JPH086459Y2

JPH086459Y2 - 釣り用スピニングリール

Info

Publication number: JPH086459Y2
Application number: JP1989120061U
Authority: JP
Inventors: 修吉川
Original assignee: 島野工業株式会社
Priority date: 1989-10-13
Filing date: 1989-10-13
Publication date: 1996-02-28
Anticipated expiration: 2004-10-13
Also published as: JPH0358965U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、スプールと、前記スプールをスプール軸に
対して相対回転自在に支承する軸受部材と、前記スプー
ルが前記スプール軸を支持するリール本体に対して回転
するのを規制するドラグ機構とを設けてある釣り用スピ
ニングリールに関する。

〔従来の技術〕

従来、軸受部材がスプールに対して一体的に組み付け
られ、軸受部材をスプールごとスプール軸の異径部分に
嵌合してスプールが軸受部材とともにスプール軸に対し
て一体で抜き差し自在に構成してあった（例えば、実開
昭63-116071号公報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記構成のように、スプールをリール本体に対して取
り出し自在に構成するのは、複数個のスプールに種類の
異なる釣糸を巻き付けておいて、例えば、釣り場や魚種
等の状況に応じて適切な釣糸が巻き付けられているスプ
ールに付け替えて使用するのに便利であるからである。

しかし、スプールごとに軸受部材を一体的に組み付け
ておく必要があるからスプールが高価なものになるだけ
でなく、スプールをスプール軸側に装着するに当たっ
て、その都度軸受部材の嵌合部をスプール軸側の嵌合部
に合わせて装着する必要があり、円滑に装着しにくいこ
ともあった。

本考案の目的は、従来技術の欠点を解消するととも
に、併せて、スプールの軸受部材に対する相対回転を円
滑に行わせることのできるものを提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、前記軸受部材を、前記スプ
ール軸の異径軸部に対して回転不能に外嵌されるカラー
と、そのカラーの外周面に嵌合するころがり軸受とで構
成し、前記カラーの前端に前記嵌合外周面より大径の鍔
部を設けるとともに後端部に抜け止め具を設けて前記こ
ろがり軸受のカラーに対する位置決めを行い、前記スプ
ールに形成した嵌合部を前記ころがり軸受に外嵌して前
記スプールを前記軸受部材で支持するとともに、前記ス
プールを前記軸受部材に対してスプール軸芯方向に抜き
差し自在に、かつ、前記カラーと前記ころがり軸受とを
一体で前記スプール軸に対して抜き差し自在に構成して
ある点にあり、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

前記スプールを前記軸受部材に対してスプール軸芯方
向に抜き差し自在であるので、個々のスプール毎に軸受部材を一体的に組み付けて
おく必要がなく、複数個のスプールについて共通の軸受
部材を使用できる。

軸受部材をその都度スプール軸に着脱する必要はな
く、スプールをスプール軸に装着されている状態の軸受
部材に対して装着できる。

このような基本的作用に止まるだけでなく、スプールの嵌合部をころがり軸受のみに外嵌してあ
るので、スプール回転を円滑にするとともに、そのころ
がり軸受をドラグ機構に対応した小判型の異径断面等を
形成しなければならないスプール軸に直接装着するので
はなく、中間部材としてのカラーを介在させることによ
って、カラーに精密加工を施してスプールの円滑な回転
動作を行わせることができるのである。これによって、
スプール軸に対してさらにころがり軸受を直接支持する
ための精密加工面を形成する必要性がなく、スプール軸
自体の加工も容易になる。

カラー前端部に鍔部を設けてあるので、スプールを
抜き出す際にその鍔部で、ころがり軸受がスプール嵌合
部に嵌合した儘スプール軸より離れることは少ない。

〔考案の効果〕

従って、スプールを軸受部材に対してスプール軸芯方
向に抜き差し自在に構成してあるので、軸受部材の兼用化による低価格化を達成できる。

スプールの着脱を容易に行える。

という基本的効果を奏することができ、それに加え
て、ドラグ機構等の他の機器との関わり合いが多く、そ
のためにスプールを精度高く回転支持することについて
は余り高所されてなかったスプール軸に対して直接軸受
部材を嵌合させるのではなく、精密加工が施し易いカラ
ーを中間部材として介在させることによってころがり軸
受を使用でき、このころがり軸受によってスプールの逆
転を円滑に行え、ドラグ力の適切な作用による糸切れや
魚の針はずれ現象を抑制できる。

作用により、ころがり軸受を兼用化する為に、ス
プール軸に残すことを主旨とする本願考案の良さをより
有効に生かすことができる。

また、カラーところがり軸受とを一体として取り扱う
ことができるので、製作時やメインテナンス時の扱いが
よい。

〔実施例〕

第１図、第５図はいわゆるフロントドラグ式の釣り用
スピニングリールを示し、釣竿への取付脚（1a）を備え
ているリール本体（１）に、ベールアーム（2a）を備え
た回転枠（２）と、スプール（３）を軸芯方向に沿って
抜き出し自在に装着してあるスプール軸（４）とが設け
られ、ハンドル（1b）の回転操作で回転枠（２）が回転
すると同時にスプール軸（４）がスプール（３）ととも
に軸芯方向に往復移動するように連動されている。

前記スプール軸（４）には小判形断面の異径軸部（4
a）がその先端部に亘って形成され、外周縁が歯車状に
形成されている円板（4b）が取り付けられているととも
に、スプール（３）をスプール軸（４）に対して相対回
転自在に支承する軸受部材（５）がこの異径軸部（4a）
に沿って廻り止め状態で抜き出し自在に嵌合装着され、
取外し自在な座金（4c）を介して円板（4b）側に押し付
けられることでその差し込み深さが規制されているとと
もに、この座金（4c）の厚みを変更することにより、軸
受部材（５）のスプール軸（４）側に対する差込み位置
を調整できるよう構成されている。

前記軸受部材（５）は、異径軸部（4a）に嵌合される
カラー（5a）に２個のころがり軸受（5b）を外嵌して構
成され、ころがり軸受（5b）のアウターレース（5c）は
円筒状の外周面（5d）を備えている。

前記スプール（３）には円筒状の嵌合部（3a）が形成
され、この嵌合部（3a）をアウターレース（5c）の外周
面（5d）に外嵌することにより、スプール（３）がスプ
ール軸（４）側に装着されている軸受部材（５）に対し
て相対回転可能で、かつ、スプール（３）を軸受部材
（５）から軸芯方向前方側に抜き出し自在に嵌合されて
いる。

前記スプール（３）とスプール軸（４）とに亘ってド
ラグ機構（６）が介装され、スプール軸（４）先端部に
螺着されているドラグ調節つまみ（6a）の螺進操作でそ
のドラグ力を調整できるように構成されている。

前記ドラグ機構（６）は、スプール（４）の異径軸部
（4a）に対して廻り止め状態で抜き出し自在に嵌合され
る固定ディスク（6b）と、スプール（３）内周面に形成
してある長溝（3b）に沿って移動自在に係入されてスプ
ール（３）とともに一体回転される回転ディスク（6c）
と、スプール軸（４）に遊嵌されて固定ディスク（6b）
と回転ディスク（6c）との間に介在される摩擦円板（6
d）と、回転ディスク（6c）をスプール（３）前面側に
付勢する圧縮スプリング（6e）とを備え、スナップリン
グ（6f）で抜け止めされてスプール（３）に対して一体
的に組付けられているとともに、ドラグ調整つまみ（6
a）の螺進操作で固定ディスク（6b）と回転ディスク（6
c）とによる摩擦円板（6d）の挾圧力が変更され、ドラ
グ力が調整されるように構成されている。

前記スプール（３）の後面に、円板（4b）の歯車状外
周縁に係入される弾性部材（4e）が取付けられ、スプー
ル（３）のスプール軸（４）に対する相対回転にともな
って回転速度に応じた周期で弾発音を発するよう構成さ
れている。

前記スプール（３）は座金（4f）を介して軸受部材
（５）のカラー（5a）に接当することによりその差込み
位置が規制され、この座金（4f）やカラー（5a）後端面
側に取付けられている座金（4c）の厚みを変更すること
により、スプール（３）のスプール軸（４）に対する軸
芯方向相対装着位置を調整できるよう構成されている。

そして、第４図に示すように、ドラグ調整つまみ（6
a）をスプール軸（４）から取外すことにより、スプー
ル（３）をドラグ機構（６）ごと軸受部材（５）から抜
き差しして取替えられるよう構成されているとともに、
軸受部材（５）も必要に応じてスプール軸（４）から単
独で抜き差しできるよう構成されている。

〔別実施例〕

イ．スプールは軸受部材に形成した内向き周面に対して
回動可能に内嵌されるものであっても良い。

ロ．スプールは軸受部材に対してテーパ面に沿って回動
可能に嵌合されるものであっても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る釣り用スピニングリールの実施例を
示し、第１図、第４図は要部断面図、第２図は第１図の
II-II線断面図、第３図は第１図のIII-III線断面図、第
５図は全体側面図である。（３）……スプール、（3a）……嵌合部、（４）……ス
プール軸、（５）……軸受部材、（5a）……カラー、
（5b）……ころがり軸受、（5d）……外周面、（６）…
…ドラグ機構。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】スプール（３）と、前記スプール（３）を
スプール軸（４）に対して相対回転自在に支承する軸受
部材（５）と、前記スプール（３）が前記スプール軸
（４）を支持するリール本体（１）に対して回転するの
を規制するドラグ機構（６）とを設けてある釣り用スピ
ニングリールであって、前記軸受部材（５）を、前記スプール軸（４）の異径軸
部（4a）に対して回転不能に外嵌されるカラー（5a）
と、そのカラー（5a）の外周面（5d）に嵌合するころが
り軸受（5b）とで構成し、前記カラー（5a）の前端に前
記嵌合外周面（5d）より大径の鍔部を設けて前記ころが
り軸受（5b）のカラー（5a）に対する位置決めを行い、
前記スプール（３）に形成した嵌合部（3a）を前記ころ
がり軸受（5b）に外嵌して前記スプール（３）を前記軸
受部材（５）で支持するとともに、前記スプール（３）
を前記軸受部材（５）に対してスプール軸芯方向に抜き
差し自在に構成してある釣り用スピニングリール。