JPH10340654A - 真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点並びに製造法 - Google Patents

真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点並びに製造法

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JPH10340654A
JPH10340654A JP15064297A JP15064297A JPH10340654A JP H10340654 A JPH10340654 A JP H10340654A JP 15064297 A JP15064297 A JP 15064297A JP 15064297 A JP15064297 A JP 15064297A JP H10340654 A JPH10340654 A JP H10340654A
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electrode
arc
arc electrode
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metal
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JP15064297A
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Hajime Murakami
村上  元
Katsuhiro Komuro
勝博 小室
Shigeru Kikuchi
菊池  茂
Noboru Baba
馬場  昇
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は電極表面の肌荒れを抑制し耐電
圧特性の優れた小型,長寿命のアーク電極を用いた真空
遮断器とその製造法及び電気接点とその製造法を提供す
る。 【解決手段】本発明は、高導電性金属中に、該高導電性
金属より高融点の耐火性金属粒子と導電性セラミックス
粒子が微細に分散したアーク電極を有する真空遮断器に
あり、前記高導電性金属粉末と耐火性金属粉末と導電性
セラミックスは機械的に合金化され放電焼結したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高電圧,大電流遮断
用として信頼性の高い真空遮断器用電極を備えた真空遮
断器及びその製造方法,真空バルブ,電気接点に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高電圧,大電流遮断用の真空遮断器は、
絶縁され高真空に保たれた容器内に固定側電極と可動側
電極とを備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固
定側電極と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接
続された導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロ
ッドを介して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え
た構造になっている。上記固定電極及び可動電極の構造
は、アーク電極と該アーク電極を支持するアーク電極支
持部材と該アーク電極支持部材に連なり、アークを電極
全面に分散させる働きをするコイル電極材とコイル電極
端部の電極棒の4つの部材、更に用途によっては、電極
の強度を増すための補強部材を追加する場合もある。
【0003】上述したアーク電極材は、高電圧,大電流
を開閉遮断するため直接アークにさらされる。アーク電
極材に要求される特性としては、遮断容量が大きいこ
と、耐電圧値が高いこと、接触抵抗値が小さいこと(電
気伝導に優れていること)、耐溶着性に優れているこ
と、接点消耗量が少ないこと及び裁断電流値が小さいこ
とがあげられる。従来の電極はCr,Cu,W,Co,
Mo,V,Nbあるいはこれらの合金粉末を所定の組
成,形状,空孔量に成形,焼結後、焼結体の骨格にCu
あるいはCu合金溶湯を含浸させて作製している(以
下、溶浸法と称する)が、上記特性のうち耐電圧値を改
善するため特開昭63−62122 号,同63−202813号公報で
は、溶浸前の焼結工程で密度をあげ、空孔率をできるだ
け少なくする熱間等方圧加圧(HIP)処理によりアー
ク電極材を製造する方法が開示されている。前記熱間等
方圧加圧処理により作製されたアーク電極材は、Cu合
金溶湯を含浸させて作製したアーク電極材に比べ耐電圧
が高く、耐電圧値の製品によるばらつきも少ないという
特徴を有する。
【0004】更に、アーク電極材料として、特開昭61−
148727号,同61−253730号,同61−288331号,同62−23
2823号,同63−62122 号,特開平6−330101 号にセラミ
ックスを含有するものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術ではアーク
電極の製法が溶浸法であると熱間等方圧加圧処理法であ
るとにかかわらず、アーク電極と該アーク電極を支持す
るアーク電極支持部材と該アーク電極支持部材に連なる
コイル電極材とコイル電極端部の電極棒の4つの部材を
各部品ごとに作製し機械加工を行った後、それらをろう
付けして電極を作製していた。ろう付けはアーク電極と
該アーク電極を支持するアーク電極支持部材と該アーク
電極支持部材に連なるコイル電極材とコイル電極端部の
電極棒のそれぞれの間に接合材と濡れ性の良好なろう材
を入れ、真空中あるいは還元性雰囲気中で昇温し、ろう
付け接合される。ろう付け接合を用いて構成される電極
は、各部材の機械加工工程と、ろう付けするための部品
組立て時の各部品の芯合わせに時間がかかり、また、ろ
う付け不良による電極材の破壊や脱落の事故原因となっ
ていた。更に、今後の真空遮断器の高電圧,大電流化を
考えた場合、接合面のろう材の電気抵抗が電極材に比べ
て高いことによるろう付け部からの局部発熱の問題も危
惧される。
【0006】更に、近年の遮断性能の向上の一環として
遮断器開閉速度の向上が試みられているが、遮断速度が
早くなると電極開閉時に電極に大きな衝撃応力がかか
り、電極の変形も起こりうる。そのため、電極各部材の
接合部強度が問題となり、従来のろう付けでは接合強度
の大きさに不安も生じてきた。
【0007】また、高電圧,大電流対応の真空遮断器の
電極は直径が100mm以上のものも要求されるが、従来
の各部材をろう付けで作製する方法では、この径以上の
ものは、ろう付け欠陥による強度不足のため実用的には
歩留りの問題等から作製が困難であった。
【0008】更に、従来のようにCu−Cr−セラミッ
クス系の材料をホットプレスや溶浸法で製造した場合、
遮断器用電極あるいは電気接点として用いると組織が荒
いため肌荒れを起こしやすく、耐電圧特性が低いという
問題があった。
【0009】本発明の目的は、高導電性金属と、該高導
電性金属より高融点の耐火性金属と導電性セラミックス
とを機械的に合金化し、高融点の耐火性金属と導電性セ
ラミックスを均一に微細分散することで、電極表面の肌
荒れを抑止し耐電圧特性が高く、耐溶着性に優れたアー
ク電極材を有する真空遮断器,その製造法,真空バル
ブ,電気接点を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、高導電性金属
中に、該高導電性金属より高融点の耐火性金属粒子と導
電性セラミックス粒子が微細に分散したアーク電極を有
する真空遮断器にあり、前記高導電性金属粉末と耐火性
金属粉末と導電性セラミックスは機械的に合金化され放
電焼結したことを特徴とする。
【0011】前記高導電性金属はCu,Au及びAgの
1種またはこれらを主にした合金からなり、前記耐火性
金属はCr,W,Mo、及びTaの1種又は2種以上か
らなり、前記導電性セラミックスはTi,Zr,Mo又
はWのボライド,カーバイド,ナイトライド又はシリサ
イドであることが望ましい。前記導電性セラミックスを
具体的に示すと、TiB2,ZrB2,HfB2,VB2
NbB2,TaB2,CrB2,MoB2,W2B,Ti
N,ZrN,HfN,VN,NbN,TaN,Cr
2N,CrN,Mo2N,WN,TiSi2,ZrSi2
HfSi2,VSi2,NbSi2,TaSi2,CrSi
2,MoSi2,WSi,TiC,ZrC,HfC,Nb
C,TaC,Cr32,Mo2C ,WCのいずれか1種
以上よりなるものである。
【0012】前記高導電性金属の含有量は20〜80重
量%(好ましくは40〜60重量%),前記耐火性金属の
含有量は10〜70重量%(好ましくは15〜30重量
%)、及び導電性セラミックスの1種又はそれ以上で構
成される混合粉末の含有量は5〜50重量%(20〜4
0重量%)とするのが望ましい。
【0013】前記合金は、Pbを10重量%以下(好ま
しくは0.5〜3 重量%)添加することができる。
【0014】本発明は、前記合金粉末をホットプレス,
HIPあるいは放電焼結法のいずれかを用い焼結したこ
とを特徴とする電極材料にある。
【0015】本発明は、絶縁容器内に固定側電極と可動
側電極とを備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記
固定側電極と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に
接続された導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁
ロッドを介して前記可動電極駆動する開閉手段とを備え
た真空遮断器において、前記固定側電極及び可動側電極
は耐火性金属と高導電性金属との合金からなるアーク電
極と、該アーク電極を支持する高導電性金属からなる電
極支持部とを有し、前記アーク電極は前述の電極材料で
あることを特徴とする真空遮断器にある。
【0016】本発明は、前記合金粉末を、ホットプレ
ス,HIPあるいは放電焼結法のいずれかを用い焼結し
たことを特徴とする接点材料にある。
【0017】前記合金粉末を焼結する際は、前記合金粉
末を粉砕,分粒し500μm以下の粉末を焼結するのが
望ましい。また焼結後の組織は、異なる金属が層状に重
なり合ったラメラ組織でも構わないが、結晶粒の大きさ
は1μm以下であることが望ましい。
【0018】電極材料は、耐火金属と高導電性金属,導
電性セラミックスとの複合合金からなり、前者にはC
r,W,Mo,Ta等の約1800℃以上の高融点の金
属が用いられ、高導電金属に対して固溶量として3%以
下の小さいものが好ましい。耐火金属としては特に、耐
火金属に対して1〜10重量%のNb,V,Fe,Co
の1種または2種以上を含むことができる。
【0019】高耐圧型の電極材では、耐火金属40〜7
0重量%と高導電性金属20〜50重量%,導電性セラ
ミックス5〜15重量%を含む合金であることが望まし
い。低サージ型の電極材では、耐火金属10〜50重量
%と高導電性金属30〜70重量%,導電性セラミック
ス15〜50重量%を含む合金であることが望ましい。
導電性セラミックスの含有量が50%を越えると、耐電
圧が急激に低下するため好ましくない。
【0020】Cuを主にした導電性金属は,Cuの微細
化を促進するためにSnを5%以下添加することができ
る。
【0021】前記合金は、Pbを10%以下添加するこ
とで、機械的に合金化した金属粉末の回収率があがり、
かつ得られる合金粉末の粒径を小さくできる。低融点金
属でかつCuに対して固溶量として3%以下のSb,B
iを少なくとも1種以上10%以下添加することで、耐
溶着性に優れた電極材料を提供できる。Pb,Sb,B
iを少なくとも1種以上の合計量10%以下(好ましく
は0.5〜3 重量%)添加すると、耐電圧特性が低下す
るため好ましくない。
【0022】真空遮断器に前記電極材料を用いること
で、初期性能に優れ、かつ耐溶着性能の高い真空遮断器
を提供できる。
【0023】ここで放電焼結とは、例えば黒鉛のダイと
上下パンチの間に目的の粉末を装填し、上下パンチの間
に電流を流すことで粉末の自己加熱あるいは、粒子間に
発生する放電エネルギーにより高導電性金属の融点以下
の固相で短時間で焼結する方法である。放電焼結する場
合は、雰囲気は減圧下でも大気圧下でも構わない。また
上下パンチを加圧し粉末を圧縮しながら焼結しても構わ
ない。また黒鉛のダイと上下パンチの間に粉末とバルク
を装填し焼結することや、バルクと粉末を交互に装填し
バルク同士を接合することも可能である。
【0024】また、前記アーク電極支持部材,コイル電
極部材及び通電電極棒は、1.0 重量%以下(0は除
く)がCr,V,Nb,Zr,Si,W,Beの群の中
から選ばれた1種以上の金属成分からなり、残部がC
u,Ag,Auの群から選ばれた1種以上の金属成分か
らなる合金よりなるものも好ましい。
【0025】また、上記構造の真空遮断器用電極におい
て、前記アーク電極及び前記アーク電極支持部材に縦磁
界発生用の複数本の溝を有し、かつ、その溝がアーク電
極及び前記アーク電極支持部材の側面部において連続し
ており、かつ前記アーク電極部材と前記アーク電極支持
部材,コイル電極部材及び通電電極棒とは前述のように
固相拡散により金相学的に一体に放電焼結により接合さ
れることにより更に性能を向上させることができる。
【0026】また、上記真空遮断機用電極は、前記アー
ク電極部材と前記アーク電極支持部材,コイル電極部材
及び通電電極棒のうちの少なくとも1つの接合部を一体
に固相接合することにより製造される。
【0027】更に、本発明は前述の真空遮断器におい
て、前記電極支持部の0.2% 耐力が4kg/cm2 以上で
比抵抗が2.8μΩcm以下であるものが好ましい。
【0028】本発明は、高真空に保たれた絶縁容器内に
固定側電極と可動側電極とを備えた真空バルブにおい
て、前記両電極は耐火性金属と高導電性金属との放電焼
結合金よりなるアーク電極部材からなり、また該アーク
電極部材を支持する高導電性金属からなるアーク電極支
持部材又は通電電極棒とを有し、前記アーク電極は前述
よりなり、アーク電極支持部材又は通電電極部材とは放
電焼結にて一体に形成されることが好ましい。
【0029】前記固定側電極と可動側電極の少なくとも
一方の電極は前記電極支持部材に高導電性金属からなる
縦磁界発生コイルが設けられていることが好ましい。
【0030】前記縦磁界発生コイルは円筒状であり、そ
の円周面にスリット溝が設けられた形状又は横断面が略
卍状であるのが好ましい。
【0031】前記固定側電極及び可動側電極はそれらの
外周部がスリット溝によって分離された羽根型を有する
のが好ましい。
【0032】本発明は耐火性金属と高導電性金属との放
電焼結合金からなる前述のアーク電極部材からなり、ま
た、該アーク電極部材を支持する高導電性金属からなる
アーク電極支持部材又は通電電極棒とが放電焼結によっ
て一体に形成される電気接点にある。
【0033】真空遮断器用電極を、放電焼結合金からな
る前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材,コイ
ル電極部材及び通電電極棒の接合部のうちの少なくとも
1つの接合部基材を放電焼結により一体に形成すること
により、アーク電極部材と前記アーク電極支持部材,ア
ーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極部材又
はアーク電極部材と通電電極棒の4部材のうちの少なく
とも2つ以上の部材間をろう材を用いることなく接合す
ることができる。この場合、接合部の強度が問題となる
が接合部の基材(Cu合金)が固相拡散により金相学的
に一体に固相接合されていれば、強度も十分得られ、ま
た使用時の接合部での発熱の問題も生じない。ここで固
相拡散により金相学的に連続、又は金相学的に一体に固
相接合することは、上記部材の接合部において基材(こ
の場合は純Cu)の結晶(柱状に成長している結晶で、
一つ一つは単結晶)が接合部においても連続しており、
接合境界部が明瞭に示さない状態をいう。固相拡散を用
いて金相学的に一体とした場合、特徴的なのは基材中に
分散しているCr,W,Moなどの1800℃以上の融
点を有する高融点金属の形状が、原料粉の形状をそのま
ま保っていることである。原料粉を破砕等により粒径を
小さくすると、粒の形状が角ばっていることが多いが、
固相拡散を用いた場合は焼結温度が低く、Crなどの高
融点金属がほとんど反応しないため粒の形状が角ばった
ままで、更にギザギザの表面を有している。一方、アー
ク電極部材を溶融含浸させる方法での製造では、高温で
処理するため、Crなどの高融点金属の一部が反応し、
粒の形状が丸くなる。これらの違いを顕微鏡で観察する
と色の濃い部分がCr粒子であり、白っぽく見えるマト
リックスがCu合金である。高融点金属の一部が反応し
た場合は、その元素が基材のCu合金中に拡散するた
め、基材の電気伝導率が低下する。電極材料は高電圧,
大電流を流すため、電気伝導率のわずかな低下が、エネ
ルギーロスにつながるため好ましくない。固相拡散によ
り一体に形成する部材は、4つの部材のうちの2つ以上
の部材に適用でき、製造コストとの関係で、一部の接合
をろう付けとすることもできる。
【0034】本発明のアーク電極部材は通電加熱による
焼結により製造することにより、従来の製造法では不可
能であったアーク電極材を任意の組成勾配をもつように
することができる。これにより、各材質の熱膨張係数の
違いによる熱応力を緩和することができ、電極使用時の
熱応力による割れの発生を抑制することができる。
【0035】電極は使用時は常に電流が流れているた
め、電気エネルギーの損失ができるだけ少ないように、
電気抵抗のできるだけ小さい材料を用いることが好まし
いが、純Cuでは融点がアーク温度より低いため使用中
に溶け出し使用中に溶着してしまう。できるだけ電気抵
抗を上昇させない範囲で、溶着性を向上させるような元
素として従来より、前記Cr,W,Mo,V,Nb,Z
r,Ta,Ti,Si,Co元素が用いられている。こ
れらの金属は、従来構造の電極に用いられるものと同じ
ものが使われる。これらは融点が1800℃以上の高融
点金属、Cr,W,Mo,V,Nb,Zr,Ta,T
i,Si,Coなどが単体またはこれらの群から選ばれ
た2種以上の合金をCu等の基材に添加して用いられ
る。含有量は合計量で20〜70重量%が好ましい。遮
断速度が速く強度が要求されるようなものに対しては、
含有量を多くするなど電極の要求特性に応じ、含有量を
加減することが望ましい。
【0036】また、比抵抗は合金元素を加えることによ
って増加するが、電極支持部,コイル電極部及び通電棒
の比抵抗はできるだけ小さくすることによって通電中の
電極温度上昇を抑えること及び遮断時のアーク発生に伴
うアーク熱を電極棒を通して放熱するため、その熱伝導
率を高くする必要がある。アーク電極支持部,コイル電
極部材及び通電棒の比抵抗は2.5μΩ・cm 以下とする
のが好ましく、各元素の含有量を重量比でCr1.18
%,Ag1.0%,V1.0%,Nb1.0%,Zr0.8
%,Si0.5%,W0.8%,Be1.0%を上限とし
て含有させることが好ましい。
【0037】放電焼結は、高導電性金属の融点以下とす
る固相で行う。融点以上とすると耐火金属が高導電性金
属中に固溶し、電気伝導率を低下させるために好ましく
ない。通電加熱電流は210〜300A/cm2、加圧圧
力は610〜1000kg/cmが好ましく、高導電性
金属としてCuを用い、耐火金属としてCr,Wにおい
ては210〜300A/cm,700〜900kg/cm
2が好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1(a)に本発明電極の模式図を示す。
本発明電極は、粒径150μm以下のCu粉末50重量
%と、粒径10μm以下のCr粉末20重量%,粒径5
0μm以下のTiN粉末30重量%を混合後、ボールミ
ル中に入れ1×10-4Torrに脱気後Ar置換し、100
時間機械的合金化を行った。得られた合金粉末の平均粒
径は、約200μmであった。得られた合金粉末をX線
回折装置により結晶粒径を測定したところ、X線的にみ
た結晶粒径はCu,Cr,TiNともに約20nmであ
った。得られた合金粉末を分粒し、500μm以下の粉
末のみをカーボン製ダイスに充填し、1×10-2Torrに
脱気後、800kg/cm2 の加圧力にて、3800Aの電
流で5分間の放電焼結し作製した。焼結後の組織は、C
uのマトリクスに、数10〜数100nmに微細化した
CrとTiNが均一に分散している。
【0039】図1(b)に従来電極の模式図を示す。従
来電極は、粒径150μm以下のCu粉末50重量%
と、粒径10μm以下のCr粉末20重量%,粒径50
μm以下のTiN粉末30重量%を混合後、カーボン製
ダイスに充填し、1×10-2Torrに脱気後、放電焼結し
作製した。 焼結後の組織は、Cu,Cr,TiNとも
に、数10〜数100μmの大きさである。
【0040】粒径150μm以下のCu粉末と、粒径1
0μm以下のCr粉末,粒径50μm以下のTiN粉
末,粒径75μm以下のPb粉末を用い、49重量%C
u−20重量%Cr−30重量%TiN−1重量%P
b,48重量%Cu−20重量%Cr−30%TiN−
2重量%Pb,45重量%Cu−20重量%Cr−30
%TiN−5%重量%Pbの4種類の組成の粉末を、そ
れぞれ混合後ボールミル中に入れ1×10-4Torrに脱気
後Ar置換し、100時間機械的合金化を行った。図2
に造粒粉末の回収率を示す。Pbの添加量が多いほど回
収率は高くなった。
【0041】本実施例で作製した、微細組織化した本発
明電極材(a)、及び従来電極材(b)を用い、それぞ
れ図3に示す真空遮断器を作製し遮断試験を行った。ア
ーク電極支持部1とアーク電極部2及びアーク電極支持
部4のアーク電極部3側とアーク電極3が各々一体に製
造されたものである。これらは銅又は銅合金の溶浸又は
放電焼結によって得られる。いずれの電極も対向する面
で3又は4本の中心部を除いて等間隔でのうず巻き状の
貫通スリットが設けられる。図4に耐電圧特性を示す。
従来品は、初期性能は、耐電圧特性,電流遮断特性共に
性能が低いが、本発明品は初期から耐電圧特性が高い。
【0042】(実施例2)粒径150μm以下のCu粉
末と、粒径10μm以下のCr粉末,粒径50μm以下
のTiN粉末,粒径149μm以下のSb粉末,粒径1
49μm以下のBi粉末を用い、49重量%Cu−20
重量%Cr−30重量%TiN−1重量%Sb,49重
量%Cu−20重量%Cr−30重量%TiN−1重量
%Bi、それぞれ混合後ボールミル中に入れ1×10-4
Torrに脱気後Ar置換し、200時間機械的合金化を行
った。得られた合金粉末を分粒し、500μm以下の粉
末のみをカーボン製ダイスに充填し、1×10-2Torrに
脱気後、実施例1と同様に放電焼結し電極を作製した。
図5に各組成の電極材の溶着力を示す。Sb,Biを添
加することで溶着力は低下した。
【0043】(実施例3)粒径150μm以下のCu粉
末50重量%と、粒径10μm以下のCr粉末20重量
%,粒径50μm以下のTiN粉末30重量%を混合
後、ボールミル中に装荷し1×10-4Torrに脱気後Ar
置換し、200時間機械的合金化を行った。得られた合
金粉末を分粒し、500μm以下の粉末を金型につめ、
油圧プレスを用いて、約3ton/cm2の加圧力で成形し、
直径60mm,厚さ10mmの成形体とした。この時の成形
体の気孔率は、かさ密度の測定から23〜28%であ
る。一方、粒径44μm〜150μmのCu粉末のみを
約2.5ton/cm2 の加圧力でプレス成形し、直径60m
m,厚さ50mmの成形体とした。この時の成形体の気孔
率は22〜27%である。これらの成型体を重ねて軟鋼
カプセルに入れ、真空封止後HIP処理を行った。な
お、軟鋼カプセル、真空封止施工及びHIP処理等の条
件は以下の通りである。肉圧3mmの軟鋼製カプセルを用
いて、約500〜600℃に加熱し、真空排気脱ガスを施
しながら真空度5×10-5Torrまで脱気後、真空封止し
た。HIP処理における昇温速度は約10℃/min ,焼
結圧力2000kg/cm2 ,焼結温度1000℃で2時間
保持し焼結を行った。HIP処理後の電極材料の真密度
は、99%であった。
【0044】(実施例4)表1は実施例1〜2で実施し
た放電焼結における通電電流と、加圧力との関係を示し
たものである。表中白丸印は成形体の理論密度比が97
%以上であることを示し、半分塗り潰したものは95〜
97%未満、黒丸印は95%未満を示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように成形体の理論密度は実施
例1〜2とも通電電流が3000A以下であると極端に
低下し、3800A以上で、加圧力が400kg/cm2
上であれば97%以上になることがわかる。
【0047】(実施例5)表2は本発明である放電焼結
によるアーク電極とアーク電極支持部を一体成形した材
料No.1〜10の接合部電気抵抗及び強度測定結果を示
したものである。比較として従来方法であるろう付け接
合した場合の接合部の電気抵抗及び強度(比較例1)、
及び800℃で焼鈍した純Cuの電気抵抗及び強度(比
較例2)を示す。
【0048】
【表2】
【0049】電気抵抗測定は4点式抵抗測定法で、強度
測定はアムスラー引張試験機を用いて実施した。従来方
法でろう付け接合した界面(接合部の厚さ約3μm)の
強度は12〜22kg/mm2 とばらつきが大きく、強度1
2kg/mm2 の試験片にはろう付け不良部が確認された。
また、界面部の電気接触抵抗値は0.4〜0.44μΩ・
cmと高い抵抗値である。それに対しNo.1の界面強度は
25〜26kg/mm2 と安定した強度を示し、試験片の欠
陥は観察されなかった。またNo.2はアーク電極支持部
にCrが約0.90% 含むCu合金であるにもかかわら
ず、ろう付け接合部がないので、界面の電気接触抵抗は
0.04μΩ・cm と比較例1より低い値であり、大電流
を流す遮断器電極として好適であることがわかる。
【0050】一方、比較例2の純Cuの破断強度は8〜
9kg/mm2 で、0.2% 耐力は3〜5kg/mm2 と非常に
軟弱であり、アーク電極支持部材あるいはコイル電極材
に使用した場合には衝撃的な荷重に耐えきれず経時的に
変形してしまうことがわかる。これに対し、Crあるい
はAg,V,Nb,Zr,Si,W,Beをそれぞれ含
有したCu合金のNo.2〜10の電気抵抗値は、0.0
4〜0.07μΩ・cmと、従来のろう付け接合界面抵抗
値と比較すると約半分以下であり十分に実機真空遮断器
用電極材に使用可能である。また、No.2〜10の強度
は、いずれも24〜25kg/mm2 と純Cuより2〜3倍
の強度を有し、0.2% 耐力においても10〜11kg/
mm2 と約2倍の強度である。
【0051】このように、本発明によるCrあるいはA
g,V,Nb,Zr,Si,W,Beをそれぞれ含有す
るCu合金製アーク電極支持部材,コイル電極材及び電
極棒は、電極開閉時の衝撃的荷重の繰り返しによる変形
が生じないため変形に伴う溶着障害を防止して信頼性及
び安全性の向上が図られる。
【0052】(実施例6)図6は各種アーク電極材と各
種アーク電極支持部材の放電焼結方法を示したものであ
る。11はアーク電極の目標組成に調整された混合粉末
である。7はアーク電極材である。12はアーク電極支
持部材の目標組成に調整された混合粉末である。13は
アーク電極支持部材である。14は黒鉛のパンチであ
る。15は黒鉛のダイである。16は通電電極である。
【0053】(a)の製法は、アーク電極の目標組成に
調整された混合粉末を目標の厚さになるように充填し、
その上からアーク電極支持部の目標組成に調整された粉
末を目標厚さになるように充填し放電焼結する方法であ
る。(a)の製法ではアーク電極の目標組成に調整され
た混合粉末とアーク電極支持部の目標組成に調整された
粉末が上下逆になっても構わない。
【0054】(b)の製法は、アーク電極支持部の目標
組成に調整された粉末を目標厚さになるように充填し、
その上からアーク電極の目標組成に調整された混合粉末
を目標の厚さになるように充填し、更にアーク電極支持
部の目標組成に調整された粉末を目標厚さになるように
充填し放電焼結する方法である。焼結後に中心のアーク
電極部を切断することで、一度の焼結で2つの部材を作
ることができる。
【0055】(c)の製法は、アーク電極の目標組成に
調整された粉末を目標厚さになるように充填し、その上
からアーク電極支持部の目標組成に調整された混合粉末
を目標の厚さになるように充填し、更にアーク電極部の
目標組成に調整された粉末を目標厚さになるように充填
し放電焼結する方法である。焼結後に中心のアーク電極
支持部を切断することで、一度の焼結で2つの部材を作
ることができる。
【0056】(d)の製法は、ダイスに凹凸をつけ焼結
する方法である。
【0057】(e)の製法は、アーク電極の目標組成に
調整された混合粉末を目標の厚さになるように充填し、
更に柱状のアーク電極支持部材を装填し放電焼結する方
法である。なお焼結時にダイが破損することを防止する
ため、柱状のアーク電極支持部材の直径は、ダイの直径
から熱膨張分以上小さくしたほうが良い。
【0058】(f)の製法は、アーク電極の目標組成に
調整された混合粉末を目標の厚さになるように充填し、
その上にダイの直径よりも小さい柱状のアーク電極支持
部材を装填し、更にダイとアーク電極支持部材の隙間及
び上部にアーク電極の目標組成に調整された混合粉末を
目標の厚さになるように充填し放電焼結する方法であ
る。(b),(c)同様中心を切断することで、一度の
焼結で2つの部材を作ることができる。
【0059】(g)の製法は、アーク電極材を装填し、
その上からアーク電極支持部の目標組成に調整された混
合粉末あるいは、アーク電極部の目標組成に調整された
混合粉末あるいはアーク電極の目標組成とアーク電極支
持部の目標組成の中間組成を目標の厚さになるように充
填し、更にアーク電極支持部材を装填し放電焼結する方
法である。なお焼結時にダイが破損することを防止する
ため、柱状のアーク電極材及びアーク電極支持部材の直
径は、ダイの直径から熱膨張分以上小さくしたほうが良
い。
【0060】(実施例7)図7は実施例1〜6で得られ
たアーク電極を用いた真空バルブの断面図である。絶縁
材で形成された絶縁筒体からなる真空容器35の上下開
口部に上下一体をなす端板38a,38bを設けて真空
室を形成する真空容器を構成し、上記上端板38aの中
程に固定電極30aの直下に位置する上記下端板38b
の中程に可動側電極30bの一部を形成する可動側電極
棒34bを昇降自在に設け、この可動側電極棒34bに
縦磁界発生コイル33b及びアーク電極31bを付設
し、上記固定電極30aのアーク電極31aに対して上
記可動電極30bのアーク電極31bを接触,遮断する
ようにし、上記可動側の電極棒34bの周りに位置する
上記下端板38bの内側に金属製のベローズ37を伸縮
するようにして覆い被せ、さらに上記両アーク電極の周
りに円筒状をなす金属板のシール部材36を真空容器3
5にそって設置し、このシール部材36は上記真空容器
35の絶縁性を損なわないようにして構成したものであ
る。
【0061】更に、上記アーク電極31a,31bは前
述の放電焼結によって得られたアーク電極支持部材32
a,32bに一体固着され、各縦磁界を発生するコイル
電極33a,33bに純鉄からなる補強部材39a,3
9bによって補強されてろう付けされる。補強部材39
a,39bとして他にオーステナイト系ステンレス鋼が
用いられる。真空容器35にはガラス,セラミックス焼
結体が用いられる。真空容器35は絶縁筒体を金属製端
板38a,38bにコバール等のガラス,セラミックス
の熱膨張係数に近い合金板を介してろう付けされ、10
-6mmHg以下の高真空に保たれる。
【0062】固定側の電極棒34aは端子に接続され、
電流の通路となる。排気管(図示なし)は上端板38a
に設けられ、排気の時真空ポンプに接続される。ゲッタ
は真空容器内部に微量のガスが発生した場合に吸収して
真空を保つために設けられる。シール部板36は主電極
表面のアークによって発生した金属蒸気を付着し、冷却
させる働きを有する。
【0063】図8は電極の詳細を示す断面図である。固
定電極及び可動電極のいずれもほぼ同じ構造を有する。
アーク電極31は実施例4に示すアーク電極支持部材3
2を放電焼結によって一体化したものである。この一体
構造のものを図のように切削加工によって得た。アーク
電極支持部材32には更に非磁性のオーステナイト系ス
テンレス鋼からなる補強の平板40をろう付けするとと
もに、コイル電極33は純Cuからなるもので、前述の
ろう材より低融点のろう材を用いて電極棒34及びアー
ク電極支持部材32に各々ろう付けした。
【0064】本実施例におけるアーク電極支持部材32
は純Cuによって形成したもので、そのアーク電極支持
部材32へのCr,Ag,V,Nb,Zr,Si,W,
Be量は前述の通りであり、要求される強度と電気抵抗
とを考慮して決められる。なお、電気抵抗は熱処理によ
り金属間化合物を析出させることによって強度を下げず
に小さくすることができる。
【0065】(実施例8)図9は、実施例7で得られた
真空バルブを用いた真空遮断器の全体図である。操作機
構部を前面配置とし、背面に真空バルブを支持する3相
一括型の3組の耐トラッキング性を有するエポキシレジ
ン筒60を配置した小型,軽量な構造である。各相端は
エポキシレジン筒,真空バルブ支持板で水平に支持され
た水平引き出し形である。真空バルブは、絶縁操作ロッ
ド61を介して、操作機構によって開閉される。操作機
構部は、構造が簡単で、小型,軽量な電磁操作式の機械
的引きはずし自由機構である。開閉ストロークが少な
く、可動部の質量が小さいために衝撃が少ない。本体前
面には、手動連結式の二次端子のほか、開閉表示器,動
作回数計,手動引きはずしボタン,手動投入装置,引き
出し装置及びインターロックレバーなどが配置されてい
る。
【0066】(a)閉路状態 遮断器の閉路状態を示し、電流は上部端子62,主電極
30,集電子63,下部端子64を流れる。主電極間の
接触力は、絶縁操作ロッド61に装着された接触バネ6
5によって保たされている。
【0067】主電極の接触力,早切りバネの力および短
絡電流による電磁力は、支えレバー66およびプロップ
67で保持されている。投入コイルを励磁すると開路状
態からプランジャ68がノッキングロッド69を介して
ローラ70を押し上げ、主レバー71を回して接触子を
閉じた後、支えレバー66で保持している。
【0068】(b)引きはずし自由状態 開離動作により可動主電極が下方に動かされ、固定・可
動両主電極が開離した瞬間からアークが発生する。
【0069】アークは、真空中の高い絶縁耐力と激しい
拡散作用によって短時間に消弧される。引きはずしコイ
ル72が励磁されると、引きはずしレバー73がプロッ
プ67の係合をはずし、主レバー71は早切りバネの力
で回って主電極が開かれる。この動作は、閉路動作の有
無には全く関係なく行われる機械的引きはずし自由方式
である。
【0070】(c)開路状態 主電極が開かれたあと、リセットバネ74によってリン
クが復帰し、同時にプロップ67が係合する。この状態
で投入コイル75を励磁すると(a)の閉路状態にな
る。76は排気筒である。
【0071】真空遮断器は高真空中でアーク遮断し、真
空の持っている高い絶縁耐力と、アークの高速拡散作用
により優れた遮断性能を有しているが、反面無負荷のモ
ーター,変圧器を開閉する場合電流が零点に達する以前
に遮断してしまい、いわゆる裁断電流を生じ、この電流
とサージインピーダンスの積に比例する開閉サージ電圧
を発生する場合がある。このため3kV変圧器や3k
V,6kV回転機などを真空遮断器で直接開閉するとき
は、サージアブソーバを回路に接続してサージ電圧を抑
制し、機器を保護する必要がある。サージアブソーバと
しては、コンデンサを標準とするが、負荷の衝撃波耐電
圧値によってZnO非直線抵抗体を使用することができ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、結晶粒の大きさが10
〜1000nmになるように機械的に合金化し金属粉末
を粉砕,分粒し500μm以下の粉末をホットプレス、
HIPあるいは放電焼結法のいずれかを用い焼結を行う
ことで、初期性能の良い高性能アーク電極材料が得られ
る。
【0073】更に本発明によれば、アーク電極と該アー
ク電極を支持する支持部材と該支持部材に連なるコイル
電極とを有する固定側電極及び可動側電極を備えた真空
遮断器において、少なくとも前記アーク電極、また該電
極と上記アーク電極支持部材とは放電焼結による金相学
的に一体の構造を有し、前記支持部材及びコイル電極は
1.0 重量%以下のCr,V,Nb,Zr,Si,W,
Be等を含有したCu合金から構成されるので、ろう付
け接合に伴う各部材の機械加工工程及び組立て工程の低
減とろう付け接合不良による電極材の破壊や脱落を防止
するとともに、アーク電極支持部材及びコイル電極材の
強度向上により電極変形に伴う溶着障害を防止できるこ
とからより信頼性,安全性の高い真空遮断器とそれに用
いる真空バルブ及び電気接点を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来材及び本発明で得られる電極材金属組織の
模式図。
【図2】機械的合金化後の粉末回収率。
【図3】本発明電極材の溶着力。
【図4】真空遮断器全体の概略図。
【図5】従来材及び本発明材の電極耐電圧特性。
【図6】放電焼結方法と電極形状とを示す断面図。
【図7】真空バルブの断面図。
【図8】電極の断面図。
【図9】真空遮断器全体の構成図。
【符号の説明】
1,4…アーク電極支持部、2,3…アーク電極部、5
…シール部材、6,37…ベローズ、14…黒鉛製パン
チ、15…黒鉛製ダイ、16…通電電極、31,31
a,31b…アーク電極、32,32a,32b…アー
ク電極支持部材、33,33a,33b…コイル電極、
34,34a,34b…可動側電極棒、35…真空容
器、36…シール部材、39,39a,39b…補強部
材、42…ろう付け部、50…電極溝、60…エポキシ
レジン筒、61…絶縁操作ロッド、62…上部端子、6
3…集電子、64…下部端子、65…接触バネ、66…
支えレバー、68…プランジャ、71…主レバー、72
…引きはずしコイル、75…投入コイル、76…排気
筒。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22C 1/05 C22C 1/10 J 1/10 B22F 3/14 101B (72)発明者 馬場 昇 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と通電電極棒とを備えた
    真空遮断器において、前記アーク電極部材は高導電性金
    属中に該高導電性金属よりも高融点である耐火性金属粒
    子及び導電性セラミックス粒子が分散した放電焼結合金
    により形成されていることを特徴とする真空遮断器。
  2. 【請求項2】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極部材は高導電性金属中に該高導電性金属
    よりも高融点である耐火性金属粒子及び導電性セラミッ
    クス粒子が分散した焼結合金からなることを特徴とする
    真空遮断器。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記高導電性金
    属はCu,Au及びAgの1種またはこれらを主にした
    合金からなり、前記耐火性金属はCr,W,Mo、及び
    Taの1種又は2種以上からなり、前記導電性セラミッ
    クスはIVa,Va,VIa 族のボライド,カーバイド,ナ
    イトライド又はシリサイドであることを特徴とする真空
    遮断器。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記高導電性金属の含
    有量が20〜80重量%、及び前記耐火性金属の含有量
    が10〜70重量%であり、及び導電性セラミックスの
    1種又はそれ以上で構成される混合粉末が5〜50重量
    %の組成で、機械的に合金化したことを特徴とする真空
    遮断器。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、機械的
    に合金化する際にPb,Sb及びBiの少なくとも1種
    が合計で10%以下含有することを特徴とする真空遮断
    器。
  6. 【請求項6】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材及び該アーク電
    極を支持するアーク電極支持部材を備えた真空遮断器の
    製造方法において、前記アーク電極部材は高導電性金属
    粉,該高導電性金属よりも高融点である耐火性金属粉及
    び導電性セラミックス粉の混合粉末を放電焼結により形
    成することを特徴とする真空遮断器の製造方法。
  7. 【請求項7】前記アーク電極支持部材,コイル電極部材
    及び通電電極棒の少なくとも1つは、1.0 重量%以下
    のCr,V,Nb,Zr,Si,W,Beの群の中から
    選ばれた1種以上の金属を含み、残部がCu,Ag,A
    uの群から選ばれた1種以上の金属からなる合金よりな
    る請求項1〜4のいずれかに記載の真空遮断器。
  8. 【請求項8】高真空に保たれた絶縁容器内に固定側電極
    と可動側電極とを備えた真空バルブにおいて、前記両電
    極は耐火性金属と高導電性金属と導電性セラミックスと
    の複合部材よりなり、放電焼結されたアーク電極部材又
    は該アーク電極部材と該アーク電極部材を支持する高導
    電性金属からなるアーク電極支持部材よりなることを特
    徴とする真空バルブ。
  9. 【請求項9】高導電性金属中に、該高導電性金属より高
    融点を有する耐火性金属粒子及び高導電性セラミックス
    粒子が分散し、前記耐火性金属及び導電性セラミックス
    は粒径が1μm以下であることを特徴とする電気接点。
  10. 【請求項10】Cr,W,Mo及びTaの1種又は2種
    以上の合計量50〜80重量%の耐火性金属粒子、C
    u,Ag又はAu20〜50重量%及び導電性セラミッ
    クス粒子5〜50重量%を含み、前記耐火性金属粒子及
    び導電性セラミックス粒子は粒径が1μm以下であるこ
    とを特徴とする電気接点。
  11. 【請求項11】請求項9又は10において、電極支持部
    材又は通電電極棒はCr,Ag,W,V,Nb,Mo,
    Ta,Zr,Si,Be,Ti,Co及びFeの1種又
    は2種以上の合計量が2.5 重量%以下及び残部Cu,
    Ag又はAuである高導電性合金からなり、前記電極支
    持部材は前記アーク電極部材に一体に形成されているこ
    とを特徴とする電気接点。
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