JPH0755111B2 - シクラメンの不定芽の増殖方法 - Google Patents
シクラメンの不定芽の増殖方法Info
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- JPH0755111B2 JPH0755111B2 JP3132163A JP13216391A JPH0755111B2 JP H0755111 B2 JPH0755111 B2 JP H0755111B2 JP 3132163 A JP3132163 A JP 3132163A JP 13216391 A JP13216391 A JP 13216391A JP H0755111 B2 JPH0755111 B2 JP H0755111B2
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Description
ジベレリン、オーキシン類およびサイトカイニン類を含
む液体培地で通気培養することにより、不定芽を効率よ
く増殖させる培養方法に関する。
り種子を採種し、播種、育苗の手段によって栽培されて
いる。この従来方法では、種子の生産過程でシクラメン
の個体間で交配を行うため、花色や花形などの重要な形
質が固定化されず、親株と同じものが安定して得られな
いという品質上の問題がある。
固形培地を用い、シクラメンの組織を培養して不定芽を
分化、生育させ、幼苗を形成させる方法がいくつか知ら
れている。例えば、シクラメンの塊茎様器官を分割し
て、これをベンジルアデニン(以下「BA」という)と
ナフタレン酢酸(以下「NAA」という)を含むムラシ
ゲ・スクーグの固形培地(以下「MS培地」という)に
移植し、不定芽を形成させること(特開昭63−226
215号公報、園芸学会講演要旨集、第59巻、別冊
1、第530〜531頁、1990年)、シクラメンの
組織から塊茎の形成にNAAなどのオーキシン類が有効
であること(特開平2−92221号公報)が知られて
いる。
スから不定芽を摘出し、これをジベレリン単独またはジ
ベレリンとサイトカイニンとオーキシンを含有する固形
培地で苗条を得る方法(特開平1−235518号公
報)、豆科、アブラナ科作物のカルス細胞をジベレリン
単独、またはこれにオーキシンとサイトカイニンを併用
して培養することにより発芽が促進されること(特開昭
63−245668号公報)なども知られている。しか
し、これら公知のシクラメンの組織培養方法は固形培地
に適しているものであり、ジベレリン、サイトカイニン
類およびオーキシン類を含有する液体培地でシクラメン
の不定芽を効率よく増殖しうる方法は知られていない。
の幼苗を大量生産するためには、シクラメンの組織片を
組織培養して不定芽を分化させる過程、分化させた不定
芽を効率よく増殖させて不定芽数を増加させる過程、不
定芽を良好に生育させ幼苗を形成させる過程を順に経る
方法が最適であると考えられる。しかしながら、前記し
たシクラメン、薬用ニンジン、豆科、アブラナ科作物の
組織培養方法における固形培地を用いてシクラメンの不
定芽を培養しても後記試験例に示したごとく不定芽数が
少ない。また前記シクラメンの組織培養の固形培地と同
組成の液体培地を用いると不定芽が奇形となるなど、シ
クラメンの不定芽の効率的な増殖方法としては必ずしも
満足すべき方法ではない。
する手段として効率の高いシクラメンの不定芽の増殖方
法の開発が要望されている。
課題の解決のため鋭意研究した。その結果、本発明者等
はシクラメンの組織片から分化した不定芽を、植物ホル
モンとしてジベレリン、オーキシン類およびサイトカイ
ニン類を含む液体培地中で通気培養することによりシク
ラメンの幼苗を大量生産する手段として不定芽を効率よ
く増殖させる方法をみいだした。
は、シクラメンの不定芽を、ジベレリン、オーキシン類
およびサイトカイニン類を含む液体培地で通気培養する
ことを特徴とするシクラメンの不定芽の増殖方法にあ
る。
られたものを用いればよい。
葉柄、茎頂、塊茎、葯基部、花茎などから組織片を採取
し、これを70%のエタノール溶液に10秒間、次いで
有効塩素約1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に20分間
浸漬し、殺菌処理する。次いで、この組織片を取り出
し、その表面に付着した次亜塩素酸ナトリウムを滅菌水
で3回洗浄後、これを無菌条件下で組織片を1cm角の切
片とする。これをMS培地組織の全無機成分を3分の1
に希釈した培地にα−ナフタレン酢酸(NAA)を0.
1mg/l、ベンジルアデニン(BA)を1.0mg/l、
シュークロースを30g/l加え、pH5.8とし、ゲ
ルライトを3g/l加えた固形培地に先の葉片を置床
し、20℃の温度条件で暗所で50日間培養し、葉の周
辺からカルスを形成させ、さらにカルス上に不定芽を分
化させ、各種組織の不定芽を得た。これらの不定芽を本
発明の材料として用いた。
しては、例えばMS培地、ガンボルグのB5培地、ホワ
イト培地、ニッチ−ニッチ培地、N6培地などの植物組
織培養用の培地があげられる。これらの公知の培地組成
に関しては、例えば、竹内、古谷著の「新植物組織培
養」第386頁〜第391頁(1979年)朝倉書店発
行に記載されている。これらの培地の無機成分をそのま
まか、もしくは3分の1または2分の1に希釈したもの
を用いればよいが、特にMS培地を用いて調製された培
地が好ましい。さらにこれらの培地に、必要に応じてビ
タミン類、アミノ酸類、植物ホルモン類、抗生物質、そ
の他の添加剤を添加することができる。
素源としては、シュークロース、グルコースなどの糖類
が挙げられる。シュークロースを20g/l〜90g/
l、好ましくは30g/l〜60g/lの濃度で使用さ
れるのがよい。
使用される。
GA3、GA7などの構造類縁体が知られており、本発明
ではこれらの何れを用いてもよいが、とくにGA3が適
している。
れ、その濃度は0.1mg/l〜10mg/l、好ましくは
1mg/l〜5mg/lである。
シン類としては、インドール酢酸(IAA)、α−ナフ
タレン酢酸(NAA)、インドール酪酸(IBA)、
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)などが挙
げられ、好ましくはNAAを0.01mg/l〜0.5mg/
lの濃度、好ましくは0.02mg/lで添加し、サイト
カイニン類としては、ベンジルアデニン(BA)、カイ
ネチン、ゼアチンなどが挙げられ、好ましくはBAを
0.1mg/l〜5mg/lの濃度、好ましくは0.2mg/l
で添加して用いる。
ン属の植物であり、品種としてビクトリア、バーバー
ク、ピュアホワイト、パステル、ミニシクラメンなどが
挙げられるが、これらの品種に限定されるものではな
い。
養では、液体培地中に酸素を含有する気体を無菌フィル
ターを通して吹き込めばよい。この場合の酸素を含有す
る気体とは、空気を単独、酸素ガスを単独、または酸
素、二酸化炭素、窒素、空気などのうちの2種類以上を
混合してなる気体を用いることができる。これらの気体
中の酸素含有量は5%〜100%、好ましくは20%〜
90%である。液体培地中への上記した気体の通気量と
しては50ml/l・min以上500ml/l・min以下、好
ましくは100ml/l・min以上300ml/l・min以下
が不定芽の増殖培養に適している。
では暗所で培養することが好ましい。
クラメンの不定芽の増殖方法について説明する。
の1に希釈した培地にシュークロースを30g/l、N
AAを0.02mg/l、BAを0.2mg/lを加えてpH
5.8とし、オートクレーブで滅菌後、GA3を1mg/l
加えた液体培地を調製した。
れ、前記により得たカルス部分を含む不定芽を移植し
た。これを20℃の恒温室内で20〜40日、好ましく
は30日間培養するとカルス上に新たな不定芽を増殖し
た。
取し、これを70%のエタノール溶液に10秒間、次い
で有効塩素1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に20分間
浸漬し、殺菌処理する。次いでこの組織片を取り出し、
その表面に付着した次亜塩素酸ナトリウムを滅菌水で3
回洗浄後、これを無菌条件下で組織片を1cm角の切片と
する。これをMS培地の全無機成分を3分の1に希釈し
た培地にNAAを0.1mg/l、BAを1.0mg/l、シ
ュークロースを30g/lを加えてpH5.8とし、ゲ
ルライトを3g/l加えた固形培地上に置床し、20℃
の温度条件で暗所で50日間培養した。そして葉の周辺
からカルスを形成させ、さらにカルス上に不定芽を分化
させた。
取り出し、メスを用いて4等分に切断し、カルス部分を
含む不定芽片を作製した。
釈した培地にNAAを0.02mg/l、BAを0.2mg/
lを添加し、さらにジベレリン(GA3)をそれぞれ0.
1、1.0、5.0、10.0mg/l添加し、これにシュ
ークロースを30g/l加え、pH5.8としてオート
クレーブで無菌処理した。このようにして得た液体培地
をガラス製の500mlの大きさの容器に入れ、これに前
記により得た4個の不定芽片を加えて20℃、暗所で無
菌フィルターで空気を通気量100ml/l・minで通気
しながら、30日間培養した。培養後1個の不定芽片か
ら新しく増殖した不定芽数の平均値を表1に示した。
にして培養した。結果を表1に示した。
養した。結果を表1に示した。
しないこと以外は上記実施例と同様にして培養した。結
果を表1に示した。
ず、ジベレリンを添加しないこと以外は上記実施例と同
様にして培養した。結果を表1に示した。
定芽を液体培地中で効率よく大量に増殖することができ
る。したがってこの方法はシクラメン属植物の種苗を大
量、かつ効率的に増殖する手段として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 シクラメンの不定芽を、ジベレリン、オ
ーキシン類およびサイトカイニン類を含む液体培地で通
気培養することを特徴とする、シクラメンの不定芽の増
殖方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3132163A JPH0755111B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | シクラメンの不定芽の増殖方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3132163A JPH0755111B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | シクラメンの不定芽の増殖方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04335838A JPH04335838A (ja) | 1992-11-24 |
JPH0755111B2 true JPH0755111B2 (ja) | 1995-06-14 |
Family
ID=15074842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3132163A Expired - Lifetime JPH0755111B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | シクラメンの不定芽の増殖方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0755111B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104012408B (zh) * | 2014-06-09 | 2016-03-02 | 赵兰 | 一种猕猴桃的增殖继代培养基 |
CN105340745A (zh) * | 2015-11-20 | 2016-02-24 | 湖北大学 | 仙客来植株愈伤组织和芽的培养基及培养方法 |
-
1991
- 1991-05-09 JP JP3132163A patent/JPH0755111B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04335838A (ja) | 1992-11-24 |
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