JPH07335092A - 真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点並びに製造法 - Google Patents

真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点並びに製造法

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JPH07335092A
JPH07335092A JP8363995A JP8363995A JPH07335092A JP H07335092 A JPH07335092 A JP H07335092A JP 8363995 A JP8363995 A JP 8363995A JP 8363995 A JP8363995 A JP 8363995A JP H07335092 A JPH07335092 A JP H07335092A
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arc
arc electrode
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rod
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JP8363995A
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Katsuhiro Komuro
勝博 小室
Yoshiyuki Kojima
慶享 児島
Noboru Baba
馬場  昇
Shunkichi Endo
俊吉 遠藤
Toru Tanimizu
徹 谷水
Yoshimi Hakamata
好美 袴田
Katsuzo Kuroda
勝三 黒田
Yukio Kurosawa
幸夫 黒沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H1/00Contacts
    • H01H1/02Contacts characterised by the material thereof
    • H01H1/0203Contacts characterised by the material thereof specially adapted for vacuum switches

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  • Manufacture Of Switches (AREA)
  • High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】小型,長寿命のアーク電極を用いた真空遮断器
を提供する。 【構成】アーク電極構成基材の少なくとも1つが接合部
で固相拡散により金相学的に一体に形成されている真空
遮断器。 【効果】ろう付け接合部がないため比抵抗が従来のもの
に比べ小さく、強度のばらつきも少なく、また従来に比
べ大きい縦磁界によるアーク分散効果の優れた電極が得
られるため、小型高性能の真空遮断器が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧,大電流遮断用と
して信頼性の高い真空遮断器用電極を備えた真空遮断器
及びその製造方法,真空バルブ,電気接点とその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】高電圧,大電流遮断用の真空遮断器は、
絶縁され高真空に保たれた容器内に固定側電極と可動側
電極とを備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固
定側電極と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接
続された導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロ
ッドを介して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え
た構造になっている。上記固定電極及び可動電極の構造
は、アーク電極と該アーク電極を支持するアーク電極支
持部材と該アーク電極支持部材に連なり、アークを電極
全面に分散させる働きをするコイル電極材とコイル電極
端部の電極棒の4つの部材、更に用途によっては、電極
の強度を増すための補強部材を追加する場合もある。
【0003】上述したアーク電極材は、高電圧,大電流
を開閉遮断するため直接アークにさらされる。アーク電
極材に要求される特性としては、遮断容量が大きいこ
と、耐電圧値が高いこと、接触抵抗値が小さいこと(電
気伝導に優れていること)、耐溶着性に優れているこ
と、接点消耗量が少ないこと及び裁断電流値が小さいこ
とがあげられる。従来の電極はCr,Cu,W,Co,
Mo,V,Nbあるいはこれらの合金粉末を所定の組
成,形状,空孔量に成形、焼結後、焼結体の骨格にCu
あるいはCu合金溶湯を含浸させて作製している(以
下、溶浸法と称する)が、上記特性のうち耐電圧値を改
善するため特開昭63−62122号,同63−202813号公報で
は、溶浸前の焼結工程で密度をあげ、空孔率をできるだ
け少なくする熱間等方圧加圧(HIP)処理によりアー
ク電極材を製造する方法が開示されている。前記熱間等
方圧加圧処理により作製されたアーク電極材は、Cu合
金溶湯を含浸させて作製したアーク電極材に比べ耐電圧
が高く、耐電圧値の製品によるばらつきも少ないという
特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術ではアーク
電極の製法が溶浸法であると熱間等方圧加圧処理法であ
るとにかかわらず、アーク電極と該アーク電極を支持す
るアーク電極支持部材と該アーク電極支持部材に連なる
コイル電極材とコイル電極端部の電極棒の4つの部材を
各部品ごとに作製し機械加工を行った後、それらをろう
付けして電極を作製していた。ろう付けはアーク電極と
該アーク電極を支持するアーク電極支持部材と該アーク
電極支持部材に連なるコイル電極材とコイル電極端部の
電極棒のそれぞれの間に接合材と濡れ性の良好なろう材
を入れ、真空中あるいは還元性雰囲気中で昇温し、ろう
付け接合される。ろう付け接合を用いて構成される電極
は、各部材の機械加工工程と、ろう付けするための部品
組立て時の各部品の芯合わせに時間がかかり、また、ろ
う付け不良による電極材の破壊や脱落の事故原因となっ
ていた。更に、今後の真空遮断器の高電圧,大電流化を
考えた場合、接合面のろう材の電気抵抗が電極材に比べ
て高いことによるろう付け部からの局部発熱の問題も危
惧される。
【0005】更に、近年の遮断性能の向上の一環として
遮断器開閉速度の向上が試みられているが、遮断速度が
早くなると電極開閉時に電極に大きな衝撃応力がかか
り、電極の変形も起こりうる。そのため、電極各部材の
接合部強度が問題となり、従来のろう付けでは接合強度
の大きさに不安も生じてきた。
【0006】また、高電圧,大電流対応の真空遮断器の
電極は直径が100mm以上のものも要求されるが、従
来の各部材をろう付けで作製する方法では、この径以上
のものは、ろう付け欠陥による強度不足のため実用的に
は歩留の問題等から作製が困難であった。
【0007】また、アーク電極と該アーク電極を支持す
るアーク電極支持部材には電極開閉時に発生するアーク
を電極全体に分散させ、電極寿命を向上させるため、電
極中心軸に並行な磁界(縦磁界という)を発生させるよ
う電極の側面部に溝がきってあった。これは電流が金属
表面を流れることを利用したもので、電流は溝の切って
いない部分に沿って流れるため、その流れのまわりに渦
状の磁界が生じ、これにより上記縦磁界を生じさせるも
のである。縦磁界を効率良く発生させるためには上記溝
がアーク電極及び前記アーク電極支持部材の側面部にお
いて連続していることが最も有効である。従来のろう付
けによる電極では、ろう付け界面を横断して溝が切られ
ていると、アーク発生時にアークが溝の底部にある、ろ
う付け面まで達し、ろう付け部の温度が上昇し、ろう材
が溶け出すという問題点があった。そのため、アーク電
極支持部材の側面のみに溝がきってあった。十分な縦磁
界の発生のためには電極自体を大きくする必要があり、
小型の電極を作製するための障害となっていた。
【0008】本発明の目的は、ろう材を使用せず、一体
で電極を作製することにより、上記問題を解決し、小型
で長寿命を有する真空遮断器及びそれに用いる真空バル
ブと電気接点並びに製造法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はアーク電極部材
と該アーク電極を支持するアーク電極支持部材及び該支
持部材あるいはこれに連なるコイル電極部材又はアーク
電極部材と通電電極棒とを備える真空遮断器用電極にお
いて、前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材、
前記アーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極
部材又はアーク電極部材と通電電極棒とが、固相拡散に
より金相学的に一体に固相接合されている真空遮断器電
極とした。
【0010】更に上記電極のうち望ましいものとして
は、前記アーク電極部材は、20〜70重量%がCr,
W,Mo,Co,Feの群の中から選ばれた1種以上の
金属成分からなり、20〜70重量%がCu,Ag,A
uの群から選ばれた1種以上の金属成分からなる合金よ
りなるものがある。
【0011】また、前記アーク電極部材は、0.5 〜5
重量%がV,Nb,Zr,Ti,Ta,Siの群の中か
ら選ばれた1種以上の金属成分からなり、30〜70重
量%がCu,Ag,Auの群から選ばれた1種以上の金
属成分からなる合金よりなるものも好ましい。
【0012】また、前記アーク電極支持部材,コイル電
極部材及び通電電極棒は、1.0 重量%以下(0は除
く)がCr,V,Nb,Zr,Si,W,Beの群の中
から選ばれた1種以上の金属成分からなり、残部がC
u,Ag,Auの群から選ばれた1種以上の金属成分か
らなる合金よりなるものも好ましい。
【0013】また、上記構造の真空遮断器用電極におい
て、前記アーク電極及び前記アーク電極支持部材に縦磁
界発生用の複数本の溝を有し、かつ、その溝がアーク電
極及び前記アーク電極支持部材の側面部において連続し
ており、かつ前記アーク電極部材と前記アーク電極支持
部材,コイル電極部材及び通電電極棒とは前述のように
固相拡散により金相学的に一体に固相接合されているこ
とにより更に性能を向上させることができる。
【0014】また、上記真空遮断機用電極は、前記アー
ク電極部材と前記アーク電極支持部材,コイル電極部材
及び通電電極棒のうちの少なくとも1つの接合部を熱間
等方圧加圧により一体に固相接合することにより製造さ
れる。
【0015】上記製造方法は、熱間等方圧加圧の加熱温
度が、バルク材を構成するCu,Ag,Auの群から選
ばれた1種以上の金属成分からなる合金の融点以下で行
い、固相拡散により、金属基材を一体に形成することが
望ましい。
【0016】上記製造方法は、各種金属粉末を金属製カ
プセル内に入れ、カプセル内部を加熱脱気し密封する行
程を含むことが望ましい。この工程をキャニング(Canni
ng)と称する。
【0017】更に、本発明は前述真空遮断器において、
前記固定側電極及び可動側電極は耐火性金属と高導電性
金属との合金からなるアーク電極部材と、該アーク電極
部材を支持する高導電性金属からなるアーク電極支持部
材又は前記アーク電極部材と通電電極棒とを有し、前記
アーク電極部材とアーク電極支持部材又は通電電極棒と
は固相接合によって一体に形成され、前記電極支持部の
0.2% 耐力が4kg/cm2以上で比抵抗が2.8μΩcm以
下であることを特徴とするものである。
【0018】本発明は、高真空に保たれた絶縁容器内に
固定側電極と可動側電極とを備えた真空バルブにおい
て、前記両電極は耐火性金属と高導電性金属との複合部
材よりなるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支持
する高導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通電
電極棒とを有し、前記アーク電極とアーク電極支持部材
又は通電電極部材とは固相接合によって一体に形成され
ていることを特徴とする真空バルブにある。
【0019】前記固定側電極と可動側電極の少なくとも
一方の電極は前記電極支持部材に高導電性金属からなる
縦磁界発生コイルが設けられていることが好ましい。
【0020】前記縦磁界発生コイルは円筒状であり、そ
の円周面にスリット溝が設けられた形状又は横断面が略
卍状であるのが好ましい。
【0021】前記固定側電極及び可動側電極はそれらの
外周部がスリット溝によって分離された羽根型を有する
のが好ましい。
【0022】本発明は高真空に保たれた絶縁容器内に固
定側電極と可動側電極とを備えた真空バルブにおいて、
前記両電極は耐火性金属と高導電性金属との複合部材よ
りなるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支持する
高導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通電電極
部材とを有し、前記アーク電極部材とアーク電極支持部
材又は通電電極棒とは固相接合によって一体に形成さ
れ、前記電極支持部材の0.2% 耐力が4kg/cm2以上
で比抵抗が2.8μΩcm以下であることを特徴とするも
のである。
【0023】本発明は耐火性金属と高導電性金属との合
金からなるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支持
する高導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通電
電極棒とが固相接合によって一体に形成されていること
を特徴とする電気接点にある。
【0024】前記アーク電極部材はCr,W,Mo及び
Taの1種又は2種以上の混合物と、Cu,Ag又はA
uからなる高導電性金属又はこれらを主にした高導電性
合金からなり、前記電極支持部材又は通電電極棒は前記
高導電性金属又は合金からなものが好ましい。
【0025】前記アーク電極部材はCr,W,Mo及び
Taの1種又は2種以上の合計量50〜80重量%とC
u,Ag又はAu20〜50重量%とを含む複合合金か
らなり、前記電極支持部材又は通電電極棒はCr,A
g,W,V,Nb,Mo,Ta,Zr,Si,Be,T
i,Co及びFeの1種又は2種以上の合計量が2.5
重量%以下及び残部Cu,Ag又はAuである高導電性
合金からなるものが好ましい。
【0026】本発明は、耐火性金属と高導電性金属との
合金からなるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支
持する高導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通
電電極棒とが固相接合によって一体に形成され、前記電
極支持部の0.2% 耐力が4kg/mm2以上で比抵抗が2.
8μΩcm以下であることを特徴とする電気接点にある。
【0027】本発明は、耐火性金属と高導電性金属との
合金からなるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支
持する高導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通
電電極棒とを有する電気接点の製造法において、前記ア
ーク電極部材は耐火性金属粉,前記高導電性金属粉とを
含む混合粉末を加圧成形した後、該成形体と前記アーク
電極支持部材又は通電電極棒とを熱間等方圧加圧により
固相接合することを特徴とするものである。
【0028】
【作用】真空遮断器用電極を、前記アーク電極部材と前
記アーク電極支持部材,コイル電極部材及び通電電極棒
の接合部のうちの少なくとも1つの接合部基材を熱間等
方圧加圧(Hot Isostatic Press,HIPと略称する)により
一体に形成することにより、アーク電極部材と前記アー
ク電極支持部材、アーク電極部材とアーク電極支持部材
とコイル電極部材又はアーク電極部材と通電電極棒の4
部材のうちの少なくとも2つ以上の部材間をろう材を用
いることなく接合することができる。この場合、接合部
の強度が問題となるが接合部の基材(Cu合金)が固相
拡散により金相学的に一体に固相接合されていれば、強
度も十分得られ、また使用時の接合部での発熱の問題も
生じない。ここで固相拡散により金相学的に連続、又は
金相学的に一体に固相接合するとは、上記部材の接合部
において基材(この場合は純Cu)の結晶(柱状に成長
している結晶で、一つ一つは単結晶)が接合部において
も連続しており、接合境界部が明瞭に示さない状態をい
う。固相拡散を用いて金相学的に一体とした場合、特徴
的なのは基材中に分散しているCrなどの高融点金属の
形状が、原料粉の形状をそのまま保っていることであ
る。すなわち、原料粉は破砕等により粒径を小さくする
ため、粒の形状が角ばっていることが多いが、固相拡散
を用いた場合は焼結温度が低く、Crなどの高融点金属
がほとんど反応しないため粒の形状が角ばったままとな
る。一方、基材を溶融含浸させて接合する方法によって
も接合部が金相学的に一体とすることもできるが、この
場合は、高温で処理するため、Crなどの高融点金属の
一部が反応し、粒の形状が丸くなる。これらの違いを顕
微鏡で観察すると色の濃い部分がCr粒子であり、白っ
ぽく見えるマトリックスがCu合金である。高融点金属
の一部が反応した場合は、その元素が基材のCu合金中
に拡散するため、基材の電気伝導率が低下する。電極材
料は高電圧,大電流を流すため、電気伝導率のわずかな
低下が、エネルギーロスにつながるため好ましくない。
固相拡散により一体に形成する部材は、4つの部材のう
ちの2つ以上の部材に適用でき、製造コストとの関係
で、一部の接合をろう付けとすることもできる。
【0029】また、熱間等方圧加圧で一体製造すること
により、従来の製造法では不可能であった、アーク電極
材を任意の組成勾配をもつようにすることができる。こ
れにより、各材質の熱膨張係数の違いによる熱応力を緩
和することができ、電極使用時の熱応力による割れの発
生を抑制することができる。
【0030】電極は使用時は常に電流が流れているた
め、電気エネルギーの損失ができるだけ少ないように、
電気抵抗のできるだけ小さい材料を用いることが好まし
いが、純Cuでは融点がアーク温度より低いため使用中
に溶け出し使用中に溶着してしまう。できるだけ電気抵
抗を上昇させない範囲で、溶着性を向上させるような元
素として従来より、前記Cr,W,Mo,V,Nb,Z
r,Ta,Ti,Si,Co元素が用いられている。こ
れらの金属は、従来構造の電極に用いられるものと同じ
ものが使われる。これらは融点が1800℃以上の高融
点金属、Cr,W,Mo,V,Nb,Zr,Ta,T
i,Si,Coなどが単体またはこれらの群から選ばれ
た2種以上の合金をCu等の基材に添加して用いられ
る。含有量は合計量が20〜70重量%が好ましい。遮
断速度が速く強度が要求されるようなものに対しては、
含有量を多くするなど電極の要求特性に応じ、含有量を
加減することが望ましい。
【0031】また、V,Nb,Zr,Ta,Ti,Si
の群から選ばれた一種以上の元素を、その合計の含有量
が0.2〜5重量%の範囲で添加し、導電性材料として
Cu,Ag,Auの群から選ばれた1種以上の合金粉を
用い合計量30〜80重量%であることが望ましい。こ
れらの元素は使用時のアーク発生によってCu等と高融
点の金属間化合物を作り、耐溶着性及び遮断特性を向上
させる目的で従来より添加されているものである。これ
らの元素も電極の要求特性に応じて、その種類,量を調
整して用いられる。
【0032】また、HIPによる一体製造では、加熱温
度は基材の融点以下とすることが必要である。融点以上
とすると、アーク電極部材中のCrなどがアーク支持部
材に拡散し、電気伝導率を低下させるため好ましくな
い。HIPの方法としては金属粉末を金属製のカプセル
に入れ、カプセル内部を加熱脱気して密封することによ
り、焼結体中の残留気体をほとんどなくすることができ
る。焼結体中の残留気体は、真空遮断器使用中に電極よ
り放出され、遮断器内の真空度を下げる働きをするため
好ましくない。
【0033】
【実施例】
(実施例1)粒径44μm〜150μmのCr粉末と粒
径44μm〜150μmのCu粉末と粒径44μm〜9
0μmのNb粉末を重量比で65%Cr−35%Cu−
5%NbとなるようにV型ミキサーを用いて混合した。
この混合粉末を金型につめ、油圧プレスを用いて、約3
ton/cm2の加圧力で成形し、60mmφ,厚さ10mmの成
形体とした。この時の成形体の気孔率は、かさ密度の測
定から23〜28%である。一方、粒径44μm〜15
0μmのCu粉末のみを約2.5ton/cm2 の加圧力でプ
レス成形し、60mmφ,厚さ50mmの成形体とした。こ
の時の成形体の気孔率は22〜27%である。このよう
にして成形したCr−Cu−Nb成形体とCu粉成形体
を密着させて軟鋼カプセルに入れ、真空封止後HIP処
理を行った。なお、軟鋼カプセル,真空封止施工及びH
IP処理等の条件は以下の通りである。肉圧3mmの軟鋼
製カプセルを用いて、約600〜700℃に加熱し、真
空排気脱ガスを施しながら真空度5×10-5torr以下に
なるまで脱気後、真空封止した。なお、Cr−Cu−N
b成形体とCu粉成形体の密着面の清浄化に関しては十
分な注意を払った。Cr−Cu−Nb混合成形体のHI
P処理後の金属組織観察結果、及びHIP処理後のCr
−Cu−Nb混合成形体とCu粉成形体の界面の金属組
織観察結果、いずれも色の濃い粒子のCrと、白っぽい
マトリックスのCu合金が見られ、HIP処理後の混合
成形体及びCu粉成形体は気孔部も観察されず固相拡散
による固相接合によりほぼ100%に近い理論密度が得
られている。また、混合成形体とCu粉成形体の接合部
においてもCu基材は金相学的に一体に固相接合されて
いる、すなわちCu基材には結晶粒が不連続な境界部が
見られないものであった。なお、Cu粉成形体の強度を
大きくするためCr,Ag,W,V,Nb,Mo,T
a,Zr,Si,Be,Co,Ti,Feの粉末を0.
8 重量%添加した混合粉成形体においても同様の結果
が得られることを確認した。また、Cr粒子は角ばった
形状を有し、細長いもの,長方形状,四角形状のもの等
種々有するが、粒の大きさを長さの大きい径で表わし、
100〜200μm,50〜100μm未満及び50μm未満
のものに分けると各々の面積率では約78%,20%及
び2%であった。
【0034】(実施例2)粒径44μm〜150μmの
Cr粉末と粒径44μm〜150μmのCu粉末と粒径
44μm〜90μmのTa粉末を重量比で40%Cr−
55%Cu−5%Ta,35%Cr−61%Cu−4%
Ta,30%Cr−67%Cu−3%Ta,25%Cr
−73%Cu−2%Ta,20%Cr−79%Cu−1
%Ta,15%Cr−84%Cu−1%Taとなるよう
にそれぞれV型ミキサーを用いて混合した。次にφ60
の金型を用いて厚さ0.5mm になるようにまず40%C
r−55%Cu−5%Ta混合粉を成形する。次に35
%Cr−61%Cu−4%Ta混合粉を0.5mm 厚さに
なるように成形し積層する。このようにして最終層がC
u粉成形体となるようにφ60mm,厚さ4.5mm の9組
成積層成形体とした。一方、積層成形体とは別にCu粉
のみをプレス成形し、φ60mm,厚さ40mmの成形体と
した。このようにして成形された積層成形体のCu面と
Cu粉成形体とを接触させ実施例1の条件下でキャニン
グ施工後、温度1000℃、加圧力2000kg/cm2
HIP処理を行った。HIP処理後の積層成形体15%
Cr−84%Cu−1%TaとCu粉成形体接触部の金
属組織観察結果、各組成の積層面あるいはCu面接触部
のいずれも固相拡散焼結により緻密化されCu基材は金
相学的に一体化した固相接合構造になっており、境界部
がみられないものであった。Cr粒子の形状及び分布は
実施例1と同様であった。
【0035】(実施例3)粒径44μm〜150μmの
Cr粉末と粒径44μm〜150μmのCu粉末と粒径
44μm〜90μmのZr粉末を重量比で50%Cr−
45%Cu−5%ZrとなるようにV型ミキサーを用い
て混合した。この混合粉を約3ton/cm2の加圧力でプレ
ス成形し、φ60mm,厚さ20mmの成形体とした。この
時の成形体の気孔率はかさ密度で23〜25%である。
このようにして成形された50%Cr−45%Cu−5
%Zr成形体とφ60mm,長さ30mmの純Cu棒とを接
触させて軟鋼カプセルに入れ、真空封止後HIP処理を
行った。なお、真空封止条件及びHIP処理条件は実施
例1と同様である。HIP処理後の50%Cr−45%
Cu−5%Zr成形体の金属組織観察結果及びHIP処
理後の50%Cr−45%Cu−5%Zr成形体と純C
u棒接触界面の金属組織観察結果、成形体は固相拡散焼
結により緻密化されており、更に成形体と純Cu棒接触
界面は実施例2と同様にCu基材が金相学的に一体とな
っていた。なお、純Cu棒のかわりにCr,Ag,W,
V,Nb,Mo,Ta,Zr,Si,Be,Co,T
i,Feを0.9% 含有したCu合金棒を使用しても同
様の結果が得られることを確認した。このような元素を
添加したCuは、時効硬化処理により、材料の硬度,強
度が向上し、電極使用時の変形が少なくなる。但し、添
加量の増加に伴い電気伝導性が低下するため、添加量は
できるだけ少なくすることが望ましい。このように本発
明によればアーク電極,アーク電極支持部,コイル電極
部及び通電棒とが一体構造で構成され、接合部は基材が
金相学的に一体となっている電極が作製可能であること
がわかる。
【0036】(実施例4)表1は実施例1〜3で実施し
た方法についてHIP処理温度とHIP処理加圧力との
関係を示したものである。表中○印は成形体の理論密度
比が98%以上であることを示し、半分塗りつぶしたも
のは95〜98%未満、●印は95%未満を示す。ま
た、△印は接触界面での基材が金相学的に一体であるこ
とを示し、△印の塗りつぶしたものは接合されていない
もの、その半分のものは接合が不十分なものを示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示すように成形体の理論密度は実施
例1〜3ともHIP処理温度が750℃以下及びHIP
処理加圧力1000kg/cm2以下であると極端に低下
し、800℃以上及び1000kg/cm2 以上であれば98
%以上になることがわかる。一方、接触界面は850℃
以上及び1100kg/cm2 以上で接触界面での基材が金
相学的に一体となることがわかる。
【0039】(実施例5)図1はHIP処理状態とその
HIP処理材を用いて製作した電極形状を示したもので
ある。キャニング条件及びHIP処理条件は実施例1と
ほぼ同様である。No.2は、実施例3に対し、純Cu棒
2はφ80mm,長さ120mmとし、混合成形体1a,1
bはφ80mm,厚さ15mmを2ヶ用意した。HIP処理
温度は1000℃、保持時間は120分とし、その他キャニ
ング条件等は実施例3とほぼ同様である。このようにし
て得られたHIP処理材より(a)型(b)型の電極を作製
した。(a)型は、アーク電極材7,アーク電極支持部材
8及びコイル電極材9を一体構造とし、電極棒10をろ
う付けにより接合11したものである。また、(b)型
は、(a)型に対し中心に純Feからなる補強材12を設
けたものである。補強材は電極支持部8と電極棒10に
各々ろう付けされる。No.3はNo.2に対し純Cu棒1
3を長さ50mmとし、形状を凹にしたものである。No.
3のHIP処理材からは(a)型及び(b)型の電極形状を
作製した。No.4はNo.2に対し、φ40mm,長さ80
mmの純Cu棒17を付加したものである。No.4のHI
P処理材からは(c)型の電極はろう付け接合を使用せず
とも電極棒20を含めた一体構造の電極構成が可能であ
る。No.4のHIP処理材からは(c)型以外にも(a)型
及び(b)型の電極構造を切削加工によって作製できる。
【0040】No.5は実施例1と実施例3を組み合わせ
たものである。つまり純Cu粉を成形するときにラッパ
型20の鉄芯を入れて成形体19とし、成形体19の上
部に純Cu棒18を設置してキャニングした。この鉄芯
に関してはCuの融点より高いものであり、形状にはこ
だわらない。No.5のHIP処理材からは(d)型と(c)
型の電極を作製した。(d)型電極は(c)型電極の中心に
鉄芯20を鋳ぐるんだ形状である。(e)型電極は(b)型
電極の補助棒12のかわりに鉄芯を鋳ぐるんだ形状の電
極である。
【0041】(実施例6)表2はアーク電極(組成:6
1重量%Cr−39重量%Cu)と純Cu材を従来方法
であるろう付け接合(条件:温度800℃,真空中,N
i系ろう材)した場合の接合部(厚さ約3μm)の電気
抵抗及び強度の測定結果(比較例1)、及び800℃で焼
鈍した純Cuの電気抵抗及び強度の測定結果(比較例
2)と実施例3と同様の条件でHIP処理したNo.6〜
15で得たHIP処理材の電気抵抗及び強度測定結果を
示したものである。電気抵抗値はアーク電極部材とアー
ク電極支持部材における値であり、強度はアーク電極支
持部材での値である。
【0042】
【表2】
【0043】電気抵抗測定は4点式抵抗測定法で、強度
測定はアームスラ引張試験機を用いて実施した。従来方
法でろう付け接合した界面の強度は12〜22kg/mm2
とばらつきが大きく、強度12kg/mm2 の試験片にはろ
う付け不良部が確認された。また、界面部を含む電気抵
抗値は4.82μΩ・cm と純Cu材(比較例2)に比べ
約3〜4倍の高い抵抗値である。それに対しNo.6〜1
5の界面強度は20〜21kg/mm2 と安定した強度を示
し、試験片の欠陥は観察されなかった。比較例1のアー
ク電極の相手材が純Cuに対し、No.6の相手材にはC
rが約0.60%含むCu合金であるにもかかわらず、
ろう付け接合部がないので、比抵抗は1.90μΩ・cm
と比較例1より低い値であり、大電流を流す遮断器電極
として好適であることがわかる。
【0044】一方、比較例2の純Cuの強度は最大値2
2〜23kg/mm2に対し0.2%耐力は4〜5kg/mm2
低く、アーク電極支持部材あるいはコイル電極材に使用
した場合には衝撃的な荷重によって経時的に変形してし
まう恐れがあるが小容量に対しては使用可能である。こ
れに対し、CrあるいはAg,V,Nb,Zr,Si,
W,Beをそれぞれ含有したCu合金であるNo.7〜1
5の電気抵抗値は、焼鈍純Cuに比較すれば約1.5〜
2.0倍の抵抗値を示したが、従来技術のろう付け接合
界面抵抗値と比較すると約半分以下であり十分に実機真
空遮断器用電極材に使用可能である。また、No.7〜1
5の強度は、いずれも最大強度20〜25kg/mm2と純
Cuとあまりかわっていないが0.2%耐力値において
No.14以外は9〜13kg/mm2 と2倍に強度向上がは
かられている。
【0045】このように、本発明によるCrあるいはA
g,V,Nb,Zr,Si,W,Beをそれぞれ含有す
るCu合金をアーク電極支持部材,コイル電極材及び電
極棒等に用いることにより、電極開閉時の衝撃的荷重の
繰返しによる変形が生じないため変形に伴う溶着障害を
防止して信頼性及び安全性の向上が図られる。
【0046】また、比抵抗は合金元素を加えることによ
って増加するが、電極支持部,コイル電極部及び通電棒
の比抵抗はできるだけ小さくすることによって通電中の
電極温度を低く押さえること及び遮断時のアーク発生に
伴うアーク熱を電極棒を通して冷却する必要があり、そ
の熱伝導率を高くする必要がある。アーク電極支持部,
コイル電極部材及び通電棒の比抵抗は2.5μΩ・cm 以
下とするのが好ましく、各元素の含有量を重量比でCr
1.18%,Ag1.0%,V1.0%,Nb1.0%,Zr
0.8%,Si0.5%,W1.0%,Be1.0%を上限
として含有させることが好ましい。
【0047】(実施例7)図2は本発明に係るアーク電
極を用いた真空バルブの断面図である。絶縁材で形成さ
れた絶縁筒体35の上下開口部に上下一体をなす端板3
8a,38bを設けて真空室を形成する真空容器を構成
し、上記上端板38aの中程に固定電極30aの直下に
位置する上記下端板38bの中程に可動電極30bの一
部を形成する可動導電棒34bを昇降自在に設け、この
可動導電棒34bに上記縦磁界発生コイル33b及びア
ーク電極31bを付設し、上記固定電極30aのアーク
電極31aに対して上記可動電極30bのアーク電極3
1bを接離するようにし、上記可動電極棒34bの周り
に位置する上記下端板38bの内側に金属製ベローズ3
7を伸縮するようにして被冠して設け、さらに上記両ア
ーク電極の周りに円筒状をなす金属板のシールド部材3
6を絶縁筒体35によって設置し、このシールド部材3
6は上記絶縁筒体1の絶縁性を損なわないようにして構
成したものである。
【0048】更に、上記アーク電極31a,31bは前
述の実施例1〜6のHIP処理によって得られた電極支
持部材32a,32bに一体固着され、各縦磁界発生コ
イル33a,33bに純鉄からなる補強部材39a,3
9bによって補強されてろう付けされる。補強部材39
a,39bとして他にオーステナイト系ステンレス鋼が
用いられる。絶縁筒体35にはガラス,セラミックス焼
結体が用いられる。絶縁筒体35は金属製端板38a,
38bにコバール等のガラス,セラミックスの熱膨張係
数に近い合金板を介してろう付けされ、10-6mmHg以
下の高真空に保たれる。
【0049】固定導電棒34aは端子に接続され、電流
の通路となる。排気管(図示なし)は上端板38aに設
けられ、排気の時真空ポンプに接続される。ゲッタは真
空容器内部に微量のガスが発生した場合に吸収して真空
を保つ働きとして設けられる。シールド部板36はアー
クによって発生した主電極表面の金属蒸気を付着させ、
冷却させる働きを有し、また付着した金属はゲッタ作用
を有する真空度保持の働きを有する。
【0050】図3は電極の詳細を示す断面図である。固
定電極及び可動電極のいずれもほぼ同じ構造を有する。
アーク電極部31は実施例4に示す電極支持部32をH
IP処理によって一体化したものである。この一体構造
のものを図のように切削加工によって得た。電極支持部
32には更に非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼か
らなる補強の平板40をろう付けするとともに、コイル
電極33は純Cuからなるもので、前述のろう材より低
融点のろう材を用いて導電棒34及び電極に各々ろう付
けした。
【0051】本実施例における電極支持部32は純Cu
によって形成したもので、その支持部32へのCr,A
g,V,Nb,Zr,Si,W,Be量は前述の通りで
あり、要求される強度と電気抵抗とを考慮して決められ
る。なお、電気抵抗は熱処理により金属間化合物を析出
させることによって強度を下げずに小さくすることがで
きる。
【0052】図4は本実施例における電極部とコイル電
極33との別の例の結合状態を示す斜視図である。可動
電導棒34bが軸方向に移動させると可動電極30bは
固定電極30aと電気的に接離すると同時に両電極間に
アーク電流49が生じ、金属蒸気を発生する。
【0053】金属蒸気は絶縁筒35に支持されている中
間シールド36に附着すると共に、円筒状コイル電極3
3の軸方向磁界により分散して、消弧する。円筒状コイ
ル電極33は固定および可動電極30a,30bに取付
けられているが、少なくとも一方側に設ければよい。
【0054】アーク電極部材41はアーク電極支持部材
48が前述と同様にHIPによって一体に固相接合さ
れ、その裏面に取付けられた円筒状コイル電極33は、
一端に開口を有する円筒部42から構成されている。円
筒部42は一端に底面13を他端に開口を有している。
補強部材39は、高抵抗部材たとえばFe,ステンレス
等から成り、底面43とアーク電極部材41との間に配
置されている。主電極側の円筒部12の開口端面45
は、2個の突出部46,47を形成し、アーク電極部材
41は突出部46,47に電気的に接続している。突出
部は主電極に形成してもよい。一方の突出部46と他方
の突出部47との間の半円弧状の円筒部42は、円弧状
スリット50,51を切込んで、2本の円弧状電流通路
52,53を形成している。電流通路52,53の一方
端たとえば入力端54は突出部46,47に、他方端た
とえば出力端55は底面43を介して導電棒34に接続
している。入力端54と出力端55とがラップする円筒
部12の入力端54と出力端55との間には、傾斜状ス
リット56を形成している。傾斜状スリット56の一端
は、円弧状スリット片端50と連通し、他端は円弧状ス
リット片端57と対応する開口端面45との間に切込ん
で形成している。したがって、入力端54と出力端55
とは、傾斜状スリット56により電気的に区分されてい
る。出力端55は底面43のロッド附近まで延ばしたス
リット58を形成して、軸方向磁界Hによる渦電流を防
止する。
【0055】次に、可動電極30bを固定電極30aか
ら引離してしゃ断すると、アーク電流49が両電極間に
点弧する。アーク電流49は、矢印方向で示す如く、突
出部46,47から入力端54および電流通路52,5
3を流れて、出力端55から底面43を通って導電棒3
4に流れる。
【0056】この電流経路で、電流通路52,53及び
ラップする入力端54と出力端55とに流れる電流は、
1ターンを形成したことになり、1ターンの電流により
発生した軸方向磁界Hは、主電極全面に渡って均一に印
加され、アーク電流49は主電極全面を均一に分散し、
しゃ断性能を向上させることができると共に、主電極全
面を有効に利用できるので、この分真空しゃ断器を小形
化できる。
【0057】図5は、本実施例で作製した真空バルブを
用いた、真空遮断器の全体図を示す。操作機構部を前面
配置とし、背面に真空バルブを支持する3相一括型の3
組の耐トラッキング性エポキシ筒60を配置した小型,
軽量な構造である。各相端はエポキシレジン筒,真空バ
ルブ支持板で水平に支持された水平引き出し形である。
真空バルブは、絶縁操作ロッド61を介して、操作機構
によって開閉される。操作機構部は、構造が簡単で、小
型軽量な電磁操作式の機械的引きはずし自由機構であ
る。開閉ストロークが少なく、可動部の質量が小さいた
めに衝撃が少ない。本体前面には、手動連結式の二次端
子のほか、開閉表示器,動作回数計,手動引きはずしボ
タン,手動投入装置,引き出し装置及びインターロック
レバーなどが配置されている。
【0058】(a)閉路状態 遮断器の閉路状態を示し、電流は上部端子62,主電極
30,集電子63,下部端子64を流れる。主電極間の
接触力は、絶縁ロッド61に装着された接触バネ65に
よって保たれている。
【0059】主電極の接触力,早切りバネの力および短
絡電流による電磁力は、支えレバー66およびプロップ
67で保持されている。投入コイルを励磁すると開路状
態からプランジャ68がノッキングロッド69を介して
ローラ70を押し上げ、主レバー71を回して接触子を
閉じた後、支えレバー66で保持している。
【0060】(b)引きはずし自由状態 開離動作により可動主電極が下方に動かされ、固定・可
動両主電極が開離した瞬間からアークが発生する。
【0061】アークは、真空中の高い絶縁耐力と激しい
拡散作用によって短時間に消弧される。引きはずしコイ
ル72が励磁されると、引きはずしレバー73がプロッ
プ67の係合をはずし、主レバー71は早切りバネの力
で回って主電極が開かれる。この動作は、閉路動作の有
無には全く関係無く行われる機械的引きはずし自由方式
である。
【0062】(c)開路状態 主電極が開かれたあと、リセットバネ74によってリン
クが復帰し、同時にプロップ67が係合する。この状態
で投入コイル75を励磁すると(a)の閉路状態になる。
76は排気筒である。
【0063】真空遮断器は高真空中でアーク遮断し、真
空の持っている高い絶縁耐力と、アークの高速拡散作用
により優れた遮断性能を有しているが、反面無負荷のモ
ーター,変圧器を開閉する場合電流が零点に達する以前
に遮断してしまい、いわゆる裁断電流を生じ、この電流
とサージインピーダンスの積に比例する開閉サージ電圧
を発生する場合がある。このため3kV変圧器や3k
V,6kV回転機などを真空遮断器で直接開閉するとき
は、サージアブソーバを回路に接続してサージ電圧を抑
制し、機器を保護する必要がある。サージアブソーバと
しては、コンデンサを標準としますが、負荷の衝撃波耐
電圧値によって、ZnO非直線抵抗体を使用することも
できる。
【0064】以上の実施例により、圧力150kg,遮断
速度0.93m/秒で、7.2kV,31.5kA の遮断
が可能となる。
【0065】(実施例8)図6は、アーク電極がドーナツ
型をしているカップ型電極を示し、アーク電極側面部ま
で溝を有する真空電極の斜視図である。このように電極
側面部まで溝をきることによって、発生する縦磁界の強
度を大きくすることができる。この図では図3に示した
ようなアーク電極が円板状となっているのと異なってい
る。このような形状の電極をカップ型電極と称している
が、図3の電極構造でも、電極上部まで連続して溝を形
成して、縦磁界の発生を強めることができる。図7に磁
束密度とアーク電圧の関係を示す。アーク電圧は、電流
によって変化する一定磁界により、最小値をとることが
わかる。遮断電流値が大きくなるとアーク電圧を最低に
するために要する磁束密度が大きくなることがわかる。
大電流を切断する遮断器では大きな縦磁界が必要とされ
るが、上記のように電極側面部まで溝をきることによっ
て、同じ径をもつアーク電極を比較した場合、従来構造
の電極に比べ大きな縦磁界を得ることができる。すなわ
ち、本発明で得られる構造の電極は、同性能でより小型
化が可能になる。
【0066】図6に示すように、電極溝50を電極表面
まで設けることにより、電極に生ずる縦磁界は電極表面
まで溝が達していない電極に比べ、縦磁界の強度が大き
くなり、アークの分散性が良くなる。これは、電極寿命
の向上と電極の耐電圧の向上をはかることができ、信頼
性の向上につながる。図6は、図3に示すような通常の
電極構造のものに同様な螺旋溝を設けても、上記と同様
の効果が得られる。また、同一性能の真空遮断器の場合
は従来のろう付け電極に比べ電極の小型化、すなわち真
空遮断器の小型化を図ることが可能となる。これは、H
IPによる一体成形方法により、アーク電極とアーク電
極支持部材のCu,Ag,Auの合金よりなる基材が金
相学的に一体構造になっている。
【0067】図8は実施例7と同じ真空バルブを用いて
直流回路を遮断する主回路構成を示す図である。80は
直流電源、81は直流負荷、82は真空バルブ、83は
ショートリング、84は電磁反発コイル、85は転流コ
ンデンサ、86は転流リアクトル、87はトリガギャッ
プ、88は静止形過電流引外し装置、89はZnO非直
線抵抗体である。
【0068】本実施例においては、次の特徴が得られ
る。
【0069】(1)遮断時に気中アークを発しないので、
騒音を発生せず、防災効果が大きい。 (2)開極時間が短いため(約1ms)規格値を上まわる
突進率の事故電流の遮断が可能で、限流値を小さく抑え
ることができる。
【0070】(3)真空バルブの使用により高周波のコン
デンサ放電電流の遮断が可能で、アーク時間が極めて短
く(約0.5ms )接点消耗が少なくできる。
【0071】(4)静止形過電流引外し装置の採用により
電流目盛を精度良く設定でき、経年変化がない。
【0072】(5)ラッチ式の電動ばね操作器の採用によ
り、操作電流が大幅に低減するとともに保持電流が不要
となる。
【0073】(6)占有面積が約1/4となり、変電所ス
ペースの縮小が可能となる。
【0074】(実施例9)図9は他の例の電極構造を示
す図である。(a)は平面図及び(b)は(a)のB−B断
面図である。
【0075】対向面から見て互いに重なり合うようにな
っており、各々右巻と左巻のスパイラル形電極である。
100は相互に接離可能な部材でアーク電極部の接触部
と呼ばれる。101はアークランナーである。スパイラ
ル溝102は接触部100に終端を有し、アークランナ
ー101をそれぞれ区分している。各アークランナーは
その先端部103にて電極外周部と接している。なお、
アークランナーの枚数は任意である。電極はたとえばC
u−Cr(銅−クロム)合金をアーク電極部材104と
アーク電極支持部材105の銅とを前述と同様にHIP
によって固相接合により一体形に作られている。溝10
2は機械加工によって形成することができる。
【0076】図示しないが、短絡電流12.5kA 以下
の真空遮断器の電極にはスパイラル溝102の無い単純
な、いわゆる平板形構造が用いられる。平板形構造にお
いて、接触部,アークランナーに相当するテーパー部、
および電極外周部を有し、これらは一体形に作られてい
る。
【0077】主電極はろう付された電極棒を通じて、真
空容器外部の電極端子に接続される。
【0078】図9はスパイラル形電極で交流回路の短絡
電流12.5 〜50kAを遮断する場合の動作を説明す
る。まず、一対の電極が開極を始めると、主電極の接触
部100から発弧する。この開極点からの経過時間と共
に電極間アークは接触部100からアークランナー10
1を経てアークランナー先端部103へと移動してい
く。この際、スパイラル形電極構造の特性から、電極空
間に半径方向の磁界が形成され、この磁界の向きはアー
クの向きと直角であるから、この磁界は横磁界と呼ばれ
る。横磁界による駆動効果によって電極上のアークの移
動が促進され、電極の不均一な消耗が防止される。
【0079】(実施例10)図10は他の電極構造を示
す断面図である。(a)は正面図で、(b)は(a)のA
−A部の正面図である。
【0080】本実施例では実施例6と同様にアーク電極
部材92をCr−Cu合金とし、表面のアーク電極部材
92に純銅からなる電極支持部材94を形成したもので
ある。このアーク電極部材92に対して縦磁界発生コイ
ル電極91をろう付したものであり、純鉄又はステンレ
ス鋼から補強部材96のろう付によって補強される。9
0は導電棒である。主電極92はコイル電極91の凸状
部95でろう付される。
【0081】アーク電極は電極開の際にアークが生じる
が、このアークは通常最も電流の流れやすい点より発生
する。電極上に摩耗粉等の異物があった場合や固定電
極,可動電極の最も距離の近い点から優先的にアークが
発生し、その部分が優先的に劣化していき、全体の寿命
が短くなるという問題が生じる。これを防ぐため、アー
クを電極全面から一様に発生させるように、電極軸に並
行に磁界をかけている。これを縦磁界と称しているが、
この磁界を発生させるため電極の周囲にコイル電極を設
けている。図10(a)は電極の横断面構造で図10
(b)のB−B′での横断面を示す。アーク電極はアー
ク電極支持部材とろう付け面92を介して接合してい
る。(b)図はコイル電極91を上方から見た図であ
る。電流は電極棒90よりコイル電極91にそって4分
割されアーク電極面に平行に流れるため縦磁界が発生す
る。4分割された電流はアーク電極支持部材94とろう
付けされた面95からアーク電極部材に流れる。このよ
うにコイル電極に溝(この例の場合は、溝を設けるとい
うよりは電極をコイル状にしている)を設けることによ
って、有効な縦磁界を発生させている。また、単に溝を
設けても同様の効果が得られる。この溝は図に示すよう
に、接合面92より下まで(図中A−Aで示す線まで)設
けられている。アーク電極,アーク電極支持部材自体に
は溝は形成されていない。また、固相拡散により、ろう
付けを用いない一体構造の電極においては、溝を電極面
まで設けても、ろうの溶け出しは生じない。この点か
ら、アーク電極,アーク電極支持部材、コイル電極の各
部材を固相拡散により一体に形成するものである。
【0082】(実施例11)図11はHIP処理によっ
て多数の電極を一度に製作するキャニングした断面図を
示したものである。キャニング条件及びHIP処理条件
は実施例1とほぼ同様である。実施例3に対し、純Cu
棒2又はCu粉加圧成形体はφ80mm,長さ120mmと
し、混合成形体1a,1bはφ80mm,厚さ15mmを2
ヶ用意した。HIP処理温度は1000℃、保持時間は
120分とし、その他キャニング条件等は実施例3とほ
ぼ同様である。このようにして得られたHIP処理材よ
り図1に示すNo.2の(a)型(b)型の電極を作製し
た。(a)型は、アーク電極材7,アーク電極支持部材
8及びコイル電極材9を一体構造とし、電極棒10をろ
う付けにより接合11したものである。また、(b)型
は、(a)型に対し中心に純Feからなる補強材12を
設けたものである。補強材は電極支持部8と電極棒10
に各々ろう付けされる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、アーク電極と該アーク
電極を支持するアーク電極支持部材また、これに該支持
部材に連なるコイル電極とを有する固定側電極及び可動
側電極を備えた真空遮断器において、前記アーク電極と
上記アーク電極支持部材、更にコイル電極材、好ましく
はアーク電極部材と通電棒とは非接合からなるHIP処
理による金相学的に一体の固相接合構造を有し、前記支
持部材,コイル電極又は通電棒は好ましくは1.18〜
0.1重量%のCr,Ag,V,Nb,Zr,Si,
W,Be等を含有したCu合金によって構成されるの
で、ろう付け接合に伴う各部材の機械加工工程及び組立
て工程の低減とろう付け接合不良による電極材の破壊や
脱落を防止するとともに、アーク電極支持部材及びコイ
ル電極材の強度向上により電極変形に伴う溶着障害を防
止できることからより信頼性,安全性の高い真空遮断器
とそれに用いる真空バルブ及び電気接点を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】HIP処理状態と電極形状を示す図。
【図2】真空バルブの断面図。
【図3】電極の断面図。
【図4】真空バルブ用電極の斜視図。
【図5】真空遮断器全体の構成図。
【図6】アーク電極まで縦磁界発生用溝が連続している
電極の斜視図。
【図7】磁束密度とアーク電圧の関係を示す図。
【図8】直流真空遮断器を用いた回路図。
【図9】他の例の真空バルブ用電極の正面図と断面図。
【図10】他の例の真空バルブ用電極の正面図と断面
図。
【図11】電極製造におけるキャニングの断面図。
【符号の説明】
1a,1b…成形体、2,8,19,32a,32b,
32…アーク電極支持部材、3…BNコーティング層、
4…キャニング用カプセル、5…真空脱ガス孔、7,3
1a,31b,31…アーク電極、9,13,33a,
33b,33…コイル電極、10,16,17,34
a,34b,34…電極棒、11,42…ろう付け部、
12,20,39a,39b,39…補強部材、35…
真空容器、36…シール部材、37…ベローズ、50…
電極溝、60…エポキシレジン筒、61…絶縁操作ロッ
ド、62…上部端子、63…集電子、64…下部端子、
65…接触バネ、66…支えレバー、68…プランジ
ャ、71…主レバー、72…引きはずしコイル、75…
投入コイル、76…排気筒、80…直流電源、81…直
流負荷、82…真空バルブ、83…ショートリング、8
4…電磁反発コイル、85…転流コンデンサ、86…転
流リアクトル、87…トリガギャップ、88…静止型過
電流引外し装置、89…ZnO非直線抵抗体。
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 俊吉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 谷水 徹 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 袴田 好美 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 黒田 勝三 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 黒沢 幸夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材、前記ア
    ーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極部材、
    又は前記アーク電極部材と通電電極棒とは固相接合によ
    り一体に形成されていることを特徴とする真空遮断器。
  2. 【請求項2】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極部材は高導電性金属中に該高導電性金属
    よりも高融点である耐火性金属粒子が分散した合金から
    なり、前記耐火性金属粒子は面積率で長径で100μm
    以上を有するものが70%以上、長径で100μm未満
    を有するものが30%未満であることを特徴とする真空
    遮断器。
  3. 【請求項3】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極部材は、20〜70重量%のCr,W,
    Mo,Co,Feから選ばれた1種以上の金属と、 20〜70重量%のCu,Ag,Auから選ばれた1種
    以上の金属とを有する合金よりなり、 前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材、前記ア
    ーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極部材又
    は前記アーク電極部材と通電電極棒とは固相接合により
    一体に形成されていることを特徴とする真空遮断器。
  4. 【請求項4】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極部材は、20〜70重量%のCr,W,
    Mo,Co,Feから選ばれた1種以上の金属と、0.
    5 〜5重量%のV,Nb,Zr,Ti,Ta,Siか
    ら選ばれた1種以上の金属と、 30〜70重量%のCu,Ag,Auから選ばれた1種
    以上の金属とを有する合金よりなり、 前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材、前記ア
    ーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極部材又
    は前記アーク電極部材と通電電極棒とは固相接合により
    一体に形成されていることを特徴とする真空遮断器。
  5. 【請求項5】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極支持部材,コイル電極部材又は通電電極
    棒は、1.0 重量%以下のCr,V,Nb,Zr,S
    i,W,Beの群の中から選ばれた1種以上の金属を含
    み、 残部がCu,Ag,Auの群から選ばれた1種以上の金
    属からなる合金により構成されていることを特徴とする
    真空遮断器。
  6. 【請求項6】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材と該支持部材に連なるコ
    イル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を備
    えた真空遮断器において、 前記アーク電極及び前記アーク電極支持部材が、縦磁界
    発生用の複数本の溝を有し、該溝が前記アーク電極及び
    前記アーク電極支持部材の側面部において連続してお
    り、前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材、前
    記アーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極部
    材又は前記アーク電極部材と通電電極棒とは固相接合に
    より一体に形成されていることを特徴とする真空遮断
    器。
  7. 【請求項7】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極とを
    備えた真空バルブと、該真空バルブ内の前記固定側電極
    と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続された
    導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを介
    して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備え、前記固
    定側電極と可動側電極がアーク電極部材と該アーク電極
    を支持するアーク電極支持部材及び該支持部材に連なる
    コイル電極部材又は前記アーク電極部材と通電電極棒を
    備えた真空遮断器の製造方法において、 前記アーク電極部材と前記アーク電極支持部材、前記ア
    ーク電極部材とアーク電極支持部材とコイル電極部材又
    は前記アーク電極部材と通電電極棒とは熱間等方圧加圧
    により一体に固相焼結することを特徴とする真空遮断器
    の製造方法。
  8. 【請求項8】熱間等方圧加圧の加熱温度は、前記アーク
    電極部材を構成するCu,Ag,Auの群から選ばれた
    1種以上の金属の、融点以下であることを特徴とする請
    求項7に記載の真空遮断器の製造方法。
  9. 【請求項9】前記アーク電極部材は該電極部材を構成す
    る金属粉末を加圧成形した後、金属製カプセル内に入
    れ、カプセル内部を加熱脱気し密封した後前記焼結する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の真空遮断器の
    製造方法。
  10. 【請求項10】絶縁容器内に固定側電極と可動側電極と
    を備えた真空バルブと、該空気バルブ内の前記固定側電
    極と可動側電極との各々に前記真空バルブ外に接続され
    た導体端子と、前記可動電極に接続された絶縁ロッドを
    介して前記可動電極を駆動する開閉手段とを備えた真空
    遮断器において、前記固定側電極及び可動側電極は耐火
    性金属と高導電性金属との合金からなるアーク電極部材
    と、該アーク電極部材を支持する高導電性金属からなる
    アーク電極支持部材又は前記アーク電極部材と通電電極
    棒とを有し、前記アーク電極部材とアーク電極支持部又
    は通電電極棒とは固相接合によって一体に形成され、前
    記電極支持部の0.2% 耐力が4kg/cm2以上で比抵抗
    が2.8μΩcm以下であることを特徴とする真空遮断
    器。
  11. 【請求項11】高真空に保たれた絶縁容器内に固定側電
    極と可動側電極とを備えた真空バルブにおいて、前記両
    電極は耐火性金属と高導電性金属との複合部材よりなる
    アーク電極部材と、該アーク電極部材を支持する高導電
    性金属からなるアーク電極支持部材又は通電電極棒とを
    有し、前記アーク電極とアーク電極支持部材又は通電電
    極部材とは固相接合によって一体に形成されていること
    を特徴とする真空バルブ。
  12. 【請求項12】前記固定側電極と可動側電極の少なくと
    も一方の電極は前記電極支持部材に高導電性金属からな
    る縦磁界発生コイルが設けられている請求項11に記載
    の真空バルブ。
  13. 【請求項13】前記縦磁界発生コイルは円筒状であり、
    その円周面にスリット溝が設けられた形状又は横断面が
    略卍状である請求項11又は12に記載の真空バルブ。
  14. 【請求項14】前記固定側電極及び可動側電極はそれら
    の外周部がスリット溝によって分離された羽根型を有す
    る請求項11に記載の真空バルブ。
  15. 【請求項15】高真空に保たれた絶縁容器内に固定側電
    極と可動側電極とを備えた真空バルブにおいて、前記両
    電極は耐火性金属と高導電性金属との複合部材よりなる
    アーク電極部材と、該アーク電極部材を支持する高導電
    性金属からなるアーク電極支持部材又は通電電極部材と
    を有し、前記アーク電極部材とアーク電極支持部材又は
    通電電極棒とは固相接合によって一体に形成され、前記
    電極支持部材の0.2%耐力が4kg/cm2以上で比抵抗が
    2.8μΩcm以下であることを特徴とする真空バルブ。
  16. 【請求項16】耐火性金属と高導電性金属との合金から
    なるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支持する高
    導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通電電極棒
    とが固相接合によって一体に形成されていることを特徴
    とする電気接点。
  17. 【請求項17】前記アーク電極部材はCr,W,Mo及
    びTaの1種又は2種以上の混合物と、Cu,Ag又は
    Auからなる高導電性金属又はこれらを主にした高導電
    性合金からなり、前記電極支持部材又は通電電極棒は前
    記高導電性金属又は合金からなる請求項15に記載の電
    気接点。
  18. 【請求項18】前記アーク電極部材はCr,W,Mo及
    びTaの1種又は2種以上の合計量50〜80重量%と
    Cu,Ag又はAu20〜50重量%とを含む複合合金
    からなり、前記電極支持部材又は通電電極棒はCr,A
    g,W,V,Nb,Mo,Ta,Zr,Si,Be,T
    i,Co及びFeの1種又は2種以上の合計量が2.5
    重量%以下及び残部Cu,Ag又はAuである高導電性
    合金からなる請求項17に記載の電気接点。
  19. 【請求項19】耐火性金属と高導電性金属との合金から
    なるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支持する高
    導電性合金からなるアーク電極支持部材又は通電電極棒
    とが固相接合によって一体に形成され、前記電極支持部
    の0.2耐力が4kg/mm2以上で比抵抗が2.8μΩcm 以
    下であることを特徴とする電気接点。
  20. 【請求項20】耐火性合金と高導電性金属との合金から
    なるアーク電極部材と、該アーク電極部材を支持する高
    導電性金属からなるアーク電極支持部材又は通電電極棒
    とを有する電気接点の製造法において、前記アーク電極
    部材は耐火性金属粉前記高導電性金属粉とを含む混合粉
    末を加圧成形した後、該成形体と前記アーク電極支持部
    材又は通電電極棒とを熱間等方圧加圧により固相接合す
    ることを特徴とする電気接点の製造法。
JP8363995A 1994-04-11 1995-04-10 真空遮断器及びそれに用いる真空バルブと電気接点並びに製造法 Pending JPH07335092A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007323850A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Toshiba Corp 真空バルブの接点と通電軸の製造方法
JP2008218346A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Toshiba Corp 真空バルブ用接点材料及びその製造方法
DE102009043615A1 (de) 2008-10-02 2010-04-15 Fuji Electric FA Components & Systems Co., Ltd., Chuo-ku Kontaktstruktur eines Vakuumventils sowie Verfahren zu deren Herstellung

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DE102009043615B4 (de) * 2008-10-02 2011-08-25 Fuji Electric FA Components & Systems Co., Ltd., Tokyo Kontaktstruktur eines Vakuumventils sowie Verfahren zu deren Herstellung

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