WO2006046658A1

WO2006046658A1 - 身体装着用加湿体

Info

Publication number: WO2006046658A1
Application number: PCT/JP2005/019816
Authority: WO
Inventors: Kiyoshi Miyazawa; Naohito Takeuchi; Hiromi Teraoka; Takeshi Hanajiri
Original assignee: Uni-Charm Co., Ltd.
Priority date: 2004-10-27
Filing date: 2005-10-27
Publication date: 2006-05-04
Also published as: TW200628137A; TWI292711B; JPWO2006046658A1

Abstract

　酸素が供給されることで発熱し且つ水蒸気を発生する発熱体を備えており、肌に短時間に多くの水蒸気を与えることができる身体装着用加湿体を提供する。　加湿体１が加湿部１１を有し、その加湿部１１では、金属粉を含む発熱基体とその発熱基体の質量の１５％以上の水分とからなる発熱体３１が設けられている。発熱体３１の肌側には、被覆シート３２と、複数の水蒸気透過孔４１を有する肌側表面シート４が設けられている。発熱体３１の着衣側には、非透湿性断熱層３３と非通気性の非肌側表面シート５が設けられている。発熱体３１で発生する水蒸気は、被覆シート３２および肌側表面シート４の水蒸気透過孔４１を通過して肌に与えられる。水蒸気透過孔４１は、平均開孔径が０．２～２ｍｍであって、１ｃｍ２当たりに０．０５～０．３個の割合で形成される。

Description

明細書

身体装着用加湿体

技術分野

[0001] 本発明は、顔面や身体のその他の箇所に装着して肌に水蒸気を与える身体装着用加湿体に関する。

背景技術

[0002] 身体に装着して肌に水蒸気を与える身体装着用加湿体として、特許文献 1と特許文献 2に記載のものがある。

[0003] 特許文献 1に記載の身体装着用加湿体は、金属粉と水分および塩類を含む発熱体を有している。この加湿体では、酸素と水蒸気を透過する透湿性外袋の内部にある透湿性内袋に発熱体が収められており、加湿体のうちの肌に向けられる側では、透湿性内袋と透湿性外袋との間に、織布、不織布、紙、多孔性フィルム、穿孔を有する発泡プラスチックなどで形成された温度調節材が介在して、る。特許文献 1に記載されて、る透湿性内袋および温度調節材は、透湿量力 000g/m²' 24h以上で好ましくは 8000g/m²' 24h以上であり、透湿性内袋には、織布、不織布、紙、合成紙、非通気性フィルムに微孔を形成して通気性としたものが使用される。

[0004] この身体装着用加湿体が密封袋力取り出されると、透湿性外袋と温度調節材と透湿性内袋とを通して酸素が発熱体に供給され、発熱体が金属粉の酸化反応によつて発熱して発熱体内の水分が蒸発し、水蒸気となって透湿性内袋と温度調節材と透湿性外袋とを透過して肌に潤、を与える。

[0005] また、特許文献 2に記載の身体装着用加湿体は、ほぼ正方形の 2つの発熱体を有するもので、これら発熱体の表面に、紙および不織布から成る温度調整材が重ねられ、さらにこれらが透湿性不織布の外袋内に収納されている。この身体装着用加湿体は、 2つの発熱体の部分を両目に当てがうようにして顔面に装着するものである。特許文献 2では、発熱体を収納する袋の透湿度が、 1000gZm²' 24h以上で 1000 Og/m² · 24h未満である。

特許文献 1：特開平 11― 342147号公報特許文献 2：特開 2002— 78728号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 特許文献 1に記載の発明は、発熱体を覆う袋の透湿量が 4000gZm²' 24h以上、または 8000gZm²' 24h以上であり、特許文献 2に記載の発明では、発熱体を覆う袋の透湿量が lOOOgZm²' 24h以上で lOOOOgZm²' 24h未満である。

[0007] し力し、発熱体を覆う袋の透湿量力 OOOgZm²' 241！〜 lOOOOgZm²' 24h程度であると、発熱体で一度に多くの水蒸気を発生させた場合には、その水蒸気を外部に速やかに流出させるのが困難という場合がある。例えば、発熱体にその質量の 15 %以上の水分を含ませて、肌に、 20分間に 0. OlgZcm²以上の水蒸気を与えるような、加湿効果の高い身体装着用加湿体を作ろうとすると、前記内袋のような透湿量では、水蒸気の透過性が悪すぎ、袋は内部に水蒸気が溜まって風船のように膨らんでしまい、水蒸気を肌に効率よく与えるのが難しくなる。

[0008] また、特許文献 1や特許文献 2に記載のものは、発熱体の両表面が袋で覆われ、発熱体で発生する水蒸気が両表面力放出される構造を基本としている。そのため、発熱体で発生する単位時間あたりの水蒸気の量が少な、ものであれば、袋を用いて両表面から水蒸気を徐々に流出させることが可能力もしれない。しかし、肌側表面に対してのみ、 20分間に 0. OlgZcm²以上の水蒸気を流出させることができるようにし、非肌側表面力水蒸気が流出しない構造とした場合には、さらに袋が風船のように膨らみやすくなる。

[0009] 本発明は、上記従来技術の課題を解決するものであり、単位時間あたりに多くの水蒸気を肌に供給することができ、発熱体が多くの水蒸気を発生してもそれを収納する袋には膨らみが形成されないような身体装着用加湿体の提供を目的としている。課題を解決するための手段

[0010] 本発明は、水分を含み酸素が与えられたときに発熱して前記水分力水蒸気を発生させる発熱体を備え、肌に対向する肌側表面と前記肌側表面とは反対側の非肌側表面とを有する身体装着用加湿体において、

前記発熱体は、前記肌側表面と前記非肌側表面との間にあって、前記肌側表面寄りの面が水蒸気を透過させる透湿性シートで覆われ、前記非肌側表面寄りの面が水蒸気を透過させな!/ヽ非透湿性シートで覆われており、

前記透湿性シートには、前記発熱体を覆う領域の全体に、平均開孔径が 0. 2〜2 mmの水蒸気透過孔が lcm²当たり 0. 05-0. 3個の範囲で均等に形成されており、前記発熱体が発熱を開始して 20分を経過するまでに前記発熱体から放出される水蒸気量が 0. OlgZcm²以上であることを特徴とするものである。

[0011] 本発明の実施の形態の一つにおいて、前記透湿性シートは、前記水蒸気透過孔を形成していない状態での透湿量が 10000gZm²' 24h以下である。

[0012] 実施の形態の他の一つにおいて、前記発熱体は、酸素が与えられたときに発熱する発熱基体と、この発熱基体の質量の 15%以上の水分を含むものである。

実施の形態の他の一つにお!、て、前記発熱基体は粉状である。

[0013] さらに、本発明の実施の形態の他の一つにおいて、前記加湿体には、前記発熱体と前記加湿体の前記肌側表面との間に、前記透湿性シートとは別体のシートが設けられており、この別体のシートは、前記透湿性シートよりも透湿量が高いものである。すなわち、加湿体の肌側では、発熱体から供給される水蒸気の量が前記透湿性シートによって制御される。

[0014] なお、前記透湿性シートは、発熱体の肌側であれば、加湿体にお!、て一番外側に設けられて、てもよ、し、それよりも内側に設けられて、てもよ！/、。

発明の効果

[0015] 本発明の身体装着用加湿体は、発熱体の肌側が透湿性シートで覆われ、発熱体の非肌側が非透湿性シートで覆われて、発熱体で発生した水蒸気が、肌側表面のみから集中的に流出して肌に向けて供給され、非肌側表面からは流出しな、ようになっている。したがって、この加湿体では、肌側に水蒸気を集中させることができる。また、発熱体はその質量の 15%以上の水分を含んでいて、発熱体が発熱を開始してから 20分間に 0. OlgZcm²以上の多くの水蒸気を発生し、肌に多量の水蒸気を供給することができる。この加湿体は、このように、短時間に多量の水蒸気を肌側表面力肌に向けて集中的に供給できるものでありながら、水蒸気透過孔を有する前記透湿性シートを用いることによって、水蒸気が内部に溜まって膨らむようなことはなぐ水蒸気を肌に効率よく供給することができる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]本発明の実施の形態の身体装着用加湿体を肌側表面から示す正面図。

[図 2]図 1の II II線の断面図。

[図 3]身体装着用加湿体の構成要素を示す分解断面図。

[図 4]実施の形態の一例である身体装着用加湿体の構成要素を示す分解断面図。

[図 5]図 2の一部拡大断面図。

[図 6]肌側表面シートの拡大断面図。

[図 7]身体装着用加湿体の顔面に装着された状態における正面図。

[図 8]身体装着用加湿体が顔面に装着された状態における側面図。

符号の説明

[0017] 1 身体装着用加湿体

2 肌側表面

3 非肌側表面

4 肌側表面シート (透湿性シート）

5 非肌側表面シート (非透湿性シート）

11 右内側加湿部

12 左内側加湿部

13 右外側加湿部

14 左外側加湿部

15 薄肉シート部

16 中央変形部

17 右側変形部

18 左側変形部

21, 22, 23, 24 区画線

27 通気部

31 発熱体

32 被覆シート 33 非透湿性断熱層（非透湿性シート）

38 酸素拡散シート

41 水蒸気透過孔

発明を実施するための最良の形態

[0018] 図 1は本発明の実施の形態である身体装着用加湿体を肌側表面シートを手前に向けて示す正面図、図 2は図 1に示す身体装着用加湿体の II II線での切断面を示す図、図 3と図 4は身体装着用加湿体の構造を実施の形態別に示す加湿体の部分分解切断面図、図 5は図 2の一部を拡大した拡大部分断面図、図 6は透湿性シートで形成された肌側表面シートの拡大断面図、図 7と図 8は、身体装着用加湿体を顔面に当てて使用する例を示す図である。

[0019] 図 1に示す身体装着用加湿体 1は、図 1において手前に向けられている側および図 2において上方に向けられている側が肌側表面 2であり、これと逆の側が非肌側表面 3である。この実施の形態の身体装着用加湿体 1は、肌側表面 2を身体の肌へ向けて装着するためのものである。この身体装着用加湿体 1を構成するそれぞれの部材の方向性については、肌側表面 2と同様に肌と向かい合う側を肌側といい、非肌側表面 3と同様に肌側とは反対の側を非肌側という。

[0020] この身体装着用加湿体 1は、図 7および図 8に示すように、顔面の面積の半分近くを覆うことができる大きさに作られているものである。中心線 O— Oに沿う方向の長さ寸法は、成人の少なくとも目の下から口までを覆えるように、 80mm以上であり、さらに好ましくは 100mm以上であり、その最大値は例えば 180mmである。また、中心線 O— Oと直交する方向での幅寸法は、成人の両頰を同時に覆うことができるように 15 Omm以上であり、好ましくは 200mm以上であり、その最大値は例えば 320mmである。

[0021] 図 1に示すように、この身体装着用加湿体 1は、上下方向に延びる中心線 O— Oに関して左右対称である。身体装着用加湿体 1の上縁 6は、図 7と図 8に示すように顔面に装着したときに上側に位置する縁である。上縁 6と対向する側の下縁 7は、身体装着用加湿体 1を顔面に装着したときに下側に位置する縁である。

[0022] 図 1の身体装着用加湿体 1は、中心線 O— Oの右側に、右内側加湿部 11が、中心線 O— Oの左側に左内側加湿部 12が形成されて、る。右内側加湿部 11よりも右側には、右外側加湿部 13が形成され、左内側加湿部 12よりも左側には、左外側加湿部 14が形成されている。

[0023] 右内側加湿部 11は、区画線 21で囲まれた領域である。区画線 21は、中心線 O— Oと平行な内側直線部 21aと、中心線 O— Oに対して傾斜する外側直線部 21bを有し、さらに上方に向力つての突曲線を画く上部線部 21cと下方へ向力つての突曲線を画く下部線部 21dとを有している。左内側加湿部 12は、区画線 22で囲まれた領域である。この区画線 22も、中心線 O— Oと平行な内側直線部 22aと、中心線 O— Oに対して傾斜する外側直線部 22bと、上部線部 22cと、下部線部 22dとを有している。

[0024] 右外側加湿部 13は区画線 23で囲まれた領域である。区画線 23は、外側直線部 2 lbと平行な直線部 23aとそれ以外の曲線部 23bを有している。同様に、左外側加湿部 14は区画線 24で囲まれた領域である。区画線 24は、外側直線部 22bと平行な直線部 24aと、それ以外の曲線部 24bを有している。

[0025] 右内側加湿部 11と左内側加湿部 12は、中心線 O— Oに関して左右対称である。また、右外側加湿部 13と左外側加湿部 14は、中心線 O— Oに関して左右対称である。

[0026] 身体装着用加湿体 1の、右内側加湿部 11、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14以外の領域には発熱体が設けられておらず、その領域は発熱および水蒸気の発生機能を有しない薄肉シート部 15である。この薄肉シート部 15では、加湿体 1のうちの発熱体 31を除く各構成部材がー緒に加圧されて溶着されている。また、右内側加湿部 11、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14は、全てその周囲が薄肉シート部 15で囲まれている。

[0027] 図 1に示すように、内側直線部 21aと内側直線部 22aとで挟まれて中心線 O— Oに沿って延びる部分には、薄肉シート部 15によって中央変形部 16が形成されている。また、外側直線部 21bと直線部 23aとで挟まれた部分には、薄肉シート部 15によって右側変形部 17が形成されている。同様に、外側直線部 22bと直線部 24aとで挟まれた部分には、薄肉シート部 15によって左側変形部 18が形成されている。

[0028] 図 1の中央変形部 16には、通気部 27が形成されている。この実施の形態では、中央変形部 16を形成する薄肉シート部 15を、肌側表面 2から非肌側表面 3にかけて貫通するように切除することによって通気部 27が形成されて、る。

[0029] 図 2および図 3に示すように、右内側加湿部 11、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14の内部には、発熱体 31が設けられている。この発熱体 31 は、その構成要素として、鉄、アルミニウム、亜鉛などの酸化しやすい金属粉と、水と、金属粉を酸ィ匕させるための塩類とを含んでいる。その塩類は、塩ィ匕ナトリウム、塩ィ匕カリウム、塩ィ匕カルシウム、塩ィ匕マグネシウムなどである。さらに、金属粉の酸化を促進させるために、活性炭、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料を含んでもよい。さらには、水分を長時間保持できるように、バーミキユライト、珪酸カルシウム、シリカゲル、シリカなどの保湿剤を含んでもよい。水と塩類として、金属粉、炭素材料、保湿剤などで形成された発熱基体に対して、この発熱基体の質量の 15%以上で 50%以下の塩水を含むことができる。

[0030] 発熱体 31に酸素が与えられると、金属粉が酸化して、そのときの酸ィ匕熱によって発熱体 31とその周囲が 80°C程度またはそれ以上に上昇する。この酸化熱により、発熱体 31内の水分が蒸発し水蒸気が発生する。この発熱体 31は、塩水を 15%以上で 5 0%以下の範囲で含んでいるため、発熱が始まると単位時間当たりに多くの水蒸気を発生することができる。

[0031] 発熱体 31の発熱基体は、金属粉などの粉体の集合体であり、特に粉体が凝集化されたものではない。ただし、発熱基体として、粉体の集合体をローラで加圧してシート状に凝集化したものであって、そのシート状の形態を維持するための榭脂材料や接着剤、繊維などを含んだものも使用可能である。

[0032] 図 2と図 3に示す実施の形態では、肌側表面シート 4と発熱体 31との間に、被覆シート 32が設けられており、この被覆シート 32によって、発熱体 31を構成する金属粉などの粉体が表面シート 4に移行するのを防止できるようにしている。

[0033] 肌側表面シート 4、非肌側表面シート 5、被覆シート 32、および非透湿性断熱層 33 は、身体装着用加湿体 1の全体の形状および面積と同じ形状および面積を有してヽる。そして、右内側加湿部 11、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14以外の領域で、肌側表面シート 4、非肌側表面シート 5、被覆シート 32、および非透湿性断熱層 33が密着して薄肉シート部 15が形成されている。この実施の形態では、図 5に示すように、薄肉シート部 15で複数のエンボス部 35が形成され、主にこのエンボス部 35において発熱体 31を除く各構成要素が加圧され加熱されて溶着されている。図 1に示すように、エンボス部 35は格子模様を形成している。

[0034] 肌側表面シート 4は、通気性で且つ透湿性である。さらに、被覆シート 32も通気性で且つ透湿性である。一方、非肌側表面シート 5と非透湿性断熱層 33はともに、非通気性で且つ非透湿性のシートである。

[0035] 本明細書の通気性とは、酸素を含む空気を通過させることができる性質を意味し、非通気性とは、空気を通過させない性質を意味する。透湿性とは、水蒸気を通過させることができる性質を意味し、非透湿性とは水蒸気を通過させな、性質を意味する

[0036] また、本明細書での断熱層とは、この熱層においては発熱体 31と向かい合つている第 1の表面の温度よりも第 1の表面の反対側の面である第 2の表面の温度が低くなるものであって、好ましい実施の形態では、第 1の表面の温度を 50°C以上としたときに、第 2の表面の温度が第 1の表面の温度よりも 20°C以上低くなるものを断熱層として使用する。

[0037] 図 6に拡大して示すように、本発明の透湿性シートである肌側表面シート 4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン '酢酸ビュル共重合体などの榭脂フィルムに複数の水蒸気透過孔 41が形成されたものである。榭脂フィルムは、水蒸気透過孔 41が形成されて!/、な!/、状態での透湿量が lOOOOgZm²' 24h以下である。この透湿量は、 JI S— Z0208に基づ!/、て測定された温度 40°C、相対湿度 90%での測定値である。

[0038] 図 6に例示の榭脂フィルムは、内部に無機フィラーが混入された状態で延伸処理されて、空気を通過させる微孔 42が形成されて通気性とされたものである力透湿量は 10000gZm²' 24h以下である。図 6の榭脂フィルムに代えて、微孔 42が形成されておらず、実質的に非通気性の榭脂フィルムを使用することもできる。透湿量が規定値以下の榭脂フィルム、または非通気性の榭脂フィルムは、一般に使用されるものであり安価に入手できる。

[0039] 肌側表面シート 4の一例であるフィルムに複数の水蒸気透過孔 41が形成された透湿性シートにおける水蒸気透過孔 41は、熱エンボス力卩ェゃニードリングカ卩ェによつて形成できるものであり、各加湿部 11, 12, 13および 14を覆う領域の全体に、均等なピッチで且つ同じ開孔面積率となるように規則的に配列されていることが好ましい。

[0040] 水蒸気透過孔 41は、平均開孔径が 0. 2〜2mmであり、各加湿部 11, 12, 13および 14における肌側を覆う全領域において、 1cm²当たり 0. 05〜0. 3個の範囲で均等に形成されていることが好ましい。水蒸気透過孔 41をこのような開孔径と開孔面積率で形成すると、発熱体 31において短時間に多量に発生した水蒸気を肌側表面 2 に速やかに流出させることができ、加湿体 1の内部に水蒸気が溜まって膨らむという現象の発生を防止できる。なお、前記平均開孔径とは、例えば個々の水蒸気透過孔 41が長穴である場合に、内径の最も大きい値と内径の最も小さい値との平均値である。水蒸気透過孔 41が長穴でない場合も同じであり、内径の最も大きい値と内径の最も小さ!/、値との平均値である。

[0041] 前記被覆シート 32の一例は、 PP繊維、 PET繊維、 PE繊維、 PPと PEとの複合合成繊維、 PETと低融点 PETとの複合合成繊維、 PPと低融点 PPとの複合合繊繊維などの熱融着性繊維と、天然繊維、再生繊維とを混合して抄紙した熱可塑性湿式不織布である。この被覆シート 32には、肌側表面シート 4よりも透湿量が十分に高いものを使用して、発熱体 31への酸素の供給量および、肌側表面 2への水蒸気の流出量を主に肌側表面シート 4によって制御する。被覆シート 32は、肌側表面シート 4よりも透湿量が高ければよいものであって、熱可塑性湿式不織布に限られるものではなぐスパンボンド不織布等他の不織布であってもよ、。

[0042] 図示例の非肌側表面シート 5は、エアーレイド法、スパンボンド法、ポイントボンド法などで形成された不織布 5aの内面に、ポリエチレン榭脂などで形成された非通気性で非透湿性の榭脂フィルム 5bがラミネートされて構成されてヽる。非透湿性断熱層 3 3は、開孔を有して!/、な、発泡ポリエチレン榭脂シートまたは発泡ウレタン榭脂シートであり、内部に独立した気泡が散在している。非透湿性断熱層 33の厚み寸法は 0. 5 〜4mm程度であり、好ましくは 0. 5〜2mm程度である。前述のように、非肌側表面シート 5と非透湿性断熱層 33は、共に非透湿性シートであるが、非肌側表面シート 5 を非透湿性のものにしてお、て、非透湿性断熱層 33を透湿性のものに替えることもできる。 [0043] 図 4は、他の実施の形態の身体装着用加湿体 1Aの層構造を示して、る。この身体装着用加湿体 1Aでは、前記被覆シート 32と、透湿性シートである肌側表面シート 4 との間に、通気性で且つ透湿性の酸素拡散シート 38が介在している。酸素拡散シート 38は、合成樹脂繊維をスルーエアー法でボンディングした不織布、または繊維をゥォータジェット処理で交絡させたスパンレース不織布などである。酸素拡散シート 38 は、肌側表面シート 4よりも透湿量が高ぐ発熱体 31への酸素の供給量および肌側表面 2への水蒸気の放出量は、主に肌側表面シート 4で制御されて、る。

[0044] 酸素拡散シート 38は、酸素の通過経路が、肌側表面シート 4の水蒸気透過孔 41よりも小さぐ且つ単位面積当たりの通過経路の数が、単位面積当たりの水蒸気透過孔 41の数よりも十分に多く形成されている。そのため、肌側表面シート 4の水蒸気透過孔 41を通過した酸素が、酸素拡散シート 38を通過することにより拡散されて被覆シート 32に与えられる。よって、肌側表面シート 4における水蒸気透過孔 41と水蒸気透過孔 41との間の領域の真下に位置する発熱体 31の部分に対して、酸素をまんベんなく供給することができる。

[0045] 身体装着用加湿体 1は、使用前は酸素を透過しな、非通気性の榭脂フィルムなどで形成された密封袋内に封入されている。

[0046] 使用時に、密封袋を開封して身体装着用加湿体 1を取り出すと、右内側加湿部 11 、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14内に設けられた発熱体 31に酸素が供給されて、金属粉が酸化反応し、そのときの酸化熱により発熱体 31 に含まれて!/、る水分が蒸発して水蒸気が発生する。

[0047] 酸素は、肌側表面シート 4の水蒸気透過孔 41と、被覆シート 32を通過して、肌側表面 2から発熱体 31に供給されるが、非肌側表面シート 5と非透湿性断熱層 33は非通気性であるため、非肌側表面 3から発熱体 31へは酸素がほとんど供給されない。

[0048] 発熱体 31は、その発熱基体の質量の 15%以上で 50%以下の塩水を含んでいて、酸ィ匕熱によって 80°Cまたはそれ以上の温度になり得るため、短時間に多くの水蒸気を発生する。発熱体 31で発生した水蒸気は、非透湿性断熱層 33と非肌側表面シート 5の榭脂フィルム 5bとで非肌側表面 3からの流出を阻止されており、被覆シート 32 および肌側表面シート 4の水蒸気透過孔 41を通過して肌側表面 2にのみ力も流出する。

[0049] 肌側表面シート 4は、水蒸気透過孔 41を有しており、右内側加湿部 11、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14を覆う領域の全体にお、て、水蒸気透過孔 41が規則的に同じピッチで且つ同じ開孔面積割合で形成されている。そのため、発熱体 31で発生した水蒸気は、肌側表面 2において、各加湿部 11, 12, 13, 14の全体から一様に流出する。

[0050] 発熱体 31で発生して肌側表面シート 4を通過して流出する水蒸気の量は、発熱体 31が発熱を開始してから 20分を経過するまでの総計で、 0. OlgZcm²以上で、好ましくは 0. 02gZcm²以上、さらに好ましくは 0. 025gZcm²以上であるため、肌の加熱および保湿について十分に高い効果を発揮できる。また、肌側表面シート 4は、複数の水蒸気透過孔 41を有しているため、各加湿部 11, 12, 13, 14の内部において短時間に多く発生した水蒸気は、水蒸気透過孔 41を通過して肌側表面 2の外に速やかに流出するので、各加湿部 11, 12, 13, 14は膨らむことがない。

[0051] また、発熱体 31は、温度が 80°C前後あるいはそれ以上となり得る力発熱体 31で発生した水蒸気は、被覆シート 32を通過し、さらに肌側表面シート 4の水蒸気透過孔 41を通過することにより冷却され、肌側表面シート 4の肌側の表面は 60°C程度になり得る。

[0052] 図 7は、身体装着用加湿体 1が身体の顔面に装着された状態にあるときの正面図、図 8はそのときの側面図である。

[0053] 身体装着用加湿体 1は、右内側加湿部 11と左内側加湿部 12の間の中央変形部 1

6で折れ曲がりやすくなつており、さらに右内側加湿部 11と右外側加湿部 13との間の右側変形部 17および、左内側加湿部 12と左外側加湿部 14との間の左側変形部

18にお!/、ても曲力^やすくなつて!/、る。

[0054] したがって、右内側加湿部 11、左内側加湿部 12、右外側加湿部 13および左外側加湿部 14のそれぞれが、互いに拘束されることなぐ独立して顔面の肌に当たるようになり、顔面の起伏に対して加湿部 11, 12, 13, 14がよくなじむ。

[0055] また、中央変形部 16には、上下に細長く延びる通気部 27が開口している。この通気部 27は、それを鼻孔に一致させ、さらに好ましくは口許にも一致させてあると、着用者は呼吸しやすくなり、息苦しさを感じることがない。

[0056] なお、例示の身体装着用加湿体 1は、顔面に装着するのに適した形状のものとして説明したが、本発明に係る身体装着用加湿体は顔面以外の箇所に装着されるものであってもよい。

[0057] また、透湿性シートである肌側表面シート 4の外面は、その肌側表面シート 4よりも透湿量の高!ヽ不織布その他の断熱層などで覆われて、てもよ、。

実施例

[0058] (1)実施例 A

無機フィラーを含んで延伸処理されたポリエチレン榭脂フィルムであって、水蒸気透過孔 41を形成して、な、状態で、 JIS— Z0208に基づ、て温度 40°C、相対湿度 90%で測定した透湿量が 10000gZm²' 24hのものに対して、円形で直径が 0. 5m mの水蒸気透過孔 41を、 1cm²あたり 0. 1個の密度（開孔面積割合）となるように規則的に配列させたものを肌側表面シート 4とした。

[0059] 非肌側表面シート 5を構成する不織布 5aとして、パルプ繊維で形成され目付けが 4

5gZm²のエアレイド不織布を使用し、非通気性の榭脂フィルム 5bとして、目付けが 1 9gZm²のポリエチレン榭脂フィルムを用いた。

[0060] 被覆シート 32として、 60重量％のパルプ (テスター産業 (株)製 PU— 501 カナディアンフリーネステスターで測定したときの叩解度が 570ccの NBKP)と、 40重量 %の繊度が 1. 7dtexで繊維長が 7mmの PEと PPとの複合合繊繊維とを、抄紙槽内の水に分散させて、円網ヤンキードラムで 2層に抄いて得た熱可塑性不織布を使用した。その不織布の目付けを 30gZm²とした。

[0061] 非透湿性断熱層 33は、発泡倍率が 30倍の発泡ポリエチレンシートで、厚みが lm mであり、貫通孔が形成されて!ヽな、ものを使用した。

[0062] 発熱体 31の発熱基体は、鉄粉と活性炭とバーミキユライトと木粉を含み、鉄粉を凝集させるための加圧処理を行っていないもので、総質量が 42g、坪量が 2800gZm² のものを使用した。この発熱基体に、この基体の質量の 20%に相当する塩水を均一に含ませたものを発熱体 31として使用した。

[0063] 発熱体 31を挟んだ状態で各シートを重ねて、各シート間をエンボス加工により熱融着して薄肉シート部 15を形成して、実施例の加湿体を得た。

[0064] (2)実施例 B

実施例 Aと同じ構造で、肌側表面シート 4のみを代えたものを製作した。実施例 Bでは、無機フィラーを含んで延伸処理されたポリエチレン榭脂フィルムであって、水蒸気透過孔 41を形成して、な、状態で、 JIS— Z0208に基づ、て温度 40°C、相対湿度 90%で測定した透湿量力 000gZm²' 24hのものについて、実施例 Aの肌側表面シートと同じ水蒸気透過孔 41を形成して肌側表面シートとした。

[0065] (3)比較例 A

実施例 Aと同じ構造で、肌側表面シート 4のみを代えたものを製作した。実施例 Aと同じ榭脂フィルムではある力水蒸気透過孔 41を形成しなヽものを肌側表面シートとして用いることによって、比較例としての加湿体を得た。

[0066] (4)比較例 B

実施例 Aと同じ構造で、肌側表面シート 4のみを代えたものを製作した。実施例 Bと同じ榭脂フィルムではある力水蒸気透過孔 41を形成しなヽものを肌側表面シートとして用いることによって比較例としての加湿体を得た。

[0067] (5)水蒸気発生量の測定

恒温恒湿室内に電子天秤を設置し、電子天秤の測定部に発泡スチロールの板を置いておく。実施例または比較例の加湿体を密封袋力取り出し、発熱体に酸素が供給され始めた直後に実施例または比較例の加湿体を発泡スチロール板の上に載せる。このとき、実施例または比較例の加湿体は、その肌側表面を発泡スチロールに向ける。

[0068] 加湿体を載せた直後に電子天秤による初期測定質量 (P1)を読み取る。これと同時にストップウォッチで時間の計測を開始し、 5分後に電子天秤の測定質量 (P2)を読み取り、同様にして、 10分後に測定質量 (P3)を、 15分後に測定質量 (P4)を、そして 20分後に測定質量 (P5)を読み取る。

[0069] P1と P2との差を、発熱体 31を覆う肌側表面シート 4の面積 (加湿部の面積)で除算したものを、 0〜5分経過時の単位面積あたりの水蒸気発生量 (gZcm²)とする。同様にして、 P2と P3との差から 5〜： LO分経過時の単位面積当たりの水蒸気発生量 (g /cm²)、P3と P4との差から 10〜15分経過時の単位面積当たりの水蒸気発生量 (g /cm²)、 P4と P5との差から 15〜20分経過時の単位面積当たりの水蒸気発生量 (g /cm²)を求める。また、 P1と P5との差力、 20分間での単位面積当たりの水蒸気の総発生量 (g/cm²)を求める。

[0070] 同じ実施例および比較例の加湿体をそれぞれ 4個ずつ製作し、それぞれの実施例および比較例にお!、て測定された水蒸気発生量の平均値を以下の表 1に示す。

[0071] [表 1]

[0072] 実施例 Aと実施例 Bは、いずれも、 0〜5分経過時の単位面当たりの水蒸気発生量力 0. 009gZcm²以上、 5〜10分経過時の単位面積当たりの水蒸気発生量が、 0. 007gZcm²以上、 10〜15分経過時の単位面積当たりの水蒸気発生量力 0. 008 gZcm²以上、 15〜20分経過時の単位面積当たりの水蒸気発生量が、 0. 003g/c m²以上であった。また、 20分間での単位面積当たりの水蒸気の総発生量力 0. 03 g/cm²以上であった。すなわち、本発明の実施例では、 5分間での単位面積当たりの水蒸気発生量が 0. 003gZcm²以上であり、 0〜 15分経過時までは、 5分間での単位面積当たりの水蒸気発生量が 0. 007gZcm²以上である。

[0073] (6)実施例と比較例との比較

実施例 A、実施例 B、比較例 A、比較例 Bの加湿体をそれぞれ 4個ずつ用意し、密封袋から取り出して発熱体に酸素が供給され始めてから 10分経過した時点で、それぞれのサンプルの肌側表面力の水蒸気の発生状態を、肌側表面に手を触れることで観察した。十分に水蒸気が発生しているものを「〇」で評価し、水蒸気の発生量が劣るものを「△」で評価した。

[0074] また、各加湿体の外形を観察し、発熱体が収納されて、る加湿部が膨らんで、るものを膨らみが「有り」と評価し、膨らんでいないものを膨らみが「無し」で評価した。結果を以下の表 2に示す。

2] 実施^ B 比お例 A 比較例 B 透湿量 (g/m²' 24h) 10000 4000 10000 4000

B3孔の有無有り有り無し無し穴径（mm) 0.5 0.5

1 cm²当たりの穴個数 0.1 0.1

水蒸気の *生状態 o O 厶厶加湿部の膨らみの発生無し無し有リ有り

Claims

請求の範囲

[1] 水分を含み酸素が与えられたときに発熱して前記水分力水蒸気を発生させる発熱体を備え、肌に対向する肌側表面と前記肌側表面とは反対側の非肌側表面とを有する身体装着用加湿体にぉ、て、

前記透湿性シートには、前記発熱体を覆う領域の全体に、平均開孔径が 0. 2〜2 mmの水蒸気透過孔が lcm²当たり 0. 05-0. 3個の範囲で均等に形成されており、前記発熱体が発熱を開始して 20分を経過するまでに前記発熱体から放出される水蒸気量が 0. OlgZcm²以上であることを特徴とする前記身体装着用加湿体。

[2] 前記透湿性シートは、前記水蒸気透過孔を形成して、な、状態での透湿量が 100 OOgZm²' 24h以下である請求項 1記載の身体装着用加湿体。

[3] 前記発熱体は、酸素が与えられたときに発熱する発熱基体と、この発熱基体の質量の 15%以上の水分を含むものである請求項 1または 2記載の身体装着用加湿体。

[4] 前記発熱基体は粉状である請求項 3記載の身体装着用加湿体。

[5] 前記加湿体には、前記発熱体と前記加湿体の前記肌側表面との間に、前記透湿性シートとは別体のシートが設けられており、この別体のシートは、前記透湿性シートよりも透湿量が高、請求項 1な、し 3の、ずれかに記載の身体装着用加湿体。