JP2005186957A - 充填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流動性を有する充填材を封入した充填体を充填時の立体形状のまま容易に保持できると共に、袋の内部における充填材の移動を効果的に阻止できる充填方法を提供する。
【解決手段】 本発明の充填方法によれば、シーラント層13aを有する下側シート13の上面に枠状収縮材15により周縁部を区画された凹状室16を形成して充填材12a,12bを充填し、凹状室16及び枠状収縮材15を覆ってシーラント層14aを有する上側シート14を配設し、枠状収縮材15を収縮させると共に、枠状収縮材15の外側周囲において上側シート14と下側シート13とを接合する。また枠状収縮材15によって凹状室16を形成する際に、当該凹状室16が形成される部分の下側シート13の上面に、接着層17が塗布される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、充填材を封入充填する充填方法及び充填材を封入充填した充填体に関する。
例えば温熱カイロは、表裏一対のシート部材の周縁部を接合した矩形形状の袋の中に、粒状の発熱体を充填して製造するものであるが、一般的な充填方法として知られる、例えば袋の一縁部を未接合のまま上方に向けて開口し、そこから発熱体を充填した後、開口した一縁部を接合する方法では、複雑な形状に区画された袋の中に発熱体等の充填材を稠密に充填するのは困難である。また粒状の充填材は、充填された袋の中で流動するので、充填時の袋形状を保持できない。
これに対して、複雑なパターン形状の袋にも充填材を容易に封入充填できると共に、袋に流動性を有する充填材を充填した場合でも、充填体の形状を充填時のまま容易に保持できる充填方法が開発されており(例えば、特許文献1参照)、特許文献1の充填方法によれば、温熱カイロ等の粒状物のみならず、粉状物、固形状物、ゲル状物、液状物等に対しても適用可能で、上述の問題点を解消しつつ効果的に充填材を袋に封入充填することが可能である。
特開2000−302101号公報
一方、近年、充填される充填材の使い易さ、充填時の充填体の外観、袋の材料費や製造コストの低減等を鑑みて、多種多様な形態で充填材を袋に充填した充填体が形成されており、充填時のままの充填体の立体形状をさらに容易に保持できると共に、袋の内部における充填材の移動をさらに効果的に阻止できる、流動性を有する充填材を袋に封入充填するための新規な技術の開発が望まれている。
本発明は、流動性を有する充填材を封入した充填体を充填時の立体形状のままさらに容易に保持できると共に、袋の内部における充填材の移動をさらに効果的に阻止できる充填方法及び充填体を提供することを目的とする。
本発明の充填方法によれば、下側シート又は上側シートのいずれか一方又は双方がシーラント層を有しており、前記下側シートの上面に枠状収縮材により周縁部を区画された凹状室を形成して充填材を充填し、該凹状室及び前記枠状収縮材を覆って上側シートを配設し、前記枠状収縮材に例えば圧縮力を加えて収縮させると共に、前記枠状収縮材の外側周囲において前記上側シートと前記下側シートとを接合することにより、充填材を封入充填する。
また、本発明の充填体によれば、枠状収縮材の外側周囲において互いに接合された下側シート及び上側シートと、これらの間に挟み込まれて周縁部を区画する収縮状態の前記枠状収縮材とかなる袋の内部に、充填材が封入充填されている。
上記記載における収縮材は、加熱圧縮やその他の物理的圧縮エネルギー等を加えることにより収縮し、厚みが減少する部材である。また収縮後は、膨張して復元することなく収縮状態を保持し得る部材である。このような収縮材として、例えば発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡スチロール、発泡ウレタン等を使用することができる。
本発明の充填方法及び充填体によれば、流動性を有する充填材を封入した充填体を充填時の立体形状のままさらに容易に保持できると共に、袋の内部における充填材の移動をさらに効果的に阻止することができる。
本発明に係る充填体10は、図1(a),(b)に示すように、例えば袋11の内部に、粒状物若しくは紛状物、又は粒径の異なるこれらの混合物等を充填材として封入充填する。粒状物若しくは紛状物の具体例としては、発熱素材、洗浄剤、浴用剤等が挙げられる。この充填体10は、シーラント層13aを備え、裏側の面材となる下側シート13と、シーラント層14aを備え、表側の面材となる上側シート14とを、枠状収縮材15の外側周囲において互いに接合すると共に、下側シート13及び上側シート14と、これらの間に挟み込まれて周縁部を区画する収縮状態の枠状収縮材15とによって形成された袋11の内部に、発熱体を封入充填して構成される。なお、シーラント層は、下側シート又は上側シートのいずれか一方のみが備えていても良い。
下側シート13は、例えば充填体が身体、容器、又は壁等に貼り付ける使用形態のものである場合には、上層のポリエチレンフィルム13aと、中間層の粘着材による粘着層13bと、下層の剥離紙13cとを備える3層構造のシート材料であって、上層のポリエチレンフィルム13aが、上側シート14のシーラント層14aとの加熱溶着が可能なシーラント層13aを構成していることが好ましい。また、下層の剥離紙13cは、充填体10を使用する際に、下側シート13から引き剥がされて粘着層13bを露出させることにより、充填体を適用部位に粘着可能とする。
上側シート14は、例えばポリエチレンシートからなり、それ自体が、下側シート13のシーラント層13aや枠状収縮材15との加熱溶着が可能なシーラント層14aを構成している。また、上側シート14は、通常は粒状物や粉状物の通過を遮断する役目を果たすが、一方で、充填材を水と反応させたり、充填材を水に分散させたりするために使用する場合には、水の通過を許容する大きさの多数の通水孔が形成された通水シートとすることが好ましい。
枠状収縮材15は、例えば発泡ポリエチレンからなり、本発明によれば、平面形状が略正方形の充填体10における、これと略相似形状の、充填材の充填収容部分である凹状室16の周縁部を区画するために設けられ、例えば縦横10〜80mm程度の大きさの方形環状の平面形状となるように形成されている。また枠状収縮材15は、その収縮前の断面形状が、例えば巾2〜15mm、高さ1〜10mm、好ましくは巾2〜5mm、高さ2〜6mm程度の大きさの矩形形状を備えている(図3(a)〜(f)参照)。
本発明によれば、上側シート14と下側シート13との袋11の周縁部における接合は、枠状収縮材15の外側周囲において、上側シート14及び下側シート13の各シーラント層14a,13aを接合することによって実質的に行われ、これによって強固かつ十分な接合強度が当該上側シート14と下側シート13との接合によって得られるので、枠状収縮材15は、後述する製造工程において、充填材が充填収容される凹状室16の周縁部を区画するためのみに使用することが可能になって、当該枠状収縮材15の巾を小さくすることが可能になる。従って、枠状収縮材15の材料である例えば発泡ポリエチレンの使用量を少なくして、製造コストの低減を図ることが可能になる。
また、枠状収縮材15は、加熱圧縮することにより塑性変形して収縮し、収縮後は膨張して復元することなく収縮状態を保持すると共に、ポリエチレンシートからなる上側シート14との間で容易にヒートシールされる。すなわち、1〜10mm程度の相当の厚さ(高さ)を保持して下側シート13と上側シート14の間に配設された状態から(図3(f)参照)、枠状収縮材15を上方から加熱圧縮すれば(図3(g)参照)、収縮材15は収縮して薄いシート状になると共に、下側シート13と上側シート14との間に挟まれてこれらと接合されることにより、充填材を封入する袋11を形成する。
本発明によれば、充填材は、液状、ペースト状、固体状のいずれでも良い。固体状の場合は、粒径の大きな粒状物から粒径の小さな紛状物まで様々な粒径のものでも良く、またこれらの混合物でも良いが、全体として流動性を有することが好ましい。粒径の大きな粒状物の平均粒径は0.5〜5mm、好ましくは0.5〜3mm、特に好ましくは0.5〜2mmであり、こういった粒状物を充填する場合は、後述する製造工程において下側シート13の上面に接着層としてのホットメルト17を塗布し、これと接着するようにして、凹状室16の下層部分に略均等な厚さで充填されることが、充填材が充填体の内部で移動するのを確実に防止する点から好ましい。
粒径の小さな粉状物の平均粒径は1〜800μm、好ましくは1〜500μm、特に好ましくは1〜300μmであり、こういった紛状物を充填する場合は、前述の粒径の大きな粒状物を充填する場合と異なり、ホットメルト17を塗布する必要はなく、また塗布したとしてもこれと接着するように充填する必要はない。また、粒径の大きな粒状物と粒径の小さな紛状物を一つの充填体に充填する場合は、まず、下側シート13の上面にホットメルト17を塗布した後、粒径の大きな粒状物を充填し、次いで粒径の小さな紛状物を充填することが好ましい。更に、粒径の異なる3種以上の粒状物又は紛状物を充填する場合は、粒径の大きさに従って、最も大きなものから順次充填していくことが、充填材が充填体の内部で移動するのを確実に防止する点から好ましい。
そして、上述の構成を有する本発明に係る充填体10は、枠状収縮材の外側周囲において接合されたシーラント層を有する下側シート及び上側シートと、これらの間に挟み込まれて周縁部を区画する収縮状態の前記枠状収縮材とかなる袋の内部に、充填材が封入充填されたものであるが、充填材の量や充填材の粒径、又は充填体の使用目的等により、収縮前及び収縮後における枠状収縮材の高さを変え、充填体全体の厚みをコントロールすることが好ましい。充填後の充填体全体の厚みとしては0.1〜10mmの範囲であることが好ましく、0.2〜3mmの範囲であることが、充填体の取扱い、強度等の点からより好ましい。
本発明の実施形態について、水との反応にて発熱し、身体を温める発熱体を実施例として、更に詳細に説明する。
充填材は、粒径の大きな粒状物として平均粒径1mm程度の酸化カルシウム粒子12a、粒径の小さな紛状物として平均粒径200μm程度の水酸化カルシウムとフマル酸の混合物12bからなる。
充填体10は、図2(a)〜(h)及び図3(a)〜(h)に示す下記の作業工程による充填方法に従って、シーラント層13aを有する下側シート13の上面に枠状収縮材15により周縁部を区画された凹状室16を形成して充填材12a,12bを充填し、凹状室16及び枠状収縮材15を覆ってシーラント層14aを有する上側シート14を配設し、枠状収縮材15を収縮させると共に、枠状収縮材15の外側周囲において上側シート14と下側シート13とを接合することによって形成される。
すなわち、まず作業台21の上面に沿って、所定巾の帯状に形成した下側シート13を順次送り出すと共に、接着剤塗布位置において、凹状室16が形成される部分の下側シート13の上面にホットメルト17を塗布する(図2(a)参照)。また収縮材設置位置において、塗布されたホットメルト17の周縁部に仮接着するようにして、方形環状の枠状収縮材15を下側シート13の上面に取り付ける(図2(b)、図3(a)参照)。ここで、枠状収縮材15がホットメルト17を介して下側シート13に仮接着されていることにより、枠状収縮材15を下側シート13に対して隙間無く強固に密着させることが可能になり、これによって、凹状室16の内部に充填材12a,12bを投入充填する際に、当該発熱体12a,12bがこれらの隙間から外側に漏れ出るのを回避して、枠状収縮材15の外側周囲で接合される下側シート13と上側シート14との間に、漏れ出た充填材12a,12bが噛み込むのを防止することが可能になる。
次に、第1充填材投入位置において、粒状の充填材12aを、枠状収縮材15で囲まれる凹状室16の内部に予め定められた所定量投入すると共に、枠状収縮材15の内側のホットメルト17に接着させるようにして、充填材12aを均一に分散配置する(図2(c)、図3(b),(c)参照)。また、第2充填材投入位置において、粉状の充填材12bを、充填材12aの上に、予め定められた所定量投入すると共に(図2(d)、図3(d)参照)、上面が枠状収縮材15の上端面の高さと略一致する平坦な面となるように敷き均す。この場合、充填材12aの量が多く密に充填されていた場合は12aが下層となり、次に充填された12bが上層の二層構造となるが、充填材12aの量が少なく疎の状態で充填されていた場合は、12aの隙間に12bが充填されていても良い。
さらに、仮型打ち位置において、凹状室16に充填された充填材12aと充填材12bとを、枠状収縮材15の開口形状と略合致する加圧面形状を有するプレス型18を用いて、一体として均一にプレスする(図2(e)、図3(e)参照)。
次に、プレス型18を引き上げ、通水シート供給位置において、所定巾の帯状に形成した上側シート14を、送り出しローラ19を介して、充填材12a,12bを収容した凹状室及び枠状収縮材15を覆うようにして順次送り出す(図2(f)、図3(f)参照)。
そして、外周シール位置において、枠状収縮材15の外側周囲に沿った方形環状の外側溶着シール面20aと、この外側溶着シール面20aよりも低くなって同心状に配置された、枠状収縮材15に沿った方形環状の内側溶着シール面20bとを備える中空箱状のシール型20を押し下げることにより、作業台との間に上側シート14と下側シート13との溶着接合部を挟み込んで加熱溶着(ヒートシール)する。また枠状収縮材15を圧縮しつつ挟み込むことにより、例えば0.2〜3mm程度の厚さに押し潰した状態で、これの上面を上側シート14に加熱溶着する(図2(g)、図3(g)参照)。これによって、下側シート13及び上側シート14と、これらの間に挟み込まれて周縁部を区画する収縮状態の枠状収縮材15とによって形成された袋11の内部に、充填材12a,12bが2層構造で封入充填されることになる。
下側シート13と上側シート14とをヒートシールして袋11の内部に充填材12a,12bを封入充填したら、シール型20を引き上げ、抜き取り位置おいて、加熱溶着部分の外側の余分な部分を下側シート13から切り取るようにして充填体10を抜き取ることにより、製品化された充填体10が得られる(図2(h)、図3(h)参照)。
そして、上述の作業工程による充填方法によって得られた本実施例の充填体10によれば、流動性を有する充填材12a,12bを封入した充填体10を充填時の立体形状のままさらに容易に保持できると共に、袋11の内部における充填材12a,12bの移動をさらに効果的に阻止することができる。すなわち、本実例によれば、枠状収縮材15を加熱圧縮しつつ下側シート13及び上側シート14を加熱溶着する際に、枠状収縮材15の収縮に伴って充填材12a,12bを覆う上側シート14は伸長し、その弾性によって充填材12a,12bを上方から押圧した状態でヒートシールされるので、かかる押圧力によって、充填材12a,12bはその流動が効果的に阻止されて、充填体10はその充填時のままの形状を容易に保持することになる。また、本実施例によれば、枠状収縮材15の外側周囲において上側シート13と下側シート14とがシーラント層13a,14aを介して直接接合されるので、枠状収縮材15を介在させて間接的に接合される場合と比較して、さらに強固且つ安定した状態で接合されることになり、これによって、充填時の形状や発熱体12a,12bの移動をさらに効果的に保持又は阻止することが可能になると共に、圧縮した枠状収縮材15よりも相当の高さで充填材が突出する、立体感富んだ優れた外観の充填体を低コストで形成することが可能になる。
なお、本発明は上記実施例に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、充填体や枠状収縮材は、方形の平面形状を有している必要は必ずしも無く、矩形、円形、三角形等の他、模様やキャラクター等を形取ったものであっても良い。また、充填体は複数同時に製造されるものであっても良い。さらに、充填材を凹状室に2層構造で充填する必要は必ずしもなく、上側シートを枠状収縮材にも接合する必要は必ずしもない。さらにまた、下側シートの上面に接着層を塗布する必要は必ずしもなく、ホットメルト以外の接着剤を用いることもできる。また、粒状又は粉状の充填材のみならず、固体状、ゲル状、液状等の物質を充填材として封入充填することもできる。
(a)は本発明の一実施形態に係る充填体を示す斜視図、(b)は(a)のA−Aに沿った略示断面図である。 本発明の一実施形態に係る充填方法の作業工程を説明する斜視図である。 (a)〜(h)は本発明の一実施形態に係る充填方法の作業工程を説明する略示断面図である。
符号の説明
10 充填体
11 袋
12a 充填材
12b 充填材
13 下側シート
13a シーラント層
13b 粘着層
13c 剥離紙
14 上側シート
14a シーラント層
15 枠状収縮材
16 凹状室
17 ホットメルト(接着層)
18 プレス型
19 送り出しローラ
20 シール型
20a 外側溶着シール面
20b 外側溶着シール面
21 作業台

Claims (6)

  1. 下側シート又は上側シートのいずれか一方又は双方がシーラント層を有しており、前記下側シートの上面に枠状収縮材により周縁部を区画された凹状室を形成して充填材を充填し、該凹状室及び前記枠状収縮材を覆って前記上側シートを配設し、前記枠状収縮材を収縮させると共に、前記枠状収縮材の外側周囲において前記上側シートと前記下側シートとを接合する充填方法。
  2. 前記枠状収縮材を収縮させると共に、前記上側シートを前記枠状収縮材にも接合する請求項1に記載の充填方法。
  3. 前記枠状収縮材によって凹状室を形成する際に、当該凹状室が形成される部分の前記下側シートの上面に、接着層が塗布される請求項1又は2に記載の充填方法。
  4. 前記凹状室に充填される充填材は、粒径の大きな粒状物から、粒径の小さな粉状物まで粒径の異なる2種以上の粉体からなり、前記粒径の大きな粒状物は前記接着層と接着するように充填される請求項3に記載の充填方法。
  5. 前記凹状室に充填される充填材は、粒径の大きな粒状物を初めに充填し、その後粒径の小さな紛状物を順次充填する請求項4に記載の充填方法。
  6. 枠状収縮材の外側周囲において接合された下側シート及び上側シートと、これらの間に挟み込まれて周縁部を区画する収縮状態の前記枠状収縮材とかなる袋の内部に、充填材を封入充填した充填体。
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