JP2011136060A - マスク用鼻部温熱具 - Google Patents

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Katsutoshi Hara
克俊 原
Kazuo Ohashi
一男 大橋
Takayuki Kaneda
高之 金田
Keiji Yoshii
圭二 吉井
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Abstract

【課題】様々なタイプのマスクに取り付ける際にも、隙間が生じてしまうことなく取り付けることができ、様々な装着者にも凹凸部が適合し易く、違和感を感じ難いマスク用鼻部温熱具を提供すること。コンパクト性の向上したマスク用鼻部温熱具を提供すること。
【解決手段】本発明のマスク用鼻部温熱具1Aは、マスク9に、その内側面の鼻に当たる部位に配される温熱具である。マスク用鼻部温熱具1Aは、水蒸気を発生する発熱体2と、発熱体2を収容する収容体3とを具備している。マスク用鼻部温熱具1Aの収容体3は、発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張するように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスクの内側面の鼻に当たる部位に配して使用されるマスク用鼻部温熱具に関する。
鼻水・鼻詰まりの解消を目指し、特許文献1には、鼻および鼻周辺部を覆う形状をした通気性のある袋に、鉄粉、活性炭、塩類、水等を主成分とする発熱物質を充填し、鼻に良く接触するように袋の鼻に当たる面である内側に凹凸を設け、マスクに粘着する外側に粘着剤を塗布したマスクに着脱自在な鼻用使い捨てカイロが開示されている。
一方、本出願人は先に、発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気により体積膨張率が1.5〜10000倍に膨張するように設けられ、対象物への密着性を備える加温具を提案している(特許文献2)。
特開2008−563号公報 特開2005−328852号公報
しかしながら、前記の特許文献1に記載の鼻用使い捨てカイロは、マスクに取り付ける前から凹凸形状の凹凸部を有しているため、持ち運び時のコンパクト性に欠ける。また、マスクの種類によっては取り付けにくく隙間が生じてしまう場合がある。また更に、人によっては鼻用使い捨てカイロの凹凸部が適合せず、違和感を生じてしまう場合や、鼻周辺部位を均一に温めることができずにムラのある加温となる場合がある。
一方、前記の特許文献2に記載の加温具は、肌触りや身体への装着性については非常に好ましい態様であるものの、特に、鼻という起伏に富んだ形状を有し且つ刺激に対しデリケートな部位への密着性については、依然検討の余地があった。
したがって、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し、使用前や廃棄時にはコンパクト性が高い一方、使用時にはマスクの種類や人の鼻形状によらず、鼻及び鼻周辺部位に密着するため、隙間が生じ難く、使用時の違和感を生じ難く、同時に、適度な温熱を長時間付与することができるマスク用鼻部温熱具を提供することにある。
本発明は、マスクに、その内側面の鼻に当たる部位に配されるマスク用鼻部温熱具であって、水蒸気を発生する発熱体と、該発熱体を収容する収容体とを具備しており、前記収容体が、前記発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張するように形成されているマスク用鼻部温熱具を提供するものである。
本発明のマスク用鼻部温熱具によれば、使用前・廃棄時は非常にコンパクトでありながら、使用時は膨張により適切な形状へ変化するため、様々なタイプのマスクに取り付ける際にもマスクと温熱具間に隙間が生じ難く、様々な装着者にも密着するため、鼻周辺部の凹凸部が適合し易く、違和感を生じさせ難い。また、発熱部と鼻周辺部の皮膚との間に温かい水蒸気の層が存在するため、発熱物質を充填した袋が直接鼻部の皮膚に接触せず、鼻周辺部という顔面の中でも特にデリケートな部分に対し、非常に好ましいやわらかな感触と適度な温熱を長時間付与することができる。
図1は、本発明の第1実施形態のマスク用鼻部温熱具の平面図である。 図2は、図1に示すマスク用鼻部温熱具のX1−X1線断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態のマスク用鼻部温熱具の平面図である。 図4は、図3に示すマスク用鼻部温熱具のX2−X2線断面図である。 図5は、本発明の第3実施形態のマスク用鼻部温熱具の平面図である。 図6は、図5に示すマスク用鼻部温熱具のY1−Y1線断面図である。 図7は、本発明のマスク用鼻部温熱具の使用前の状態を示す図である。 図8は、マスクの内側面の鼻に当たる部位に、マスク用鼻部温熱具を取り付けた状態を示す平面図である。 図9は、マスク用鼻部温熱具を取り付けたマスクを装着した状態を上から見た図である。 図10は、二つ折りタイプのマスク(いわゆる立体型マスク)の内側面の鼻に当たる部位に、マスク用鼻部温熱具を取り付けた状態を示す図である。
以下、本発明のマスク用鼻部温熱具の好ましい第1実施形態について、図1〜図2,図7〜図9に基づいて説明する。尚、各図中、同一符号は同一の構成要素を示している。
第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1A(以下、「温熱具1A」ともいう)は、図1,図2に示すように、水蒸気を発生する発熱体2と、発熱体2を収容する収容体3とを具備している。本発明のマスク用鼻部温熱具は、使用前は平面形状であるが、使用時には収容体3が発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張するように形成されている。以下、使用前の形態について、具体的に説明する。
第1実施形態の温熱具1Aについて、詳述すると、温熱具1Aは、図1,図2に示すように、発熱体2及び収容体3それぞれが、一対で形成されている。一対の発熱体2,2は、使用時には、鼻の両側に対応する部位に配される。
温熱具1Aは、使用前は、図1,図2に示すように、平面視して幅方向に長い長方形状をしており、扁平な形状をしている。以下、その長辺方向をX方向といい、その長辺方向に垂直に交わる短辺方向をY方向という。尚、第1実施形態の温熱具1Aは、X方向に長い長方形状に形成されているが、鼻及び鼻の周囲を覆うに足る大きさ及び形状であればよく、平面視して四隅が丸みを帯びた楕円形状、菱形形状、五角形や六角形などの多角形状、8の字形状及び空豆形状等であってもよい。
温熱具1Aは、マスク9の内側面の鼻に当たる部位に取り付けられるものであり、そのX方向の長さが、取り付けられるマスク9の長手方向(温熱具1Aの長辺方向のX方向と同方向)よりも短く80mm〜180mmであることが好ましく、そのY方向の長さが、取り付けられるマスク9の幅方向(温熱具1Aの短辺方向のY方向と同方向)よりも短く、特に、口よりも上部で鼻に当たる部分を覆う大きさ、すなわち30mm〜80mmであることが好ましい。使用前の温熱具1Aの厚みは、0.5mm〜5mmであることが好ましい。これにより、呼気の影響を直接受けることなく安定的な温熱が維持されると共に装着時の違和感が低減される。
発熱体2は、図1,図2に示すように、一対で形成されており、各発熱体2は、使用時には、鼻の側面から頬にかけての部位に配される。第1実施形態の温熱具1Aにおいては、各発熱体2は、均一な厚みでありコンパクトに温熱具1Aを形成できる観点や膨張時に発熱体が収容体内で偏らない観点から、抄紙発熱体を用いて構成されているが、発熱粉体であってもよい。抄紙発熱体である各発熱体2は、図1,図2に示すように、平面視して、温熱具1Aの長辺方向であるX方向に長く、温熱具1Aの短辺方向であるY方向に短い長方形状をしている。尚、第1実施形態の各発熱体2は、長方形状に形成されているが、使用時に鼻の側面から頬にかけての部位を覆うに足る大きさ及び形状であればよく、楕円形状、菱形形状、五角形や六角形などの多角形状、8の字形状及び空豆形状等であってもよい。
抄紙発熱体である各発熱体2は、そのX方向の長さが、20mm〜70mmであることが好ましく、そのY方向の長さが、10mm〜60mmであることが好ましい。使用前の発熱体2の厚みは、0.3mm〜3mmであることが好ましい。
収容体3は、図1,図2に示すように、一対で形成されており、各収容体3は、それぞれ発熱体2を収容している。第1実施形態の温熱具1Aにおいては、各収容体3は、装着時に、鼻当接面側に配される内側シート31と、マスク当接面側に配される外側シート32とから形成されている。第1実施形態の内側シート31及び外側シート32は、それぞれ、全面透気性のシートである。各収容体3は、内側シート31と外側シート32との間に、抄紙発熱体である発熱体2をそれぞれ1個配し、各発熱体2の周縁部の外方において、内側シート31及び外側シート32を密着接合して形成されているが、2個以上の発熱体を収容しても良い。このように、密着接合することにより、発熱体2が収容される密閉空間が形成される。密着接合する方法としては、熱シール、超音波シール、接着剤等の方法が挙げられる。各収容体3に2個以上の発熱体を収容する場合、重ねて収容しても良いし、並べて収容しても良い。並べて収容した場合は、複数並べた状態でのX方向の長さが、20mm〜70mmであることが好ましく、複数並べた状態でのY方向の長さが、10mm〜60mmであることが好ましい。各収容体3は、図1に示すように、平面視して、幅方向に長い長方形状をしている。尚、収容体3の長辺方向は、温熱具1Aの長辺方向のX方向と同方向であり、収容体3の短辺方向は、温熱具1Aの短辺方向のY方向と同方向である。尚、第1実施形態の各収容体3は、X方向に長い長方形状に形成されているが、発熱体2の外周縁の輪郭に対応した形状であってもよい。従って、各収容体3の平面視の形状は、楕円形状、菱形形状、五角形や六角形などの多角形状、8の字形状及び空豆形状等であってもよい。
各収容体3は、そのX方向の長さが、30mm〜80mmであることが好ましく、そのY方向の長さが、20mm〜70mmであることが好ましい。発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張し易いように、1個の収容体3を平面視した際のその全面積(S0)に対するその内部の発熱体2を平面視した際のその全面積(S1)の比(S1/S0)は、0.4〜0.8であることが好ましい。
第1実施形態の温熱具1Aにおいては、図1,図2に示すように、収容体3の外表面が、不織布5で覆われている。詳述すると、図1,図2に示すように、一対の収容体3は、装着時に、鼻当接面側に配される内層不織布51と、マスク当接面側に配される外層不織布52との間に配されている。第1実施形態の温熱具1Aは、一対の発熱体2を収容した一対の収容体3を、内層不織布51及び外層不織布52の間に配し、各収容体3の外周縁部において、内層不織布51及び外層不織布52を接合部70(図1の斜線部)にて接合して形成されている。接合する方法としては、熱シール、超音波シール、接着剤等の方法が挙げられる。図1,図2では、接合部70は、発熱体2を収容した収容体3の外周縁部より外方において、内層不織布51及び外層不織布52のみを接合して形成されている。この場合、使用時に温熱具1Aの鼻当接面側の内層不織布51が膨張し易く、且つ収容体が内層不織布51及び外層不織布52の間で動いてしまわないように、各収容体3の外側シート32と外層不織布52とを接着しておいても良い。接着方法としては、接着剤、熱シール、超音波シール等が挙げられる。なお、他の実施形態として、接合部70は、内層不織布51と外層不織布52との間に、収容体3の外周縁部のうちX方向の両端部及び/又はY方向の両端部を挟み込んで接合して形成されていてもよい。このように接合部70を形成することにより、収容体3を内層不織布51と外層不織布52との間にて固定することもできる。
温熱具1Aにおいては、その幅方向(X方向)中央部に、温熱具1AのY方向両端縁1a,1aそれぞれから中央に向かって切れ込んだ切り欠き部6が設けられている。切り欠き部6は、鼻筋に沿って良好な形状に膨張する観点や、発熱体2が収容された密閉空間を傷つけてしまう等の悪影響の観点や、切り欠き部による強度低下を最小限に留めた上で、様々なマスクへの装着性の自由度を向上させる観点から、温熱具1AのX方向中央部に形成された、内層不織布51及び外層不織布52のY方向に延びる中央接合部7上に形成されている。第1実施形態における切り欠き部6の形状としては、略三角形状が好ましいが、四角形、台形でもよく、一部が曲線で構成されていてもよい。切り欠き部6の幅は、中央から外方に向かって漸増するように形成されることが好ましい。切り欠き部6を設けた後に残される連結部の長さ(中央接合部7における切り欠き部6同士の間の間隔)は、10mm〜30mm、好ましくは15mm〜25mmが良い。この範囲であれば、強度低下が生じづらく、装着時の自由度も高まり非常に好ましい。その結果、例えば、マスク先端部が曲線形状をした立体マスクへの装着時も安定且つ隙間を生じずに装着可能となる。
第1実施形態の温熱具1Aにおいては、各収容体3の外周縁部に形成された各接合部70上であって、特に、外周縁部の中のX方向に延びる上下一対の接合部70上からY方向の内側に向かって凸状の別の接合部71が設けられている。これは、水蒸気によって膨張した際、この別の接合部71が起点となって屈曲しやすくするためのものである。この別の接合部71によって、鼻横の凹部分に効果的に密着することができる。別の接合部71の形成位置は、鼻横部分で屈曲することで密着性を向上させる観点から、中央接合部7のY方向に延びる中心線から、1〜5cmの範囲に配されることが好ましく、1.5〜4cmの範囲に配されることが更に好ましい。別の接合部71の大きさは、その接合幅が1〜8mm、好ましくは、2〜7mmで構成される。この範囲であれば、鼻横の凹んだ部分へも密着し、効率的に加温し、非常に好ましいやわらかな感触が感じられる。
第1実施形態の温熱具1Aは、図1,図2に示すように、一対の粘着剤8を備えている。各粘着剤8は、図1及び図2に示すように、鼻の両側に対応する部位であって外層不織布52のマスク当接面側の表面に形成されている。図1,図2に示すように、各粘着剤8は、平面視して、温熱具1Aの長辺方向であるX方向に長い長方形状をしている。尚、第1実施形態の粘着剤8は、X方向に長い長方形状に形成されているが、楕円形状、菱形形状、五角形や六角形などの多角形状、8の字形状及び空豆形状等であってもよい。また、粘着剤は、ストライプ状に構成されても構わないし、前記の形状を複数組み合わせても構わない。1個の収容体3中に収容された発熱体を平面視した際のその全面積(S3)に対するその粘着剤8の面積(S2)の割合(S2/S3)は、5〜60%であることが好ましい。粘着剤の面積がこの割合であると、マスクへ安定に固定でき、ズレが生じたり装着中に完全に外れることがないため好ましい。加えて、透気性を阻害しないため温熱具1Aの膨張に影響を及ぼさず非常に好ましい。
第1実施形態の温熱具1Aを密封する包装材4は、図7に示すように、平面視して長方形状であるが、温熱具1Aを覆うに足る大きさ及び形状であればよく、楕円形状、菱形形状、円形状、三角形状、空豆形状及び五角形や六角形などの多角形等であってもよい。
本発明のマスク用鼻部温熱具1Aは、使用前は、図7に示すように、包装材4で密封され、保存されているが、使用するに際し、包装材4から開封されると、後に詳述するように、発熱体2の組成、収容体3の内側シート31及び外側シート32の構成や透湿度や透気度等を調整することによって、収容体3が膨張するように形成されている。
温熱具1Aは、その体積膨張倍率が、肌触りがよく、肌への適度な圧迫感(密着感)を備えたものとする観点から、2〜100倍であることが好ましく、3〜50倍であることが更に好ましい。ここで、体積膨張倍率は、例えば、以下のようにして測定することができる。即ち、超微粒子発泡ビーズ(以下単に発泡ビーズという。)を一定容量の容器(例えば、一辺が30cmの立方体の上面が開いているもの。)に充填する。その後、発熱前後の温熱具1Aの各サンプルを該容器に入れ、隙間無く前記発泡ビーズを充填する。そして、該各サンプルを入れることにより前記容器に入りきらない発泡ビーズの重量を測定し、その密度で除することにより、発熱前後の各サンプルの体積を算出する。このようにして発熱前後の各サンプルの体積を算出した後、発熱後の温熱具1Aのサンプルの体積を発熱前の温熱具1Aのサンプルの体積で除することによって、その体積膨張倍率を算出する。ここで、前記密度は、前記容器に充填した前記発泡ビーズの重量を該容器の体積で除することにより求められるものである。簡便な方法としては、水を所定量充填した容器の中に発熱前後の温熱具1Aの各サンプルを該容器に入れ、該体積変化から求めることもできる。
温熱具1Aは、鼻当接面側に配される内層不織布51での表面温度が、鼻部を効果的に温め、鼻水や鼻詰まり感を改善する観点から、開封後3分で、36℃以上、60℃以下となることが好ましく、37℃以上、55℃以下となることが更に好ましい。ここで、表面温度は、温熱具1Aを、例えば、容積4.2リットル、相対湿度1%以下の環境下で密封系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に温熱具1Aを静置して発熱させたときの温熱具1Aの鼻当接面側の内層不織布51の温度を熱電対で測定することで確認できる。
上記条件を達成するためには、使用する発熱体2は、開封後3分での発熱到達温度が、37℃以上、85℃以下となることが好ましく、38℃以上、80℃以下となることが更に好ましい。このような発熱到達温度の発熱体を使用すると、鼻当接面側に配される内層不織布51の表面温度を上述の値にすることができる。ここで、発熱体2の発熱到達温度は、温熱具1Aを、例えば、容積4.2リットル、相対湿度1%以下の環境下で密封系内に5.0リットル/minの乾燥空気を供給可能な試験機を準備し、その内部に温熱具1Aを静置して発熱させたときの温熱具1Aの発熱体2の温度を熱電対で測定することで確認できる。
本発明の更に好ましい実施の形態としては、温熱具1Aの内層不織布51側から水蒸気が発生すると更に良い。この場合、その水蒸気量としては、じんわりと心地よく、鼻水や鼻詰まり感を改善する観点に加え、放出された水蒸気により内層不織布51と皮膚との密着性がより高まるという観点から、単位面積あたり10分間に発生する水蒸気量が、2〜50mg/(cm2・10min)であることが好ましく、3〜30mg/(cm2・10min)であることが更に好ましい。ここで、温熱具1Aの内層不織布51側からの水蒸気量は、発生した水蒸気により変化した湿度を測定することにより求めることができる。
上記条件を達成するためには、使用する発熱体2は、発生する水蒸気量が1〜100mg/(cm2・10min)であることが好ましく、1〜50mg/(cm2・10min)であることが更に好ましい。このような水蒸気量の発熱体を使用すると、温熱具1Aの内層不織布51側から発生する水蒸気の量を上述の値にすることができる。ここで、発熱体2からの水蒸気量も、発生した水蒸気により変化した湿度を測定することにより求めることができる。
第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの形成材料について説明する。
温熱具1Aの発熱体2は、取り扱い性が良好であることや、発熱量が比較的大きいこと、携帯やコンパクト化が容易であることから、酸化反応により生じる酸化熱を用いることが好ましく、第1実施形態においては、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を用いている。
発熱体2は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含んでいる。発熱体2が、酸化熱を用いるとは、発熱体2の含む被酸化性金属が酸素と接触することによる酸化反応で生じた熱を利用して、所定温度に加熱された水蒸気を発生することを意味する。被酸化性金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等の粉末や繊維が挙げられる。これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄粉が好ましく用いられる。被酸化性金属が粉末である場合その粒径は0.1〜300μmであることが好ましく、特に粒径が0.1〜150μmものを50重量%以上含有するものを用いることも好ましい。反応促進剤としては、水分保持剤として作用する他に、被酸化性金属への酸素保持/供給剤としての機能も有しているものを用いることが好ましく、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ等が挙げられる。これらの中でも保水能、酸素供給能、触媒能を有する点から活性炭が好ましく用いられる。被酸化性金属と効果的に接触し得る点から、反応促進剤の粒径は0.1〜500μmであることが好ましく。特に0.1〜200μmのものを50重量%以上含有することが好ましい。
上述したように、第1実施形態の発熱体2は、抄紙発熱体を用いて構成されている。抄紙発熱体である発熱体2は、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含む、含水状態の繊維シートであることが好ましい。すなわち、抄紙発熱体である発熱体2は、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されていることが好ましい。ここで、繊維状物としては、コットン、カボック、木材パルプ、非木材パルプ等の天然繊維、又は例えばレーヨン、ビスコースレーヨン、キュプラ等の半合成繊維やナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン等の合成高分子繊維等を用いることができる。これら繊維状物は、その平均繊維長が0.1〜50mm、特に0.2〜20mmであることが、抄紙発熱体である発熱体2の強度確保及び繊維状物の水分散性の点から好ましい。抄紙発熱体である発熱体2としては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような抄紙発熱体である発熱体2としては、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。
尚、発熱体2が発熱粉体からなる場合には、発熱粉体は被酸化性金属、反応促進剤、保水剤、電解質及び水を含んで構成されていることが好ましい。抄紙発熱体及び発熱粉体のうち、均一な厚みでありコンパクトに温熱具を形成できる点や、膨張時に発熱体2が収容体3内で偏らない点から、抄紙発熱体を用いることが好ましい。また、抄紙発熱体は、発熱粉体に比較して、発熱の温度分布を均一化することが容易であり、また、被酸化性金属の担持能力が優れている点からも有利である。温熱具1Aの内層不織布51側から水蒸気が発生する場合は、どのような姿勢においても水蒸気を均一に適用し得る点から、抄紙発熱体を用いることが好ましい。
発熱体2を収容する収容体3は、鼻当接面側に配される内側シート31と、マスク当接面側に配される外側シート32とから形成されており、これら内側シート31及び外側シート32の透湿度及び透気度を適切に調整することで、収容体3を、発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張するように形成することができる。このような観点から、内側シート31及び外側シート32に用いられる素材の透気度は、800〜8000秒/100mlであることが好ましく、1000〜7000秒/100mlであることが更に好ましい。且つ、透湿度は、0.7〜4.5kg/(m2・24h)であることが好ましく、0.8〜3.8kg/(m2・24h)であることが更に好ましい。収容体3の内側シート31は、膨張により内層不織布51を介して肌と密着してしまうため、膨張を長時間維持するためには、外側シート32の透気度が非常に重要である。すなわち、外側シート32の透気度が、8000秒/100ml以下であることが好ましく、更に1000〜7000秒/100mlであることが好ましく、特に1000〜6000秒/100mlであることが好ましい。ここで、透湿度は、JIS Z208に準じて測定される値である。また、透気度は、JIS P8117に準じて測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.45cm2の面積を透過する時間で定義される。したがって、透気度が大きいことは空気の透過に時間がかかること、即ち通気性が低いことを意味している。逆に、透気度が小さいことは通気性が高いことを意味している。このように、透気度の大小と通気性の高低とは逆の関係を示す。
第1実施形態の内側シート31及び外側シート32は、いずれも全面透気性のシートを用いているが、とりわけ、温熱具1Aの内層不織布51側から水蒸気が発生する場合は、外側シート32側に比べ、内側シート31側から水蒸気が優先的に放出されるように構成されていることが好ましい。そのためには、内側シート31に用いられる素材の透湿度が外側シート32に用いられる素材の透湿度と同等かそれより大きいことが好ましい。その場合、内側シート31に用いられる素材の透湿度は、1.1〜3.8kg/(m2・24h)であることが好ましく、1.2〜3kg/(m2・24h)であることが更に好ましい。また、外側シート32に用いられる素材の透湿度は、外側に蒸気を放出する必要がないためなるべく低い方が良く、0.7〜4.5kg/(m2・24h)であることが好ましく、0.8〜3.8kg/(m2・24h)であることが更に好ましい。
収容体3の内側シート31及び外側シート32としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂からなるシートに機械的に孔を形成させたもの、前記樹脂と酸化チタン等の無機フィラーとの混合シートを延伸により界面剥離させ微孔を設けたもの、発泡成形による連続起泡を利用し微孔を連透させたもの等が挙げられる。内側シート31及び外側シート32は、それぞれ、一層のみでもよいが、複数枚を重ねて用いてもよい。内側シート31及び外側シート32は、薄くてフレキシブルで非常に感触が良く、温熱具の柔らかさを損なわない観点から、その坪量が10〜150g/m2、特に20〜100g/m2であることが好ましい。
収容体3の外表面を覆う不織布5は、装着時に、鼻当接面側に配される内層不織布51と、マスク当接面側に配される外層不織布52とから形成されている。
内層不織布51は、肌触り等の感触、強度等が良好で、発熱体2の熱を伝え易いという観点から、そして、水蒸気を発生する態様の場合、効率的に水蒸気を皮膚上に供給し、内層不織布51と皮膚との密着性がより高まるという観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維で、疎水性の不織布が好ましい。中でもポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系が特に好ましい。また、その坪量は、15〜80g/m2であることが好ましく、20〜60g/m2であることが更に好ましい。
外層不織布52としては、外層不織布52は、強度等が良好で、粘着剤等が貼り付きやすいという観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維、コットン、麻等の植物繊維、ウール、シルク等の動物性繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維等を用いた不織布が挙げられる。また、その坪量は、15〜120g/m2であることが好ましく、20〜100g/m2であることが更に好ましい。
内層不織布51及び外層不織布52は、それぞれ、一枚の不織布のみでもよいが、複数枚を重ねて用いてもよい。
温熱具1Aをマスク9に固定する粘着剤8としては、特に好ましくはホットメルト粘着剤が用いられる。ホットメルト粘着剤は一般に粘着基剤、粘着付与樹脂及び軟化剤を構成成分として含有している。ホットメルト粘着剤の種類としては、例えば合成ゴム系、ポリオレフィン系(Polyethylene(PE)系、Ethylene Vinyl Acetate(EVA)系、Ethylene-Ethyl-Acrylate(EEA)系、Atactic Polypropylene(APP)系、Amorphous Poly Alpha Olefin(APAO)系等)、ポリアミド系(ナイロン系、ポリアミド系等)、ポリエステル系、アクリル系等が含まれる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。特に保存性、粘着力、安全性等の面から、合成ゴム系、ポリオレフィン系、アクリル系、ポリアミド系が好ましく、とりわけ合成ゴム系が好ましい。
温熱具1Aを、使用前に保存する包装材4は、その全体が酸素バリア性を有する包装材(図示せず)によって形成されており、温熱具1Aが空気中の酸素と接触しないようになっている。包装材4の酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・day・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・day・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的には、エチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等のフィルム、又はそのようなフィルムにセラミック若しくはアルミニウム等を蒸着したフィルム等が挙げられる。
上述した本発明の第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aを使用した際の作用効果について説明する。
第1実施形態の温熱具1Aは、図7に示すように、包装材4から取り出され、図8及び図10に示すように、マスク9の内側面側の鼻の当たる部位に配され、次に、温熱具1Aの取り付けられたマスク9を、温熱具1Aが鼻の両側に亘って当たるようにして、装着して使用する。
第1実施形態の温熱具1Aは、使用時に、図9に示すように、収容体3が、発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により徐々に膨張するように形成されている。その為、様々なタイプのマスク9に取り付けたとしても、隙間が生じ難く、様々な装着者にも凹凸部が適合し易く、違和感を生じさせ難い。このように隙間が生じ難いと、マスク9内への異物の侵入を抑制することができる。また、鼻部を温めて鼻水や鼻詰まり感を改善する。
更に、温熱具1Aの内層不織布51側から水蒸気が発生する態様の場合、発生した水蒸気でマスク9の内側空間が充満するため、鼻、喉等を良好に潤し、発生した水蒸気で熱が効率的に伝達されるため鼻部を効果的に温めて鼻水や鼻詰まり感を改善し、局所血流の改善によってアレルギー症状が緩和すると共に、心地良さが向上し、リラックス効果が向上する。加えて、放出された水蒸気により内層不織布51と皮膚との密着性がより高まるため、さらに隙間が生じにくく、また濡れた部分へ異物(花粉、ホコリ等)が付着する効果もあり、異物の侵入をさらに抑制することができる。また、第1実施形態の温熱具1Aは、使用前及び廃棄時には、収容体3が膨張しておらず、厚みを薄くすることができるので、コンパクト性が向上する。
また、第1実施形態の温熱具1Aは、一対の発熱体2を備え、一対の発熱体2が、鼻の両側に対応する部位に配されるので、非常に良好に鼻部にフィットし、鼻部を更に効果的に温めることができる。
第1実施形態の温熱具1Aは、外表面に不織布を設けているので、肌触りが更に向上する。また、第1実施形態の温熱具1Aは、X方向中央部に、切り欠き部6を有しているので、温熱具1Aを良好に膨張させることができる。また、切り欠き部6,6同士の間の距離が短く、折れ曲がり易いので、様々な形状のマスク、特に、二つ折りタイプのマスク(いわゆる立体型マスク:図10参照)にも取付易い。また、第1実施形態の温熱具1Aは、マスク9に固定するための特定の大きさの粘着剤8を有しているので、使用時に、ズレることなく装着感が向上することに加え、透気性を阻害しないため温熱具1Aの膨張に影響を及ぼさず非常に好ましい。
次に、本発明の第2実施形態のマスク用鼻部温熱具について、図3,図4に基づいて説明する。
第2実施形態のマスク用鼻部温熱具1B(以下、「温熱具1B」ともいう)については、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aと同様であり、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの説明が適宜適用される。
第2実施形態の温熱具1Bは、図3,図4に示すように、発熱体2及び収容体3それぞれが、一個で形成されている点が、第1実施形態の温熱具1Aと大きく異なる。一個の発熱体2は、鼻の両側に亘って配される。このため、鼻全体を温めることが可能である。
第2実施形態の温熱具1Bにおいても、発熱体2は、抄紙発熱体を用いて構成されている。第2実施形態の抄紙発熱体である発熱体2は、そのX方向の長さが、60mm〜160mmであることが好ましく、そのY方向の長さが、10mm〜60mmであることが好ましい。
第2実施形態の収容体3は、図3,図4に示すように、一個の発熱体2を収容している。
第2実施形態の一個の収容体3は、内側シート31と外側シート32との間に、一個の抄紙発熱体である発熱体2を配置し、発熱体2の周縁部の外方において、内側シート31及び外側シート32を密着接合して形成されている。一個の収容体3は、そのX方向の長さが、70mm〜170mmであることが好ましく、そのY方向の長さが、20mm〜70mmであることが好ましい。第2実施形態の温熱具1Bのように、発熱体2が抄紙発熱体である場合には、発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張し易いように、1個の収容体3を平面視した際のその全面積(S0)に対する1個の発熱体2の面積(S1)の割合(S1/S0)は、40〜85%であることが好ましい。
第2実施形態の収容体3は、図3,図4に示すように、その外表面が、第1実施形態の温熱具1Aと同様に、不織布5で覆われている。第2実施形態の温熱具1Bは、一個の発熱体2を収容した一個の収容体3を、内層不織布51及び外層不織布52の間に配し、収容体3の周縁部の外方において、内層不織布51及び外層不織布52を接合部70’にて接合して形成されている。更に、第2実施形態の温熱具1Bにおいては、図3,図4に示すように、その幅方向(X方向)中央部に、温熱具1BのY方向両端縁1a,1aそれぞれから発熱体2のY方向両端縁2a,2aに亘って配された一対の中央接合部7,7(接合部70’におけるX方向中央部)により、内層不織布51及び外層不織布52を接合して形成されている。第2実施形態の温熱具1Bにおいては、図3,図4に示すように、発熱体2が収容された密閉空間を傷つけてしまう等の悪影響や、スリットによる強度低下を最小限に留めた上で、様々なマスクへの装着性の自由度を向上させる観点から、幅方向(X方向)中央部の一対の中央接合部7,7それぞれの上に、スリット6’が設けられている。スリット6’を設けた後に残される連結部(中央接合部7における切り欠き部6同士の間の間隔)の長さは、10mm〜30mm、好ましくは15mm〜25mmが良い。この範囲であれば、連結部にも発熱体が存在するものの膨張しづらいため非常に良好に鼻部にフィットし、強度低下も生じずらく、装着時の自由度も高まり非常に好ましい。その結果、例えば、マスク先端部が曲線形状をした立体マスクへの装着時も安定且つ隙間を生じずに装着可能となる。中央接合部7は、収容体3に近接する箇所に形成されることが好ましく、この中央接合部7により、鼻頂部での収容体の膨張を良好に抑えることができ、且つ、温熱具1Bを鼻部の凹凸にあわせて良好に膨張させることができる。
第2実施形態の温熱具1Bは、図3,図4に示すように、メカニカルファスナーのフック部材8’を備えている。フック部材8’は、図3,図4に示すように、鼻の両側に対応する部位であって、外層不織布52のマスク当接面側の表面に、一対に形成されている。
図3,図4に示すように、各フック部材8’は、平面視して、温熱具1Bの長辺方向であるX方向に長い長方形状をしている。尚、第2実施形態のフック部材8’は、X方向に長い長方形状に形成されているが、楕円形状、菱形形状、円形状、三角形状、空豆形状等であってもよい。1個の収容体3中に収容された発熱体2を平面視した際の全面積(S3’)に対するそのフック部材8’の面積(S2’)の割合(S2’/S3’)は、5〜60%であることが好ましい。フック部材の面積がこの割合であると、マスクへ安定に固定でき、ズレが生じたり装着中に完全に外れることがないため好ましい。加えて、透気性を阻害しないため温熱具1Aの膨張に影響を及ぼさず非常に好ましい。
第2実施形態のマスク用鼻部温熱具1Bの形成材料について説明する。第2実施形態の温熱具1Bについては、第1実施形態の温熱具1Aと異なる形成材料について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の温熱具1Aの形成材料と同様である。
メカニカルファスナーのフック部材8’としては、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等が挙げられる。
上述した本発明の第2実施形態のマスク用鼻部温熱具1Bを使用した際の作用効果について説明する。
第2実施形態のマスク用鼻部温熱具1Bの効果については、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの効果と同様であり、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの効果の説明が適宜適用される。
第2実施形態の温熱具1Bは、使用時には、一個の発熱体2が、鼻の両側に亘って配されるので、鼻の広い範囲に亘って効果的に温めることができるので、局所血流の改善によってアレルギー症状が更に緩和すると共に、心地良さが向上し、リラックス効果が更に向上する。
第2実施形態の温熱具1Bは、その幅方向(X方向)中央部に、温熱具1BのY方向両端縁1a,1aそれぞれから発熱体2のY方向両端縁2a,2aに亘って配された一対の中央接合部7,7(接合部70’におけるX方向中央部)を、内層不織布51及び外層不織布52を接合して形成されているため、鼻頂部での収容体の膨張を良好に抑えることができ、且つ、温熱具1Bを鼻部の凹凸にあわせて良好に膨張させることができる。また、第2実施形態の温熱具1Bは、第1実施形態の温熱具1Aの切り欠き部6に代えて、X方向中央部に、スリット6’を有しているので、折れ曲がり易く、二つ折りタイプのマスク(いわゆる立体型マスク:図10参照)にも取付易い。また、第2実施形態の温熱具1Bは、第1実施形態の温熱具1Aの粘着剤8に代えて、特定の大きさのメカニカルファスナーのフック部材8’を有しているので、第1実施形態の温熱具1Aと同様に、使用時に、ズレることなく装着感が向上することに加え、透気性を阻害しないため温熱具1Bの膨張に影響を及ぼさず非常に好ましい。第2実施形態の温熱具1Bは、発熱体2及び収容体3それぞれが一個で形成されており、鼻の両側に亘って配されるため、鼻頂部での収容体の膨張を抑え、鼻の両側に良好にフィットさせる必要がある。本発明では、中央接合部7を設けることで、鼻頂部での収容体の膨張を良好に抑えている。
次に、本発明の第3実施形態のマスク用鼻部温熱具について、図5,図6に基づいて説明する。
第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1Cについては、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aと同様であり、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの説明が適宜適用される。
第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1Cは、図5,図6に示すように、各収容体3を構成する鼻当接面側に配される内側シート31及びマスク当接面側に配される外側シート32それぞれの一部が非透湿性である点が、第1実施形態の温熱具1Aの全面透気性の内側シート31及び外側シート32と大きく異なる。具体的には、図6に示すように、温熱具1Cの収容体3の内側シート31は、2枚のシートからなり、Y方向の上方側、言い換えれば、装着時に目側に配される非透湿性の非透湿内側シート311と、Y方向の下方側、言い換えれば、装着時に口側に配される透湿性の透湿内側シート312とからなる。同様に、温熱具1Cの収容体3の外側シート32は、2枚のシートからなり、Y方向の上方側に配される非透湿性の非透湿外側シート321と、Y方向の下方側に配される透湿性の透湿外側シート322とからなる。温熱具1Cの内側シート31は、図6に示すように、非透湿内側シート311のY方向の下方側の端部と透湿内側シート312のY方向の上方側の端部とを、それらに沿って密着接合して形成されている。同様に、温熱具1Cの外側シート32は、図6に示すように、非透湿内側シート321のY方向の下方側の端部と透湿内側シート322のY方向の上方側の端部とを、それらに沿って密着接合して形成されている。
温熱具1Cにおいては、各収容体3は、非透湿内側シート311及び透湿内側シート312からなる内側シート31と、非透湿内側シート321及び透湿内側シート322からなる外側シート32との間に、抄紙発熱体である発熱体2を配し、発熱体2の周縁部の外方において、内側シート31及び外側シート32を密着接合して形成されている。このように、密着接合することにより、発熱体2が収容される密閉空間が形成される。
第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1Cの形成材料について説明する。第3実施形態の温熱具1Cについては、第1実施形態の温熱具1Aと異なる形成材料について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の温熱具1Aの形成材料と同様である。
内側シート31を形成する非透湿内側シート311及び外側シート32を形成する非透湿内側シート321は、非透湿性を有するシートであれば特に制限はないが、透湿度が10g/(m2・24h)以下、特に1g/(m2・24h)以下であることが好ましい。透湿度がこのような範囲にあると、水蒸気を、内側シート31を形成する透湿性の透湿内側シート312側、及び外側シート32を形成する透湿性の透湿内側シート322側から選択的に放出させることができるとともに、非透湿性の非透湿内側シート311側及び非透湿内側シート321側からは熱のみを伝達できるようになる。
非透湿内側シート311及び非透湿内側シート321としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂からなるシートが挙げられる。非透湿内側シート311及び非透湿内側シート321は、一枚のシートのみでもよいが、複数枚を重ねて用いてもよい。非透湿内側シート311及び非透湿内側シート321は、薄くてフレキシブルで非常に感触が良く、発熱体の柔らかさを損なわない観点から、坪量が10〜150g/m2であることが好ましく、20〜100g/m2であることが更に好ましい。
上述した本発明の第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1Cを使用した際の作用効果について説明する。
第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1Cの効果については、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの効果と同様であり、第1実施形態のマスク用鼻部温熱具1Aの効果の説明が適宜適用される。
第3実施形態の温熱具1Cは、使用時には、図6,図9に示すように、収容体3を構成する非透湿性の非透湿内側シート311及び非透湿外側シート321が装着時に目側に配され、収容体3を構成する透湿性の透湿内側シート312及び透湿外側シート322が装着時に口側に配される。第3実施形態の温熱具1Cは、使用時には、口側に配された透湿性の透湿内側シート312側及び透湿外側シート322側から、発熱体2の発熱に伴って発生する水蒸気を放出すると共に、熱を伝達し、放出された水蒸気でマスク9の立体空間内が充満する。その為、鼻、喉等を水蒸気で潤し、鼻部を効果的に温め、局所血流の改善によってアレルギー症状が緩和すると共に、心地良さが向上し、リラックス効果が向上する。さらに、第3実施形態の温熱具1Cは、使用時には、非透湿性の非透湿内側シート311側及び非透湿外側シート321側から、水蒸気を放出することがないので、装着者が眼鏡をかけていても眼鏡が曇ることがなく、使用感が向上する。
本発明のマスク用鼻部温熱具は、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具における各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1A,1B,1Cにおいては、図2,図4,図6に示すように、収容体3の外表面を不織布5で覆っているが、不織布で覆っていなくてもよい。
また、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1A,1B,1Cにおいては、図2,図4,図6に示すように、温熱具1AのX方向中央部に形成された中央接合部7上に切り欠き部6又はスリット6’を有しているが、有していなくてもよい。また、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1A,1B,1Cにおいては、図2,図4,図6に示すように、切り欠き部6又はスリット6’は、一対形成されているが、一方に形成されていてもよい。
また、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1A,1B,1Cにおいては、図2,図4,図6に示すように、温熱具1A,1B,1Cをマスク9に固定する粘着剤8又はメカニカルファスナーのフック部材8’を有しているが、有していなくてもよい。
また、上述の第1,第2,第3実施形態では使用前は包装材で密閉されているが、包装材を用いずとも密閉が達成されていれば良い。更に、発熱体の発熱開始が制御できる方法が他にあれば密閉が達成されていなくても良い。
また、上述の第1,第2,第3実施形態のマスク用鼻部温熱具1A,1B,1Cにおいて、発熱体としては、取り扱い性が良好であることや、発熱量が比較的大きいこと、携帯やコンパクト化が容易であることから、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱を用いているが、その他の化学エネルギー、例えば、被酸化性金属の酸化反応により生じる酸化熱、酸とアルカリの中和熱、無機塩類(塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト等)の水和熱等を利用して発熱を起こしても良い。
また、上述の第3実施形態では各収容体3を構成する鼻当接面側に配される内側シート31及びマスク当接面側に配される外側シート32のそれぞれの一部が非透湿性であるが、内側シート31及び外側シート32を非透湿とし、各収容体3を覆う各不織布5を構成する鼻当接面側に配される内層不織布51及びマスク当接面側に配される外層不織布52のそれぞれの一部が非透湿性であっても良い。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔参考例〕
<抄紙発熱体の原料スラリーの作製>
被酸化性金属:鉄粉、DOWAエレクトロニクス(株)製、商品名「RKH」、83重量%

反応促進剤:活性炭、日本エンバイロケミカルズ(株)製、商品名「カルボラフィン」 、平均粒径45μm、9質量%、
繊維状物:パルプ繊維(フレッチャー・チャレンジ・カナダ(株)製、商品名「Mac henzie」CSF150ml)8質量%
水:工業用水
上記被酸化性金属、繊維状物及び反応促進剤の合計100質量部に対し、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業薬品(株)製、商品名「セロゲン HE1500F」)0.22質量部、及びポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.8質量部を添加し、更に水を固形分濃度0.3質量%となるまで添加し、スラリーを得た。
<抄紙条件>
上記原料スラリーを用い、傾斜型短網抄紙機によって抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<乾燥条件>
上記成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま120℃の加熱ロール間に透し、含水率が5重量%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さ0.5mmであった。
<電解液添加条件>
上記発熱中間シートを50mm×30mmにカットし、カットした発熱中間シートに下記電解液を塗布することによって該電解液を発熱中間シート100重量部に対して40重量部添加して所望の抄紙発熱体を得た。
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5質量%
得られた抄紙発熱体の組成は、鉄59.3質量%、活性炭6.4質量%、パルプ5.7質量%、NaCl1.4質量%、水27.2質量%であった。
〔実施例1〕
図1,図2に示す構造のマスク用鼻部温熱具を製造した。
<マスク用鼻部温熱具の作製>
参考例で得られた抄紙発熱体(サイズ50mm×30mm)を2枚重ね、その鼻当接面側に透気性の内側シート31である多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)と、マスク当接面側に透気性の外側シート32である多孔質ポリエチレンシート(透湿度3.8kg/(m2・24h)、透気度1000秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)とを積層したシートを2セル分作製したのち、さらにその両積層体の上下に、PET/PE芯鞘繊維からなる内層不織布51及び外層不織布52(坪量20g/m2、サイズ140mm×50mm)を積層し、発熱シート2の周りをヒートシールによって接合してマスク用鼻部温熱具を作製した。尚、マスク当接面側の外層不織布52上には、その全面積の約17%の部分に粘着剤8を塗布し、内層不織布での表面温度が開封後約3分にて36〜60℃で、体積膨張率2〜100倍が10分間以上維持されるマスク用鼻部温熱具を製造した。
〔実施例2〕
外側シート32を下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
外側シート32:多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
〔実施例3〕
内側シート31及び外側シート32を下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
内側シート31:多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.3kg/(m2・24h)、透気度3600秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
外側シート32:多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.3kg/(m2・24h)、透気度3600秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
〔実施例4〕
外側シート32を下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
外側シート32:多孔質ポリエチレンシート(透湿度0.8kg/(m2・24h)、透気度6900秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
〔実施例5〕
参考例で得られた抄紙発熱体(サイズ120mm×28mm)を2枚重ね、その鼻当接面側に透気性の内側シート31である多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ140mm×50mm)と、マスク当接面側に透気性の外側シート32である多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ140mm×50mm)とを積層し、さらにその積層体の上下に、PET/PE芯鞘繊維からなる内層不織布51及び外層不織布52(坪量20g/m2、サイズ140mm×50mm)を積層し、発熱シート2の周りをヒートシールによって接合してマスク用鼻部温熱具を作製した。尚、マスク当接面側の外層不織布52上には、その全面積の約17%の部分に粘着剤8を塗布した。
〔実施例6〕
外側シート32及び粘着剤の面積を下記のように代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
外側シート32:多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
粘着剤の面積:マスク当接面側の外層不織布52上には、その全面積の約57%の部分に粘着剤8を塗布した。
〔実施例7〕
内側シート31を下記の非透気性シートに代え、外側シート32を下記のシートに代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
非透気性シート:ポリエチレンシート(透湿度0kg/(m2・24h)、非透気、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
外側シート32:多孔質ポリエチレン製シート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
〔実施例8〕
外側シート32及び粘着剤の面積を下記のように代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
外側シート32:多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
粘着剤の面積:マスク当接面側の外層不織布52上には、その全面積の約3%の部分に粘着剤8を塗布した。
〔実施例9〕
外側シート32及び粘着剤の面積を下記のように代えた以外は、実施例1と同様にしてマスク用鼻部温熱具を作製した。
外側シート32:多孔質ポリエチレンシート(透湿度1.8kg/(m2・24h)、透気度2500秒/100ml、坪量20g/m2、サイズ70mm×50mm)
粘着剤の面積:マスク当接面側の外層不織布52上には、その全面積の約80%の部分に粘着剤8を塗布した。
<評価>
〔使用感〕
実施例及び比較例で得られたマスク用鼻部温熱具をアルミニウムラミネートの包装材4内に保管後、包装材4から取り出し、図8に示すように、マスク9(一部マスク10(立体タイプ))に取り付け、実際に使用してもらい、使用感について評価した。評価基準は以下の透りである。得られた結果を表1に示す。
5:マスクと鼻周辺との間に隙間が生じ難く、違和感も全くない。
4:マスクと鼻周辺との間に隙間がほとんど生じ難く、違和感もほとんどない。
3:マスクと鼻周辺との間にやや隙間が生じやすいが、違和感はほとんどない。
2:マスクと鼻周辺との間に隙間が生じ、違和感がある。
1:マスク用鼻部温熱具が全く膨らまない。
〔使用時の温感〕
実施例及び比較例で得られたマスク用鼻部温熱具をアルミニウムラミネートの包装材4内に保管後、包装材4から取り出し、図8に示すように、マスク9に取り付け、実際に使用してもらい、使用時の温感について評価した。評価基準は以下の透りである。得られた結果を表1に示す。
5:鼻周辺が非常に良好に温かく気持ちいい。
4:鼻周辺が適度に温かい。
3:鼻周辺がやや熱い又はやや温い。
2:鼻周辺が熱い又はほとんど温まらない。
1:鼻周辺が非常に熱い又は全く温まらない。
〔使用時の蒸気感〕
実施例及び比較例で得られたマスク用鼻部温熱具をアルミニウムラミネートの包装材4内に保管後、包装材4から取り出し、図8に示すように、マスク9に取り付け、実際に使用してもらい、使用時の蒸気感について評価した。評価基準は以下の透りである。得られた結果を表1に示す。
○:鼻周辺部の肌が蒸気で潤い、鼻で蒸気感を感じることができる。
△:鼻周辺部の肌がやや蒸気で潤い、少し鼻で蒸気感を感じることができる。
×:鼻周辺部での肌も潤わず、蒸気感も感じることができない。
〔マスクへの固定性〕
実施例及び比較例で得られたマスク用鼻部温熱具をアルミニウムラミネートの包装材4内に保管後、包装材4から取り出し、図8に示すように、マスク9に取り付け、実際に使用してもらい、マスクへの固定性について評価した。評価基準は以下の透りである。
○:しっかりマスクに貼付されており、使用中ズレを生じない。
△:マスクに貼付は、されているが、使用しているうちに、ズレが生じた。
×:マスクに貼り付けたが、使用中簡単にマスクから外れた。
Figure 2011136060
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の実施例のマスク用鼻部温熱具は、使用感、使用時の温感、使用時の蒸気感及びマスクへの固定性の全てに優れていることが判る。
1A,1B,1C マスク用鼻部温熱具
1a マスク用鼻部温熱具のY方向の端縁
2 発熱体
2a 発熱体のY方向の端縁
3 収容体
31 内側シート
311 非透湿内側シート
312 透湿内側シート
32 外側シート
321 非透湿外側シート
322 透湿外側シート
4 包装材
5 不織布
51 内層不織布
52 外層不織布
6 切り欠き部,6’ スリット
70,70’ 接合部
71 別の接合部
7 X方向中央接合部
8 粘着剤,8’ メカニカルファスナーのフック部材
9 マスク

Claims (12)

  1. マスクに、その内側面の鼻に当たる部位に配されるマスク用鼻部温熱具であって、
    水蒸気を発生する発熱体と、該発熱体を収容する収容体とを具備しており、前記収容体が、前記発熱体の発熱に伴って発生する水蒸気により膨張するように形成されているマスク用鼻部温熱具。
  2. 前記発熱体及び前記収容体それぞれは、一対で形成されており、一対の該発熱体は、鼻の両側に対応する部位に配される形状である請求項1に記載のマスク用鼻部温熱具。
  3. 前記発熱体及び前記収容体それぞれは、一個からなり、該発熱体は、鼻の両側に亘って配される形状である請求項1に記載のマスク用鼻部温熱具。
  4. 前記収容体の外表面が、更に不織布で覆われている請求項1〜3の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  5. 前記マスク用鼻部温熱具の幅方向中央部に、該マスク用鼻部温熱具の端縁から、中央に向かって延びるスリット又は中央に向かって切れ込んだ切り欠き部が設けられている請求項1〜4の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  6. 前記収容体の目側に配される部位及び/又は前記不織布の目側に配される部位が非透湿性である請求項1〜5の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  7. 前記発熱体は、酸化反応により発熱する請求項1〜6の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  8. 前記収容体は、鼻当接面側の内側シートと、マスク当接面側の外側シートとからなり、
    前記外側シートの透気度が8000秒/100ml以下である請求項1〜7何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  9. 前記収容体は、鼻当接面側の内側シートと、マスク当接面側の外側シートとからなり、
    前記内側シートの透湿度が前記外側シートの透湿度より大きいことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  10. 前記発熱体は、抄紙発熱体を用いて構成されている請求項7〜9の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具。
  11. 更に粘着剤又はメカニカルファスナーのフック部材を具備しており、粘着剤又はフック部材の面積が発熱体を平面視した際の面積の5〜60%である請求項10に記載のマスク用鼻部温熱具。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載のマスク用鼻部温熱具が、内側面の鼻に当たる部位に配されているマスク。
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