JP3859393B2 - 真空バルブ接点材料の製造方法 - Google Patents

真空バルブ接点材料の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低裁断特性、大電流遮断特性および大電流通電特性を兼備し、かつ安価な真空バルブ接点材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空中でのアーク拡散性を利用して高真空中で電流遮断を行わせる真空バルブの大電流遮断特性は、一般に接点材料と電極構造によって決まる。接点材料は、その用途に応じて多種多様なものがあるが、大電流遮断特性に優れた接点材料としては、Cu−Cr接点が最も広く用いられている。一方、低サージ性と、ある程度の大電流遮断特性を兼備する真空バルブ用では、Ag−WC系の接点材料が一般的である。近年、Cu−TiCといった優れた遮断特性と低サージ性を兼備する接点材料が発明(特願平9―169039号)されている。
【0003】
これらの焼桔系接点材料は、一般に固相焼結法あるいは仮焼結溶浸法のいずれかの方法で製造される。固相焼結法の場合は、導電成分と耐弧成分の粉末の混合、粉末の成形、および成形体の焼結の各工程を経て接点形状に加工される。また、仮焼結溶浸法の場合には、耐弧成分粉末を主成分とする粉末の成形、成形体の仮焼結、および焼結体への導電成分の溶浸の工程を経て接点形状に加工される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
低サージ性と大電流遮断特性を兼備するCu−TiCおよびこれに類するCu−VCはTiCやVC粉耐弧成分粉末をCu粉と混合し成形されるが、接点などの円盤状の成形体の成形に通常用いられる抜き型を金型として成形した場合、成形する混合粉中のTiC粉末の割合が高いと、金型から抜き出す際に成形体にクラックを生じやすい。このようなクラックを防止するために、前述の特願平9―169039号では、成形後金型が分割できる割型を用いて成形しているが、この方法では量産は非常に困難である。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、優れた大電流遮断特性、裁断特性、大電流通電特性を兼備し、かつ安価な真空バルブ用接点材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の真空バルブ接点材料の製造方法は、粒径が5〜100μmのCuからなる導電成分粉末と、粒径が0.3〜3μmのTiCからなる耐弧成分粉末とを混合する混合工程、混合された粉末をスケルトン状の成形体に成形する成形工程、前記成形体に混入されたパラフィンを蒸発させる脱パラフィン工程、および前記成形体へ前記導電成分を1100〜1200℃で溶浸させる溶浸工程の順序で、前記導電成分が40〜55vol%と、前記耐弧成分が45〜60vol%とで構成される接点材料を製造する真空バルブ接点材料の製造方法において、前記混合工程で、前記耐弧成分粉末に前記導電成分粉末を16〜43vol%配合し、さらにこの混合された粉末に対して前記パラフィンを5〜30vol%添加することを特徴とする。
【0007】
このパラフィンの添加によりTiC粉成形性が改善され、成形体にクラックが生じなくなり、安定した製造が可能となる。
【0008】
成形体中のCu粉の粉末が細かいほど成形体の空隙を低減でき、溶浸されるCu量が低減され、接点のCu量を少なくできるが、これを100μm以下とすることで、Cu量を所定の裁断特性を確保するための上限値以下とすることができる。
【0009】
混合工程で添加したパラフィンは、その後の工程で除去する必要があるが、通常脱パラフィンは炉の保全上から1気圧にて行われる。この処理を水素雰囲気で行うとTi炭化物の一部がTi水素化物に換わるため接点中に水素が含有され、遮断性能に重大な悪影響を及ぼす。
【0010】
そこで請求項2記載の真空バルブ接点材料の製造方法は、前記脱パラフィン工程は、300〜500℃の窒素中で10分以上保持することを特徴とする。
【0011】
また、水素中で脱パラフィンし、接点の水素含有量が高まっても、その後の工程でこの水素を除去することも可能である。請求項3記載の真空バルブ接点材料の製造方法は、前記脱パラフィン工程は、300℃以上でかつ前記導電成分の融点以下の温度において、水素中で10分以上保持するとともに、真空雰囲気中で900℃以上かつ前記導電成分の融点温度以下で30分以上保持して脱水素することを特徴とする。
【0012】
パラフィン除去の方法には、上記のような熱的な方法の他に、化学的な方法もある。請求項4記載の真空バルブ接点材料の製造方法は、前記脱パラフィン工程は、沸点が50〜200℃の炭水化物系洗浄液に前記成形体を浸漬し、40℃以上かつ前記洗浄液の沸点以下の温度で保持することを特徴とする。
【0013】
沸点が50〜200℃の炭化水素系洗浄液、例えばn―ヘキサンのパラフィン抽出速度は、ヘキサン中のパラフィン濃度に依存するので、抽出速度を高めるには、パラフィン濃度が低くなるように留意することが肝要である。
【0014】
そこで更に、脱パラフィン工程において、浸漬する洗浄液をパラフィン濃度の低い液に1回以上入れ替えることを特徴とする。
【0015】
前述のようにCu粒径を微細化することによりCuが溶浸される空隙量を低減することが可能であるが、焼結により空隙量を抑制することも可能である。焼結により成形体を収縮させるには、焼結助材の添加が必要であるが、Co、Fe、Ni、Crといった焼結助材はいずれもCuに固溶しCuの導電性を低下させて通電性能に悪影響を及ぼすため、添加は必要最小限にとどめなければならない。
【0016】
そこで請求項5記載の真空バルブ接点材料の製造方法は、混合工程において、0.1wt%以下のCo、または0.1wt%以下のFe、または0.3wt%以下のNi、または3wt%以下のCrを添加することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一の部分または対応部分を示す。
まず、図1および図2を用いて、本発明の実施形態に係る真空バルブ用接点材料の製造方法が適用される真空バルブの構成例を説明する。
【0022】
図1において、1は遮断室であり、遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、その両端に封止金属3a、3bを介して設けた金属製の蓋体4a、4bとで真空気密に構成されている。遮断室1内には、電極棒5、6の対向する端部に取り付けられた電極7、8が配設され、図面上部の電極7は固定電極、下部の電極8は可動電極となっている。可動電極8と電極棒6との間にはベローズ9が取り付けられ、遮断室1内を気密に保持しながら、電極棒6を軸方向に移動可能としている。
【0023】
ベローズ9の上部には、金属製のアークシールド10が設けられ、アーク生成物の蒸着膜等がベローズ9に付着するのを防止している。また、遮断室1内には、固定電極7および可動電極8を覆うように、アークシールド11が設けられ、アーク生成物の蒸着膜等が絶縁容器2に付着するのを防止している。電極7、8の接触部には、接点13a、13bとして、本発明により製造される接点材料が配設されている。
【0024】
図2に示すように、可動電極8は電極棒6に、ロウ付け部12においてロウ付けされることにより接続されている。(あるいはかしめにより接続されていてもよい)。また、接点13bは可動電極8にロウ付け部14においてロウ付けされている。
【0025】
次に本発明の実施形態に係る真空バルブ用接点材料の製造方法を順に説明する。
表1から表6を用いて本発明の実施例を説明する。
【0026】
表1から表3には各実施例および比較例の製造方法と製造時のクラックの有無について示す。
平均粒径1.5μmのTiCと平均粒径40μmのCuとを体積比84対16の混合比で混ぜ、混合粉にパラフィンを15vol%添加して(混合工程)、抜き出し側ともう一方の側の内径比が1.1の抜き型を用い、4tonで成形し(成形工程)、窒素中で300℃において2時間の脱パラフィン処理を1回行なった(脱パラフィン工程)後、真空雰囲気において、1150℃で30分間の熱処理で成形体の空隙の1.05倍の体積のCuを溶かして溶浸する(溶浸工程)製造プロセスを本実施例の基本プロセスとする。
【0027】
なお、成形に使用する金型は、その断面を図3に示すように、金型の内径比が、即ち抜き出し側の内径Daともう一方の側の内径Dbとの比(Da/Db)を1.1とし、金型内部の成形体が接する部分の高さHaの80〜100%の部分Hbで、金型の軸方向に内径が連続的に変化するように構成するのがよい。また、基本プロセスでは、溶浸工程での熱処理温度を1150℃としたが、1100〜1200℃の範囲でよい。溶浸材量とは、溶浸材の体積Vaと成形体の空隙体積Vbの比(Va/Vb)のことである。
【0028】
この基本プロセスの製造パラメータを変化させて、クラックの生成の有無を調べ、クラックが生じなかったものについては、さらに、材料組成、導電率、ガス含有量を調べ、前述の方法に従い、遮断特性および裁断特性を評価した。パラフィンを添加したものについては、脱パラフィン工程後のパラフィン除去率についても調べた。
【0029】
表4から表6に示す各実施例で製造した接点材料の材料的特性および電気的特性のデータを得た方法および評価条件について述べる。本発明の製造方法で製造される接点材料は、大電流遮断特性、裁断特性および大電流通電特性の兼備を目的としているので、これらのうち大電流遮断特性、裁断特性を下記に示す電気的特性評価により行なった。また、通電特性については接点材料の導電率を渦電流測定法式の導電率計により測定し評価した。
【0030】
1)大電流遮断特性:遮断試験をJEC規格の5号試験により行い、これにより遮断特性を評価し、合格、不合格を表4から表6に示した。
2)電流裁断特性:各接点を取り付けて10 −5 Pa以下に排気した組み立て式バルブを作成し、この装置を0.8m/秒の開極速度で開極させ小電流を遮断したときの裁断電流値を測定した。遮断電流値は20A(実効値)、50Hzとした。開極位相はランダムに行い、500回遮断したときの裁断電流値を電極数3組につき測定し、その最大値を表4から表6に示した。なお、数値は実施例1の裁断電流の最大値を1.0としたときの相対値で示した。
【0031】
【表1】
Figure 0003859393
【0032】
【表2】
Figure 0003859393
【0033】
【表3】
Figure 0003859393
【0034】
【表4】
Figure 0003859393
【0035】
【表5】
Figure 0003859393
【0036】
【表6】
Figure 0003859393
【0037】
[実施例1〜6および比較例1〜9]
基本プロセスのCu配合量を16〜43vol%の範囲で、またパラフィン添加量を0〜50vol%の範囲でそれぞれ変化させて調べた(表1および表4参照)。
【0038】
パラフィン無添加の比較例1、4、7および添加量が3vol%の比較例2、5、8では、成形体にクラックが生じたが、添加量が5〜30vol%の実施例1〜6ではクラックが全く発生せず、製造後の導電率も良好で、遮断性能および通電性能も良好である。
【0039】
しかし、パラフィン添加量が50vol%の比較例3、6、9では、Cu量が55vol%を超えてしまい、裁断特性が不十分となっている。これは、成形体中において脱パラフィン前にパラフィン占有していた領域にCuが溶浸されるため、パラフィン量が過剰になるとCu量が増大してしまうためである。
【0040】
[実施例7〜8および比較例10〜11]
基本プロセスのTiC粒径を0.2〜5μmの範囲で変化させて調べた(表1および表4参照)。
【0041】
TiC粒径が0.2μmの比較例10では、成形体にクラックが生じたが、TiC粒径が0.3〜3μmの実施例7〜8ではクラックが全く発生せず、製造後の導電率も良好で、遮断性能および通電性能も良好である。しかし、TiC粒径が5μmの比較例11では、遮断特性が不十分となっている。
【0042】
[実施例9〜10および比較例12]
基本プロセスのCu粒径を5〜150μmの範囲で変化させて調べた(表1および表4参照)。
【0043】
Cu粒径が150μmの比較例12では、成形体にクラックが生じたが、Cu粒径が100μm以下の実施例9〜10ではクラックが全く発生せず、製造後の導電率も良好で、遮断性能および通電性能も良好である。
【0044】
[実施例11〜12および比較例13〜18]
基本プロセスの脱パラフィン雰囲気を窒素の他水素について試み、脱パラフィン処理温度を200〜600℃の範囲で変化させて調べた(表2および表5参照)。
【0045】
脱パラフィン温度が200℃の比較例13および15では、いずれもパラフィン除去が不十分なため、その後の工程が実施不可能となった。
脱パラフィンの雰囲気が窒素で温度が300〜500℃の実施例11および12では、良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性、および通電特性も良好であるが、同様に窒素雰囲気で600℃で処理した比較例14では、材料中の酸素含有量が高くなり、遮断特性が不合格となっている。これは、窒素中に含まれる酸素による酸化が起こったためである。
【0046】
水素雰囲気で処理した比較例16〜18の材料は、いずれも水素含有量が高く、遮断特性が不合格となってしまっている。
[実施例13〜16および比較例19〜20]
基本プロセスの脱パラフィン雰囲気を水素とし、脱パラフィン処理温度後、800〜1000℃の範囲で、0.2〜1.0時間脱水素処理を真空中で行なって調べた(表2および表5参照)。
【0047】
脱水素温度が800℃、1時間の比較例19および1000℃、0.2時間の比較例20では、いずれも水素除去が不十分で、遮断特性が不合格となったが、900℃以上の温度で0.5時間以上処理した実施例13〜16では、水素含有量の十分低い良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性および通電特性も良好である。
【0048】
[実施例17〜18および比較例21〜22]
基本プロセスの脱パラフィン雰囲気を水素とし、脱パラフィン処理温度を200〜1100℃の範囲で行なった後、1000℃で1.0時間脱水素処理を真空中で行なって調べた(表2および表5参照)。
【0049】
脱パラフィン温度が200℃の比較例21では、パラフィン除去が不十分なため、その後の工程が実施不可能となったが、300℃以上で導電成分の融点である1083℃以下の温度範囲で処理した実施例17〜18では、水素含有量の十分低い良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性および通電特性も良好である。一方脱パラフィン温度が1100℃の比較例22は、水素除去が不十分なため、遮断特性が不十分であったが、これは、導電成分の融点を超えた温度で処理したため、パラフィン中の水素が溶融した導電成分に溶解してしまったことによる。
【0050】
[実施例19〜22および比較例23〜24]
基本プロセスの脱パラフィンを、30〜68℃のn―ヘキサン中で行なった。また、n―ヘキサンをパラフィン濃度の低い液に取り替える回数についても最大2回まで試み調べた(表2および表5参照)。
【0051】
脱パラフィン温度が30℃で1回液を変えた比較例23および脱パラフィン温度が68℃で液を変えなかった比較例24では、いずれもパラフィン除去が不十分なため、その後の工程が実施不能となった。n―ヘキサンの温度が40〜68℃で一度以上液を入れ替えた実施例19〜22では、良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性および通電特性も良好である。
【0052】
[実施例23〜30および比較例25〜28]
基本プロセスの混合工程において、TiCとCuの混合粉末に焼結助材であるCo、Fe、NiおよびCrをそれぞれ微量添加して脱パラフィン後、1150℃において真空雰囲気で2時間焼結した(表3および表6参照)。
【0053】
Co、Fe、NiおよびCrがそれぞれ0.1wt%、0.1wt%、0.3wt%および3wt%より多い比較例25〜28では、いずれも材料の導電率が20IACS%以下で不良である。一方これらの限界値より低い実施例23〜30では、良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性および通電特性も許容範囲内である。
【0054】
[実施例31〜32および比較例29〜30]
基本プロセスの混合工程において、成形体の空隙に溶浸する溶浸材の量を空隙の体積の90〜120vol%の範囲で変化させて調べた(表3および表6参照)。
【0055】
溶浸材量が空隙の体積の90vol%の比較例29では、材料内部に空孔が多いため材料中の酸素含有量が極めて多く、また導電率も低いため遮断特性が不合格となっている。
【0056】
溶浸材料が空隙の100〜110vol%の実施例31〜32では、内部に空孔の少なくクラックの無い良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性および通電特性も良好である。
【0057】
一方溶浸材量が空隙の体積の120vol%の比較例30では、材料内部にクラックが見られ不良である。これは、余剰の溶浸材が凝固する際の収縮でクラックを形成したものと考えられる。
【0058】
[実施例33〜35および比較例31]
基本プロセス工程において、抜き出し側ともう一方の側の内径比(Da/Db)が1.0〜2.0の抜き型を用い、パラフィン無添加で成形して調べた(表3および表6参照)。
【0059】
内径比が1.0の比較例31では、成形にクラックが発生し、成形不能であったが、内径比が1.1以上の実施例33〜35では、クラックの無い良好な材料が製造でき、遮断特性、裁断特性および通電特性も良好である。
【0060】
[他の実施例]
以上の実施例では、Cu−TiC接点の製造方法について述べてきたが、Cu−VC接点についても同様に、本発明の製造方法は有効である。
【0061】
また、上記実施例では、脱パラフィンに用いる炭化水素系洗浄液にn―ヘキサンを用いたが、沸点が50℃以上の他の第一石油類あるいは第二石油類の炭化水素系洗浄剤、例えば、石油ナフサ、ナフテン系炭化水素、またはその混合物を用いても同様な効果が得られることは明白である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、真空バルブ接点材料の製造方法によれば、耐弧成分粉末と導電成分粉末との混合工程で、耐弧成分粉末に導電成分粉末を16〜43vol%配合し、さらにこの混合された粉末に対してパラフィンを5〜30vol%添加しているので、成形体にクラックを生ずることなく安価で量産に適し、大電流遮断特性、裁断特性、大電流通電特性を兼備した接点材料の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る真空バルブ接点材料の製造方法が適用される真空バルブの一例を示す縦断面図。
【図2】図1に示す真空バルブの接点部の拡大断面図。
【図3】本発明の実施形態における成形工程で使用する金型の断面図。
【符号の説明】
1…遮断室
2…絶縁容器
3a、3b…封止金具
4a、4b…蓋体
5、6…導電棒
7、8…電極
9…ベローズ
10、11…アークシールド
13a、13b…接点

Claims (5)

  1. 粒径が5〜100μmのCuからなる導電成分粉末と、粒径が0.3〜3μmのTiCからなる耐弧成分粉末とを混合する混合工程、混合された粉末をスケルトン状の成形体に成形する成形工程、前記成形体に混入されたパラフィンを蒸発させる脱パラフィン工程、および前記成形体へ前記導電成分を1100〜1200℃で溶浸させる溶浸工程の順序で、前記導電成分が40〜55vol%と、前記耐弧成分が45〜60vol%とで構成される接点材料を製造する真空バルブ接点材料の製造方法において、前記混合工程で、前記耐弧成分粉末に前記導電成分粉末を16〜43vol%配合し、さらにこの混合された粉末に対して前記パラフィンを5〜30vol%添加することを特徴とする真空バルブ接点材料の製造方法。
  2. 前記脱パラフィン工程は、300〜500℃の窒素中で10分以上保持することを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ接点材料の製造方法。
  3. 前記脱パラフィン工程は、300℃以上でかつ前記導電成分の融点以下の温度において、水素中で10分以上保持するとともに、真空雰囲気中で900℃以上かつ前記導電成分の融点温度以下で30分以上保持して脱水素することを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ接点材料の製造方法。
  4. 前記脱パラフィン工程は、沸点が50〜200℃の炭水化物系洗浄液に前記成形体を浸漬し、40℃以上かつ前記洗浄液の沸点以下の温度で保持するとともに、パラフィン濃度の低い前記洗浄液を1回以上入れ替えることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ接点材料の製造方法
  5. 前記混合工程において、0.1wt%以下のCo、または0.1wt%以下のFe、または0.3wt%以下のNi、または3wt%以下のCrを添加することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の真空バルブ接点材料の製造方法。
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