JPH05306341A - シランゲルマンコポリマーの製造方法 - Google Patents

シランゲルマンコポリマーの製造方法

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JPH05306341A
JPH05306341A JP11190292A JP11190292A JPH05306341A JP H05306341 A JPH05306341 A JP H05306341A JP 11190292 A JP11190292 A JP 11190292A JP 11190292 A JP11190292 A JP 11190292A JP H05306341 A JPH05306341 A JP H05306341A
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達哉 庄野
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茂史 柏村
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亮一 西田
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的規模での生産に際しても、安全性に優
れ、収率が高く、生成物の分子量を制御し得るシランゲ
ルマンコポリマーの新規な製造方法を提供することを主
な目的とする。 【構成】一般式 【化1】 で示されるハロシランと一般式 【化2】 で示されるハロゲルマンを特定の条件下での電極反応に
供することにより、一般式 【化3】 (式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ;nは、2
〜11000である)で示されるシランゲルマンコポリ
マーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シランゲルマンコポリ
マーの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】シランゲルマンコポリマーは、光・電子材
料などとして有用であると期待されている。
【0003】従来、シランゲルマンコポリマーの製造方
法としては、金属ナトリウムなどのアルカリ金属を用い
て、トルエン溶媒中のオルガノジクロロシランとオルガ
ノジクロロゲルマンとを100℃以上の温度で長時間攪
拌し、還元的にカップリングさせる方法が知られている
{J.Polym.Sci.:Polymer Chemistry,Ed.,23(1985)2099-
2107}。しかしながら、この方法には、過酷な反応条件
(例えば、長時間の加熱など)を必要とする、物質収率
が低い、生成物の分子量を制御することができない、工
業的規模での生産に際しては、アルカリ金属を大量に使
用するので、安全性に欠けるなどの大きな問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、工
業的規模での生産に際しても、安全性に優れ、物質収率
が高く、生成物の分子量を制御し得るシランゲルマンコ
ポリマーの新規な製造方法を提供することを主な目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の
ハロシランとハロゲルマンとを陽極として特定の金属を
使用し、支持電解質として過塩素酸塩を使用する電極反
応に供する場合には、常温での重合反応が可能となり、
収率が高まり、従来技術の問題点が実質的に解消される
か乃至は大幅に軽減されることを見出した。
【0006】また、この様な電極反応において、両電極
の極性をで切り替えて反応を行なう場合には、反応の効
率が大幅に改善されることを見出した。
【0007】さらに、上記の如き電極反応に際して、反
応器又は反応溶液に超音波を照射する場合には、反応時
間が大幅に短縮されるとともに収率も向上することを見
出した。
【0008】即ち、本発明は、下記のシランゲルマンコ
ポリマーの製造方法を提供するものである: 1.シランゲルマンコポリマーの製造方法であって、一
般式
【0009】
【化7】
【0010】(式中、aは、1〜3である。;Rは、水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基あるい
はアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わ
す。;a=1の場合には、2つのRが同一でも異なって
いても良く、a=2の場合には、4つのRがそれぞれ同
一でもあるいは2つ以上が相異なっていても良く、a=
3の場合には、6つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
つ以上が相異なっていても良い。)で示されるハロシラ
ンと一般式
【0011】
【化8】
【0012】(式中、bは、1〜3である。;Rは、水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基あるい
はアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わ
す。;b=1の場合には、2つのRが同一でも異なって
いても良く、b=2の場合には、4つのRがそれぞれ同
一でもあるいは2つ以上が相異なっていても良く、b=
3の場合には、6つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
つ以上が相異なっていても良い。)で示されるハロゲル
マンとを超音波の照射下もしくは非照射下に、過塩素酸
塩を支持電解質として使用し、非プロトン性溶媒を溶媒
として使用し、Mg、CuまたはAlを陽極として使用
する電極反応に供することにより、一般式
【0013】
【化9】
【0014】(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同
じ;mおよびnは、それぞれ2〜11000である)で
示されるシランゲルマンコポリマーを製造する方法。
【0015】2.シランゲルマンコポリマーの製造方法
であって、一般式
【0016】
【化10】
【0017】(式中、aは、1〜3である。;Rは、水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基あるい
はアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わ
す。;a=1の場合には、2つのRが同一でも異なって
いても良く、a=2の場合には、4つのRがそれぞれ同
一でもあるいは2つ以上が相異なっていても良く、a=
3の場合には、6つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
つ以上が相異なっていても良い。)で示されるハロシラ
ンと一般式
【0018】
【化11】
【0019】(式中、bは、1〜3である。;Rは、水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基あるい
はアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わ
す。;b=1の場合には、2つのRが同一でも異なって
いても良く、b=2の場合には、4つのRがそれぞれ同
一でもあるいは2つ以上が相異なっていても良く、b=
3の場合には、6つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
つ以上が相異なっていても良い。)で示されるハロゲル
マンとを超音波の照射下もしくは非照射下に、過塩素酸
塩を支持電解質として使用し、非プロトン性溶媒を溶媒
として使用し、Mg、CuまたはAlを一方の極とし、
これらと同種または異種の導電性材料を他方の極として
一定の時間間隔で電極の極性の切替えを行なう電極反応
に供することにより、一般式
【0020】
【化12】
【0021】(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同
じ;mおよびnは、それぞれ2〜11000である)で
示されるシランゲルマンコポリマーを製造する方法。
【0022】3.電極の極性の切替えを任意の時間間隔
で行なう上記項2に記載の方法。
【0023】以下においては、上記項1に記載の発明を
本願第1発明といい、上記項2に記載の発明を本願第2
発明といい、これらを総括する場合には、単に本発明と
いうものとする。上記項3については、本願第2発明に
関連して説明する。
【0024】本願発明において、出発原料の一方として
使用する化合物は、一般式
【0025】
【化13】
【0026】(式中、aは、1〜3である。;Rは、水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基あるい
はアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わ
す。)で示されるハロシランである。
【0027】また、本願発明において、出発原料の他の
一方として使用する化合物は、一般式
【0028】
【化14】
【0029】(式中、bは、1〜3である。;Rは、水
素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基あるい
はアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わ
す。)で示されるハロゲルマンである。この様なハロゲ
ルマンの製造方法は、例えば、a=1、R=n−ヘキシ
ル、X=塩素原子である化合物の製造方法は、J.Poly.S
ci.:Poly.Chem. Ed.Vol.25,111-25 (1987)に記載され
ている。また、それ以外の化合物も、同様の手法によ
り、製造することができる。また、この様なハロゲルマ
ンは、グリニャール試薬による求核置換反応(J.Am.Che
m.Soc.Vol.82,3016-18(1960))によっても製造でき
る。
【0030】本願発明における反応生成物は、一般式
【0031】
【化15】
【0032】(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同
じ;mおよびnは、それぞれ2〜11000程度であ
る)で示されるシランゲルマンコポリマーである。
【0033】一般式(1)で示されるハロシランにおい
て、Rは、それぞれが相異なっていても良く、或いは同
一であっても良い。より具体的には、a=1の場合に
は、2つのRが同一でも異なっていても良く、a=2の
場合には、4つのRがそれぞれ同一でもあるいはその2
つ以上が相異なっていても良く、a=3の場合には、6
つのRがそれぞれ同一でもあるいはその2つ以上が相異
なっていても良い。一般式(1)で示される化合物とし
ては、a=1であるものがより好ましい。アルキル基と
しては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これら
の中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリール
基としては、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基の
少なくとも1種を置換基として有する置換フェニル基、
p−アルコキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられ
る。アルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のもの
が挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより
好ましい。Rが上記のアミノ基および有機置換基である
場合には、その水素原子の少なくとも1個が他のアルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置
換されていても良い。
【0034】また、一般式(1)においては、Xは、ハ
ロゲン原子(Cl,F,Br,I)を表わす。ハロゲン
原子としては、Clがより好ましい。
【0035】また、一般式(2)で示されるハロゲルマ
ンにおいても、Rは、それぞれが相異なっていても良
く、或いは同一であっても良い。より具体的には、b=
1の場合には、2つのRが同一でも異なっていても良
く、b=2の場合には、4つのRがそれぞれ同一でもあ
るいはその2つ以上が相異なっていても良く、b=3の
場合には、6つのRがそれぞれ同一でもあるいはその2
つ以上が相異なっていても良い。一般式(2)で示され
る化合物としては、b=1であるものがより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げ
られ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好まし
い。アリール基としては、フェニル基、炭素数1〜6の
アルキル基の少なくとも1種を置換基として有する置換
フェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチル基な
どが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜1
0程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6
のものがより好ましい。Rが上記のアミノ基および有機
置換基である場合には、その水素原子の少なくとも1個
が他のアルキル基、アリール基、アルコキシ基などの官
能基により置換されていても良い。
【0036】一般式(2)においても、Xは、ハロゲン
原子(Cl,F,Br,I)を表わす。ハロゲン原子と
しては、Clがより好ましい。
【0037】本発明方法においては、一般式(1)に包
含される化合物の1種または2種以上と一般式(2)に
包含される化合物の1種または2種以上を使用すること
ができる。
【0038】ハロシランおよびハロゲルマンは、できる
だけ高純度であることが好ましく、例えば、使用前に蒸
留して使用することが好ましい。
【0039】本願第1発明における反応に際しては、一
般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で表
わされる化合物を溶媒に溶解して使用する。化合物
(1)と化合物(2)との割合は、化合物(1):化合
物(2)=1:0.01〜100程度とする。
【0040】使用する溶媒としては、非プロトン性の溶
媒が広く使用でき、より具体的には、テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエ
チル)エーテル、p−ジオキサン、プロピレンカーボネ
ート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、塩化メチレンなどが例示される。これ
らの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物として
も使用できる。溶媒としては、テトラヒドロフランおよ
び1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。溶媒中の
原料の濃度が、低すぎる場合には、電流効率が低下する
のに対し、高すぎる場合には、支持電解質が溶解しない
ことがある。したがって、溶媒中の原料混合物の濃度
は、通常0.05〜3mol/l程度であり、より好ましく
は0.1〜1.5mol/l程度であり、特に好ましくは
0.2〜0.5mol/l程度である。
【0041】本発明で使用する支持電解質としては、過
塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウムなどの過塩素酸ア
ルカリ金属;過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
などの過塩素酸テトラアルキルアンモニウムなどの過塩
素酸塩が挙げられる。これらの支持電解質は、単独で使
用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これ
ら支持電解質の中でも、過塩素酸リチウムが最も好まし
い。支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、反応溶液
に与えられるイオン導電性が低いために反応が十分に進
行しなくなるのに対し、高すぎる場合には、電流が流れ
過ぎて反応に必要な電位が得られなくなる。従って、溶
媒中の支持電解質の濃度は、通常0.05〜5mol/l程
度であり、より好ましくは0.1〜3mol/l程度であ
り、特に好ましくは0.3〜1mol/l程度である。
【0042】本願第1発明においては、陽極としてM
g、CuおよびAlのいずれかまたはこれらの金属を主
成分とする合金を使用し、陰極として、これらと同種ま
たは異種の導電性材料(Ni、Co、Ptなど)を使用
する。陽極材料としては、Mg、Alまたはこれらの金
属を主成分とする合金がより好ましく、Mgが最も好ま
しい。電極の形状は、通電を安定して行ない得る限り特
に限定されないが、棒状、板状、筒状、板状体をコイル
状に巻いたものなどが好ましい。電極の表面からは、あ
らかじめ酸化被膜を出来るだけ除去しておくことが好ま
しい。電極からの酸化被膜の除去は、任意の方法で行え
ば良く、例えば、電極を酸により洗浄した後、エタノー
ルおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する
方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、あるいはこ
れらの方法を組み合わせた方法などにより行なうことが
出来る。
【0043】本願第1発明を実施するに際しては、両極
を設置した密閉可能な反応容器に一般式(1)および
(2)で表わされるハロシラン、ハロゲルマンおよび支
持電解質を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もし
くは磁気的に攪拌しつつ、所定量の電流を通電すること
により、電極反応を行わせる。反応容器内は、乾燥雰囲
気であれば良いが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲
気であることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥し
た窒素または不活性ガス雰囲気であることが最も好まし
い。通電量は、原料中のハロゲン原子を基準として、通
常1F/モル程度以上であれば良く、通電量を調整する
ことにより、分子量の制御が可能となる。また、0.1
F/モル程度以上の通電量で生成したシランゲルマンコ
ポリマーを系外に取り出し、残存する原料を回収して再
使用することも可能である。反応時間は、原料ハロシラ
ンおよびハロゲルマンの量、支持電解質の量に関係する
電解液の抵抗、所望のシランゲルマンコポリマーの分子
量などにより異なるので、必要に応じて適宜定めれば良
い。
【0044】本願第1発明においては、反応時間を短縮
するために、反応容器または反応液に対し、超音波を照
射しても良い。電極反応中の超音波の照射方法は、特に
限定されるものではないが、反応器を超音波浴槽に収容
して照射する方法、反応器内に超音波発振子を装入して
照射する方法などが例示される。超音波の振動数は、1
0〜70kHz程度とすることが好ましい。超音波の出
力は、原料の種類、反応溶液の量、反応容器および電極
の形状および大きさ、電極の材質および表面積などの反
応条件に応じて適宜定めれば良いが、通常反応液1リッ
トル当り0.01〜24kW程度の範囲内にある。この
様な超音波照射により、反応時間が大巾に短縮されて、
超音波を照射しない場合の1/3〜2/3程度となると
ともに、分子量が高まり、収率も向上する。
【0045】本願第1発明においては、反応時の温度
は、使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であれば良
い。反応を室温近傍でも行ない得ることが本発明の大き
な利点の1つである。
【0046】本願第1発明においては、通常の電極還元
反応においては必須とされている隔膜を使用する必要が
なく、操作が簡便となり、有利である。
【0047】本願第2発明は、2つの電極の極性を一定
の時間間隔で切り替える以外の点では、本願第1発明と
実質的に異なるところはない。極性の切り替えは、通常
1秒乃至10分間程度の間隔で行ない、より好ましくは
10秒乃至3分間程度の間隔で行なう。この極性の切替
えを行なうことにより、反応時間が短縮されるなどの点
で反応の効率が大幅に改善される。また、両電極を同種
の材料で構成する場合には、電極の消耗が少なくなるの
で、好ましい。
【0048】また、反応中の電極の極性の切替えは、任
意の時間間隔で行なっても良い。すなわち、反応中に1
秒乃至10分間の範囲内において任意の時間間隔で電極
の極性を切り替えることができる。例えば、反応の進行
とともに極性切替えの時間間隔を短縮したり、或いは延
長したりすることができる。この時間間隔の変更は規則
的に或いはランダムに行なうことができる。
【0049】なお、本発明においては、一般式(1)で
示されるハロシランおよび一般式(2)で示されるハロ
ゲルマンの水による副反応を抑制するために、溶媒およ
び支持電解質中の水分を予め除去しておくことが望まし
い。例えば、溶媒としてテトラヒドロフラン或いは1,
2−ジメトキシエタンを使用する場合には、ナトリウム
−ベンゾフェノンケチルなどによる乾燥を予め行なって
おくことが好ましい。また、支持電解質の場合には、減
圧加熱による乾燥、或いは水分と反応しやすく且つ容易
に除去し得る物質(例えば、トリメチルクロロシランな
ど)の添加による水分除去を行なっておくことが好まし
い。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。
【0051】(a)温和な条件下に反応を行なうことが
でき、且つアルカリ金属を使用しないので、工業的規模
の生産においても操作性および安全性に優れ、環境汚染
の危険性を回避しつつ、シランゲルマンコポリマーを製
造し得る。
【0052】(b)従来法に比して、良好な収率でシラ
ンゲルマンコポリマーを合成することができる。
【0053】(c)通電量などを調整することにより、
生成するシランゲルマンコポリマーの分子量を制御する
ことができる(一般式(3)において、n=2〜110
00程度)。
【0054】(d)骨格におけるSi−O−Si結合な
どのポリマー主鎖中への酸素原子の挿入反応を大幅に抑
制することができる。
【0055】(e)隔膜の使用を必要としないので、隔
膜が目詰まりを起こすこともなく、操作が簡便である。
【0056】(f)電極反応時に超音波の照射を行なう
場合には、反応時間を1/2程度に大幅に減少させるこ
とができる。
【0057】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0058】実施例1 三方コックおよびMg電極(1cm×1cm×5cm;その表
面を希塩酸で洗浄した後、エタノールおよびアセトンで
洗浄し、減圧乾燥し、窒素雰囲気下に研磨して、表面の
酸化被膜を除去した)2個を装着した内容積30mlの3
つ口フラスコ(以下反応器という)に無水過塩素酸リチ
ウム1g を収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して(6
時間)、過塩素酸リチウムを乾燥した後、脱酸素した乾
燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベ
ンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15
mlを加えた。これにメチルフェニルジクロロシラン1g
およびブチルフェニルジクロロゲルマン1.5gを加え
た。この反応器を出力60W、周波数45KHzの超音
波洗浄器に浸漬し、冷却器により反応器を室温に保持し
つつ、定電圧電源により通電した。この際、コミュテー
ターを使用して、2つの電極の極性を15秒毎に変換し
つつ、メチルフェニルジクロロシランおよびブチルフェ
ニルジクロロゲルマン中の塩素を基準として2F/mol
の通電量となる様に18時間通電した。
【0059】反応終了後、反応溶液を1N塩酸80mlに
加えた後、エーテルで抽出し、次いで貧溶媒エタノール
および良溶媒ベンゼンで再沈した。
【0060】その結果、重量平均分子量105000の
シランゲルマンコポリマーが収率33%で得られた。
【0061】実施例2 2つの電極の極性を切り替えない以外は実施例1と同様
にして42時間にわたり電極反応を行なった。
【0062】その結果、重量平均分子量76000のシ
ランゲルマンコポリマーが収率17%で得られた。
【0063】実施例3 一般式(2)で示された原料としてジブチルジクロロゲ
ルマン1gを使用する以外は実施例1と同様にして電極
反応を行なった。その結果、重量平均分子量1150の
シランゲルマンコポリマーが得られた。
【0064】実施例4 陽極としてMg(1cm×1cm×5cm)を使用し、陰極と
してNi(1cm×0.1cm×5cm)を使用する以外は実
施例1と同様にして電極反応を行なった。その結果、重
量平均分子量31000のシランゲルマンコポリマーが
収率15%で得られた。
【0065】実施例5 2つの電極をAl(1cm×0.1cm×5cm)により構成
する以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。
その結果、重量平均分子量6800のシランゲルマンコ
ポリマーが収率9%で得られた。
【0066】実施例6 支持電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を
行なった。その結果、重量平均分子量10500のシラ
ンゲルマンコポリマーが収率10%で得られた。
【0067】実施例7 溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルによ
り乾燥した1,2−ジメトキシエタン15mlを使用す
る以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。そ
の結果、重量平均分子量57000のシランゲルマンコ
ポリマーが収率29%で得られた。
【0068】実施例8 超音波を照射しない以外は実施例1と同様にして41時
間にわたって電極反応を行なった。その結果、重量平均
分子量39000のシランゲルマンコポリマーが収率2
2%で得られた。
【0069】実施例9 超音波を照射せず、且つ2つの電極の極性を切替えない
以外は実施例1と同様にして60時間にわたって電極反
応を行なった。その結果、重量平均分子量10500の
シランゲルマンコポリマーが収率11%で得られた。
【0070】実施例10 一般式(1)で示される原料化合物として1,2−ジク
ロロフェニルトリメチルジシランを使用する以外は実施
例1と同様にして電極反応を行なった。その結果、重量
平均分子量12000の対応するシランゲルマンコポリ
マーが収率16%で得られた。
【0071】実施例11 一般式(2)で示される原料化合物として1,2−ジク
ロロフェニルトリメチルジゲルマンを使用する以外は実
施例1と同様にして電極反応を行なった。その結果、重
量平均分子量9800の対応するシランゲルマンコポリ
マーが収率13%で得られた。
【0072】実施例12 一般式(1)で示される原料化合物として2,2−ジフ
ェニル−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジク
ロロトリシランを使用する以外は実施例1と同様にして
電極反応を行なった。その結果、重量平均分子量140
00の対応するシランゲルマンコポリマーが収率15%
で得られた。
【0073】実施例13 一般式(2)で示される原料化合物として2,2−ジフ
ェニル−1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジク
ロロトリゲルマンを使用する以外は実施例1と同様にし
て電極反応を行なった。その結果、重量平均分子量11
000の対応するシランゲルマンコポリマーが収率12
%で得られた。
【0074】実施例14 通電量1F/molまでのコミュテーターによる電極の
極性変換の時間間隔を1分間とし、それ以降の時間間隔
を15秒とする以外は実施例1と同様にして電極反応を
行なった。通電時間は、約20時間であった。
【0075】その結果、重量平均分子量88000の対
応するシランゲルマンコポリマーが収率29%で得られ
た。
フロントページの続き (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 村瀬 裕明 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シランゲルマンコポリマーの製造方法で
    あって、一般式 【化1】 (式中、aは、1〜3である。;Rは、水素原子、アル
    キル基、アリール基、アルコキシ基あるいはアミノ基を
    表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わす。;a=1の場
    合には、2つのRが同一でも異なっていても良く、a=
    2の場合には、4つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
    つ以上が相異なっていても良く、a=3の場合には、6
    つのRがそれぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっ
    ていても良い。)で示されるハロシランと一般式 【化2】 (式中、bは、1〜3である。;Rは、水素原子、アル
    キル基、アリール基、アルコキシ基あるいはアミノ基を
    表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わす。;b=1の場
    合には、2つのRが同一でも異なっていても良く、b=
    2の場合には、4つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
    つ以上が相異なっていても良く、b=3の場合には、6
    つのRがそれぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっ
    ていても良い。)で示されるハロゲルマンとを超音波の
    照射下もしくは非照射下に、過塩素酸塩を支持電解質と
    して使用し、非プロトン性溶媒を溶媒として使用し、M
    g、CuまたはAlを陽極として使用する電極反応に供
    することにより、一般式 【化3】 (式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ;mおよび
    nは、それぞれ2〜11000である)で示されるシラ
    ンゲルマンコポリマーを製造する方法。
  2. 【請求項2】 シランゲルマンコポリマーの製造方法で
    あって、一般式 【化4】 (式中、aは、1〜3である。;Rは、水素原子、アル
    キル基、アリール基、アルコキシ基あるいはアミノ基を
    表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わす。;a=1の場
    合には、2つのRが同一でも異なっていても良く、a=
    2の場合には、4つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
    つ以上が相異なっていても良く、a=3の場合には、6
    つのRがそれぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっ
    ていても良い。)で示されるハロシランと一般式 【化5】 (式中、bは、1〜3である。;Rは、水素原子、アル
    キル基、アリール基、アルコキシ基あるいはアミノ基を
    表わす。;Xは、ハロゲン原子を表わす。;b=1の場
    合には、2つのRが同一でも異なっていても良く、b=
    2の場合には、4つのRがそれぞれ同一でもあるいは2
    つ以上が相異なっていても良く、b=3の場合には、6
    つのRがそれぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっ
    ていても良い。)で示されるハロゲルマンとを超音波の
    照射下もしくは非照射下に、過塩素酸塩を支持電解質と
    して使用し、非プロトン性溶媒を溶媒として使用し、M
    g、CuまたはAlを一方の極とし、これらと同種また
    は異種の導電性材料を他方の極として一定の時間間隔で
    電極の極性の切替えを行なう電極反応に供することによ
    り、一般式 【化6】 (式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ;mおよび
    nは、それぞれ2〜11000である)で示されるシラ
    ンゲルマンコポリマーを製造する方法。
  3. 【請求項3】 電極の極性の切替えを任意の時間間隔で
    行なう請求項2に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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