和60年
誠文堂新光社発行)などを参照されたい)。また、本発
明者等は従来の植物の組織培養培地のマグネシウム(M
g2+)イオン濃度を特定の範囲とした培地を用いてシ
クラメンの組織片を培養して不定芽を効率良く分化させ
た後、不定芽数を増加させもって大量の幼苗を生産する
培地および方法について提案した(特願平1−4112
8号明細書)。
の幼苗を大量生産するためにはシクラメンの組織片を組
織培養して、不定芽を分化させる過程、分化させた不定
芽を効率良く増殖させて不定芽数を増加させる過程、不
定芽を良好に生育させ幼苗を形成させる過程を順に経る
方法が最適であると考えられる。しかしながら前記した
シクラメンの組織片を培養して不定芽を増殖させる培地
および方法としては増殖効率上必ずしも満足すべきもの
ではない。
は、不定芽の分化と不定芽数の増加、および大量の幼苗
が効果的に生産しうるという点ですぐれた方法である
が、Mg2+イオン濃度の制御に高い技術的熟練を要す
ることから比較的大規模の農場で実施しうる方法である
といえる。
を改良し、効率良くシクラメンの組織片を培養して不定
芽を増殖させることができ、かくして大量の幼苗を生産
することのできる培地の解明と、同培地を用いるシクラ
メンの増殖方法の開発が求められていた。
課題の解決のために鋭意研究した。その結果、本発明者
らは従来のシクラメンの組織培養に用いられた培地の窒
素源としてアンモニウム態窒素を含まない培地がシクラ
メンの組織片から分化した不定芽を効率良く増殖させ、
さらには窒素源として硝酸態窒素を5mM〜30mMと
することにより、不定芽を効率良く増殖させ、幼苗数を
著しく増加しうることを見いだした。
は培地中に含まれる窒素源が硝酸態窒素のみであり、そ
の濃度を5mM〜30mMであることを特徴とするシク
ラメンの不定芽の増殖用培地にある。
シクラメンの不定芽を請求項1の培地を用いて培養する
ことを特徴とする、シクラメンの不定芽の増殖方法にあ
る。
機成分、微量無機成分および糖並びに場合によってビタ
ミンやアミノ酸等から成る公知のMS培地を基本の培地
組成とするが、この培地中のNH4NO3をすべて硝酸
態窒素に代えその濃度を5mM〜30mM、好ましくは
10mM〜20mMとしたものである。
酸態窒素は、任意の硝酸塩で良く、例えば硝酸カリウ
ム、硝酸カルシウム、硝酸ナトリウムなどである。
らアンモニウム態窒素を除くことを特徴とし、窒素源以
外の培地成分はMS培地の成分としたものである。すな
わち、本発明ではシクラメンの不定芽の培養のために基
本培地としてMS培地中に含まれる窒素源を硝酸態窒素
のみとし、そしてその硝酸態窒素の濃度を5mM以上3
0mM以下に調節したもの(以下これを改良MS培地と
呼ぶ)が用いられる。
説明し、本発明の窒素源としての硝酸態窒素の特定範囲
の含有量の培地の奏する効果を説明することとする。
機成分の濃度はMS培地の無機成分をそのままか、希釈
して2分の1または3分の1にしてもよい。
本とするものであるが、この培地に必要に応じてビタミ
ン、アミノ酸、植物生長ホルモン、抗生物質、その他の
添加剤を添加することができる。
ホルモンとしてはインドール酢酸(IAA)、α−ナフ
タレン酢酸(α−NAA)、インドール酪酸(IB
A)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)
などのオーキシン類、ベンジルアミノプリン(BA)、
カイネチン、ゼアチンなどのサイトカイニン類などが挙
げられるが、α−NAAを0.01〜5mg/l、好ま
しくは0.02mg/lとBAを0.01〜5mg/
l、好ましくは0.2mg/lを併用して使用すること
がよい。
してはショ糖などの糖類などの糖類、エタノールなどの
第1級アルコールなどが挙げられるが、ショ糖10g/
1〜90g/l、好ましくは30g/lの濃度で使用す
るのがよい。
に調整され、固形培地または液体培地として使用され
る。
天、アガロース、ゲルライト(ゲランガム)、カラギー
ナンなどが用いられる。そしてこの固形培地上で行なわ
れる。
体中に浮遊、懸濁させて培養する懸濁培養が通常行なわ
れ、この場合ジャーファーメンターやタンクを培養槽と
して用いることもできる。
施例で示すことにする。この実施例の培地において、基
本となったMS培地の成分および各成分の濃度は次の表
1に示される。改良MS培地はこの基本のMS培地につ
いて次の実施例の夫々に記載されたようにその成分に変
更が加えられたものである。
の調製 表1に示すMS培地の無機成分のうち、NH4NO3を
除去し、KNO3をさらに120mg/l(1.2m
M)を加え(硝酸態窒素濃度の合計20mM)、KNO
3以外の無機成分の濃度を3分の1に希釈した。
り添加し、さらにα−NAAを0.02mg/l、BA
を0.2mg/l、ショ糖を30g/lをそれぞれ加
え、pHを5.8とし、ゲルライトを3g/l加えて固
形培地とする。
られたものを用いればよい。本発明に用いるシクラメン
はシクラメン属の植物であり、品種としてビクトリア、
バーバーク、ピュアホワイト、パステル、ミニシクラメ
ンなどが挙げられるが、これらの品種に限定されるもの
でない。
葉柄、茎頂、塊茎、葯基部、花茎などから組織片を採取
し、これを約70〜80%のエタノール溶液に10秒
間、次いで約1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に20分
間浸漬し、殺菌処理する。次いで、この組織片を取り出
し、その表面に付着した次亜塩素酸ナトリウムを滅菌水
で3回洗浄後、これを無菌条件下で組織片を1cm角の
切片とする。これをMS培地の無機成分のうちMgSO
47H2O濃度を1110mg/lに調整し、それ以外
の無機成分を3分の1に希釈した培地にNAAを0.1
mg/l、BAを1.0mg/l、ショ糖を30g/l
を加えpH5.8とし、ゲルライトを10g/l加えた
固形培地に先の葉片を置床し、20℃の温度条件で暗所
で50日間培養し、葉の周辺からカルスを形成させ、さ
らにカルス上に不定芽を分化させ、各種組織の不定芽を
得た。これらの不定芽を本発明の材料として用いた。
た改良培地を直径9cmのシャーレなどに入れて固化し
た後、この葉片から形成させた不定芽をカルス部分とと
もに培地上に置床する。これを15〜25℃好ましく
は、20℃の恒温室内で20〜40日、好ましくは30
日間暗所下で培養すると、置床した不定芽の周辺に新た
な不定芽の増殖が認められる。
取し、これを約70〜80%のエタノール溶液に10秒
間、次いで約1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に20分
間浸漬し、殺菌処理する。次いで、この組織片を取り出
し、その表面に付着した次亜塩素酸ナトリウムを滅菌水
で3回洗浄後、これを無菌条件下で組織片を1cm角の
切片とする。これをMS培地の無機成分のうちMgSO
4・7H2O濃度を1110mg/lに調整し、それ以
外の無機成分を3分の1に希釈した培地にα−NAAを
0.1mg/l、BAを1.0mg/l、ショ糖を30
g/lを加えpH5.8とし、ゲルライトを10g/l
加えた固形培地に先の葉片を置床、20℃の温度条件で
暗所で50日間培養し、葉の周辺からカルスを形成さ
せ、さらにカルス上に不定芽を分化させた。
にとり出しメスを用いて4等分に切断し、カルス部分を
含む不定芽片を作製した。
ように実施例に準じて調製して得た培地(pH5.8)
を、1辺の長さが8cm、高さ10cmの立方形の培養
器に50mlあて注入して固化させた。
ま、もしくは3分の1、2分の1に希釈したもの、ある
いは表1の無機成分のうち、硝酸態窒素を含む化合物
(NH4NO3、KNO3)を除去しNH4Clを加え
てアンモニウム態窒素濃度を表2に記載の濃度となるよ
うに調整し、さらにそれ以外の無機成分を3分の1にし
た以外は、本発明区の培地と同様に調製した。
分を含む不定芽を1培養器に4片を置床し、1濃度区5
培養器とした。これを20℃の暗所で30日間培養した
ところ不定芽の周辺から新たな不定芽の増殖が認められ
た。
は以下の方法で算出した。
養30日目総不定芽数−培養開始時の総不定芽数)÷2
0(総カルス片数)
用いた方法に比べ、シクラメンの組織片を培養して得ら
れる不定芽を効率よく増殖させ、幼苗数を著しく増加さ
せる。したがって、本発明の培地を用いてシクラメンを
組織培養する方法によれば品質の均一なシクラメンの幼
苗の大量生産に有効に利用できる。
地を用いて培養することを特徴とする、シクラメンの不
定芽の増殖方法。 ─────────────────────────────────────────────────────
Claims (2)
- 【請求項1】 MS培地中に含まれる窒素源が硝酸態窒
素のみであり、その濃度が5mM以上30mM以下であ
ることを特徴とするシクラメンの不定芽の増殖用培地。 - 【請求項2】 シクラメンの不定芽を請求項1記載の培
地を用いて培養することを特徴とする、シクラメンの不
定芽の増殖方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2418210A JP2931675B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | シクラメンの不定芽の増殖用培地および増殖方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2418210A JP2931675B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | シクラメンの不定芽の増殖用培地および増殖方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533A true JPH0533A (ja) | 1993-01-08 |
JP2931675B2 JP2931675B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=18526118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2418210A Expired - Fee Related JP2931675B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | シクラメンの不定芽の増殖用培地および増殖方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2931675B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101340903B1 (ko) * | 2011-12-13 | 2013-12-13 | 임종구 | 시클라멘의 다발근 유식물 및 그 유식물로부터 형성된 뿌리를 이용한 괴근의 단기간 대량 유도법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63226215A (ja) * | 1987-03-16 | 1988-09-20 | 揖斐川工業株式会社 | シクラメンの大量増殖方法 |
JPH01269428A (ja) * | 1988-04-21 | 1989-10-26 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | バラ属植物の種苗の増殖方法 |
-
1990
- 1990-12-26 JP JP2418210A patent/JP2931675B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63226215A (ja) * | 1987-03-16 | 1988-09-20 | 揖斐川工業株式会社 | シクラメンの大量増殖方法 |
JPH01269428A (ja) * | 1988-04-21 | 1989-10-26 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | バラ属植物の種苗の増殖方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101340903B1 (ko) * | 2011-12-13 | 2013-12-13 | 임종구 | 시클라멘의 다발근 유식물 및 그 유식물로부터 형성된 뿌리를 이용한 괴근의 단기간 대량 유도법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2931675B2 (ja) | 1999-08-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1288713C (en) | Method of regenerating rice plant from protoplasts | |
EP0171593A1 (en) | Sunflower regeneration through embryogenesis and organogenesis | |
JPH0322934A (ja) | 植物苗の製造方法 | |
JPH0533A (ja) | シクラメンの不定芽の増殖用培地および増殖方法 | |
JP3318037B2 (ja) | シラカンバの大量増殖法 | |
JP3934874B2 (ja) | 組織培養によるマホガニー属樹木の大量増殖法 | |
JP2001309729A (ja) | 組織培養によるサクラ属の大量増殖法 | |
JP4153609B2 (ja) | 組織培養を用いたコーキセンダンの大量増殖法 | |
JPH03277219A (ja) | バラの組織培養法 | |
JP3069694B1 (ja) | 針葉樹不定胚の培養方法 | |
JPH08224051A (ja) | 薬用ニンジン苗の大量増殖方法 | |
JPH0919229A (ja) | 組織培養によるマホガニー属樹木の大量増殖法 | |
JPH06169662A (ja) | シクラメンの幼苗の大量生産方法およびカルスの増殖方法 | |
JP3578440B2 (ja) | シネラリア植物の種苗生産方法 | |
JPH06105628A (ja) | エキザカム属植物の種苗の生産方法 | |
JP2659568B2 (ja) | クロトン属植物の不定芽およびその幼苗ならびにその増殖法 | |
JPH03112424A (ja) | 苗条原基によるリンドウの増殖法 | |
JP2632631B2 (ja) | ワサビの培養法 | |
JPH0351377B2 (ja) | ||
JP2846588B2 (ja) | フウロソウの容器内開花方法 | |
JP2002238385A (ja) | ヌルデモドキのカルスからの植物体再生法 | |
JPH0246239A (ja) | ユリ属植物の増殖法 | |
JPH09266788A (ja) | イキシアカルス及び球茎の製造法 | |
JPH0755111B2 (ja) | シクラメンの不定芽の増殖方法 | |
JPH0755112B2 (ja) | シクラメンの幼植物体再生方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080521 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |