JPH05307862A - カセットハーフ - Google Patents

カセットハーフ

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JPH05307862A
JPH05307862A JP4111139A JP11113992A JPH05307862A JP H05307862 A JPH05307862 A JP H05307862A JP 4111139 A JP4111139 A JP 4111139A JP 11113992 A JP11113992 A JP 11113992A JP H05307862 A JPH05307862 A JP H05307862A
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    • Y10S425/058—Undercut

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動減衰性をもたせるために多層構造とした
カセットハーフにおいて、該カセットハーフを射出成形
したのち金型から取外す際に、金型に設けた所謂喰付き
用の凸部によって発生するかえり突起が惹起する問題点
を除去する。 【構成】 金型２２に設けた喰付き用の凸部２１により
形成される喰付き用の凹部４を内側面５ａに有する第１
樹脂層５の外側面５ｂ側に、第２樹脂層６を射出成形し
た多層構造がカセットハーフ２，３において、上記第１
樹脂層５の内側面５ａに窪部１１を形成し、該窪部１１
内に上記喰付き用の凹部４を配置することにより、カセ
ットハーフ２，３を金型から取外す際に、上記凹部４の
開口端に発生するかえり突起３１を上記窪部１１内に収
容した。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は多層構造のカセットハー
フに関し、特に、射出成形したカセットハーフを成形金
型から取外す際に、カセットハーフの内側面に発生する
所謂かえり突起の弊害を除去することができるようにし
たものである。
【０００２】
【従来の技術】低弾性率の樹脂率層と、高弾性率の樹脂
層を重ね合わせて、２層構造とし、上記低弾性率の樹脂
層で振動等を吸収することができるようにしたカセット
ハーフが知られている。
【０００３】そして、上記２層構造のカセットハーフは
一般に図８に示したようなロータリー成型装置１０１を
使用し、一次側の樹脂供給シリンダ１０２を接続した一
次側の固定金型１０３に可動金型１０４を接触させて、
低弾性率の樹脂層１０５（以下第１樹脂層という）を射
出成形したのち、一次側の固定金型１０３から可動金型
１０４を離し、該可動金型１０４を二次側の固定金型１
０６側に移動させたのち、該二次側の固定金型１０６に
可動金型１０４を接触させ、上記第１樹脂層１０５上に
高弾性率の樹脂層１０７（以下、第２樹脂層という）を
射出成形することにより製造されている。
【０００４】１０８は二次側の固定金型１０６に接続さ
れた二次側の樹脂供給シリンダである。
【０００５】ところで、上述のようにロータリー成形装
置を使用してカセットハーフを製造する場合において、
第１樹脂層１０５を射出成形したのち、一次側の固定金
型１０３から可動金型１０４を離すときに、第１樹脂層
１０５は可動金型１０４側に保持されていなければなら
ず、第１樹脂層１０５が可動金型１０４から剥れて（外
れて）固定金型１０３側に残ってしまうのを防止しなけ
ればならない。
【０００６】そこで、上記可動金型１０４には一般に図
９に示したように剥離防止用の凸部（以下喰付き用の凸
部という）１０９が設けられていて、該凸部１０９が第
１樹脂層１０５内に侵入し、所謂第１樹脂層１０５に喰
付いた状態になって、一次側の固定金型１０３から可動
金型１０４を離すときに第１樹脂層１０５を可動金型１
０４に組付けた状態に維持することができるようにして
いる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
可動金型１０４に喰付き用の凸部１０９を設けて、該凸
部１０９により第１樹脂層１０５を可動金型１０４側に
喰い付かせるようにした場合には次に述べるような問題
点があった。
【０００８】（１）第１樹脂層１０５の喰付き効果を上
げるためには、上記喰付き用の凸部１０９の側面１０９
ａの傾斜角度θを大きくすることが望ましいが、上記傾
斜角度θを大きくすると、上記凸部１０９からカセット
ハーフを抜き取る際に、第１樹脂層１０５の内側面１０
５ａに、図９に示したような、所謂かえり突起１１１が
発生し、該かえり突起１１１によりカセット内寸を確保
するのが困難になり、テープの走行性等に悪影響を及ぼ
す。
【０００９】（２）上記凸部１０９の側面１０９ａの傾
斜角度θを小さくすれば、かえり突起１１１も小さくす
ることができるが、当然のことながら喰付き効果も減少
し、一次側の固定金型１０３から可動金型１０４を離す
ときに、該可動金型１０４から第１樹脂層１０５が剥れ
てしまうことがある。
【００１０】（３）かえり突起１１１を減少させようと
すれば凸部１０９の喰付き効果も減少し、喰付き効果を
増大させようとすれば、かえり突起１１１も増大し、両
者は二律背反の関係にあり、喰付き効果を増大させ、し
かも、かえり突起１１１を減少させることは困難であ
る。
【００１１】本発明は上記従来の問題点を解決し、可動
金型からカセットハーフを抜き取るときに、かえり突起
が発生しても、該かえり突起がカセットハーフの内面か
ら突出しないようにすることにより、上記従来の問題点
を解決できるようにしたものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形金型に設
けた喰付き用の凸部により形成される凹部を内側面に有
する第１樹脂層の外側面に、第２樹脂層を射出成形した
多層構造のカセットハーフにおいて、上記第１樹脂層の
内側面に、窪部を形成し、該窪部内に上記喰付き用の凹
部を配置した。
【００１３】
【作用】喰付き用の凸部から第１樹脂層を抜き取るとき
に発生するかえり突起は、上記窪部内に収容された状態
になり、第１樹脂層の内側面から突出するのを抑制され
る。
【００１４】
【実施例】次に本発明のカセットを図を参照して説明す
る。
【００１５】図１〜図５は第１実施例を示す。図１にお
いてはテープカセットであり、該テープカセット１はア
ッパ側とロア側のカセットハーフ２，３とからなってい
る。
【００１６】上記カセットハーフ２，３には、金型に設
けた喰付き用の凸部により形成される喰付き用の凹部４
を内側面５ａ側に有する第１樹脂層５と、該第１樹脂層
５の外側面５ｂに射出成形された第２樹脂層６とによっ
て２層構造に形成されている。
【００１７】そして、上記第１樹脂層５の内側面５ａに
は、窪部１１が設けられていて、該窪部１１内に上記喰
付き用の凹部４が配置されている。
【００１８】上記第１樹脂層５はナイロンやポリプロピ
レン、ポリウレタン等の比較的軟らかな低弾性率の合成
樹脂により０．６ｍｍ程度の肉厚Ｔ1に作られている一
方、第２樹脂層６はナイロンに酸化亜鉛や硅酸アルミ等
の無機質を混入した比較的硬い高弾性率の合成樹脂によ
り、１．２ｍｍ程度の肉厚Ｔ2に作られていて、上記第
２樹脂層６によりカセットハーフに剛性を付与し、第１
樹脂層５により振動減衰性能を付与するようになってい
る。
【００１９】上記喰付き用の凹部４は０．４ｍｍ程度の
深さＤ1で、かつ５°程度の広がり角度をもつアリ溝状
に形成されている。
【００２０】また、上記窪部１１は０．２ｍｍ程度の深
さＤ2に形成されていて、上記喰付き用の凹部４の開口
端と第１樹脂層５の内側面５ａとの間に０．２ｍｍ程度
の段差Ｈをもたせるようになっている。
【００２１】なお、図２において２１は可動金型２２に
設けられた喰付き用の凸部であり、該凸部２１により上
記喰付き用の凹部４と窪部１１とが形成される。
【００２２】第１実施例のテープカセットは以上、説明
したような構成であって、図３に示したように、一次側
の固定金型２３に可動金型２２を接触させて、第１樹脂
層５を形成する。
【００２３】第１樹脂層５を形成したら、一次側の固定
金型２３から可動金型２２を離し、今度は上記可動金型
２２を図４に示したように、二次側の固定金型２４に接
触させて、第１樹脂層５上に第２樹脂層６を積層させて
カセットハーフを形成する。
【００２４】カセットハーフを形成したら今度は図５に
示したように、可動金型２２からカセットハーフを取外
すのであるが、このとき発生するかえり突起３１は上記
窪部１１内に収まって、かえり突起３１がカセット内寸
の設定等に悪影響を及ぼすのを未然に防止するのであ
る。
【００２５】図６は本発明の第２実施例を示す。この実
施例においては、喰付き用の凹部４の両側面を未広がり
状の傾斜面にする代わりに、両側面に円弧状の凹部４
１，４１を形成した場合を示している。
【００２６】図７は本発明の第３実施例を示す。この実
施例においては喰付き用の凹部４の一側面を傾斜面５１
とし、他側面をストレート面５２にした場合を示してい
る。
【００２７】なお実施例では、図１に示したように上記
凹部４及び窪部１１をハブ受穴６１，６２を囲むように
矩形状に形成した場合を示したが、上記凹部４及び窪部
１１は複数箇所に部分的に形成してもよい。上記凹部の
広がり角度θは０゜であってもよい。また、上記窪部１
１の深さＤ2は喰付き用の凹部４の深さＤ1等に応じて適
宜に設定されるが要は、かえり突起１１の先端が第１樹
脂層５の内側面５ａから突出しない深さであればよい。
また、窪部１１には開口端が拡径する所謂抜きテーパが
設けられていて、該窪部１１から喰付き用の凸部２１を
抜き易くしていると共に、上記凸部２１を抜く時に窪部
１１の開口端にかえり突起が発生するのを防止してい
る。
【００２８】また、本発明のカセットハーフはテープカ
セットのみならずディスクカセット等のカセットハーフ
としても使用される。
【００２９】
【発明の効果】本発明のカセットハーフには、次に述べ
るような効果がある。
【００３０】（１）第１樹脂層の内側面に窪部を形成
し、該窪部内に喰付き用の凹部を配置したので、射出成
形したカセットハーフを金型から取外すときに、上記喰
付き用の凹部の開口端に発生するかえり突起を上記窪部
内に納めることができ、これによってかえり突起がカセ
ット内寸を確保するための弊害となったり、テープ走行
性等に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。
【００３１】（２）喰付き用の凹部の広がり角度をより
大きくして喰付き効果を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】カセットハーフの斜視図
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図
【図３】第１樹脂層の成形状態を示す断面図
【図４】第２樹脂層の成形状態を示す断面図
【図５】金型からカセットハーフを取外した状態の断面
図
【図６】第２実施例の断面図
【図７】第３実施例の断面図
【図８】ロータリー成形装置の略示的説明図
【図９】従来のカセットハーフの問題点を示す説明図
【符号の説明】
１…テープカセット ２，３…カセットハーフ ４…喰付き用の凹部 ５…第１樹脂層 ６…第２樹脂層 １１…窪部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 金型に設けた喰付き用の凸部により形成
    される喰付き用の凹部を内側面に有する第１樹脂層の外
    側面に、第２樹脂層を射出成形した多層構造のカセット
    ハーフにおいて、 上記第１樹脂層の内側面に、窪部を形成し、該窪部内に
    上記喰付き用の凹部を配置したことを特徴とするカセッ
    トハーフ。
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