JP2009142507A - 水蒸気発生体 - Google Patents

水蒸気発生体 Download PDF

Info

Publication number
JP2009142507A
JP2009142507A JP2007324057A JP2007324057A JP2009142507A JP 2009142507 A JP2009142507 A JP 2009142507A JP 2007324057 A JP2007324057 A JP 2007324057A JP 2007324057 A JP2007324057 A JP 2007324057A JP 2009142507 A JP2009142507 A JP 2009142507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water vapor
powder
air
container
heat generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007324057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5112036B2 (ja
JP2009142507A5 (ja
Inventor
Shuji Ishikawa
修司 石川
Mikio Saito
美紀雄 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2007324057A priority Critical patent/JP5112036B2/ja
Publication of JP2009142507A publication Critical patent/JP2009142507A/ja
Publication of JP2009142507A5 publication Critical patent/JP2009142507A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5112036B2 publication Critical patent/JP5112036B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】通気面積が制限されても未反応部分を最小に抑えられる水蒸気発生体を提供すること。
【解決手段】水蒸気発生体10は、単位面積あたりの重量が0.1〜0.5g/cm2であり、含水率が30〜60重量%である発熱部が、通気部31を有する収容体内に収容されてなるシート状のものである。収容体における通気部31の外面に、水蒸気発生体10を着用者の身体に固定するための固定部34が設けられている。通気部31に占める固定部34の面積の割合は10〜90%である。通気部の透湿度は100〜1000g/(m2・24hr)である。発熱部は、平均粒径が10〜50μmの粉体(A)と、平均粒径が0.1〜2mmの粒体(B)とを含有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、所定温度に加熱された水蒸気の発生が可能な水蒸気発生体に関する。
近年、使い捨てカイロ、すなわち鉄粉を用いた発熱材料を、通気性を有する扁平な袋内に封入し、該発熱材料の発熱により身体を加温するために用いられる発熱具が種々知られている。例えば、特許文献1には、発熱性組成物を収納した収容袋における身体への接合面を通気層とし、該接合面における両側に粘着剤を層着した発熱体が記載されている。この発熱体における収容袋の中間部には、収容袋の周縁部まで連続した通気層の露出域が形成されている。同文献には、発熱体をこの構成とすることにより、発熱組成物の必要量が少なく経済的であり、薄型で安定使用できる旨が記載されている。しかし、この発熱体のような一般の使い捨てカイロは、発熱組成物中の含水率が低いため生理機能改善する適切な水蒸気を身体に付与できない。また、通気層の露出域の面積が狭く、空気の流入が着用者の皮膚によって妨げられやすいので、粘着剤が層着された部位に位置する発熱性組成物まで酸素が回り込みにくい。その結果、発熱組成物の一部に未反応のものが残存し、発熱組成物全体が均一に発熱反応することが困難となる。
特許文献2には、皮膚や粘膜に水蒸気を供給する水蒸気発生体が提案されている。この水蒸気発生体は、水蒸気発生部位にムラを生じさせないために、支持体に保持又は挟持することにより、シート状組成物として移動を抑制している。
特開平3−251243号公報 特開平2002−58699号公報
本発明の目的は、上述した従来技術が有する欠点を解決し得る水蒸気発生体を提供することにある。
本発明は、単位面積あたりの重量が0.1〜0.5g/cm2であり、含水率が30〜60重量%である発熱部が、通気部を有する収容体内に収容されてなるシート状水蒸気発生体であって、
前記収容体における前記通気部の外面に、前記水蒸気発生体を着用者の身体に固定するための固定部が設けられており、該通気部に占める該固定部の面積の割合が10〜90%であり、
前記通気部の透湿度が100〜1000g/(m2・24hr)であり、
前記発熱部は、平均粒径が10〜50μmの粉体(A)と、平均粒径が0.1〜2mmの粒体(B)とを含有する発熱組成物からなる水蒸気発生体を提供するものである。
本発明によれば、発熱組成物の発熱特性を損なわずに、その流動特性を良好にすることができる。それによって、通気面積が制限されても未反応の発熱組成物を最小限に抑えることができる。その結果、発熱組成物全体を均一に反応させることができ、所定温度に加熱された水蒸気が安定して着用者の身体に付与される。
以下、本発明の水蒸気発生体を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の水蒸気発生体の一実施形態の斜視図が示されている。図2は、図1におけるII−II線断面図である。
図1に示す実施形態の水蒸気発生体10は、人体の体表(皮膚)に当接して適用される。適用部位に特に制限はなく、腰部、腹部、頸部、肩部や、各所の関節など所望の部位に適用し得る。
水蒸気発生体10は発熱部20を有している。水蒸気発生体10は、発熱部20で発生した熱を利用して該発熱部20から生じた水蒸気を、体表に適用するようになっている。したがって発熱部20は水蒸気発生部ともいえる。つまり、本実施形態の水蒸気発生体10においては、これを体表に適用することで、水蒸気を伴う熱が体表に付与される。
発熱部20は、被酸化性金属、反応促進剤、保水剤、電解質及び水を含む粒状の発熱体組成物である。発熱部20が空気と接触すると、該発熱部20に含まれている被酸化性金属の酸化反応が起こり、熱が発生する。この熱によって発熱部に含まれている水が加熱されて所定温度の水蒸気となり、外部へ放出される。発熱組成物を構成する各成分の詳細については後述する。
図1及び図2に示すように、水蒸気発生体10は、X方向とそれに直交するY方向とを有する扁平な矩形のシート状物である。水蒸気発生体10は、上述した発熱部20及び該発熱部20を収容する収容体30を備えている。収容体30は扁平な袋状のものであり、複数のシート材の周縁を貼り合わせて、内部が空洞の袋状となされている。この空洞が発熱部20の収容空間となっている。収容体30は少なくともその一部に、透湿性のある通気部を有している。
具体的には、収容体30は、通気性を有する第1の面31、及びこれに対向しかつ通気性を有しない第2の面32を有しており、第1の面31が通気部となっている。第1の面31は、水蒸気発生体10の使用時に、着用者の皮膚に対向する面である。第2の面32は、水蒸気発生体10の使用時に、外方を向く面である。第1の面31は、例えば(a)透湿性シート、(b)透湿性シートと不織布とを接合してなる積層体、(c)透湿性シートと不織布とを単に重ね合わせた重ね合わせ体などの通気性を有するシートから構成されている。第2の面32は、(d)非透湿性シート、(e)非透湿性シートと不織布とを接合してなる積層体、(f)非透湿性シートと不織布とを単に重ね合わせた重ね合わせ体などの通気性を有しないシートから構成されている。第1の面31を構成するシートと、第2の面32を構成するシートとは、それらの周縁どうしが接合されており、それによって収容体30には連続した接合部33が形成されている。連続した接合部33が形成されることで、収容体30内に収容された発熱組成物は、その漏れ出しが防止される。
前記の透湿性シートとしては、水蒸気は透過させるが水は透過させにくいフィルムが用いられる。このようなフィルムは、熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂と相溶性を有しない物質との混練物をフィルム状に溶融押し出しし、次いで一軸延伸又は二軸延伸することで得られるものである。
第1の面31を構成するシートは、発熱部20への空気の供給量を制御する機能と、発熱部20で発生した熱(湿熱)を体表に伝達する機能を有している。この観点から、第1の面31を構成するシートの総厚みは、0.05〜1.5mmであることが好ましい。総厚みがこの範囲内に入ることを条件として、例えば、シートの構成が前記(C)透湿性シートと不織布とを単に重ね合わせた場合には、透湿性シートの厚みは0.01〜0.1mmであることが好ましく、不織布の厚みは0.03〜0.5mmであることが好ましい。厚みはJIS L1906及びJIS L1096に準じ、荷重2kPa下又は10kPa下で測定される。
第1の面31の通気性は、収容体30内に収容されている発熱部20の発熱特性に影響を及ぼす。この観点から、第1の面31の通気性は、JIS Z0208(40℃、90%RH)に従い測定された透湿度を尺度として表現した場合、100〜1000g/(m2・24hr)であり、好ましくは200〜900g/(m2・24hr)、更に好ましくは300〜800g/(m2・24hr)である。
収容体30における通気部である第1の面31の外面には、水蒸気発生体10を、着用者の身体(皮膚)に固定するための固定部34が設けられている。固定部34は、第1の面31の上に設けられている。また固定部34は、収容体30のY方向における左右両側部にそれぞれ設けられている。固定部34は、水蒸気発生体10を、着用者の身体に固定し得る手段から構成されている。そのような手段の代表的なものとしては、例えば粘着剤が挙げられる。粘着剤としては、例えばゴム系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などを用いることができる。粘着剤は非転着性であることが好ましい。
固定部34として粘着剤を用いる場合には、粘着剤を第1の面31における左右両側部に塗布すればよい。粘着剤の塗布により、通気性を有する第1の面31は、粘着剤の塗布領域の通気性が低下するか、或いは通気性が失われる。その結果、空気は、第1の面31のうち、左右の固定部34間に位置する粘着剤の非塗布領域である通気性部位35から収容体30内に流入する。なお、図1に示すように、粘着剤の非塗布領域である通気性部位35は、第1の面31のY方向における中央域に位置し、X方向に延びている。そして通気性部位35の延びる方向の前後端は、収容体30のX方向の前後端にまで達している。
このように、水蒸気発生体10の収容体30においては、通気面である第1の面31の一部が粘着剤等からなる固定手段34によって被覆されているので、該固定手段34が位置する部位に存在する発熱部20には、第1の面31を通じての直接の空気の供給は行われない。空気の供給は、通気性部位35を通じてのみ行われる。したがって、固定手段34が位置する部位に存在する発熱部20には、空気が供給されづらく、それに起因して発熱が不均一になるおそれがある。そこで本実施形態の水蒸気発生体10においては、発熱部20を構成する発熱組成物に工夫を施すことで、発熱部20が均一に発熱するようにしている。
具体的には、発熱部20を構成する発熱組成物の成分として、平均粒径が10〜50μmの粉体(A)と、平均粒径が0.1〜2mmの粒体(B)との2種以上の粉体を用いている。この範囲の平均粒径を有する粉体(A)及び粉体(B)を組み合わせて用いることで、発熱組成物を構成する粉体全体の流動特性が良好になる。また、空気の流通性が良好になる。具体的には、平均粒径の大きな粉体である粉体(B)どうしの間に空間が形成され、その空間の存在によって発熱組成物の流動特性が向上し、また空気の流通性が良好になる。一方、平均粒径の小さな粉体である粉体(A)によって、被酸化性金属の酸化反応が促進される。それらの結果、図3に示すように、通気性部位35から収容体30内に流入した空気が、収容体30内の全域にわたって円滑に流通するようになる。これによって、固定手段34が位置する部位に存在する発熱部20(つまり、通気性部位35から直接空気が供給されない部位に存在する発熱部20)であっても、発熱反応が均一に生じ、水蒸気が長時間にわたって安定して発生する。
発熱組成物の流動特性を一層良好にする観点から、粉体(A)の好ましい平均粒径は15〜45μmであり、更に好ましい平均粒径は20〜40μmである。粉体(B)の好ましい平均粒径は0.2〜1.5mmであり、更に好ましい平均粒径は0.25〜1mmである。粉体(A)の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置によって測定される。また、粉体(B)の平均粒径は光学顕微鏡による画像を、画像解析することで測定される。
第1の面31の面積に占める通気性部位35の面積の割合は、収容体30内に流入する空気の量に影響を及ぼす。通気性部位35の占める割合が高いほど収容体30内に流入する空気の量は増えるが、その反面、固定手段34の占める面積が低くなり、水蒸気発生体10を着用者の身体に確実に固定しづらくなる。逆に、水蒸気発生体10を着用者の身体に確実に固定するために、固定手段34の占める面積を高くすると、通気性部位35の占める割合が低くなり、収容体30内に流入する空気の量が減少する。これらのバランスを考慮して、通気部である第1の面31の面積に占める固定部34の面積の割合を、10〜90%とし、好ましくは20〜90%、更に好ましくは40〜90%とする。一方、通気部である第1の面31の面積に占める通気性部位35の面積の割合は、90〜10%とし、好ましくは80〜10%、更に好ましくは60〜10%とする。
粉体(A)と粉体(B)との使用割合を適切な範囲に設定することでも、発熱組成物の流動特性を一層良好にすることができる。この観点から、粉体(A)と粉体(B)の重量比(A)/(B)は好ましくは0.2〜0.7、更に好ましくは0.2〜0.6に設定する。
発熱組成物の発熱特性を損なわずにその流動特性を良好にする観点からは、粉体(A)及び粉体(B)は同種のものであることが好ましい。また粉体(A)及び粉体(B)は発熱組成物の発熱反応に関与するものであることも好ましい。そのような粉体としては、例えば鉄粉等の被酸化性金属や活性炭等の反応促進剤が挙げられる。特に、粉体(A)及び粉体(B)として活性炭を用いることが、酸化反応を均一に促進できる点から好ましい。
発熱組成物に占める粉体(A)と粉体(B)との合計量の割合は、粉体の種類にもよるが、例えば粉体として被酸化性金属を用いる場合には、20〜50重量%であることが好ましい。粉体として活性炭を用いる場合には、3〜25重量%であることが好ましい。
水蒸気発生体10においては、発熱部20を構成する発熱組成物の使用量も、該発熱組成物の流動特性に影響を及ぼす。この観点から発熱組成物の重量は、水蒸気発生体10を平面視したときに、発熱組成物が存在する面積(cm2)に対して0.1〜0.5g/cm2に設定し、好ましくは0.1〜0.4g/cm2に設定する。発熱組成物の使用量をこの範囲内にすることで、収容体30内における発熱組成物の充填性が適度なものとなり、発熱組成物の流動特性を良好にでき、また発熱量を十分にすることができる。
次に、発熱部20を構成する発熱組成物の詳細について説明する。発熱組成物の成分の一つである被酸化性金属としては、例えば鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等の粉末が用いられる。被酸化性金属は、発熱組成物に占める割合が好ましくは20〜50重量%、更に好ましくは25〜40重量%である。反応促進剤としては、例えば活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等が用いられる。反応促進剤は、発熱組成物に占める割合が好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。保水剤としては、例えばバーミキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、パルプ、木紛、吸水ポリマー等が用いられる。保水材は、発熱組成物に占める割合が好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。これらの成分の割合が前記範囲内にあると、所望の発熱性能が期待できる。
発熱組成物には、更に電解質が含有される。電解質は、被酸化性金属の酸化反応の触媒となる物質であり、その例としてはアルカリ土類金属又は遷移金属の硫酸塩、炭酸塩、塩化物又は水酸化物等が挙げられる。これらの中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点からアルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属の塩化物が好ましく用いられ、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄が好ましく用いられる。電解質は、発熱組成物に占める割合が好ましくは0.3〜10重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%である。発熱組成物に含有される水の割合(即ち含水率)は30〜60重量%、好ましくは35〜60重量%である。これらの成分の割合がこの範囲内にあると、所望の水蒸気発生能が発現する。
本実施形態の水蒸気発生体10を人体に装着させると、発熱部20から発生した水蒸気によって、適用部位の表面温度のみならず、人体の深部温度も高めることができる。その結果、全身の血流量が増加し、適用部位の温度が上昇するのみならず、指先などの末梢温度も上昇する。また末梢温度の保温効果もある。したがって本実施形態の水蒸気発生体10は各種生理機能の改善、例えば血行促進、筋肉の疲れを取る、筋肉の凝りや筋肉痛の緩和、冷え性の緩和、神経痛の緩和などに効果がある。
生理機能を効果的に改善させる観点から、水蒸気発生体10は、水蒸気発生の持続時間が長いことが好ましい。具体的には、自律神経を副交感神経優位にすることで生理機能を改善する観点から、水蒸気の発生能が好ましくは2時間以上、更に好ましくは2〜12時間、一層好ましくは3〜6時間である。これに加えて、水蒸気発生体を体表(皮膚)に当接させた状態下で2〜12時間、特に3〜6時間にわたり、体表温度を38℃以上42℃未満、特に38℃以上41℃未満に維持し得る発熱能と水蒸気の発生能を有していることが好ましい。これらの測定方法は、例えば本出願人の先の出願に係る特開2005−199051号公報や特開2006−271963号公報に記載されている。
水蒸気発生体10における固定部34が粘着剤からなる場合、該粘着剤は、水蒸気発生体10の使用前までは、剥離紙によって保護されていることが好ましい。また水蒸気発生体10は、その使用前までは、酸素バリア性の材料からなる包装袋内に密封されていることが好ましい。水蒸気発生体10の使用に際しては、包装袋から該水蒸気発生体10を取り出すことで、該水蒸気発生体10に含まれる被酸化性金属が空気中の酸素と反応し、発熱が始まると共に水蒸気が発生する。酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・d・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・d・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等が挙げられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、収容体30内に発熱部20の収容空間が一つだけ形成されていたが、これに代えて、複数の独立したセルを有し、該セル内に発熱部が収容された構造の収容体を用いてもよい。
また前記実施形態においては、収容体30の左右両側部に一対の固定部34が設けられていたが、固定部34を設ける位置はこれに限られない。例えば、収容体30の四隅それぞれに固定部を設けることができる。
また前記実施形態においては、一対の固定部34間に位置する通気性部位35は、その前後端が、収容体30の端にまで達していたが、これに代えて、通気性部位35の一方の端のみが通気性部位35の端にまで達するようにしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。特に断らない限り「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
〔実施例1〕
(1)発熱組成物の調製
以下の成分を混合して発熱組成物を調製した。
・被酸化性金属:鉄粉(同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」) 29.5%
・反応促進剤1:活性炭(日本エンバイロケミカルズ(株)製、商品名「カルボラフィン」、平均粒径30μm) 3.0%
・反応促進剤2:活性炭(日本エンバイロケミカルズ(株)製、商品名「粒状白鷺WH2c」、平均粒径0.3mm) 7.0%
・保水剤1:アクリル酸系高吸収性ポリマー(サンダイヤポリマー製、商品名「アクアパールA3」) 7.0%
・保水剤2:バーミキュライト(NNケミカル社製) 7.0%
・電解質:精製塩(NaCl) 1.5%
・水:工業用水 45.0%
(2)収容体の作製
図1及び図2に示す収容体30を作製した。第1の面31は、透湿性シートと不織布の積層体から構成した。この積層体の透湿度は380g/(m2・24hr)であった。第2の面32は、PET(ポリプロピレンテレフタレート)/PE(ポリエチレン)のスパンボンド不織布にPEをラミネートしたフィルムから構成した。これらのシートを用いて、50mm×80mmの矩形の収容体30を作製した。収容体30における接合部33の幅は50mmとした。収容体30における第1の面31には、粘着剤(アクリル系)を塗布した両面テープを貼り合わせて固定部34を形成した。固定部34が形成された部位においては、第1の面31は通気性を有していなかった。平面視での第1の面31の面積に占める固定部34の面積の割合は60%であった。また平面視での第1の面31の面積に占める通気性部位35の面積の割合は40%であった。
(3)水蒸気発生体の作製
前記の(1)で得られた発熱組成物15gを、前記の(2)で得られた収容体内に密封収容して水蒸気発生体を得た。得られた水蒸気発生体の平面視において、発熱組成物が存在する面積(cm2)に対する発熱組成物の重量は、0.38g/cm2であった。
〔実施例2及び比較例1〕
実施例2は、実施例1の水蒸気発生体において固定部面積を40%とした水蒸気発生体である。比較例1は、実施例1で用いた発熱組成物における反応促進剤として、活性炭(日本エンバイロケミカル(株)製、商品名「カルボラフィン」、平均粒径30μm)のみを10重量%用いた以外は、実施例1と同様とした水蒸気発生体である。
〔評価〕
実施例1及び2並びに比較例1で得られた水蒸気発生体について、発熱後に発熱組成物に残存している水分の割合を次の方法で測定した。即ち、実施例1及び2並びに比較例1で得られた水蒸気発生体を、第1の面が板に対向して、固定部が板に接合するように、厚さ7mmの平坦なPP(ポリプロピレン)板の上に載置した。このとき、PP板における水蒸気発熱体を載せる面を、ガーゼ(日本薬局法で規定するタイプ1)で被覆した。またPP板を、SUS製の循環式恒温水槽の上に載置した。SUS製恒温槽は、発砲スチロールで断熱され、ガーゼで被覆された表面温度が35℃になるように、水温が調節されている。また、水蒸気発生体は、発熱中、綿100%、テックス番手5.905双糸のネル、8枚で覆われている。この装置に水蒸気発生体を準備し、20℃、60%RHの条件下に発熱反応を生じさせた。水蒸気発生体が空気と接触してから4時間後の発熱組成物に残存している水分の割合を測定した。
測定には、赤外線水分計;FD−240((株)ケット化学研究所社)を用いた。120℃×20分の加熱条件下での重量変化から水分量を測定した。まず、第1の面31の面積に占める固定部34の面積の割合が0%である場合の水蒸気発生体の発熱組成物の4時間後の水分量を測定し、その値を100として、固定部面積の異なる水蒸気発熱体の残存水分量の割合を算出した。この割合が100に近いほど、発熱組成物に残存している水分の量が、第1の面31の面積に占める固定部34の面積の割合が0%である場合と同じこと、すなわち均一に発熱していることを意味し、値が大きいほど残存水分量が多く残っていて、発熱が不安定なことを意味する。
結果は、実施例1及び2では残存している水分の割合がそれぞれ99.7%、102%であったのに対し、比較例1では115%であった。この結果から、実施例の組成物は比較例に比べて発熱が均一に起こっていることが判る。
前記の測定とは別に、実施例1の水蒸気発生体について、水蒸気の発生時間を測定したところ、4時間にわたって水蒸気が発生したことが確認された。また、実施例1の水蒸気発生体を被験者の皮膚に当接させて体表温度を測定したところ、4時間にわたり体表温度が38〜41℃に維持されたことを確認した。なお測定は、本出願人の先の出願に係る特開2005−199051号公報及び特開2006−271963号公報に記載の方法に従って行った。
本発明の水蒸気発生体の一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図1に示す水蒸気発生体における空気の流入及び水蒸気の放出の状態を示す模式図である。
符号の説明
10 水蒸気発生体
20 発熱部
30 収容体
31 第1の面
32 第2の面
33 接合部
34 固定部
35 通気性部位

Claims (4)

  1. 単位面積あたりの重量が0.1〜0.5g/cm2であり、含水率が30〜60重量%である発熱部が、通気部を有する収容体内に収容されてなるシート状水蒸気発生体であって、
    前記収容体における前記通気部の外面に、前記水蒸気発生体を着用者の身体に固定するための固定部が設けられており、該通気部に占める該固定部の面積の割合が10〜90%であり、
    前記通気部の透湿度が100〜1000g/(m2・24hr)であり、
    前記発熱部は、平均粒径が10〜50μmの粉体(A)と、平均粒径が0.1〜2mmの粒体(B)とを含有する発熱組成物からなる水蒸気発生体。
  2. 粉体(A)及び粉体(B)が同種のものであり、且つ前記発熱組成物の発熱反応に関与するものである請求項1記載の水蒸気発生体。
  3. 粉体(A)及び粉体(B)が活性炭である請求項2記載の水蒸気発生体。
  4. 粉体(A)と粉体(B)の重量比(A)/(B)が0.2〜0.7である請求項1ないし3のいずれかに記載の水蒸気発生体。
JP2007324057A 2007-12-14 2007-12-14 水蒸気発生体 Active JP5112036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007324057A JP5112036B2 (ja) 2007-12-14 2007-12-14 水蒸気発生体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007324057A JP5112036B2 (ja) 2007-12-14 2007-12-14 水蒸気発生体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009142507A true JP2009142507A (ja) 2009-07-02
JP2009142507A5 JP2009142507A5 (ja) 2010-11-25
JP5112036B2 JP5112036B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=40913833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007324057A Active JP5112036B2 (ja) 2007-12-14 2007-12-14 水蒸気発生体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5112036B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011039895A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 小林製薬株式会社 発熱具
WO2014136630A1 (ja) * 2013-03-04 2014-09-12 花王株式会社 コーヒー飲料

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005186957A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Kao Corp 充填方法
JP2005224312A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kao Corp 発熱シート
JP2006167245A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Kao Corp 発熱具
JP2006241426A (ja) * 2005-02-03 2006-09-14 Takuma Co Ltd 化学発熱組成物
JP2006271963A (ja) * 2005-03-04 2006-10-12 Kao Corp 生理機能改善器具
JP2007070612A (ja) * 2005-08-09 2007-03-22 Kao Corp 発熱体及び発熱中間体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005186957A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Kao Corp 充填方法
JP2005224312A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kao Corp 発熱シート
JP2006167245A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Kao Corp 発熱具
JP2006241426A (ja) * 2005-02-03 2006-09-14 Takuma Co Ltd 化学発熱組成物
JP2006271963A (ja) * 2005-03-04 2006-10-12 Kao Corp 生理機能改善器具
JP2007070612A (ja) * 2005-08-09 2007-03-22 Kao Corp 発熱体及び発熱中間体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011039895A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 小林製薬株式会社 発熱具
JP2011072356A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd 発熱具
CN102245138A (zh) * 2009-09-29 2011-11-16 小林制药株式会社 加热器具
WO2014136630A1 (ja) * 2013-03-04 2014-09-12 花王株式会社 コーヒー飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP5112036B2 (ja) 2013-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2695621C2 (ru) Маска с паровым обогревом
JP2011136060A (ja) マスク用鼻部温熱具
KR102072369B1 (ko) 발열구 및 그 제조 방법
JP6859116B2 (ja) 蒸気温熱具及びその使用方法
KR102182158B1 (ko) 증기 온열구 및 그 사용 방법
WO2017043119A1 (ja) 発熱具
JP2011067551A (ja) 発熱具
JP2001212167A (ja) 発熱袋
JP4761844B2 (ja) 目周囲の肌色改善器具
KR20200116982A (ko) 온열구
WO2022097730A1 (ja) 化学カイロ
JP5112036B2 (ja) 水蒸気発生体
JP4757062B2 (ja) 生理機能改善器具
JP3628552B2 (ja) 加温具
EP4140457A1 (en) Heating implement
TWI292711B (ja)
WO2017191682A1 (ja) 発熱具
JP4667173B2 (ja) 発熱具
JPWO2017042947A1 (ja) 発熱具
JP5079117B2 (ja) 目周囲の肌色改善器具
JP5404106B2 (ja) 温灸具、該温灸具を含む温灸キット及び温灸器
TWI844597B (zh) 溫熱治療用之醫療機器及化學暖暖包之用途
WO2020137491A1 (ja) 化学カイロ
JP4785565B2 (ja) 蒸気温熱具
WO2020137492A1 (ja) 温熱治療用の医療機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101007

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5112036

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250