JPH05311806A - 寸法調整横架材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】家屋の建築のために予め工場生産されるプレカ
ット材としての横架材について、関連の柱材が植設され
る部位のみに高精度の寸法調整が施された寸法調整横架
材を提供すること。 【構成】関連の柱材が植設されるように所要の寸法調整
がなされている横架材（２Ａ）であって、前記関連の柱
材が植設される部位（例えば、ホゾ穴２Ｂの近傍の部
位）のみに高精度の寸法調整が施されている寸法調整横
架材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は寸法調整横架材に関す
るものであり、特に、家屋の建築のために予め工場生産
されるプレカット材としての横架材について、関連の柱
材が植設される部位のみが高精度の寸法調整が施されて
いる寸法調整横架材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現状では、家屋の建築をする際の現場に
おける作業量を節減するために、工場生産による各種の
プレカット材が多用されている。そして、この種のプレ
カット材の中には、通柱や管柱のような関連の柱材が植
設される建築材が横架材として含まれている。ところ
で、この横架材の仕上がり寸法は従来から余り高精度の
ものではなく、前記関連の柱材が植設されるときに「浮
き」や「持ち上がり」のような不都合な現象が生じて、
完成した家屋に歪みや不所望の変形が発生するという難
点があった。もっとも、前記横架材の仕上がり寸法を十
分に高精度にするということも考えられるが、その製造
の手間やコスト等からみて余り適切な対処策ということ
はできない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述されたように、従
来多用されている各種のプレカット材の中には、通柱や
管柱のような関連の柱材が植設される建築材が横架材と
して含まれているが、この横架材の仕上がり寸法は余り
高精度のものではなく、前記関連の柱材が植設されると
きに「浮き」や「持ち上がり」等の不都合な現象が生じ
て、完成した家屋に歪みや不所望の変形が発生するとい
う問題点があった。その対処策として、前記横架材の仕
上がり寸法を十分に高精度にすることが考えられるけれ
ども、その製造の手間やコスト等からの制約を無視でき
ないという別の問題点が生じることになる。

【０００４】この発明は上記された問題点を解決するた
めになされたものであって、家屋の建築のために予め工
場生産されるプレカット材としての横架材について、製
造上の手間やコスト的な制約を受けることなく、関連の
柱材が植設される部位のみが高精度の寸法調整が施され
ている寸法調整横架材を提供することを目的とするもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係る寸法調整
横架材は、上記の目的を果たすためになされたものであ
り、関連の柱材が植設されるべく所要の寸法調整がなさ
れている横架材であって、 前記関連の柱材が植設され
る部位のみが高精度の寸法調整が施されていることを特
徴とするものである。

【０００６】

【作用】この発明に係る寸法調整横架材は、関連の柱材
が植設されるべく所要の寸法調整がなされている横架材
であって、 前記関連の柱材が植設される部位のみが高
精度の寸法調整が施されていることを構成上の特徴とす
るものである。そして、このような特徴のために、家屋
の建築のために予め工場生産されるプレカット材として
の横架材について、製造上の手間やコスト的な制約を受
けることなく、関連の柱材が植設される部位のみが高精
度の寸法調整が施されるという利点がもたらされる。

【０００７】

【実施例】図１は、この発明の実施例に係る寸法調整横
架材の概略的な構成図である。まず、図１の（Ａ）にお
いて、横架材２Ａは全体としてはある程度の精度による
仕上がりがなされている。この図１の（Ａ）において、
材寸法とは、前記ある程度の精度の仕上がり（中間的な
仕上がり）がなされた横架材２Ａの高さ方向の寸法（ｔ
＋Δｔ）のことであり、また、設計材成とは、寸法調整
（Δｔ）がなされた当該横架材２Ａの部位の高さ方向の
寸法（ｔ）のことである。そして、この寸法調整がなさ
れた部位には、関連の柱材に対するホゾ穴２Ｂが設けら
れている。次に、図１の（Ｂ）において、横架材２Ａの
端部に「柱もたせ」のための寸法調整（Δｐ）がなされ
ており、その設計材成は前記の寸法調整（Δｐ）がなさ
れた高さ方向の寸法（ｐ）にされている。このときの材
寸法は（ｐ＋Δｐ）として表される。なお、アリ部２Ｃ
は関連の柱材との連結のためのものである。そして、図
１の（Ｃ）において、横架材２Ａの端部に「胴差し」の
ための寸法調整（Δｑ）がなされており、その設計材成
は前記の寸法調整（Δｑ）がなされた高さ方向の寸法
（ｑ）にされている。このときの材寸法は（ｑ＋Δｑ）
として表される。ここで、胴差し端部２Ｄは関連の柱材
との所定の連結のためのものである。なお、この図１に
おいて、寸法調整を実施するための都合として、横架材
２Ａはその天地が逆転している。即ち、家屋等の建築に
際して底部とされる面を上面にして所要の寸法調整を施
すようにされている。

【０００８】図２は、上記実施例に係る寸法調整横架材
と各種の柱材との連結関係の例示図である。まず、図２
の（Ａ）においては、土台４を底部として、それぞれに
２本の通柱１および管柱３が適当な部位に植設されてい
る。また、胴差し材２の両端が前記２本の通柱１に対し
てそれぞれに連結されており、２本の管柱３の頂部もこ
の胴差し材２の適所に植設されている。この図２の
（Ａ）において、通柱１の設計寸法はｈであり、前述さ
れたような横架材等の中間的な仕上がり寸法に誤差があ
るとすれば、その「浮き」はαであるとされている。ま
た、管柱３の設計寸法はｋであり、胴差し材２の設計寸
法がβであって、前記と同様に中間的な仕上がり寸法に
誤差があるとすれば、そのバラツキはαであるとされて
いる。次に、図２の（Ｂ）においては、土台４を底部と
して２本の管柱３が適当な部位に植設されている。ま
た、横架材２Ａの両端には適当な交差材５が直交して連
結されている。この図２の（Ｂ）において、横架材２Ａ
の設計寸法はｒであり、この横架材２Ａの中間的な仕上
がり寸法に誤差があるとすれば、その「持ち上がり」は
Δｒであるとされている。この図２の例から認められる
ように、横架材２Ａの中間的な仕上がり寸法に誤差があ
るようなときには、家屋の建築に際して各所に寸法的な
不具合が生じる恐れがあるけれども、関連の柱材が植設
される部位のみが高精度の寸法調整が施された寸法調整
横架材を用いることによって、このような不具合の発生
を確実に防止することができる。

【０００９】図３は、上記実施例が適用される場合の説
明図である。この図３において、通柱１と交差材５との
直交連結部に柱もたせ部１Ａが設けられており、この柱
もたせ部１Ａに対して胴差し材２が直交して連結されて
いる。このような相互連結状態において寸法的な誤差が
生じることを防止することは、前記胴差し材２の直交連
結部位に所要の寸法調整を施すことによって実現され
る。

【００１０】図４は、上記実施例が適用される別の場合
の説明図である。まず、図４の（Ａ）は、通柱１のホゾ
穴１Ｂに対する胴差し材２の胴差しの態様を示すもので
あり、また、図４の（Ｂ）は、通柱１のホゾ穴１Ｂに対
する胴差し材２の横差しの態様を示すものである。いず
れの態様の場合においても、その寸法的な誤差の発生を
防止することは、胴差し材２の通柱１との連結部位に所
要の寸法調整を施すことによって実現される。

【００１１】

【発明の効果】以上説明されたように、この発明に係る
寸法調整横架材は、関連の柱材が植設されるべく所要の
寸法調整がなされている横架材であって、 前記関連の
柱材が植設される部位のみが高精度の寸法調整が施され
ていることを構成上の特徴とするものである。そして、
このような特徴のために、家屋の建築のために予め工場
生産されるプレカット材としての横架材について、製造
上の手間やコスト的な制約を受けることなく、関連の柱
材が植設される部位のみが高精度の寸法調整が施される
という効果が生じるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例に係る寸法調整横架材の概略
的な構成図である。

【図２】上記実施例に係る寸法調整横架材と各種の柱材
との連結関係の例示図である。

【図３】上記実施例が適用される場合の説明図である。

【図４】上記実施例が適用される別の場合の説明図であ
る。

【符号の説明】

１：通柱； ２：胴差し材； ２Ａ：横架材； ２Ｂ：ホゾ穴； ２Ｃ：アリ部； ２Ｄ：胴差し端部； ｔ：横架材２Ａの設計材成； Δｔ：横架材２Ａの寸法調整； ｔ＋Δｔ：横架材２Ａの材寸法；

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】関連の柱材が植設されるべく所要の寸法調
   整がなされている横架材であって、前記関連の柱材が植
   設される部位のみが高精度の寸法調整が施されているこ
   とを特徴とする寸法調整横架材。