JPH052955A - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents

真空バルブ用接点材料

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JPH052955A
JPH052955A JP3150558A JP15055891A JPH052955A JP H052955 A JPH052955 A JP H052955A JP 3150558 A JP3150558 A JP 3150558A JP 15055891 A JP15055891 A JP 15055891A JP H052955 A JPH052955 A JP H052955A
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Kiyobumi Otobe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、真空バルブ用Cu−Cr−Bi接
点材料の耐溶着性を維持したまま、耐電圧の低下及び再
点弧発生確率の低下を抑えることを目的とする。 【構成】 Cr含有量が20〜60重量%、Bi含有量
がCu含有量の0.05〜1.0重量%のCu,Bi及
びCrから構成される真空バルブ用接点材料であって、
接点断面組織におけるCr粒子は、その実周長と当該C
r粒子の断面積と同面積の理想円の周長との比が1.0
〜1.3であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空バルブ用接点材料
に係り、特に耐溶着特性及び耐電圧特性を改良した真空
バルブ用接点材料に関する。
【0002】
【従来の技術】真空バルブ用接点材料に要求される特性
としては、耐溶着、耐電圧、遮断に対する各性能で示さ
れる基本三要件と、この他に温度上昇、接触抵抗が低く
安定していることが重要な要件となっている。しかしな
がら、これらの要件の中には相反するものがある関係
上、単一の金属種によって全ての要件を満足させること
は不可能である。このため、実用されている多くの接点
材料においては、不足する性能を相互に補えるような2
種以上の元素を組合せ、かつ大電流用又は高電圧用など
のように特定の用途に合った接点材料の開発が行われ、
それなりに優れた特性を有するものが開発されている。
しかし、さらに強まる高耐圧化及び大電流化の要求を充
分満足する真空バルブ用接点材料は未だ得られていない
のが実状である。
【0003】例えば、大電流化を指向した接点材料とし
てBiのような溶着防止成分を5%以下の量で含有する
Cu−Bi合金材料が知られている(特公昭41−12
131号公報)。しかし、このCu−Bi合金は、Cu
母相に対するBiの溶解度が極めて低いため、しばしば
偏析を生じ、遮断後の表面荒れが大きく、加工成形が困
難であるなどの問題点を有している。
【0004】また、大電流化を指向した他の接点材料と
して、Cu−Te合金材料が知られている(特公昭44
−23751号公報)。この合金は、Cu−Bi系合金
材料が持つ上記問題点を緩和してはいるが、Cu−Bi
系合金材料に比較して雰囲気に対し、より敏感なため接
触抵抗などの安定性に欠ける。
【0005】さらに、これらCu−Te,Cu−Bi等
の接点材料の共通的特徴として、耐溶着性に優れている
ものの、耐電圧特性が従来の中電圧クラスへの適用には
充分であるとしても、これ以上高い電圧分野への適用に
対しては、必ずしも満足でないことが明らかとなってき
た。
【0006】一方、Crを含有したCu−Cr合金材料
が真空バルブ用接点材料として、知られている。この接
点材料は、高温下でのCrとCuとの熱特性が好ましい
状態で発揮されるため高耐圧大電流用として優れた特性
を有している。即ち、Cu−Cr合金材料は、高耐圧特
性と、大容量遮断とを両立させ得る接点として多用され
ている。
【0007】しかしながら、Cu−Cr合金材料は、遮
断器用接点材料として一般に多用されている前述したB
iを5%程度以下添加したCu−Bi合金材料と比較し
て、耐溶着特性が大幅に劣っている。
【0008】ここで、溶着現象とは、接点同士の接触面
に発生するジュール熱により接点材料が溶融しその後に
凝固する場合と、開閉の瞬間に発生するアーク放電によ
り接点材料が気化しその後に凝固する場合の2通りにお
いて発生する。Cu−Cr合金材料においては、何れの
場合も凝固する段階でCrとCuが1μm以下の微粒子
となり互いに入り乱れた状態で数μm〜数百μm程度の
層を形成する。
【0009】一般に、組織の超微細化は、材料の強度向
上に寄与する要因の一つであり、上記の場合も例外では
ない。しかして、この超微細Cu−Cr層の強度がCu
−Cr合金材料のマトリクスの強度に優れ、かつ、マト
リクス強度が設計された引外し力を超えたときにも溶着
が発生する。
【0010】したがって、Cu−Cr材料を用いた真空
バルブを駆動させる操作機構は、Cu−Bi材料を用い
たものに比べ引外し力を大きく設計する必要があり、小
形化や経済性の点で困難である。
【0011】また、Cu−Cr材料の耐溶着性を改良し
た接点として、Cu−CrにBiを添加したCu−Cr
−Bi接点材料が知られている(特公昭61−4109
1号公報)。この接点材料は、一般的にCu−Cr材料
の耐溶着性の改善には効果を示すが、Bi添加の影響の
為、素材が著しく脆化し、耐電圧特性の低下及び再点弧
発生確率の増加を再発させる欠点を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のCu−Cr−Bi接点材料は一般的にCu−Cr接点
材料に比較して、耐溶着性は改善されるが、耐電圧及び
再点弧発生の面で問題が残っている。
【0013】そこで、本発明は、真空バルブ用Cu−C
r−Bi接点材料の耐溶着性を維持したまま、耐電圧の
低下及び再点弧発生確率の低下を極力抑えることのでき
る真空バルブ用接点材料を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、Cr含有量が20〜60重量%
であり、Bi含有量がCu含有量の0.05〜1.0重
量%であるCu,Bi及びCrから構成される真空バル
ブ用接点材料であって、接点断面組織におけるCr粒子
は、その実周長と当該Cr粒子の断面積と同面積の理想
円の周長との比が1.0〜1.3であることを要旨とす
る。
【0015】第2に、前記接点断面組織におけるCr粒
子とCuマトリクスとの界面上の近接した任意の2点間
の仮想線分は、連続した曲線であることを要旨とする。
【0016】
【作用】上記構成のように、Cu−Cr−Bi接点材料
において、接点断面組織におけるCr粒子の比周長(実
周長/同面積円の周長)及びCr粒子とCuマトリクス
との界面の形状を規定することにより、Cu−Cr−B
i接点材料の耐溶着性を維持したまま、Cu−Cr接点
材料とほぼ同等の耐電圧、再点弧発生確率とすることが
できる。ここで、本発明における「連続」とは、200
倍の倍率にてCu/Cr界面に著しい鋭角部を有しない
ことを意味する。
【0017】次に、上記作用を具体的に述べる。
【0018】再点弧発生因子については、まだ解明され
ていない部分が多く、この発生機構には種々の仮説が挙
げられている。例えば、微粒子説、電界放射説等であ
り、具体的には表面の微視的凹凸、微粒子の存在等であ
る。
【0019】本発明者らの研究によれば、微溶着の発生
等により局所的な凹凸が接点表面に生じた場合、その後
の耐電圧特性及び再点弧発生確率は接点組織中のCr粒
子の形状にも依存することが判明した。
【0020】即ち、Cu−Cr−Bi接点材料におい
て、Biの存在形態は(1)Cuへの固溶、(2)Cr
粒子とCuマトリクス界面への存在、(3)Cuマトリ
クス結晶粒界への存在、(4)Cuマトリクス結晶粒内
への存在の4つに大別できる。その中でCuマトリクス
結晶粒を粗大化することによって接点材料の母材の強度
低下を防ぎ、再点弧発生確率の低減を試みることも行わ
れ、ある程度の効果を示しているものの、いまだ満足の
いく状態ではない。
【0021】これを更に改良する施策として、Cr粒子
とCuマトリクス界面の状態が重要となる。前述したよ
うに、Cr粒子とCuマトリクス界面にはBiが存在す
るために、Cr粒子はCuマトリクスから欠落し易く、
接点表面に凹凸を生じさせる一要因となる。欠落して他
方の接点表面に付着したCr粒子は電界放射の一要因と
なる可能性が高く、研究によれば、表面の凹凸の著しい
Cr粒子は、表面の凹凸の少ないCr粒子に比べて耐圧
が低下し、再点弧発生確率が高い。
【0022】以上のように真の原因は不明であるが、電
界放射の基となるCr粒子の形状により、耐電圧特性、
再点弧発生確率は変化し、Cr粒子の形状が球形に近く
(表面凹凸が少なく)、Cu/Cr界面において連続で
あることにより、耐電圧特性及び再点弧発生確率も従来
のCu−Cr接点並みとなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的実施態様に基
づいて説明する。
【0024】まず、図1及び図2を用いて、本実施例の
接点材料が適用される真空バルブの構成を説明する。
【0025】図1において、1は遮断室であり、この遮
断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁
容器2と、この両端に封止金具3a,3bを介して設け
た金属性の蓋体4a,4bとで真空気密に構成されてい
る。遮断室1内には、導電棒5,6の対向する端部に取
付けられた1対の電極7,8が配設され、上部の電極7
を固定電極、下部の電極8を可動電極としている。ま
た、この可動電極8の電極棒6には、ベローズ9が取付
けられ遮断室1内を真空気密に保持しながら可動電極8
の軸方向の移動を可能にしている。このベローズ9上部
には金属性のアークシールド10が設けられ、ベローズ
9がアーク蒸気で覆われることを防止している。11
は、上記電極7,8を覆うようにして遮断室1内に設け
られた金属性のアークシールドであり、絶縁容器2がア
ーク蒸気で覆われることを防止している。さらに、電極
8は、図2に拡大して示すように、導電棒6にろう付部
12によって固定されるか、又はかしめによって圧着接
続されている。接点13aは、電極8にろう付け14で
固着されている。なお、図1における13bは固定側接
点である。
【0026】本実施例に係る接点材料は、上記したよう
な接点13a,13bの双方、又は何れか一方を構成す
るのに適したものである。
【0027】次に、本実施例に係る接点材料の製造方法
について説明する。
【0028】本実施例のCu−Cr−Bi接点材料の製
造方法は大きく2つに大別され、その1つは溶浸法であ
り、もう1つは固相法である。また、本実施例において
は、Cr粉末形状が重要となることから原料Cr粉末か
らの製法について記す。一般に原料Cr粉末は、還元
法、電解法等にて粗Cr粉末を製造した後、粉砕工程を
経て所定のCr粉末粒径にする。従って一般にCr粉末
の形状は凹凸が著しい状態にある。この粉末の突起等鋭
角な部分は、適当な濃度の塩酸により除去する化学的方
法等が挙げられる。さらに、溶浸法による溶浸条件によ
ってもCr粒子をより球形に近づけることが可能であ
る。
【0029】溶浸法の製造工程の一例について記す。
【0030】所定粒径及び形状のCr粉末を加圧成形し
て粉末成形体を得る。次いで、この粉末成形体を露点が
−50℃以下の水素雰囲気又は真空度が1×10-3Torr
以下で、所定の温度、例えば950℃×1時間にて仮焼
結し、仮焼結体を得る。
【0031】次いで、この仮焼結体の残存空孔中に予め
所定のBi%を含有したCu−Bi合金或いはCu−B
i圧粉体を溶浸する。この場合原料Cr粉末に粉砕上り
の粉末をそのまま用いた場合は溶浸工程にてCr粉末を
球形化する必要があり、そのためには、Cuの溶融温度
以上で一定時間以上保持することが必要となる。なお、
溶浸は、仮焼結工程と同様に真空中、水素中の何れでも
可能である。
【0032】次いで、固相焼結法の一例について記す。
【0033】所定のCr粉末、Cu粉末及びBi粉末を
混合した後、プレス機にて圧粉体を成形し、次いで露点
が−50℃以下の水素雰囲気、又は1×10-3Torr以下
の真空雰囲気にて焼結を行う。このプレス工程と焼結工
程を複数回繰返し、目的とするCu−Cr−Bi接点を
得る。
【0034】このようにして製造された接点材料は、接
点中のCr粒子が球形に近く、耐電圧特性がBi無添加
のCu−Cr接点と同等であり真空バルブ用接点材料と
して最適である。
【0035】次に、表1及び表2を用いて、以上のよう
にして製造された各接点材料を比較例と対比して示す。
なお、この各例において評価したときの条件、方法は、
次の通りである。
【0036】(1)耐溶着性 外径25mmφの一対の円板状試料に、外径25mmφで先
端が100Rの球面をなす加圧ロッドを対向させ、10
0kgの荷重を加え10-5mmHgの真空中において50H
z,20KAの電流を20ミリ秒間通電し、その時の試
料−ロッド間の引外しに必要な力を測定し耐溶着性の判
断をした。なお、評価は、比較例1に示した固相焼結法
によるCu−Cr合金材料の溶着引外し力を1.00と
したときの相対的な値で比較した。各表には上記接点数
3個の測定値におけるばらつき幅を示す。
【0037】(2)耐電圧特性 各接点合金についてバフ研磨により鏡面仕上をしたNi
針を陽極とし、同じように鏡面仕上をした各試料を陰極
とし、両極間のギャップを0.5mmとし、10-6mmHg
の真空において除々に電圧を上昇しスパークを発生した
ときの電圧値を測定し、静耐圧値を求めた。各表に示す
測定データは、3回の繰返しテストを行ったときのばら
つき値を含めて、固相焼結法によるCu−Cr合金の静
耐圧値を1.00(表1に示す比較例1)としたときの
相対的な値で示した。
【0038】(3)再点弧特性 径30mm、厚さ5mmの円板状接点片を、ディマウンタブ
ル形真空バルブに装着し、6KV×500Aの回路を2
000回しゃ断した時の再点弧発生頻度を測定し、2台
のしゃ断器(バルブとして6本)のばらつき幅(最大お
よび最小)で示した。接点の装着に際しては、ベーキン
グ加熱(450℃、30分)のみ行い、ろう材の使用な
らびにこれに伴う加熱は行わなかった。
【0039】実施例1〜3、比較例1〜4 Cu−Cr接点を固相焼結法にて製作した試料の特性を
比較例1に示す。なお、比較例1にて示す耐溶着性、耐
圧性、再点弧発生確率を本実験による基準値とする。
【0040】比較例2,3、実施例1は、Cr原料粉末
の形状、接点断面組織におけるCr粒形状、Cr粒子の
比周長、Cr/Cu界面状態をパラメータとした固相焼
結法によって製造したCu−Cr−Bi接点である。比
較例2,3に示すように、接点組織中のCr粒形状が角
形でありCu/Cr界面が不連続である場合はCr粒子
の比周長によらず静耐圧特性の低下及び再点弧発生確率
の増大傾向にある。しかし、実施例1に示すように、球
状の原料Cr粉末を用い、接点組織においても丸形のC
r粒子の場合は静耐圧特性、再点弧発生確率とも良好な
特性を得る。
【0041】比較例4、実施例2,3は溶浸法によって
製造したCu−Cr−Bi接点である。比較例4に示す
ように著しくCr粒子比周長の大きいCr粉末を用いた
場合には、静耐圧特性は低下し再点弧発生確率も増大す
る。これに対し、実施例2,3に示すように、Cr粒子
の比周長が1.1〜1.2程度の連続したCu/Cr界
面を有する場合は静耐圧特性、再点弧発生確率とも良好
な特性を示した。
【0042】以上のように、Cr原料粉末、製造方法及
び接点組織中のCr粒子の形状、Cr粒子の比周長、C
u/Cr界面状態をパラメータとしてCu−Cr−Bi
接点の電気特性を考慮した場合、接点断面組織における
Cr粒子比周長が1.3以下でかつCu/Cr界面が連
続したものが望ましいと云える。図3(a)は、接点断
面組織におけるCu/Cr界面が連続したものの例を示
し、同図(b)は不連続のものの例を示している。
【0043】実施例2,4,5、比較例5,6 Cr含有量の有効範囲について検討する。Bi/(Bi
+Cu)量をほぼ一定として、Cr含有量を10.3、
21.0、48.1、59.0、70.1wt%となる
Cu−Cr−Bi接点を製作した(比較例5、実施例
4,2,5、比較例6)。諸特性を評価したところ、耐
溶着性は全て良好であった。しかし、耐電圧の面では、
Cr量10.3wt%(比較例5)なる接点はCu量が
多過ぎたため著しい耐電圧の低下が認められた。但し、
再点弧発生の面では問題がなかった。また70.1wt
%Cr量の接点(比較例8)ではCrが多量のため、素
材の脆化がさらに進み、耐電圧特性、再点弧発生確率と
も良好な結果は得られなかった。これに対し、実施例
4,2,5のCr量21.0、48.1、59.0wt
%の接点は、全て良好な結果を示した。
【0044】以上の結果より、Cr含有量は20〜60
wt%が望ましい。
【0045】実施例2,6,7、比較例7,8 Cr%を50wt%一定として、Bi/(Bi+Cu)
量を0.01、0.05、0.45、0.98、5.3
wt%と変化させたCu−Cr−Bi接点を製作した
(各々比較例7、実施例6,2,7、比較例8)。Bi
量の少ないもの(比較例7)は、耐電圧特性、再点弧発
生確率は良好であったが、耐溶着性の改善は殆んど認め
られなかった。一方、Bi含有量の多いもの(比較例
8)では、逆に対電圧特性の低下、再点弧発生確率の増
加が著しかった。これに対し、実施例6,2,7のBi
/(Bi+Cu)量が0.05、0.45、0.98の
接点は、全て良好な結果を示した。
【0046】以上の結果より、Bi/(Bi+Cu)量
は0.05〜1.0wt%が適当であると云える。
【0047】なお、以上述べた実施例は、固相焼結法及
び溶浸法で製作した接点について記載したが、ここに記
述していない他の方法を用いて同様な接点を製作して
も、得られる諸特性は同等であることは明らかである。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、真
空バルブ用Cu−Cr−Bi接点材料の耐溶着性を維持
したまま、耐電圧特性及び再点弧発生確率が低下しない
真空バルブ用接点材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空バルブ用接点材料が適用され
る真空バルブの一例を示す断面図である。
【図2】図1における接点部の拡大断面図である。
【図3】本実施例による接点断面組織におけるCu/C
r界面の連続性を比較例とともに示す図である。
【符号の説明】
13a 可動側接点 13b 固定側接点
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空バルブ用接点材料
に係り、特に耐溶着特性及び耐電圧特性を改良した真空
バルブ用接点材料に関する。
【0002】
【従来の技術】真空バルブ用接点材料に要求される特性
としては、耐溶着、耐電圧、遮断に対する各性能で示さ
れる基本三要件と、この他に温度上昇、接触抵抗が低く
安定していることが重要な要件となっている。しかしな
がら、これらの要件の中には相反するものがある関係
上、単一の金属種によって全ての要件を満足させること
は不可能である。このため、実用されている多くの接点
材料においては、不足する性能を相互に補えるような2
種以上の元素を組合せ、かつ大電流用又は高電圧用など
のように特定の用途に合った接点材料の開発が行われ、
それなりに優れた特性を有するものが開発されている。
しかし、さらに強まる高耐圧化及び大電流化の要求を充
分満足する真空バルブ用接点材料は未だ得られていない
のが実状である。
【0003】例えば、大電流化を指向した接点材料とし
てBiのような溶着防止成分を5%以下の量で含有する
Cu−Bi合金材料が知られている(特公昭41−12
131号公報)。しかし、このCu−Bi合金は、Cu
母相に対するBiの溶解度が極めて低いため、しばしば
偏析を生じ、遮断後の表面荒れが大きく、加工成形が困
難であるなどの問題点を有している。
【0004】また、大電流化を指向した他の接点材料と
して、Cu−Te合金材料が知られている(特公昭44
−23751号公報)。この合金は、Cu−Bi系合金
材料が持つ上記問題点を緩和してはいるが、Cu−Bi
系合金材料に比較して雰囲気に対し、より敏感なため接
触抵抗などの安定性に欠ける。
【0005】さらに、これらCu−Te,Cu−Bi等
の接点材料の共通的特徴として、耐溶着性に優れている
ものの、耐電圧特性が従来の中電圧クラスへの適用には
充分であるとしても、これ以上高い電圧分野への適用に
対しては、必ずしも満足でないことが明らかとなってき
た。
【0006】一方、Crを含有したCu−Cr合金材料
が真空バルブ用接点材料として、知られている。この接
点材料は、高温下でのCrとCuとの熱特性が好ましい
状態で発揮されるため高耐圧大電流用として優れた特性
を有している。即ち、Cu−Cr合金材料は、高耐圧特
性と、大容量遮断とを両立させ得る接点として多用され
ている。
【0007】しかしながら、Cu−Cr合金材料は、遮
断器用接点材料として一般に多用されている前述したB
iを5%程度以下添加したCu−Bi合金材料と比較し
て、耐溶着特性が大幅に劣っている。
【0008】ここで、溶着現象とは、接点同士の接触面
に発生するジュール熱により接点材料が溶融しその後に
凝固する場合と、開閉の瞬間に発生するアーク放電によ
り接点材料が気化しその後に凝固する場合の2通りにお
いて発生する。Cu−Cr合金材料においては、何れの
場合も凝固する段階でCrとCuが1μm以下の微粒子
となり互いに入り乱れた状態で数μm〜数百μm程度の
層を形成する。
【0009】一般に、組織の超微細化は、材料の強度向
上に寄与する要因の一つであり、上記の場合も例外では
ない。しかして、この超微細Cu−Cr層の強度がCu
−Cr合金材料のマトリクスの強度に優れ、かつ、マト
リクス強度が設計された引外し力を超えたときにも溶着
が発生する。
【0010】したがって、Cu−Cr材料を用いた真空
バルブを駆動させる操作機構は、Cu−Bi材料を用い
たものに比べ引外し力を大きく設計する必要があり、小
形化や経済性の点で困難である。
【0011】また、Cu−Cr材料の耐溶着性を改良し
た接点として、Cu−CrにBiを添加したCu−Cr
−Bi接点材料が知られている(特公昭61−4109
1号公報)。この接点材料は、一般的にCu−Cr材料
の耐溶着性の改善には効果を示すが、Bi添加の影響の
為、素材が著しく脆化し、耐電圧特性の低下及び再点弧
発生確率の増加を再発させる欠点を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のCu−Cr−Bi接点材料は一般的にCu−Cr接点
材料に比較して、耐溶着性は改善されるが、耐電圧及び
再点弧発生の面で問題が残っている。
【0013】そこで、本発明は、真空バルブ用Cu−C
r−Bi接点材料の耐溶着性を維持したまま、耐電圧の
低下及び再点弧発生確率の低下を極力抑えることのでき
る真空バルブ用接点材料を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、Cr含有量が20〜60重量%
であり、Bi含有量がCu含有量の0.05〜1.0重
量%であるCu,Bi及びCrから構成される真空バル
ブ用接点材料であって、接点断面組織におけるCr粒子
は、その実周長と当該Cr粒子の断面積と同面積の理想
円の周長との比が1.0〜1.3であることを要旨とす
る。
【0015】第2に、前記接点断面組織におけるCr粒
子とCuマトリクスとの界面上の近接した任意の2点間
の仮想線分は、連続した曲線であることを要旨とする。
【0016】第3に、前記接点断面組織におけるCr粒
子とCuマトリクスとの界面上の近接した任意の2点間
の仮想線分値と前記界面の界面長との比が1.4以下で
あることを要旨とする。
【0017】
【作用】上記構成のように、Cu−Cr−Bi接点材料
において、接点断面組織におけるCr粒子の比周長(実
周長/同面積円の周長)及びCr粒子とCuマトリクス
との界面の形状を規定することにより、Cu−Cr−B
i接点材料の耐溶着性を維持したまま、Cu−Cr接点
材料とほぼ同等の耐電圧、再点弧発生確率とすることが
できる。ここで、本発明における「連続」とは、200
倍の倍率にてCu/Cr界面に著しい鋭角部を有しない
ことを意味する。
【0018】次に、上記作用を具体的に述べる。
【0019】再点弧発生因子については、まだ解明され
ていない部分が多く、この発生機構には種々の仮説が挙
げられている。例えば、微粒子説、電界放射説等であ
り、具体的には表面の微視的凹凸、微粒子の存在等であ
る。
【0020】本発明者らの研究によれば、微溶着の発生
等により局所的な凹凸が接点表面に生じた場合、その後
の耐電圧特性及び再点弧発生確率は接点組織中のCr粒
子の形状にも依存することが判明した。
【0021】即ち、Cu−Cr−Bi接点材料におい
て、Biの存在形態は(1)Cuへの固溶、(2)Cr
粒子とCuマトリクス界面への存在、(3)Cuマトリ
クス結晶粒界への存在、(4)Cuマトリクス結晶粒内
への存在の4つに大別できる。その中でCuマトリクス
結晶粒を粗大化することによって接点材料の母材の強度
低下を防ぎ、再点弧発生確率の低減を試みることも行わ
れ、ある程度の効果を示しているものの、いまだ満足の
いく状態ではない。
【0022】これを更に改良する施策として、Cr粒子
とCuマトリクス界面の状態が重要となる。前述したよ
うに、Cr粒子とCuマトリクス界面にはBiが存在す
るために、Cr粒子はCuマトリクスから欠落し易く、
接点表面に凹凸を生じさせる一要因となる。欠落して他
方の接点表面に付着したCr粒子は電界放射の一要因と
なる可能性が高く、研究によれば、表面の凹凸の著しい
Cr粒子は、表面の凹凸の少ないCr粒子に比べて耐圧
が低下し、再点弧発生確率が高い。
【0023】以上のように真の原因は不明であるが、電
界放射の基となるCr粒子の形状により、耐電圧特性、
再点弧発生確率は変化し、Cr粒子の形状が球形に近く
(表面凹凸が少なく)、Cu/Cr界面において連続で
あることにより、耐電圧特性及び再点弧発生確率も従来
のCu−Cr接点並みとなる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的実施態様に基
づいて説明する。
【0025】まず、図1及び図2を用いて、本実施例の
接点材料が適用される真空バルブの構成を説明する。
【0026】図1において、1は遮断室であり、この遮
断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁
容器2と、この両端に封止金具3a,3bを介して設け
た金属性の蓋体4a,4bとで真空気密に構成されてい
る。遮断室1内には、導電棒5,6の対向する端部に取
付けられた1対の電極7,8が配設され、上部の電極7
を固定電極、下部の電極8を可動電極としている。ま
た、この可動電極8の電極棒6には、ベローズ9が取付
けられ遮断室1内を真空気密に保持しながら可動電極8
の軸方向の移動を可能にしている。このベローズ9上部
には金属性のアークシールド10が設けられ、ベローズ
9がアーク蒸気で覆われることを防止している。11
は、上記電極7,8を覆うようにして遮断室1内に設け
られた金属性のアークシールドであり、絶縁容器2がア
ーク蒸気で覆われることを防止している。さらに、電極
8は、図2に拡大して示すように、導電棒6にろう付部
12によって固定されるか、又はかしめによって圧着接
続されている。接点13aは、電極8にろう付け14で
固着されている。なお、図1における13bは固定側接
点である。
【0027】本実施例に係る接点材料は、上記したよう
な接点13a,13bの双方、又は何れか一方を構成す
るのに適したものである。
【0028】次に、本実施例に係る接点材料の製造方法
について説明する。
【0029】本実施例のCu−Cr−Bi接点材料の製
造方法は大きく2つに大別され、その1つは溶浸法であ
り、もう1つは固相法である。また、本実施例において
は、Cr粉末形状が重要となることから原料Cr粉末か
らの製法について記す。一般に原料Cr粉末は、還元
法、電解法等にて粗Cr粉末を製造した後、粉砕工程を
経て所定のCr粉末粒径にする。従って一般にCr粉末
の形状は凹凸が著しい状態にある。この粉末の突起等鋭
角な部分は、適当な濃度の塩酸により除去する化学的方
法等が挙げられる。さらに、溶浸法による溶浸条件によ
ってもCr粒子をより球形に近づけることが可能であ
る。
【0030】溶浸法の製造工程の一例について記す。
【0031】所定粒径及び形状のCr粉末を加圧成形し
て粉末成形体を得る。次いで、この粉末成形体を露点が
−50℃以下の水素雰囲気又は真空度が1×10-3Torr
以下で、所定の温度、例えば950℃×1時間にて仮焼
結し、仮焼結体を得る。
【0032】次いで、この仮焼結体の残存空孔中に予め
所定のBi%を含有したCu−Bi合金或いはCu−B
i圧粉体を溶浸する。この場合原料Cr粉末に粉砕上り
の粉末をそのまま用いた場合は溶浸工程にてCr粉末を
球形化する必要があり、そのためには、Cuの溶融温度
以上で一定時間以上保持することが必要となる。なお、
溶浸は、仮焼結工程と同様に真空中、水素中の何れでも
可能である。
【0033】次いで、固相焼結法の一例について記す。
【0034】所定のCr粉末、Cu粉末及びBi粉末を
混合した後、プレス機にて圧粉体を成形し、次いで露点
が−50℃以下の水素雰囲気、又は1×10-3Torr以下
の真空雰囲気にて焼結を行う。このプレス工程と焼結工
程を複数回繰返し、目的とするCu−Cr−Bi接点を
得る。
【0035】このようにして製造された接点材料は、接
点中のCr粒子が球形に近く、耐電圧特性がBi無添加
のCu−Cr接点と同等であり真空バルブ用接点材料と
して最適である。
【0036】次に、表1及び表2を用いて、以上のよう
にして製造された各接点材料を比較例と対比して示す。
なお、この各例において評価したときの条件、方法は、
次の通りである。
【0037】(1)耐溶着性 外径25mmφの一対の円板状試料に、外径25mmφで先
端が100Rの球面をなす加圧ロッドを対向させ、10
0kgの荷重を加え10-5mmHgの真空中において50H
z,20KAの電流を20ミリ秒間通電し、その時の試
料−ロッド間の引外しに必要な力を測定し耐溶着性の判
断をした。なお、評価は、比較例1に示した固相焼結法
によるCu−Cr合金材料の溶着引外し力を1.00と
したときの相対的な値で比較した。各表には上記接点数
3個の測定値におけるばらつき幅を示す。
【0038】(2)耐電圧特性 各接点合金についてバフ研磨により鏡面仕上をしたNi
針を陽極とし、同じように鏡面仕上をした各試料を陰極
とし、両極間のギャップを0.5mmとし、10-6mmHg
の真空において除々に電圧を上昇しスパークを発生した
ときの電圧値を測定し、静耐圧値を求めた。各表に示す
測定データは、3回の繰返しテストを行ったときのばら
つき値を含めて、固相焼結法によるCu−Cr合金の静
耐圧値を1.00(表1に示す比較例1)としたときの
相対的な値で示した。
【0039】(3)再点弧特性 径30mm、厚さ5mmの円板状接点片を、ディマウンタブ
ル形真空バルブに装着し、6KV×500Aの回路を2
000回しゃ断した時の再点弧発生頻度を測定し、2台
のしゃ断器(バルブとして6本)のばらつき幅(最大お
よび最小)で示した。接点の装着に際しては、ベーキン
グ加熱(450℃、30分)のみ行い、ろう材の使用な
らびにこれに伴う加熱は行わなかった。
【0040】実施例1〜3、比較例1〜4 Cu−Cr接点を固相焼結法にて製作した試料の特性を
比較例1に示す。なお、比較例1にて示す耐溶着性、耐
圧性、再点弧発生確率を本実験による基準値とする。
【0041】比較例2,3、実施例1は、Cr原料粉末
の形状、接点断面組織におけるCr粒形状、Cr粒子の
比周長、Cr/Cu界面状態をパラメータとした固相焼
結法によって製造したCu−Cr−Bi接点である。比
較例2,3に示すように、接点組織中のCr粒形状が角
形でありCu/Cr界面が不連続である場合はCr粒子
の比周長によらず静耐圧特性の低下及び再点弧発生確率
の増大傾向にある。しかし、実施例1に示すように、球
状の原料Cr粉末を用い、接点組織においても丸形のC
r粒子の場合は静耐圧特性、再点弧発生確率とも良好な
特性を得る。
【0042】比較例4、実施例2,3は溶浸法によって
製造したCu−Cr−Bi接点である。比較例4に示す
ように著しくCr粒子比周長の大きいCr粉末を用いた
場合には、静耐圧特性は低下し再点弧発生確率も増大す
る。これに対し、実施例2,3に示すように、Cr粒子
の比周長が1.1〜1.2程度の連続したCu/Cr界
面を有する場合は静耐圧特性、再点弧発生確率とも良好
な特性を示した。
【0043】以上のように、Cr原料粉末、製造方法及
び接点組織中のCr粒子の形状、Cr粒子の比周長、C
u/Cr界面状態をパラメータとしてCu−Cr−Bi
接点の電気特性を考慮した場合、接点断面組織における
Cr粒子比周長が1.3以下でかつCu/Cr界面が連
続したものが望ましいと云える。換言すれば、Cr粒子
とCuとの界面側の鋭角部としては、Cu/Cr界面上
の近接した任意の2点間の仮想線分値と当該界面長との
比が1.4以下であることが望ましいと云える。図3
(a)は、接点断面組織におけるCu/Cr界面が連続
したものの例を示し、同図(b)は不連続のものの例を
示している。
【0044】実施例2,4,5、比較例5,6 Cr含有量の有効範囲について検討する。Bi/(Bi
+Cu)量をほぼ一定として、Cr含有量を10.3、
21.0、48.1、59.0、70.1wt%となる
Cu−Cr−Bi接点を製作した(比較例5、実施例
4,2,5、比較例6)。諸特性を評価したところ、耐
溶着性は全て良好であった。しかし、耐電圧の面では、
Cr量10.3wt%(比較例5)なる接点はCu量が
多過ぎたため著しい耐電圧の低下が認められた。但し、
再点弧発生の面では問題がなかった。また70.1wt
%Cr量の接点(比較例8)ではCrが多量のため、素
材の脆化がさらに進み、耐電圧特性、再点弧発生確率と
も良好な結果は得られなかった。これに対し、実施例
4,2,5のCr量21.0、48.1、59.0wt
%の接点は、全て良好な結果を示した。
【0045】以上の結果より、Cr含有量は20〜60
wt%が望ましい。
【0046】実施例2,6,7、比較例7,8 Cr%を50wt%一定として、Bi/(Bi+Cu)
量を0.01、0.05、0.45、0.98、5.3
wt%と変化させたCu−Cr−Bi接点を製作した
(各々比較例7、実施例6,2,7、比較例8)。Bi
量の少ないもの(比較例7)は、耐電圧特性、再点弧発
生確率は良好であったが、耐溶着性の改善は殆んど認め
られなかった。一方、Bi含有量の多いもの(比較例
8)では、逆に対電圧特性の低下、再点弧発生確率の増
加が著しかった。これに対し、実施例6,2,7のBi
/(Bi+Cu)量が0.05、0.45、0.98の
接点は、全て良好な結果を示した。
【0047】以上の結果より、Bi/(Bi+Cu)量
は0.05〜1.0wt%が適当であると云える。
【0048】なお、以上述べた実施例は、固相焼結法及
び溶浸法で製作した接点について記載したが、ここに記
述していない他の方法を用いて同様な接点を製作して
も、得られる諸特性は同等であることは明らかである。
【0049】
【表1】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、真
空バルブ用Cu−Cr−Bi接点材料の耐溶着性を維持
したまま、耐電圧特性及び再点弧発生確率が低下しない
真空バルブ用接点材料を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 大川 幹夫 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 乙部 清文 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr含有量が20〜60重量%であり、
    Bi含有量がCu含有量の0.05〜1.0重量%であ
    るCu,Bi及びCrから構成される真空バルブ用接点
    材料であって、接点断面組織におけるCr粒子は、その
    実周長と当該Cr粒子の断面積と同面積の理想円の周長
    との比が1.0〜1.3であることを特徴とする真空バ
    ルブ用接点材料。
  2. 【請求項2】 前記接点断面組織におけるCr粒子とC
    uマトリクスとの界面上の近接した任意の2点間の仮想
    線分は、連続した曲線であることを特徴とする請求項1
    記載の真空バルブ用接点材料。
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