JPH052679U - 釣り用リールの軸支構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプールのフリー回転時及び投げ釣り時のス
プール回転抵抗の低減を図る。 【構成】 スプール４と一体回転するスプール軸１２の
両端をベアリング２６，２６で支持するとともに、ベア
リング２６のインナレース内周面２６Ａの軸芯長を、イ
ンナレース内周面２６Ａに支持されるスプール軸１２の
被受け止め面１２Ｂの軸芯長よりも長くしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は糸を巻き取る回転体を軸受けで支持する釣り用リールの軸支構造に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、糸を巻き取る回転体を軸受けで支持するに、回転体としてのスプールを スプール軸に一体回転可能に装着し、スプール軸の軸支部を軸受けで支持する形 態を採っており、軸受けとしてのベアリングにおけるインナレース内周面の全面 に亘って、スプール軸の軸支部の外周面が接触していた（実開平１−１４０２６ １号公報）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

つまり、軸受けの受け止め可能な面としてのインナレース内周面に対してスプ ール軸の軸支部が全面当たりしているので、次のような問題があった。軸受けと スプール軸の軸支部との回転形態について検証した結果、例えば、スプールのみ を糸を装着せずにフリー回転させる場合や、投げ釣り時に仕掛をキャスティング する場合等の軽負荷回転では、軸受けのインナレースがアウタレースに対して相 対回転するわけではなく、スプール軸の軸支部とインナレース内周面との間で相 対回転が起こっている、ことが判明した。この傾向は特に、軽負荷・低回転時に 顕著である。 したがって、インナレースの内周面全面に亘ってスプール軸の軸支部が支持さ れていると、回転抵抗が大きく、抵抗を低減する改善の余地が残されていた。 本考案の目的は回転体の軸支部に簡単な改造を施すことによって、回転抵抗を 低減し、フリー回転時のより軽快な回転作動及び投げ釣り時の飛距離向上を図れ るものを提供する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案による特徴構成は糸を巻き取る回転体の軸支部を軸受けで支持するとと もに、前記軸受けにおける受け止め可能な面の面積を、前記回転体軸支部におけ る被受け止め面の面積よりも大きくしてある点にあり、その作用効果は次の通り である。

【０００５】

【作用】

つまり、軸受けの受け止め面の面積よりも小さな面積であるところの回転体軸 支部における被受け止め面で、軸受けの受け止め面との間において相対回転する ので、相対回転する接触面がその小さな限られた面に限定され、軸受けの受け止 め面全面に接触する従来構成に比べて回転抵抗を低減できる。

【０００６】

【考案の効果】

したがって、フリー回転時においてより軽快な回転作動を得ることができ、釣 り用リールとしての基本性能及び製品価値を高めることができるとともに、投げ 性能も併せて高めることができ、操作性の良さも奏することができた。

【０００７】

【実施例】

図１、図２、及び、図４に示すように、略円形の左右サイドボデイ１、２に亘 って、サムレストとして使用される連結フレーム３を掛け渡すとともに、回転体 としてのスプール４を掛け渡し、スプール４の下方に前後一対のロアーフレーム ５，５を掛け渡して、リール本体を構成する。ロアーフレーム５，５に、釣り竿 のリールシートに対する脚部６を取り付けるとともに、右サイドボデイ２に、ス プール伝動系のクラッチ操作具７、ドラグ操作具８、糸巻上げハンドル９を軸支 して、釣り用リールを構成してある。

【０００８】 ロアーフレーム５，５と脚部６との取り付け構造について説明する。図４に示 すように、両者５，６の間に金属製の補強板１０を挟み、ロアーフレーム５から 脚部６までを一体的に貫通する頭付ピン１１を挿通し、脚部６の下面で面一とな るように頭付ピン１１の先端をカシメ処理し、補強板１０で釣り竿への取り付け 強度を向上させている。頭付ピン１１の先端処理としては螺子止め構造を採用し てもよい。 頭付ピン１１の頭部１１Ａをお碗状に丸め、糸の巻き付きを回避する形状にし てある。

【０００９】 スプール伝動系の構造について説明する。図２及び図３に示すように、左右サ イドボデイ１、２に亘って、スプール４を一体回転可能に支持するスプール軸１ ２を架設するとともに、スプール軸１２と平行にメイン軸１３を右サイドボデイ ２に支持してある。このメイン軸１３にドラグ操作具８及び糸巻き取り操作具９ を装着するとともに、多板摩擦式のドラグ装置１４を装着し、ドラグ装置１４の 出力ギヤ１４Ａを、スプール軸１２に遊嵌したクラッチスリーブ１５のギヤ部１ ５Ａに咬合させて、メイン軸１３からスプール軸１２への動力伝達経路を形成し ている。図中１６は逆転防止用のラチェットであり、１７はレベルワインド機構 Ａへの出力ギヤである。

【００１０】 スプール伝動系のクラッチ構造について説明する。図２及び図３に示すように 、クラッチスリーブ１５をスプール軸１２にその軸芯方向にスライド移動自在に 遊嵌するとともに、クラッチスリーブ１５の横側面に凹入部１５Ｂを形成し、凹 入部１５Ｂに対応するスプール軸１２の外周面に二つの係合ピン１２Ａ，１２Ａ を突設し、凹入部１５Ａと係合ピン１２Ａとの係合によって、クラッチ入り状態 を現出し、クラッチスリーブ１５をスライド移動させて係合ピン１２Ａとの係合 を解除すると、クラッチ切り状態を現出できる。 クラッチスリーブ１５に係合してクラッチスリーブ１５を駆動するクラッチヨ ーク１８を設け、クラッチヨーク１８を平行支軸１９，１９にスライド移動自在 にかつクラッチ入り状態に付勢するバネ２０，２０を介在させて取り付けてある 。クラッチヨーク１８に隣接してリングカム体２１をスプール軸１２に外嵌する とともに、リングカム体２１をスプール軸芯周りで揺動可能に枢支し、リングカ ム体２１の周面にカム面２１Ａ，２１Ａを設け、リングカム体２１の揺動によっ てカム面２１Ａでクラッチヨーク１８を駆動するように構成してある。

【００１１】 リングカム体２１に第１トッグルバネ２２を作用させ、そのリングカム体２１ をクラッチ入り位置に対応した位置とクラッチ切り位置に対応した位置に切り換 え付勢できるようにしてある。又、リングカム体２１にピン２１Ｂを立設し、一 方クラッチ操作具７より右サイドボデイ２内に突出ピン７Ａを突設し、両ピン７ Ａ，２１Ｂをレリーズワイヤ２３で一体作動可能に連結する。クラッチ操作具７ を上端操作位置に設定するとクラッチ入り状態を現出でき、クラッチ操作具７を 下端操作位置まで押し下げ操作しその下端操作位置に設定するとクラッチ切り状 態を現出できる。リングカム体２１とクラッチ操作具７とをレリーズワイヤ２３ で連結する構成をとることによって、操作力の伝達方向を任意に選定でき、部品 配置の制約が少ない。さらに、リングカム体２１に戻しアーム２４を取り付け、 戻しアーム２４に立設したピン２４Ａをクラッチ切り状態でラチェット１６の回 転作動範囲に臨ませ、糸巻上げハンドル９の巻上げ操作によって、戻しアーム２ ４を介してリングカム体２１をクラッチ入り状態に自動的に戻すべく構成してあ る。図中２５は戻しアーム２４に作用する第２トグルバネである。

【００１２】 図１及び図２に示すように、スプール軸１２を左右サイドボデイ１，２に装着 された軸受けとしての転がり型のベアリング２６，２６で支持するとともに、ベ アリング２６のインナレース内周面２６Ａに接触支持されるスプール軸１２の被 受け止め面１２Ｂを、インナレースの軸芯長よりも短い幅に形成してある。つま り、受け止め可能な面としてのインナレース内周面２６Ａの面積よりも被受け止 め面１２Ｂの面積を小さな面積に設定し、スプール軸１２の回転抵抗を低減する 構成を採っている。ここに、スプール軸１２を回転体の軸支部と称する。

【００１３】 〔別実施例〕 スプール軸１２を特に設けることなく、スプール４の一部を一体的に回転体 軸支部として延出してもよい。 被受け止め面１２Ｂとしては、スプライン状にスプール軸芯に沿った溝をも うけてもよい。 軸受け２６としては転がり型の軸受けだけではなく、滑り軸受けであっても よい。 回転体軸支部１２の被受け止め面１２Ｂを軸受けのアウタレース外周面に外 嵌してもよい。

【００１４】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】左サイドボデイ部分を示す横断平面図

【図２】右サイドボデイ部分を示す横断平面図

【図３】右サイドボデイ部分を示す縦断側面図

【図４】リールの背面図

【符号の説明】

４ 回転体 １２ 軸支部 １２Ｂ 被受け止め面 ２６ 軸受け ２６Ａ 受け止め可能な面

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 糸を巻き取る回転体（４）の軸支部（１
   ２）を軸受け（２６）で支持するとともに、前記軸受け
   （２６）における受け止め可能な面（２６Ａ）の面積
   を、前記回転体軸支部（１２）における被受け止め面
   （１２Ｂ）の面積よりも大きくしてある釣り用リールの
   軸支構造。