JP3006902U - 魚釣用リ−ルの逆転防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一方向クラッチの外輪を軟質材を介してリ−
ル本体の支持部内に回り止め嵌着してガタ発生を防止す
ると共に、外輪を覆う軟質材の少なくとも外側に向けた
一側を径方向内方へ突設して防塵し、ころがり式一方向
クラッチの作動を円滑に行わせることができること。 【構成】 リ−ル本体１の側部となるリ−ル側板２の軸
受24より内側に凹部からなる支持部2bが形成されて支持
部2b内の駆動軸５の外周にころがり式一方向クラッチＡ
の内輪26が回り止め嵌合されている。リ−ル側板２の凹
部からなる支持部2bの形状は、支持部2bの内周面に外輪
７の外周の複数個の回り止め部7aに相似形の凹部2cが形
成されている。リ−ル側板２の支持部2b内にはころがり
式一方向クラッチＡの外輪７外周がゴムなどの軟質材８
で覆われて圧入されて回り止め嵌着されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、リ−ル本体に回転可能に支持された駆動軸の一方向の回転を許容 すると共に、他方向の回転を阻止する魚釣用リ−ルの逆転防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、魚釣用リ−ルの逆転防止装置として、釣糸繰出し方向、つまり逆転時の 空転量を少なくして、魚信時のフッキング操作性の向上を図るようにしたものと して、ころがり式一方向クラッチを駆動軸とリ−ル本体との間に設けたものが例 えば実開平４−94970 号公報で知られている。 しかしながら、非円形に形成した一方向クラッチの外輪外周をリ−ル本体の筒 状部内に回り止め嵌合する構成上、一方向クラッチの外輪外周に形成した回り止 め部とリ−ル本体の筒状部内との間に、部品の寸法精度及び加工上の誤差により 、ガタが発生し易く、そのため一方クラッチ全体の回転方向のガタ発生となり、 逆転時の空転量の少ないころがり式一方向クラッチの特徴を相殺してしまう問題 がある。

【０００３】 更にこの種の魚釣用リ−ルは、海水、水、ゴミ、砂、他の異物等を付着してい る釣糸をスプ−ルに巻取ったり、釣り場の状況により、海水、水がリ−ル全体に かぶったり等、非常に厳しい環境で使用されるのが現状である。 しかしながら、ころがり式一方向クラッチのハンドル側が開放されていると、 この開放側から海水、水分、ゴミ、砂等が侵入して付着し易く、そのため、ころ がり式一方向クラッチの作動が円滑に行われない問題が発生していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、一方向クラッチの外輪外周に形成した回り止め部 とリ−ル本体の筒状部内との間に、部品の寸法精度及び加工上の誤差により、ガ タが発生し易く、そのため一方クラッチ全体の回転方向のガタ発生となり、逆転 時の空転量の少ないころがり式一方向クラッチの特徴を相殺してしまう問題があ る。 更にころがり式一方向クラッチのハンドル側が開放されていると、この開放側 から海水、水分、ゴミ、砂等が侵入して付着し易く、そのため、ころがり式一方 向クラッチの作動が円滑に行われない問題が発生することである。

【０００５】 本考案の目的は前記欠点に鑑み、一方向クラッチの外輪を軟質材を介してリ− ル本体の支持部内に回り止め嵌着してガタ発生を防止すると共に、外輪を覆う軟 質材の少なくとも外側に向けた一側を径方向内方へ突設して防塵し、ころがり式 一方向クラッチの作動を円滑に行わせることができる魚釣用リ−ルの逆転防止装 置を提供することである。

【０００６】

【問題を解決するための手段】

この考案は、かかる目的を達成するために、 請求項１に係わる考案は、一方向の回転を許容し、他方向の回転を阻止するこ ろがり式一方向クラッチをリ−ル本体とハンドルで連動回転する駆動軸との間に 設けた魚釣用リ−ルの逆転防止装置において、前記一方向クラッチの外輪を軟質 材を介して前記リ−ル本体の支持部内に回り止め嵌着したことを要旨とするもの である。 請求項２に係わる考案は、前記軟質材で前記一方向クラッチの外輪の外周を覆 うと共に、該軟質材の少なくともハンドル側の一側を径方向内方へ突設して前記 駆動軸外周が緩く接触して挿通する孔明き有底筒状に形成したことを要旨とする ものである。 請求項３に係わる考案は、前記軟質材で前記一方向クラッチの外輪の外周を覆 うと共に、該軟質材の少なくとも外側に向けた一側を径方向内方へ突設して前記 駆動軸外周が緩く接触して挿通する上下二つ割に形成したことを要旨とするもの である。 請求項４に係わる考案は、前記軟質材で前記一方向クラッチの外輪の外周を覆 うと共に、該軟質材の少なくともロ−タ−側の一側を径方向内方へ突設して前記 駆動軸外周が緩く接触して挿通する孔明き有底筒状に形成したことを要旨とする ものである。

【０００７】

【作用】

請求項１に係る魚釣用リ−ルによれば、リ−ル本体１のリ−ル側板２の支持部 2b、2d内やリ−ル本体１′の支持部1a、1b内に挿入されたころがり式一方向クラ ッチＡは、外輪７が軟質材８で覆われて圧入され、軟質材８は圧縮されてその反 発力で回り止め嵌着されてガタ発生が防止される。 ガタ発生が防止されると棒状ころがり部材31のクサビ作用による逆転時の遊度 が少ないこととあわせて極めて敏速にスプ−ル17やロ−タ−38の逆回転が停止さ れる。 請求項２に係る魚釣用リ−ルによれば、ころがり式一方向クラッチＡは、外輪 ７が軟質材８で覆われて底面8b側がハンドル29、45側に向けられて支持部2b、2d 内に圧入され、かつ一側底面8b側は径方向内方へ突設して透孔8cが穿設されて駆 動軸５外周に回り止め嵌合された内輪26外周に緩く接触して挿通されているので 、ハンドル29側の軸受24を通して侵入する海水、水分、ゴミ、砂等はころがり式 一方向クラッチＡ内に侵入し難く、ゴミ、砂等が棒状ころがり部材31などに付着 し難くなってころがり式一方向クラッチＡの作動が円滑に行われる。 請求項３に係る魚釣用リ−ルによれば、ころがり式一方向クラッチＡの外輪７ が二つ割の軟質材８′、８″で覆われて収容された回り止め部材９が支持部2d内 に挿入される時、両者の外形が小判形に形成されているので回り止め嵌着され、 二つ割の軟質材８′、８″が外輪７で圧縮されてその反発力でガタ発生が防止さ れる。 請求項４に係る魚釣用リ−ルによれば、ころがり式一方向クラッチＡは、外輪 ７が軟質材８で覆われて底面8b側がロ−タ−38側に向けられて支持部1a内に圧入 され、かつ一側底面8b側は径方向内方へ突設して透孔8cが穿設されて駆動軸５′ 外周に緩く接触して挿通されているので、ロ−タ−38側の軸受35を通して侵入す る海水、水分、ゴミ、砂等はころがり式一方向クラッチＡ内に侵入し難く、ゴミ 、砂等が棒状ころがり部材31などに付着し難くなってころがり式一方向クラッチ Ａの作動が円滑に行われる。

【０００８】

【実施例】

以下、図示の実施例によって本考案を説明すると、図１から図４は第１実施例 で魚釣用リ−ルを魚釣用両軸受型リ−ルで述べれば、図１は魚釣用両軸受型リ− ルの要部断面平面図、図２は魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断面平面図、図３ はリ−ル本体ところがり式一方向クラッチの要部断面正面図、図４は軟質材の斜 視図である。

【０００９】 リ−ル本体１の左右両側枠10、11と支柱12とリ−ル脚13の固定板14と指載せ杆 15が一体的に、かつ左右両側枠10、11が平行に保持されている。 左右両側枠10、11の外側には夫々リ−ル本体１の側部を構成するリ−ル側板16 、２が取り付けられている。 両側枠10、11間にはスプ−ル17が回転可能に支持され、スプ−ル17が固定され たスプ−ル軸３は側枠10側の図示しない一方の軸受と側枠11側の他方の軸受18と リ−ル側板２に取り付けられた軸受19で回転可能に支持されている。 スプ−ル軸３の細径部3aにはピニオン20が軸方向に摺動自在に嵌合されてスプ −ル軸３の係合部3bとピニオン20の係合部20a が係合・離脱可能に構成されてい る。 ピニオン20には駆動軸５に回り止め嵌合された駆動歯車６が噛合されている。 リ−ル側板２の軸受19の外側には軸筒部2aが突出形成されて外周に雄螺子が形 成されている。 雄螺子にはカバ−ツマミ21が螺合され、カバ−ツマミ21の内側底面にスラスト 軸受22が固定されてスプ−ル軸３の細径部3aの他端3cが当接されている。

【００１０】 駆動軸５は右側枠11に設けられた軸受23とリ−ル側板２に取り付けられた軸受 24で軸承され、軸受23側の駆動軸５の一端鍔部5aは止め板25で抜け止めされてい る。 リ−ル側板２の軸受24より内側に凹部からなる支持部2bが形成されて支持部2b 内の駆動軸５の外周にころがり式一方向クラッチＡの内輪26が回り止め嵌合され ている。 駆動軸５に回り止め嵌合された駆動歯車６は駆動軸５の鍔部5bに当接され、駆 動軸５の外周の駆動歯車６と内輪26の間にはカラ−27が嵌合されている。 駆動軸５の外周の軸受24の外側にはカラ−28が嵌合されて駆動軸５の他端5cに はハンドル29がナット30で取り付けられている。

【００１１】 ころがり式一方向クラッチＡは、内輪26と内輪26の外周に回転可能に載せられ た複数個の棒状ころがり部材31と外輪７と合成樹脂材の保持体32と発条33とで構 成されている。 外輪７は孔明き有底筒状に形成されて外周には複数個の回り止め部7aが突出形 成され、内周面7bには凹部からなる棒状ころがり部材31の自由回転域αと傾斜面 からなる棒状ころがり部材31が当接されて回転が阻止される阻止面βが構成され ている。 図面では外輪７の開口側に蓋34が図示されている。 保持体32の複数個の貫通孔には複数個の棒状ころがり部材31が挿入されて保持 されると共に、発条33で押圧付勢されている。

【００１２】 リ−ル側板２の凹部からなる支持部2bの形状は、支持部2bの内周面に外輪７の 外周の複数個の回り止め部7aに相似形の凹部2cが形成されている。 リ−ル側板２の支持部2b内にはころがり式一方向クラッチＡの外輪７外周がゴ ムなどの軟質材８で覆われて圧入されて回り止め嵌着されている。 軟質材８は筒部8aと一側底面8bと底面8bの中心に穿設された透孔8cとで孔明き 有底筒状に形成されている。

【００１３】 リ−ル側板２の支持部2b内にころがり式一方向クラッチＡが挿入される時は、 先ず筒部8aの内側にころがり式一方向クラッチＡが挿入されて内周面8dに外輪７ が接触して外輪７が覆われる。 この挿入で一側底面8b側は径方向内方へ突設して透孔8cが穿設されているので 、駆動軸５外周に回り止め嵌合された内輪26外周に緩く接触して挿通される。 次に底面8b側がハンドル29側に向けられて支持部2b内に軟質材８で覆われたこ ろがり式一方向クラッチＡが圧入される。 この時軟質材８が圧縮されて圧入される。

【００１４】 魚釣用両軸受型リ−ルの動作は、スプ−ル17に図示しない釣糸が巻回される方 向にハンドル29が回転されると、図３で駆動軸５と内輪26が反時計方向に回転さ れる。 この回転でころがり式一方向クラッチＡの棒状ころがり部材31は自由回転域α に位置されて駆動軸５と内輪26と駆動歯車６とピニオン20とスプ−ル軸３とスプ −ル17が正回転される。

【００１５】 次に魚釣用両軸受型リ−ルの逆転防止動作は、獲物の引きでスプ−ル17に巻回 された図示しない釣糸が繰り出されると、スプ−ル17が逆回転され、この回転で 駆動軸５と内輪26が図３で時計方向に逆回転される。 駆動軸５と内輪26が逆回転されると、ころがり式一方向クラッチＡの棒状ころ がり部材31が自由回転域α位置から阻止面β位置に移動されて当接され、棒状こ ろがり部材31のクサビ作用で外輪７に対して内輪26の逆回転が阻止される。 このことでスプ−ル17の逆回転が停止される。 更にこの時、棒状ころがり部材31のクサビ作用による逆転時の遊度が少ないこ とから敏速にスプ−ル17の逆回転が停止される。

【００１６】 リ−ル側板２の支持部2b内に挿入されたころがり式一方向クラッチＡは、外輪 ７が軟質材８で覆われて圧入され、軟質材８は圧縮されてその反発力で回り止め 嵌着されてガタ発生が防止される。 ガタ発生が防止されると棒状ころがり部材31のクサビ作用による逆転時の遊度 が少ないこととあわせて極めて敏速にスプ−ル17の逆回転が停止される。 又、ころがり式一方向クラッチＡは、外輪７が軟質材８で覆われて底面8b側が ハンドル29側に向けられて支持部2b内に圧入され、かつ一側底面8b側は径方向内 方へ突設して透孔8cが穿設されて駆動軸５外周に回り止め嵌合された内輪26外周 に緩く接触して挿通されているので、ハンドル29側の軸受24を通して侵入する海 水、水分、ゴミ、砂等はころがり式一方向クラッチＡ内に侵入し難く、ゴミ、砂 等が棒状ころがり部材31などに付着し難くなってころがり式一方向クラッチＡの 作動が円滑に行われる。

【００１７】 前記説明では、ころがり式一方向クラッチＡの外輪７は孔明き有底筒状で一側 開口側に蓋34を設けたが、リング状で蓋なしでもよい。 前記説明では、軟質材８の透孔8cが駆動軸５外周に回り止め嵌合された内輪26 外周に緩く接触して挿通されているが、駆動軸５外周に直接透孔8cが緩く接触し て挿通されるようにしてもよい。 前記説明では、外側に軸受24を、内側に軟質材８で外輪７が覆われたころがり 式一方向クラッチＡを配置したが、軸受24を内側に配置してもよい。 前記説明では、ころがり式一方向クラッチＡによって駆動軸５が常に一方向に のみ回転される構成で述べたが、別にクラッチ機構を追加して使用状態によって は両方向回転と一方向回転を選択可能としてもよい。 前記説明では、駆動歯車６は駆動軸５に回り止め嵌合したが、制動力が掛けら れるように構成してもよい。

【００１８】 前記のように魚釣用両軸受型リ−ルの逆転防止装置が構成されると、ガタ発生 が防止され、棒状ころがり部材31のクサビ作用による逆転時の遊度が少ないこと とあわせて極めて敏速にスプ−ル17の逆回転が停止される。 又、ころがり式一方向クラッチＡの外輪７が軟質材８で覆われて底面8b側がハ ンドル29側に向けられて支持部2b内に圧入されて防塵され、ころがり式一方向ク ラッチＡ内に侵入し難く、ゴミ、砂等が棒状ころがり部材31などに付着し難くな ってころがり式一方向クラッチＡの作動が円滑に行われる。

【００１９】 図５から図７は第２実施例で魚釣用リ−ルを魚釣用両軸受型リ−ルで述べれば 、図５は魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断面平面図、図６はリ−ル本体ところ がり式一方向クラッチの要部断面正面図、図７は軟質材が収容された回り止め部 材の分解斜視図である。

【００２０】 第２実施例ではリ−ル側板２に前記第１実施例の支持部2bより大きい小判形の 凹部からなる支持部2dが形成されている。 支持部2d内には回り止め部材９が挿入されている。 回り止め部材９内には二つ割の軟質材８′、８″が収容され、その中にころが り式一方向クラッチＡが収容されている。 回り止め部材９は二つ割の一側カップ部９′と他側カップ部９″で両カップ部 ９′、９″が組み合わされた断面外形は小判形に形成されている。 両カップ部９′、９″には夫々二つ割の軟質材８′、８″ところがり式一方向 クラッチＡが収容される凹部9aと、軸線方向の両側の縁に駆動軸５や内輪26の外 径よの幾分大径の透孔となる凹部9b、9cと、両カップ部９′、９″が当接される 当接面9dが形成されている。

【００２１】 二つ割の軟質材８′、８″はころがり式一方向クラッチＡの外輪７が覆われる 夫々カップ部8dと、軸線方向の両側の縁に駆動軸５や内輪26の外周が緩く接触し て挿通される透孔となる凹部8e、8fと、カップ部8dの端面が夫々当接される当接 面8gとで形成されている。 他の構成は前記第１実施例と略同一である。

【００２２】 ころがり式一方向クラッチＡの外輪７が二つ割の軟質材８′、８″で覆われて 収容された回り止め部材９が支持部2d内に挿入される時、両者の外形が小判形に 形成されているので回り止め嵌着され、二つ割の軟質材８′、８″が外輪７で圧 縮されてその反発力でガタ発生が防止される。

【００２３】 図８から図10は第３実施例で魚釣用リ−ルを魚釣用スピニングリ−ルで述べれ ば、図８は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図、図９は魚釣用スピニング リ−ルの要部拡大断面平面図、図10はリ−ル本体ところがり式一方向クラッチの 要部断面背面図である。

【００２４】 第３実施例の魚釣用スピニングリ−ルは、リ−ル本体１′の前側に設けられた 透孔に軸受35が挿入されて止め板36で抜け止めされ、軸受35より内側のリ−ル本 体１′に凹部からなる支持部1aが形成されて支持部1a内に外輪７が軟質材８で覆 われたころがり式一方向クラッチＡが圧入されている。 軸受35ところがり式一方向クラッチＡで筒状駆動軸５′が軸承保持されてリ− ル本体１′の前側に突出されている。 リ−ル本体１′の前側に突出された駆動軸５′の外周には鍔付きカラ−37が嵌 合され、その前側にロ−タ−38が回り止め嵌合されてナット39で固定されている 。

【００２５】 リ−ル本体１′の後側筐部の透孔には軸受40が取り付けられ、軸受40より内側 のリ−ル本体１′に凹部からなる支持部1bが形成されて支持部1b内に外輪７が軟 質材８で覆われたころがり式一方向クラッチＡが圧入されている。 横蓋41の透孔には軸受42が取り付けられている。 軸受40ところがり式一方向クラッチＡと軸受42で駆動歯車６′の筒状駆動軸6a が軸承されている。 筒状駆動軸6aの中にはハンドル軸43が嵌合されてビス44で抜け止めされ、ハン ドル軸43の一端にハンドル45が取り付けられている。 ロ−タ−38は駆動軸５′に設けられたピニオン5dとピニオン5dに噛合された駆 動歯車６′を介してハンドル45の回転に連動して回転されるように支持されてい る。 前記筒状駆動軸５′内に嵌合されて突出されたスプ−ル軸46の先端部にスプ− ル47が支持され、スプ−ル47はハンドル45の回転に連動して前後に往復動される 。

【００２６】 図示のころがり式一方向クラッチＡと軟質材８は、前記第１実施例と略同一で 、ロ−タ−38側の駆動軸５′の外周を内輪として棒状ころがり部材31が載せられ 、ハンドル45側の筒状駆動軸6aの外周を内輪として棒状ころがり部材31が載せら れている。 前記第２実施例と同様に回り止め部材９内に二つ割の軟質材８′、８″ところ がり式一方向クラッチＡを収容した構成を実施してもよい。

【００２７】 魚釣用スピニングリ−ルの動作は、図示しない釣糸がスプ−ル47に巻回される 方向にハンドル45が回転されると、ハンドル軸43と筒状駆動軸6aと駆動歯車６′ が回転され、駆動歯車６′とピニオン5dの噛合で駆動軸５′が図10で反時計方向 に正回転される。 この回転でロ−タ−38が正回転される。 更にこの回転で駆動軸５′と筒状駆動軸6aが反時計方向に正回転されると、夫 々ころがり式一方向クラッチＡの棒状ころがり部材31が自由回転域αに位置され て筒状駆動軸6aと駆動軸５′とロ−タ−38の正回転が可能となる。

【００２８】 次に魚釣用スピニングリ−ルの逆転防止動作は、獲物の引きでスプ−ル47に巻 回された図示しない釣糸が繰り出されると、ロ−タ−38が逆回転され、この回転 で駆動軸５′が図10で時計方向に、筒状駆動軸6aも同様に逆回転される。 駆動軸５′と筒状駆動軸6aが逆回転されると、ころがり式一方向クラッチＡの 棒状ころがり部材31が自由回転域α位置から阻止面βに移動されて当接され、棒 状ころがり部材31のクサビ作用で外輪７に対して駆動軸５′と筒状駆動軸6aの逆 回転が夫々阻止される。 このことでロ−タ−38とハンドル45の逆回転が停止される。 更にこの時、棒状ころがり部材23のクサビ作用による逆転時の遊度が少ないこ とから敏速にロ−タ−38の逆回転が停止される。

【００２９】 ころがり式一方向クラッチＡの外輪７は軟質材８で覆われてリ−ル本体１′の 支持部1b内に圧入されているので、ガタ発生が防止されて棒状ころがり部材31の クサビ作用による逆転時の遊度が少ないこととあわせて極めて敏速にロ−タ−38 の逆回転が停止される。 又、ころがり式一方向クラッチＡは、外輪７が軟質材８で覆われて底面8b側が ハンドル45側に向けられて支持部1b内に圧入され、かつ一側底面8b側は径方向内 方へ突設して透孔8cが穿設されて駆動軸５、筒状駆動軸6a外周に緩く接触して挿 通されているので、ロ−タ−38側の軸受35、ハンドル45側の軸受40を通して侵入 する海水、水分、ゴミ、砂等はころがり式一方向クラッチＡ内に侵入し難く、ゴ ミ、砂等が棒状ころがり部材31などに付着し難くなってころがり式一方向クラッ チＡの作動が円滑に行われる。

【００３０】 前記説明では、魚釣用リ−ルを魚釣用スピニングリ−ルと魚釣用軸受型リ−ル で述べたが、他の形式のリ−ルに実施してもよい。

【００３１】

【考案の効果】

本考案は前述のように構成されたから、 請求項１により、リ−ル本体の支持部内に挿入されたころがり式一方向クラッ チは、外輪が軟質材で覆われて圧入され、軟質材は圧縮されてその反発力で回り 止め嵌着されてガタ発生が防止される。 ガタ発生が防止されると逆転時の遊度が少ないこととあわせて極めて敏速にス プ−ルやロ−タ−の逆回転が停止される。 請求項２により、ころがり式一方向クラッチは、外輪が軟質材で覆われて底面 側がハンドル側に向けられて支持部内に圧入され、かつ一側底面側は径方向内方 へ突設して駆動軸や内輪外周に緩く接触して挿通されているので、ハンドル側か ら侵入する海水、水分、ゴミ、砂等はころがり式一方向クラッチ内に侵入し難く 、ゴミ、砂等が棒状ころがり部材などに付着し難くなってころがり式一方向クラ ッチの作動が円滑に行われる。 請求項３により、ころがり式一方向クラッチの外輪が二つ割の軟質材で覆われ て収容された回り止め部材が支持部内に回り止め嵌着される時、二つ割の軟質材 が外輪で圧縮されてその反発力でガタ発生が防止される。 請求項４により、ころがり式一方向クラッチは、外輪が軟質材で覆われて底面 側がロ−タ−側に向けられて支持部内に圧入され、かつ一側底面側は径方向内方 へ突設して駆動軸外周に緩く接触して挿通されているので、ロ−タ−側から侵入 する海水、水分、ゴミ、砂等はころがり式一方向クラッチ内に侵入し難く、ゴミ 、砂等が棒状ころがり部材などに付着し難くなってころがり式一方向クラッチＡ の作動が円滑に行われる等実用上優れた効果を奏する魚釣用リ−ルの逆転防止装 置を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面平面図である。

【図２】同魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡大断面平面図
である。

【図３】同リ−ル本体ところがり式一方向クラッチの要
部断面正面図である。

【図４】同軟質材の斜視図である。

【図５】第２実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部拡
大断面平面図である。

【図６】同リ−ル本体ところがり式一方向クラッチの要
部断面正面図である。

【図７】同軟質材が収容された回り止め部材の分解斜視
図である。

【図８】第３実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部
断面平面図である。

【図９】同魚釣用スピニングリ−ルの要部拡大断面平面
図である。

【図10】同リ−ル本体ところがり式一方向クラッチの要
部断面背面図である。

【符号の説明】

１、１′、２ リ−ル本体 1a、1b、2b、2d 支持部 ５、５′、6a 駆動軸 ７ 外輪 ８、８′、８″ 軟質材 29、45 ハンドル 38 ロ−タ− Ａ ころがり式一方向クラッチ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方向の回転を許容し、他方向の回転を
   阻止するころがり式一方向クラッチをリ−ル本体とハン
   ドルで連動回転する駆動軸との間に設けた魚釣用リ−ル
   の逆転防止装置において、前記一方向クラッチの外輪を
   軟質材を介して前記リ−ル本体の支持部内に回り止め嵌
   着したことを特徴とする魚釣用リ−ルの逆転防止装置。
2. 【請求項２】 前記軟質材で前記一方向クラッチの外輪
   の外周を覆うと共に、該軟質材の少なくともハンドル側
   の一側を径方向内方へ突設して前記駆動軸外周が緩く接
   触して挿通する孔明き有底筒状に形成したことを特徴と
   する請求項１記載の魚釣用リ−ルの逆転防止装置。
3. 【請求項３】 前記軟質材で前記一方向クラッチの外輪
   の外周を覆うと共に、該軟質材の少なくとも外側に向け
   た一側を径方向内方へ突設して前記駆動軸外周が緩く接
   触して挿通する上下二つ割に形成したことを特徴とする
   請求項１記載の魚釣用リ−ルの逆転防止装置。
4. 【請求項４】 前記軟質材で前記一方向クラッチの外輪
   の外周を覆うと共に、該軟質材の少なくともロ−タ−側
   の一側を径方向内方へ突設して前記駆動軸外周が緩く接
   触して挿通する孔明き有底筒状に形成したことを特徴と
   する請求項１記載の魚釣用リ−ルの逆転防止装置。