JPH0530432Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0530432Y2
JPH0530432Y2 JP1987087784U JP8778487U JPH0530432Y2 JP H0530432 Y2 JPH0530432 Y2 JP H0530432Y2 JP 1987087784 U JP1987087784 U JP 1987087784U JP 8778487 U JP8778487 U JP 8778487U JP H0530432 Y2 JPH0530432 Y2 JP H0530432Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage bag
porous membrane
heat
exothermic agent
packaging material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1987087784U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63195829U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1987087784U priority Critical patent/JPH0530432Y2/ja
Publication of JPS63195829U publication Critical patent/JPS63195829U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0530432Y2 publication Critical patent/JPH0530432Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、空気の存在下で発熱する発熱剤の収
納袋に関するものであり、更に詳しくは該収納袋
の内部気圧調節による装着感の改良された発熱体
とすることのできる発熱剤用収納袋に関する。
[従来の技術並びに本考案が解決しようとする問
題点] 金属粉、水、保水剤及び酸化促進剤等からなる
発熱剤は、点火を必要とせず空気(酸素)と接触
するだけで簡便に発熱する。
近年、通気孔を有する袋に該発熱剤を収納した
発熱体が使い捨てカイロとして普及している。こ
の公知の発熱体は、表面に適当な通気孔を設けた
非通気性材質もしくは通気性包材からなる袋(以
下内袋という)に発熱剤を収納し、これを非通気
性フイルムよりなるもう一枚の袋(以下外袋とい
う)に収納したもので、使用時この外袋より取り
出して用いられる。このようなタイプの発熱体
は、一般的に工業的生産性が良く、又、使用時の
簡便性等のため使い捨てカイロの主流として市販
されていることもよく知られている。
この発熱体に於いて、適度な発熱性能(例えば
発熱温度及び発熱時間)を得るためには、発熱剤
の成分、組成及び充填量等も重要な因子である
が、その他に発熱剤に対する酸素の供給の仕方及
び供給速度(以下通気性という)もまた極めて重
要な因子である。そのために内袋の通気孔の面
積、形、数及び配置が色々と工夫されている。
又、工業製品としては製造プロセスが簡便で且
つ上記のような発熱性能のバラツキが少ないこと
は勿論、更に最近では装着中、発熱剤が内袋の内
部で偏らないこと、発熱剤が固くなり装着中の違
和感を感じないこと、発熱体が柔軟性に富んでい
て体の湾曲部に沿うてフイツトすること等感触的
な装着快適感が求められてきている。
従来から知られている適度な発熱性能を得るた
めの内袋の通気性の調節方法としては、A)不織
布等に、あらかじめ通気孔を設けたプラスチツク
フイルムをラミネートして通気性を調節する方法
(実開昭50−97289号)、B)不織布等にプラスチ
ツクフイルムをラミネートした積層フイルムに、
刃型等により機械的に穿孔して通気性を調節する
方法(実公昭58−22733号)、C)通気性包材に接
着剤等の非通気性被覆剤を部分的に施して通気性
を調節する方法(実開昭51−23769号)、D)孔径
20μ以下の微細孔からなる膜と通気孔を設けたプ
ラスチツクフイルムとを張り合わせて通気性を調
節する方法(特開昭58−92752)等がある。
しかし、これらの方法を用いた発熱剤用収納袋
は、通気性を調節するための複雑な工程、繁雑な
加工操作等を必要とし、その上装着した際、身体
へのフイツト感がなく、快適な感触が得られな
い。即ち、前記加工方法で調製した発熱体を装着
した際、)A)〜C)の方法では、発熱剤粉末が
重力によつて内袋内部で下方に偏り、異物感が感
じられ、D)の方法の場合は、A)〜C)の方法
のように発熱剤が下方に偏らない点は改良されて
いるが、逆に板状に固化してしまう。従つて前者
に於いては嵩ばつた固まりを、後者に於いては固
い板を身につけているような不快感を受ける。
従来から、肩、腹、腰部、肘、膝等体の曲面や
曲がる部分にもぴつたりと沿うて、温感を与えて
くれる使い捨てカイロが嘱望されていた。そのた
めには、シツプ剤やパツプ剤のようにシート状で
且つ柔軟性があり、粉の偏りや板状の違和感があ
つてはならない。
本考案は、前記のような従来の欠点を改善した
発熱体を工業的規模でも容易に提供できる発熱剤
用収納袋に関するものである。即ち、発熱体の発
熱性能の調節を司る内袋材調製工程、均一な通気
性の調節方法並びに加工工程が工業的規模で容易
に調製し得るのみならず、装着の際内袋内部で発
熱剤の下方への偏りがなく且つ適度な柔軟性を保
持したシート状の快適な装着感を与える発熱体に
し得る発熱剤用収納袋を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本考案は、空気の存在下で発熱する発熱剤の収
納袋に於いて、発熱状態で該収納袋内部の気圧が
外気圧に対し−5〜−60mmHgを維持するように
通気面を設けることを特徴とする発熱剤用収納袋
である。
本考案の発熱状態で発熱剤用収納袋内部の気圧
を外気圧に対し−5〜−60mmHgの状態に維持す
る意義については、装着の際、発熱剤用収納袋内
部で発熱剤を偏らせず且つ発熱体としても柔軟で
快適な装着感を与えるためには必要なことであ
り、このような範囲の圧力差とすることで本考案
の目的が達成される。即ち、該収納袋内部の圧力
を−5〜−60mmHg、好ましくは−10〜−40mmHg
の状態に保つことにより、該収納袋と発熱剤粉末
が一体化し、あたかも一つの布の如く柔軟性と一
定の厚みを保持して、体の湾曲部や屈曲部にもフ
イツトするようになる。これより圧力差が小さけ
れば発熱剤は装着時収納袋内部下方へ偏るし、こ
れより圧力差が大きければ発熱剤は収納袋で圧縮
されて固い板状となり装着感が悪くなる。
ところで、本考案の収納袋の内外の圧力差を生
じせしめる通気面に関連し、通気面として用いる
ことのできる多孔質膜の透過性について言及すれ
ば、多孔質膜が隔膜として圧力差のある二つの空
間を仕切つているとき、気体は圧力差を駆動力と
して多孔質膜中の細孔を通過していくのである。
空気(酸素)の存在下で発熱する本考案の発熱
体にこの気体の透過現象を適用してみると、外袋
開封前の該収納袋内部の気体の状態は、酸素分圧
は約0mmHg、窒素分圧は約760mmHgであり、そ
して使用の際、外袋の開封と同時に発熱体は大気
圧下にさらされ、空気即ち酸素分圧約160mmHg、
窒素分圧約600mmHgの混合気体と接触し、該収納
袋の通気孔部を隔膜としてそれぞれの気体分子は
その分圧差を駆動力として透過し始め、窒素分子
は該収納袋の内から外へ移動してやがて平衡とな
り、一方酸素分子は該収納袋の外から内へ移動す
るのであるが、流入した酸素分子は発熱剤と接触
反応して発熱消耗するため発熱剤が劣化する迄あ
る速度で流入し続ける。このような現象の結果、
該収納袋の内外の圧力差が生じると考えられる。
この現象を理論的に裏付ける文献(共立出版、
仲川勤著、「膜のはたらき」)により更に詳述する
と、細孔径がr/λ≧5(r:細孔の半径、λ:
気体分子の平均自由行程)と大きくて、気体と細
孔の相互作用が小さい場合には粘性流
(Poiseuille flow)が支配的となり、又細孔径が
r/λ<1と小さくて、分子間よりも細孔壁との
衝突が支配的になる場合には分子流(K−
nudsen flow)が支配的になるといわれる。それ
ぞれの透過式は、次式で示される。
q1=(r4ε(P1−P2)(P1+P2)/(8η1RT) q2=4rε(2RT/πM)1/2(P1−P2)/(31RT) q1:粘性流における単位面積、単位時間あたり
の気体の透過量、q2:分子流における単位面積、
単位時間あたりの気体の透過量、ε:膜の多孔
度、r:細孔半径、η:気体の粘度、1:細孔の
長さ(膜厚)、R:気体定数、T:絶対温度、
P1,P2:それぞれ膜の両側の気体の圧力、M:
気体の分子量 そして細孔半径がこれらの中間領域では、同時
にこれら二つの流れ即ち遷移流(Present de Be
−thune flow)が生じるとされている。
今、粘性流と分子流との比較において気体(酸
素)の透過量が等しい場合のそれぞれの気体(酸
素)の圧力差と細孔半径並びに膜の多孔度との関
係を求めてみると(1)式経て(2)式が誘導される。
粘性流 q1=(r1 4ε1(p0−p1)(p0+p1)/(8η1RT) 分子流 q2=4r2ε2(2RT/πM)1/2(p0−p2)/(31RT) q1=q2、p0:高圧側酸素分圧(大気圧中の酸素
分圧)、p1、p2:低圧側酸素分圧、 p0−p1=Δp1、p0−p2=Δp2、 p0=0.21×106dyn/cm2、 0≦p1,p2≦0.21×106dyn/cm2、 η=203×10-6g/cm sec,M=32、 R=8.31×107erg/mol0k、T=2980k 1.15×10-4×ε2 r2/ε1 r1 4≦Δp1/Δp2≦2.29
×10-4ε2 r2/ε1r1r4 ……(1) Δp1/Δp2≒10-4ε2 r2/ε1 r1 4 ……(2) このことは、分子流での圧力差Δp2は粘性流の
場合に比べいかに大きくし得るかを示していると
云える。
本考案者等は、かかる知見に基づき発熱剤用収
納袋に於ける通気孔について鋭意検討を行なつた
ところ、空気の存在下で発熱する発熱剤の収納袋
に於いて、発熱状態で該収納袋内部の気圧が外気
圧に対し−5〜−60mmHgを維持するように通気
面を設ければ、発熱剤の偏りのない、又固い板状
にならず柔軟なシート状を保持し得ることを見い
だし本考案を完成するに至つた。
そして前述した圧力差を維持するための通気面
を調節する方法としては、1.多孔質膜の製造方法
及び条件に起因する多孔質膜の孔径、多孔度並び
に膜厚等(以下多孔質構造という)で調節する方
法、2.多孔質膜に熱融着加工を施して該膜に非通
気性部分を形成させることにより該膜の通気度を
調節する方法、3.多孔質膜に、予め通気孔を設け
たプラスチツクフイルムを張り合わすか又は合成
樹脂等の非通気性被覆剤を塗布して多孔質膜の有
効面積を調節する方法、4.前記1の方法と前記2
又は3の方法とを併用して調節する方法、5.前記
1〜4のいずれかの方法を利用した多孔質膜と多
孔質膜の通気孔より孔径の大なる通気孔(以下貫
通孔という)とを併用して調節する方法等、又別
に多孔質膜の通気孔を用いないで調節する方法と
して非通気性包材に貫通孔のみを設けて調節する
方法等があり何れの方法を用いてもよい。
かかる種々の方法の中でも、発熱体として発熱
性能のバラツキを少なくし、所望の発熱性能とな
し得て且つ簡便な方法としては、多孔質膜に熱融
着加工を施して該膜に非通気性部分を形成させ発
熱剤用収納袋としての通気度を調節し、且つ該収
納袋の任意の部分に貫通孔を設けて該収納袋の内
部気圧を調節する方法が好ましい。
本考案の好ましい具体例につき図面に基づき説
明する。
第1図及び第3〜5図は、それぞれ本考案の
別々の発熱剤用収納袋の断面図であり、第2図は
第1図の平面図である。
第1図及び第2図に於いて、1は通気面と非通
気面からなる発熱剤用収納袋であり、該収納袋1
の内部には発熱剤9が収納されており、該収納袋
1の端部がヒートシール部8でシールされてい
る。該収納袋1の通気面は、通気性を調節するた
めに、多孔質膜の所望の部分に熱融着を施した樹
脂層即ち熱融着部3と非熱融着部2が形成された
樹脂層からなる多孔質膜包材4(多孔質膜包材と
は包材の一部又は全部が多孔質膜又は多孔質膜と
通気性包材との複合材をいう)である。又、非通
気面は、非通気性フイルム6と不織布5とをラミ
ネートし、非通気性フイルム6を内面にして用い
た非通気性包材7である。該収納袋1には該収納
袋1の内外を貫通する貫通孔10が設けられてい
る。
本考案に於ける通気面の多孔質膜包材4を構成
する多孔質膜としては、微細に連続した気孔を表
面及び内部に有するポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合物、ポリウレタン
又はそれらを柔軟に改質したプラスチツク類及び
ゴム類等からなる熱可塑性のシート又はフイルム
であり、市販品では、商品名NFシート(徳山曹
達製)、セルポア(積水化学製)、タイベツク(デ
ユポン製)等が種々加工されて前記多孔質膜包材
4に適用される。
多孔質膜の孔径及び通気度としては、最大孔径
がバブルポイント法により10μ以下であり、且つ
該膜の通気度が高圧型ガーレ法に於いて
100sec./100ml以上で均一なもの程好ましく用い
られる。このような範囲のものであれば、収納袋
1としての所望の通気調節並びに内部気圧調節の
ための加工が容易にできる。
多孔質膜の厚さとしては、その物性即ち、通気
性、引裂強度、伸率、熱融着性及び加工性、感触
等を考慮して適宜選択されるが、通常は0.02〜3
mmの範囲で用いられる。
このような多孔質膜の多孔質膜包材4への適用
については、多孔質膜を単独で包材として用いた
り、第1図に示す如く多孔質膜に後述の通気性を
調節するための熱融着加工を施して包材として用
いたり、又多孔質膜の強度を強くするため他の通
気性包材(例えば不織布や合成紙等)と積層加工
した複合材として用いることもできる。
該収納袋1の非通気面に用いる非通気性包材7
は、不織布5等に非通気性フイルム6類を積層し
た通常の包材等を用いてもよく、又通気面と同様
な柔軟性を有する非通気性シート又は積層フイル
ム等を用いてもよい。例えば、多孔質膜を全面融
着して非通気性としたシートか、又は多孔質膜の
原料ポリマーを改質してなる非通気性シート等で
ある。
多孔質膜包材4の通気性調節方法については、
多孔質膜の多孔質構造のみで調節する方法や多孔
質膜にあらかじめ通気孔を設けたプラスチツクフ
イルムを張り合わせて調節する方法等もあるが、
調製の簡便さ及び通気性の均一性のためには、表
面に所望の凹凸部を設けた加熱ロール又は加熱板
等を用いて、多孔質膜の所望の部分に適度な熱融
着を施して熱融着部分3を非通気性とし、その熱
融着部分3の位置、面積及び形を適度に変えるこ
とによれば容易で且つ優れている。
即ち、従来のようなラミネート行程及び穿孔工
程又は塗布工程等の複雑な工程が省略され、高度
な技術も不必要とし、熱融着を施すだけの簡便な
加工で所望の形の通気部を設けることが可能で、
且つ、通気性を均一に調整することが可能であ
る。
そして、このようにして所望の発熱性能となる
ように通気調節された該収納袋1には、更に該収
納袋1の内部気圧調節のために貫通孔10が設け
られる。
該貫通孔10は、孔径500μ以下特に250〜30μ
の範囲であれば発熱剤中の微粉末の漏洩を極力少
なくすることができ又簡便に設けられるため好ま
しい。該貫通孔10を設ける場所は特に限定され
ない。
該収納袋1に設けられる該貫通孔10の個数
は、通常1〜数個であれば充分であり前述のよう
な範囲の気圧調節が可能となる。
発熱剤9としては、空気の存在下で発熱する従
来公知のものであればよい。例えば、(a)鉄粉等の
金属粉末、水、塩化ナトリウム等の酸化助剤及び
木粉、ヒル石、活性炭等の保水剤を主成分とする
組成物、(b)アルカリ金属硫化物、多硫化物、又は
これらの含水塩及び炭素質及び/又は炭化鉄を主
成分とする組成物等である。
このようにして調製された発熱体は、装着時発
熱剤9が該収納袋1内部で下方に偏ることなく又
柔軟なシート状の快適な装着感となる。
第3図は、多孔質膜包材4としての強度を強く
し且つ柔軟性を損なわない程度に不織布5等を多
孔質膜に積層して用いた例である。この場合の積
層の方法としては、通気性を調節するための熱融
着加工の際、不織布5と多孔質膜とを熱融着部分
3でラミネートする方法が簡便なため用いられ
る。
第4図は、発熱剤用収納袋1に貫通孔を設けな
いで、多孔質膜の多孔質構造及び多孔質膜の有効
面積を変え、即ち多孔質膜の孔径を大きくして且
つ熱融着面積を小さくすることによつて該収納袋
1の通気性調節並びに内部気圧調節を行なつた例
である。
又第5図は、発熱剤用収納袋1の通気面とし
て、非通気性フイルム6と不織布5との積層シー
トに貫通孔10を設けた包材を使用し、多孔質膜
を用いないで貫通孔10のみで該収納袋1の通気
性調節並びに内部気圧調節を行なつた例である。
次に本考案を実施例により、更に具体的に説明
するが、本考案はこれらに限定されるものではな
い。
[実施例 1] 第3図に於いて、多孔質膜包材4は、多孔質膜
の最大孔径がバブルポイント法により1μであり
且つ該膜の通気度が高圧型ガーレ法に於いて
850sec./100mlである厚さ100μのポリエチレン製
多孔質膜とナイロン不織布5とを次のように積層
したシート(同法通気度4000sec./100ml)であ
る。
多孔質膜の非熱融着部2が、縦方向及び横方向
にそれぞれ8mm間隔で配置された一辺が3.5mmの
正方形となるように、前記多孔質膜とナイロン不
織布5とを格子状の熱融着部3(熱融着部面積比
率82%)にて熱融着加工してラミネートした。
非通気性包材7には、ポリエチレンフイルム6
とナイロン不織布5との積層シートを用いた。
それぞれのシートを長辺100mm、短辺67.5mmの
サイズとし、ポリエチレン製多孔質膜とポリエチ
レンフイルム層を内面にして重ね合わせ、その端
縁(ヒートシール部8)を5mm巾でヒートシール
して発熱剤用収納袋1をつくり、該収納袋1の非
通気性包材7には孔径100μの貫通孔10を1個
設けた。
この中に鉄粉60部、10%食塩水25部、活性炭13
部、木粉14部を混合した発熱剤9を20g充填して
発熱体を形成し、これをポリエチレンフイルム/
ポリ塩化ビニリデン/ポリプロピレンフイルムの
外袋に密封した。
このようにして調製した10個の発熱体の発熱性
能をJIS S4100−1985に定める基準の測定装置で
測定したところ、所望の発熱性能、立ち上がり時
間8〜9分、最高温度61〜63℃、持続時間7〜8
時間であつた。又別に装着官能テストも試みたと
ころ該収納袋1内部での発熱剤9が下方へ偏るこ
となく且つ柔らかなシート状を保ち、快適な装着
感であつた。
尚この発熱体の状態即ち該収納袋内部の気圧を
測定すると、外気圧に対し−20mmHgの状態であ
つた。
[比較例 1] 発熱剤用収納袋の非通気性包材に孔径100μの
貫通孔を設けることを除いて実施例−1と同様に
行なつた。
この発熱体の発熱性能は実施例−1と略同等で
あつたが、装着官能テストをしたところ、発熱剤
が該収納袋内部で圧縮された感じとなり、固い板
を身につけたような不快感を受けた。又この発熱
体の状態即ち該収納袋内部の気圧を測定すると、
外気圧に対し−70mmHgの状態であつた。
[比較例 2] 実施例−1に於いて、発熱剤用収納袋1の非通
気性包材7に設ける貫通孔10の孔径を600μと
した以外は実施例−1と同様に行なつた。この発
熱体の発熱性能は実施例−1と略同等であつた
が、装着官能テストをしたところ、実施例−1に
比べ該収納袋1内部での発熱剤9の移動が多く感
じられた。
尚この発熱体の状態即ち該収納袋内部の気圧を
測定すると、外気圧に対し−2mmHgの状態であ
つた。
[実施例 2] 実施例−1の多孔質膜包材4を次のようにし且
つ貫通孔10の孔径を30μとした以外は、実施例
−1と同様に行なつた。
多孔質膜包材4は、多孔質膜の最大孔径がバブ
ルポイント法により0.7μであり且つ該膜の通気度
が高圧型ガーレ法に於いて2800sec./100mlであ
る厚さ100μのポリエチレン製多孔質膜とナイロ
ン不織布5とを次のように積層したシート(同法
通気度5000sec./100ml)である。
多孔質膜の非熱融着部2が、縦方向及び横方向
にそれぞれ8mm間隔で配置された一辺が7.4mmの
正方形となるように、前記多孔質膜とナイロン不
織布5とを格子状の熱融着部3(熱融着部面積比
率82%)にて熱融着加工してラミネートした。
この多孔質膜包材4を用い、非通気性包材7に
は孔径30μの貫通孔10を1個設けて、以下実施
例−1と同様に調製した発熱体の発熱性能は実施
例−1と略同等であり、装着官能テストでも実施
例−1と同様に快適な装着感であつた。
尚この発熱体の状態即ち該収納袋内部の気圧を
測定すると、外気圧に対し−40mmHgの状態であ
つた。
[考案の効果] 以上述べたように、本考案の発熱剤用収納袋
は、巧妙簡便で且つ均一な通気調整及び加工工程
で工業的生産を可能ならしめるのみならず、使用
に際し発熱中当該収納袋内部の気圧が自動的に適
度になるように考案されているので、発熱体とし
て用いて、発熱剤の下方への偏りや板状の違和感
を感じなく、柔軟なシート状を保持し、体の湾曲
部に沿うてフイツトする従来には見られなかつた
著しく快適な装着感を得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3〜5図は、それぞれ本考案の
別々の発熱剤用収納袋の断面図であり、第2図は
第1図の平面図である。 図中の符号は次のとおり、1……発熱剤用収納
袋、2……多孔質膜の非熱融着部、3……多孔質
膜の熱融着部、4……多孔質膜包材、5……不織
布、6……非通気性フイルム、7……非通気性包
材、8……ヒートシール部、9……発熱剤、10
……貫通孔。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 空気の存在下で発熱する発熱剤の収納袋に於
    いて、発熱状態で該収納袋内部の気圧が外気圧
    に対し−5〜−60mmHgを維持するように通気
    面を設けることを特徴とする発熱剤用収納袋。 2 通気面の一部又は全部が多孔質膜又は多孔質
    膜と通気性包材との複合材である実用新案登録
    請求の範囲第1項記載の発熱剤用収納袋。 3 収納袋が、多孔質膜の通気孔より孔径の大な
    る通気孔を別途有する実用新案登録請求の範囲
    第2項記載の発熱剤用収納袋。 4 多孔質膜の通気孔より孔径の大なる通気孔
    が、孔径500μ以下の孔である実用新案登録請
    求の範囲第3項記載の発熱剤用収納袋。 5 多孔質膜の最大孔径が10μ以下であり、且つ
    該膜の通気度が100sec./100ml以上である実用
    新案登録請求の範囲第2〜4項のいずれか記載
    の発熱剤用収納袋。 6 多孔質膜又は多孔質膜と通気性包材との複合
    材の一部分を熱融着して通気度を調節した実用
    新案登録請求の範囲第2〜5項のいずれか記載
    の発熱剤用収納袋。 7 多孔質膜が、ポリエチレン、ポリプロピレン
    及びエチレン・酢酸ビニル共重合物から選ばれ
    る少なくとも一種以上である実用新案登録請求
    の範囲第2〜6項のいずれか記載の発熱剤用収
    納袋。 8 通気面が、非通気性包材の内外に貫通する孔
    径500μ以下の孔を有する実用新案登録請求の
    範囲第1項記載の発熱剤用収納袋。
JP1987087784U 1987-06-05 1987-06-05 Expired - Lifetime JPH0530432Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987087784U JPH0530432Y2 (ja) 1987-06-05 1987-06-05

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1987087784U JPH0530432Y2 (ja) 1987-06-05 1987-06-05

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63195829U JPS63195829U (ja) 1988-12-16
JPH0530432Y2 true JPH0530432Y2 (ja) 1993-08-04

Family

ID=30945307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1987087784U Expired - Lifetime JPH0530432Y2 (ja) 1987-06-05 1987-06-05

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0530432Y2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1611400A2 (en) 2003-04-01 2006-01-04 Heatmax, Inc. Self-contained personal warming apparatus and method of warning

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69124597T2 (de) * 1991-02-25 1997-06-12 Kiribai Chemical Industry Co Körperwärmvorrichtung zum einmaligen gebrauch
JP6137802B2 (ja) * 2012-09-28 2017-05-31 小林製薬株式会社 使い捨てカイロ

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5535621A (en) * 1978-09-04 1980-03-12 Teijin Ltd Warm heat structure
JPS55158715A (en) * 1979-05-29 1980-12-10 Sony Corp Gain control circuit
JPS5710674A (en) * 1980-05-17 1982-01-20 Keieki Ri Heat generator
JPS5892752A (ja) * 1981-11-28 1983-06-02 Nippon Paionikusu Kk 発熱体
JPS5937147A (ja) * 1982-08-09 1984-02-29 日本パイオニクス株式会社 袋材
JPS6058125B2 (ja) * 1976-02-07 1985-12-18 エヌ・テー・エヌ東洋ベアリング株式会社 振動式補助ホツパ装置
JPS61244348A (ja) * 1985-04-22 1986-10-30 井島 正 発熱体
JPS61279244A (ja) * 1985-06-05 1986-12-10 広栄化学工業株式会社 発熱組成物収納袋
JPS62183759A (ja) * 1986-02-10 1987-08-12 三井東圧化学株式会社 使い捨ての保温具
JPS6430169U (ja) * 1987-08-11 1989-02-23

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS627472Y2 (ja) * 1981-02-18 1987-02-20
JPS5971618U (ja) * 1982-11-05 1984-05-15 日本パイオニクス株式会社 足温用発熱体
JPS6058125U (ja) * 1983-08-19 1985-04-23 日本パイオニクス株式会社 袋材
JPS59178548U (ja) * 1984-04-27 1984-11-29 日本パイオニクス株式会社 発熱体
JPH0642999Y2 (ja) * 1987-01-09 1994-11-09 日東電工株式会社 多孔質袋体

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6058125B2 (ja) * 1976-02-07 1985-12-18 エヌ・テー・エヌ東洋ベアリング株式会社 振動式補助ホツパ装置
JPS5535621A (en) * 1978-09-04 1980-03-12 Teijin Ltd Warm heat structure
JPS55158715A (en) * 1979-05-29 1980-12-10 Sony Corp Gain control circuit
JPS5710674A (en) * 1980-05-17 1982-01-20 Keieki Ri Heat generator
JPS5892752A (ja) * 1981-11-28 1983-06-02 Nippon Paionikusu Kk 発熱体
JPS5937147A (ja) * 1982-08-09 1984-02-29 日本パイオニクス株式会社 袋材
JPS61244348A (ja) * 1985-04-22 1986-10-30 井島 正 発熱体
JPS61279244A (ja) * 1985-06-05 1986-12-10 広栄化学工業株式会社 発熱組成物収納袋
JPS62183759A (ja) * 1986-02-10 1987-08-12 三井東圧化学株式会社 使い捨ての保温具
JPS6430169U (ja) * 1987-08-11 1989-02-23

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1611400A2 (en) 2003-04-01 2006-01-04 Heatmax, Inc. Self-contained personal warming apparatus and method of warning

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63195829U (ja) 1988-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7611767B2 (en) Foot warming heating element and method of manufacturing foot warming heating element
CN111887521B (zh) 蒸汽温热口罩
JPH02142561A (ja) 発熱性シートおよびその製造方法
JP2004512141A (ja) シート形状発熱体及びその製造方法
JP2011136060A (ja) マスク用鼻部温熱具
JP2001212167A (ja) 発熱袋
KR102456209B1 (ko) 온열구
JP4675114B2 (ja) 発熱具
JPH0530432Y2 (ja)
JP2009082154A (ja) 両面凹凸状発熱体
JPH0567413B2 (ja)
JPH0533051B2 (ja)
US20230201028A1 (en) Heating implement
JP3072966U (ja) カイロ収納袋
JP2001000230A (ja) 加温具
JPH0130169Y2 (ja)
JPS61279244A (ja) 発熱組成物収納袋
JPH1156896A (ja) 発熱体
JPH10155827A (ja) 発熱体
WO2006046658A1 (ja) 身体装着用加湿体
JPH10151151A (ja) 履物用発熱袋およびその製造方法
JP2002000634A (ja) 医療用温熱剤収納袋
WO2021214989A1 (ja) 温熱具
JP2898224B2 (ja) 通気性副子用板材及びその製造方法
JPS64898Y2 (ja)