JP2000188045A - 真空遮断器及びそれに用いる真空バルブとその電極 - Google Patents

真空遮断器及びそれに用いる真空バルブとその電極

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JP2000188045A
JP2000188045A JP10366320A JP36632098A JP2000188045A JP 2000188045 A JP2000188045 A JP 2000188045A JP 10366320 A JP10366320 A JP 10366320A JP 36632098 A JP36632098 A JP 36632098A JP 2000188045 A JP2000188045 A JP 2000188045A
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arc
vacuum
conductive metal
arc electrode
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JP10366320A
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Shigeru Kikuchi
菊池  茂
Yoshitomo Goto
芳友 後藤
Masahito Kobayashi
将人 小林
Hitoshi Okabe
均 岡部
Katsuhiro Komuro
勝博 小室
Masao Shimizu
政男 清水
Noboru Baba
馬場  昇
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、耐溶着性及び遮断性能の高い
電極を備えた真空遮断器とそれに用いる真空バルブ及び
その真空バルブ用電極を提供する。 【解決手段】本発明は、固定側電極及び可動側電極は耐
火性金属粒子と高導電性金属との合金からなるアーク電
極,該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電極
支持部と、該電極支持部より細径である裏導体及び該裏
導体より大径である外部導体接続部を有し、前記アーク
電極と電極支持部,裏導体及び外部導体接続部とは前記
高導電性金属好ましくはその金属の溶融によって一体に
形成され、アーク電極の酸素量が400〜5000ppm
であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な真空遮断器
とそれに用いる真空バルブ、更にそれに用いられる真空
バルブ用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器内の電極構造は、一対の固定
電極及び可動電極からなっている。上記固定及び可動電
極の構造は、アーク電極と該アーク電極を支持するアー
ク支持部材と、該アーク支持部材に連なるコイル電極材
とコイル電極端部には電極棒の4部品から構成されてい
る。
【0003】上述したアーク電極材は、高電圧,大電流
を開閉遮断するために直接アークにさらされる、アーク
電極に要求される満足すべき特性は、遮断容量が大きい
こと、耐電圧値が高いこと、接触抵抗値が小さいこと
(電気伝導に優れていること)、耐溶着性に優れているこ
と、接点消耗量が少ないこと及び裁断電流値が小さいこ
と、等基本的な要件が挙げられる。しかし、これらの特
性を全て満足させることは困難であって一般には用途に
応じて特に重要な特性を重視し、他の特性はある程度犠
牲にした材料が使用されている。大電流,高電圧遮断用
アーク電極材料としては、特開昭63−96204 号公報には
Cr又はCr−CuスケルトンにCuを溶浸させる方法
が開示されている。また、同様の製法は特公昭50−2167
0 号公報にも開示されている。
【0004】真空遮断器の一部を構成する真空バルブ内
には、一対の固定電極と可動電極とを対応配置し、互い
に接する側にアーク電極が用いられる。両電極は背面に
接続した支持部材が外部に延び、これらの電極及び支持
部材は導電性母材より形成される。
【0005】アーク電極は、高電圧,大電流を開閉する
ために直接アークにさらされる。アーク電極に要求され
る満足すべき特性は、遮断容量が大きいこと、耐電圧値
が高いこと、接触抵抗値が小さいこと(電気伝導に優れ
ていること)、耐溶着性に優れていること、接点消耗量
が少ないこと及び裁断電流値が小さいこと等、基本的な
条件が挙げられる。
【0006】しかし、これらの特性を全て満足させるこ
とは困難であって、一般には用途に応じて特に重要な特
性を重視し、他の特性はある程度犠牲にした材料が使用
されている。大電流,高電圧遮断用アーク電極として
は、特開昭63−96204 号公報にはCrまたはCr−Cu
スケルトンにCuを溶浸させる方法が開示されている。
また、同様の製法は特公昭50−21670 号にも開示されて
いる。
【0007】アーク電極の製造方法は、Cr粉末,Cu
粉末、Nb,Si,Ti,Zr,Hf,V,Ta,M
o,W,Fe,Co,Ni,Mnなどの粉末あるいはこ
れらの混合粉を所定の組成,形状,空孔量に成形,焼結
後、焼結体のスケルトンにCuあるいはその合金溶湯を
しみこませるいわゆる溶浸法が、あるいは溶浸前の焼結
工程で密度を100%にするいわゆる粉末冶金法により
製造されたアーク電極を、更に機械加工して所定形状と
する。支持部材は、純Cu素材から所定形状にそれぞれ
切り出し加工される。
【0008】このようにして溶浸後機械加工されたアー
ク電極背面に支持部材をろう付けして一連の電極構造と
なる。しかし、ろう付け方法はアーク電極,支持部材の
それぞれの間に濡れ性の良好なろう材を入れ、真空中あ
るいは還元雰囲気中で昇温しろう付け接合されるが、ろ
う付け接合を用いて構成される電極は、各部材の機械加
工とろう付けのための組立に非常な手間と時間がかか
り、併せて、ろう付け不良によるアーク電極の破壊や脱
落の事故原因となる。
【0009】そこで、製造過程において前述のアーク電
極、支持部材を一体化する方法として、アーク電極の構
成成分からなる混合粉末を所定の組成,形状,空孔量に
成形したスケルトン上に、支持部材を構成する高導電性
金属を載置し、これらを昇温しアーク電極を構成するス
ケルトンに高導電性金属を溶浸するとともに、高導電性
金属の残部をもって支持部材を形成する、いわゆる一体
溶浸法が開発された。この製法は特開平7−29461号公報
に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一体溶浸法によれば、
各部材毎の機械加工やろう付けのための部品組立が不要
となり、生産性が飛躍的に向上するとともに、ろう付け
不良によるアーク電極の破壊や脱落が無く、信頼性及び
安全性に優れた電極が得られる。また、溶浸の際、支持
部材を構成する高導電性金属を溶解するための高温加熱
により、アーク電極を構成する成分の一部が溶融し、溶
湯化した高導電性金属に対して拡散,固溶し、支持部材
の強度が向上するという利点を併せ持つ。
【0011】アーク電極を構成するスケルトンに高導電
性金属を健全に溶浸するためには、高導電性金属がスケ
ルトンに対して良好な濡れ性を持ち、溶浸後はスケルト
ン成分と高導電性金属とが化学的に良好な結合を持つこ
とが必要である。そのためにスケルトンを構成する原料
粉末には、不純物及び表面の酸化膜等が少ない、純度の
高い粉末を用いていた。これにより、健全な組織を持つ
アーク電極が得られる。
【0012】しかしながらその一方で、そのアーク電極
を用いた真空バルブの遮断性能が不十分で、不安定であ
った。特にアーク継続時間が長い場合に遮断性能が劣る
という問題があった。本発明者らは、実験的に、酸素量
の比較的多いCr粉末を原料として用いた場合に、遮断
性能に優れたアーク電極が得られることを見い出した。
また、Cr粉末表面には酸化膜が存在し、Cuとの濡れ
不足による欠陥が生じやすくなるが、溶浸温度とその保
持時間を制御することにより、健全な組織を持つアーク
電極を得るための製造条件を見い出した。さらに、この
アーク電極は十分な強度を持ちながらも、純度の高いC
r粉末を用いたアーク電極に比べて伸びが小さく、相手
側電極と溶着した場合にも小さな引き離しエネルギーで
開離でき、耐溶着性に優れたアーク電極であることがわ
かった。
【0013】本発明の目的は、アーク継続時間が長い場
合の遮断性能及び耐溶着性に優れた真空遮断器用電極と
それを用いた真空バルブ及び真空遮断器を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、好ましくは絶
縁性である真空容器内に固定側電極と可動側電極とを備
えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極と
可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された導
体端子と、好ましくは前記可動側電極に接続された絶縁
ロッドを介して接続された前記可動側電極を駆動する開
閉手段とを備えた真空遮断器において、前記固定側電極
及び可動側電極は耐火性金属粒子と高導電性金属と好ま
しくは低融点金属とを含む合金からなるアーク電極と、
該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電極支持
部と、該電極支持部より細径である裏導体及び該裏導体
より大径である外部導体接続部を有し、前記アーク電極
と電極支持部裏導体及び外部導体接続部とは前記高導電
性金属好ましくはその金属の溶融によって一体に形成さ
れ、前記アーク電極の酸素量が400〜5000ppm で
あり、好ましくは前記耐火性金属粒子は全耐火性金属に
対して重量で粒径140μm以上が5%以下,70μm
〜140μm未満が45〜90%,40μm〜70μm
未満が7〜35%及び40μm未満が0.5 〜15%で
あることを特徴とする真空遮断器にある。
【0015】本発明の電極は後述するように電極支持部
と裏導体とを高導電性金属に他の金属を加えた強度の高
い合金を用いることによって特に裏導体の径をより小さ
くでき、その結果発生するアークの駆動がより速くで
き、局部的な加熱が防止できることから同じ遮断容量で
比較してよりアーク電極の径を小さくできる。そして、
裏導体の直径をアーク電極の直径の半分以下にできる。
【0016】また、細径になった裏導体のままではアー
クの熱を放散できないので、それにより大径にした外部
導体接続部を設けることにより放熱を高め小型でより大
容量遮断ができるものである。
【0017】Cu,Ag及びAuの1種からなる高導電
性金属又はこれらを主にした高導電性合金と、好ましく
はPb,Bi,Te及びSbの1種又は2種以上との合
金からなり、前記電極支持部は前記高導電性金属又は合
金からなるのが好ましい。
【0018】更に、前記アーク電極はCr,W,Mo及
びTaの1種又は2種以上の合計量20〜60重量%と
Cu,Ag及びAuの1種又はこれらを主にした合金3
5〜80重量%と、Crに対してはNb,Si,Ti,
Zr,Hf,V,Ta,Mo,W,Fe,Co,Ni,
Mnの1種又は2種以上を1〜13重量%、酸素400〜
5000ppm とを含む合金が好ましく、更に好ましくは
Pb,Bi,Te及びSbの1種又は2種以上の合計量
1.0 重量%以下とを含む合金からなり、前記電極支持
部,裏導体及び外部導体接続部はCr,Ag,W,V,
Nb,Mo,Ta,Zr,Si,Be,Ti,Co,F
eの1種又は2種以上の合計量が2.5重量%以下とC
u,Ag又はAuとの合金からなるものが好ましい。
【0019】本発明におけるアーク電極は多孔質耐火金
属中に含浸した高導電性金属との複合合金よりなり、前
記アーク電極と電極支持部,裏導体及び外部導体接続部
とは好ましくは前記高導電性金属の溶融によって一体に
形成されているのが好ましい。
【0020】本発明における電極支持部は0.2%耐力
が10kg/mm2以上で、比抵抗が2.8μΩcm以下のものが
好ましい。
【0021】本発明は、前記固定側電極と可動側電極は
互いに接触するアーク電極部中央に真円の凹部が設けら
れているものである。
【0022】前記アーク電極,電極支持部,裏導体及び
外部導体接続部は前記高導電性金属の溶融凝固又は粉末
冶金による固相接合によって一体に形成することが好ま
しい。
【0023】前記アーク電極及び電極支持部に貫通した
複数本、好ましくは3〜6本のスパイラル状のスリット
溝、又は直線状のスリット溝が設けられているのが好ま
しい。
【0024】本発明は、好ましくは絶縁性の真空容器内
に固定側電極と可動側電極とを備えた真空バルブと、該
空気バルブ内の前記固定側電極と可動側電極との各々に
前記真空バルブ外に接続された導体端子と、好ましくは
前記可動側電極に接続された絶縁ロッドを介して前記可
動側電極を駆動する開閉手段とを備えた真空遮断器にお
いて、前記固定側電極及び可動側電極は耐火性金属粒子
と高導電性金属とを有する合金からなるアーク電極と、
該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電極支持
部とを有し、前記アーク電極と電極支持部とは前記高導
電性金属によって一体に形成され、前述と同様の酸素量
を有し、前記真空容器は円筒であり、定格電圧(kV)
と遮断電流実効値(kA)とを乗算した値(y)が前記
真空容器外径x(mm)より以下の(1)式によって求めら
れる値以下で、以下の(2)式によって求められる値以
上の範囲内とするものが好ましい。
【0025】 y=11.25x−525 …(1) y=5.35x−242 …(2) 本発明は、前記アーク電極の直径y(mm)は定格電圧
(kV)と遮断電流実効値(kA)とを乗算した値x
(kVA×103 )より以下の(3)式によって求めら
れる値以下で、以下(4)式によって求められる値以上
の範囲内とするのが好ましい。
【0026】 y=0.15x+22 …(3) y=0.077x+18 …(4) 本発明は、前記真空容器は好ましくは円筒状の絶縁容器
からなり、該真空容器の外径y(mm)は前記アーク電極
の直径x(mm)より以下の(5)式によって求められる
値以上で、以下の(6)式によって求められる値以上の
範囲内とするのが好ましい。
【0027】 y=1.26x+10 …(5) y=1.26x+30 …(6) 前記真空バルブは3相に対しては3組あり、該3組の真
空バルブを横に並べて樹脂の絶縁筒によって一体に組込
んだものが好ましい。
【0028】また、本発明は、高真空に保たれた好まし
くは絶縁容器からなる真空容器内に固定側電極と可動側
電極とを備えた真空バルブにおいて、前記両電極は耐火
性金属粒子と高導電性金属と、更に好ましくは低融点金
属とを含む複合部材よりなるアーク電極と、該アーク電
極を支持する高導電性金属からなる電極支持部と、該電
極支持部より細径である裏導体及び該裏導体より大径で
ある外部導体接続部を有し、前記アーク電極と電極支持
部,裏導体及び外部導体接続部とは前記高導電性金属に
よって一体に形成され、前記アーク電極は前述の酸素量
を含むことを特徴とする。
【0029】本発明における真空バルブの電極の構成は
前述と同様である。
【0030】本発明は、耐火性金属粒子と高導電性金属
と好ましくは低融点金属とを有する合金からなるアーク
電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属からなる
電極支持部と、該電極支持部より細径である裏導体及び
該裏導体より大径である外部導体接続部を有し、前記ア
ーク電極と電極支持部,裏導体及び外部導体接続部とは
前記高導電性金属の溶融又は固相拡散接合によって一体
に形成され、前記アーク電極は前述の酸素量を含むこと
を特徴とする真空バルブ用電極にある。
【0031】本発明の真空バルブ用電極の製造法とし
て、前記アーク電極は耐火性金属を有する多孔質焼結体
上に前記高導電性金属を載置し、該高導電性金属を溶融
又は固相拡散接合して前記多孔質体中に溶浸又は拡散接
合させることにより形成し、前記電極支持部以降は前記
溶浸後に残留する前記高導電性金属の厚さ又は高導電性
金属部分を前記電極支持部以降として必要な厚さに設定
することによって形成することが好ましい。特に、本発
明の溶浸においては前述の多孔質体の焼結時に低融点金
属の融点付近の固相状態で十分な時間加熱することによ
りその金属を耐火性金属粒子及び高導電性金属粒子に拡
散接合させて、溶浸での低融点金属の脱落を防止するも
のである。その加熱温度としては融点より30〜100
℃低い温度で加熱するのが好ましい。
【0032】また、本発明の溶浸においては、前記アー
ク電極と電極支持部とを前記高導電性金属の前記アーク
電極への溶浸及び所望の厚さに凝固させて一体に形成
後、所望の温度に保持させて前記高導電性金属中に過飽
和に固溶した金属又は金属間化合物を析出させる熱処理
工程を有することが好ましい。
【0033】前記真空バルブ用電極は固定側電極又は可
動側電極に用いることができる。
【0034】真空遮断器の電極構造は、アーク電極,ア
ーク電極支持部材,裏導体及び外部導体接続部からな
り、アーク電極は耐火金属と導電性金属との複合合金か
らなり、前者にはCr,W,Mo,Ta等の約1800
℃以上の高融点の金属が用いられ、後者の高導電性金属
にはCu,Ag,Auの1種又はこれらを主にした合金
が用いられる。アーク電極支持部材以降には特に純Cu
が好ましいが、強度が小さいことからこれら各部材の変
形防止対策として前述の添加元素を含む高導電性金属か
らなる合金又は鉄系材料の純Fe,ステンレス鋼で補強
し電極の変形防止に努めている。特に、アーク電極とし
てCrを用いた場合に、前述のNb,Si,Ti,Zr
等の添加元素は後述する様に優れた作用効果が得られ
る。
【0035】アーク電極は、耐火金属が20〜65重量
%、特に好ましくは35〜60重量%とCu,Ag及び
Auの1種又はこれらを主にした合金35〜80重量
%、好ましくは35〜65重量%及び後述の添加元素と
の合金、又はこれにPb等を1重量%以下、好ましくは
0.1〜0.6重量%とを含む合金で、特に前者の多孔質
焼結体又は10重量%以下の高導電性金属を含む多孔質
焼結体中に高導電性金属を溶融含浸させた複合材とする
のが好ましい。
【0036】また、アーク電極と電極支持部以降の2層
構造とし、電極支持部以降はアーク電極を補強支持する
もので、その半分以上の厚さとするのが好ましく、特に
それと同等以上の厚さとすることが好ましい。多孔質焼
結体は空隙率を50〜70%とすることが好ましい。耐
火金属としては特に、耐電圧特性を高めるためにCrに
対して1〜13重量%、好ましくは0.5 〜2重量%の
Nb,V,Fe,Ti,Zr,Hf,Ta,Mo,W,
Co,Ni,Mnの1種又は2種以上を含むことができ
る。
【0037】本発明のアーク電極は重量でCr30〜6
0%及びNb0.5〜5.0%好ましくは0.5〜3.0%
を含むCu溶浸合金又はこれにPb0.1〜0.5%を含
む合金からなるのが好ましい。
【0038】本発明はアーク電極材とアーク電極支持部
材以降の部材とは金相学的に連続した一体構造で構成と
するものである。この結果、前述のスリット溝をアーク
電極支持部まで形成でき、遮断時のアーク発生による発
熱による従来のろう付けによる問題が生じないのでより
小型化が可能となるとともに高い電流の遮断が可能にな
った。
【0039】また、本発明によれば、電極を構成するア
ーク電極材,アーク電極支持部材,裏導体及び外部導体
接続部は、金相学的に連続した一体構造で構成されると
同時に一体構造の電極製造と同一工程内で形成されるア
ーク電極支持部材以降の高導電性金属には、0.01〜
2.5重量%のCr,Ag,W,V,Zr,Si,M
o,Ta,Be,Nb,Tiの1種又は2種以上をA
u,Ag,Cu中に含有せしめたものを用いることがで
きる。したがって、アーク電極支持部材以降の材料の電
気導伝性をあまり低下させずに機械的強度、特に耐力を
大幅に高めることができる。その結果、電極間の接触圧
力の増大,電極開閉時の衝撃力にも充分対応でき、経時
的な変形も解決できる。
【0040】このように、アーク電極材とアーク電極支
持部材以降とは非接合であるとともに金相学的に連続し
た一体化構造にしたことと、上記核部材の高強度化の組
合わせにより従来の電極構造に比べて悪影響を除去した
より信頼性及び安全性の高い真空遮断器を提供できる。
【0041】本発明における溶浸法によれば、Cr,
W,Mo,Ta粉末とCu,Ag,Au粉末あるいはP
b,Bi,Te,Sb粉末等の他の任意の金属粒子とを
所定組成に混合し、その混合粉を所定の空隙含有率にな
るように成形後、焼結し多孔質焼結体を形成する。その
後、純Cu,Ag,Au又はこれらの合金からなるブロ
ックを前記焼結体上に載置し、溶融させて多孔質焼結体
の空隙に純Cu又はCu合金等の金属を溶浸させる。そ
の時、溶融溶浸材中への焼結体組成元素の液相拡散を積
極的に利用し、溶融溶浸材を前述の含有量となるように
合金化する。溶浸完了後の鋳塊を所定形状の電極に加工
する。
【0042】高導電性金属の溶浸に際しては溶浸の温度
と保持時間によって高導電性金属への多孔質体金属の溶
解量をコントロールでき、特に電極支持部以降に対する
比抵抗と強度とを考慮して温度及び時間が設定される。
勿論高導電性金属に対して予め合金元素を加えた合金を
用いることもできるので、両者を考慮して決定される。
その結果、前述の強度が高く、比抵抗の低いものが得ら
れることから高い性能のものが得られる。
【0043】本発明における電極は前述の如く所望の形
状で溶浸と鋳造技術との組合わせによって求めるものを
作ることができるが、前述した最終形状として切削加工
によって得られる。
【0044】真空遮断器は、断路器,接地開閉器,避雷
器,変流器とともに用いられ、高層ビル,ホテル,イン
テリジェントビル,地下街,石油コンビナート,各種工
場,駅,病院,会館,地下鉄,上下水道等の公共設備な
どの電源として欠かせない高圧受変電設備として用いら
れる。
【0045】本発明のアーク電極は、この組成を有する
ことにより、遮断性能に優れ、耐電圧値の高いアーク電
極が得られる。Nb,Si,Ti,Zr,Hf,V,T
a,Mo,W,Fe,Co,Ni,Mnは、アーク遮断
時に電極から発生するガスを吸着する、いわゆるゲッタ
ー作用を持ち、ガスを取り除くことによりアーク遮断を
容易にする。また、それぞれはCu中に固溶したCrと
反応し、Cr化合物を形成する。このCr化合物は脆性
で、容易に破壊の起点となることから、接点材料の耐溶
着性を向上させる。含まれる酸素は、製造過点、あるい
は遮断時のアーク加熱により、含まれる成分のNb,S
i,Ti,Zr,Hf,V,Ta,Mo,W,Fe,C
o,Ni,Mnらと反応し、これらの酸化物を作り、こ
の酸化物は融点が高く、硬質で、アーク電極内に微細に
かつ均一に分散することにより、アーク電極の耐熱性を
上げ、耐溶着性の向上に貢献する。
【0046】また、本発明の製造方法は、高導電性金属
であるCu粉末と、高融点金属であるCr粉末と、N
b,Si,Ti,Zr,Hf,V,Ta,Mo,W,F
e,Co,Ni,Mnのうちの1種又は2種以上の粉末
とからなる混合粉末を圧粉した圧粉体に、高導電性金属
であるCuを真空中で溶融含浸させることにより、前述
の組成を持つアーク電極が容易に得られ、また、含浸す
る高導電性金属であるCuの残部をもって、アーク電極
背面に連なる支持部材を形成することができ、両者を金
相学的に一体化することが可能となる。
【0047】原料として、酸素を2000〜10000
ppm 含むCr粉末を用いることにより、製造過程におい
てNb,Si,Ti,Zr,Hf,V,Ta,Mo,
W,Fe,Co,Ni,Mnらと酸素の一部が反応し、
前述の所望の組成が得られる。
【0048】また、上記の本発明による真空遮断器用ア
ーク電極の製造方法は、用いるCr粉末の粒度分布を、
106μm以上の粒子が5重量%以下、75μm以上の
粒子が50重量%以下、44μm以下の粒子が10重量
%以上とするのが好ましい。さらに、用いるCu粉末の
粒径は74μm以下、用いるNb,Si,Ti,Zr,
Hf,V,Ta,Mo,W,Fe,Co,Ni,Mnの
うちの1種又は2種以上の粉末の粒径は74μm以下と
するのが好ましい。これらの原料粉末の粒径、あるいは
粒度分布を有することにより、均一で健全な溶浸組織を
持ち、前述の組成が製造過程、あるいは遮断時のアーク
加熱により容易に得られる。
【0049】上記の本発明による真空遮断器用アーク電
極の製造方法における、前記圧粉体へのCuの溶融含浸
は、1160℃〜1300℃の温度で1時間〜4時間保
持するものである。この温度及び保持時間で溶浸するこ
とにより、欠陥のない、健全な溶浸組織を得ることがで
きる。
【0050】
【発明の実施の形態】実施例1 図1は、本発明で製作したアーク電極1の鋳塊断面を示
すものである。ここで2はCu製のアーク電極支持部で
ある。具体的な製造方法について、図2を用いて説明す
る。
【0051】(1).用いた原料粉末の酸素量及び粒径・粒
度分布を表1に示す。Cr粉末には、本発明に即したも
の(実施例)と比較例との2種類を用いた。57重量%
のそれぞれのCr粉末と38.5重量%のCu粉末と4.
5重量%のNb粉末とをVミキサーにより混合後、直径
60mmの金型を用いて、実施例の場合には成形圧力1.8t
on/cm2で、比較例の場合には1.5ton/cm2 で直径6
0mm、厚さ9mmのアーク電極用圧粉体を作製した。
【0052】
【表1】
【0053】(2).黒鉛製るつぼの底にアーク電極用圧粉
体を置き、その上に溶浸用Cuインゴットを重ねてセッ
トする。
【0054】(3).黒鉛製るつぼを加熱用の真空電気炉内
に載置し、6.7×10-3Pa 以下の真空中で、溶浸温
度を1150℃から1350℃まで、保持時間を45分
から4.5 時間までとし、いくつか条件を変えて加熱し
た。この時、アーク電極用圧粉体中のCu及び溶浸用C
uインゴットは溶融し、アーク電極用圧粉体の空孔にC
uが充填される。これにより、得られるアーク電極の主
成分の組成は、およそCrが37重量%、Cuが60重
量%、Nbが3重量%となる。
【0055】(4).これらを凝固後に黒鉛製るつぼから取
り出すと、アーク電極が得られ、その上部にCr及びN
bが溶浸温度に応じて特にCrが0.6〜3.5重量%及
びNbが0.1 重量%以下固溶した支持部以降の部材が
形成される。
【0056】得られたアーク電極1のうち、断面組織を
電子顕微鏡により観察した。いずれも保持時間は2時間
である。実施例の場合、溶浸温度が約1150℃ではC
uの溶浸不足による欠陥がわずかに見られたが、116
0℃〜1300℃の温度範囲では欠陥のきわめて少ない
健全な組織が得られた。比較例の場合には、1150℃
〜1300℃の範囲で図5及び図6に示すような健全な
組織が得られた。溶浸温度が1300℃を超えると、実
施例,比較例の場合ともにアーク電極用圧粉体の層が結
合を失い浮上してしまい、溶浸用Cuインゴット側に分
散し、接点材料が得られなかった。
【0057】また、溶浸温度での保持時間が組織に及ぼ
す影響について調べた結果、実施例,比較例の場合とも
に、溶浸温度に関わらず、保持時間が1時間に満たない
とCuがアーク電極用圧粉体の空孔に入りきらず、欠陥
が多く、保持時間が4時間を超えるとアーク電極用圧粉
体の層がCuインゴット側に一部分散してしまい、得ら
れるアーク電極1の層が薄くなってしまうことが判っ
た。
【0058】なお、成分としてNb以外にSi,Ti,
Zr,Hf,V,Ta,Mo,W,Fe,Co,Ni,
Mnを添加した場合にも同様の結果が得られた。
【0059】以上により、本発明による製造条件、すな
わちアーク電極用圧粉体へのCuの溶融含浸は、116
0℃〜1300℃の温度で1時間〜4時間保持すること
により、健全な組織を持つアーク電極1が得られること
が証明された。
【0060】図1は、実施例1で製作されたアーク電極
を用いて切削加工した後の電極部を示したものである。
39はアーク電極1より細径にした裏導体、33は裏導
体39より大径である外部導体接続部である。
【0061】ここで、図1(a)は電極部の側面図、図
1(b)は電極部6を接点面から見た平面図である。
【0062】この電極部6は直線の溝を備えた電極であ
り、120°の角度で直線形状の溝7が設けられてい
る。この直線形状の溝7は機械加工によって形成するこ
とができる。溝7は円弧状でもよい。
【0063】本接点材料は、電極全体の一体に溶浸した
ものを示すが、溝7の加工の都合によってはアーク電極
支持部2を分割し、界面(2)でろう付けしてもよい。
溝7はアーク電極とその支持部とを貫通したものであ
る。
【0064】また、図示しないが、短絡電流が少ないタ
イプの真空遮断器の電極には直線形の溝7の無い単純
な、いわゆる平板形構造が用いられるが、これらの平板
形構造電極部においても、本発明により作製された接点
材料を用いることが可能である。
【0065】図2は図1にて説明した本発明の製造方法
により製作されたアーク電極を電極に使用した真空バル
ブの断面図を示したものである。
【0066】この真空バルブの基本的な構成は、絶縁材
で形成されたシリンダ8の上側開口部には固定側電極シ
ールリング9、下側開口部には可動側電極シールリング
10を設けて真空室を形成する真空容器を構成し、上記
固定側電極シールリング9の中程に固定側電極11を垂
設し、上記固定側電極の直下に位置する上記可動側電極
シールリング10の中程にガイド12に支持された可動
ホルダー13を昇降自在に設け、この可動ホルダー13
に可動側電極14を固定させることにより、上記固定側
電極11の固定側アーク電極15に対して上記可動側電
極14の可動側アーク電極16を接触可能なようにす
る。上記可動側電極シールリング10の内側に金属製ベ
ローズ17を伸縮するようにして被冠して設け、さら
に、上記両アーク電極の周りには円筒状をなす金属板の
中間シールド部材18を設置し、このシールド部材18
は上記シリンダ8の絶縁性を損なわず、また、可動側電
極14には可動側シールド19が設置されている。
【0067】さらに、上記アーク電極15,16は、前
述した本発明の製法により、それぞれ固定側・可動側電
極11,14に一体に結合されている。
【0068】固定側電極11及び可動ホルダー13は端
子に接続され、電流の通路となる。前記の部品は接合部
にろう材を載置して組立てられた後、真空雰囲気中で加
熱され、ろう付けされることにより、図8に示す真空バ
ルブ内を真空封止することができる。
【0069】次に、以上の方法により作製した真空バル
ブを用いて、遮断試験によりアーク電極の性能を調べた
内容について述べる。
【0070】本実施例,比較例それぞれのCr粉末を用
いて作製したアーク電極について、引張り試験を行った
結果を表2に示す。表2より、引張り強さは両者とも大
差ないが、伸びは実施例の場合に小さくなる。このこと
から、実施例のアーク電極の場合には、遮断時のアーク
加熱により相手側電極と溶着した際、伸びが小さいため
開離が容易となり、耐溶着性が向上する。
【0071】
【表2】
【0072】また、本実施例において組立てた真空バル
ブを真空遮断器を組込み、短絡遮断試験を実施した。実
施例,比較例それぞれのCr粉末を用いて作製したアー
ク電極を適用した真空バルブの試験結果を、それぞれ表
3,表4に示す。アーク電極組成は37Cr−60Cu
−3Nbである。表3に示すように、実施例のCr粉末
を用いて作製したアーク電極の場合、遮断電流24.5
kA,アーク時間8.9msまで遮断可能だったのに対
し、比較例のCr粉末を用いて作製したアーク電極で
は、表4に示すように17.1kA,8.4msで遮断不能
となり、特にアーク時間が長くなると遮断できなくなる
傾向にある。なお、成分としてNb以外にSi,Ti,
Zr,Hf,V,Ta,Mo,W,Fe,Co,Ni,
Mnを添加した場合についても、上記と同様の傾向が見
られた。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】さらに、表5にはアーク電極組成が57C
r−40Cu−3Nbの他の実施例を、表6には接点材
料組成が39Cr−60Cu−1Nbの他の実施例を示
す。表5に示すようにCr量が増えると、表3の場合に
比べて遮断性能が低下するが、表4に示す比較例よりは
大幅に遮断性能が向上する。表6に示すようにNb量を
減らすと、表3に比べて遮断性能が低下し、遮断性能に
対するNbの添加効果が実証された。表7にはアーク電
極組成が59Cr−40Cu−1Nbの他の実施例を示
すが、表3の場合に比べてCrを多くし、Nb量を減ら
すと低い短絡電流値で遮断不能が生じ、遮断性能が不安
定になることが判ったが、表4に示す比較例よりは遮断
性能が向上している。なお、成分としてNb以外にS
i,Ti,Zr,Hf,V,Ta,Mo,W,Fe,C
o,Ni,Mnを添加した場合についても、上記と同様
の傾向が見られた。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】以上のように、本発明に係わる原料粉末の
条件と製造方法により得られたアーク電極は、十分な強
度を持ちながらも、相手側電極と溶着した場合には小さ
な引き離しエネルギーで開離でき、耐溶着性に優れ、ま
たアーク時間が長い場合にも安定した遮断性能を有する
ことが証明された。
【0080】実施例2 表8は各種定格における真空バルブの諸元を示すもので
ある。本実施例における電極及び真空バルブは実施例1
に示す組成及び製法と同様である。
【0081】表8に示す様に、裏導体の直径は電極の直
径に対し0.30〜0.50、好ましくは0.35〜0.5
0、より具体的には0.38〜0.47倍と電極の直径の
半分以下と細径にすることができる。また、本実施例で
はアーク電極とアーク電極支持部との間をろう材を用い
ずに溶浸によって一体に形成されているので、アーク電
極と絶縁筒体との間隔を小さくでき、その間隔を10〜
15mm以内にでき、コンパクトにできる。
【0082】
【表8】
【0083】電極本体の厚みはアーク電極とその支持部
の合計である。47はボタン。ボタン47は所望の深さ
を有する真円からなる凹部で、図5に示す凹部5Aと同
じものである。
【0084】表8に示すように、本発明に係る真空バル
ブは定格の遮断容量の違いによって絶縁筒の外径,長
さ,裏導体の直径,電極本体の直径,厚さ,凹部径,凹
部深さ,スパイラル溝本数及びスパイラルが異なるもの
である。
【0085】図3は遮断電圧電流実効値(y)と絶縁筒
外径(x)との関係を示す線図である。遮断電圧電流実
効値は遮断電圧(kV)と遮断電流実効値(kA)とを
乗算したものである。図10に示すように遮断電圧電流
実効値(y)は11.25x−525と5.35x−24
1.5とで求められる値の間に入るように遮断電圧電流
実効値に対して絶縁筒外径とするのが好ましい。
【0086】図4はアーク電極直径(mm)と遮断電圧電
流実効値(×103kVA)との関係を示す線図である。
遮断電圧電流実効値(x)に対してアーク電極直径
(y)は、0.15x+22と0.077x+18とで求
められる値の間に設定することが好ましい。
【0087】図5は絶縁筒外径(y)とアーク電極直径
(x)との関係を示す線図である。絶縁筒外径(y)は
1.26x+10と1.26x+30とで求められる値の
間に設定することが好ましい。本実施例においてはy=
1.26x+19.6によって求められる値にほぼ設定さ
れている。
【0088】図6はアーク電極直径(y)と凹部直径
(x)又は電極裏導体直径(x)との関係を示す線図で
ある。アーク電極直径(y)は2.4x+6.4と2.32
x−3.0 とで求められる値の間に設定するのが好まし
い。
【0089】実施例3 図7は実施例1及び2の本発明に係る真空バルブ59を
用いたその操作機とを示す真空遮断器の構成図である。
【0090】操作機構部を前面配置とし、背面に真空バ
ルブを支持する3相一括型の3組の耐トラッキング性を
有するエポキシレジン筒60を配置した小型,軽量な構
造である。
【0091】各相端はエポキシレジン筒,真空バルブ支
持板で水平に支持された水平引出し形である。真空バル
ブは、絶縁操作ロッド61を介して、操作機構によって
開閉される。
【0092】操作機構部は、構造が簡単で、小型,軽量
な電磁操作式の機械的引外し自由機構である。開閉スト
ロークが少なく、可動部の質量が小さいために衝撃は僅
少である。本体前面には、手動連結式の二次端子のほ
か、開閉表示器,動作回数計,手動引外しボタン,手動
投入装置,引出装置およびインターロックレバーなどが
配置されている。
【0093】(a)閉路状態 遮断器の閉路状態を示し、電流は上部端子62,主電極
30,集電子63,下部端子64を流れる。主電極間の
接触力は、絶縁操作ロッド61に装着された接触ばね6
5によって保たれている。
【0094】主電極の接触力,早切ばねの力および短絡
電流による電磁力は、支えレバー66およびプロップ6
7で保持されている。投入コイルを励磁すると開路状態
からプランジャ68がノッキングロッド69を介してロ
ーラ70を押し上げ、主レバー71を回して接触子を閉
じたあと、支えレバー66で保持している。
【0095】(b)引外し自由状態 開離動作により可動主電極が下方に動かされ、固定・可
動両主電極が開離した瞬間からアークが発生する。アー
クは、真空中の高い絶縁耐力と激しい拡散作用によって
短時間に消弧される。
【0096】引外しコイル72が励磁されると、引外し
レバー73がプロップ67の係合を外し、主レバー71
は早切ばねの力で回って主電極が開かれる。この動作
は、閉路動作の有無には全く関係なく行われる機械的引
外し自由方式である。
【0097】(c)開路状態 主電極が開かれたあと、リセットばね74によってリン
クが復帰し、同時にプロップ67が係合する。この状態
で投入コイル75を励磁すると(a)の閉路状態にな
る。76は排気筒である。
【0098】本実施例によれば、耐溶着性の高い電極を
用いているので、小型でより大容量遮断ができる。
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明に係わるアーク電
極を用いた真空遮断器では、酸素量の比較的多いCr粉
末を原料として用いることにより、融点が高く、硬質な
酸化物がアーク電極内に微細にかつ均一に分散し、高い
耐溶着性及び遮断性能が得られる。酸素量の多いCr粉
末表面には酸化膜が存在し、Cuとの濡れ不足による欠
陥が生じやすくなるが、本発明に係わる溶浸による製造
方法により、健全な組織を持つアーク電極が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電極部の側面図(a)と平面図
(b)。
【図2】本発明に係る真空バルブの断面図。
【図3】遮断電圧電流実効値と絶縁筒外径との関係を示
す線図。
【図4】アーク電極直径と遮断電圧電流実効値との関係
を示す線図。
【図5】絶縁筒外径とアーク電極直径との関係を示す線
図。
【図6】アーク電極直径と凹部直径又は電極裏導体直径
との関係を示す線図。
【図7】真空遮断器の全体構成図。
【符号の説明】
1…アーク電極、2…アーク電極支持部、6…電極部、
7…溝、8…シリンダ、9…固定側電極シールリング、
10…可動側電極シールリング、11…固定側電極、1
2…ガイド、13…可動ホルダー、14…可動側電極、
15…固定側アーク電極、16…可動側アーク電極、1
7…金属製ベローズ、18…中間シールド、19…可動
側シールド、33…外部導体接続部、39…裏導体、4
7…ボタン、60…エポキシレジン筒、61…絶縁操作
ロッド、62…上部端子、63…集電子、64…下部端
子、65…接触ばね、66…支えレバー、68…プラン
ジャ、71…主レバー、72…引外しコイル、75…投
入コイル、76…排気筒、80a,80b…アーク遮へ
い板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 将人 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 岡部 均 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 小室 勝博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 清水 政男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 馬場 昇 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5G026 BA01 BA04 BB02 BB03 BB04 BB14 BB17 BB18 BC04 CA01 CB02 CB09 CC06 5G050 AA11 AA12 AA13 AA17 AA25 AA27 AA29 AA43 AA46 AA48 AA50 AA51 AA54 BA01 BA05 CA01 DA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え
    た真空遮断器において、前記固定側電極及び可動側電極
    は耐火性金属粒子と高導電性金属とを有する合金からな
    るアーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属
    からなる電極支持部と、該電極支持部より細径である裏
    導体及び該裏導体より大径である外部導体接続部を有
    し、前記アーク電極と電極支持部,裏導体及び外部導体
    接続部とは前記高導電性金属によって一体に形成され、
    前記アーク電極の酸素量が400〜5000ppmであることを特
    徴とする真空遮断器。
  2. 【請求項2】前記アーク電極は、前記耐火性金属20〜
    60重量%のCr前記高導電性金属35〜80重量%の
    Cu,Ag及びAuの1種からなる金属又はこれらを主
    にした合金又はこれらの金属又は合金に添加元素1〜1
    3重量%のNb,Si,Ti,Zr,Hf,V,Ta,
    Mo,W,Fe,Co,Ni及びMnの1種又は2種以
    上を含む合金からなる請求項1に記載の真空遮断器。
  3. 【請求項3】前記電極支持部,裏導体及び外部導体接続
    部はCu,Ag及びAuの1種からなる金属、これらを
    主にした合金、これらの金属又は合金にCr,Ag,
    W,V,Nb,Mo,Ta,Zr,Si,Be,Co,
    Feの1種又は2種以上の合計量が2.5 重量%以下を
    含む合金からなる請求項1又は2に記載の真空遮断器。
  4. 【請求項4】前記固定側電極と可動側電極は互いに接触
    する前記アーク電極部中央に真円の凹部が設けられてい
    る請求項1〜3のいずれかに記載の真空遮断器。
  5. 【請求項5】前記アーク電極,前記電極支持部,裏導体
    及び外部導体接続部は前記高導電性金属の溶融凝固によ
    って一体に形成されている請求項1〜4のいずれかに記
    載の真空遮断器。
  6. 【請求項6】前記アーク電極及び電極支持部に複数本の
    スリット溝が設けられている請求項4又は5に記載の真
    空遮断器。
  7. 【請求項7】前記真空バルブは3組あり、該3組の真空
    バルブを横に並べて樹脂の絶縁筒によって一体に組込ま
    れている請求項1〜6のいずれかに記載の真空遮断器。
  8. 【請求項8】真空容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブにおいて、前記両電極は耐火性金属粒
    子と高導電性金属とを有する複合部材よりなるアーク電
    極と、該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電
    極支持部と、該電極支持部より細径である裏導体及び該
    裏導体より大径である外部導体接続部を有し、前記アー
    ク電極と電極支持部,裏導体及び外部導体接続部とは前
    記高導電性金属によって一体に形成され、前記アーク電
    極の酸素量が400〜5000ppm であることを特徴と
    する真空バルブ。
  9. 【請求項9】耐火性金属粒子と高導電性金属とを有する
    アーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属か
    らなる電極支持部と、該電極支持部より細径である裏導
    体及び該裏導体より大径である外部導体接続部を有し、
    前記アーク電極と電極支持部,裏導体及び外部導体接続
    部とは前記高導電性金属によって一体に形成され、前記
    アーク電極の酸素量が400〜5000ppm であること
    を特徴とする真空バルブ用電極。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020071524A (ko) * 2001-03-07 2002-09-13 현대중공업 주식회사 신형 축자계 전극 방식에 의한 고압 진공 차단기용 진공밸브
KR100490908B1 (ko) * 2002-05-15 2005-05-24 한국전기연구원 확산 아크형 진공 갭 스위치
WO2010095163A1 (ja) * 2009-02-17 2010-08-26 株式会社日立製作所 真空バルブ用電気接点およびそれを用いた真空遮断器

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