JPH1083745A - 真空バルブ用接点材料及び電極材料 - Google Patents

真空バルブ用接点材料及び電極材料

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JPH1083745A
JPH1083745A JP8234926A JP23492696A JPH1083745A JP H1083745 A JPH1083745 A JP H1083745A JP 8234926 A JP8234926 A JP 8234926A JP 23492696 A JP23492696 A JP 23492696A JP H1083745 A JPH1083745 A JP H1083745A
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JP8234926A
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English (en)
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Isao Okutomi
功 奥富
Keisei Seki
経世 関
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Takashi Kusano
貴史 草野
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SHIBAFU ENG KK
Toshiba Corp
Original Assignee
SHIBAFU ENG KK
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐電圧特性を低下させることな
く、遮断性能を向上させることを目的とする。 【解決手段】 導電成分がAg,Cuの少なくとも1種
を含有し、耐弧成分がCr,V,Ti,Zr,Y,Al
の少なくとも1種からなる第1の群と、W,Mo,T
a,Nb,Feの少なくとも1種からなる第2の群とを
含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮断性能及び耐電
圧特性を改良した真空バルブ用接点材料及び電極材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】真空バルブ用接点材料に要求される特性
としては、耐溶着特性、耐電圧、遮断に対して示される
基本3要件と、この他に温度上昇、接触抵抗が低く安定
していることが重要な要件となっている。しかしなが
ら、これらの要件の中には、相反するものがある関係
上、単一の金属種によって全ての要件を満足させること
は不可能である。このため、実用化されている多くの接
点材料においては、不足する性能を相互に補えるように
2種以上の元素を組み合わせ、かつ、大電流用又は高電
圧用等のように特定の用途に合った接点材料の開発が行
われている。例えば、大電流化、耐溶着特性を改良した
接点材料として、CuBi接点材料(特公昭41−12
131号公報)、CuTe接点(特公昭44−2375
1号公報)が知られている。また、大電流化、高耐圧化
を指向した接点としてCuCr接点が知られている(特
公昭45−35101号公報)。さらに、CuCr接点
の耐溶着特性を改良した接点としてCuCrBi接点が
知られている(特公昭61−41091号公報)。これ
らのように、それなりに優れた特性を有する接点材料が
開発されている。しかし、さらに強まる高耐圧化、大電
流遮断化の要求を十分満足する真空バルブ用接点材料は
未だ得られていないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現用
接点以上に大電流を遮断できる能力を有し、且つ耐電圧
特性も優れた接点材料の開発が求められている。
【0004】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
耐電圧特性を低下させることなく、遮断性能を向上さ
せ、さらには耐溶着性を低減させることができる真空バ
ルブ用接点材料及び電極材料を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の真空バルブ用接点材料は、導電成分
がAg,Cuの内の少なくとも1種類を含有し、耐弧成
分がCr,V,Ti,Zr,Y,Alの内の少なくとも
1種類からなる第1の群と、W,Mo,Ta,Nb,F
eの内の少なくとも1種類からなる第2の群とを含有す
ることを要旨とする。この構成により、耐弧成分は、C
r,V等の比重の小さな第1の群の元素にW,Mo等の
比重の大きな第2の群の元素を添加することにより、耐
弧成分全体の比重をAg,Cuの導電成分の比重に近付
けることが可能となる。これにより、被アーク時等に接
点表面が溶融したとき、耐弧成分が接点表面に偏析する
ことが抑制され、比較的割れやすい耐弧成分が接点表面
に凝固することが防止されて接点表面の割れによる耐電
圧特性の低下が抑えられる。
【0006】請求項2記載の真空バルブ用接点材料は、
上記請求項1記載の真空バルブ用接点材料において、前
記第1の群と前記第2の群とで構成される前記耐弧成分
全体の比重が7.3〜10.2であることを要旨とす
る。この構成により、具体的には、耐弧成分全体の比重
は、7.3〜10.2に調整することで、Ag,Cuの
導電成分の比重に近付けることが可能となる。
【0007】請求項3記載の真空バルブ用接点材料は、
上記請求項1記載の真空バルブ用接点材料において、前
記第1の群と前記第2の群とで構成される前記耐弧成分
中の組成は、融点が2500℃以上である固溶体が30
体積%以下であることを要旨とする。この構成により、
耐弧成分全体の比重を、導電成分の比重に近付けるよう
に調整するに際し、W等の高融点元素を添加し過ぎる
と、接点表面に形成される高融点の固溶体により、接点
表面が割れやすくなり、また、高融点であるがために、
熱電子放出を盛んにして耐電圧特性を低下させる傾向と
なる。このため、耐弧成分中の組成は、融点が2500
℃以上である固溶体が30体積%以下となるように規定
する。
【0008】請求項4記載の真空バルブ用接点材料は、
上記請求項1,2又は3記載の真空バルブ用接点材料に
おいて、前記耐弧成分は、固溶体を形成していることを
要旨とする。この構成により、第1の群と第2の群とで
構成される耐弧成分は、元素同士が相互に拡散した固溶
体を形成させることで、遮断性能を向上させることが可
能となる。
【0009】請求項5記載の真空バルブ用接点材料は、
上記請求項1,2,3又は4記載の真空バルブ用接点材
料において、前記導電成分が40〜90体積%であるこ
とを要旨とする。この構成により、導電成分が40〜9
0体積%で残部を耐弧成分とすることで、耐電圧特性を
低下させることなく、遮断性能を向上させることが可能
となる。
【0010】請求項6記載の真空バルブ用接点材料は、
上記請求項1,2,3,4又は5記載の真空バルブ用接
点材料において、前記導電成分として40〜90体積%
のCuと、前記耐弧成分として前記第1の群のCuと前
記第2の群のW,Moの内の少なくとも1種類とを含有
することを要旨とする。具体的には、導電成分と耐弧成
分の元素及び成分量を、このような構成とすることで、
確実に耐電圧特性を低下させることなく、遮断性能を向
上させることが可能となる。
【0011】請求項7記載の真空バルブ用接点材料は、
上記請求項1,2,3,4,5又は6記載の真空バルブ
用接点材料において、Bi,Te,Sbの内の少なくと
も1種類を、前記導電成分量に対して1体積%以下含有
することを要旨とする。この構成により、さらに耐溶着
性を低減して、機構部への負担を低減することが可能と
なる。
【0012】請求項8記載の真空バルブ用電極材料は、
導電成分がAg,Cuの内の少なくとも1種類を含有
し、耐弧成分がCr,V,Ti,Zr,Y,Alの内の
少なくとも1種類からなる第1の群と、W,Mo,T
a,Nb,Feの内の少なくとも1種類からなる第2の
群とを含有し、且つ当該耐弧成分全体の比重が7.3〜
10.2であることを要旨とする。この構成により、上
記請求項1記載の真空バルブ用接点材料と略同様な作用
により耐電圧特性の低下が抑えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。まず、図1を用いて、本実施の形態の真空バルブ
用接点材料及び電極材料が適用される真空バルブの構成
例を説明する。同図において、1は遮断室であり、遮断
室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容
器2と、その両端に封止金具3a,3bを介して設けた
金属製の蓋体4a,4bとで真空気密に構成されてい
る。遮断室1内には、電極棒5,6の対向する端部に取
り付けられた1対の電極が配設され、上部の電極は固定
電極7、下部の電極は可動電極8となっている。可動電
極8の電極棒6にはベローズ9が取り付けられ、電極棒
6を、遮断室1内を真空気密に保持しながら、その軸方
向に移動可能にしている。ベローズ9の上部には、金属
製のアークシールド10が設けられ、ベローズ9がアー
ク蒸気で覆われるのを防止している。また、遮断室1内
には、固定電極7及び可動電極8を覆うように金属製の
アークシールド11が設けられ、絶縁容器2がアーク蒸
気で覆われるのを防止している。図2の拡大図に示すよ
うに、可動電極8(固定電極7)は、ロウ付け部12に
よって電極棒6(電極棒5)に固定されるか、又はかし
めによって圧着接続されている。また、可動側接点13
a(固定側接点13b)は、ロウ付け部14によって可
動電極8(固定電極7)に固着されている。本実施の形
態の接点材料及び電極材料は、上述のような可動側接点
13a(可動電極8)、固定側接点13b(固定電極
7)の双方又は何れか一方を構成するのに適したもので
ある。
【0014】次に、本実施の形態の接点材料を説明す
る。本実施の形態の接点材料は、基本的には、導電成分
がAg,Cuの内の少なくとも1種類を含有し、耐弧成
分がCr,V,Ti,Zr,Y,Alの内の少なくとも
1種類からなる第1の群と、W,Mo,Ta,Nb,F
eの内の少なくとも1種類からなる第2の群とを含有す
る。そして、上記第1の群と第2の群とで構成される耐
弧成分全体の比重は、具体的には、7.3〜10.2と
する。
【0015】上記のような真空バルブにおいて、電流遮
断時には、接点間にアークが形成され、接点表面はアー
クにより溶融する。CuCr系接点の場合、Cuの融点
がCrよりも低いために、まず、Cuの溶融が始まり、
次いで、Cu液相中にCrが溶解していき、CuCr液
相を形成する。しかしながら、CuCr2元素は、液相
にて二相分離領域を有するという現象を呈する。この二
相分離の結果、軽いCrリッチ相は、接点表面に浮上す
るために、接点表面はCrリッチになる。遮断電流値が
ピークを過ぎ、電流値が小さくなり、接点表面の凝固が
始まると、上記の原因によって、Crリッチの接点表面
を形成する。このCrリッチ相は脆いために割れを生じ
ることがある。この割れが発生した瞬間に割れの内部
は、より融点の低いCuリッチ相が存在しているため
に、場合によっては液相のままであり、耐電圧特性を著
しく低下させる。これに対し、本実施の形態の接点材料
では、Cr,V等の比重の小さな第1の群の元素に対し
て、Mo,W等の比重の大きな第2の群の元素を添加す
ることによって、耐弧成分全体の比重をAg,Cuの導
電成分の比重に近付ける。これにより、被アーク時等に
接点表面が溶融したとき、耐弧成分が接点表面に偏析す
ることが抑制され、比較的割れやすい耐弧成分が接点表
面に凝固することが防止されて接点表面の割れによる耐
電圧特性の低下を抑えることが可能となる。
【0016】しかしながら、Crに対して、Wを添加し
過ぎると接点表面は、ほぼ均一な表面組成を得られるも
のの、高融点であるWリッチの固溶体が形成され、この
存在が、接点表面に著しい割れを形成し、さらに、高融
点であるが故に、熱電子放出を盛んにし、耐電圧特性を
低下させる傾向となる。このため、本実施の形態の接点
材料では、さらに、第1の群と前記第2の群とで構成さ
れる耐弧成分中の組成は、融点が2500℃以上である
固溶体が30体積%以下となるように規定する。したが
って、従来のCuCr接点を基準とした場合、本実施の
形態では、耐弧成分全体の比重を導電成分の比重に近付
け、さらに、高融点物質を形成しないような状態にする
ことで、遮断性能を向上させるとともに耐電圧特性を維
持できる。
【0017】以上のような施策によって、従来のCuC
r接点の遮断性能と耐電圧特性を向上させることができ
るが、本実施の形態の接点材料では、さらに、Bi,T
e,Sbの内の少なくとも1種類を、導電成分量に対し
て1体積%以下含有させることで、耐溶着性を一層低減
し、機構部への負担を低減することが可能となる。
【0018】そして、電極材料は、上記のような接点材
料と略同様の材料を用いて構成することで、耐電圧特性
を低下させることなく、遮断性能を向上させた電極材料
の実現が可能となる。
【0019】
【実施例】表1乃至表3を用いて本発明の実施例を説明
する。まず、接点の評価方法を述べる。
【0020】耐電圧特性;各接点合金について、バフ
研磨により鏡面仕上げをした平板電極と針電極にて両電
極間を0.5mmで一定とし、10-4Pa.オーダーの真
空雰囲気において徐々に電圧を上昇し、スパークを発生
した時の電圧値を測定して静耐圧値を求めた。表1、表
2に示す測定値は3回の繰り返しテストを行ったときの
平均値であり、後述の比較例1に示すCuCr接点の値
を1.0としたときの相対的な値で示した。
【0021】遮断性能;製作した接点材料を、径40
mm、厚さ3mmの円板形状に加工した後、所定の真空バル
ブに組み込み、印加電圧を7.2kVで一定として、遮
断電流を8kAから1〜1.5kAずつ増加させて遮断
の可否を判断した。遮断特性は、比較例1に示すCuC
r接点の値を1.0としたときの相対的な値で示した。
【0022】比較例1;平均粒径100μmのCr粉末
をカーボン坩堝に充填後、10-2Pa.の真空雰囲気に
て、1150℃×1Hr.の焼結条件で仮焼結し、Cr
スケルトンを得た。その後、無酸素銅をCrスケルトン
上に配置し、同様の真空雰囲気にて、1130℃×0.
5Hr.の溶浸条件で溶浸し、50体積%のCuCr接
点を得た。所定の形状に加工した後、静耐圧特性と遮断
性能の試験を実施し、その特性値を今後試作評価した各
接点の基準値とする。
【0023】実施例1〜5、比較例2;上記Cr粉末に
加え、平均粒径10μmのW粉末を使用し製作した。C
rとWの体積比率を98:2,94:6,90:10,
80:20,70:30,60:40となるように配合
し混合した後、カーボン坩堝に充填し、軽く加圧した
後、比較例1と同一条件にて焼結し、CrWスケルトン
を得た。さらに、比較例1と同一条件にて、無酸素銅を
溶浸し、表1に示すCuCrW接点を得た。このミクロ
組織を観察したところ、CrとWは相互に拡散している
ことが確認できた。これらの遮断性能を評価したとこ
ろ、何れも比較例1の1.1〜1.2倍の遮断性能を示
した。一方、耐電圧試験では、実施例1〜5は、比較例
1と同等であったのに対して、Wを多く含有し、Wリッ
チ相が多く、耐弧成分比重も大きい比較例2は、従来の
CuCr接点以下の耐電圧特性となってしまった。
【0024】実施例6〜8;上記Cr粉末、W粉末に加
え、平均粒径10μmのMo粉末を使用し製作した。C
rとMoとWの体積比率を、80:18:2,60:3
9:1,43:56:1となるように配合し混合して耐
弧成分全体の比重を導電成分の比重に近付けるようにし
た後(表3参照)、カーボン坩堝に充填し、軽く加圧し
た後、比較例1と同一条件にて焼結し、CrWMoスケ
ルトンを得た。さらに、比較例1と同一条件にて、無酸
素銅を溶浸し、表1に示すCuCrMoW接点を得た。
このミクロ組織を観察したところ、CrとMoとWは相
互に拡散していることが確認できた。これらの遮断性能
を評価したところ、何れも比較例1の1.2倍の遮断性
能を示した。一方、耐電圧試験でも、比較例1と同等の
値を示すことができた。
【0025】比較例3、実施例9〜11、比較例4;上
記Cr粉末、W粉末に加え、平均粒径40μmのCu粉
末を使用し製作した。耐弧成分であるCrとWの体積比
率が90:10となるように配合混合し、さらに、導電
成分であるCuとCrW耐弧成分との体積比率が、2
0:80,40:60,50:50,80:20,9
5:5となるように配合し、7ton/cm2 の成形圧力にて
圧粉体を成形した後、10-2Pa.の真空雰囲気にて、
1050℃×1Hr.の焼結条件で焼結した。さらに、
7ton/cm2 の成形圧力にて再成形した後、同一条件にて
焼結し、接点材料を得た。CrW耐弧成分の多い比較例
3は、耐電圧特性は従来並であったものの、遮断性能が
著しく劣る傾向にあった。また、逆に、CrW耐弧成分
の少ない比較例4は、遮断性能は良好であったものの、
耐電圧特性が劣った。導電成分量と耐弧成分量がこれら
の中間に位置し、耐弧成分全体の比重が導電成分の比重
に近い実施例9〜11は、遮断性能は従来接点以上であ
り、耐電圧特性も同等であった。しかし、接点製造後の
ミクロ組織を観察したところ、今まで観察されたような
耐弧成分の拡散相(固溶体)は観察されず、CrとWが
独立に存在していた。この原因のためか、実施例10
は、実施例3と同一組成であるにもかかわらず、実施例
3よりも低い遮断電流値であった。
【0026】実施例12〜15;他の組成系についても
検討した。上記Cr粉末、Mo粉末、W粉末に加え、平
均粒径100μmのV粉末、Zr粉末、Ti粉末、Y粉
末、Al粉末と、平均粒径40μmのFe粉末、Nb粉
末、Ta粉末を使用し、耐弧成分全体の比重が導電成分
の比重に近くなるように(表3参照)、所定の耐弧成分
粉末量を配合混合した後、実施例1と同様の製法にて、
実施例12〜15の接点を製作した。遮断性能、耐電圧
特性とも良好な性能を得た。
【0027】実施例16,17;平均粒径40μmのB
i粉末、Sb粉末、Te粉末と実施例10にて使用した
Cr粉末、W粉末、Cu粉末を使用して製作した。実施
例10と同様に、所定量のCrとWを混合した。また、
所定量のCuとBi又はSbとTeを混合した。これら
の耐弧成分粉末と導電成分粉末をさらに所定量に配合混
合した後、実施例10と同様の製法にて、実施例16,
17の接点を製作した。遮断性能、耐電圧特性ともに良
好な性能を得た。さらに、遮断性能においては、より小
さな引き外し力で十分であった。
【0028】以上述べた実施例のみに限らず、導電成分
はAg,Cuの内の少なくとも1種類を含有させればよ
く、また、耐弧成分の比重、固溶体の融点及びその含有
量を制御することによって遮断性能を向上させることは
可能であり、さらに、Wの他の高融点金属を添加するこ
とによって耐電圧特性も向上させることができるのは明
白である。また、Ti等の活性金属を添加することによ
って遮断性能を向上させ、Bi等の低融点金属を添加す
ることによって、引き外し力の低減を図れることは明白
である。
【0029】
【表1】
【表2】
【表3】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の真
空バルブ用接点材料によれば、導電成分がAg,Cuの
内の少なくとも1種類を含有し、耐弧成分がCr,V,
Ti,Zr,Y,Alの内の少なくとも1種類からなる
第1の群と、W,Mo,Ta,Nb,Feの内の少なく
とも1種類からなる第2の群とを含有させたため、耐弧
成分は、比重の小さな第1の群の元素に比重の大きな第
2の群の元素を添加することにより、耐弧成分全体の比
重を導電成分の比重に近付けることができて、被アーク
時等に接点表面が溶融したとき、耐弧成分が接点表面に
偏析することが抑制され、比較的割れやすい耐弧成分が
接点表面に凝固することが防止されて接点表面の割れに
よる耐電圧特性の低下を抑えることができ、これととも
に遮断性能を向上させることができる。
【0031】請求項2記載の真空バルブ用接点材料によ
れば、前記第1の群と前記第2の群とで構成される前記
耐弧成分全体の比重は7.3〜10.2としたため、耐
弧成分全体の比重は、具体的にこのような値に調整する
ことで、Ag,Cuの導電成分の比重に近付けることが
できる。
【0032】請求項3記載の真空バルブ用接点材料によ
れば、前記第1の群と前記第2の群とで構成される前記
耐弧成分中の組成は、融点が2500℃以上である固溶
体が30体積%以下としたため、耐弧成分全体の比重
を、導電成分の比重に近付けるように調整するに際し、
W等の高融点元素の添加し過ぎを抑え、接点表面に形成
される高融点固溶体による接点表面の割れ等を防止して
耐電圧特性の低下を抑えることができる。
【0033】請求項4記載の真空バルブ用接点材料によ
れば、前記耐弧成分は、固溶体を形成しているようにし
たため、第1の群と第2の群とで構成される耐弧成分
は、元素同士が相互に拡散した固溶体とすることで、遮
断性能を向上させることができる。
【0034】請求項5記載の真空バルブ用接点材料によ
れば、前記導電成分は40〜90体積%としたため、耐
電圧特性を低下させることなく、遮断性能を向上させる
ことができる。
【0035】請求項6記載の真空バルブ用接点材料によ
れば、前記導電成分として40〜90体積%のCuと、
前記耐弧成分として前記第1の群のCuと前記第2の群
のW,Moの内の少なくとも1種類とを含有させたた
め、導電成分と耐弧成分の元素及び成分量を、このよう
な構成とすることで、確実に耐電圧特性を低下させるこ
となく、遮断性能を向上させることができる。
【0036】請求項7記載の真空バルブ用接点材料によ
れば、Bi,Te,Sbの内の少なくとも1種類を、前
記導電成分量に対して1体積%以下含有させたため、さ
らに耐溶着性を低減することができる。
【0037】請求項8記載の真空バルブ用電極材料は、
導電成分がAg,Cuの内の少なくとも1種類を含有
し、耐弧成分がCr,V,Ti,Zr,Y,Alの内の
少なくとも1種類からなる第1の群と、W,Mo,T
a,Nb,Feの内の少なくとも1種類からなる第2の
群とを含有し、且つ当該耐弧成分全体の比重が7.3〜
10.2としたため、耐電圧特性を低下させることな
く、遮断性能を向上させた電極材料を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空バルブ用接点材料及び電極材
料の実施の形態が適用される真空バルブの一例を示す縦
断面図である。
【図2】図1における接点部及び電極部の構成を拡大し
て示す図である。
【符号の説明】
7 固定電極 8 可動電極 13a 可動側接点 13b 固定側接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電成分がAg,Cuの内の少なくとも
    1種類を含有し、耐弧成分がCr,V,Ti,Zr,
    Y,Alの内の少なくとも1種類からなる第1の群と、
    W,Mo,Ta,Nb,Feの内の少なくとも1種類か
    らなる第2の群とを含有することを特徴とする真空バル
    ブ用接点材料。
  2. 【請求項2】 前記第1の群と前記第2の群とで構成さ
    れる前記耐弧成分全体の比重が7.3〜10.2である
    ことを特徴とする請求項1記載の真空バルブ用接点材
    料。
  3. 【請求項3】 前記第1の群と前記第2の群とで構成さ
    れる前記耐弧成分中の組成は、融点が2500℃以上で
    ある固溶体が30体積%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の真空バルブ用接点材料。
  4. 【請求項4】 前記耐弧成分は、固溶体を形成している
    ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の真空バルブ
    用接点材料。
  5. 【請求項5】 前記導電成分が40〜90体積%である
    ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の真空バ
    ルブ用接点材料。
  6. 【請求項6】 前記導電成分として40〜90体積%の
    Cuと、前記耐弧成分として前記第1の群のCuと前記
    第2の群のW,Moの内の少なくとも1種類とを含有す
    ることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の
    真空バルブ用接点材料。
  7. 【請求項7】 Bi,Te,Sbの内の少なくとも1種
    類を、前記導電成分量に対して1体積%以下含有するこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の
    真空バルブ用接点材料。
  8. 【請求項8】 導電成分がAg,Cuの内の少なくとも
    1種類を含有し、耐弧成分がCr,V,Ti,Zr,
    Y,Alの内の少なくとも1種類からなる第1の群と、
    W,Mo,Ta,Nb,Feの内の少なくとも1種類か
    らなる第2の群とを含有し、且つ当該耐弧成分全体の比
    重が7.3〜10.2であることを特徴とする真空バル
    ブ用電極材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006032036A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Toshiba Corp 真空バルブ用接点材料
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