JP3045338U

JP3045338U - 円筒型リールの構造

Info

Publication number: JP3045338U
Application number: JP1997006166U
Authority: JP
Inventors: 保國朴
Original assignee: 株式会社銀星社
Priority date: 1997-07-15
Filing date: 1997-07-15
Publication date: 1998-01-27
Anticipated expiration: 2003-07-15

Abstract

(57)【要約】【課題】ピニオンギアの係止溝にスプール軸のピンが
円滑に係合するようにした円筒型リールの構造を提供す
る。【解決手段】スプール軸２のピン孔２ａに嵌着される
ピン８の一端には円柱状頭部８ａを設け、他端部８ｂに
は中空ローラ９を回転可能に取り付け、突出するピン８
の長さを常に一定になるようにし、ピニオンギア４の端
部１０との当接時の摩擦抵抗を低減し、ピニオンギア４
の係止溝４ａに円滑に係合するようにし、円滑な回転伝
達が可能となり、釣り糸の引き出しあるいは取込みを極
めてスムーズに行なうことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、釣り竿に取り付けられる円筒型リール、特に、釣り糸の引き出しあるいは取込みが極めてスムーズに行なうことができる円筒型リールの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、釣り竿に取り付けて使用されるリールには、スピニングタイプやマルチプルタイプ等があるが、このマルチプルタイプのリールは、両軸受型リールあるいは円筒型リールとも称され、一般的には深場用あるいは大物釣り用として用いられている。

【０００３】この円筒型リールは、ハンドルにより回転される駆動軸と、当該駆動軸の軸線と平行軸線のスプール軸とを有し、このスプール軸には、外周面に釣糸が卷回されるスプールが取り付けられている。

【０００４】そして、この円筒型リールでは、ハンドルの回転が駆動軸を介してスプール軸に伝達されてスプールに糸を取り込む一方、釣り糸を水面の上に投げて糸を出す時には、スプール側の回転がハンドル側に伝達しないように構成されている。

【０００５】つまり、従来から、駆動軸側に設けられた駆動ギアと、スプール軸側に設けられたピニオンギアとを噛み合わせるとともに、このピニオンギアとスプール軸の軸孔に差し込まれた結合ピンとを転換レバーにより選択的に係合するように構成し、駆動軸の回転をスプールに伝達する場合には、転換レバーを操作してピニオンギアとスプール軸の結合ピンとを係合させ、スプール側の回転をハンドル側に伝達しないようにする場合には、転換レバーを操作してピニオンギアとスプール軸の結合ピンとを係合させないようにしている。

【０００６】これによりハンドル側からの回転力は、当該駆動軸、駆動ギア及びピニオンギアを介してスプール軸に伝達され、また転換レバーによりピニオンギアと結合ピンとの係合を解くと、スプール軸の回転力は、駆動軸を介してハンドルには伝達されないようになる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従来から使用してきた円筒リールのスプール軸と結合ピンの構造は、スプール軸側には、当該スプール軸の一端部位に軸線と直交するようにピン孔を開設し、このピン孔に結合ピンが嵌着され、一方ピニオンギア側には、当該ピニオンギアの端部に前記結合ピンが嵌合される係止溝が形成されたものであり、この係止溝に結合ピンが嵌合したときに回転伝達が行なわれるようにしている。

【０００８】ところが、ピニオンギアを結合ピンと結合するように移動すると、結合ピンは係止溝に嵌合するまで、ピニオンギアの端部表面に当接した状態で表面に沿って摺動するので、摩擦が発生し、両者が連れ回転するか、円滑に嵌合状態を得ることができないという不具合がある。

【０００９】また、回転スピードによっては、ピニオンギアの係止溝を結合ピンが通り過ぎ、結合ピンとピニオンギアの係止溝が迅速に嵌合されない。

【００１０】さらに、結合ピンの突出長さが一定でない場合には、これが原因して誤動作と故障を起こす虞れもある。

【００１１】本考案は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ピニオンギアの係止溝にスプール軸のピンが円滑に係合するようにした円筒型リールの構造を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための本考案は、側板フレームに、スプールを回転するためのスプール軸と、ハンドルにより駆動される駆動軸とを支持ベアリングを介して回転可能に支持し、前記スプール軸の一端に当該スプール軸の軸線に直交するように設けられた結合ピンと、当該スプール軸の突出端部に取り付けられたピニオンギアの端部の係止溝とを、該ピニオンギアを転換レバーにより移動することにより選択的に係合するようにした円筒型リールにおいて、前記結合ピンの一端に円柱状頭部を設け、他端部に当該結合ピンを中心として回転可能とされた中空ローラを設け、これら円柱状頭部と中空ローラが前記ピニオンギアの係止溝に係合するようにしたことを特徴とする。

【００１３】このようにすれば、結合ピンの突出長さが一定となり、摩擦抵抗も低減されるので、結合ピンがピニオンギアの端部と結合されるときあるいは係合した後に回転する場合には、円滑な回転となり、釣り糸の引き出しあるいは取込みを極めてスムーズに行なうことができる。

【００１４】また、前記ピニオンギアの、結合ピンと係合する端部を、テーパ状端部とすれば、ピニオンギアと係合した後の結合ピンを比較的簡単に外すこともできる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は本考案に係る一実施の形態を示す縦断面図、図２は同実施の形態の要部を示す縦断面図、図３は同実施の形態の要部の分解斜視図、図４は同実施の形態のスプール軸に結合ピンの結合状態を示す断面図である。

【００１６】図１に示すように、本実施の形態に係る円筒型リールは、側板フレーム１を有し、この側板フレーム１には、スプール軸２と駆動軸３がそれぞれ支持ベアリング１２等を介して回転可能に支持されている。

【００１７】スプール軸２には、突出端部２ｂが設けられ、この突出端部２ｂには、ピニオンギア４が設けられ、このピニオンギア４は、転換レバー５により突出端部２ｂの軸線に沿って移動し得るように構成されている。

【００１８】また、駆動軸３の端部には、ハンドル７が取り付けられ、このハンドル７を回転することにより駆動軸３を介して駆動ギア６を回転し、この駆動ギア６に噛合された前記ピニオンギア４を駆動するようにしている。

【００１９】また、スプール軸２の端部には、軸線に直交するようにピン孔２ａが開設され、このピン孔２ａには結合ピン８が差し込まれている。この結合ピン８は、前記ピニオンギア４の端部に形成された係止溝４ａと係合されるようになっている。

【００２０】特に、本実施の形態の結合ピン８は、図２に示すように、一端に大径の円柱状頭部８ａを有し、他端部８ｂが当該スプール軸２のピン孔２ａより突出されているが、この他端部８ｂには、中空ローラ９が回転可能に設けられている。この中空ローラ９の取り付けは、どのような方法であっても良いが、例えば、スプール軸２の一端のピン孔２ａに結合ピン８を差し込むとともに、他端部８ｂに中空ローラ９を差し込んだ後に、結合ピン８の端部をポンチ等により打撃することにより結合ピン８の端部を多少広げるカシメ固定により行なう方法が好ましい。

【００２１】これによりスプール軸２のピン孔２ａの一端から結合ピン８を挿入すると、大径の円柱状頭部８ａがスプール軸２に当接し、他端部８ｂがピン孔２ａから一定量突出することになるので、この突出した部分に中空ローラ９を取り付けると、結合ピン８は、突出長さが一定に維持され、また係合溝４ａとの摩擦抵抗の少ないものとなる。

【００２２】一方、ピニオンギア４の端部には、図３に示すように、テーパ面部１０が形成され、結合ピン８と係止溝４ａとの係合−離脱をより円滑に行なうことができるように構成している。

【００２３】なお、図中、符号「１０」はピニオンギアの側壁、「１１」は遠心ブレーキ、「１３」は蓋体である。

【００２４】次に、作用を説明する。まず、糸を巻き取る場合には、転換レバー５により結合ピン８と係止溝４ａとを係合させた状態とする。

【００２５】つまり、転換レバー５を、ピニオンギア４の係止溝４ａがスプール軸２の結合ピン８と連結されるように移動すると、ピニオンギア４がスプール軸２の突出端部２ｂに沿って移動しつつピニオンギア４のテーパ面部１０が結合ピン８の円柱状頭部８ａと中空ローラ９に当たる。

【００２６】このとき、ピニオンギア４のテーパ面部１０とピン８の円柱状頭部８ａや中空ローラ９の間には、摩擦が生じるが、中空ローラ９は、結合ピン８を中心に回転しつつピニオンギア４のテーパ面部１０上を転動するので、当該中空ローラ９は、一種の軸受メタルの機能を発揮することになり、ここの摩擦抵抗は低減し、円滑に回転する。

【００２７】この結合ピン８が、ピニオンギア４の係止溝４ａに至ると、円柱状頭部８ａと中空ローラ９が係止溝４ａに嵌まり、ピニオンギア４とスプール軸２は結合され、駆動ハンドル７の回転力がスプール軸２に伝達される。特に、この結合ピン８の他端部８ｂは、中空ローラ９により一定の突出量が確保されるので、結合ピン８は、ピン孔２ａに対して常に確実に突出した状態となり、係止溝４ａとの係合が保証される。

【００２８】この回転は、駆動軸３及び駆動ギア６を介してピニオンギア４に伝達され、さらに、結合ピン８及びスプール軸２を介してスプールが回転され、糸が巻き取られる。ただし、この係止溝４ａと結合ピン８と連結された状態で回転すると、従来のものでは、ピン８とピニオンギア４の側壁１０の間にはひどい摩擦が発生するが、本実施の形態では、ピン８の一端に構成される中空ローラ９により摩擦力を低減されるので、回転伝達も円滑に行なわれる。

【００２９】また、釣り糸を水面の上に投げて糸を出す場合には、転換レバー５によりピニオンギア４の係止溝４ａと結合ピン８との連結を解除する。

【００３０】この解除時には、転換レバー５でピニオンギア４を図１において右方向に移動するが、ピニオンギア４にはテーパ面部１０が形成されているので、結合ピン８は係止溝４ａから比較的簡単に外すことができる。

【００３１】結合ピン８が係止溝４ａから外れると、スプールを回転させつつ釣り糸は引き出されるが、このスプールの回転は、単にスプール軸２を回転させるのみで、ピニオンギア４や駆動軸３等には伝達されることはない。

【００３２】本考案は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲内で種々改変することができる。

【００３３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案は、スプール軸の一端に、ピニオンギアの端部と選択的に係合する結合ピンが設けられた円筒型リールにおいて、当該結合ピンのピン孔からの突出量が一定になり、また結合ピン一端を円柱状頭部とし、他端部に中空ローラを取り付けているので、ピニオンギアの端部との係合時あるいは回転時に生じる摩擦抵抗を低減し、釣り糸の引き出しあるいは取込みを極めてスムーズに行なうことができる。

【００３４】また、前記ピニオンギアの、結合ピンと係合する端部を、テーパ状端部とすれば、ピニオンギアと係合した後の結合ピンを比較的簡単に外すこともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る一実施の形態を示す縦断面図で
ある。

【図２】同実施の形態の要部を示す縦断面図である。

【図３】同実施の形態の要部の分解斜視図である。

【図４】同実施の形態のスプール軸に結合ピンの結合
状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１…側板フレーム、２…スプール軸、２ａ…ピン孔、２ｂ…突出端部、３…駆動軸、４…ピニオンギア、４ａ…係止溝、５…転換レバー、６…駆動ギア、７…ハンドル、８…結合ピン、８ａ…円柱状頭部、８ｂ…他端部、９…中空ローラ、１０…テーパ状端部、１２…支持ベアリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】側板フレーム(1）に、スプールを回転す
るためのスプール軸(2）と、ハンドル(7）により駆動さ
れる駆動軸(3）とを支持ベアリング(12)を介して回転可
能に支持し、前記スプール軸(2）の一端に当該スプール
軸(2）の軸線に直交するように設けられた結合ピン(8）
と、当該スプール軸(2）の突出端部(2b)に取り付けられ
たピニオンギア(4）の端部の係止溝(4a)とを、該ピニオ
ンギア(4）を転換レバー(5）により移動することにより
選択的に係合するようにした円筒型リールにおいて、前記結合ピン(8）の一端に円柱状頭部(8a)を設け、他端
部(8b)に当該結合ピン(8）を中心として回転可能とされ
た中空ローラ(9）を設け、これら円柱状頭部(8a)と中空
ローラ(9）が前記ピニオンギア(4）の係止溝(4a)に係合
するようにしたことを特徴とする円筒型リールの構造。
【請求項２】前記ピニオンギア(4）は、前記結合ピン
(8）と係合する端部を、テーパ状端部(10)としたことを
特徴とする請求項１に記載の円筒型リールの構造。