JP3067317B2 - 電極材料の製造方法 - Google Patents

電極材料の製造方法

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JP3067317B2
JP3067317B2 JP3257680A JP25768091A JP3067317B2 JP 3067317 B2 JP3067317 B2 JP 3067317B2 JP 3257680 A JP3257680 A JP 3257680A JP 25768091 A JP25768091 A JP 25768091A JP 3067317 B2 JP3067317 B2 JP 3067317B2
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copper
chromium
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sintering
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泰司 野田
信行 吉岡
伸尚 鈴木
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/02Contacts characterised by the material thereof
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  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
  • Contacts (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アトマイズ法による銅
−クロム合金の微粉末を原料とする電極材料の製造方法
に関し、特に真空インタラプタの電極に用いて好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】真空インタラプタの電極材料として要求
される重要な性能の一つに電流遮断性能の高いことが挙
げられる。
【0003】銅(Cu)−クロム(Cr)合金は、この電流遮断
性能が非常に優れている電極材料として知られており、
従来では電解法等により製造された銅の粉体と、粉砕法
等により製造されたクロムの粉体とを混合したものを圧
縮加圧成形し、これを高温で焼結する粉末冶金法による
製造方法が一般的である。
【0004】この他、圧縮加圧成形した銅の粉体の空隙
部分にクロムを溶浸させる溶浸法や、或いは銅とクロム
との混合粉体を圧縮加圧成形し、これを低温で焼結した
後、その空隙部分に銅を溶浸させるようにした方法、或
いは鋳造による方法等も試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この銅−クロム合金
は、銅のマトリックス中にクロムが分散したものである
が、電極材料としての電気的特性に着目した場合、微細
なクロムが銅マトリックス中に均一に分散している方が
好ましい。
【0006】ところが、粉末冶金法により製造される従
来の銅−クロム合金の場合、粉砕法により機械的に粉砕
して得られるクロム粉末の粒度分布の幅が非常に大き
く、しかもその平均粒径が40μm程度にも達するた
め、銅の粉体とクロムの粉体とを混合する際にこれらの
比重差や粉体の粒度、或いは粒度分布の相違により、均
一に混合され難い欠点を有する。この結果、焼結後にお
ける銅マトリックス中のクロムが微細且つ均一に分散せ
ず、その電気的特性が期待できるほど良好ではなかっ
た。
【0007】そこで、クロム粉末を更に機械的に粉砕し
てその粒径を小さくすることが考えられるが、この場合
には粉砕の過程及び保管時にクロム粉体の表面が酸化が
進行し、酸素含有量の増加に伴って焼結性が低下してし
まう問題も生ずる。又、粉砕法により得られるクロム粉
末をふるいで分級し、微細径のクロム粉末のみを使用す
ることも考えられるが、この方法では歩留りが極めて悪
くなってしまい、製造コストが嵩む原因となる。
【0008】一方、溶浸法により製造される従来の銅−
クロム合金の場合、クロム粉体は酸化し易いため、その
品質管理を徹底する必要がある上、表面が酸化したクロ
ムの粉末は銅との濡れ性が悪く、溶浸ができなくなる欠
点を有する。
【0009】又、鋳造法により製造される従来の銅−ク
ロム合金の場合、凝固時の冷却速度が遅いため、銅のマ
トリックス中のクロム粒子が成長してしまい、均一で微
細なクロムの分散が困難となる上、凝固偏析が生じ易い
ことから得られる銅−クロム合金の品質にばらつきが生
じ易い欠点を有する。
【0010】
【発明の目的】本発明は、微細なクロムが銅マトリック
ス中に均一に分散した高品質な銅−クロム合金の電極材
料を製造し得る方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微細化が
困難で表面酸化の問題を抱えたクロムの機械的粉砕法を
採用せず、アトマイズ法により銅−クロム合金の微粉末
を製造し、これを焼結して電極材料の製造が可能である
か否かを調べた。
【0012】そこで、銅とクロムとの混合物を真空等の
非酸化性雰囲気にて溶融させ、その溶湯を5〜8MPa
(メガパスカル)の圧力のアルゴン(Ar)ガスを用いたガ
スアトマイズ法により急冷凝固させて微粉末化し、銅マ
トリックス中にクロムが分散した銅−クロム合金の微粉
末を得るようにした。
【0013】上記方法を実施するに際し、溶融前の銅と
クロムとの混合物における銅とクロムとの重量割合を
4:1に設定した。なお、クロムの重量割合がこれより
も多くなると、クロムのマトリックス中に銅が分散した
ものが生成してしまい、目標とする銅−クロム合金粉末
が得られない。
【0014】又、銅とクロムとの混合物を溶融する際に
は、溶湯の酸素含有量を低減するために酸素含有量の低
い銅及びクロムを選定する一方、上述した非酸化性雰囲
気にて溶融するか或いは脱酸処理を施し、酸素含有量を
1000ppm以下に抑えた。この場合、原料等に混入し
ている不可避の不純物、例えば鉄(Fe)やニッケル(Ni)等
の存在は許容した。
【0015】これにより得られた銅−クロム合金微粉末
の粒径は150μm以下であり、その成分割合も元の銅
とクロムとの混合物の割合と同等であった。又、この銅
−クロム合金微粉末を電子顕微鏡にて観察した結果、5
μm以下のクロム粒子が銅マトリックス中に均一に分散
していることを確認できた。
【0016】次に、この銅−クロム合金微粉末を内径が
70mmのアルミナセラミックス容器内に300g充填し
た後、5×10-5Torrの真空中にて加熱条件を変えつつ
焼結させ、この時の焼結温度と原料の外径収縮率
(%)、密度充填率(%)、導電率(IACS%)との関係
をそれぞれ第1図〜第3図に示す。なお、外形収縮率は
焼結後の外径寸法を焼結前の外径寸法で除算し、これに
100を乗算した値であり、密度充填率は、単位体積当
たりの銅−クロム合金の実際の質量を、気泡等を含まな
い理想的な銅−クロム合金における単位体積当たりの理
論的な質量で除算し、これに100を乗算した値であ
る。
【0017】この結果から明らかなように、融点が10
80℃の銅−クロム合金粉末の場合、1020℃以下で
は原料の焼結が起こらず、逆に1120℃以上では原料
が完全に溶融してしまうことが判った。又、1110℃
にて30分間加熱した場合には、原料が正常に焼結する
ものの、加熱時間を1時間に延長した場合には原料の一
部が溶融してしまい、この現象は原料を1120℃にて
30分間加熱した場合にも見られた。なお、原料を11
20℃にて1時間加熱した場合には、原料全体が完全に
溶融してしまった。
【0018】第一番目の本発明による電極材料の製造方
法は、かかる知見に鑑みてなされたものであり、アトマ
イズ法により得られた銅とクロムとの合金微粉末を非酸
化性雰囲気にて加熱して焼結させるに際し、前記合金微
粉末の融点を基準としてマイナス50度からプラス30
度の範囲に加熱温度を制御するようにしたことを特徴と
する。
【0019】ところで、上述した原料の焼結状態はアト
マイズ法による銅−クロム合金粉末の粒度や加熱時間等
によって比較的大きく変化する虞がある。このようなこ
とから、焼結後の原料の物理的性質を左右する可能性の
高い密度充填率に着目し、上述の方法により得られた電
極材料の密度充填率とそのビッカース硬さとの関係につ
いて試験した。その結果、電極材料の密度充填率とその
ビッカース硬さとの関係を表す図4に示すように、密度
充填率とビッカース硬さとは比例関係にあることが確認
できた。
【0020】そこで、上述の方法により得られた密度充
填率の相違する複数種類の電極材料に付き、それらの遮
断性能及び耐電圧性能及び溶着性能を更に試験した。こ
の場合、電極を直径40mmとし、遮断試験では回路電圧
を7.2kVに設定し、耐電圧試験では電極の隙間を3mm
に設定し、溶着試験では400N(ニュートン)の圧接
力で電極を相互に押し付け、この状態にてピーク電流が
50kAの交流を2サイクル通電した。この時の密度充填
率と遮断性能、耐電圧値、溶着力との関係をそれぞれ第
5図〜第7図に示す。
【0021】この結果から明らかなように、遮断性能や
耐電圧値は焼結後の電極材料の密度充填率によって殆ど
関係なくほぼ一定であるが、溶着力は密度充填率が85
%を越えると急激に大きくなってしまうことが判明し
た。又、先の結果から電極材料の密度充填率が75%未
満の場合には、材料強度が不充分で機械加工を行うこと
に無理があることも判明した。なお、遮断性能は、密度
充填率が95%のものの遮断性能を100%とした場合
のデータである。
【0022】第二番目の本発明による電極材料の製造方
法は、かかる知見に鑑みてなされたものであり、アトマ
イズ法により得られた銅とクロムとの合金微粉末を非酸
化性雰囲気にて加熱して焼結させるに際し、密度充填率
が75〜85%の範囲に収まるようにしたことを特徴と
する。
【0023】特に、焼結作業に伴って電極材料の組織を
均一化させるためには、合金微粉末の融点を基準として
マイナス20度からプラス5度の範囲に加熱温度を制御
すると共に密度充填率が75〜85%の範囲に収めるこ
とが有効である。
【0024】
【作用】アトマイズ法によって得られる銅−クロム合金
微粉末は、銅マトリックス中に微小な粒径のクロムが均
一に分散している。これを非酸化性雰囲気にてこの合金
微粉末の融点を基準としてマイナス50度からプラス3
0度の範囲で加熱することにより、合金粉末が焼結して
高密度に一体化される。
【0025】又、アトマイズ法によって得られる銅−ク
ロム合金微粉末は、銅マトリックス中に微小な粒径のク
ロムが均一に分散している。これを非酸化性雰囲気にて
加熱焼結させる場合、銅−クロム合金粉末の粒度や加熱
時間等を調整して密度充填率を75〜85%の範囲に収
めることにより、合金粉末が焼結一体化される。
【0026】
【実施例】真空インタラプタは、その概略構造の一例を
表す図8に示すようなものであり、相互に一直線状をな
す一対のリード棒11,12の対向端面には、それぞれ
電極13,14が図示しないろう材を介して一体的に設
けてある。これら電極13,14を囲む筒状のシールド
15の外周中央部は、このシールド15を囲む一対の絶
縁筒16,17の間に挟まれた状態で保持されている。
一方の前記リード棒11は、一方の絶縁筒16の一端に
接合された金属端板18を気密に貫通した状態で、この
金属端板18に一体的に固定されている。図示しない駆
動装置に連結される他方のリード棒12は、他方の絶縁
筒17の他端に気密に接合された他方の金属端板19に
ベローズ20を介して連結され、駆動装置の作動に伴っ
て電極13,14の対向方向に往復動可能に可動側の電
極14が固定側の電極13に対して開閉動作するように
なっている。
【0027】本実施例における前記電極13,14は、
アトマイズ法による原料を焼結してなる銅−クロム合金
で主要部が構成される。
【0028】本発明によるこの電極13,14の製造方
法の一例を以下に記すと、銅に対して20重量%の割合
のクロムを有するアトマイズ粉末(粒径が150μm以
下でクロムの平均粒径が3.5μm)を直径が68mmの
アルミナセラミックス製の容器に入れ、真空炉中におい
て1080℃で30分間加熱し、焼結させた。
【0029】このようにして得られたクロムが20重量
%含まれる銅−クロム合金の密度充填率は85%であ
り、この銅−クロム合金中に占めるクロムの平均粒径は
10μmでその粒径の分布幅も狭く、均一に分散してい
ることを確認した。
【0030】この銅−クロム合金を所定の電極形状に機
械加工し、図8に示す真空インタラプタに組み込んで従
来のものと比較した結果、クロムが均一に分散されてい
ることにより、発生したアークの拡散がスムーズに行わ
れ、しゃ断性能が向上したことが判った。又、クロムの
微細化に伴って接触抵抗が低下し、これに伴って耐溶着
力も低下させることができた。
【0031】
【発明の効果】本発明の電極材料の製造方法によると、
アトマイズ法により得られる銅−クロム合金の微粉末を
焼結するに際し、その加熱温度を合金微粉末の融点を基
準としてマイナス50度からプラス30度の範囲に収め
るか、密度充填率が75〜85%の範囲に収まるように
アトマイズ法による銅−クロム合金粉末の粒度や加熱時
間等を調整するか、或いは合金微粉末の融点を基準とし
てマイナス20度からプラス5度の範囲に加熱温度を制
御すると共に密度充填率が75〜85%の範囲に収まる
ようにしたので、銅マトリックス中に微細な粒径のクロ
ムが均一に分散した銅−クロムを得ることができ、従来
の焼結冶金法等による銅−クロム合金と比べて、しゃ断
電流値や接触抵抗値、或いは耐溶着力等の優れた電極材
料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アトマイズ法による銅−クロム合金を焼結させ
る際の加熱温度と外径収縮率との関係を表すグラフであ
る。
【図2】アトマイズ法による銅−クロム合金を焼結させ
る際の加熱温度と密度充填率との関係を表すグラフであ
る。
【図3】アトマイズ法による銅−クロム合金を焼結させ
る際の加熱温度と導電率との関係を表すグラフである。
【図4】焼結して得られた電極材料の密度充填率とその
ビッカース硬さとの関係を表すグラフである。
【図5】焼結して得られた電極材料の密度充填率とその
遮断性能との関係を95%の密度充填率のものを基準と
して表したグラフである。
【図6】焼結して得られた電極材料の密度充填率とその
耐電圧値との関係を表すグラフである。
【図7】焼結して得られた電極材料の密度充填率とその
溶着力との関係を表すグラフである。
【図8】真空インタラプタの一例を表す断面図である。
【符号の説明】
11,12はリード棒、13,14は電極である。
フロントページの続き (72)発明者 深井 利真 東京都品川区大崎二丁目1番17号 株式 会社 明電舍内 (56)参考文献 特開 昭53−146904(JP,A) 特開 昭60−141802(JP,A) 特開 平3−47931(JP,A) 特開 昭60−215736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 33/66 B22F 5/00 H01H 11/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アトマイズ法により得られた銅とクロム
    との合金微粉末を非酸化性雰囲気にて加熱して焼結させ
    るに際し、前記合金微粉末の融点を基準としてマイナス
    50度からプラス30度の範囲に加熱温度を制御するよ
    うにしたことを特徴とする電極材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 アトマイズ法により得られた銅とクロム
    との合金微粉末を非酸化性雰囲気にて加熱して焼結させ
    るに際し、密度充填率が75〜85%の範囲に収まるよ
    うにしたことを特徴とする電極材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 アトマイズ法により得られた銅とクロム
    との合金微粉末を非酸化性雰囲気にて加熱して焼結させ
    るに際し、前記合金微粉末の融点を基準としてマイナス
    20度からプラス5度の範囲に加熱温度を制御すると共
    に密度充填率が75〜85%の範囲に収まるようにした
    ことを特徴とする電極材料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102744413A (zh) * 2012-08-01 2012-10-24 陕西斯瑞工业有限责任公司 一种铜铬合金粉末的制备方法及铜铬合金锭的制备方法
CN110295294B (zh) * 2019-06-19 2021-02-26 陕西斯瑞新材料股份有限公司 一种通过添加超细晶铬相优化铜铬触头的制备方法

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