JP2010277962A - 真空遮断器の電極接点部材並びに真空遮断器用電極接点部材の製造方法 - Google Patents

真空遮断器の電極接点部材並びに真空遮断器用電極接点部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造が簡単な真空遮断器用電極接点部材の製造方法及び、表面部に薄いCr微細分散層を形成し、耐電圧や遮断性能を向上できる真空遮断器の電極接点部材を提供する。
【解決手段】真空遮断器用電極接点部材の製造方法は、Cuの含有量が40〜80重量%とCrの含有量が60〜20重量%とを含むCu−Cr焼結体電極接点素材15Aを形成し、該Cu−Cr焼結体電極接点素材15Aの両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する圧縮ねじり加工による表面処理を行うことによって、表面部に薄いCr微細分散層20を有した微細分散化電極接点素材15Bを形成し、微細分散化電極接点素材15Bの表面を滑らかに平坦化処理し平坦化電極接点素材15Cを形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は真空遮断器の遮断部に用いられる電極接点部材並びに真空遮断器用電極接点部材の製造方法に係り、特に耐電圧の低下を防いで遮断性能を向上でき、製造が容易に行える真空遮断器の電極接点部材並びに真空遮断器用電極接点部材の製造方法に関するものである。
一般に、図5に示すように真空遮断器1は、セラミック等の絶縁材料からなる略円筒状の中空部材2の両端部に、封鎖金具3、4をそれぞれ介在させて金属製の端部板5、6を固着して絶縁容器を形成し、この内部に真空雰囲気の遮断室を構成する。
遮断室には、端部板5を貫通して気密に固着する固定側の通電導体7と、端部板6を貫通する可動側の通電導体8を配置している。これら通電導体7、8には、それぞれ遮断室内で対向する電極を蝋付け等の方法で取り付けている。各電極は例えば図5に示す如く、アークを駆動する磁界発生手段となる円弧溝(図示せず)を備えるコイル電極10A、10Bと、各コイル電極10A、10Bの端面側に固着する電極接点部材11A、11Bとから形成されている。
可動側の通電導体8は、一端を端部板6に固定すると共に、他端を通電導体側に固定するベローズ9により気密を保持し、操作装置(図示せず)によって軸方向に移動可能に構成する。そして、操作装置を動作させての電流遮断の際に、電極接点部材11A、11B間等に発生するアークに基づく悪影響を防止するため、中空部材2の内面やベローズ9面を保護するシールド筒12や13を配置している。
ところで、コイル電極10A、10Bの対向面にそれぞれ固着する電極接点部材11A、11Bは、真空遮断器1の性能、即ち大電流から小電流まで良好に遮断できて絶縁耐力も高く、しかも耐融着性が良いこと等の性能に大きく影響するため、従来から種々の材料や製造方法が提案されている。
例えば、導電性の良好な銅(Cu)と耐アーク性成分のクロム(Cr)とを適切な割合で含む粉末混合物を、圧縮してから真空中等の非酸素雰囲気で焼結してCu−Cr焼結合金を作り、これを冷間加工して真空遮断器の電極接点部材を作って、使用することが提案されている(特許文献1参照)。
また、真空遮断器の電極接点部材として、Cu−Crの混合物を不活性ガス雰囲気中又は真空中で溶融し、この溶湯をアトマイズ法で微細化してCuマトリックス中に均一に分散した平均粒径5μm以下のCrを含み、しかも平均粒径150μm以下のCu−Cr合金粉末を得て、このCu−Cr合金粉末を焼結してCrの平均粒径を2〜20μmとし、遮断電流や耐溶着性等の向上を図ることも提案されている。(特許文献2参照)。
更に、Cu板とCr板との積層体や、Cu板Cr粒との積層体、Cu粒とCr粒との混合体や成形体、Cu−Cr合金体の接点表面全面に、高エネルギ密度を有するレーザを所定のオーバラップ率で照射し、急激でしかもピーク温度の極めて高い熱履歴を与える真空遮断器用接点の製造方法も提案されている。この製造方法では、照射表面より深さ50μm程度の領域で、Cu相中に直径が0.1〜5μmの微細Crを存在させ、再点弧発生確率を小さくし、遮断特性を向上させる(特許文献3参照)。
また更に、真空遮断器の接点部材として、Cu又はCu合金からなる第1層と、これと接合するCu−Cr系複合材料からなる第2層とで作る積層複合材料を用い、高い電気伝導度や熱伝導率及び耐熱性を有し、しかも耐アーク性を良くできるようにすることも提案されている(特許文献4参照)。
上記のようなCrを用いた電極接点部材においては、Cr含有量が多く且つCr粒径が微細で空隙が少なく緻密で均一な組織の方が、アーク電圧及び遮断電流が高い領域では耐電圧及び遮断性能が向上することが知られている。
特表平4−505986号公報 特開平4−95318号公報 特開平4−312723号公報 特開平11−229057号公報 特開2003−73787号公報 特開2007−84889号公報
上記したように真空遮断器の電極接点部材は、焼結合金母材中のCrの粒径が微細でかつ均一な組織であれば、耐電圧や遮断性能が向上することが知られている。しかし、上記した各特許文献の如き通常の固相焼結による焼結合金母材の製造では、Cr粉の粒径が10μm程度であると、酸化が進んでしまって焼結が難しく、しかも酸素含有量が増加するため、真空遮断器の性能を低下させてしまうという問題がある。
また、上記した焼結による電極接点部材の製造方法では、Crの含有量が多い場合にCu−Cr合金の組織中に空隙が生じて密度が低下してしまい、微細なCrを有する電極接点部材の製造が困難になるという問題がある。
更に、特許文献2のように真空アーク溶解等により製造するCu−Cr合金の電極接点部材は、微細で均一な組織となるので、良好な耐電圧や遮断性能を有する。しかし、導電率が低くて真空遮断器の電極接点部材としては接触抵抗が高くなってしまうし、真空アーク溶解は高価でしかも生産性が悪い欠点がある。
出願人は上記の問題を解消するため、特願2007−333383号出願において、Cu−Cr合金母材の表面に回転加工材(プローブと言う。)の先端を押し当て、プローブの回転時の摩擦熱及び加工熱によって、Cu−Cr合金母材を軟化させて厚さ500μm〜3mmのCr微細分散層を形成する摩擦攪拌加工技術を用いて製造した電極接点部材を提供している。
しかし上記の摩擦攪拌加工技術を用いた電極接点部材は、母材の加工面の終端部にプローブの先端の孔が残るためその部分の除去加工を要したり、母材表面全体を摩擦攪拌するのに時間を要したりして、電極接点部材の製造に多くの時間を有するという問題があった。
そこで、本出願人は、真空遮断器の電極接点部材の製造に、特許文献5又は6に開示される金属材料の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ表面全体に一括したねじりを付与し、金属材料の表面に塑性歪みを加えて組織を微細化する方法及び結晶粒微細化装置を用いて、真空遮断器の電極接点部材並びに真空遮断器用電極接点部材の製造方法を発明した。
本発明の目的は、Cu等の導電性金属材料とCr等の耐アーク性金属材料との焼結体からなる電極接点素材の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する圧縮ねじり加工による表面処理を行うことにより、表面部に薄い耐アーク性金属の微細分散層を容易に形成でき、しかも製造が簡単な真空遮断器用電極接点部材の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の真空遮断器用電極接点部材の製造方法により、表面部に薄い耐アーク性金属の微細分散層を形成し、耐電圧や遮断性能を向上できる電極接点部材を提供することにある。
本発明による真空遮断器用電極接点部材の製造方法は、導電性金属材料の含有量が40〜80重量%と耐アーク性金属材料の含有量が60〜20重量%とを含む焼結体電極接点素材を形成し、この焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する圧縮ねじり加工による表面処理を行うことによって、表面部に薄い耐アーク性金属の微細分散層を形成し、耐アーク性金属の微細分散層が形成された焼結体電極接点素材の表面を滑らかに平坦化処理することを特徴としている。
好ましくは、前記導電性金属材料はCuであり、前記耐アーク性金属材料はCr若しくはCrとMoとの混合体であることを特徴としている。
また好ましくは、前記耐アーク性金属の微細分散層を3〜10mmの厚さに形成することを特徴としている。
また更に好ましくは、前記焼結体電極接点素材を二個一対とした焼結体電極接点素材対として形成し、前記焼結体電極接点素材対の両側両端の表面全体に前記圧縮ねじり加工をすることを特徴としている。
また更に好ましくは、前記圧縮ねじり加工する時に、前記焼結体電極接点素材を300℃〜500℃に加熱することを特徴としている。
また更に好ましくは、前記平坦化処理した後に、前記耐アーク性金属の微細分散層が形成された焼結体電極接点素材の一端の表面中心部に凹状溝を設けることを特徴としている。
本発明による真空遮断器の電極接点部材は、上記のいずれかの電極接点部材の製造方法によって製造されたことを特徴としている。
本発明の真空遮断器用電極接点部材の製造方法によれば、Cu等の導電性金属材料とCr等の耐アーク性金属材料との焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する圧縮ねじり加工による表面処理を行うことによって、表面部に薄い耐アーク性金属の微細分散層を形成し、しかも加工も容易に行えるため、真空遮断器の電極接点部材を量産するのに好適である。
また、本発明の真空遮断器の電極接点部材によれば、焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する圧縮ねじり加工による表面処理を行うことによって、表面部に薄い耐アーク性金属の微細分散層を形成するので、耐電圧の低下を防いで遮断性能を向上できる。
真空遮断器の電極接点部材の製造装置を示す概略縦断面図である。 本発明の実施例である真空遮断器用電極接点部材の製造方法を示す図である。 Cu−Cr焼結体電極接点素材の一端の表面部の加工前と加工後の組織を示す図である。 本発明の別の真空遮断器用電極接点部材の製造方法を示す図である。 従来の真空遮断器の例を示す概略縦断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の真空遮断器の電極接点部材の製造には、Cu粉末とCr粉末を所定の割合で混合し、真空或いは不活性ガス中等の非酸素雰囲気で焼結すると共に圧縮して粒体を密着させた焼結Cu−Cr合金母材を使用する(以下、Cu−Cr焼結体電極接点素材と言う)。
上記Cu−Cr焼結体電極接点素材は、Cr含有率が20重量%より小さいと遮断性能の向上が図れず、耐電圧低下の防止も図れないし、またCr含有率が60重量%を超えると、接触抵抗が高くなって導電率の低下又は高温となって材料が劣化する恐れがある。このため、Cu−Cr焼結体電極接点素材中のCu及びCrの割合は、望ましくはCuの含有量が40〜80重量%、Crの含有量が20〜60重量%である。
他の実施例として、Cu−Cr−Moの焼結体電極材料を適用することもできる。この場合のCuの含有量は40〜70重量%、Crの含有量が7.5〜46重量%、Moの含有量が7〜45重量%である。
また上記Cu−Cr焼結体電極接点素材中及びCu−Cr−Mo焼結体電極材料に、1重量%以下のビスマス(Bi)、テルル(Te)、鉛(Pb)の低融点金属材料を適宜加えて電極接点部材を製造する。これら低融点金属材料は、真空遮断器の遮断動作時に上記電極接点部材間等に発生するアークに基づく各電極接点部材同士の溶着が発生した場合に、小さい操作力で接点の乖離を行うことができる。
焼結体電極材料としては、上記の組成の材料が適用できるが、本実施例は以下Cu−Cr焼結体電極接点素材について説明する。
本発明による真空遮断器の電極接点部材の製造に用いる製造装置14は、図1(a)に模式的に示すように、Cu−Cr焼結体電極接点素材15を内部に装填してCu−Cr焼結体電極接点素材15を加熱する金型16と、金型16の装填されたCu−Cr焼結体電極接点素材15の両端に押し当てられる上パンチ17A、下パンチ17Bとを備えている。金型16は、製造装置14に固定して回動不可とし、上パンチ17A及び下パンチ17BはCu−Cr焼結体電極接点素材15の両端の表面全体に圧縮ねじり加工による表面処理をする構成となっている。
ここで、圧縮ねじり加工とは、Cu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する加工を言う。また、上記Cu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体とは、図1(b)に示される端面18A、18Bの表面全体を指す。また上記のねじりを一括して付与するとは、Cu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮の付与と同時にねじりを付与することを意味する。
また、上記製造装置14の金型16と金型16に装填するCu−Cr焼結体電極接点素材15との隙間を無くすことにより、圧縮ねじり加工時にCu−Cr焼結体電極接点素材15の側面に圧縮負荷を分散させず、Cu−Cr焼結体電極接点素材15の両端の表面全体に効率良く圧縮ねじり加工を行うようにする。
また更に、上記のCu−Cr焼結体電極接点素材には、製造装置14でCu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮ねじり加工を行う際に、不純物を多く含むために粉砕されやすく、圧縮ねじり加工をし易くできるテルミット法により生成したCr粉末を用いることが好ましい。
製造装置14で圧縮ねじり加工を行うCu−Cr焼結体電極接点素材15Aとして(図2(a)参照)、直径25mm、高さ10mm、Cr含有量が50重量%の焼結Cu−Cr合金母材を使用した。このCu−Cr焼結体電極接点素材15Aは、図3(a)に示す如くCu層21AにCr粒子21Bが混在し、Crの粒径は50〜100μmであった。
上記Cu−Cr焼結体電極接点素材15Aを図1(a)に示す如く金型16に装填し、300℃〜500℃に加熱した状態で各パンチ17A、17BからCu−Cr焼結体電極接点素材15Aの両端の表面全体に200MPaの圧縮負荷Fを付与する。同時にパンチ17A、17Bを回転速度5rpm、回転回数10回で他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじり負荷Tを一括して付与する。これにより、上記Cu−Cr焼結体電極接点素材15Aの両端の表面全体に塑性歪みを加え組織の微細化を行い、表面部に薄いCr微細分散層を形成し、Cr微細分散層が形成されたCu−Cr焼結体電極接点素材15B(以下、微細分散化電極接点素材と言う)を形成する。即ち、各パンチ17A、17Bにより、Cu−Cr焼結体電極接点素材15Aの両端の表面全体に圧縮ねじり加工による表面処理を行い、表面部に薄いCr微細分散層を形成し微細分散化電極接点素材15Bを形成する。ここで、表面部とは図1(b)に示される端面18A、18Bの表面を指す。
上記の微細分散化電極接点素材15BのCr微細分散層は、層厚を3mm〜10mmに形成するように圧縮ねじり加工することが好ましい。これは、真空遮断器の遮断動作時に電極接点部材を構成するCu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体の、アークにより電界集中する外周部の耐電圧を特に向上するためである。
以下、製造装置14によるCu−Cr焼結体電極接点素材15Aの両端の表面全体の圧縮ねじり加工による表面処理の結果を、微細分散化電極接点素材15Bの端面18A、18Bの表面組織の観察、密度測定及び硬さ試験により評価した。
微細分散化電極接点素材15Bの端面18Aの表面組織21を観察したところ、300℃、500℃における加工により、それぞれ図3(b)、(c)に示す如くCr粒子21Bの微細分散化がなされ、Cr微細分散層20が確認された。特に、300℃における加工においては、Cr粒子21Bの粒径が100nm〜5μmまで微細化されていた。また、微細分散化電極接点素材15Bの端面18Bの表面組織も同様にCr微細分散層が確認された。これより、上記微細分散化電極接点素材15Bの表面のCr粒子21Bの微細化のために表面組織中の接触抵抗が低下し、微細分散化電極接点素材15Bの両端の表面全体の耐電圧が向上したと言える。
また、圧縮ねじり加工後の微細分散化電極接点素材15Bを密度測定したところ、特に300℃の加工において加工前との相対密度が著しく向上した。これは、微細分散化電極接点素材15Bの加熱による加工硬化と圧縮ねじり加工による空隙の圧縮によるものだと考えられる。即ち、微細分散化電極接点素材15Bの熱伝導性と電気伝導性が向上したことになる。
また更に、圧縮ねじり加工後の微細分散化電極接点素材15Bの硬さ測定をした。硬さ試験はビッカース硬さ試験を行い、試験条件は試験荷重9.8N、保持時間15秒で9点の固さの測定値の平均値で評価した。その結果、特に300℃の加工において加工前よりも微細分散化電極接点素材15Bの硬さが2倍以上になった。これについても、微細分散化電極接点素材15Bの加熱による加工硬化と圧縮ねじり加工による空隙の圧縮によるものだと考えられる。
これら300℃における微細分散化電極接点素材15Bの圧縮ねじり加工が好ましい結果が得られた原因としては、微細分散化電極接点素材15Bの圧縮ねじり加工時の温度が高くなる毎に微細分散化電極接点素材15B内のCuが伸び若しくは変形し易くなる。このために、圧縮ねじり加工時に加える圧縮負荷F及びねじり負荷Tが微細分散化電極接点素材15B内のCr粒子を細かく砕くためのエネルギに有効に作用しなくなることが一因として考えられる。
以上のように微細分散化電極接点素材15Bは、圧縮ねじり加工直後は端面18A、18B及び側面が滑らかでないために機械加工によって滑らかに平坦化処理をし、寸法を整え平坦化電極接点素材15Cを形成する。その後、平坦化電極接点素材15Cの一端18Aの表面中心部に図2(d)の如く凹状溝を設け電極接点部材15Dとして仕上げる。凹状溝の加工を行う理由は、平坦化電極接点素材15Cの両端の表面中心部が、外周部に比べ圧縮ねじり加工の相対速度が遅いため加工が深くなされないことによって、真空遮断器の遮断動作時に上記平坦化電極接点素材15Cの遮断側の一端の表面中心部にアークによる電界集中が起こることを防ぐためである。
以上のように形成した電極接点部材15Dは、図5において電極接点部材11Aとして上記同様に製造したもう一つの電極接点部材11Bと対をなし、それぞれ凹状溝のある面を対向させて他方の面を真空遮断器1の各コイル電極10A、10Bの端面側にそれぞれ固着して使用する。
また、真空遮断器用電極部材の製造方法は、図4の如くCu−Cr焼結体電極接点素材22A、22Bを二個一対としたCu−Cr焼結体電極接点素材対22で形成し、Cu−Cr焼結体電極接点素材対22の両側両端の表面全体に前記圧縮ねじり加工をする。このようにすると、一度の圧縮ねじり加工によって各Cu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体にCr微細分散層を形成することができ、容易に一対の真空遮断器の電極接点部材を製造することができる。
以上、本発明のように真空遮断器の電極接点部材は、圧縮ねじり加工による表面処理でCuの含有量が40〜80重量%とCrの含有量が20〜60重量%とを含むCu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体に、Cr微細分散層を形成することで、耐電圧の低下を防いで遮断性能を向上できる。
また、本発明のように真空遮断器用電極接点部材の製造方法を用いれば、圧縮ねじり加工による表面処理で、Cu−Cr焼結体電極接点素材の両端の表面全体にCr微細分散層を容易に形成でき、しかも加工も容易に行えるため、真空遮断器の電極接点部材を量産するのに好適である。
1…真空遮断器、11…電極接点部材、14…製造装置、15…Cu−Cr焼結体電極接点素材、20…Cr微細分散層、22…Cu−Cr焼結体電極接点素材対。

Claims (7)

  1. 真空遮断器用電極接点部材の製造方法であって、導電性金属材料の含有量が40〜80重量%と耐アーク性金属材料の含有量が60〜20重量%とを含む焼結体電極接点素材を形成し、該焼結体電極接点素材の両端の表面全体に圧縮を付与しつつ一方の表面全体に他方の表面全体とはねじり方向が逆となるねじりを一括して付与する圧縮ねじり加工による表面処理を行うことによって、表面部に薄い耐アーク性金属の微細分散層を形成し、該微細分散層が形成された焼結体電極接点素材の表面を滑らかに平坦化処理することを特徴とする真空遮断器用電極接点部材の製造方法。
  2. 請求項1において、前記導電性金属材料はCuであり、前記耐アーク性金属材料はCr若しくはCrとMoとの混合体であることを特徴とする真空遮断器用電極接点部材の製造方法。
  3. 請求項1において、前記耐アーク性金属の微細分散層を3〜10mmの厚さに形成することを特徴とする真空遮断器用電極接点部材の製造方法。
  4. 請求項1において、前記焼結体電極接点素材を二個一対とした焼結体電極接点素材対として形成し、前記焼結体電極接点素材対の両側両端の表面全体に前記圧縮ねじり加工をすることを特徴とする真空遮断器用電極接点部材の製造方法。
  5. 請求項1において、前記圧縮ねじり加工する時に、前記焼結体電極接点素材を300℃〜500℃に加熱することを特徴とする真空遮断器用電極接点部材の製造方法。
  6. 請求項1において、前記平坦化処理した後に、前記耐アーク性金属の微細分散層が形成された焼結体電極接点素材の一端の表面中心部に凹状溝を設けることを特徴とする真空遮断器用電極接点部材の製造方法。
  7. 請求項1から6に記載したいずれかの真空遮断器用電極接点部材の製造方法によって製造されたことを特徴とする真空遮断器の電極接点部材。
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