JP2004211173A - 真空バルブ用接点材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することが可能な真空バルブ用接点材料の製造方法を提供する。
【解決手段】Cr粉末を加圧成形してCr成形体を得る(工程1)。ついで、このCr成形体をアーク溶解装置にセットし、Cr成形体の上に所定体積のCu溶浸材を重ね、Cu溶浸材を溶解し、Cr成形体に溶浸する(工程2)。さらに、アークエネルギーを必要に応じて高め、溶浸体表面のCuとCrを同時溶解した後、アークを止め、溶浸体を急冷凝固させる(工程3)。場合によってはこの後、固溶Crの析出のための時効処理を施す。アーク溶解装置から取り出した溶浸体から、接点を加工して取り出す(工程4)。このような工程により、ガス含有量が少なく、低コストで、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造できる。
【選択図】 なし
【解決手段】Cr粉末を加圧成形してCr成形体を得る(工程1)。ついで、このCr成形体をアーク溶解装置にセットし、Cr成形体の上に所定体積のCu溶浸材を重ね、Cu溶浸材を溶解し、Cr成形体に溶浸する(工程2)。さらに、アークエネルギーを必要に応じて高め、溶浸体表面のCuとCrを同時溶解した後、アークを止め、溶浸体を急冷凝固させる(工程3)。場合によってはこの後、固溶Crの析出のための時効処理を施す。アーク溶解装置から取り出した溶浸体から、接点を加工して取り出す(工程4)。このような工程により、ガス含有量が少なく、低コストで、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空バルブ用接点材料の製造方法に関し、特に、大電流遮断特性および耐電圧特性に優れたCuCr系接点材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空バルブ用CuCr接点の製造方法としては、一般に下記の3通りの方法が良く知られている。
【0003】
1)固相焼結法
通常、40〜200μm程度の平均粒径のCr粒子とCu粒子とを混合して成形したのち、Cuの融点以下の温度にて焼結する方法で、場合によっては成形と焼結を複数回繰り返して製造する。Cu/Cr組成比を自由に選択できる利点がある。一方、ガス含有量は、次の2)の溶浸法に比べ、多くなる可能性が高い。
【0004】
2)溶浸法
通常、40〜200μm程度の平均粒径のCr粒子を成形し、場合によっては成形せずに容器に充填し、CuをCr粒子間の空隙に溶浸する製造方法である。1)の固相焼結法より高密度な素材を得やすく、従って、ガス含有量も低減しやすいが、Cu/Cr組成比は、Cuが25〜60%程度に限定されてしまう。
【0005】
3)アークメルト法
CuとCrの原料をアーク加熱により急熱急冷し、微細組織を形成させる。機械的強度の大きい組織形態となり、耐電圧特性は優れるが、製造コストは高くなる。
【0006】
なお、CuCr接点の通電面に高エネルギー放射線を幾何学的パターン状に照射して、微細構造をもつ領域を部分的に形成することも行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では、その断面をみると微細組織が楔状に分布しており、表面から均質深さまで組織を微細化できない。絶縁破壊現象は、接点表面の耐圧の弱い部分で発生するので、微細層が無い、または移行で消失すると耐圧特性が低下する。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−223075号公報(第3−4頁、図1−5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
CuCr接点の耐電圧特性は、組織の微細化による機械的強度の増大で改善できる。従ってアークメルト法のような製造方法が望ましいが、工業上このようなコストの大きい製造方法は受容し難い。
【0009】
また、アークメルト法では接点全体が熱伝導性の劣る微細組織となってしまうため、遮断性能は固相焼結法や溶浸法で作製した場合に比べて低くなる。アークメルト法を用いずに微細組織化する試みは、アトマイズ法で製造した微細なCrを原料とした固相焼結法によっても行なわれ、耐電圧面では改善された報告例があるが、微細なCrを用いたため材料のガス含有量は高くなり、遮断特性上望ましくない状態となってしまう。
【0010】
本発明は、このような現状に鑑みて為されたもので、ガス含有量が少なく、低コストで、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することが可能な真空バルブ用接点材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る真空バルブ用接点材料の製造方法は、Cr粉末を成形する第1の工程と、この第1の工程で成形されたCr成形体にCuを重ねてCuを溶解することにより、Cr成形体中のCr粉末間の空隙にCuを溶浸して溶浸体を形成する第2の工程と、この第2の工程で形成された溶浸体の表面のCuとCrをアーク溶解して溶浸体の表面にCuとCrの微細組織を形成する第3の工程と、この第3の工程で表面にCuとCrの微細組織が形成された溶浸体を加工して接点を得る第4の工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することができる。
【0013】
すなわち、従来のアークメルト法では、接点材料を加工して取り出す素材全体をアーク溶解し、組織を微細化していたが、本発明では、溶浸体を製造し、耐圧特性に関与する表面部のみをアーク溶解により組織を微細化している。従って、不必要な部分までアーク溶解をすることを避け、接点材料内部の熱伝導率が高い状態とすることにより、CuCr接点の本来の特徴である高い遮断性能を維持することができる。また、接点の最終形状に近い(ニアネットな)形状の素材を得ることが可能となる。さらに、粗大なCr粒子を原料として、接点表面から必要な深さまでの領域のみを微細な組織としたことにより、ガス含有量が低く、表面の機械的強度が高い接点材料を得ることができ、これまで不可能であった遮断特性と耐圧特性の兼備が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
[供試真空バルブの構成]
まず、本発明の各実施例による真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの一実施形態について説明する。 図1は、真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの一実施形態の断面図、図2は図1の電極部分の拡大断面図である。
【0016】
図1において、遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、この両端に封止金具3a、3bを介して設けた金属製の蓋体4a、4bとで真空気密に構成されている。
【0017】
遮断室1内には、導電棒5、6の対向する端部に取付けられた一対の電極7、8が配設され、上部の電極7を固定電極、下部の電極8を可動電極としている。また、この電極8に接続された導電棒6には、ベローズ9が取付けられ、遮断室1内を真空気密に保持しながら電極8の軸方向の移動を可能にしている。また、このベローズ9上部には金属製のアークシールド10が設けられ、ベローズ9がアーク蒸気で覆われることを防止している。また、電極7、8を覆うように、遮断室1内に金属製のアークシールド11が設けられ、これにより絶縁容器2がアーク蒸気で覆われることを防止している。
【0018】
さらに、電極8は、図2に拡大して示す如く、導電棒6にろう付け部12によって固定されるか、又はかしめによって圧着接続されている。接点13aは電極8にろう付け層14によってろう付けで取付けられる。なお、接点13bは、電極7にろう付けにより取付けられる。
【0019】
[接点材料の製造方法]
発明者らは、ガス含有量が少なく、かつ、従来のアークメルト法とは異なる低コストの製造方法で接点材料の被アーク面近傍の組織を微細化し、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することに成功した。以下、この製造方法の実施形態について説明する。
【0020】
(接点材料の製造工程)
まず 、アーク溶解を用いて作製した実施例1〜13と比較例2〜17の接点の製造工程について説明する。
【0021】
はじめに所定粒径のCr粉末を所定の成形圧にて加圧成形してCr成形体を得る(工程1)。ついで、このCr成形体をアーク溶解装置にセットし、Cr成形体の上に所定体積のCu溶浸材を重ね、所定の雰囲気中にてまずCu溶浸材を溶解し、Cr成形体に溶浸する(工程2)。さらに、アークエネルギーを必要に応じて高め、溶浸体表面のCuとCrを同時溶解した後、アークを止め、溶浸体を急冷凝固させる(工程3)。場合によってはこの後、固溶Crの析出のための時効処理を施す。アーク溶解装置から取り出した溶浸体から、接点を加工して取り出すが、図3のように、その取り出し位置17は、(a)または(b)の2通りの位置とする(工程4)。
【0022】
実施例14および比較例18〜20では、成形するCr粉末に3〜5μmのW粉末1〜3wt%を添加してCuCrW接点を製造した。
【0023】
また、以上の実施例、比較例との比較のため、比較例1および比較例18は、溶浸法でCuCr接点およびCuCrW接点を製造した。まず、上記の方法と同様所定粒径のCr粉末を所定の成形圧にて加圧成形してCr成形体を得る。ついで、このCr成形体を熱処理炉内にセットし、Cr成形体の上に所定体積のCu溶浸材を重ね、所定温度で所定時間、例えば1150℃、0.5時間の条件にて1×10−1Paより高真空中で熱処理する。さらに、この処理温度からの冷却時に所定の温度にて所定の時間保持し、接点素材を得る。
【0024】
アークメルト法によっても比較のためのCuCr接点の製造を行った。比較例2では、CuとCrの棒材を用意し、これらを電極として同時にアーク溶解し、CuCrインゴットを製造し、このインゴットから接点を切り出した。
【0025】
(接点材料の標準の製造条件)
実施例および比較例は以下に示す条件を標準の製造条件とし、これらの条件のいずれかをパラメータとして変化させた場合について調べたものである。
【0026】
原料Cr粉末平均粒径:
Cr…100μm
成形工程(工程1):
成形圧力…2tonf/cm2
アーク溶解工程(工程2、工程3):
雰囲気…アルゴン
Cu溶浸材量…Cr成形体空隙容積の1.3倍
加工工程(工程4):
加工取り出し位置…図3(a)の位置
[評価方法および評価条件]
次に、本発明の実施例を説明するデータを得た評価方法、および評価条件について説明する。
【0027】
(材料の健全性評価)
熱処理後の素材を下記のとおりに調べた。
【0028】
(1)相対密度
アルキメデス法により密度を測定して組成比から真密度を求めて相対密度に換算した。結果は、比較例1の値を1.00として相対比較し、0.95以上を合格とした。
【0029】
(2)ガス含有量
酸素含有量について分析し、比較例1の値を1.00として相対比較し、2.00以下を合格とした。
【0030】
(電気特性評価方法)
電気的特性評価は、製作した接点を所定の真空バルブに組み込み行った。
【0031】
(1)大電流遮断特性
遮断試験をJEC規格の5号試験により行い、これにより遮断特性を評価した。
【0032】
(2)耐電圧特性
進み小電流試験における再点弧発生確率にて評価した。電流は500Aであり、回復電圧は12.5kVである。試験回数は2000回である。比較例1の再点弧発生確率を1.0とした場合の相対値を示し、この相対値が0.5以下のものを合格とした。
【0033】
[実施例]
次に、図4〜5の各接点の製造条件とその問題点およびこれらに対応する図6〜7の材料的特性および電気的特性データを参照しながら考察する。
【0034】
(実施例1および比較例1〜2)
溶浸法で作製した比較例1およびアークメルト法で作製した比較例2と、本発明の方法で作製した実施例1とを比較する。再点弧発生確率については、本発明では、比較例を1.0とした場合、0.25まで低減され、本発明による耐電圧特性向上の効果が分かる。また、アークメルト法で作製した比較例2では、接点材料内部の熱伝導率が悪いため、遮断性能が不十分であった。
【0035】
(実施例2および比較例3)
アーク溶解雰囲気を窒素および大気とした場合について調べた。アーク溶解雰囲気を窒素とした実施例2ではアルゴン雰囲気で溶解した実施例1と同様に良好な特性を示しているが、大気中で溶解した比較例3は、溶浸状態が悪く相対密度が70%と低く欠陥が多い為、ガス分析および電気的評価は実施できなかった。
【0036】
以上のように、工程2において、アーク溶解をヘリウム、アルゴン、または窒素、あるいはこれらを混合した不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。すなわち、本発明による接点材料の健全性およびガス含有量は、アーク溶解時の雰囲気ガスにより影響を受けるため、雰囲気ガスは不活性ガスを選択することが好ましい。なお、工程3のアーク溶解においても、雰囲気ガスは不活性ガスを選択することが好ましい。
【0037】
(実施例3〜4および比較例4〜5)
Cr粒子の平均粒径を20μmから400μmまで変化させて調べた。Cr粒子の平均粒径が30μmから200μmの範囲にある実施例3および実施例4は実施例1と同様に良好な特性を示しているが、平均粒径が20μmの比較例4では、酸素含有量が多く、遮断特性が不合格となっている。また、平均粒径が400μmの比較例5では、溶浸時に未溶浸部が多く残り、ガス分析および電気的評価は不能であった。
【0038】
以上のように、工程1において成形するCr粒子の平均粒径は30〜200μmの範囲にあることが好ましい。すなわち、本発明による接点材料のガス含有量を決定するもう一つの要因は、原料のCr粒子の平均粒径である。原料Crの平均粒径が小さすぎると粒子表面の吸着ガスが接点材料中に導入される。一方、平均粒径が大きくなりすぎた場合には、溶浸性が低下して、組織中に欠陥を生じる。また、粉末の成形性も低下し、成形体の形状が維持できない。従って、原料Cr粒子の平均粒径は30〜200μmとするのが妥当である。
【0039】
(実施例5〜6および比較例6〜7)
Cr成形体の空隙率を20〜65%の範囲で変化させて調べた。Cr成形体の空隙率が25〜60%の範囲である実施例5および実施例6は実施例1と同様に良好な特性を示しているが、20%の比較例6では遮断性能が不合格となっている。また65%の比較例7では、アーク溶解時にCr成形体の形状がくずれ、以降の評価が不能であった。
【0040】
以上のように、工程1において、Cr成形体の空隙率は25〜60%であることが好ましい。すなわち、Cr成形体の空隙率を低減しすぎるとCuの溶浸性が低下すると同時に製造される接点のCu成分量が低減されるため、十分な通電性能および遮断性能が得られなくなる。このような見地から、Cr成形体の空隙率は最低でも25%とすべきである。また、空隙率を60%以上とした場合には、粒子間の結合力が弱すぎる為アーク溶解時に成形体の形状が維持できない。従って、成形体の空隙率は25〜60%が妥当である。
【0041】
(実施例7〜8および比較例8〜9)
溶浸材のCuの体積をCr成形体の空隙容積の1.1倍から3.0倍まで変化させて調べた。この体積比が1.2〜2.5倍の範囲内である実施例7および実施例8では実施例1と同様の良好な結果が得られているが、1.1倍の比較例8では溶浸材が不足し、欠陥の多い溶浸体となったため、以降の評価は不能であった。一方、3.0倍の比較例9では、接点表面付近のCr含有量が低下し、十分な耐電圧特性が得られていない。
【0042】
以上のように、工程2において成形体の空隙を丁度満たす量の1.2〜2.5倍の量のCuを溶浸体としてCr成形体に重ねてアーク溶解することが好ましい。すなわち、本発明において最も重要な点は、アーク溶解初期においてCuを溶融して形成したCuCr溶浸体の周囲に存在する余剰のCuの量の制御である。Cuの量が少ないと未溶浸部が発生して相対密度の低い不健全な材料となってしまうが、逆に多すぎるとこの次の段階における溶浸体表面のCuとCrの同時溶融の際に溶融液相がCu−richになるため、接点表面の組成もCu−richとなってしまう。これを防ぐには、アーク溶解前にセットするCu溶浸材の量を極力少なくする必要がある。以上の見地から、Cu溶浸材はCr成形体の空隙の容積の1.2〜2.5倍の体積とする必要がある。
【0043】
(実施例9および比較例10〜11)
アーク溶解深さを0.5から1.0mmの間で変化させて特性を調べた。アーク溶解深さが1mmの実施例9では1.5mmの実施例1と同様に良好な評価結果が得られているが、1mmに満たない比較例10および比較例11では、いずれも耐圧特性が不十分であった。
【0044】
以上のように、工程3において、Cr成形体表面の初期位置から1mm以上の深さまでアーク溶解して溶浸体表面を微細組織化することが好ましい。すなわち、耐電圧特性は接点材料の表面状態により決まるが、CuCr接点の表層部は閉極時のアークによる溶着や通電時のジュール加熱による溶着により極間を移行したり消耗したりする。従って、この移行や消耗が発生する厚み以上の厚さを有する微細な組織を有する表面層を形成しなければならない。アークによる溶浸体表層部の加熱はこの条件を満足し得る1mm以上の厚さを有する表面微細層を形成することを可能とする。
【0045】
(比較例12)
加工工程での接点の取り出し位置17を図3の(b)の位置とした比較例12では、(a)の位置とした実施例1に比べ遮断特性が低く不合格となった。
【0046】
以上のように、工程4において、工程2の初期にCr成形体が存在していた領域内から接点を加工により取り出すことが好ましい。すなわち、図3に示すように、アーク溶解終了直後の溶浸体表面には初期にCr成形体が存在していた領域15の周囲に余剰のCu溶浸材が存在する。接点の取り出し位置17を図3の(b)の位置とした場合のように、余剰のCu溶浸材が存在する部分16が接点表面となると、接点表面がCuまたはCu−richなCuCr合金となってしまう。従ってこの余剰の溶浸材を除き、接点の取り出し位置17を図3の(a)の位置として、初期にCr成形体が存在していた領域から接点を加工して取り出すことが必要である。
【0047】
(実施例10および比較例13〜14)
Cu溶解時のアークエネルギーに対するCu,Cr同時溶解時のアークエネルギーの比を0.5から1.0の範囲で変化させて調べた。この比が1.0の実施例10では1.5の実施例1と同様に良好な評価結果が得られたが、この比が1に満たない比較例13および比較例14では、Cu溶解時のアークエネルギーが過剰であったためにCrの酸化が発生し、遮断特性に悪影響を及ぼしたため、遮断試験結果は不合格であった。
【0048】
以上のように、ヘリウム、アルゴン、または窒素、あるいはこれらを混合した不活性ガス中で工程2と工程3を連続して行い、Cuの溶浸時のアーク溶解エネルギーに対して、その後の溶浸体の表面の溶融時のアーク溶解エネルギーを等しくするかまたは大きくすることが好ましい。すなわち、この方法では、Cuが溶浸される前の段階では、Cr成形体は雰囲気ガスと接触している。従って、この段階でCr成形体が高温まで加熱されると活性なCrが雰囲気ガス中の酸素や窒素と酸化や窒化反応を起こす可能性がある。従って、アーク溶解のエネルギーはCuの溶融時にはCuを溶融するのに必要十分なエネルギーとすべきである。Crの溶融潜熱はCuの溶融潜熱より大きいので、溶浸体表面のCrとCuを同時溶融する際には、アーク溶解エネルギーをCu溶解時と等しくするかまたはCu溶解時より大きくすることが望ましい。
【0049】
(実施例11および比較例15)
Cr粉末の熱処理温度を1300〜1350℃として調べた。熱処理温度が1350℃の実施例11では、1700℃で処理した実施例1と同様の良い評価結果が得られているが、熱処理温度が1300℃と低い比較例15では、Cr粉末の脱ガスが不十分なため、酸素量が多く、遮断試験結果は不合格であった。
【0050】
以上のように、工程1において成形するCr粉末は、予め真空雰囲気中で1350℃以上の温度において所定時間保持する処理を施されていることが好ましい。すなわち、Cr粉末は活性であるので低温では酸素や窒素と反応しやすい。従って、酸素や窒素を高温保持で解離させることにより、原料Cr粉末および接点材料の低ガス化が図れ、遮断特性をさらに改善することができる。
【0051】
(実施例12〜13および比較例16〜17)
溶浸体の時効処理温度を400〜900℃として調べた。時効処理温度が500〜800℃の範囲にある実施例12〜13では、実施例1と同様の良好な評価結果が得られているが、時効処理温度が400℃の比較例16では、固溶Crの析出が不十分で熱伝導性が不十分となってしまったため遮断試験にて不合格となっている。一方時効処理温度が900℃と高い比較例17ではアーク溶解で微細化した組織の再粗大化が進み、十分な耐電圧特性が得られていない。
【0052】
以上のように、工程3と工程4との間に溶浸体を500〜800℃の間の温度にて所定の時間保持する熱処理工程を設けることが好ましい。すなわち、アーク溶解による加熱は急熱急冷であるため、溶浸体のCuは溶融状態から急冷凝固される。このため、材料中のCu相はCrが過飽和に溶解した状態となっている。従って、通電性能の回復のためには、Cu相はCr固溶量の低減を目的として高温で時効処理を施す必要があるが、過度に高い温度での熱処理は、微細層の組織の粗大化も促進する。従って、500〜800℃程度の適度な温度で時効処理することが必要である。
【0053】
(実施例14および比較例18〜20)
CuCrW接点を本発明の製造方法で作製して調べ、溶浸法で作製した場合と比較した。溶浸法で作製した比較例18では、耐電圧性能が不十分であるが、本発明の方法で、W平均粒径を3μmとし、添加量を1wt%とした実施例14では優れた遮断特性と耐電圧特性を兼備している。しかしながらW平均粒径が5μmの比較例19では、耐電圧特性の向上が不十分であると同時に、W粒子のCrの被覆量が不十分なため、遮断試験も不合格となっている。W添加量が3wt%と多い比較例20では、同様に遮断性能が不十分であった。実施例ではW添加の場合のみを示したが、Mo添加についても同様な効果が期待できる。
【0054】
以上のように、CuCr接点に限らず、CuCrにWやMo添加を施した接点の組織改善にも同様の効果が期待できる。すなわち、工程1において、成形するCr粉末に1wt%以下の、平均粒径が3μm以下のWまたはMoの粉末を添加してもよい。WやMoの添加は、アーク溶解により組織が微細化されない部分の組織の微細化に有効であり、万一微細層が全て相手側接点に溶着で移行してしまった場合の耐電圧特性の低下を抑制し、耐電圧性能の信頼性の向上を高めることができる。微細化のメカニズムは、Cuの液相中に溶解したCrがWおよびMoの微粒子表面に晶出することである。従って、アーク溶解によりCuの液相が生成される本発明の製造方法では、その条件が十分に整い、表面微細層以外の部分のCr粒子間にCrに被覆されたWまたはMo粒子が微細分散され組織の微細化に寄与する。
【0055】
(その他の実施例)
上記実施例では、工程2はアーク溶解により行なったが、真空または還元雰囲気中でのCuの溶融温度以上での保持により溶浸しても同様の効果が得られている。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明では粗いCr粉末を原料として、アーク溶解によって接点表面の十分な深さまでを微細組織化することによって、優れた遮断性能と耐電圧性能を兼備した接点材料の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例による真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの一実施形態の断面図。
【図2】図1に示す真空バルブの要部拡大断面図。
【図3】本発明の各実施例および各比較例における接点の取り出し位置を示す断面図で、(a)は実施例1〜20、比較例1、比較例3〜11、比較例13〜20における接点の取り出し位置を示す図、(b)は比較例12における接点の取り出し位置を示す図。
【図4】本発明の実施例1〜8、比較例1〜9の製造条件と製造上の問題を示す表図。
【図5】本発明の実施例9〜14、比較例10〜20の製造条件と製造上の問題を示す表図。
【図6】本発明の実施例1〜8、比較例1〜9の接点材料組成、材料的特性、および電気的特性を示す表図。
【図7】本発明の実施例9〜14、比較例10〜20の接点材料組成、材料的特性、および電気的特性を示す表図。
【符号の説明】
1…遮断室
2…絶縁容器
3a、3b…封止金具
4a、4b…蓋体
5、6…導電棒
7、8…電極
9…ベローズ
10、11…アークシールド
12…ろう付け部
13a、13b… 接点
14…ろうづけ層
15…アーク溶解初期においてクロム成形体のあった領域
16…余剰のCu溶浸材
17…接点の取り出し位置
【発明の属する技術分野】
本発明は真空バルブ用接点材料の製造方法に関し、特に、大電流遮断特性および耐電圧特性に優れたCuCr系接点材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空バルブ用CuCr接点の製造方法としては、一般に下記の3通りの方法が良く知られている。
【0003】
1)固相焼結法
通常、40〜200μm程度の平均粒径のCr粒子とCu粒子とを混合して成形したのち、Cuの融点以下の温度にて焼結する方法で、場合によっては成形と焼結を複数回繰り返して製造する。Cu/Cr組成比を自由に選択できる利点がある。一方、ガス含有量は、次の2)の溶浸法に比べ、多くなる可能性が高い。
【0004】
2)溶浸法
通常、40〜200μm程度の平均粒径のCr粒子を成形し、場合によっては成形せずに容器に充填し、CuをCr粒子間の空隙に溶浸する製造方法である。1)の固相焼結法より高密度な素材を得やすく、従って、ガス含有量も低減しやすいが、Cu/Cr組成比は、Cuが25〜60%程度に限定されてしまう。
【0005】
3)アークメルト法
CuとCrの原料をアーク加熱により急熱急冷し、微細組織を形成させる。機械的強度の大きい組織形態となり、耐電圧特性は優れるが、製造コストは高くなる。
【0006】
なお、CuCr接点の通電面に高エネルギー放射線を幾何学的パターン状に照射して、微細構造をもつ領域を部分的に形成することも行なわれている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では、その断面をみると微細組織が楔状に分布しており、表面から均質深さまで組織を微細化できない。絶縁破壊現象は、接点表面の耐圧の弱い部分で発生するので、微細層が無い、または移行で消失すると耐圧特性が低下する。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−223075号公報(第3−4頁、図1−5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
CuCr接点の耐電圧特性は、組織の微細化による機械的強度の増大で改善できる。従ってアークメルト法のような製造方法が望ましいが、工業上このようなコストの大きい製造方法は受容し難い。
【0009】
また、アークメルト法では接点全体が熱伝導性の劣る微細組織となってしまうため、遮断性能は固相焼結法や溶浸法で作製した場合に比べて低くなる。アークメルト法を用いずに微細組織化する試みは、アトマイズ法で製造した微細なCrを原料とした固相焼結法によっても行なわれ、耐電圧面では改善された報告例があるが、微細なCrを用いたため材料のガス含有量は高くなり、遮断特性上望ましくない状態となってしまう。
【0010】
本発明は、このような現状に鑑みて為されたもので、ガス含有量が少なく、低コストで、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することが可能な真空バルブ用接点材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る真空バルブ用接点材料の製造方法は、Cr粉末を成形する第1の工程と、この第1の工程で成形されたCr成形体にCuを重ねてCuを溶解することにより、Cr成形体中のCr粉末間の空隙にCuを溶浸して溶浸体を形成する第2の工程と、この第2の工程で形成された溶浸体の表面のCuとCrをアーク溶解して溶浸体の表面にCuとCrの微細組織を形成する第3の工程と、この第3の工程で表面にCuとCrの微細組織が形成された溶浸体を加工して接点を得る第4の工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することができる。
【0013】
すなわち、従来のアークメルト法では、接点材料を加工して取り出す素材全体をアーク溶解し、組織を微細化していたが、本発明では、溶浸体を製造し、耐圧特性に関与する表面部のみをアーク溶解により組織を微細化している。従って、不必要な部分までアーク溶解をすることを避け、接点材料内部の熱伝導率が高い状態とすることにより、CuCr接点の本来の特徴である高い遮断性能を維持することができる。また、接点の最終形状に近い(ニアネットな)形状の素材を得ることが可能となる。さらに、粗大なCr粒子を原料として、接点表面から必要な深さまでの領域のみを微細な組織としたことにより、ガス含有量が低く、表面の機械的強度が高い接点材料を得ることができ、これまで不可能であった遮断特性と耐圧特性の兼備が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
[供試真空バルブの構成]
まず、本発明の各実施例による真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの一実施形態について説明する。 図1は、真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの一実施形態の断面図、図2は図1の電極部分の拡大断面図である。
【0016】
図1において、遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、この両端に封止金具3a、3bを介して設けた金属製の蓋体4a、4bとで真空気密に構成されている。
【0017】
遮断室1内には、導電棒5、6の対向する端部に取付けられた一対の電極7、8が配設され、上部の電極7を固定電極、下部の電極8を可動電極としている。また、この電極8に接続された導電棒6には、ベローズ9が取付けられ、遮断室1内を真空気密に保持しながら電極8の軸方向の移動を可能にしている。また、このベローズ9上部には金属製のアークシールド10が設けられ、ベローズ9がアーク蒸気で覆われることを防止している。また、電極7、8を覆うように、遮断室1内に金属製のアークシールド11が設けられ、これにより絶縁容器2がアーク蒸気で覆われることを防止している。
【0018】
さらに、電極8は、図2に拡大して示す如く、導電棒6にろう付け部12によって固定されるか、又はかしめによって圧着接続されている。接点13aは電極8にろう付け層14によってろう付けで取付けられる。なお、接点13bは、電極7にろう付けにより取付けられる。
【0019】
[接点材料の製造方法]
発明者らは、ガス含有量が少なく、かつ、従来のアークメルト法とは異なる低コストの製造方法で接点材料の被アーク面近傍の組織を微細化し、優れた耐電圧特性と遮断特性を兼備した接点材料を製造することに成功した。以下、この製造方法の実施形態について説明する。
【0020】
(接点材料の製造工程)
まず 、アーク溶解を用いて作製した実施例1〜13と比較例2〜17の接点の製造工程について説明する。
【0021】
はじめに所定粒径のCr粉末を所定の成形圧にて加圧成形してCr成形体を得る(工程1)。ついで、このCr成形体をアーク溶解装置にセットし、Cr成形体の上に所定体積のCu溶浸材を重ね、所定の雰囲気中にてまずCu溶浸材を溶解し、Cr成形体に溶浸する(工程2)。さらに、アークエネルギーを必要に応じて高め、溶浸体表面のCuとCrを同時溶解した後、アークを止め、溶浸体を急冷凝固させる(工程3)。場合によってはこの後、固溶Crの析出のための時効処理を施す。アーク溶解装置から取り出した溶浸体から、接点を加工して取り出すが、図3のように、その取り出し位置17は、(a)または(b)の2通りの位置とする(工程4)。
【0022】
実施例14および比較例18〜20では、成形するCr粉末に3〜5μmのW粉末1〜3wt%を添加してCuCrW接点を製造した。
【0023】
また、以上の実施例、比較例との比較のため、比較例1および比較例18は、溶浸法でCuCr接点およびCuCrW接点を製造した。まず、上記の方法と同様所定粒径のCr粉末を所定の成形圧にて加圧成形してCr成形体を得る。ついで、このCr成形体を熱処理炉内にセットし、Cr成形体の上に所定体積のCu溶浸材を重ね、所定温度で所定時間、例えば1150℃、0.5時間の条件にて1×10−1Paより高真空中で熱処理する。さらに、この処理温度からの冷却時に所定の温度にて所定の時間保持し、接点素材を得る。
【0024】
アークメルト法によっても比較のためのCuCr接点の製造を行った。比較例2では、CuとCrの棒材を用意し、これらを電極として同時にアーク溶解し、CuCrインゴットを製造し、このインゴットから接点を切り出した。
【0025】
(接点材料の標準の製造条件)
実施例および比較例は以下に示す条件を標準の製造条件とし、これらの条件のいずれかをパラメータとして変化させた場合について調べたものである。
【0026】
原料Cr粉末平均粒径:
Cr…100μm
成形工程(工程1):
成形圧力…2tonf/cm2
アーク溶解工程(工程2、工程3):
雰囲気…アルゴン
Cu溶浸材量…Cr成形体空隙容積の1.3倍
加工工程(工程4):
加工取り出し位置…図3(a)の位置
[評価方法および評価条件]
次に、本発明の実施例を説明するデータを得た評価方法、および評価条件について説明する。
【0027】
(材料の健全性評価)
熱処理後の素材を下記のとおりに調べた。
【0028】
(1)相対密度
アルキメデス法により密度を測定して組成比から真密度を求めて相対密度に換算した。結果は、比較例1の値を1.00として相対比較し、0.95以上を合格とした。
【0029】
(2)ガス含有量
酸素含有量について分析し、比較例1の値を1.00として相対比較し、2.00以下を合格とした。
【0030】
(電気特性評価方法)
電気的特性評価は、製作した接点を所定の真空バルブに組み込み行った。
【0031】
(1)大電流遮断特性
遮断試験をJEC規格の5号試験により行い、これにより遮断特性を評価した。
【0032】
(2)耐電圧特性
進み小電流試験における再点弧発生確率にて評価した。電流は500Aであり、回復電圧は12.5kVである。試験回数は2000回である。比較例1の再点弧発生確率を1.0とした場合の相対値を示し、この相対値が0.5以下のものを合格とした。
【0033】
[実施例]
次に、図4〜5の各接点の製造条件とその問題点およびこれらに対応する図6〜7の材料的特性および電気的特性データを参照しながら考察する。
【0034】
(実施例1および比較例1〜2)
溶浸法で作製した比較例1およびアークメルト法で作製した比較例2と、本発明の方法で作製した実施例1とを比較する。再点弧発生確率については、本発明では、比較例を1.0とした場合、0.25まで低減され、本発明による耐電圧特性向上の効果が分かる。また、アークメルト法で作製した比較例2では、接点材料内部の熱伝導率が悪いため、遮断性能が不十分であった。
【0035】
(実施例2および比較例3)
アーク溶解雰囲気を窒素および大気とした場合について調べた。アーク溶解雰囲気を窒素とした実施例2ではアルゴン雰囲気で溶解した実施例1と同様に良好な特性を示しているが、大気中で溶解した比較例3は、溶浸状態が悪く相対密度が70%と低く欠陥が多い為、ガス分析および電気的評価は実施できなかった。
【0036】
以上のように、工程2において、アーク溶解をヘリウム、アルゴン、または窒素、あるいはこれらを混合した不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。すなわち、本発明による接点材料の健全性およびガス含有量は、アーク溶解時の雰囲気ガスにより影響を受けるため、雰囲気ガスは不活性ガスを選択することが好ましい。なお、工程3のアーク溶解においても、雰囲気ガスは不活性ガスを選択することが好ましい。
【0037】
(実施例3〜4および比較例4〜5)
Cr粒子の平均粒径を20μmから400μmまで変化させて調べた。Cr粒子の平均粒径が30μmから200μmの範囲にある実施例3および実施例4は実施例1と同様に良好な特性を示しているが、平均粒径が20μmの比較例4では、酸素含有量が多く、遮断特性が不合格となっている。また、平均粒径が400μmの比較例5では、溶浸時に未溶浸部が多く残り、ガス分析および電気的評価は不能であった。
【0038】
以上のように、工程1において成形するCr粒子の平均粒径は30〜200μmの範囲にあることが好ましい。すなわち、本発明による接点材料のガス含有量を決定するもう一つの要因は、原料のCr粒子の平均粒径である。原料Crの平均粒径が小さすぎると粒子表面の吸着ガスが接点材料中に導入される。一方、平均粒径が大きくなりすぎた場合には、溶浸性が低下して、組織中に欠陥を生じる。また、粉末の成形性も低下し、成形体の形状が維持できない。従って、原料Cr粒子の平均粒径は30〜200μmとするのが妥当である。
【0039】
(実施例5〜6および比較例6〜7)
Cr成形体の空隙率を20〜65%の範囲で変化させて調べた。Cr成形体の空隙率が25〜60%の範囲である実施例5および実施例6は実施例1と同様に良好な特性を示しているが、20%の比較例6では遮断性能が不合格となっている。また65%の比較例7では、アーク溶解時にCr成形体の形状がくずれ、以降の評価が不能であった。
【0040】
以上のように、工程1において、Cr成形体の空隙率は25〜60%であることが好ましい。すなわち、Cr成形体の空隙率を低減しすぎるとCuの溶浸性が低下すると同時に製造される接点のCu成分量が低減されるため、十分な通電性能および遮断性能が得られなくなる。このような見地から、Cr成形体の空隙率は最低でも25%とすべきである。また、空隙率を60%以上とした場合には、粒子間の結合力が弱すぎる為アーク溶解時に成形体の形状が維持できない。従って、成形体の空隙率は25〜60%が妥当である。
【0041】
(実施例7〜8および比較例8〜9)
溶浸材のCuの体積をCr成形体の空隙容積の1.1倍から3.0倍まで変化させて調べた。この体積比が1.2〜2.5倍の範囲内である実施例7および実施例8では実施例1と同様の良好な結果が得られているが、1.1倍の比較例8では溶浸材が不足し、欠陥の多い溶浸体となったため、以降の評価は不能であった。一方、3.0倍の比較例9では、接点表面付近のCr含有量が低下し、十分な耐電圧特性が得られていない。
【0042】
以上のように、工程2において成形体の空隙を丁度満たす量の1.2〜2.5倍の量のCuを溶浸体としてCr成形体に重ねてアーク溶解することが好ましい。すなわち、本発明において最も重要な点は、アーク溶解初期においてCuを溶融して形成したCuCr溶浸体の周囲に存在する余剰のCuの量の制御である。Cuの量が少ないと未溶浸部が発生して相対密度の低い不健全な材料となってしまうが、逆に多すぎるとこの次の段階における溶浸体表面のCuとCrの同時溶融の際に溶融液相がCu−richになるため、接点表面の組成もCu−richとなってしまう。これを防ぐには、アーク溶解前にセットするCu溶浸材の量を極力少なくする必要がある。以上の見地から、Cu溶浸材はCr成形体の空隙の容積の1.2〜2.5倍の体積とする必要がある。
【0043】
(実施例9および比較例10〜11)
アーク溶解深さを0.5から1.0mmの間で変化させて特性を調べた。アーク溶解深さが1mmの実施例9では1.5mmの実施例1と同様に良好な評価結果が得られているが、1mmに満たない比較例10および比較例11では、いずれも耐圧特性が不十分であった。
【0044】
以上のように、工程3において、Cr成形体表面の初期位置から1mm以上の深さまでアーク溶解して溶浸体表面を微細組織化することが好ましい。すなわち、耐電圧特性は接点材料の表面状態により決まるが、CuCr接点の表層部は閉極時のアークによる溶着や通電時のジュール加熱による溶着により極間を移行したり消耗したりする。従って、この移行や消耗が発生する厚み以上の厚さを有する微細な組織を有する表面層を形成しなければならない。アークによる溶浸体表層部の加熱はこの条件を満足し得る1mm以上の厚さを有する表面微細層を形成することを可能とする。
【0045】
(比較例12)
加工工程での接点の取り出し位置17を図3の(b)の位置とした比較例12では、(a)の位置とした実施例1に比べ遮断特性が低く不合格となった。
【0046】
以上のように、工程4において、工程2の初期にCr成形体が存在していた領域内から接点を加工により取り出すことが好ましい。すなわち、図3に示すように、アーク溶解終了直後の溶浸体表面には初期にCr成形体が存在していた領域15の周囲に余剰のCu溶浸材が存在する。接点の取り出し位置17を図3の(b)の位置とした場合のように、余剰のCu溶浸材が存在する部分16が接点表面となると、接点表面がCuまたはCu−richなCuCr合金となってしまう。従ってこの余剰の溶浸材を除き、接点の取り出し位置17を図3の(a)の位置として、初期にCr成形体が存在していた領域から接点を加工して取り出すことが必要である。
【0047】
(実施例10および比較例13〜14)
Cu溶解時のアークエネルギーに対するCu,Cr同時溶解時のアークエネルギーの比を0.5から1.0の範囲で変化させて調べた。この比が1.0の実施例10では1.5の実施例1と同様に良好な評価結果が得られたが、この比が1に満たない比較例13および比較例14では、Cu溶解時のアークエネルギーが過剰であったためにCrの酸化が発生し、遮断特性に悪影響を及ぼしたため、遮断試験結果は不合格であった。
【0048】
以上のように、ヘリウム、アルゴン、または窒素、あるいはこれらを混合した不活性ガス中で工程2と工程3を連続して行い、Cuの溶浸時のアーク溶解エネルギーに対して、その後の溶浸体の表面の溶融時のアーク溶解エネルギーを等しくするかまたは大きくすることが好ましい。すなわち、この方法では、Cuが溶浸される前の段階では、Cr成形体は雰囲気ガスと接触している。従って、この段階でCr成形体が高温まで加熱されると活性なCrが雰囲気ガス中の酸素や窒素と酸化や窒化反応を起こす可能性がある。従って、アーク溶解のエネルギーはCuの溶融時にはCuを溶融するのに必要十分なエネルギーとすべきである。Crの溶融潜熱はCuの溶融潜熱より大きいので、溶浸体表面のCrとCuを同時溶融する際には、アーク溶解エネルギーをCu溶解時と等しくするかまたはCu溶解時より大きくすることが望ましい。
【0049】
(実施例11および比較例15)
Cr粉末の熱処理温度を1300〜1350℃として調べた。熱処理温度が1350℃の実施例11では、1700℃で処理した実施例1と同様の良い評価結果が得られているが、熱処理温度が1300℃と低い比較例15では、Cr粉末の脱ガスが不十分なため、酸素量が多く、遮断試験結果は不合格であった。
【0050】
以上のように、工程1において成形するCr粉末は、予め真空雰囲気中で1350℃以上の温度において所定時間保持する処理を施されていることが好ましい。すなわち、Cr粉末は活性であるので低温では酸素や窒素と反応しやすい。従って、酸素や窒素を高温保持で解離させることにより、原料Cr粉末および接点材料の低ガス化が図れ、遮断特性をさらに改善することができる。
【0051】
(実施例12〜13および比較例16〜17)
溶浸体の時効処理温度を400〜900℃として調べた。時効処理温度が500〜800℃の範囲にある実施例12〜13では、実施例1と同様の良好な評価結果が得られているが、時効処理温度が400℃の比較例16では、固溶Crの析出が不十分で熱伝導性が不十分となってしまったため遮断試験にて不合格となっている。一方時効処理温度が900℃と高い比較例17ではアーク溶解で微細化した組織の再粗大化が進み、十分な耐電圧特性が得られていない。
【0052】
以上のように、工程3と工程4との間に溶浸体を500〜800℃の間の温度にて所定の時間保持する熱処理工程を設けることが好ましい。すなわち、アーク溶解による加熱は急熱急冷であるため、溶浸体のCuは溶融状態から急冷凝固される。このため、材料中のCu相はCrが過飽和に溶解した状態となっている。従って、通電性能の回復のためには、Cu相はCr固溶量の低減を目的として高温で時効処理を施す必要があるが、過度に高い温度での熱処理は、微細層の組織の粗大化も促進する。従って、500〜800℃程度の適度な温度で時効処理することが必要である。
【0053】
(実施例14および比較例18〜20)
CuCrW接点を本発明の製造方法で作製して調べ、溶浸法で作製した場合と比較した。溶浸法で作製した比較例18では、耐電圧性能が不十分であるが、本発明の方法で、W平均粒径を3μmとし、添加量を1wt%とした実施例14では優れた遮断特性と耐電圧特性を兼備している。しかしながらW平均粒径が5μmの比較例19では、耐電圧特性の向上が不十分であると同時に、W粒子のCrの被覆量が不十分なため、遮断試験も不合格となっている。W添加量が3wt%と多い比較例20では、同様に遮断性能が不十分であった。実施例ではW添加の場合のみを示したが、Mo添加についても同様な効果が期待できる。
【0054】
以上のように、CuCr接点に限らず、CuCrにWやMo添加を施した接点の組織改善にも同様の効果が期待できる。すなわち、工程1において、成形するCr粉末に1wt%以下の、平均粒径が3μm以下のWまたはMoの粉末を添加してもよい。WやMoの添加は、アーク溶解により組織が微細化されない部分の組織の微細化に有効であり、万一微細層が全て相手側接点に溶着で移行してしまった場合の耐電圧特性の低下を抑制し、耐電圧性能の信頼性の向上を高めることができる。微細化のメカニズムは、Cuの液相中に溶解したCrがWおよびMoの微粒子表面に晶出することである。従って、アーク溶解によりCuの液相が生成される本発明の製造方法では、その条件が十分に整い、表面微細層以外の部分のCr粒子間にCrに被覆されたWまたはMo粒子が微細分散され組織の微細化に寄与する。
【0055】
(その他の実施例)
上記実施例では、工程2はアーク溶解により行なったが、真空または還元雰囲気中でのCuの溶融温度以上での保持により溶浸しても同様の効果が得られている。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明では粗いCr粉末を原料として、アーク溶解によって接点表面の十分な深さまでを微細組織化することによって、優れた遮断性能と耐電圧性能を兼備した接点材料の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例による真空バルブ用接点材料が適用される真空バルブの一実施形態の断面図。
【図2】図1に示す真空バルブの要部拡大断面図。
【図3】本発明の各実施例および各比較例における接点の取り出し位置を示す断面図で、(a)は実施例1〜20、比較例1、比較例3〜11、比較例13〜20における接点の取り出し位置を示す図、(b)は比較例12における接点の取り出し位置を示す図。
【図4】本発明の実施例1〜8、比較例1〜9の製造条件と製造上の問題を示す表図。
【図5】本発明の実施例9〜14、比較例10〜20の製造条件と製造上の問題を示す表図。
【図6】本発明の実施例1〜8、比較例1〜9の接点材料組成、材料的特性、および電気的特性を示す表図。
【図7】本発明の実施例9〜14、比較例10〜20の接点材料組成、材料的特性、および電気的特性を示す表図。
【符号の説明】
1…遮断室
2…絶縁容器
3a、3b…封止金具
4a、4b…蓋体
5、6…導電棒
7、8…電極
9…ベローズ
10、11…アークシールド
12…ろう付け部
13a、13b… 接点
14…ろうづけ層
15…アーク溶解初期においてクロム成形体のあった領域
16…余剰のCu溶浸材
17…接点の取り出し位置
Claims (13)
- Cr粉末を成形する第1の工程と、この第1の工程で成形されたCr成形体にCuを重ねてCuを溶解することにより、Cr成形体中のCr粉末間の空隙にCuを溶浸して溶浸体を形成する第2の工程と、この第2の工程で形成された前記溶浸体の表面のCuとCrをアーク溶解して溶浸体の表面にCuとCrの微細組織を形成する第3の工程と、この第3の工程で表面にCuとCrの微細組織が形成された溶浸体を加工して接点を得る第4の工程とを備えたことを特徴とする真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第3の工程において、アーク溶解を、不活性ガス雰囲気中で行なうことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第2の工程において、Cuを溶解する手段としてアーク溶解を用いたことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第2の工程において、アーク溶解を、不活性ガス雰囲気中で行なうことを特徴とする請求項3に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第2および第3の工程を連続して行い、溶浸体の表面の溶融時のアーク溶解エネルギーを、Cuの溶浸時のアーク溶解エネルギー以上とすることを特徴とする請求項4に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第1の工程において、成形するCr粒子の平均粒径が30〜200μmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第1の工程において、成形されたCr成形体の空隙率が25〜60%であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第3の工程において、Cr成形体の表面の初期位置から1mm以上の深さまでアーク溶解して溶浸体の表面を微細組織化することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第4の工程において、前記第2の工程の初期にCr成形体が存在していた領域内から、接点を加工により取り出すことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第1の工程において成形するCr粉末が、予め真空雰囲気中で1350℃以上の温度において所定時間保持する処理を施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第3の工程と第4の工程との間に、前記溶浸体を500〜800℃の間の温度にて所定の時間保持する熱処理工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第1の工程において成形するCr粉末に、1wt%以下の、平均粒径が3μm以下のWまたはMoの粉末を添加したことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記Cr成形体の空隙を丁度満たす量の1.2〜2.5倍の量のCuを溶浸体としてCr成形体に重ねてアーク溶解することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
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2003
- 2003-01-07 JP JP2003000771A patent/JP2004211173A/ja active Pending
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