JP2002530292A - カップリングしたペプチド - Google Patents

カップリングしたペプチド

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JP2002530292A
JP2002530292A JP2000582532A JP2000582532A JP2002530292A JP 2002530292 A JP2002530292 A JP 2002530292A JP 2000582532 A JP2000582532 A JP 2000582532A JP 2000582532 A JP2000582532 A JP 2000582532A JP 2002530292 A JP2002530292 A JP 2002530292A
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ジャン ブーメル,ヘリット
クリストファー シャーテリア,ロナルド
ヨルグ グリーザー,ハンス
ジョンソン,グラハム
マイケル マクリーン,キース
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、接着性糖タンパク質をバルク材料の表面にカップリングさせる方法であって、a)揮発性アルデヒドの層をガスプラズマ雰囲気からバルク材料の表面に被着させる工程と、b)バルク材料上にそのように形成した層を、アミノ基を有する細胞接着性糖タンパク質と接触させる工程と、c)最初に形成した−CH=N−結合を還元剤の存在で−CH2−NH−結合に転換することにより、被着させたアルデヒド層のカルボニル基への糖タンパク質のアミノ基のカップリングを強化する工程とを含む方法ならびにアミノ基を有する細胞接着性糖タンパク質がカップリングする少なくとも一つの表面を有するバルク材料を含む細胞増殖材料であって、該アミノ基が、還元剤の存在で−CH2−NH−結合に転換されている最初に形成した−CH=N−基を介して、ガスプラズマ雰囲気から該バルク材料の表面に被着された揮発性アルデヒドの層のアルデヒド基に共有結合的に結合していることを特徴とする細胞増殖材料に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、表面に接着性糖タンパク質が共有結合しているバルク材料を含む細
胞増殖材料及び接着性糖タンパク質をバルク材料の表面に共有結合的にカップリ
ングさせる方法に関する。
【0002】 本発明は、足場依存性細胞によるコロニー形成を促進する材料及びそのような
材料を製造する方法を提供する。本発明は、インビトロ細胞培養のための新規な
材料を提供するが、生物医学的装置と生物学的(特に哺乳動物)組織との間で密
なインビボ並置を要する用途で特に有利である。したがって、新規な材料は、特
に、改善された生体適合性を有する生物医学的装置、特に眼科用装置のための材
料である。例は、角膜アンレー及び人工移植角膜であり、いずれも、眼組織との
密接な統合ならびに上皮細胞層の再付着及び成長を要する。
【0003】 合成材料は一般に、生物学的環境(培養中の細胞、医療用インプラントなど)
に対する親和性が不十分である。本発明は、この制限を解消し、ひいては、適当
な「バルク」性(たとえば機械的、光学的フレキシビリティ、生体安定性など)
を有するが、自らは、必要な、足場依存性細胞による速やかで効果的なコロニー
形成を促進しない材料の使用を可能にする方法を記載する。本発明の被膜は、細
胞懸濁液から細胞増殖材料又は生物医学的装置への急速なインビトロ細胞付着な
らびに効果的なインビボ組織付着を達成する。被膜はまた、細胞層が縁から被膜
面上に増殖する能力を与えることにより、生物医学的装置の急速なコロニー形成
を可能にする。被膜はさらに、軟組織環境と接触して配置されたとき、生物医学
的装置の統合を高める。
【0004】 細胞付着性糖タンパク質がバルク材料に吸着されて細胞コロニー形成を促進す
ることは、細胞培養のようなインビトロ用途に関して周知である。しかし、その
ような吸着されたタンパク質層が生物学的媒体と接触して配置されると、生物学
的媒体からの他のタンパク質及びおそらくは脂質が、先に吸着された接着性糖タ
ンパク質をバルク材料の表面から押し退ける。その結果、生物学的/材料界面が
時間とともに不明瞭になり、吸着されたタンパク質層が画定しにくく制御不可能
になり、ホスト応答に対して制御が失われる。流体の動きが表面吸着生体分子の
より急速な脱着/吸着交換につながるとき、これは、特にそうであり、かつ急速
であると予想される。たとえば、角膜インレー又は人工移植角膜の前面は、上皮
細胞のインプラント縁からの移動によってコロニー形成されなければならない。
そのような移動は、装置上の接着性糖タンパク質の存在によって顕著に高められ
る。しかし、まぶたのまばたき動が、装置表面上の強い乱流とともに接線方向の
流体流を生じさせる。したがって、表面吸着分子は、拡散交換を受けるだけでな
く、水性境界層の急速な攪拌によってさらなる脱着力を受ける。
【0005】 したがって、他のタンパク質及び脂質との交換による除去/押し退けを防ぐた
め、細胞接着性糖タンパク質を装置表面に共有結合的に固定化することが有利で
ある。多数の付着法が当該技術で公知である。しかし、欠点がある。たとえば、
グルタルアルデヒド固着は、糖タンパク質の内及び間での架橋につながり、これ
が、二次及び三次構造に対する変化を引き起こす。このようにして固定化された
タンパク質の多大な部分はもはや生物学的に活性ではないことが知られている。
したがって、固定化されるタンパク質層の最小限の構造変化及び最大限の効果に
つながる接着性糖タンパク質の穏やかな共有結合的固定化方法が求められる。
【0006】 本発明は、これらの必要性を満たす。これは、細胞接着性糖タンパク質を表面
固定化するための新規で効率の高い方法ならびに細胞接触用途で非常に効果的で
ある複合材料(バルク材料+薄層被膜)を提供する。得られる結果は、本発明の
方法によって製造される糖タンパク質層が上皮細胞コロニー形成を促進する高い
効果を示す。
【0007】 さらに詳細には、本発明は、一つ又は多数の表面上に固定化された細胞付着性
糖タンパク質層の存在により、哺乳動物の足場依存性細胞をその表面に速やかか
つ効果的に付着させ、増殖させることができる材料を記載する。付着性糖タンパ
ク質の薄層は、アルデヒド化合物を含むガスプラズマ(グロー放電)雰囲気から
被着(deposited)される薄い界面結合層を使用して、バルク材料の表面上に共
有結合的に固定化される。したがって、本発明の材料は、概略すると、三層の複
合構造を含む。第一の層はバルク材料である。第二の層は、ガスプラズマから被
着されるアルデヒド含有界面結合層である。細胞に接着する第三の層は、接着性
糖タンパク質を含む。
【0008】 バルク材料は、たとえば、合成ポリマー、天然ポリマー、セラミック又は金属
材料であることができる。市販のバルク材料の例は、たとえば、膜、たとえばpo
restics膜又はTeflon(FEP)膜である。一般に、ポリマー材料、たとえばW
O96/31546、WO96/31545、WO96/31547又はWO9
7/00274に開示されているポリマー材料が好ましいバルク材料である。さ
らには、ペルフルオロポリエーテルセグメント又はシロキサンセグメント又は両
方を組み合わせて含むポリマー材料が適当なバルク材料である。また、たとえば
WO97/35904、WO97/35905、WO97/35906又はより
一般的にはWO95/13764に開示されているように、前記材料が多孔質で
あるならば、有利であり得る。
【0009】 第三の層に関して、種々の細胞接着性糖タンパク質、すなわちコラーゲン(種
々)、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニンなどが当該技術で公知であ
る。本発明は、アミノ基を含む、好ましくはリシン残基を含むいかなる接着性糖
タンパク質にも適用することができる。
【0010】 また、前記第三の層が、接着性糖タンパク質に加えて、一つ以上の他の生物学
的に活性な分子を含むことも本発明の範囲内である。そのような分子は、たとえ
ば、他のタンパク質、グリコサミノグリカン又は多糖類であることができる。本
発明によると、埋設可能な材料を製造するため、そのような分子を接着性糖タン
パク質とともに固定化することができる。当然、そのような他の単位は、そのよ
うな単位を関連の特定の用途における使用に適したものにするであろう生物学的
シグナル生成性に基づいて注意深く選択することが必要であろう。しかし、本発
明の一つの実施態様では、第三の層を形成する分子からペプトイドを除外するこ
とが好ましい。さらなる実施態様では、第三の層が本質的に接着性糖タンパク質
からなり、より顕著には、接着性糖タンパク質のみからなることが好ましい。
【0011】 界面結合層「アルデヒドプラズマポリマー」は、揮発性アルデヒド化合物及び
場合によっては他の成分、たとえばキャリヤガス、たとえばアルゴンを含むガス
プラズマから被着される。アルデヒドプラズマポリマー層は、界面結合層として
も働くし、表面が、細胞接着性糖タンパク質との化学反応を起こすことができる
化学基を本来有しないバルク材料の表面活性化ステップとしても働く。プラズマ
被着による界面結合層の製造は、そのようなプラズマ被膜が大部分のバルク材料
に格別に強く接着し、生物医学的に関与する大部分のバルク材料に対して容易に
被着させることができ、それにより、本発明をある範囲のバルク材料に容易に転
用することを可能にすることにおいて独特の利点を与える。アルデヒド基を含む
界面結合層はまた、他の方法でははるかに過酷な化学的条件でしかタンパク質を
付着させることができないであろうバルク生体材料に接着性糖タンパク質を穏や
かな水性反応条件下で固定化することができることにおいて独特の利点を与える
【0012】 一般に、アルデヒドのプラズマ被着は、そのもの公知の方法で実施することが
できる。しかし、一般にプラズマポリマー被膜の被着は、通常は0.1〜1トル
の範囲の減圧で実施されるが、本発明に適したアルデヒドプラズマポリマー層は
、適当な設備を使用して大気圧で被着させることもできる。
【0013】 好ましい揮発性アルデヒドは、炭素原子9個まで、好ましくは炭素原子2〜7
個、より好ましくは炭素原子4個まで、さらに好ましくは炭素原子2〜4個を有
する。もっとも好ましいアルデヒドはアセトアルデヒドであるが、プロピオンア
ルデヒドを推奨することもできる。界面結合層の被着のために本発明で教示され
る揮発性アルデヒドは、従来技術で開示されているホルムアルデヒド水溶液の使
用よりも結合の点ではるかに優れた品質の膜を提供する。したがって、本発明の
結果は、本発明の方法のプラズマ工程(請求項1の工程a)を参照)は、水の非
存在又は実質的非存在で実施することが好ましいということである。
【0014】 アルデヒドプラズマポリマーの表面と接着性糖タンパク質との界面固定化反応
は、界面シッフ塩基結合を形成させる。本発明はシッフ塩基結合(−CH=N−
)の形成を含むが、好ましい実施態様は、これらのシッフ塩基結合が後で、好ま
しくは還元剤、たとえばシアノボロヒドリドでの処理による還元性アミノ化によ
って処理されることである。そのような還元性アミノ化は、共有結合的固定化の
強度を改善する。
【0015】 これを考慮して、本発明の一つの実施態様は、接着性糖タンパク質をバルク材
料の表面にカップリングさせる方法であって、 a)揮発性アルデヒドの層をガスプラズマ雰囲気からバルク材料の表面に被着
させる工程と、 b)バルク材料上にそのように形成した層を、アミノ基を有する細胞接着性糖
タンパク質と接触させる工程と、 c)最初に形成した−CH=N−結合を還元剤の存在で−CH2−NH−結合
に転換することにより、被着させたアルデヒド層のカルボニル基への糖タンパク
質のアミノ基のカップリングを強化する工程と、 を含む方法である。
【0016】 もう一つの実施態様は、アミノ基を有する細胞接着性糖タンパク質がカップリ
ングする少なくとも一つの表面を有するバルク材料を含む細胞増殖材料であって
、該アミノ基が、還元剤の存在で−CH2−NH−結合に転換されている最初に
形成した−CH=N−基を介して、ガスプラズマ雰囲気から該バルク材料の表面
に被着された揮発性アルデヒドの層のアルデヒド基に共有結合的に結合している
ことを特徴とする細胞増殖材料である。
【0017】 本発明の方法又は材料における好ましい要素は、先に定義したものである。本
発明の別々の要素のいくつか、たとえばプラズマポリマー被着又は−CH=N−
基の−CH2−NH−基への転換は、当業者には周知である。したがって、本開
示は、そのものは公知である技術の長い記載がない場合でさえ、そのような技術
が当然、本発明に関連して知られていないが、十分に実施可能と考えられる。
【0018】 驚くべきことに、本発明の経路によって表面固定化された接着性糖タンパク質
は、それでもなお、細胞付着及び増殖を促進する能力が高い。シッフ塩基結合に
つながる化学界面反応は、糖タンパク質の特定部分を標的にせず、代わりに、ど
こに位置していようとアミノ基又はリシン残基を標的にし、固定化糖タンパク質
分子の特定の空間的配向に至らない意味で非特異的であると考えられる。さらに
驚くべきことに、そのような推定的にランダムな反応及び配向は、付着糖タンパ
ク質が細胞接着性エピトープを接近する細胞に提示する高い効力を可能にする。
これは、細胞接着性糖タンパク質を固定化する公知の方法、たとえば、糖タンパ
ク質分子内及び間で架橋を生じさせ、したがって、第二級及び第三級タンパク質
構造の変化を招くグルタルアルデヒドベースの方法に比べて明確な利点を提示す
る。
【0019】 本発明の細胞増殖材料又は埋設可能なバルク材料は数多く、例として掲げる以
下を含む。外傷治癒材料、合成皮膚又は接続組織、眼インプラント、たとえば埋
設コンタクトレンズ及び合成上角膜固着術もしくは角膜グラフト、整形外科用イ
ンプラント、たとえば補てつ関節もしくは合成動脈表面、合成腱もしくは靱帯組
織又は外科手術処理で骨又は靱帯を固定するために使用される材料、合成神経組
織、補てつ器官、たとえば心臓、肺などの機能を実行する装置、血液接触装置の
部品、イムノアッセイ、抗原/抗体検出キット、親和力マトリックスなど、他の
合成生体活性装置、たとえば心臓ペースメーカー又は他の埋設可能な合成材料。
【0020】 本明細書で提供した例は、本発明の範囲をいかなるふうにも限定することを意
図せず、本発明は、ヒト又は動物の体に埋設されなければならないかもしれず、
細胞付着を起こすために本発明の接着性糖タンパク質の表面被膜を要するすべて
のタイプの埋設可能なバルク材料に関することが理解されよう。
【0021】
【実施例】
次に、以下の非限定的な例を参照して本発明をさらに説明する。
【0022】 例1:プラズマポリマー被着 これは、アセトアルデヒドをプラズマ被着するための標準的手法である。実験
室規模のプラズマ被着設備で、乾いた清浄な基材を、直接又はFEP(フッ素化
コエチレンプロピレン)シート(電極を頻繁に清浄する必要を減らすための使い
捨て薄層として使用)に載せて直径9cmの電極の上に配置した。空気漏れをチェ
ックするためにベース圧までポンプで減圧した。二回前すすぎしたのち、丸底フ
ラスコを2/3までアセトアルデヒドモノマー(Aldrich、99%、カタログ番
号11.007−8)で充填した。モノマー及びフラスコを0.1トルで1〜2
分間ガス抜きしたのち、モノマー供給弁を閉じた。反応器を再びベース圧までポ
ンプで減圧し、分流弁を閉じ、モノマー供給弁を開いた。−12−の設定値まで
スロットルを開け、安定化した圧力を読み、記録した。プラズマを点火した。一
定の出力に達したところでタイミングを開始した。処理中、通常は、プラズマが
安定化する点火後約15秒で加わる一定負荷出力が得られるように、前進出力を
再び調節した。圧力上昇を監視し、30秒及び60秒で圧力を記録した。次に、
無線周波数出力をオフにした。圧力を0.300トルに低下させながら(普通は
2〜3分を要する)モノマー供給を継続した。次に、モノマー供給弁を閉じた。
反応器を閉じた。この手順は、厚さ10〜20ナノメートルのアセトアルデヒド
プラズマポリマー層をバルク基材上に被着させた。
【0023】 プラズマ条件は次のとおりであった。上電極活性出力:ロード5ワット、前進
約35W、無線周波数125Hz、モノマー圧力0.30+/−0.005トル、
処理時間60秒
【0024】 例2:糖タンパク質の固定化 これは、還元性アミノ化を使用する、アセトアルデヒドプラズマポリマー(A
App)被覆されたバルク材料に対してコラーゲンI(Vitrogen)を固定化する
ための標準的手法である。使用したコラーゲン材料は、Vitrogen 100、min.95
%ウシコラーゲンタイプI(Collagen Corp., CA. USA.)であった。リン酸緩衝
溶液(PBS)中50マイクログラム/mlコラーゲンの溶液をpH7.4で製造
した。被着させたばかりのAApp/バルク試料をコラーゲン溶液中4℃でイン
キュベートした。過剰なナトリウムシアノボロヒドリド(SIGMA MW62.84
、min.90%、カタログ番号S8628)を加え、4℃で夜通しインキュベート
し、次いで室温で2時間インキュベートした。試料を2回すすいだのち、PBS
中にソークした。XPS分析のために、同一試料2組をMilliQ水にソークした。
コラーゲン調製物は腐敗しやすいため、無菌オートクレーブ設備(ピペットチッ
プ、ガラス器、溶液)を初めから最後まで使用した。さらに、コラーゲンIタイ
プ分子は、非酸性条件下、室温で容易にゲルを形成した。したがって、ガラス器
、溶液などは事前に冷却し、事前に冷却し、緩衝させた溶液を使用して氷の上で
作業した。
【0025】 例3:表面分析 例2の試料で計測したデータは、コラーゲンの薄層が基材上に共有結合的に固
定化されており、還元工程の後では結合強度はオートクレーブ処理に耐えるのに
十分であるが、還元なしでは、付着したコラーゲンの実質部分が剥離しかねない
ことを確認した。
【0026】 被覆処理を立証するX線光電子分光法(XPS/ESCA)によって得られた
表面分析データを提供する以下の表1〜4では、FEPは、フッ素化コエチレン
プロピレンを意味し、AAppは、アセトアルデヒドプラズマポリマーを意味す
る。
【0027】
【表1】
【0028】 表1は以下を示す。 ライン2のフッ素シグナルの不在により、アセトアルデヒドプラズマポリマー
は、Teflon基材を10nm(XPSプローブの深さである)を超える厚さまで隙間
なく均一に覆う。
【0029】 ライン2とライン3との間の窒素含量の顕著な増加により、コラーゲンIをア
セトアルデヒドプラズマポリマー上に効果的に固定化できることがわかる。窒素
シグナルは、密着したコラーゲンの単分子層に対応し、コラーゲン被膜中に有意
な隙間はない。
【0030】 固定化されたコラーゲン層は、オートクレーブ処理による剥離に対して耐性を
有するため、しっかりと(すなわち共有結合的に)付着していることがわかる。
ライン3とライン4を比較。
【0031】 還元なしでは付着効果が劣ることがわかる。ライン5は、シッフ塩基段階で、
徹底的にすすいだのち、表面に結合した状態で残ったコラーゲンIが、還元を実
施してコラーゲンIを付着させた場合(ライン3)よりも少なかったことを示す
【0032】 ライン5及び6は、シッフ塩基結合によって固定化されたコラーゲンIが、オ
ートクレーブ処理によって分子の一部を除去されやすいことを示す。これは、被
覆した試料を室温で保存する場合、ゆっくり起こる損失をいくらか予想しなけれ
ばならないことを意味する。したがって、シッフ塩基結合したコラーゲンIは、
製造と最終使用との間に長期の貯蔵寿命を要する生物医学的装置には満足ではな
いかもしれない。
【0033】 ライン7は、プラズマアルデヒド界面層なしでは、Teflon FEPに結合する
コラーゲンIが非常に非効率的であり、被覆範囲が非常に低い(単分子層よりも
ずっと低い)ことを示し、ライン8は、そのような物理的吸着分子が除去されや
すいことを示す。
【0034】
【表2】
【0035】 表2は、プラズマ被着したアクロレインポリマー膜上にコラーゲンIを同じく
完全な単分子層被覆範囲まで(すなわち、コラーゲン被膜中に有意な隙間がない
まで)固定化できることを示す。ライン4(プローブ深さが減少したかすめ角X
PS)は、コラーゲンI分子がまさに表面に位置している、すなわち、生物学的
機能が非効率的になるおそれがあるプラズマアルデヒド層の中に拡散していない
ことを示す。
【0036】
【表3】
【0037】 表3は、付着方法が、多孔質基材、この場合にはトラックエッチング膜に適用
される場合にも有効であり、他の糖タンパク質(コラーゲンIV、フィブロネクチ
ン)を本発明の方法で固定化できることを示す。
【0038】
【表4】
【0039】 表4は、本発明の方法が、眼科用のバルク材料に応用可能であり、有用である
ことを示す(例はZ−Por1.1)。上記表に比較して小さめの窒素シグナル
は、コラーゲンによる不完全な被覆範囲を示さない。これは、表面付着分子から
のXPSにおける窒素シグナルの相対的発光強度を、試料が平坦である場合と比
較して減らす、粗い多孔質基材表面トポロジーの関数である。また、この場合、
(減少した)フッ素シグナルの持続性によって示されるように、アセトアルデヒ
ドプラズマポリマー界面層を10nm未満の厚さに被着させた。
【0040】
【表5】
【0041】 100%に正規化した組織培養ポリスチレン(TCPS)に関するアッセイ。 試験方法は、J. G. Steele, G. Johnson, H. J. Griesser and P. A. Underwoo
d, Biomaterial, 18, 1541(1997)に記載のとおり。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オ ーガニゼーション COMMONWEALTH SCIENT IFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZAT ION オーストラリア国 2601 オーストラリア ン キャピタル テリトリー キャンベル ライムストーン アベニュー 番地なし (72)発明者 ブーメル,ヘリット ジャン オランダ国 エヌエル−3927 ベーエー レンスウォーデ ドルプスストラート 84 (72)発明者 シャーテリア,ロナルド クリストファー アメリカ合衆国 カリフォルニア 92126 サン ディエゴ ウェストリュー パー クウェイ 11816 アパートメント 174 (72)発明者 グリーザー,ハンス ヨルグ オーストラリア国 ビクトリア 3792 ザ パッチ ビュー ロード 20 (72)発明者 ジョンソン,グラハム オーストラリア国 ニューサウスウェール ズ 2210 ピークハースト ムーンバラ アベニュー 10 (72)発明者 マクリーン,キース マイケル オーストラリア国 ヴィクトリア 3194 マントン プラマー ロード 66 Fターム(参考) 4B065 AA90X BC41 4C081 AB01 AB11 AB21 BA12 BA13 BB08 CD112 CD122 CD172 DC05 EA02 4H045 AA40 BA53 BA62 EA34 EA60 FA81

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着性糖タンパク質をバルク材料の表面にカップリングさせ
    る方法であって、 a)揮発性アルデヒドの層をガスプラズマ雰囲気からバルク材料の表面に被着
    させる工程と、 b)バルク材料上にそのように形成した層を、アミノ基を有する細胞接着性糖
    タンパク質と接触させる工程と、 c)最初に形成した−CH=N−結合を還元剤の存在下で−CH2−NH−結
    合に転換することにより、被着させたアルデヒド層のカルボニル基への糖タンパ
    ク質のアミノ基のカップリングを強化する工程と、 を含む方法。
  2. 【請求項2】 該アルデヒドが、炭素原子9個まで、好ましくは炭素原子2
    〜4個を含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該アルデヒドがアセトアルデヒドである、請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 該細胞接着性糖タンパク質が、コラーゲン、フィブロネクチ
    ン、ビトロネクチン及びラミニンから選択される、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該細胞接着性糖タンパク質がコラーゲンである、請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 アミノ基を有する細胞接着性糖タンパク質がカップリングす
    る少なくとも一つの表面を有するバルク材料を含む細胞増殖材料であって、該ア
    ミノ基が、還元剤の存在で−CH2−NH−結合に転換されている最初に形成し
    た−CH=N−基を介して、ガスプラズマ雰囲気から該バルク材料の表面に被着
    された、揮発性アルデヒドの層のアルデヒド基に共有結合的に結合していること
    を特徴とする細胞増殖材料。
JP2000582532A 1998-11-13 1999-11-12 カップリングしたペプチド Withdrawn JP2002530292A (ja)

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