JP3381605B2 - 真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点 - Google Patents

真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点

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JP3381605B2
JP3381605B2 JP02567498A JP2567498A JP3381605B2 JP 3381605 B2 JP3381605 B2 JP 3381605B2 JP 02567498 A JP02567498 A JP 02567498A JP 2567498 A JP2567498 A JP 2567498A JP 3381605 B2 JP3381605 B2 JP 3381605B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な真空遮断器
とそれに用いる真空バルブ、更にそれに用いられる電気
接点及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空遮断器内の電極構造は、一対の固定
電極及び可動電極から成っている。上記固定及び可動電
極の構造は、アーク電極と該アーク電極を支持するアー
ク支持部材と、該アーク支持部材に連らなるコイル電極
材とコイル電極端部には電極棒の4部品から構成されて
いる。
【0003】上述したアーク電極材は、高電圧,大電流
を開閉遮断するために直接アークにさらされる、アーク
電極に要求される満足すべき特性は、遮断容量が大きい
こと、耐電圧値が高いこと、接触抵抗値が小さいこと
(電気伝導に優れていること)、耐溶着性に優れているこ
と、接点消耗量が少ないこと及び裁断電流値が小さいこ
と、等基本的な要件が挙げられる。しかし、これらの特
性を全て満足させることは困難であって一般には用途に
応じて特に重要な特性を重視し、他の特性はある程度犠
牲にした材料が使用されている。大電流,高電圧遮断用
アーク電極材料としては、特開昭63−96204 号公報には
Cr又はCr−CuスケルトンにCuを溶浸させる方法
が開示されている。また、同様の製法は特公昭50−2167
0 号公報にも開示されている。
【0004】一方、アーク電極支持部材は、アーク電極
の補強部材の役目とともに支持部材の形状を工夫するこ
とで縦磁界を発生させる効果も持っている。そして使用
される材料は導伝性の良好な純Cuが使用されている。
【0005】更に、コイル電極材は、特公平3−17335号
公報にも開示されているようにアーク電極及び支持部材
の補強部材の役目もあるが主な役目としてはコイル電極
形状を種々に工夫することでアーク電極に縦磁界を発生
させ、縦磁界によりアーク電極に発生するアークをアー
ク電極全体に拡散させるとともに強制遮断する部材であ
る。使用される材料はアーク支持部材と同様に純Cuで
ある。
【0006】一方、これらアーク電極,アーク電極支持
部,コイル電極及び電極棒で構成される電極の製造工程
は、アーク電極材の製造と機械加工,アーク電極支持部
材,コイル電極材及び電極棒のそれぞれの機械加工と各
部品の組立とろう付作業の工程を経て電極が完了する。
【0007】前述のアーク電極の製造方法は、Cr粉
末,Cu粉末,W粉,Co粉,Mo粉,W粉,V粉末,
Nb粉あるいはこれらの合金粉を所定の組成,形状,空
孔量に成形,焼結後、焼結体のスケルトンにCuあるい
は合金溶湯をしみ込ませるいわゆる溶浸法が、あるいは
溶浸前の焼結工程で密度を100%にするいわゆる粉末
冶金法により製造されたアーク電極材を、更に機械加工
して所定形状とする。
【0008】アーク電極支持部,コイル電極及び電極棒
は、純Cu素材から縦磁界の発生し易いように工夫され
た所定形状にそれぞれ切り出し加工される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようにして溶浸後
機械加工された各部品を、組立後、ろう付して一連の電
極構造となる。しかし、ろう付方法は、アーク電極,ア
ーク電極支持部,コイル電極及び電極棒のそれぞれの間
に接合材とぬれ性の良好なろう材を入れ、真空中あるい
は還元性雰囲気中で昇温しろう付接合されるが、ろう付
接合を用いて構成される電極は、各部材の機械加工工程
とろう付するための部品組立時の各部品の芯合わせ等に
非常な手数と時間がかかり、合わせて、ろう付不良によ
る電極材の破壊や脱落の事故原因となる。このように従
来方法で製造された電極構造は、電極材特性の均一性,
信頼性及び安全性が劣っている。
【0010】また、最近では材料開発とともに真空遮断
器の設計仕様上から大電流,高電圧を開閉遮断しようと
する試みがなされている。一例として、開閉遮断速度を
速くすることで遮断性能向上がなされている。しかし、
これら遮断速度を速くすることでアーク電極間の接触力
増大と電極開閉時には電極全体に衝撃的な応力がかか
り、経時的には電極材は変形する。一般に、アーク電極
材には遮断特性あるいは溶着特性に優れた高強度のアー
ク電極材が使用されているが、アーク支持部材,コイル
電極材及び電極棒には純Cuを使用されている。純Cu
材は耐力が非常に小さいことと、さらには上述したよう
に縦磁界の発生を目的に横断面への溝切が設けられ、特
に衝撃的な応力に耐えきれず経時的には変形することに
なる。そして、電極部材の変形は、電極開閉動作の不都
合やアーク電極の溶着障害やアーク電極の破壊,脱落を
まねき、緊急時の開閉動作に支障をきたすことにもな
る。
【0011】本発明の目的は、経時的な変形が少なく信
頼性の高い電極を備えた真空遮断器とそれに用いる真空
バルブ及びそれに用いる電気接点とその製造法を提供す
るにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁容器内に
固定側電極と可動側電極とを備えた真空バルブと、該真
空バルブ内の前記固定側電極と可動側電極との各々に前
記真空バルブ外に接続された導体端子と、前記可動側電
極に接続された絶縁ロッドを介して前記可動側電極を駆
動する開閉手段とを備えた真空遮断器において、前記固
定側電極及び可動側電極は耐火性金属と高導電性金属と
の合金からなるアーク電極と、該アーク電極を支持する
高導電性金属からなる電極支持部と、該支持部に前記導
体端子に電気的に接続され前記高導電性金属からなる電
極棒と、該電極支持部に連らなる縦磁界発生コイルとを
有し、前記アーク電極と電極支持部と電極棒又は磁界発
生コイルとは前記高導電性金属の溶融によって一体に形
成されていることを特徴とする真空遮断器にある。
【0013】前記アーク電極はCr,W,Mo及びTa
の1種又は2種以上の混合物と、Cu,Ag又はAuか
らなる高導電性金属又はこれらを主にした高導電性合金
との合金からなり、前記電極支持部は前記高導電性金属
又は合金からなるのが好ましい。
【0014】更に、前記アーク電極はCr,W,Mo及
びTaの1種又は2種以上の合計量50〜80重量%と
Cu,Ag又はAu20〜50重量%とを含む合金から
なり、前記電極支持部はCr,Ag,W,V,Nb,M
o,Ta,Zr,Si,Be,Ti,Co,Feの1種
又は2種以上の合計量が2.5重量%以下とCu,Ag又
はAuとの合金からなるものが好ましい。
【0015】本発明におけるアーク電極は多孔質耐火金
属中に含浸した高導電性金属との複合合金よりなり、前
記アーク電極と電極支持部とは前記高導電金属の溶融に
よって一体に形成されているのが好ましい。
【0016】本発明における電極支持部と電極棒又は磁
界発生コイルとは0.2% 耐力が10kg/mm2以上で、
比抵抗が2.8μΩcm 以下のものとする。
【0017】本発明は、前記固定側電極と可動側電極の
少なくとも一方は前記電極支持部に高導電性金属からな
る電極棒又は縦磁界発生コイルが設けられているもので
ある。
【0018】前記縦磁界発生コイルは前記電極支持部に
ろう付又は前記高導電性金属の溶融凝固によって一体に
形成することができる。
【0019】前記縦磁界発生コイルは円筒状でその円周
面にスリット溝が設けられた形状又その横断面が略卍状
である形状がある。
【0020】前記真空バルブは三相に対しては3組あ
り、該3組の真空バルブを横に並べて樹脂の絶縁筒によ
って一体に組込んだものが好ましい。
【0021】また、本発明は、高真空に保たれた絶縁容
器内に固定側電極と可動側電極とを備えた真空バルブに
おいて、前記両電極は耐火性金属と高導電性金属との複
合部材よりなるアーク電極と、該アーク電極を支持する
高導電性金属からなる電極支持部と、該支持部に連らな
り前記高導電性金属からなる電極棒と、該電極支持部に
連らなる縦磁界発生コイルとを有し、前記アーク電極と
電極支持部とは前記高導電性金属の溶融によって一体に
形成されていることを特徴とする真空バルブにある。
【0022】本発明における真空バルブの電極,磁界発
生コイルの構成は前述と同様である。
【0023】本発明は、耐火性金属と高導電性金属との
合金からなるアーク電極と、該アーク電極を支持する高
導電性金属からなる電極支持部と、該支持部に連らなり
前記高導電性金属からなる電極棒と、該電極支持部に連
らなる縦磁界発生コイルとが前記高導電性金属の溶融に
よって一体に形成されていることを特徴とする電極接点
にある。
【0024】本発明における電気接点のアーク電極の構
成は前述と同様である。
【0025】本発明は、耐火性金属と高導電性金属との
合金からなるアーク電極と、該アーク電極を支持する高
導電性金属からなる電極支持部と、該支持部に連らなり
前記高導電性金属からなる電極棒と、該電極支持部に連
らなる縦磁界発生コイルとを有する電気接点の製造法に
おいて、前記アーク電極は耐火性金属を有する多孔質焼
結体上に前記高導電性金属を載置し、該高導電性金属を
溶融して前記多孔質体中に溶浸させることにより形成
し、前記電極支持部と電極棒又は磁界発生コイルとは前
記溶浸後に残留する前記高導電性金属の厚さを前記電極
支持部として必要な厚さに設定することによって形成す
ることを特徴とする電気接点の製造法にある。
【0026】また、本発明は、前記アーク電極及び電極
支持部を前記高導電性金属に溶浸させて凝固させて形成
後、所望の温度に保持させて前記高導電性金属中に過飽
和に固溶した金属又は金属間化合物を析出させる熱処理
工程を有するものである。
【0027】前記電気接点は真空バルブの固定側電極又
は可動側電極に用いることができる。
【0028】本発明は、前記電極支持部に高導電性金属
からなる縦磁界発生コイルを有し、前記高導電性金属の
前記多孔質体への溶浸後に残留する厚さと形状を前記電
極支持部及び電極棒又は縦磁界発生コイルの形状に合わ
せて溶融凝固によって形成することができる。
【0029】真空遮断器の電極構造は、アーク電極,ア
ーク電極支持部材及び電極棒からなり、必要に応じてコ
イル電極から構成される。アーク電極は耐火金属と導電
性金属との複合合金からなり、前者にはCr,W,M
o,Ta等の約1800℃以上の高融点の金属が用いら
れ、高導電性金属としてのCu,Ag,Auに対して固
溶量として3%以下の小さいものが好ましい。アーク電
極支持部材,コイル電極材及び電極棒には特に純Cuが
好ましいが、強度が小さいことからこれら各部材の変形
防止対策として鉄系材料の純Fe,ステンレス鋼で補強
し電極の変形防止につとめている。
【0030】耐火金属は50〜80重量%、特に55〜
65重量%とCu,Ag又はAu20〜50重量%を含
む合金で、特に前者の多孔質焼結体又は若干の10重量
%以下の高導電金属を含む多孔質焼結体中に高導電性金
属を溶融含浸させた複合材とするのが好ましい。
【0031】また、アーク電極と電極支持部の2層構造
とし、電極支持部はアーク電極を補強支持するもので、
その半分以上の厚さとするのが好ましく、特にそれと同
等以上の厚さとすることが好ましい。多孔質焼結体は空
隙率を50〜70%とすることが好ましい。耐火金属と
しては特に、耐電圧特性を高めるためにCrに対して1
〜10重量%のNb,V,Fe,Ti,Zrの1種又は
2種以上を含むことができる。
【0032】コイル電極には高導電性金属をろう付又は
電極支持部とともに多孔質耐火金属中への溶浸の際に同
時に鋳造技術と同様の方法で製造することができ、アー
ク電極材,アーク電極支持部材、及びコイル電極材とは
金相学的に連続した一体構造で構成できる。この結果、
各部材の機械加工工程,ろう付時の各部材組立工程の低
減、また、非接合であることから従来のろう付部の極部
発熱,ろう付不良によるアーク電極材の破壊,脱落等の
問題がなくなる。コイル電極をろう付にて形成する場合
にはセラミックス粒子を分散した複合材を用いることが
できる。
【0033】また、本発明によれば、電極を構成するア
ーク電極材,アーク電極支持部材及びコイル電極材は、
金相学的に連続した一体構造で構成されると同時に一体
構造の電極製造と同一工程内でアーク電極支持部材及び
コイル電極材が得られ、0.01〜2.5 重量%のCr,A
g,W,V,Zr,Si,Mo,Ta,Be,Nb,T
iの1種又は2種以上をAu,Ag,Cu中に含有せし
めたものを用いることができる。したがって、アーク電
極支持部材及びコイル電極材の電気導伝性をあまり低下
させずに機械的強度、特に耐力を大幅に高めることがで
きる。その結果、電極間の接触圧力の増大,電極開閉時
の衝撃力にも充分対応でき、経時的な変形も解決でき
る。
【0034】このように、アーク電極材,アーク電極支
持部材及びコイル電極材とは非接合であるとともに金相
学的に連続した一体化構造にしたことと、上記該部材の
高強度化の組み合わせにより従来の電極構造に比べて悪
影響を除去したより信頼性及び安全性の高い真空遮断器
を提供できる。
【0035】本発明によれば、Cr,W,Mo,Ta粉
末又はこれにCu,Ag,Au粉末あるいは他の任意の
金属粒子を所定組成に混合し、その混合粉を所定の空隙
含有率になるように成形後、焼結し多孔質焼結体を形成
する。その後、純Cu,Ag,Au又はこれらの合金か
らなるブロックを前記焼結体上に載置し、溶融させて多
孔質焼結体の空隙に純Cu又はCu合金等の金属を溶浸
させる。その時、溶融溶浸材中への焼結体組成元素の液
相拡散を積極的に利用し、溶融溶浸材を前述の含有量と
なるように合金化する。溶浸完了後の鋳塊を所定形状の
電極に加工する。
【0036】高導電性金属の溶浸に際しては溶浸の温度
と保持時間によって高導電性金属への多孔質体金属の溶
解量をコントロールでき、特に電極支持部,コイル電極
に対する比抵抗と強度とを考慮して温度及び時間が設定
される。勿論高導電性金属に対して予め合金元素を加え
た合金を用いることもできるので、両者を考慮して決定
される。その結果、前述の強度が高く、比抵抗の低いも
のが得られることから高い性能のものが得られる。
【0037】本発明における電極は前述の如く所望の形
状で溶浸と鋳造技術との組合わせによって求めるものを
作ることができるが、前述した最終形状として切削加工
によって得られる。
【0038】真空遮断器は、断路器,接地開閉器,避雷
器,変流器とともに用いられ、高層ビル,ホテル,イン
テリジェントビル,地下街,石油コンビナート,各種工
場,駅,病院,会館,地下鉄,上下水道等の公共設備な
どの電源として欠かせない高圧受変電設備として用いら
れる。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施例1 図1(a)は、本発明の方法で試作した一体構造電極の
鋳塊断面を示すものである。図中、1がアーク電極材、
2がアーク電極支持部材、3が溶浸用Cuの供給材と押
湯の部材である。
【0040】5重量%のCu粉末と95重量%のCr粉
末をV型ミキサーにより混合後、直径80mmの金型を用
いて、成形圧力1.5ton/cm2 で直径80mm,厚さ9mm
の成形体を作製した。その成型体を水素雰囲気中、焼結
温度1200℃×30分で焼結体とした。この時の焼結
体空隙率は65%である。次に図1(b)は電極の製造
法を示す図で、図に示すように、100メッシュ〜32
5メッシュのアルミナ粉4(Al23)を10mm程度に
敷いた内径90mm×外径100mm×高さ100mmの黒鉛
容器5の底面中央に上記焼結体6を置き、純Cuからな
る直径80mm,厚さ15mmのアーク電極支持部及びコイ
ル電極部となる溶浸材7を前記焼結体6と同一円心上に
載置した。次に直径28mm,長さ25mmの溶浸材及び押
湯部を形成するCuからなる押湯8を溶浸材7と同一円
心上に設置する。黒鉛容器5内には純Cuからなる溶浸
材7及び押湯8とアルミナ粉9を充填する。
【0041】溶浸条件は、1×10-5トル以下の真空中
で1,200 ℃×90分間保持し、アーク電極支持部及
びコイル電極部材となる溶浸7と溶浸用Cu供給及び押
湯8が溶融するとともに溶浸材が焼結体6のスケルトン
中に均一にしみこませた後、真空雰囲気中で放冷凝固さ
せる。図1(a)は、凝固後に黒鉛容器から取り出した
鋳塊の断面外観である。また図1(c)には切削加工後
のアーク電極1とアーク電極支持部2とを示し、両者の
界面部を顕微鏡組織写真により観察した結果、Cr焼結
体の空孔にCuが溶浸していることが明らかとなった。
【0042】このように本発明方法によれば図1(a)
及び図1(c)からもわかるようにアーク電極,アーク
電極支持部及び電極棒又はコイル電極部とが一体構造で
構成される電極が十分作製可能であることがわかる。ア
ーク電極と電極支持部とは同等の厚さである。また、ア
ーク電極材とアーク電極支持部材の界面は金相学的に完
全に連続一体化がなされており、ろう付等による接合が
不必要であることがわかる。
【0043】図2は図1(b)の鋳型を3段にしたもの
で、一度に3個のものを製造することができる。同様の
手法は実施例2に対しても実施することができる。3個
に限らず、所望の個数を一度に製造することができる。
【0044】実施例2 図3は、溶浸状態とその鋳塊を用いて製作した電極形状
を示したものである。溶浸条件は実施例1とほぼ同様で
ある。
【0045】No.2 は、実施例1に対し黒鉛容器5の
長さを150mmにし、アーク電極支持部材及びコイル電
極部材11の長さを45mmとした。また溶浸保持時間は
120分とし、その他は実施例1と同様である。このよう
にして得た鋳塊から(a)及び(b)型の電極を作製し
た。つまり(a)型は、アーク電極12,アーク電極支
持部13及びコイル電極材14を一体構造とし、電極棒
15をろう付により接合16したものである。また、
(b)型は、(a)型に対し中心に純Feからなる補強
部材17を設けたものである。補強部材17は電極支持
部13と電極棒15に各々ろう付される。
【0046】No.3 はNo.2 に対しアーク電極支持
部材及びコイル電極部材19の形状を凹形にするととも
に、溶浸用Cu供給及び押湯部材18を排除した状態で
溶浸した。No.3 の鋳塊からは(a)型の電極形状を
製作した。
【0047】No.4 はNo.2 に対し溶浸用Cu供給
及び押湯部材20の長さを100mmとし、黒鉛容器5の
長さを200mmとした。No.4 の鋳塊からは(c)型
の電極を作製した。(c)型の電極はろう付接合を使用
せずとも電極棒22を含めた一体構造の電極構成が可能
である。No.3 の鋳塊からは(c)型以外にも(a)型
及び(b)型の電極構造を切削加工によって作製でき
る。
【0048】No.5 はNo.4 に対しアーク電極支持
部材及びコイル電極部材23及び溶浸用Cu供給及び押
湯部材24の中心に焼結体26に向ってラッパ型の鉄芯
を入れたものである。この鉄芯に関してはCuの融点よ
り高いものであり、形状にはこだわらない。No.5 の
鋳塊からは(d)型と(e)型の電極を作製した。
【0049】(d)型電極は(c)型電極の中心に補強
部材27を鋳ぐるんだ形状である。
【0050】(e)型電極は(b)型電極の補強部材1
7の替りに鉄芯を鋳ぐるんだ形状の電極である。
【0051】以上の結果において、それぞれの鋳塊寸法
と溶浸前の状態の寸法変化を測定した結果、アーク電極
支持部材及びコイル電極部材の寸法は溶浸前の状態と溶
浸後の鋳塊寸法の差異はほとんどなかった。一方、押湯
部材の寸法測定結果、溶浸前の状態で25mmに対し、溶
浸後の鋳塊寸法は10mmに減少した。このように本発明
を達成させる第1条件として、アーク電極支持部材及び
コイル電極部材と溶浸用Cu又はCu合金供給及び押湯
部材とを2重構造にすることである。
【0052】また健全かつ、目的の鋳塊寸法を得るため
には、鋳塊の冷却速度のコントロールが重要である。鋳
塊側面からの冷却速度より鋳塊上部の冷却速度を大きく
する必要がある。本発明を達成する第2条件として、鋳
塊上部の冷却速度を大きくする保温剤としてアルミナ
(Al23)等の比熱が大きく、Cu溶湯と反応しない
セラミックス粒子が適当である。この時のセラミックス
粒径が大き過ぎたり、小さ過ぎたりすると溶湯はセラミ
ックス粒子間を通して流れ出てしまい鋳型の役目をなさ
ない。最適粒径は20メッシュから325メッシュであ
る。また、保温のためのセラミックス粒子の必要量は、
目的の鋳塊直径寸法の2/3以上の厚さが必要である。
【0053】実施例3 表1は、実施例2のNo.2 の溶浸したままのものにお
いて溶浸温度を種々に変えた場合の鋳塊中のCr量を分
析した結果と、焼結体6及びアーク電極支持部材及びコ
イル電極部材11のそれぞれの組成を変化させた場合の
鋳塊中のそれぞれの組成元素を分析した結果を示したも
のである。なお、溶湯用Cu供給及び押湯8は同じ組成
である。
【0054】No.6〜No.8は、焼結体6の組成Cr
−5Cu材に純Cuを溶浸する時の溶浸温度を変え、1
20分保持した場合の鋳塊中のCr量である。溶浸温度
1250℃の場合の鋳塊組成は1.65% Crを含有するC
u合金になることがわかる。No.9,10,14,1
5,16,18 は、焼結体6の組成をCr−5Cu一
定とし、溶浸材の組成をそれぞれCu−Ag,Cu−Z
r,Cu−Si,Cu−Be合金を用いた場合の鋳塊中
の元素分析結果である。各鋳塊ともCrを約0.6% 程
度を含む3元Cu合金になることがわかる。
【0055】No.11,12,13,17は、溶浸材
7,押湯8の組成を純Cu一定とし焼結体6の組成をそ
れぞれCr−5CuにV,Nb,V,Nb,Wを添加し
た場合の鋳塊中の元素分析結果である。各鋳塊ともV,
Nb,Wの含有量は0.02%以下であり、鋳塊組成は
1.0% 程度のCrを含むCu合金であることがわか
る。
【0056】
【表1】
【0057】表2は、アーク電極(組成:59重量%C
r−41重量%Cu)と純Cu材を従来方法であるろう
付接合(条件:温度800℃,真空中、Ni系ろう材)
した場合(厚さ約3μm)の接合部の電気抵抗及び強度
の測定結果(比較例1)、及び800℃で焼鈍した純銅
の電気抵抗値(比較例2)とNo.6〜18 で得た鋳塊
の電気抵抗及び強度測定結果を示したものである。電気
抵抗測定は4点式抵抗測定法で、強度測定はアームスラ
引張試験機を用いて実施した。
【0058】従来方法でろう付接合した(比較例1)界
面の強度は22〜12kg/mm2 とばらつきが大きく、強
度12kg/mm2 の試験片にはろう付不良部が確認され
た。また、界面部を含む電気抵抗値は4.82μΩ・cm
と純銅材(比較例2)に比べ約3〜4倍の高い抵抗値で
ある。それに対しNo.6の界面強度は24〜25kg/m
m2 と安定した強度を示し、試験片の欠陥は観察されな
かった。また、本発明の実施例では界面を含む電気抵抗
値は測定できないものである。比較例1のアーク電極の
相手材が純Cuに対し、No.6 の相手材にはCrが約
0.62% 含むCu合金であるにもかかわらず、界面が
ないので、比抵抗は1.95μΩcm と比較例1より低い
値である。これは従来技術のろう付接合部界面の抵抗値
が非常に大きいことがわかる。
【0059】一方、比較例2の純Cuの強度は最大値2
2〜23kg/mm2 に対し0.2% 耐力は4〜5kg/mm2
と非常に軟弱であり、アーク電極支持部材あるいはコイ
ル電極材に使用した場合には衝撃的な荷重に耐えきれず
経時的に変形してしまうことがわかる。これに対し、C
rあるいはAg,V,Nb,Zr,Si,W,Beをそ
れぞれ含有したCu合金であるNo.7〜18 の電気抵
抗値は、焼鈍純Cuに比較すれば約1.5〜2.0倍の抵
抗値を示したが、従来技術のろう付接合界面抵抗値と比
較すると約半分以下であり充分に実機真空遮断器用電極
材に使用可能である。またNo.7〜18 の強度は、い
ずれも最大強度22〜25kg/mm2 と純Cuとあまり変
っていないが0.2% 耐力値において10〜14kg/mm
2 と2倍に強度向上がはかられている。
【0060】このように、本発明によるCrあるいはA
g,V,Nb,Zr,Si,W及び、Beをそれぞれ含
有するCu合金製アーク電極支持部材,コイル電極材及
び電極棒は、電極開閉時の衝撃的荷重の繰り返しによる
変形が生じないため変形にともなう溶着障害を防止して
信頼性及び安全性の向上が図られる。
【0061】
【表2】
【0062】図4は溶浸温度と多孔質Cr焼結体からの
溶浸材中へのCrの固溶量との関係を示す線図である。
図に示すように溶浸温度を高めることによって溶浸材中
へのCr量を高めることができる。また、所望のCr量
を得るには溶浸温度によって定めることができる。
【0063】図5はCu中への合金元素の含有量と0.
2% 耐力との関係を示す線図である。図に示すように
Crのみの含有とCrと他の元素とを含む合金のいずれ
も含有量の増大によって強化されることが明らかであ
る。また、Cr単独に対して、他の元素と一緒に含有し
た合金の方が同じ全含有量でも高強度を有する。各元素
の含有量としてAg0.1%,Zr0.1%,Si0.1
%,Be0.05%,Nb,V,Wは各々0.01% 以
上とすることにより10kg/mm2 以上の耐力が得られ
る。
【0064】図6は0.2% 耐力と比抵抗との関係を示
す線図である。図4に示すようにCu中への全固溶量の
増大によって強度の向上とともに比抵抗も増すので、比
抵抗の増加を少なくして強度の向上を図るにはCr単独
よりも他の元素を加えることによって得られることが分
る。特に、Si以外は比抵抗が小さくて高強度が得られ
る。特に、0.2%耐力を10kg/mm2以上、比抵抗1.
9〜2.8μΩcmが好ましい。
【0065】図7はCr,Si,Be,Zr,Ag,N
b,V及びW量と比抵抗との関係を示す線図である。比
抵抗は合金元素を加えることによって増加するが、電極
支持部及びコイル電極の比抵抗は出来るだけ小さくする
ことによって通電中の電極温度を低く押えることができ
ること及び遮断時のアーク発生に伴うアーク熱を電極棒
を通して冷却する必要があり、その熱伝導を高くする必
要があることから熱伝導率を高く維持することができ
る。本実施例においては所望の比抵抗を図によっておお
よその値のものを求めることができる。Crをアーク電
極として用いる場合にはCrの溶浸量を考慮し、各元素
の含有量をSi0.5%,Be0.5%,Zr1.5%,A
g2.5% ,Nb,V,Wは各々0.1% を上限として
含有させることが好ましい。比抵抗として3.0μΩcm
以下とするのが好ましい。
【0066】実施例4 図8は本発明に係るアーク電極を用いた真空バルブの断
面図である。
【0067】絶縁材で形成された絶縁筒体からなる真空
容器35の上・下開口部に上・下一体をなす端板38
a,38bを設けて真空室を形成する真空容器を構成
し、上記上端板38aの中程に固定電極30aの一部を
形成する固定側の電極棒34aを垂設し、この固定側の
電極棒34aに縦磁界発生コイル33a及びアーク電極
31aを設け、上記固定電極30aの直下に位置する上
記下端板38bの中程に可動電極30bの一部を形成す
る可動側の電極棒34bを昇降自在に設け、この可動側
の電極棒34bに上記縦磁界発生コイル33a及びアー
ク電極31bと同形等大の縦磁界発生コイル33b及び
アーク電極31bを付設し、上記固定電極30aのアー
ク電極31aに対して上記可動電極30bのアーク電極
31bを接離するようにし、上記可動側の電極棒34b
の周りに位置する上記下端板38bの内がわに金属製ベ
ローズ37を伸縮するようにして被冠して設け、さら
に、上記両アーク電極の周りに円筒状をなす金属板のシ
ールド部材36を絶縁筒体からなる真空容器35によっ
て設置し、このシールド部材36は上記絶縁筒体の絶縁
性を損なわないようにして構成したものである。
【0068】さらに、上記アーク電極31a,31bは
前述の溶浸によって得られたアーク極支持部32a,3
2bに一体固着され、各縦磁界発生コイル33a,33
bに純鉄からなる補強部材39a,39bによって補強
されてろう付される。補強部材39a,39bとして他
にオーステナイト系ステンレス鋼が用いられる。絶縁筒
体からなる真空容器35にはガラス,セラミックス焼結
体が用いられる。絶縁筒体からなる真空容器35は金属
製端板38a,38bにコバール等のガラス,セラミッ
クスの熱膨脹係数に近い合金板を介してろう付され、1
-6mmHg以下の高真空に保たれる。
【0069】固定側の電極棒34aは端子に接続され、
電流の通路となる。排気管(図示なし)は上端板38a
に設けられ、排気のとき真空ポンプに接続される。ゲッ
タは真空容器内部に微量のガスが発生した場合に吸収し
て真空を保つ働きとして設けられる。シールド部材36
はアークによって発生した主電極表面の金属蒸気を付着
させ、冷却させる働きを有し、また付着した金属はゲッ
タ作用を有する真空度保持の働きを有する。
【0070】図9は電極の詳細を示す断面図である。固
定電極及び可動電極のいずれもほぼ同じ構造を有する。
アーク電極部31は実施例1に示すCuからなる電極支
持部をCuの溶浸によって一体化したものである。この
一体のものを図のように切削加工によって得た。電極支
持部32には更に非磁性のオーステナイト系ステンレス
鋼からなる補強の平板40をろう付するとともに、コイ
ル電極33にも同様の平板をろう付した。コイル電極3
3は純銅からなるもので、前述のろう材より低融点のろ
う材を用いて電極棒34及び電極に各々ろう付した。
【0071】本実施例における電極支持部32は純銅を
溶浸によって形成したもので、その支持部32へのCr
量は溶浸温度によって異なることは前述の通りであり、
要求される強度と電気抵抗とを考慮して決められる。
尚、電気抵抗は熱処理によって化合物を析出させること
によって強度を下げずに低めることができる。特に、本
実施例においては純銅を溶浸後、900℃まで放冷し、
その温度から700〜800℃付近までを3時間及びそ
の温度から更に600〜700℃付近までを2時間かけ
てゆっくり冷却することによってCrの析出物を形成さ
せた。
【0072】図10は本実施例における電極部とコイル
電極33との結合状態を示す斜視図である。可動側の電
極棒34bが軸方向に移動させると可動電極30bは固
定電極30aと電気的に接離すると同時に両電極間にア
ーク電流49が生じ、金属蒸気を発生する。
【0073】金属蒸気は絶縁筒からなる真空容器35に
支持されている中間シールド部材36に附着すると共
に、円筒状コイル電極33の軸方向磁界により分散し
て、消弧する。円筒状コイル電極33は固定および可動
電極30a,30bに取付けられているが、少なくとも
一方側に設ければよい。
【0074】主のアーク電極41の裏面に取付けられた
円筒状コイル電極33は、一端に開口を有する円筒部か
らなるコイル電極42から構成されている。円筒部から
なるコイル電極42は一端にアーク電極支持部13を他
端に開口を有している。補強部材39は、高抵抗部材た
とえばFe,ステンレス等から成り、底面43と主のア
ーク電極41との間に配置されている。主電極側の円筒
部の開口端面45は、2個の突出部46,47を形成
し、主のアーク電極41は突出部46,47に電気的に
接続している。突出部は主電極に形成してもよい。一方
の突出部46と他方の突出部47との間の半円弧状の円
筒部42は、円弧状スリット50,51を切込んで、2
本の円弧状電流通路52,53を形成している。電流通
路52,53の一方端たとえば入力端54は突出部4
6,47に、他方端たとえば出力端55は底面43を介
して電極棒34に接続している。入力端54と出力端5
5とがラップする円筒部の入力端54と出力端55との
間には、傾斜状のスリット溝56を形成している。傾斜
状スリット56の一端は、円弧状スリット片端50と連
通し、他端は円弧状スリット片端57と対応する開口端
面45との間に切込んで形成している。したがって、入
力端54と出力端55とは、傾斜状のスリット溝56に
より電気的に区分されている。出力端55は底面43の
ロッド附近まで延ばしたスリット58を形成して、軸方
向磁界Hによる渦電流を防止する。
【0075】次に、可動電極30bを固定電極30aか
ら引離してしゃ断すると、アーク電流49が両電極間に
点弧する。アーク電流49は、矢印方向で示す如く、突
出部46,47から入力端54および電流通路52,5
3を流れて、出力端55から底面43を通って電極棒3
4に流れる。
【0076】この電流経路で、電流通路52,53及び
ラップする入力端54と出力端55とに流れる電流は、
1ターンを形成したことになり、1ターンの電流により
発生した軸方向磁界Hは、主電極全面に渡って均一に印
加され、アーク電流49は主電極全面に均一に分散し、
しゃ断性能を向上させることができると共に、主電極全
面を有効に利用できるので、この分真空しゃ断器を小形
化できる。
【0077】図11は真空バルブ59とその操作機とを
示す真空遮断器の構成図である。
【0078】操作機構部を前面配置とし、背面に真空バ
ルブを支持する三相一括型の3組の耐トラッキング性を
有するエポキシレジン筒60を配置した小形,軽量な構
造である。
【0079】各相端はエポキシレジン筒,真空バルブ支
持板で水平に支持された水平引き出し形である。真空バ
ルブは、絶縁操作ロッド61を介して、操作機構によっ
て開閉される。
【0080】操作機構部は、構造が簡単で、小型軽量な
電磁操作式の機械的引きはずし自由機構である。開閉ス
トロークが少なく、可動部の質量が小さいために衝撃は
僅少である。本体前面には、手動連結式の二次端子のほ
か、開閉表示器,動作回数計,手動引きはずしボタン,
手動投入装置,引出装置およびインターロックレバーな
どが配置されている。
【0081】(a)閉路状態 遮断器の閉路状態を示し、電流は上部端子62,主電極
30,集電子63,下部端子64を流れる。主電極間の
接触力は、絶縁操作ロッド61に装着された接触バネ6
5によって保たれている。
【0082】主電極の接触力,早切バネの力および短絡
電流による電磁力は、支えレバー66およびプロップ6
7で保持されている。投入コイルを励磁すると開路状態
からプランジャ68がノッキングロッド69を介してロ
ーラ70を押し上げ、主レバー71を回して接触子を閉
じたあと、支えレバー66で保持している。
【0083】(b)引きはずし自由状態 開離動作により可動主電極が下方に動かされ、固定・可
動両主電極が開離した瞬間からアークが発生する。
【0084】アークは、真空中の高い絶縁耐力と激しい
拡散作用によって短時間に消弧される。
【0085】引きはずしコイル72が励磁されると、引
きはずしレバー73がプロップ67の係合をはずし、主
レバー71は早切バネの力で回って主電極が開かれる。
この動作は、閉路動作の有無には全く関係なく行われる
機械的引きはずし自由方式である。
【0086】(c)開路状態 主電極が開かれたあと、リセットバネ74によってリン
クが復帰し、同時にプロップ67が係合する。この状態
で投入コイル75を励磁すると(a)の閉路状態にな
る。76は排気筒である。
【0087】真空遮断器は高真空中でアーク遮断し、真
空の持っている高い絶縁耐力と、アークの高速拡散作用
により優れた遮断性能を有しているが、反面無負荷のモ
ートル,変圧器を開閉する場合電流が零点に達する以前
に遮断してしまい、いわゆるさい断電流を生じ、この電
流とサージインピーダンスの積に比例する開閉サージ電
圧を発生する場合がある。このため3kV変圧器や3k
V,6kV回転機などを真空遮断器で直接開閉するとき
は、サージアブソーバを回路に接続してサージ電圧を抑
制し、機器を保護する必要がある。サージアブソーバと
しては、コンデンサを標準としますが、負荷の衝撃波耐
電圧値によって、ZnO非直線抵抗体を使用することも
できる。
【0088】以上の本実施例により、圧力150kg,し
ゃ断速度0.93m/秒 で、7.2kV,31.5kAの
しゃ断が可能となる。
【0089】実施例5 図12は実施例4と同じ真空バルブを用いて直流回路を
遮断する主回路構成を示す図である。80は直流電源、
81は直流負荷、82は真空バルブ、83はショートリ
ング、84は電磁反発コイル、85は転流コンデンサ、
86は転流リアクトル、87はトリガギャップ、88は
静止型過電流引外し装置、89はZnO非直線抵抗体で
ある。
【0090】本実施例においては、次の特徴が得られ
る。
【0091】(1)遮断時に気中アークを発生しないの
で、騒音を発生せず、防災効果が大きい。
【0092】(2)開極時間が短いため(約1ms)規格
値を上まわる突進率の事故電流の遮断が可能で、限流値
を小さく抑えることができる。
【0093】(3)真空バルブの使用により高周波のコン
デンサ放電電流の遮断が可能で、アーク時間が極めて短
く(約0.5ms)接点消耗が少なくできる。
【0094】(4)静止形過電流引外し装置の採用により
電流目盛を精度良く設定でき、経年変化がない。
【0095】(5)ラッチ式の電動ばね操作器の採用によ
り、操作電流が大幅に低減するとともに保持電流が不要
となる。
【0096】(6)占有面積が約1/4となり、変電所ス
ペースの縮小が可能となる。
【0097】実施例6 図13は他の電極構造を示す断面図である。(a)は正
面図で、(b)は(a)のA−A部の正面図である。
【0098】本実施例では実施例1と同様に主電極92
をCu−Cu多孔質焼結体からなる表面のアーク電極に
純銅と溶浸して電極支持部を形成したものである。この
主電極92に対して縦磁界発生コイル電極91をろう付
したものであり、純鉄又はステンレス鋼から補強部材9
6のろう付によって補強される。90は導電棒である。
主電極92はコイル電極91の凸状部95でろう付され
る。
【0099】実施例7 図14は他の例の電極構造を示す図である。(a)は平
面図及び(b)は(a)のB−B断面図である。
【0100】対向面から見て互いに重なり合うようにな
っており、各々右巻と左巻のスパイラル形電極である。
100は相互に接離可能な部材でアーク電極部の接触部
と呼ばれる。101はアークランナーである。スパイラ
ル溝102は接触部100に終端を有し、アークランナ
ー101をそれぞれ区分している。各アークランナーは
その先端部103にて電極外周部と接している。なお、
アークランナーの枚数は任意である。電極はたとえばC
u−Cr(銅−クロム)合金をアーク電極104と電極支
持部105を銅の溶浸によって形成した一体形に作られ
ている。溝102は機械加工によって形成することができ
る。
【0101】図示しないが、短絡電流12.5kA 以下
の真空遮断器の電極にはスパイラル溝102の無い単純
な、いわゆる平板形構造が用いられる。平板形構造にお
いて、接触部,アークランナーに相当するテーパー部、
および電極外周部を有し、これらは一体形に作られてい
る。
【0102】主電極はろう付された電極棒を通じて、真
空容器外部の電極端子に接続される。
【0103】図14のスパイラル形電極で交流回路の短
絡電流12.5〜50kA を遮断する場合の動作を説明
する。まず、一対の電極が開極を始めると、主電極の接
触部100から発弧する。この開極点からの経過時間と
共に電極間アークは接触部100からアークランナー1
01を経てアークランナー先端部103へと移動してい
く。この際、スパイラル形電極構造の特性から、電極空
間に半径方向の磁界が形成され、この磁界の向きはアー
クの向きと直角であるから、この磁界は横磁界と呼ばれ
る。横磁界による駆動効果によって電極上のアークの移
動が促進され、電極の不均一な消耗が防止される。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、アーク電極と該アーク
電極を支持する支持部材と該支持部材に連らなるコイル
電極とを有する固定側電極及び可動側電極を備えた真空
遮断器において、前記アーク電極と上記アーク電極支持
部材、好ましくは、コイル電極材とは非接合からなる溶
融一体の構造を有し、前記支持部材及びコイル電極は
0.01〜2.5重量%のCr,Ag,V,Nb,Zr,
Si,W及びBe等を含有したCu合金から構成される
ので、ろう付接合にともなう各部材の機械加工工程及び
組立工程の低減とろう付接合不良による電極材の破壊や
脱落を防止するとともに、アーク電極支持部材及びコイ
ル電極材の強度向上により電極変形にともなう溶着障害
を防止できることからより信頼性及び安全性の高い真空
遮断器とそれに用いる真空バルブ及び電気接点を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気接点の製造法を示す工程図。
【図2】3個の電気接点を一度に製造する場合の鋳型の
断面図。
【図3】各種電極の形状とその製造鋳型の関係を示す断
面図。
【図4】Crの固溶量と溶浸温度との関係を示す線図。
【図5】0.2% 耐力と合金元素の固溶量との関係を示
す線図。
【図6】0.2% 耐力と比抵抗との関係を示す線図。
【図7】比抵抗と合金元素との関係を示す線図。
【図8】真空バルブの断面図。
【図9】真空バルブ用電極の断面図。
【図10】真空バルブ用電極の斜視図。
【図11】真空遮断器の全体構成図。
【図12】直流真空遮断器を用いた回路図。
【図13】他の例の真空バルブ用電極の構造を示す断面
図と正面図。
【図14】他の例の真空バルブ用電極の正面図と断面図
である。
【符号の説明】
1,12,31a,31b,41,92,104…アー
ク電極、2,13,32a,32b,48,94,10
5…アーク電極支持部、4,9…アルミナ粉、5…黒鉛
容器、6…多孔質焼結体、7…溶浸材、8…押湯、1
4,33a,33b,42,91…コイル電極、15,
22,34,34a,34b,90,106…電極棒、
17,27,44,96…補強部材、35…真空容器、
36…シールド部材、37…ベローズ、56…スリット
溝、60…エポキシレジン筒、61…絶縁操作ロッド、
62…上部端子、63…集電子、64…下部端子、65
…接触バネ、66…支えレバー、68…プランジャ、7
1…主レバー、72…引きはずしコイル、75…投入コ
イル、76…排気筒、80…直流電源、81…直流負
荷、82…真空バルブ、83…ショートリング、84…
電磁反発コイル、85…転流コンデンサ、86…転流リ
アクトル、87…トリガギャップ、88…静止型過電流
引外し装置、89…ZnO非直線抵抗体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湖口 義雄 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 谷水 徹 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 袴田 好美 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 国分工場内 (72)発明者 遠藤 俊吉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−96204(JP,A) 特開 昭59−60830(JP,A) 特開 昭59−74133(JP,A) 特開 平5−174661(JP,A) 特開 平7−29461(JP,A) 特公 昭58−649(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/66

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動側電極に接続された絶縁ロッドを
    介して前記可動側電極を駆動する開閉手段とを備えた真
    空遮断器において、前記固定側電極及び可動側電極は耐
    火性金属と高導電性金属との合金からなるアーク電極
    と、該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電極
    支持部と、該支持部に前記導体端子に電気的に接続され
    前記高導電性金属からなる電極棒とを有し、前記アーク
    電極と電極支持部と電極棒とは前記高導電性金属の溶融
    によって一体に形成されていることを特徴とする真空遮
    断器。
  2. 【請求項2】前記アーク電極はCr,W,Mo及びTa
    の1種又は2種以上の混合物と、Cu,Ag又はAuか
    らなる高導電性金属又はこれらを主にした高導電性合金
    との合金からなり、前記電極支持部は前記高導電性金属
    又は合金からなる請求項1に記載の真空遮断器。
  3. 【請求項3】前記アーク電極はCr,W,Mo及びTa
    の1種又は2種以上の合計量50〜80重量%とCu2
    0〜50重量%とを含む複合合金からなり、前記電極支
    持部はCr,Ag,W,V,Nb,Mo,Ta,Zr,
    Si,Be,Co,Feの1種又は2種以上の合計量が
    2.5 重量%以下とCu,Ag又はAuとの合金からな
    る請求項2に記載の真空遮断器。
  4. 【請求項4】前記真空バルブは3組あり、該3組の真空
    バルブを横に並べて樹脂の絶縁筒によって一体に組込ま
    れている請求項1〜3のいずれかに記載の真空遮断器。
  5. 【請求項5】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動側電極に接続された絶縁ロッドを
    介して前記可動側電極を駆動する開閉手段とを備えた真
    空遮断器において、前記固定側電極及び可動側電極は耐
    火性金属と高導電性金属との合金からなるアーク電極
    と、該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電極
    支持部と、該支持部に前記導体端子に電気的に接続され
    前記高導電性金属からなる電極棒とを有し、前記アーク
    電極と電極支持部と電極棒とは前記高導電性金属によっ
    て一体に形成され、前記電極支持部の0.2%耐力が10k
    g/mm2以上で比抵抗が2.8μΩcm以下であることを特
    徴とする真空遮断器。
  6. 【請求項6】高真空に保たれた絶縁容器内に固定側電極
    と可動側電極とを備えた真空バルブにおいて、前記両電
    極は耐火性金属と高導電性金属との複合部材よりなるア
    ーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属から
    なる電極支持部と、該支持部に連らなり前記高導電性金
    属からなる電極棒とを有し、前記アーク電極と電極支持
    部と電極棒とは前記高導電性金属の溶融によって一体に
    形成されていることを特徴とする真空バルブ。
  7. 【請求項7】高真空に保たれた絶縁容器内に固定側電極
    と可動側電極とを備えた真空バルブにおいて、前記両電
    極は耐火性金属と高導電性金属との複合部材よりなるア
    ーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属から
    なる電極支持部とを有し、前記アーク電極と電極支持部
    と、該支持部に連らなり前記高導電性金属からなる電極
    棒とは前記高導電性金属によって一体に形成され、前記
    電極支持部の0.2%耐力が10kg/mm2 以上で比抵抗
    が2.8μΩcm 以下であることを特徴とする真空バル
    ブ。
  8. 【請求項8】耐火性金属と高導電性金属との合金からな
    るアーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属
    からなる電極支持部と、該支持部に連らなり前記高導電
    性金属からなる電極棒とが前記高導電性金属の溶融によ
    って一体に形成されていることを特徴とする電気接点。
  9. 【請求項9】耐火性金属と高導電性金属との合金からな
    るアーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金属
    からなる電極支持部と、該支持部に連らなり前記高導電
    性金属からなる電極棒とが前記高導電性金属によって一
    体に形成され、前記電極支持部の0.2%耐力が10kg
    /mm2以上で比抵抗が2.8μΩcm 以下であることを特
    徴とする電気接点。
  10. 【請求項10】耐火性金属と高導電性金属との合金から
    なるアーク電極と、該アーク電極を支持する高導電性金
    属からなる電極支持部と、該支持部に連らなり前記高導
    電性金属からなる電極棒とを有する電気接点の製造法に
    おいて、前記アーク電極は耐火性金属を有する多孔質焼
    結体上に前記高導電性金属を載置し、該高導電性金属を
    溶融して前記多孔質体中に溶浸させることにより形成
    し、前記電極支持部と電極棒とは前記溶浸後に残留する
    前記高導電性金属の厚さを前記電極支持部として必要な
    厚さに設定することによって形成することを特徴とする
    電気接点の製造法。
  11. 【請求項11】前記アーク電極及び電極支持部を前記高
    導電性金属に溶浸させて凝固させて形成後、所望の温度
    に保持させて前記高導電性金属中に過飽和に固溶した金
    属又は金属間化合物を析出させる熱処理工程を有する請
    求項10に記載の電気接点の製造法。
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