JP2799754B2 - 磁気テープカセット用ハーフケースとその成形装置 - Google Patents

磁気テープカセット用ハーフケースとその成形装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気テープカセットにおける上下ハーフケー
スとその成形装置に関し、更に詳しくはハーフケースの
2層成形におけるシール性の向上に関する。
[従来技術] 材質又は色の異なった2種の樹脂材料を前後して射出
成形することにより少なくとも一部に2層構造を有する
磁気テープカセットを製造することは従来から知られて
いる。例えば実願昭63年29214号等に於ては射出成形法
により硬質樹脂製の内層とその外表面に結合されたエラ
ストマー製の外層を一体に形成した上下ハーフケースに
より、耐衝撃性及び制振性の良い磁気テープカセットを
提供している。一般に内外層の樹脂材料は内層と外層で
異なっていても良いし同一であっても良く、異なった着
色剤、潤滑材、充填材等を使用することにより内層と外
層で物性又は着色の異なった層とすることが出来る。
[従来技術の問題点] 2層構造のハーフケースは、先ず内層を射出成形し、
その外表面に外層の射出成形を行なって製造するが、外
層の射出成形時に樹脂が被覆してはいけない内層表面は
金型により完全にシールする必要がある。しかし従来の
方法では完全なシールは得られず、外層の縁部に沿って
外層の材料がバリとなって残留する。この主たる原因は
内層の成形後に外層を成形する際に、外層成形用樹脂の
圧力が大きいため二次成形金型が持ち上げられて微小な
変形を生じるため二次成形金型と内層とのシール部に隙
間が生じがちなことと、成形圧力が直接シール部に加わ
ることであり、他の原因としては、内層材料と外層材料
が異なる場合には内層成形用の一次成形金型の温度と外
層成形用の二次成形金型の温度が異なるため、金型の線
膨張の違いによりピッチ精度が狂いがちなことによる。
このため外層樹脂がこの隙間に漏洩し易く、特に外層側
の樹脂材料として例えばポリウレタン等のエラストマ
ー、その他の流動性の高い樹脂を使用するとこの問題は
更に悪化する。
一例として、第1〜3図を参照して従来の回転成形に
よる2層成形法を説明する。回転成形による2層成形法
は、下型を可動金型とし、2箇所に上型として一次成形
用固定金型と二次成形用固定金型をそれぞれ固定し、可
動金型を先ず一次成形用固定金型に整列させて一次成形
を行ない、次ぎに一次成形物を保持したまま可動金型を
回転させて、二次成形用固定金型に型締めし、次いで二
次成形を行なう。第1図は成形すべき磁気テープカセッ
トであり、第2図は同図のA−A断面図で上ハーフケー
ス(下ハーフケースも同様なので省略)を示し、内層1
とその外表面に形成した所定深さの凹所に充填される形
に合体された外層2とよりなる。外層2の外端縁と内層
1の凹所の周壁とは衝合している。従来、この衝合部
(分割面)3の近傍では内層外表面側にバリが発生し易
かった。この原因は次ぎのように考えられる。
第3図は従来の射出成形工程における二次成形金型の
構造を示す。金型は可動金型4と、固定金型5とよりな
り、可動金型4は内層用の一次成形用金型ある。この金
型は二次成形にも成形された内層を保持した状態でその
まま使用される。一次成形は二次成形用の固定金型5の
代わりに図示しない一次成形用の固定金型に対して可動
金型4を型締めすることによりそれらの間に一次成形空
間を形成し、この状態で内層用の樹脂を注入して先ず内
層1を一次成形する。冷却により内層1の硬化がほぼ終
ると、一次成形用の固定金型を型開きし、回転させて、
図示の二次成形用固定金型5に型締めして二次成形空間
を形成する。ついで外層2のための樹脂を導入すると、
樹脂は矢印のように流動して二次成形空間を充填する。
ところが、外層用樹脂は矢印の方向に流れて内層の分割
面3に突き当たり上方に転向されて樹脂圧力を固定金型
に加え、これにより固定金型を持ち上げて変形させ、内
層の外表面と金型のシール面7との間に微小な隙間を作
る。外層の面が内層の面と同一面となるように金型のシ
ール面は外層の成形面と同じ面内にあるから、樹脂圧力
は直接隙間に加わり、このため樹脂の漏れが助長され
る。更に、金型の熱歪みによる精度ずれのため、この問
題は更に悪化する。内層の外表面に細かい凹凸加工によ
る模様(シボ)を形成したときにはシール部の密封性が
更に低下する。こうして成形品の衝合部3の近傍にはバ
リが生じることになり、商品価値を低下し或は不良品と
を発生する。さらに、テープカセットの制振性を高める
ためにはヘッドハウス6(磁気ヘッドが挿入自在で、ガ
イド部材、パッド等が収容されているカセット前部の肉
厚部)の外表面とその周りの傾斜部にエラストマー製外
層を形成すると良いが、この傾斜部は図示の様に複合傾
斜面となっているため(ここに「複合傾斜」の語は、分
割面の方向をx、カセットハーフの主要面に平行でかつ
xに直交する方向をy、カセットの主要面に立てた法線
をzとするとき、傾斜部の面に立てた法線がx、y、z
方向の成分を有することと定義する)、二次成形用固定
金型5の複合傾斜面に対応する部分を内層の傾斜部にお
ける複合傾斜面と同一角度及び同一寸法精度に製作する
ことが極めて困難で、二次成形時のシール性の確保が極
めて難しかった。従って、従来はこの部分を避けて2層
成形をせざるをえず、設計上の融通性が乏しかった。
二次成形金型によるシール性を金型の内層への圧力を
増大することにより確保することが考えられるが、二次
成形空間の寸法が変動するので採用出来ない。特に内層
の露出面にシボ加工(微細な凹凸模様)があるとシール
性は更に低下する。
[発明の目的] 本発明の目的は、2層成形によりカセットハーフを成
形するに当たり、特にはヘッドハウスの成形に当たり、
内層の外表面に外層を成形する二次成形時に内層と固定
金型の間のシール性を向上した成形装置を提供するこ
と、及び外層の縁端部近傍にバリが生じない優れたカセ
ットハーフを提供することにある。
[発明の構成の概要と作用効果の概要] 本発明は、磁気テープを巻回した一対のハブを上下ハ
ーフケース部材間に収容し、前面側に前記磁気テープの
案内用のガイドローラ及びテープガイドを有するテープ
カセットにおける、上ハーフケース及び/又は下ハーフ
ケースとその成形装置を提供する。
すなわち、本発明の成形装置は、一次成形金型により
ハーフケースの内層を形成する空間を形成し、内層形成
用の樹脂を前記空間に導入して内層を形成し、こうして
形成された内層の外表面側に二次成形金型を位置付けて
外層形成用の空間を形成し、この空間に外層形成用の樹
脂を導入して外層を形成する、磁気テープカセット用の
ハーフケースの製造方法に使用される金型である。本発
明の成形装置の特徴は、一次成形用金型が可動金型と固
定金型から構成され、前記固定金型が前記内層外表面に
外層形成用の高流動性樹脂を注入すべき所定深さの第1
凹所を形成する第1凸部と該第1凹所に接して内層外面
の少なくとも一部に前記第1凹所よりは浅い第2凹所を
形成する前記第1凸部よりは低い第2凸部を有し、二次
成形金型は前記内層の第2凹所に密着するシール面と成
形空間側にあって樹脂を転向させる突当て面とを備えた
シール部を有することを特徴とする。
本発明のこの特徴によると、二次成形時に外層用樹脂
の流れは二次成形金型のシール部の突当て面に当たり、
内層方向に転向される。従って、シール部への樹脂の流
れは緩和され、樹脂の漏洩が防止される。
好ましくはシール部の突当て面は傾斜面とし、更に好
ましくは傾斜面は微細な凹凸加工を施こすと、良好な離
型性が得られる。又好ましくは突当て面は第2凹所より
も成形空間側に位置し、これにより転向された樹脂がシ
ール面に向かわないで内層方向へ向かい、シール面側は
低圧となり樹脂漏れが防止できる。
更に二次成形金型のシール部を他の部分に対して摺動
自在の別体に構成すると、外層の厚み精度に影響を与え
ないでシール圧力を調整出来るので、シール性を向上出
来、成形品のバリの発生を防止出来る。
又本発明によれば、内層外表面のシボ加工(微小な凹
凸模様)などとは関係なしに密封が確保出来る。
更に好ましくは、一次成形時において内層の第1凹所
は前記第2凹所に近接又は接した部分に前記第2凹所に
沿って延びる第3凹所を形成し、二次成形時に前記のよ
うに突当て面から転向させた外層形成用樹脂をこの第3
凹所へ流動させると、内層に圧接したシール部への樹脂
圧力が更に緩和されて、樹脂の漏洩が更に防止出来る。
又、この態様によると、第3凹所を外層用樹脂が充填す
るのでくさび効果により外層の内層への結合力が高ま
り、外層の剥離が防止出来る。
特に、ハーフケースのヘッドハウスの部分の傾斜部の
複合傾斜面の良好なシール性の確保は困難であることは
既に述べたが、この傾斜部における第2凹所の傾斜面を
単傾斜にすると(ここに「単傾斜」の語は、傾斜面の法
線が先に複合傾斜を定義したときの表示法で実質的にy
成分を有しないことと定義する)、二次成形金型を高精
度に作製することが出来るので、二次成形時に傾斜部の
シール性が完全になる。
[発明の具体的な説明] 以下に本発明を実施例に関連して具体的に説明する。
本発明は磁気テープを巻回した一対のハブを上下ハーフ
ケース部材間に収容し、前面側に前記磁気テープの案内
用のガイドローラ及びテープガイドを有するテープカセ
ットにおける、上ハーフケース及び/又は下ハーフケー
スの改良に関する。以下の説明では単にハーフケースと
呼ぶ。又以下の説明では内層及び外層の材料に言及しな
いが、従来公知の2種の樹脂材料が使用されるものと
し、同一樹脂でも着色等が異なるとき異なった材料であ
ると規定する。しかし、本発明の利点は外層として流動
性の高い材料が使用されたときに得られる。好ましい組
合せは先に引用した特許出願に記載されている。例えば
内層が硬質樹脂、外層がエラエストマーの場合である。
実施例1 第4図ないし第10図を参照して本発明の第1実施例を
詳しく説明する。本例では特にヘッドハウスの部分にも
外層を形成したが、本発明の原理はハーフケースの他の
部分にも適用出来る。しかしヘッドハウスの部分に適用
すると本発明の利点は充分に生かすことが出来る。
第4図は本発明のハーフケースを用いた磁気テープカ
セットを示す。図において、磁気テープを巻回した一対
の可動ハブ11、12を上下ハーフケース13、14(下ハーフ
14は図示せず)の収納部17の間に形成される空所に収容
し、前面側に前記磁気テープの案内用のガイドローラ及
びテープガイド(図示せず)を有するヘッドハウス15を
備えている。ヘッドハウスは傾斜部16を有し傾斜部はハ
ーフケースの平面状収容部17に合体している。第5図及
び第6図は第4図の上ハーフケースのみを通るA−A断
面図であり本発明の特徴を良く表わしている。その詳細
は以下で明らかにする。この実施例によるハーフケース
の成形装置及び成形方法とそれにより製造される本発明
のハーフケースの構造を第9〜11図を参照して説明す
る。
先ず第9図に示す様に内層19を形成するための一次成
形を行なう。内層を成形するための一次成形金型は可動
金型25と固定金型26からなり、互いに閉鎖して型締めす
ると内層用の一次成形空間が形成される。固定金型26に
は内層の上に外層形成用の流動性樹脂を注入すべき所定
深さの第1凹所22を形成するために成形品の仕上げ面29
から計った高さがt1の第1凸部28を有し、更に第1凸部
28の周部に第1凸部28の高さよりも低い高さt2の平面状
の頂面を有する第2凸部30が形成されている。この第2
凸部はヘッドハウス15の平面部及び傾斜部16に相当する
位置に延びている。ここで内層に形成される第2凹所23
はヘッドハウスの傾斜部16においてその複合傾斜面(先
に定義したようにその法線がx,y,z方向成分を有する)
とは異なって単傾斜(その法線が実質的にx,z方向成分
のみを有する)を有する。
更に第1凸部28には第2凸部30に隣接し且つ第2凸部
に沿って延びる第3凸部31が形成されている。一次成形
空間に内層用の樹脂を導入すると、先に記載した第1凹
所22、第2凹所23、及び第3凹所24を有する内層19が形
成される。又ヘッドハウス16の傾斜面16の面は第7〜8
図に示したように複合傾斜面となるが、第2凹所23の傾
斜面32は単傾斜となる。
次ぎに第10〜11図を参照して外層形成のための二次成
形工程にを説明する。可動金型25を一次成形用の固定金
型から、外層20を形成するための二次成形用の固定金型
27の位置へ回転させ、型締めする。これによりほぼ硬化
した内層19の上に外層成形空間を形成する。固定金型27
のシール部34は別個の部材として固定金型の他の部分に
対して摺動自在に形成され、加圧部材36により独立に圧
密封圧力を制御出来るようになっている。シール部34は
内層の傾斜面32の部分も含めて第2凹所23の面に圧接し
て密封を行なうシール面33を有する。内層の傾斜面32は
単傾斜であるから、これに精密に合致するシール面を有
するシール部34を製作することは容易である。
更にシール部34の成形空間側は傾斜した突当て面35を
具備している。この突当て面35の主要な作用は樹脂の流
れを阻止し下方へ転向させ樹脂の圧力がシール面に作用
しないようにすることである。このため突当て面35は従
来の二次成形用の固定金型とは違って成形空間内に突出
する必要があり、そのため一次成形時に内層19の外面側
に第2凹所23を形成しておく必要があるのである。な
お、突当て面を傾斜させると樹脂の転向作用が増し、同
時に固化樹脂に対する離型性を付与する。更に好ましく
はこの傾斜面にシボ加工を行なうと離型性が更に向上す
る。
第11図に示したように、もう一つの重要な点は、突当
て面35が内層19の第1凹所の周壁よりもわずかな距離d
だけ成形空間側にずれていることである。これにより、
樹脂の成形圧力はシール面と内層の間に加わるときには
減少しているので、樹脂漏れが更に防止される。
二次成形において外層20用の流動樹脂を空間に導入す
る。導入点は第4図に示した外層ゲート36に設定する
(第10〜11図には示さない)樹脂は矢印の方向に流れ空
間の縁端まで樹脂を充填する。樹脂は縁端において第11
図のようにシール部34に突き当たって方向を変え、第3
凹所24に流入する。
さらに、樹脂が第3凹所24にそれるから内層とシール
部とのシール面に加わる樹脂圧力が緩和されて、樹脂の
漏洩が更に防止出来る。
このようにして製造されたハーフケースは、ヘッドハ
ウス15に形成された第1凹所22に隣接して内層19の外面
には第1凹所22よりも浅い第2凹所23が形成される。こ
の第2凹所は第4図ないし第8図の様にヘッドハウス15
の平坦面を直線状に延び両側の傾斜部16に延びている。
傾斜部16における第2凹所23の傾斜面32は複合傾斜面を
形成する傾斜部16の傾斜とは独立している。即ち第7〜
8図に示されているように第2凹所23の面は平面部に平
行であり、傾斜部16では単傾斜の傾斜面32を有する。こ
のため、この第2凹所23は、後述のように二次成形時に
金型のシール部のシール面と緊密に密着でき、外層用樹
脂が高い流動性を有していても樹脂漏れを完全に防止
し、バリの発生を防止する。又この溝の深さはわずかで
良く、0.03〜0.5mm程度で充分に目的を達成し得る。
内層29の第1凹所22には更に前記第2凹所23に近接又
は接した部分に前記第2凹所に沿って延びる第3凹所24
を有し、外層20はこの第3凹所24を充填している。これ
により、外層20を成形するための二次成形においてエラ
ストマー等の流動性の高い外層用二次成形樹脂を使用し
ても、第3凹所24の方へ大部分の樹脂が逸らされ、二次
成形金型のシール部として作用する部分へ加わる成形圧
力が緩和されることにより樹脂の漏れが更に減少し、バ
リの発生が更に抑制される。しかも、この構成により第
3凹所24を外層20の樹脂が埋めるので、くさび効果によ
り内層19と外層20の結合力が高まり剥離の問題が防止出
来る。
実施例2 第12図は他の実施例を示す。この例と実施例1の唯一
の違いは、内層成形用の一次成形金型が実施例1では形
成した第3凹所24を形成しないことである。そのためシ
ール性は若干劣るが、その他の点では実施例1と変りが
ない。二次成形において外層用の流動樹脂は矢印の方向
に注入されるが、樹脂圧力はシール部の突当て面により
転向されるので、シール部に加わる圧力は緩和される。
実施例1に関して述べたように第2凹所23とシール部の
密着面は精密に形成出来るから、この部分のシール性は
充分確保でき、更に独立のシール部を使用するので外層
の精度に実質的に影響を与えないでシール性を充分に確
保出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の磁気テープカセットの構造を示す正面
図、第2図は同図の上ハーフケースを通るA−A断面
図、第3図は従来の成形金型による成形工程を示す断面
図。第4図は本発明の磁気テープカセットの正面図、第
5図は同図のハーフケースを通るA−A断面図、第6図
は第5図の部分拡大図。第7図は第4図のカセットの部
分Cの拡大正面図、第8図は第7図のD−D断面図、第
9図は本発明の実施例1によるハーフケースの一次成形
工程を示す断面図、第10図は二次成形工程を示す断面
図、第11図は同拡大断面図、及び第12図は本発明の第2
実施例による二次成形工程を示す断面図である。 16……傾斜部 19……内層 20……外層 22……第1凹所 23……第2凹所 24……第3凹所 25……下金型 26……内層用上金型 27……外層用固定金型 33……シール面 34……シール部 35……突当て面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 津一 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−80573(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 23/113 510 B29C 45/37

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次成形金型によりハーフケースの内層を
    形成する空間を形成し、内層形成用樹脂を前記空間に導
    入して内層を形成し、こうして形成された内層の外表面
    側に二次成形金型を位置付けて外層形成用の空間を形成
    し、この空間に外層形成用の樹脂を導入して外層を形成
    する、磁気テープカセット用のハーフケースの成形装置
    において、前記一次成形金型は、前記内層外表面に外層
    形成用樹脂を注入すべき所定深さの第1凹所22を形成す
    るための第1凸部と、該第1凹所に接して内層外面の少
    なくとも一部に前記第1凹所よりは浅い第2凹所23を形
    成するための、前記第1凸部より高さの低い第2凸部と
    を有し、前記二次成形金型に、前記内層に形成された前
    記第2凹所23に密着するシール面33と樹脂の流れを転向
    するための突当て面35とを有するシール部34を設けたこ
    とを特徴とするハーフケースの成形装置。
  2. 【請求項2】シール部34は二次成形金型の他の部分に対
    して摺動自在の別体に形成されている前記第1項記載の
    ハーフケースの成形装置。
  3. 【請求項3】第2凸部は、ハーフケースの前部ヘッドハ
    ウスの平面状外表面からその周りの複合傾斜部へかけて
    第2凹所23を形成するように延びており、前記傾斜部16
    に相当する部分で前記第2凸部は単傾斜になっている前
    記第1項又は第2項記載のハーフケースの成形装置。
  4. 【請求項4】二次成形金型のシール部34の突当て面35は
    内層の第2凹所23よりも成形空間の方へわずかに突出し
    ている前記第1項又は第2項記載の成形装置。
  5. 【請求項5】突当て面35は傾斜面である前記第1項又は
    第2項記載のハーフケースの成形装置。
  6. 【請求項6】傾斜面は微細な凹凸加工を施されている前
    記第5項記載のハーフケースの成形装置。
  7. 【請求項7】二次成形金型の第1凸部は第2凸部に近接
    又は接した部分に前記第2凸部に沿って前記第1凸部よ
    りも高い第3凸部を有する前記第1項ないし第6項のい
    ずれかに記載のハーフケースの成形装置。
  8. 【請求項8】平面状外表面を有する磁気テープ収容部と
    この収納部に複合傾斜部を介して連接した平面状外面を
    有する前部ヘッドハウスとよりなるハーフケースであっ
    て、内層と、前記内層に前記収容部の外表面から前記ヘ
    ッドハウスの外表面の一部にかけて形成された所定深さ
    の第1凹所22と、この第1凹所を覆う外層とから構成さ
    れたハーフケースにおいて、前記ヘッドハウス外面及び
    前記複合傾斜部を延びる第1凹所の縁部に隣接して内層
    外表面に前記第1凹所よりは浅い一定深さの第2凹所23
    を形成し、しかもこの第2凹所は前記複合傾斜部で単傾
    斜を有するように構成したことを特徴とする、磁気テー
    プカセット用のハーフケース。
  9. 【請求項9】第1凹所22の底部は第2凹所23に近接又は
    接した部分に前記第1凹所に沿って少なくとも部分的に
    延びる第3凹所24を有し、前記外層は前記第3凹所を充
    填していることを特徴とする前記第8項記載のハーフケ
    ース。
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