JP2007332429A - 接点材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮断性能、耐電圧性能及び耐溶着性を維持しつつろう付け強度も確保できる接点材料とその製造方法を得る。
【解決手段】Cu主体の母材中に、粒径38μm以上150μm以下のCr粒子と、Cu、Cr及びTeからなる化合物であってCu-Te相およびTe-Cu-Cr相の二つの相から構成された粒径0.1μm以上100μmの以下化合物とが分散した接点材料であり、Crが20質量%以上40質量%以下、Teが0.1質量%以上1.5質量%以下、Cuが残余であり、密度比が90%以上である。その製造方法は、混合粉末を加圧成形して密度比75%以上とした圧粉体を、1060℃以上1083℃未満で加熱焼結する。
【選択図】図2

Description

この発明は接点材料及びその製造方法に関し、特に真空遮断器等に用いられる真空バルブ用に適した接点材料およびその製造方法に関するものである。
遮断器、特に真空遮断器の大容量化、高耐圧化、小型化への要求が一段と厳しくなっており、真空遮断器の中に搭載されている真空バルブの性能向上が望まれている。
真空バルブは、高真空に保たれた絶縁容器内に固定電極と可動電極が同軸上に対向配置されており、可動電極はベローズを介して操作機構部に接続され、軸方向に移動するようになっている。そして、過負荷電流や短絡電流が発生した場合、電極を瞬時に開極して遮断する。このような真空バルブの固定電極と可動電極の接触部分に使用されている接点材料には、主に遮断性能、耐電圧性能、耐溶着性が要求されている。
しかし、これらの要求特性は互いに相反することから単一材料で満足させることは困難で、2種以上の元素を組み合わせた接点材料が使用されており、真空バルブ用接点材料としては、遮断性能と耐電圧性能に優れるCu-Cr材料が知られている(例えば特許文献1)。
また、Cu-Cr材料の耐溶着性を改善するためにCu-Cr材料にBi、Te、Se、Pb、Sbのいずれか1種を含有した接点材料も提案されている(例えば特許文献2)。
特公昭54−71375号公報 (第1頁右欄の下から7行目〜第2頁左上欄の下から4行目) 特開平9−213153号公報 (第9頁右側の[0054])
真空バルブ等に用いられる接点材料は、短時間電流通電時に発生するジュール熱、又は電流遮断時に発生するアーク熱などにより接点表面が溶融し、その後に凝固して溶着が発生する。従来のCu-Cr材料が溶着した場合は引き外すために大きな力が必要で、引き外し力を大きく設計した機構部を設ける必要があった。そのため、接点材料には溶着しても引き外しやすい材料、或いは溶着しにくい材料が求められている。
Cu-Cr材料にBi、Te、Sbなどを含有させたものは、耐溶着性の改善に効果がある。しかし、Biを含有させた場合は耐電圧性能が低くなるという問題点があった。また、BiとTeを単純に含有させた接点材料の場合は、真空バルブを高温でろう付けする際に材料中のBiやTeがろう材に侵入してろう付け強度の低下やろう付け不良を招くという問題点があった。Sbの含有は導電率を低下させ、遮断性能を低下させるという問題があった。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は遮断性能、耐電圧性能を確保しながら耐溶着性と真空バルブのろう付け強度を確保できる接点材料およびその製造方法を得ることである。
本発明の接点材料は、Cuを主体とする母材中にCr粒子、並びにCuとCrとTeとからなる化合物が分散している接点材料であって、CuとCrとTeとからなる化合物はCu-Te相とTe-Cu-Cr相の二つの相から構成されており、Cr粒子は粒径38μm以上150μm以下であり、CuとCrとTeからなる化合物は粒径0.1μm以上100μm以下であり、20質量%以上40質量%のCrと、0.1質量%以上1.5質量%以下のTeと、残余のCuとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の接点材料の製造方法は、粒径が38μm以上150μm以下のCr粉末を20質量%以上40質量%以下と、粒径が1μm以上100μm以下のTe粉末を0.1質量%以上1.5質量%以下と、粒径が1μm以上75μm以下のCu粉末とを混合し、密度比75%以上となるように加圧成形した圧粉体を、1060℃以上1083℃未満で加熱して焼結することを特徴とするものである。
この発明によれば、遮断性能、耐電圧性能を確保しながら耐溶着性能に優れる接点材料およびその製造方法を提供することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の接点材料を適用できる遮断器の一例として真空遮断器に搭載される真空バルブを示す断面図である。真空バルブ7の遮断室8は円筒状に形成された絶縁材料製の絶縁容器9と、この両端に封止金具10a、10bを介して設けた金属製蓋11a、11bとで構成され、真空気密となっている。遮断室8内の固定電極棒12と可動電極棒13の端部には、固定電極14と可動電極15が対向するようにろう付けにより取り付けられている。固定電極14の接触部には固定接点16が、また可動電極15の接触部には可動接点17がろう付けにより取り付けられている。可動電極棒13にはベローズ18が取り付けられ、遮断室8の内部を真空気密に保持しながら、可動電極15の軸方向の移動を可能にしている。
固定電極14と可動電極15は遮断性能を上げるために、スパイラル状の溝を切ったスパイラル電極、カップ状の接点に溝を付けたコントレート電極、電極間に発生するアークと並行に磁界を与える縦磁界電極が用いられる。
ベローズ18の上部には金属製のベローズ用アークシールド19が設けられている。ベローズ用アークシールド19は、発弧域より発生した金属蒸気がベローズ18に付着することを防止している。また、固定電極14と可動電極15を覆うように、遮断室8内に金属製の絶縁容器用アークシールド20が設けられ、これにより発弧域より発生する金属蒸気が絶縁容器9の内面に付着することを防止している。この真空バルブの開閉操作は、図示しない駆動機構に連結された可動電極棒13を介して行われる。
図2には、真空遮断器に搭載される真空バルブ7に適した本発明の接点材料の断面図を示す。
本発明の接点材料は真空バルブの開閉接点として用いるのに特に適しており、Cuを主体とする母材中にCr粒子とCu-Te相とTe-Cu-Cr相が混在したCuとCrとTeからなる化合物を分散させたもので、この明細書ではCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料と呼ぶこともある。また、CuとCrとTeからなる化合物をCuCrTe化合物と呼ぶこともある。
本発明の接点材料は、Cuを主体とする母材中にCr粒子、並びにCuとCrとTeとからなる化合物が分散している接点材料であって、CuとCrとTeとからなる化合物はCu-Te相とTe-Cu-Cr相の二つの相から構成されており、Cr粒子は粒径38μm以上150μm以下であり、CuとCrとTeからなる化合物は粒径50μm以上100μm以下であり、20質量%以上40質量%以下のCrと、0.1質量%以上1.5質量%以下のTeと、残余のCuとを含むことを特徴とする接点材料である。
図2において、Cuを主体とした母材1の中には粗いCr粒子2と、微細なCr粒子3と、CuCrTe化合物4とが分散している。CuCrTe化合物4は母材1とCr粒子2との粒界にも分散している。CuCrTe化合物4はCu-Te相5とTe-Cu-Cr相6が混在した状態で形成されている。
Cuを主体とした母材1には焼結過程の拡散により微量のCrとTeが含まれている。また、本発明の接点材料には、例えばAg、Al、Fe、Si、P、O、N、Hなどの、原料に含まれている微量の不可避の不純物も含有されている。
本発明に係わる接点材料のCr含有量は20質量%以上40質量%以下である。Cr量20質量%未満では接触抵抗は下がるが、耐電圧性能の低下や遮断時のアーク熱による損傷が大きく、本発明の接点材料としては不適当である。一方、40質量%を越える場合では耐電圧性能は向上するが遮断性能が低下するため、本発明の接点材料としては不適当である。
Te含有量は0.1質量%以上1.5質量%以下が好ましい。Te量0.1質量%未満ではCu−Cr接点材の特性を損なわないが、耐溶着性への改善効果がない。一方、1.5質量%を越える場合では耐溶着性は向上するが、材料自体が脆くなり、本発明の接点材料としては不適当である。ろう付け強度を確保するために必要なCuCrTe化合物を得るには0.1質量%以上1.5質量%以下のTeを含有することが必要である。
真空バルブ用接点材料は高真空中で使用されるため、接点材内部の残留ガスが少なく、密度比は理論密度に近い方が好ましい。性能に悪影響を与えない密度比としては90%以上が好ましい。
本発明に係わる接点材料の製造条件においては、密度比が75%以上のCu-Cr-Te圧粉体を成形し、1060℃からCuの融点(1083℃)未満の温度で焼結を行うことが好ましい。
密度比75%未満の圧粉体を用いた場合は、密度比90%以上の焼結体が得られないため不適当である。焼結温度が1060℃未満で焼結させた場合も密度比90%以上の焼結体が得られないため不適当である。Cuの融点(1083℃)を超える温度で焼結した場合は、Teが蒸発し組成の制御が難しくなり、且つ本発明のCuCrTe化合物が得られないため不適当である。
このように本発明の接点材料の製造方法は、粒径が38μm以上150μm以下のCr粉末を20質量%以上40質量%以下と、粒径が1μm以上100μm以下のTe粉末を0.1質量%以上1.5質量%以下と、粒径が1μm以上75μm以下のCu粉末とを混合し、密度比75%以上となるように加圧成形した圧粉体を、1060℃以上1083℃未満で加熱して焼結することを特徴とするものである。
実施例1.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末とを、Cuが74質量%、Crが25質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比(圧粉体の密度/目標組成接点材料の理論密度×100)が75%以上となるように圧粉体を成形した。ここでは圧力を450MPaで成形した。
この圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行った。これにより、密度比97.0%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。圧粉体中に分散していたTe粉末は、焼結によりCu-Te相とTe-Cu-Cr相が混在したCuCrTe化合物に変化させた。
CuCrTe化合物について波長分散型X線分光(WDS)で定量分析を行った結果、Cu-Te相はCuが51質量%以上54質量%以下、Teが46質量%以上49質量%以下でCuTeに近いものであった。また、Te-Cu-Cr相はTeが64質量%以上67質量%以下、Cuが22質量%以上25質量%以下、Crが9質量%以上11質量%以下で、TeCuCrに近いものであった。
このようにして製造した本発明の真空バルブ用接点材料について、遮断性能、耐電圧性能、耐溶着性、ろう付け性を評価した。遮断性能はスパイラル形状の直径35mmの接点を真空バルブに組み込み、それを遮断器に取り付けて定格電圧7.2kV、遮断電流12.5kAの短絡遮断試験を実施し遮断の可否を評価した。
耐電圧性能は直径20mmの接点を真空バルブに組み込み、インパルス電圧120kVを150回印加し、閃絡した電圧を測定し評価した。耐電圧性能の評価は、Cu-25質量%Cr接点材(後述の比較例1)の特性を1として相対比較値で表した。
耐溶着性は直径35mmの接点を組み込んだ真空バルブに30kgfの接圧を負荷し、32.5kAを0.5サイクル通電し、ロードセルによって溶着引き外し力を測定し評価した。耐溶着性の評価もCu-25質量%Cr接点材(後述の比較例1)の特性を1として相対比較値で表した。
ろう付け強度は各接点材料を真空バルブに組み込み、真空バルブのフランジとセラミックス部の接合部の強度を引張試験により測定し評価した。なお、フランジとセラミックス部は銀ろう材を用いて真空中800℃以上の温度でろう付けを行った。
実施例2.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末とを、Cuが74.9質量%、Crが25質量%、Teが0.1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。
この圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行った。これにより、密度比97.5%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。
作製した接点材料の評価方法は実施例1の評価方法と同様の方法で実施した。
実施例3.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末を、Cuが79質量%、Crが20質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。
この圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行った。これにより、密度比98%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。作製した接点材料の評価方法は実施例1と同様の方法で実施した。
実施例4.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径45μm以上125μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末とを、Cuが59質量%、Crが40質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。
この圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行った。これにより、密度比96.2%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。
作製した接点材料の評価方法は実施の形態1と同様の方法で実施した。
比較例1.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末とを、Cuが75質量%、Crが25質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。続いて圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行い、密度98.1%のCu-Cr接点材料を得た。
作製した接点材料の評価方法は実施例1について説明した方法で実施した。即ち、耐溶着性については直径35mmの接点を組み込んだ真空バルブに30kgfの接圧を負荷し、32.5kAを0.5サイクル通電し、ロードセルによって溶着引き外し力を測定し評価した。この耐溶着性の評価(比較例1:Cu-25質量%Cr接点材の特性)を1として他の接点材料の例の評価の基準として用い、発明の実施例および他の比較例の評価を相対比較値で表した。
比較例2.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末を、Cuが75質量%、Crが25質量%、Teが0.03質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。続いて圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行い、密度98.1%のCu-Cr接点材料を得た。
作製した接点材料の評価方法は実施例1の評価と同様の方法で実施した。
比較例3.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末とを、Cuが75質量%、Crが25質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。続いて圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1050℃で4時間の焼結を行い、密度95.1%のCu-Cr-Te接点材料を得た。
作製した接点材料の評価方法は実施例1の評価と同様の方法で実施した。
比較例4.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径150μm以上180μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下で純度99%以上のTe粉末とを、Cuが75質量%、Crが25質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。続いて圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行い、密度比97.3%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。
作製した接点材料の評価方法は実施例1の評価と同様の方法で実施した。
比較例5.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm未満で純度99%以上のCr粉末と、粒径75μm以下の純度99%以上のTe粉末とを、Cuが75質量%、Crが25質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。続いて圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行い、密度比97.0%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。作製した接点材料の評価方法は実施例1と同様の方法で実施した。
比較例6.
粒径75μm以下で純度99.9%のCu粉末と、粒径38μm以上150μm以下で純度99%以上のCr粉末と、粒径100μm以上150μm以下の純度99%以上のTe粉末とを、Cuが75質量%、Crが25質量%、Teが1質量%となるように配合し、Vミキサーで混合した。
この混合粉末を金型に充填して加圧成形し、密度比が75%以上となるように圧粉体を成形した。続いて圧粉体を水素雰囲気炉にセットし、1075℃で4時間の焼結を行い、密度比97.1%のCu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料を得た。作製した接点材料の評価方法は実施例1と同様の方法で実施した。
図3に本発明の接点材料と比較例との評価結果を表にして示す。比較例はいずれも組成、化合物相数および粒子径のうちの少なくとも一つが本発明の接点材料の条件を満たしていないものである。
比較例1と比較例2の接点材料は通電後に溶着が発生し、この時の引き外した時の特性を1として実施例1〜4の特性を調べた。その結果、Cu-Cr-CuCrTe化合物の接点材料は遮断性能と耐電圧性能を維持しながら、溶着引き外し力を小さくする効果があることが明らかになった。なお、実施例1と実施例3の耐電圧性能は、比較例1や比較例2に比べて若干低下しているが実用上問題の無い範囲であった。
比較例3の接点材料は、焼結温度1050℃で作製したもので、TeはCuとTeの化合物となっていた。この接点材料を用いた場合の真空バルブのろう付け性は、フランジとセラミックス部の接合部を引張試験で評価したところ2500kg未満で引き剥がされた。これに対し、1060℃以上で焼結させる本発明の真空バルブのフランジとセラミックスの接合部はフランジが変形するほどの力で引張っても引き剥がれず、良好な接合強度が得られた。なお、Cuの融点(1083℃)を超える温度で焼結した場合は、Teが蒸発し組成の制御が難しくなり、且つ本発明のCuCrTe化合物が得られないため不適当である。この結果から、1060℃以上1083℃未満で加熱して焼成した本発明のCuCrTe化合物を分散させた接点材料がろう付け性を改善する効果があることがわかる。
比較例4はCr粒径が150μm以上180μm以下で、本発明のCr粒径の上限値である150μmを超えた場合である。150μmを超える粒子が混在する場合、Cuの母材中にCr粒子が均一に分散せず遮断性能にバラツキが生じ、遮断不可であった。また、比較例5は本発明のCr粒径の下限値である38μm以下の場合で、耐電圧性能にバラツキを生じた。比較例4および比較例5に対して、実施例1では耐溶着性を維持しながら良好な遮断性能、耐電圧性能を得ることができ、Cr粒径は38μm以上150μm以下が好ましい範囲であることがわかる。
比較例6は粒径100μm以上150μm以下のTeを用い、本発明のTe粒径の上限値である100μmを超えた場合である。接点内のCuCrTe化合物は100μmを超えるものが混在し、分散が不均一になることから耐溶着性にバラツキを生じた。なお、粒径1μm未満のTe粉末は粉末の回収率が悪いため下限としている。これに対し、実施例1〜4の1μm以上100μm以下のTeを用いた場合は、CuCrTe化合物が均一に分散しているので耐溶着性のバラツキは小さく、バラツキが低減されるという効果がある。
以上の結果から、本発明のCu-Cr−CuCrTe化合物の接点材料は、遮断性能と耐電圧性能を確保しながら優れた耐溶着性とろう付け性を実現し得るという効果がある。
真空遮断器に搭載される真空バルブの断面図である。 本発明の真空バルブ用接点材料の断面図である。 本発明の真空バルブ用接点材料を評価した結果を表で示す図である。
符号の説明
1 母材、2、3 Cr粒子、4 Cu-Cr-Te化合物、5 Cu-Te相、6 Te-Cu-Cr相、7 真空バルブ、8 遮断室、9 絶縁容器、10a、10b 封止金具、11a、11b 金属製蓋、12 固定電極棒、13 可動電極棒、14 固定電極、15 可動電極、16 固定接点、17 可動接点、18 ベローズ、19 ベローズ用アークシールド、20 絶縁容器用アークシールド。

Claims (4)

  1. Cuを主体とする母材中にCr粒子、並びにCuとCrとTeとからなる化合物が分散している接点材料であって、
    CuとCrとTeとからなる化合物はCu-Te相とTe-Cu-Cr相の二つの相から構成されており、
    Cr粒子は粒径38μm以上150μm以下であり、CuとCrとTeからなる化合物は粒径0.1μm以上100μm以下であり、
    20質量%以上40質量%以下のCrと、0.1質量%以上1.5質量%以下のTeと、残余のCuとを含むことを特徴とする接点材料。
  2. 密度比が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の接点材料。
  3. 粒径が38μm以上150μm以下のCr粉末を20質量%以上40質量%以下と、粒径が1μm以上100μm以下のTe粉末を0.1質量%以上1.5質量%以下と、粒径が1μm以上75μm以下のCu粉末とを混合し、
    密度比75%以上となるように加圧成形した圧粉体を、
    1060℃以上1083℃未満で加熱して焼結することを特徴とする接点材料の製造方法。
  4. 密度比が80%以上85%以下であることを特徴とする請求項3に記載の接点材料の製造方法。
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