JPH05269198A - 複合化人工血管 - Google Patents
複合化人工血管Info
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- JPH05269198A JPH05269198A JP4070824A JP7082492A JPH05269198A JP H05269198 A JPH05269198 A JP H05269198A JP 4070824 A JP4070824 A JP 4070824A JP 7082492 A JP7082492 A JP 7082492A JP H05269198 A JPH05269198 A JP H05269198A
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L27/00—Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
- A61L27/28—Materials for coating prostheses
- A61L27/34—Macromolecular materials
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 多孔質合成高分子よりなるチューブの表面
に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基又はアミノ基
を介して細胞接着及び成長作用を有するタンパク質又は
ペプチドを共有結合させた人工血管。 【効果】 多孔質合成高分子材料の形状を変化させるこ
となく、表面に均一に生体組織誘導作用を有する物質を
共有結合によって安定に複合化でき、初期血栓を誘発す
ることなく、速やかに内膜が形成され、しかも形成され
た内膜を長期間にわたって安定に維持することができ
る。
に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基又はアミノ基
を介して細胞接着及び成長作用を有するタンパク質又は
ペプチドを共有結合させた人工血管。 【効果】 多孔質合成高分子材料の形状を変化させるこ
となく、表面に均一に生体組織誘導作用を有する物質を
共有結合によって安定に複合化でき、初期血栓を誘発す
ることなく、速やかに内膜が形成され、しかも形成され
た内膜を長期間にわたって安定に維持することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大動脈、冠状動脈、末
梢血管などの疾患の治療に用いる人工血管に関するもの
である。
梢血管などの疾患の治療に用いる人工血管に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】従来より、ポリエステ
ル繊維の織物又は編物や、延伸ポリテトラフルオロエチ
レン(以下、EPTFEという。)のチューブが人工血
管として用いられている。EPTFEチューブは、素材
であるポリテトラフルオロエチレン自体が抗血栓性に優
れる上、延伸によって得られる繊維一結節からなる多孔
質構造が生体適合性に優れるため、ポリエステルに比較
して、より小口径領域で人工血管として実用されてき
た。
ル繊維の織物又は編物や、延伸ポリテトラフルオロエチ
レン(以下、EPTFEという。)のチューブが人工血
管として用いられている。EPTFEチューブは、素材
であるポリテトラフルオロエチレン自体が抗血栓性に優
れる上、延伸によって得られる繊維一結節からなる多孔
質構造が生体適合性に優れるため、ポリエステルに比較
して、より小口径領域で人工血管として実用されてき
た。
【0003】しかしながら、EPTFEでも抗血栓性が
十分であるとはいえず、内径6mm以下、特に内径4mm以
下の人工血管では十分な開存率は得られていない。そこ
でこれらを解決する方法として、従来より、材料自体
の抗血栓性を向上させる方法、人工血管を移植後に、
早期に生体組織を誘導して内膜形成を起こすことによっ
て抗血栓性を付与する方法、人工血管内面に、抗血栓
性に優れる血管内皮細胞を播種する方法、が検討されて
いる。
十分であるとはいえず、内径6mm以下、特に内径4mm以
下の人工血管では十分な開存率は得られていない。そこ
でこれらを解決する方法として、従来より、材料自体
の抗血栓性を向上させる方法、人工血管を移植後に、
早期に生体組織を誘導して内膜形成を起こすことによっ
て抗血栓性を付与する方法、人工血管内面に、抗血栓
性に優れる血管内皮細胞を播種する方法、が検討されて
いる。
【0004】具体的には、としてはミクロ相分離構造
等の抗血栓性高分子材料や抗血栓剤固定化材料の開発が
検討されている(野一色ら、トランザクションズ・オブ
・アサイオ(TransA.S.A.I.O.),23,253
(1977)など)。これらの抗血栓性材料は、移植直
後の血栓形成を抑制することはできるが、移植後長期を
経ると血栓を形成して閉塞に至るという問題がある。
としては、コラーゲンやフィブロネクチン等の細胞接着
性タンパクを塗布後に架橋して固定した人工血管が提案
されている[ルンドグレン(C.H.Lundgren)ら、Tr
ansA.S.A.I.O.32,346('86)など)]。し
かしこれらの人工血管では、タンパク類を塗布すること
によって血栓が付着しやすくなるため、移植初期の開存
率が大幅に低下してしまう。そこでこれらにさらにヘパ
リン等の抗血栓薬を複合化した人工血管も提案されてい
るが、十分な開存性は得られていない。また、開存して
いる例でも、長期間経過すると形成した内膜が肥厚した
り剥離する等して開存率が低下するため、人工血管とし
て十分な性能を有さない。としては、人工血管内面に
血管内皮細胞を播種する方法が検討されている(高木
ら、人工臓器,17,679('88)、特開平1−17
0466号公報など)。しかし、内皮細胞の採取、培養
に長期間を要するために即時性に欠ける上、播種した内
皮の生着、機能に難があり、良好な開存率は得られてい
ない。
等の抗血栓性高分子材料や抗血栓剤固定化材料の開発が
検討されている(野一色ら、トランザクションズ・オブ
・アサイオ(TransA.S.A.I.O.),23,253
(1977)など)。これらの抗血栓性材料は、移植直
後の血栓形成を抑制することはできるが、移植後長期を
経ると血栓を形成して閉塞に至るという問題がある。
としては、コラーゲンやフィブロネクチン等の細胞接着
性タンパクを塗布後に架橋して固定した人工血管が提案
されている[ルンドグレン(C.H.Lundgren)ら、Tr
ansA.S.A.I.O.32,346('86)など)]。し
かしこれらの人工血管では、タンパク類を塗布すること
によって血栓が付着しやすくなるため、移植初期の開存
率が大幅に低下してしまう。そこでこれらにさらにヘパ
リン等の抗血栓薬を複合化した人工血管も提案されてい
るが、十分な開存性は得られていない。また、開存して
いる例でも、長期間経過すると形成した内膜が肥厚した
り剥離する等して開存率が低下するため、人工血管とし
て十分な性能を有さない。としては、人工血管内面に
血管内皮細胞を播種する方法が検討されている(高木
ら、人工臓器,17,679('88)、特開平1−17
0466号公報など)。しかし、内皮細胞の採取、培養
に長期間を要するために即時性に欠ける上、播種した内
皮の生着、機能に難があり、良好な開存率は得られてい
ない。
【0005】このように、従来技術では、移植初期から
長期間にわたって良好な開存性を維持することのできる
人工血管は得られていなかった。
長期間にわたって良好な開存性を維持することのできる
人工血管は得られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、移植後に速やか
に内膜を形成させ、かつ形成した内膜が長期に安定に存
在して良好な開存性を与え、しかも初期の開存性にも優
れる人工血管について鋭意検討した結果、多孔質合成高
分子材料の表面に物理的または化学的処理により導入し
た水酸基、カルボキシル基、エポキシ基またはアミノ基
に、細胞接着及び成長作用を有するタンパク質又はペプ
チド(以下、生体機能物質という)を共有結合した人工
血管は、移植初期の開存性に優れる上、速やかに内膜が
形成され、この内膜が長期間にわたって肥厚したり剥離
することなく安定に存在し、良好な開存性を与えること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
に内膜を形成させ、かつ形成した内膜が長期に安定に存
在して良好な開存性を与え、しかも初期の開存性にも優
れる人工血管について鋭意検討した結果、多孔質合成高
分子材料の表面に物理的または化学的処理により導入し
た水酸基、カルボキシル基、エポキシ基またはアミノ基
に、細胞接着及び成長作用を有するタンパク質又はペプ
チド(以下、生体機能物質という)を共有結合した人工
血管は、移植初期の開存性に優れる上、速やかに内膜が
形成され、この内膜が長期間にわたって肥厚したり剥離
することなく安定に存在し、良好な開存性を与えること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、多孔質合成高分子よりな
るチューブの表面に、水酸基、カルボキシル基、エポキ
シ基又はアミノ基を介して細胞接着及び成長作用を有す
るタンパク質又はペプチドを共有結合させた人工血管を
提供する。
るチューブの表面に、水酸基、カルボキシル基、エポキ
シ基又はアミノ基を介して細胞接着及び成長作用を有す
るタンパク質又はペプチドを共有結合させた人工血管を
提供する。
【0008】本発明の人工血管に用いる多孔質合成高分
子材料は、人工血管として必要な強度を有し、かつ生体
内で分解劣化せず、しかも毒性を有さないという点か
ら、すでに大中口径人工血管として実績のあるポリエス
テル織物又は編物や、EPTFEチューブが望ましい。
中でも、繊維−結節からなる微細多孔質構造を有し、空
隙率が高く、生体組織に対する適合性に優れるEPTF
Eのチューブが最も望ましい。
子材料は、人工血管として必要な強度を有し、かつ生体
内で分解劣化せず、しかも毒性を有さないという点か
ら、すでに大中口径人工血管として実績のあるポリエス
テル織物又は編物や、EPTFEチューブが望ましい。
中でも、繊維−結節からなる微細多孔質構造を有し、空
隙率が高く、生体組織に対する適合性に優れるEPTF
Eのチューブが最も望ましい。
【0009】早期に内膜を形成させたり、形成した内膜
を安定に維持するためには、移植後に速やかに生体組織
や毛細血管を多孔質内に侵入させる必要があるが、この
ためには、多孔質合成高分子材料の空隙率は50%以
上、好ましくは70%以上であることが望ましい。同様
の理由により、多孔質の孔径は20μm以上であること
が望ましい、特にEPTFEの場合は20〜200μm
であることが望ましい。
を安定に維持するためには、移植後に速やかに生体組織
や毛細血管を多孔質内に侵入させる必要があるが、この
ためには、多孔質合成高分子材料の空隙率は50%以
上、好ましくは70%以上であることが望ましい。同様
の理由により、多孔質の孔径は20μm以上であること
が望ましい、特にEPTFEの場合は20〜200μm
であることが望ましい。
【0010】人工血管内で血流が接する内腔面に占める
合成高分子材料の面積の比率は、15〜80%、好まし
くは25〜55%であることが望ましい。この面積比率
は、走査電子顕微鏡観察により決定できる。合成高分子
材料の占める面積比率が高すぎると、固定したタンパク
又はペプチドと血液の接触面積が大きくなり、血栓形成
性が高くなるため初期開存率が低下する。一方、合成高
分子材料が占める面積比率が低すぎると、固定したタン
パク又はペプチドによる内膜形成促進効果を十分に得る
ことが出来ない。
合成高分子材料の面積の比率は、15〜80%、好まし
くは25〜55%であることが望ましい。この面積比率
は、走査電子顕微鏡観察により決定できる。合成高分子
材料の占める面積比率が高すぎると、固定したタンパク
又はペプチドと血液の接触面積が大きくなり、血栓形成
性が高くなるため初期開存率が低下する。一方、合成高
分子材料が占める面積比率が低すぎると、固定したタン
パク又はペプチドによる内膜形成促進効果を十分に得る
ことが出来ない。
【0011】合成高分子材料の表面に官能基を導入する
方法としては、化学処理による方法、γ線や電子線など
の放射線放射やコロナ放電、グロー放電処理などの物理
的処理による方法が挙げられ、それぞれの高分子材料に
適した方法で処理をおこなえばよい。例えば、ポリエス
テルの一例であるポリエチレンテレフタレート(PE
T)では、酸またはアルカリによってエステル結合を加
水分解してカルボキシル基を形成させ、これから既知の
反応によってエステル基、水酸基、アミノ基又はエポキ
シ基に変換すればよい。また紫外線照射やコロナ放電処
理によってグラフト重合を行なっても良い。
方法としては、化学処理による方法、γ線や電子線など
の放射線放射やコロナ放電、グロー放電処理などの物理
的処理による方法が挙げられ、それぞれの高分子材料に
適した方法で処理をおこなえばよい。例えば、ポリエス
テルの一例であるポリエチレンテレフタレート(PE
T)では、酸またはアルカリによってエステル結合を加
水分解してカルボキシル基を形成させ、これから既知の
反応によってエステル基、水酸基、アミノ基又はエポキ
シ基に変換すればよい。また紫外線照射やコロナ放電処
理によってグラフト重合を行なっても良い。
【0012】EPTFEの場合は、アルカリ金属化合物
を用いて脱フッ素化した後に、分子内にカルボキシル
基、水酸基、アミノ基、エポキシ基等を有する化合物を
付加させてこれらの官能基を導入することができる。
を用いて脱フッ素化した後に、分子内にカルボキシル
基、水酸基、アミノ基、エポキシ基等を有する化合物を
付加させてこれらの官能基を導入することができる。
【0013】アルカリ金属化合物としては、例えばメチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、
ナトリウム−ナフタレン、ナフタレン−ベンゾフェノ
ン、ビニルリチウムなどが挙げられ、これらを溶液とし
て使用する。ナトリウム−ナフタレン、ナトリウム−ベ
ンゾフェノンは、処理によってEPTFE表面に黒褐色
の層を形成する上、EPTFEの多孔質内部まで均一に
処理することが困難であるので、本発明の人工血管を作
製するためには、メチルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウムを用いることが望ましい。メチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム
は、これ自体ではフッ素を引き抜く作用が弱いので、キ
レート試薬、例えばヘキサメチルホスホリックトリアミ
ドや、N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン等
を添加することが必要である。
ルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、
ナトリウム−ナフタレン、ナフタレン−ベンゾフェノ
ン、ビニルリチウムなどが挙げられ、これらを溶液とし
て使用する。ナトリウム−ナフタレン、ナトリウム−ベ
ンゾフェノンは、処理によってEPTFE表面に黒褐色
の層を形成する上、EPTFEの多孔質内部まで均一に
処理することが困難であるので、本発明の人工血管を作
製するためには、メチルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、t−ブチルリチウムを用いることが望ましい。メチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム
は、これ自体ではフッ素を引き抜く作用が弱いので、キ
レート試薬、例えばヘキサメチルホスホリックトリアミ
ドや、N,N,N,N−テトラメチルエチレンジアミン等
を添加することが必要である。
【0014】分子内に水酸基、カルボキシル基、エポキ
シ基又はアミノ基を含有する物質としては、グリセロー
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リル酸、アリルアミン、2−アミノエチル(メタ)アク
リレート、アクリルアミド等があげられる。また、無水
マレイン酸等の酸無水物を付加し、その後に加水分解し
てもよい。
シ基又はアミノ基を含有する物質としては、グリセロー
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リル酸、アリルアミン、2−アミノエチル(メタ)アク
リレート、アクリルアミド等があげられる。また、無水
マレイン酸等の酸無水物を付加し、その後に加水分解し
てもよい。
【0015】より具体的には、例えば窒素雰囲気下にE
PTFEチューブをメチルリチウムのジエチルエーテル
溶液に浸漬しておき、ここにヘキサメチルホスホリック
トリアミドを添加して0℃で30分間放置してEPTF
Eのフッ素原子を引き抜いた後、反応溶液を除去し、こ
こにアクリル酸のテトラヒドロフラン溶液を加えて60
℃で10時間反応させる。反応後に余剰のアクリル酸ま
たはその重合体を洗浄除去して、アクリル酸のグラフト
体を得ることができる。
PTFEチューブをメチルリチウムのジエチルエーテル
溶液に浸漬しておき、ここにヘキサメチルホスホリック
トリアミドを添加して0℃で30分間放置してEPTF
Eのフッ素原子を引き抜いた後、反応溶液を除去し、こ
こにアクリル酸のテトラヒドロフラン溶液を加えて60
℃で10時間反応させる。反応後に余剰のアクリル酸ま
たはその重合体を洗浄除去して、アクリル酸のグラフト
体を得ることができる。
【0016】EPTFEにこれらの官能基を導入するた
めに、γ線や電子線などの放射線放射やグロー放電を用
いても良い。しかしながら、既に公知の事実より、放射
線による処理では、EPTFEの結晶内部深くまでPT
FEが分解されるのでPTFEの分子量が低下し、強度
が著しく低下するため、人工血管としての実用に供する
のは難しい[モレル(G.Morel)ら、ジャーナル・オ
ブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.Po
lym.Sci.)24,771(1979)]。また、グロー
放電処理ではEPTFEの多孔質内部まで処理を施すこ
とが難しく、チューブの外面または内腔面のみしか処理
することができないので、EPTFEの多孔質壁内にタ
ンパク類を固定することが難しく、壁内の組織化、毛細
血管の侵入を促進させることが出来ない。
めに、γ線や電子線などの放射線放射やグロー放電を用
いても良い。しかしながら、既に公知の事実より、放射
線による処理では、EPTFEの結晶内部深くまでPT
FEが分解されるのでPTFEの分子量が低下し、強度
が著しく低下するため、人工血管としての実用に供する
のは難しい[モレル(G.Morel)ら、ジャーナル・オ
ブ・アプライド・ポリマー・サイエンス(J.Appl.Po
lym.Sci.)24,771(1979)]。また、グロー
放電処理ではEPTFEの多孔質内部まで処理を施すこ
とが難しく、チューブの外面または内腔面のみしか処理
することができないので、EPTFEの多孔質壁内にタ
ンパク類を固定することが難しく、壁内の組織化、毛細
血管の侵入を促進させることが出来ない。
【0017】これに対し、アルカリ金属処理によれば、
EPTFEの多孔質の内部まで均一に、しかもEPTF
Eの結晶内部深くまでPTFEを分解することなく、表
面から約数百オングストロームの深さだけが処理される
ため、強度の低下はなく、しかも多孔質壁内全体にタン
パク又はペプチドを固定することができる。したがって
本発明による複合化人工血管を作製するために、アルカ
リ金属化合物で処理することが望ましい。
EPTFEの多孔質の内部まで均一に、しかもEPTF
Eの結晶内部深くまでPTFEを分解することなく、表
面から約数百オングストロームの深さだけが処理される
ため、強度の低下はなく、しかも多孔質壁内全体にタン
パク又はペプチドを固定することができる。したがって
本発明による複合化人工血管を作製するために、アルカ
リ金属化合物で処理することが望ましい。
【0018】タンパクやペプチドを固定する結合方法
は、各々の物質に適した方法を選択すればよく、好まし
くは固定することによって生体組織誘導作用を失うこと
がなく、しかも内膜が形成するまでの時間分解せずに存
在する結合を選択して固定すればよい。例えば、水酸
基、カルボキシル基及びアミノ基に対しては脱水縮合に
より、エポキシ基に対しては付加反応により共有結合を
形成する。水酸基に対しては、そのままカルボジイミド
を触媒として脱水縮合により結合させても良いし、水酸
基に例えばトリフルオロメタンスルホニル基等の脱離基
を導入して反応性を上げておいてからタンパク質のアミ
ノ基と反応させても良い。また、カルボキシル基に対し
ては、そのままカルボジイミド等の脱水縮合触媒を用い
て結合しても良いし、N−ヒドロキシコハク酸イミドを
反応させて活性エステルを導入して反応性をあげておい
てからタンパク質のアミノ酸と反応させても良い。
は、各々の物質に適した方法を選択すればよく、好まし
くは固定することによって生体組織誘導作用を失うこと
がなく、しかも内膜が形成するまでの時間分解せずに存
在する結合を選択して固定すればよい。例えば、水酸
基、カルボキシル基及びアミノ基に対しては脱水縮合に
より、エポキシ基に対しては付加反応により共有結合を
形成する。水酸基に対しては、そのままカルボジイミド
を触媒として脱水縮合により結合させても良いし、水酸
基に例えばトリフルオロメタンスルホニル基等の脱離基
を導入して反応性を上げておいてからタンパク質のアミ
ノ基と反応させても良い。また、カルボキシル基に対し
ては、そのままカルボジイミド等の脱水縮合触媒を用い
て結合しても良いし、N−ヒドロキシコハク酸イミドを
反応させて活性エステルを導入して反応性をあげておい
てからタンパク質のアミノ酸と反応させても良い。
【0019】従来のように塗布、架橋処理した表面は、
数μm以上の凹凸が形成され、また多孔質合成高分子材
料の表面を完全に被覆することは困難であるが、本発明
によって固定したものは、表面の凹凸は50nm以下であ
り、しかも多孔質内が完全に被覆される。
数μm以上の凹凸が形成され、また多孔質合成高分子材
料の表面を完全に被覆することは困難であるが、本発明
によって固定したものは、表面の凹凸は50nm以下であ
り、しかも多孔質内が完全に被覆される。
【0020】複合化するタンパクとしては、細胞接着性
タンパクや、内皮細胞成長因子、血管成長因子をあげる
ことができるが、中でもコラーゲン、ゼラチン、アルブ
ミン、ラミニン、フィブロネクチンがすぐれている。
タンパクや、内皮細胞成長因子、血管成長因子をあげる
ことができるが、中でもコラーゲン、ゼラチン、アルブ
ミン、ラミニン、フィブロネクチンがすぐれている。
【0021】
【作用】従来の塗布・架橋型の複合化人工血管では、タ
ンパクやペプチドが多孔質高分子と共有結合されていな
いため剥離しやすい上、多孔質内への均一性に欠け、部
分的に被覆されない部分があったり、逆に厚く被覆され
すぎる部分が生じてしまったり、タンパクの凝集塊が付
着するなどの欠点がある。このため剥離や塗布によって
生じる表面の凹凸によって血液レオロジー的に血栓が形
成されやすく、初期開存率が低い上、形成した内膜の安
定性が悪く、長期にわたって良好な開存性を得ることは
できなかった。
ンパクやペプチドが多孔質高分子と共有結合されていな
いため剥離しやすい上、多孔質内への均一性に欠け、部
分的に被覆されない部分があったり、逆に厚く被覆され
すぎる部分が生じてしまったり、タンパクの凝集塊が付
着するなどの欠点がある。このため剥離や塗布によって
生じる表面の凹凸によって血液レオロジー的に血栓が形
成されやすく、初期開存率が低い上、形成した内膜の安
定性が悪く、長期にわたって良好な開存性を得ることは
できなかった。
【0022】本発明の複合化人工血管は、多孔質合成高
分子材料、特に望ましくはEPTFEの表面に、細胞接
着や細胞増殖作用を有するタンパク、ペプチドを化学的
に固定したものであり、多孔質壁内全面にわたって約サ
ブミクロンの厚さで、共有結合によって強固に被覆され
ている。複合化された表面の凹凸は50nm以下であり、
実質的に多孔質合成高分子の形状を変化させることな
く、表面に組織誘導作用を付与することができる。ま
た、多孔質高分子の表面だけに薄く複合化されるため、
複合化によって形状が変化することがないので、合成高
分子材料の多孔質構造によって、タンパク、ペプチドの
固定化面積や量を制御することができる。
分子材料、特に望ましくはEPTFEの表面に、細胞接
着や細胞増殖作用を有するタンパク、ペプチドを化学的
に固定したものであり、多孔質壁内全面にわたって約サ
ブミクロンの厚さで、共有結合によって強固に被覆され
ている。複合化された表面の凹凸は50nm以下であり、
実質的に多孔質合成高分子の形状を変化させることな
く、表面に組織誘導作用を付与することができる。ま
た、多孔質高分子の表面だけに薄く複合化されるため、
複合化によって形状が変化することがないので、合成高
分子材料の多孔質構造によって、タンパク、ペプチドの
固定化面積や量を制御することができる。
【0023】このように本発明の複合化人工血管は、タ
ンパクやペプチドが共有結合によって高分子材料に強固
に固定されているため、手術時のハンドリング等によっ
てタンパクやペプチドが剥離することがない。また、表
面の凹凸は50nm以下と微小であり、複合化によって生
じる凹凸によって血液レオロジー的に血栓が誘発される
ことがなく、移植直後の開存率が低下しない。また本複
合化人工血管では生体組織誘導性物質が多孔質合成高分
子材料の表面のみに薄く複合化されているので、多孔質
の空隙にはタンパク又はペプチドは存在しない。したが
って、合成高分子材料の多孔質構造を変化させることに
より、タンパク又はペプチドの被覆面積や複合化量を制
御でき、この結果タンパク類と血液の接触面積を変化さ
せることができるので、複合化による血栓形成と、内膜
化促進効果の両方のバランスをとりながら複合化構造を
制御することができる。
ンパクやペプチドが共有結合によって高分子材料に強固
に固定されているため、手術時のハンドリング等によっ
てタンパクやペプチドが剥離することがない。また、表
面の凹凸は50nm以下と微小であり、複合化によって生
じる凹凸によって血液レオロジー的に血栓が誘発される
ことがなく、移植直後の開存率が低下しない。また本複
合化人工血管では生体組織誘導性物質が多孔質合成高分
子材料の表面のみに薄く複合化されているので、多孔質
の空隙にはタンパク又はペプチドは存在しない。したが
って、合成高分子材料の多孔質構造を変化させることに
より、タンパク又はペプチドの被覆面積や複合化量を制
御でき、この結果タンパク類と血液の接触面積を変化さ
せることができるので、複合化による血栓形成と、内膜
化促進効果の両方のバランスをとりながら複合化構造を
制御することができる。
【0024】さらに、本発明による複合化人工血管は、
多孔質壁内全面にわたって生体組織誘導性物質が複合化
されているので、高空隙率の多孔質構造との相乗作用に
よって、人工血管壁外から速やかに生体組織成分が侵入
し、併せて吻合部からの内膜の伸展が非常に速やかに進
行する。また、共有結合によって強固かつ均一に固定さ
れているため、形成した内膜が剥離することなく長期間
にわたって安定に存在することができる。
多孔質壁内全面にわたって生体組織誘導性物質が複合化
されているので、高空隙率の多孔質構造との相乗作用に
よって、人工血管壁外から速やかに生体組織成分が侵入
し、併せて吻合部からの内膜の伸展が非常に速やかに進
行する。また、共有結合によって強固かつ均一に固定さ
れているため、形成した内膜が剥離することなく長期間
にわたって安定に存在することができる。
【0025】
【実施例】実施例1 平均繊維長30μm、空隙率72%、内腔面積に占める
樹脂の面積比率45%、内径1.5mm、外径2.5mm、長
さ10mmのEPTFEチューブを、0℃で窒素雰囲気下
にメチルリチウムのエーテル溶液(1.4M)20mlと
ヘキサメチルホスホリックトリアミド2mlの混合溶液に
30分間浸漬した後、溶液だけを除去し、アクリル酸1
gのテトラヒドロフラン20ml中溶液を加え、60℃で
10時間反応させた。
樹脂の面積比率45%、内径1.5mm、外径2.5mm、長
さ10mmのEPTFEチューブを、0℃で窒素雰囲気下
にメチルリチウムのエーテル溶液(1.4M)20mlと
ヘキサメチルホスホリックトリアミド2mlの混合溶液に
30分間浸漬した後、溶液だけを除去し、アクリル酸1
gのテトラヒドロフラン20ml中溶液を加え、60℃で
10時間反応させた。
【0026】この後、未反応のアクリル酸や重合したア
クリル酸を洗浄除去し、アクリル酸グラフト体を得た。
アクリル酸のグラフト量はチューブ1cmにあたり45μ
gであった。
クリル酸を洗浄除去し、アクリル酸グラフト体を得た。
アクリル酸のグラフト量はチューブ1cmにあたり45μ
gであった。
【0027】次に0.3%酸可溶化アテロコラーゲン
(新田ゼラチンセルマトリックスI−P)を熱変性させ
た0.3%ゼラチン化アテロコラーゲン(以下、GAC
という。)、及び0.3%1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩
酸でpH1.5に調整し、ここに先に作製したアクリル酸
グラフト化EPTFEチューブを24時間浸漬し、この
後水洗して、GAC結合EPTFEを得た。ニンヒドリ
ン法によって定量したところ、結合しているGACはチ
ューブ1cmあたり55μgであった。
(新田ゼラチンセルマトリックスI−P)を熱変性させ
た0.3%ゼラチン化アテロコラーゲン(以下、GAC
という。)、及び0.3%1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩
酸でpH1.5に調整し、ここに先に作製したアクリル酸
グラフト化EPTFEチューブを24時間浸漬し、この
後水洗して、GAC結合EPTFEを得た。ニンヒドリ
ン法によって定量したところ、結合しているGACはチ
ューブ1cmあたり55μgであった。
【0028】このチューブの内面を走査電子顕微鏡で観
察したところ、EPTFEの繊維一結節による微細構造
が完全に保たれており、複合化された表面の凹凸は10
nm以下で、塗布複合の際に見られたような大きな凹凸は
認められなかった。また、曲げ等のハンドリングによっ
て複合化したGACが剥離することはなかった。この人
工血管の引張強度は3.2kg、スーチャー強度(チュー
ブ端より3mmのところに0.2mmφの針金を通して引っ
張った時に引き裂きの起きる荷重。)は142gと、そ
れぞれ未処理のEPTFE人工血管の3.3kg、150g
と比較して殆ど低下しておらず、人工血管としての実用
上十分な強度を有していた。
察したところ、EPTFEの繊維一結節による微細構造
が完全に保たれており、複合化された表面の凹凸は10
nm以下で、塗布複合の際に見られたような大きな凹凸は
認められなかった。また、曲げ等のハンドリングによっ
て複合化したGACが剥離することはなかった。この人
工血管の引張強度は3.2kg、スーチャー強度(チュー
ブ端より3mmのところに0.2mmφの針金を通して引っ
張った時に引き裂きの起きる荷重。)は142gと、そ
れぞれ未処理のEPTFE人工血管の3.3kg、150g
と比較して殆ど低下しておらず、人工血管としての実用
上十分な強度を有していた。
【0029】このチューブ6本を1本ずつラットの腹部
大動脈に移植した。3週間後、人工血管の多孔質壁内は
線維芽細胞等の生体組織成分により満たされていた。ま
た内腔面の内皮被覆率は100%で、開存率は100%
であった。内腔面では1年経過後も開存率は低下せず、
100%の開存率が維持され、形成した内皮は安定で、
血栓等の付着も認められなかった。
大動脈に移植した。3週間後、人工血管の多孔質壁内は
線維芽細胞等の生体組織成分により満たされていた。ま
た内腔面の内皮被覆率は100%で、開存率は100%
であった。内腔面では1年経過後も開存率は低下せず、
100%の開存率が維持され、形成した内皮は安定で、
血栓等の付着も認められなかった。
【0030】実施例2 平均繊維長30μm、空隙率72%、内腔面積に占める
樹脂の面積比率45%、内径2.0mm、外径3.0mm、長
さ20mmのEPTFEチューブを、0℃で窒素雰囲気下
にメチルリチウムのエーテル溶液(1.4M)20mlと
ヘキサメチルホスホリックトリアミド2mlの混合溶液に
30分間浸漬した後、溶液だけを除去し、アクリル酸1
gのテトラヒドロフラン20ml中溶液を加え、60℃で
10時間反応させた。この後、未反応のアクリル酸や重
合したアクリル酸を洗浄除去し、アクリル酸グラフト体
を得た。アクリル酸のグラフト量はチューブ1cmあたり
45μgであった。
樹脂の面積比率45%、内径2.0mm、外径3.0mm、長
さ20mmのEPTFEチューブを、0℃で窒素雰囲気下
にメチルリチウムのエーテル溶液(1.4M)20mlと
ヘキサメチルホスホリックトリアミド2mlの混合溶液に
30分間浸漬した後、溶液だけを除去し、アクリル酸1
gのテトラヒドロフラン20ml中溶液を加え、60℃で
10時間反応させた。この後、未反応のアクリル酸や重
合したアクリル酸を洗浄除去し、アクリル酸グラフト体
を得た。アクリル酸のグラフト量はチューブ1cmあたり
45μgであった。
【0031】次に、0.3%酸可溶化アテロコラーゲン
(新田ゼラチンセルマトリックスI−P)を熱変性させ
た0.3%ゼラチン化アテロコラーゲン(GAC)、及
び0.3%1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩酸でpH1.5に
調整し、これに先に作製したアクリル酸グラフト化EP
TFEチューブを24時間浸漬し、この後水洗して、G
AC結合EPTFEを得た。ニンヒドリン法によって定
量したところ、結合しているGACはチューブ1cmあた
り55μgであった。
(新田ゼラチンセルマトリックスI−P)を熱変性させ
た0.3%ゼラチン化アテロコラーゲン(GAC)、及
び0.3%1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミドの水溶液を1N塩酸でpH1.5に
調整し、これに先に作製したアクリル酸グラフト化EP
TFEチューブを24時間浸漬し、この後水洗して、G
AC結合EPTFEを得た。ニンヒドリン法によって定
量したところ、結合しているGACはチューブ1cmあた
り55μgであった。
【0032】このチューブの内面を走査電子顕微鏡で観
察したところ、EPTFEの繊維一結節による微細構造
が完全に保たれており、複合化された表面の凹凸は10
nm以下で、塗布複合の際に見られたような大きな凹凸は
認められなかった。また、曲げ等のハンドリングによっ
て複合化したGACが剥離することはなかった。
察したところ、EPTFEの繊維一結節による微細構造
が完全に保たれており、複合化された表面の凹凸は10
nm以下で、塗布複合の際に見られたような大きな凹凸は
認められなかった。また、曲げ等のハンドリングによっ
て複合化したGACが剥離することはなかった。
【0033】このチューブ6本を1本ずつウサギの頸動
脈に移植した。4週後、人工血管の多孔質壁内は線維芽
細胞等の生体組織成分により満たされていた。また内腔
面の内皮被覆率は95%で、開存率は100%であっ
た。内腔面では1年経過後も開存率は低下せず、100
%の開存率が維持され、形成した内皮は安定で、血栓等
の付着も認められなかった。
脈に移植した。4週後、人工血管の多孔質壁内は線維芽
細胞等の生体組織成分により満たされていた。また内腔
面の内皮被覆率は95%で、開存率は100%であっ
た。内腔面では1年経過後も開存率は低下せず、100
%の開存率が維持され、形成した内皮は安定で、血栓等
の付着も認められなかった。
【0034】実施例3 実施例2と同じEPTFEチューブに、同様の方法によ
り2−ヒドロキシエチルアクリレートをグラフト化し
た。グラフト化量はチューブ1cmあたり65μgであっ
た。このチューブを、2,2,2−トリフルオロエタンス
ルホン酸1mlとトリエチルアミン1mlのジエチルエーテ
ル20ml溶液に浸漬し、室温で4時間反応させて水酸基
に2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基を導入し
た。
り2−ヒドロキシエチルアクリレートをグラフト化し
た。グラフト化量はチューブ1cmあたり65μgであっ
た。このチューブを、2,2,2−トリフルオロエタンス
ルホン酸1mlとトリエチルアミン1mlのジエチルエーテ
ル20ml溶液に浸漬し、室温で4時間反応させて水酸基
に2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基を導入し
た。
【0035】次にフィブロネクチン(牛血漿由来、日本
ハム製)5mgを炭酸ナトリウム緩衝液(pH=7)20m
lに溶解し、これに先に作製したチューブを24時間浸
漬し、この後水洗して、フィブロネクチン結合EPTF
Eを得た。ニンヒドリン法によって定量したところ、結
合しているフィブロネクチンはチューブ1cmあたり40
μgであった。
ハム製)5mgを炭酸ナトリウム緩衝液(pH=7)20m
lに溶解し、これに先に作製したチューブを24時間浸
漬し、この後水洗して、フィブロネクチン結合EPTF
Eを得た。ニンヒドリン法によって定量したところ、結
合しているフィブロネクチンはチューブ1cmあたり40
μgであった。
【0036】このチューブの内面を走査電子顕微鏡で観
察したところ、EPTFEの繊維一結節による微細構造
が完全に保たれており、複合化された表面の凹凸は10
nm以下で、塗布複合の際に見られたような大きな凹凸は
認められなかった。また、曲げ等のハンドリングによっ
て複合化したGACが剥離することはなかった。
察したところ、EPTFEの繊維一結節による微細構造
が完全に保たれており、複合化された表面の凹凸は10
nm以下で、塗布複合の際に見られたような大きな凹凸は
認められなかった。また、曲げ等のハンドリングによっ
て複合化したGACが剥離することはなかった。
【0037】このチューブ6本を1本ずつウサギの頸動
脈に移植した。4週後、人工血管の多孔質壁内は線維芽
細胞等の生体組織成分により満たされていた。また、内
腔面の内皮被覆率は85%で、開存率は83%(5/
6)であった。内腔面では1年経過後も開存率はあまり
低下せず、開存率83%であり、形成した内皮は安定
で、血栓等の付着も認められなかった。
脈に移植した。4週後、人工血管の多孔質壁内は線維芽
細胞等の生体組織成分により満たされていた。また、内
腔面の内皮被覆率は85%で、開存率は83%(5/
6)であった。内腔面では1年経過後も開存率はあまり
低下せず、開存率83%であり、形成した内皮は安定
で、血栓等の付着も認められなかった。
【0038】実施例4 平均孔径60μm、空隙率60%、内腔面積に占める樹
脂の面積比率50%、内径2.0mm、外径3.0mm、長さ
20mmポリエステルニットチューブを、6N塩酸で加水
分解してカルボキシル基を形成させた。次に0.3%酸
可溶化アテロコラーゲン(新田ゼラチンセルマトリック
スI−P)を熱変性させた0.3%ゼラチン化アテロコ
ラーゲン(GAC)、及び0.3%1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの水溶
液を1N塩酸でpH1.5に調整し、これに先に作製した
アクリル酸グラフト化EPTFEチューブを24時間浸
漬し、この後水洗して、GAC結合EPTFEを得た。
ニンヒドリン法によって定量したところ、結合している
GACはチューブ1cmあたり25μgであった。
脂の面積比率50%、内径2.0mm、外径3.0mm、長さ
20mmポリエステルニットチューブを、6N塩酸で加水
分解してカルボキシル基を形成させた。次に0.3%酸
可溶化アテロコラーゲン(新田ゼラチンセルマトリック
スI−P)を熱変性させた0.3%ゼラチン化アテロコ
ラーゲン(GAC)、及び0.3%1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの水溶
液を1N塩酸でpH1.5に調整し、これに先に作製した
アクリル酸グラフト化EPTFEチューブを24時間浸
漬し、この後水洗して、GAC結合EPTFEを得た。
ニンヒドリン法によって定量したところ、結合している
GACはチューブ1cmあたり25μgであった。
【0039】このチューブの内面を走査電子顕微鏡で観
察したところ、ポリエステル繊維の形状が完全に保たれ
ており、複合化された表面の凹凸は10nm以下で、塗布
複合の際に見られたような大きな凹凸は認められなかっ
た。また、曲げ等のハンドリングによって複合化したG
ACが剥離することはなかった。
察したところ、ポリエステル繊維の形状が完全に保たれ
ており、複合化された表面の凹凸は10nm以下で、塗布
複合の際に見られたような大きな凹凸は認められなかっ
た。また、曲げ等のハンドリングによって複合化したG
ACが剥離することはなかった。
【0040】このチューブ6本を1本ずつウサギの頸動
脈に移植した。4週後、人工血管の多孔質壁内は線維芽
細胞等の生体組織成分により満たされていた。また内腔
面の内皮被覆率は95%で、開存率は83%(5/6)
であった。内腔面は1年経過後も開存率は低下せず、8
3%の開存率が維持され、形成した内皮は安定で、血栓
等の付着も認められなかった。
脈に移植した。4週後、人工血管の多孔質壁内は線維芽
細胞等の生体組織成分により満たされていた。また内腔
面の内皮被覆率は95%で、開存率は83%(5/6)
であった。内腔面は1年経過後も開存率は低下せず、8
3%の開存率が維持され、形成した内皮は安定で、血栓
等の付着も認められなかった。
【0041】比較例1 実施例1と同じEPTFEチューブを6本を1本ずつラ
ットの腹部大動脈に移植した。3週後、開存率は100
%であったが、人工血管の多孔質壁内に線維芽細胞等の
生体組織成分はほとんど侵入しておらず、内腔面の内皮
被覆率は50%と低かった。1年経過後、開存率は67
%に低下しており、開存例においても部分的に狭窄が起
きていた。
ットの腹部大動脈に移植した。3週後、開存率は100
%であったが、人工血管の多孔質壁内に線維芽細胞等の
生体組織成分はほとんど侵入しておらず、内腔面の内皮
被覆率は50%と低かった。1年経過後、開存率は67
%に低下しており、開存例においても部分的に狭窄が起
きていた。
【0042】比較例2 実施例1と同じEPTFEチューブの内側から、実施例
1と同じ0.3%GAC溶液を真空注入し、グルタール
アルデヒドで架橋後、乾燥した。GACの複合化量は
0.2mg/cmであった。この複合化人工血管の内面を走
査電子顕微鏡で観察したところ、複合化したGACはE
PTFEの繊維間にも部分的に膜を形成し、その表面に
は0.5〜1μmの凹凸が形成されていた。また、部分的
にGACが塗布されていない部分があった。この複合化
人工血管に曲率半径5mm以下の曲げを繰り返すと、容易
にGACが剥離した。
1と同じ0.3%GAC溶液を真空注入し、グルタール
アルデヒドで架橋後、乾燥した。GACの複合化量は
0.2mg/cmであった。この複合化人工血管の内面を走
査電子顕微鏡で観察したところ、複合化したGACはE
PTFEの繊維間にも部分的に膜を形成し、その表面に
は0.5〜1μmの凹凸が形成されていた。また、部分的
にGACが塗布されていない部分があった。この複合化
人工血管に曲率半径5mm以下の曲げを繰り返すと、容易
にGACが剥離した。
【0043】この複合化人工血管6本を1本ずつラット
の腹部大動脈に移植した。3週後、開存率は67%に低
下しており、開存例での内皮被覆率は85%であった。
1年経過後、開存率は33%に低下しており、開存例に
おいても形成した内膜がはがれ、部分的に狭窄が起きて
いた。
の腹部大動脈に移植した。3週後、開存率は67%に低
下しており、開存例での内皮被覆率は85%であった。
1年経過後、開存率は33%に低下しており、開存例に
おいても形成した内膜がはがれ、部分的に狭窄が起きて
いた。
【0044】比較例3 実施例2と同じEPTFEチューブを6本を1本ずつウ
サギの頸動脈に移植した。4週後、開存率は100%で
あったが、人工血管の多孔質壁内には線維芽細胞等の生
体組織成分はほとんど侵入しておらず、内腔面の内皮被
覆率は50%と低かった。1年経過後、開存率は33%
に低下しており、開存例においても部分的に狭窄が起き
ていた。
サギの頸動脈に移植した。4週後、開存率は100%で
あったが、人工血管の多孔質壁内には線維芽細胞等の生
体組織成分はほとんど侵入しておらず、内腔面の内皮被
覆率は50%と低かった。1年経過後、開存率は33%
に低下しており、開存例においても部分的に狭窄が起き
ていた。
【0045】比較例4 実施例2と同じEPTFEチューブの内側から、実施例
1と同じ0.3%GAC溶液を真空注入し、グルタール
アルデヒドで架橋後、乾燥した。GACの複合化量は
0.3mg/cmであった。この複合化人工血管の内面を走
査電子顕微鏡で観察したところ、複合化したGACはE
PTFEの繊維間にも部分的に膜を形成し、その表面に
は0.5〜1μmの凹凸が形成されていた。また、部分的
にGACが塗布されていない部分があった。この複合化
人工血管に曲率半径5mm以下の曲げを繰り返すと、容易
にGACが剥離した。
1と同じ0.3%GAC溶液を真空注入し、グルタール
アルデヒドで架橋後、乾燥した。GACの複合化量は
0.3mg/cmであった。この複合化人工血管の内面を走
査電子顕微鏡で観察したところ、複合化したGACはE
PTFEの繊維間にも部分的に膜を形成し、その表面に
は0.5〜1μmの凹凸が形成されていた。また、部分的
にGACが塗布されていない部分があった。この複合化
人工血管に曲率半径5mm以下の曲げを繰り返すと、容易
にGACが剥離した。
【0046】この複合化人工血管6本を1本ずつウサギ
の頸動脈に移植した。4週後、開存率は17%に低下し
ていた。
の頸動脈に移植した。4週後、開存率は17%に低下し
ていた。
【0047】図1は、本発明によりゼラチン化アテロコ
ラーゲンをEPTFEに化学結合した実施例1の人工血
管の内面の走査電子顕微鏡写真である。図2は、従来の
ように、ゼラチン化アテロコラーゲンをEPTFEに塗
布した後にグルタルアルデヒドによって架橋処理した比
較例2の人工血管の内面の走査電子顕微鏡写真である。
図3は、比較例1の未処理EPTFE人工血管の内面の
走査型電子顕微鏡写真である。本発明による人工血管で
はゼラチン化アテロコラーゲンが薄く均一に複合化さ
れ、EPTFEの形状が完全に保持されているのに対
し、従来法では数μmの凹凸が形成されている。
ラーゲンをEPTFEに化学結合した実施例1の人工血
管の内面の走査電子顕微鏡写真である。図2は、従来の
ように、ゼラチン化アテロコラーゲンをEPTFEに塗
布した後にグルタルアルデヒドによって架橋処理した比
較例2の人工血管の内面の走査電子顕微鏡写真である。
図3は、比較例1の未処理EPTFE人工血管の内面の
走査型電子顕微鏡写真である。本発明による人工血管で
はゼラチン化アテロコラーゲンが薄く均一に複合化さ
れ、EPTFEの形状が完全に保持されているのに対
し、従来法では数μmの凹凸が形成されている。
【0048】
【発明の効果】このように、本発明の複合化人工血管で
は、多孔質合成高分子材料の形状を変化させることなく
表面に均一に生体組織誘導作用を有する物質が共有結合
によって安定に複合化されている。このため、多孔質構
造、中でもEPTFEの多孔質構造との相乗効果によっ
て、初期血栓を誘発することなく、速やかに内膜を形成
し、しかもこれを長期間にわたって安定に維持すること
が可能である。したがって、特に従来のいかなる材料を
もってしても良好な開存性を得ることができなかった冠
状動脈や末梢動脈など小口径血管の代用血管として有用
である。
は、多孔質合成高分子材料の形状を変化させることなく
表面に均一に生体組織誘導作用を有する物質が共有結合
によって安定に複合化されている。このため、多孔質構
造、中でもEPTFEの多孔質構造との相乗効果によっ
て、初期血栓を誘発することなく、速やかに内膜を形成
し、しかもこれを長期間にわたって安定に維持すること
が可能である。したがって、特に従来のいかなる材料を
もってしても良好な開存性を得ることができなかった冠
状動脈や末梢動脈など小口径血管の代用血管として有用
である。
【図1】 本発明により、ゼラチン化アテロコラーゲン
をEPTFEに化学結合した実施例1の人工血管の内面
の走査電子顕微鏡写真。
をEPTFEに化学結合した実施例1の人工血管の内面
の走査電子顕微鏡写真。
【図2】 従来のように、ゼラチン化アテロコラーゲン
をEPTFEに塗布した後にグルタルアルデヒドによっ
て架橋処理した比較例2の人工血管の内面の走査電子顕
微鏡写真。
をEPTFEに塗布した後にグルタルアルデヒドによっ
て架橋処理した比較例2の人工血管の内面の走査電子顕
微鏡写真。
【図3】 比較例1の未処理EPTFE人工血管の内面
の走査型電子顕微鏡写真。
の走査型電子顕微鏡写真。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により、ゼラチン化アテロコラーゲン
をEPTFEに化学結合した実施例1の人工血管の内面
上の薄膜の写真。
をEPTFEに化学結合した実施例1の人工血管の内面
上の薄膜の写真。
【図2】 従来のように、ゼラチン化アテロコラーゲン
をEPTFEに塗布した後にグルタルアルデヒドによっ
て架橋処理した比較例2の人工血管の内面上の薄膜の写
真。
をEPTFEに塗布した後にグルタルアルデヒドによっ
て架橋処理した比較例2の人工血管の内面上の薄膜の写
真。
【図3】 比較例1の未処理EPTFE人工血管の内面
上の薄膜の写真。
上の薄膜の写真。
Claims (4)
- 【請求項1】 多孔質合成高分子よりなるチューブの表
面に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基又はアミノ
基を介して細胞接着及び成長作用を有するタンパク質又
はペプチドを共有結合させた人工血管。 - 【請求項2】 多孔質合成高分子よりなるチューブ内腔
面積に占める合成高分子材料の面積の比率が15〜80
%であることを特徴とする請求項1記載の人工血管。 - 【請求項3】 多孔質合成高分子が延伸ポリテトラフル
オロエチレンであることを特徴とする請求項1記載の人
工血管。 - 【請求項4】 細胞接着作用を有するタンパク質がコラ
ーゲン、ゼラチン、ラミニン及びフィブロネクチンから
選択される少なくとも一種の物質であることを特徴とす
る請求項1記載の人工血管。
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