JP2004154018A - 魚釣用リ−ル - Google Patents
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Abstract
【課題】スムーズなクラッチ切換操作性を維持しつつクラッチOFF状態からクラッチON状態へのクラッチの誤復帰防止が図られた魚釣用リールを提供する。
【解決手段】本発明は、リ−ル本体2の側板10a,10b間に回転自在に支持したスプール8をスプールフリー状態と巻取り状態に切り換えるクラッチ機構を備えると共に、クラッチ機構のスプールフリー状態からハンドル12を巻取り方向に回転することにより巻取り状態に復帰する自動復帰機構を有する魚釣用リ−ルにおいて、自動復帰機構を構成するハンドル12と一体回転するクラッチ復帰体40の復帰係合軌跡に入出する復帰部材42とリール本体2との間に誤復帰防止機構4c,4d,42bを設け、スプールフリー状態にクラッチ機構を切り換え操作した時に復帰部材に抵抗力を付与したことを特徴とする。
【選択図】 図6
【解決手段】本発明は、リ−ル本体2の側板10a,10b間に回転自在に支持したスプール8をスプールフリー状態と巻取り状態に切り換えるクラッチ機構を備えると共に、クラッチ機構のスプールフリー状態からハンドル12を巻取り方向に回転することにより巻取り状態に復帰する自動復帰機構を有する魚釣用リ−ルにおいて、自動復帰機構を構成するハンドル12と一体回転するクラッチ復帰体40の復帰係合軌跡に入出する復帰部材42とリール本体2との間に誤復帰防止機構4c,4d,42bを設け、スプールフリー状態にクラッチ機構を切り換え操作した時に復帰部材に抵抗力を付与したことを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好なクラッチ切り換え操作性を維持しながらクラッチOFF状態(釣糸放出操作するスプールフリー状態)からクラッチON状態(釣糸巻取り状態)へのクラッチの誤復帰を防止するようにした魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ機構を備えた魚釣用リールは、一般に釣糸放出操作するスプールフリー状態(クラッチOFF)にあるクラッチ機構を、ハンドルの巻取り回転操作で自動的に復帰させる自動復帰機構を備えている。
【0003】
実際の釣り操作において、仕掛けを所定のポイントへ放出する釣糸放出操作時には、釣竿と共に勢い良く振り下ろす際の慣性力の発生等により、リール本体から突出しているハンドルが不必要に回転してしまってクラッチ機構が巻取り状態(クラッチON状態)に誤復帰してしまう不具合が発生する場合がある。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、クラッチOFF操作時にクラッチ機構を構成するクラッチ作動プレートの回転方向や側板間に配設されるクラッチ操作部材の上下作動方向に摩擦抵抗を与えるようにしたものは従来から知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−95442号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、ハンドル軸から復帰部材を介して連動するクラッチ作動プレートやクラッチ操作部材等のハンドル軸からの離間部材に摩擦抵抗を与えるものであるため、累積寸法誤差や連結部における係合状態のバラツキ等の影響により、摩擦抵抗力がハンドル軸に確実且つ安定して作用しない。
【0007】
又、釣糸放出操作時における瞬時のハンドル軸回転力が、ハンドル軸の回転で押動する復帰部材と摩擦抵抗が付与されているクラッチ作動プレートの係合部(押動力を回動力に変換する動力伝達変換部)に作用するため、耐久性、強度上の問題が生じ易い。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、その目的は、良好なクラッチ切り換え操作性を維持しながらクラッチOFF状態(釣糸放出操作するスプールフリー状態)からクラッチON状態(釣糸巻取り状態)へのクラッチの誤復帰を防止するようにした魚釣用リールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、リ−ル本体の側板間に回転自在に支持したスプールをスプールフリー状態と巻取り状態に切り換えるクラッチ機構を備えると共に、該クラッチ機構のスプールフリー状態からハンドルを巻取り方向に回転することにより巻取り状態に復帰する自動復帰機構を有する魚釣用リ−ルにおいて、前記自動復帰機構を構成する前記ハンドルと一体回転するクラッチ復帰体の復帰係合軌跡に入出する復帰部材とリール本体との間に誤復帰防止機構を設け、スプールフリー状態にクラッチ機構を切り換え操作した時に前記復帰部材に抵抗力を付与したことを特徴とする。
【0010】
上記した構成によれば、クラッチ機構を巻取り状態(クラッチON)から釣糸放出状態(クラッチOFF)に切り換え操作後、釣竿と共に勢い良く振り下ろす釣糸放出操作を行っても、自動復帰機構を構成する復帰部材に誤復帰防止機構の抵抗力が作用することで不必要なハンドル軸の巻取り方向の回転が防止でき、円滑な釣糸放出操作が行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係わる魚釣用リールについて、添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の魚釣用リール1は、リール本体2の左右フレーム4a,4b間に軸受A1,A2を介して回転自在に支持されたスプール軸6と、このスプール軸6に固定され且つ釣糸を巻回可能なスプール8とを備えており、左右フレーム4a,4bの外側には、各々左右側板10a,10bがネジ部材B1,B2により着脱可能に取り付けられている。
【0013】
右フレーム4bと右側板10bとの間には、魚釣時にハンドル12を回転操作した時に、スプール8に所望の制動力を与えるドラグ機構Cとスプール8を釣糸巻取り方向に回転させるための釣糸巻取駆動機構Dが設けられている。
【0014】
スプール軸6の端部には、右側板10bに装着されて軸方向に移動可能な支軸14が当接されており、この支軸14の外周には、ピニオン16が嵌合されて右フレーム4bと右側板10bに設けられた軸受A3,A4を介して回転自在に且つ軸方向移動可能に支持されている。ピニオン16には、その外周面に円周溝16aが形成されており、この円周溝16aには左右フレーム4a,4b間に上下方向に移動可能に支持されたクラッチレバー18の切換操作に連動して軸方向にスライドするスライド片20が係合している。
【0015】
また、ピニオン16には、右フレーム4bと右側板10b間に軸受A5,A6を介して回転自在に支持されたハンドル軸22にドラグ機構Cを介して回転可能に摩擦結合されているドライブギヤ24が噛合してる。また、右側板10bとハンドル軸22との間には、転がり式一方向クラッチから構成されているハンドル軸22の逆転防止装置E(巻取り方向の回転を許容し逆転方向の回転を阻止する)が設けられている。
【0016】
このような釣糸巻取駆動機構によれば、クラッチレバー18を切換操作してスライド片20を軸方向にスライドさせることによって、スライド片20が係合しているピニオン16をスプール軸6のクラッチ係合部6aに対して係合(クラッチONの巻取り状態)又は非係合(クラッチOFFの釣糸放出状態)させるクラッチ機構を構成している。ピニオン16をスプール軸6のクラッチ係合部6aに係合させた状態においてハンドル12を巻取り回転操作すれば、ハンドル12の回転力は、ハンドル軸22からドラグ機構Cを介してドライブギヤ24に伝達された後、ピニオン16からスプール軸6を介してスプール8に伝達され、このスプール8を釣糸巻取り方向に回転させる。
【0017】
また、左右フレーム4a,4bの間には、釣糸をスプール8に平行巻きさせるためのレベルワインド機構28が配置されている。レベルワインド機構28は、トラバースカム溝30aが形成されたトラバース軸30と、トラバースカム溝30aに係合しつつトラバース軸30の軸方向に沿って往復動する釣糸案内体32とを備えており、トラバース軸30は、歯車機構34を介してハンドル軸22に連結されている。
【0018】
上述した魚釣用リールには、スムーズなクラッチ切換操作性を維持しつつ、クラッチOFF状態(釣糸放出操作するスプールフリー状態)からクラッチON状態(釣糸巻取り状態)へのクラッチの誤復帰防止を図るための誤復帰防止機構が設けられている。
【0019】
図2及び図3は、釣糸巻取り状態(クラッチON)を示しており、本実施の形態のクラッチ機構は、クラッチレバー18の切換操作に連動して回動するカム面36aを有するクラッチプレート36が連結されており、上述したスライド片20は、一対のガイド軸38a,38bに軸方向移動可能に支持され、クラッチプレート36の回動によるカム作用で軸方向にスライドさせることができるようになっている。44はクラッチプレート36をクラッチON状態とクラッチOFF状態に振り分け付勢する付勢バネで、右フレーム4bとクラッチプレート36との間に掛止されている。
【0020】
クラッチレバー18をクラッチON状態からクラッチOFF(図4参照)に切換操作すると、クラッチプレート36の回動に伴ってスライド片20は、付勢バネ20aの付勢力(ピニオン16をスプール軸6のクラッチ係合部6aに係合する方向に付勢)に抗してクラッチプレート36から離間する方向に移動する。
これにより、ピニオン16とスプール軸6のクラッチ係合部6aとの係合状態が解除されてクラッチOFF状態(釣糸放出状態)に切り換えられる。
【0021】
次に、本実施の形態に適用した誤復帰防止機構について以下に説明する。
クラッチOFF状態からクラッチON状態への切換操作は、ハンドル12の釣糸巻取り方向への回転操作によって行われる自動復帰機構を備えており、ハンドル軸22には、クラッチ復帰用ギヤ40(クラッチ復帰体)が回り止めされていると共に、一方側のガイド軸38aには、復帰用作動片42(復帰部材)が揺動自在に設けられている。
【0022】
更に、復帰用作動片42(復帰部材)には、係合孔42b(非貫通の凹部でも良い)が形成されていると共に、この復帰用作動片42に対向する右フレーム4bにはバネ4cで上方に付勢された係合ピン4dが出没自在に設けられている。クラッチON状態(釣糸巻取り状態)で図5に示されているように、復帰用作動片42の底面でバネ4cのバネ力に抗して押し込まれている係合ピン4dは、クラッチOFF状態(釣糸放出状態)に切り換え操作されると、図6で示されるように復帰用作動片42の係合孔42bに係合ピン4dの半球状の先端部4eが嵌合されて誤復帰防止機構が構成されている。
【0023】
このような構成における誤復帰防止機構の動作について説明する。
クラッチレバー18を操作して釣糸巻取り状態(図3及び図5)から釣糸放出状態(図4及び図6)に切換操作すると、復帰用作動片42の係合部42aは、クラッチ復帰用ギヤ40に形成されている復帰突部40aの復帰係合軌跡内に移動するのと同時に、右フレーム4bに設けられている係合ピン4dの半球状先端部4eが、復帰用作動片42の係合孔42bに嵌合されて復帰用作動片42に抵抗力が付与されるので、ハンドル12の巻取り方向の回転に抵抗力が作用してクラッチの自動復帰機構の誤復帰を防止することが可能となる。
【0024】
このように、ハンドル軸22に近接する復帰用作動片42に抵抗力を付与して誤復帰防止機構を構成したので、従来のような関連部品の累積寸法誤差や係合状態のバラツキ等の影響を受けないで、ハンドル軸22の不必要な巻取り方向の回転を確実且つ安定して規制防止できる。
【0025】
復帰用作動片42(復帰部材)は、図3のクラッチON状態から図4のクラッチOFF状態にクラッチレバー18の切換操作によってクラッチプレート36を回動させた時に、それと連動して一方側のガイド軸38aを中心に揺動するように構成されている。また、復帰用作動片42には、クラッチ復帰用ギヤ40の復帰突部40aに係合可能な係合部42aが形成されており、クラッチのON状態からOFF状態の切換えにより、一方側のガイド軸38aを中心に復帰用作動片42が揺動することによって、係合部42aが右フレーム4bの掛止部4fと復帰用作動片42の折曲部42dとの間に掛止されているバネSの付勢力により、クラッチ復帰用ギヤ40に係合可能となる復帰係合軌跡内に移動できるようになっている。
【0026】
次に図4のクラッチOFF状態(復帰用作動片42の係合部42aをクラッチ復帰用ギヤ40の復帰突部40aに係合させた状態)において、ハンドル12を釣糸巻取り方向に回転操作するとその回転力は、ハンドル軸22を介してクラッチ復帰用ギヤ40に伝達され、このクラッチ復帰用ギヤ40を回転させる。そして、この回転運動はクラッチ復帰用ギヤ40の復帰突部40aに係合している係合部42aを介して復帰用作動片42に伝達され、この復帰用作動片42をガイド軸38aを中心に上方へ揺動させる。このとき、復帰用作動片42の端部42cがクラッチプレート36の復帰係合部36bに係合してクラッチプレート36が支軸14を中心に時計方向にへ回動することによってクラッチレバー18が図4のOFF位置から図3のON位置に戻される。この結果、クラッチOFF状態からクラッチON状態への切換操作が完了する。この切換復帰時、係合ピン4dの先端を半球状の先端部4eに形成しているので、通常のハンドル12の巻取り回転操作で容易にクラッチON状態に切換操作できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、スプールフリー状態(クラッチOFF状態)にクラッチ機構を切換操作した時に、自動復帰機構を構成する復帰部材に抵抗力を付与する誤復帰防止機構を設ける構成を採用したので、ハンドル軸に近接して連動移動する復帰部材の不必要な移動を規制することができて抵抗力がハンドル軸の回転方向に確実且つ安定して作用し、実釣時の良好なクラッチの切換操作性の維持を図りながら釣糸放出時における誤復帰を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る魚釣用リールの全体の構成を示す断面図。
【図2】図1に示す魚釣用リールに適用したクラッチ機構の構成を示す図。
【図3】図1に示すクラッチON状態のクラッチ機構主要部の拡大図。
【図4】図1に示すクラッチOFF状態のクラッチ機構主要部の拡大図。
【図5】図3のクラッチON状態における誤復帰防止機構を示す断面図。
【図6】図4のクラッチOFF状態における誤復帰防止機構を示す断面図。
【符号の説明】
2 リ−ル本体
10a 左側板
10b 右側板
8 スプール
12 ハンドル
40 クラッチ復帰体(クラッチ復帰用ギヤ)
42 復帰部材(復帰用作動片)
4c,4d,42b 誤復帰防止機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好なクラッチ切り換え操作性を維持しながらクラッチOFF状態(釣糸放出操作するスプールフリー状態)からクラッチON状態(釣糸巻取り状態)へのクラッチの誤復帰を防止するようにした魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチ機構を備えた魚釣用リールは、一般に釣糸放出操作するスプールフリー状態(クラッチOFF)にあるクラッチ機構を、ハンドルの巻取り回転操作で自動的に復帰させる自動復帰機構を備えている。
【0003】
実際の釣り操作において、仕掛けを所定のポイントへ放出する釣糸放出操作時には、釣竿と共に勢い良く振り下ろす際の慣性力の発生等により、リール本体から突出しているハンドルが不必要に回転してしまってクラッチ機構が巻取り状態(クラッチON状態)に誤復帰してしまう不具合が発生する場合がある。
【0004】
そこで、このような不具合を解消するために、クラッチOFF操作時にクラッチ機構を構成するクラッチ作動プレートの回転方向や側板間に配設されるクラッチ操作部材の上下作動方向に摩擦抵抗を与えるようにしたものは従来から知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−95442号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、ハンドル軸から復帰部材を介して連動するクラッチ作動プレートやクラッチ操作部材等のハンドル軸からの離間部材に摩擦抵抗を与えるものであるため、累積寸法誤差や連結部における係合状態のバラツキ等の影響により、摩擦抵抗力がハンドル軸に確実且つ安定して作用しない。
【0007】
又、釣糸放出操作時における瞬時のハンドル軸回転力が、ハンドル軸の回転で押動する復帰部材と摩擦抵抗が付与されているクラッチ作動プレートの係合部(押動力を回動力に変換する動力伝達変換部)に作用するため、耐久性、強度上の問題が生じ易い。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、その目的は、良好なクラッチ切り換え操作性を維持しながらクラッチOFF状態(釣糸放出操作するスプールフリー状態)からクラッチON状態(釣糸巻取り状態)へのクラッチの誤復帰を防止するようにした魚釣用リールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、リ−ル本体の側板間に回転自在に支持したスプールをスプールフリー状態と巻取り状態に切り換えるクラッチ機構を備えると共に、該クラッチ機構のスプールフリー状態からハンドルを巻取り方向に回転することにより巻取り状態に復帰する自動復帰機構を有する魚釣用リ−ルにおいて、前記自動復帰機構を構成する前記ハンドルと一体回転するクラッチ復帰体の復帰係合軌跡に入出する復帰部材とリール本体との間に誤復帰防止機構を設け、スプールフリー状態にクラッチ機構を切り換え操作した時に前記復帰部材に抵抗力を付与したことを特徴とする。
【0010】
上記した構成によれば、クラッチ機構を巻取り状態(クラッチON)から釣糸放出状態(クラッチOFF)に切り換え操作後、釣竿と共に勢い良く振り下ろす釣糸放出操作を行っても、自動復帰機構を構成する復帰部材に誤復帰防止機構の抵抗力が作用することで不必要なハンドル軸の巻取り方向の回転が防止でき、円滑な釣糸放出操作が行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係わる魚釣用リールについて、添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の魚釣用リール1は、リール本体2の左右フレーム4a,4b間に軸受A1,A2を介して回転自在に支持されたスプール軸6と、このスプール軸6に固定され且つ釣糸を巻回可能なスプール8とを備えており、左右フレーム4a,4bの外側には、各々左右側板10a,10bがネジ部材B1,B2により着脱可能に取り付けられている。
【0013】
右フレーム4bと右側板10bとの間には、魚釣時にハンドル12を回転操作した時に、スプール8に所望の制動力を与えるドラグ機構Cとスプール8を釣糸巻取り方向に回転させるための釣糸巻取駆動機構Dが設けられている。
【0014】
スプール軸6の端部には、右側板10bに装着されて軸方向に移動可能な支軸14が当接されており、この支軸14の外周には、ピニオン16が嵌合されて右フレーム4bと右側板10bに設けられた軸受A3,A4を介して回転自在に且つ軸方向移動可能に支持されている。ピニオン16には、その外周面に円周溝16aが形成されており、この円周溝16aには左右フレーム4a,4b間に上下方向に移動可能に支持されたクラッチレバー18の切換操作に連動して軸方向にスライドするスライド片20が係合している。
【0015】
また、ピニオン16には、右フレーム4bと右側板10b間に軸受A5,A6を介して回転自在に支持されたハンドル軸22にドラグ機構Cを介して回転可能に摩擦結合されているドライブギヤ24が噛合してる。また、右側板10bとハンドル軸22との間には、転がり式一方向クラッチから構成されているハンドル軸22の逆転防止装置E(巻取り方向の回転を許容し逆転方向の回転を阻止する)が設けられている。
【0016】
このような釣糸巻取駆動機構によれば、クラッチレバー18を切換操作してスライド片20を軸方向にスライドさせることによって、スライド片20が係合しているピニオン16をスプール軸6のクラッチ係合部6aに対して係合(クラッチONの巻取り状態)又は非係合(クラッチOFFの釣糸放出状態)させるクラッチ機構を構成している。ピニオン16をスプール軸6のクラッチ係合部6aに係合させた状態においてハンドル12を巻取り回転操作すれば、ハンドル12の回転力は、ハンドル軸22からドラグ機構Cを介してドライブギヤ24に伝達された後、ピニオン16からスプール軸6を介してスプール8に伝達され、このスプール8を釣糸巻取り方向に回転させる。
【0017】
また、左右フレーム4a,4bの間には、釣糸をスプール8に平行巻きさせるためのレベルワインド機構28が配置されている。レベルワインド機構28は、トラバースカム溝30aが形成されたトラバース軸30と、トラバースカム溝30aに係合しつつトラバース軸30の軸方向に沿って往復動する釣糸案内体32とを備えており、トラバース軸30は、歯車機構34を介してハンドル軸22に連結されている。
【0018】
上述した魚釣用リールには、スムーズなクラッチ切換操作性を維持しつつ、クラッチOFF状態(釣糸放出操作するスプールフリー状態)からクラッチON状態(釣糸巻取り状態)へのクラッチの誤復帰防止を図るための誤復帰防止機構が設けられている。
【0019】
図2及び図3は、釣糸巻取り状態(クラッチON)を示しており、本実施の形態のクラッチ機構は、クラッチレバー18の切換操作に連動して回動するカム面36aを有するクラッチプレート36が連結されており、上述したスライド片20は、一対のガイド軸38a,38bに軸方向移動可能に支持され、クラッチプレート36の回動によるカム作用で軸方向にスライドさせることができるようになっている。44はクラッチプレート36をクラッチON状態とクラッチOFF状態に振り分け付勢する付勢バネで、右フレーム4bとクラッチプレート36との間に掛止されている。
【0020】
クラッチレバー18をクラッチON状態からクラッチOFF(図4参照)に切換操作すると、クラッチプレート36の回動に伴ってスライド片20は、付勢バネ20aの付勢力(ピニオン16をスプール軸6のクラッチ係合部6aに係合する方向に付勢)に抗してクラッチプレート36から離間する方向に移動する。
これにより、ピニオン16とスプール軸6のクラッチ係合部6aとの係合状態が解除されてクラッチOFF状態(釣糸放出状態)に切り換えられる。
【0021】
次に、本実施の形態に適用した誤復帰防止機構について以下に説明する。
クラッチOFF状態からクラッチON状態への切換操作は、ハンドル12の釣糸巻取り方向への回転操作によって行われる自動復帰機構を備えており、ハンドル軸22には、クラッチ復帰用ギヤ40(クラッチ復帰体)が回り止めされていると共に、一方側のガイド軸38aには、復帰用作動片42(復帰部材)が揺動自在に設けられている。
【0022】
更に、復帰用作動片42(復帰部材)には、係合孔42b(非貫通の凹部でも良い)が形成されていると共に、この復帰用作動片42に対向する右フレーム4bにはバネ4cで上方に付勢された係合ピン4dが出没自在に設けられている。クラッチON状態(釣糸巻取り状態)で図5に示されているように、復帰用作動片42の底面でバネ4cのバネ力に抗して押し込まれている係合ピン4dは、クラッチOFF状態(釣糸放出状態)に切り換え操作されると、図6で示されるように復帰用作動片42の係合孔42bに係合ピン4dの半球状の先端部4eが嵌合されて誤復帰防止機構が構成されている。
【0023】
このような構成における誤復帰防止機構の動作について説明する。
クラッチレバー18を操作して釣糸巻取り状態(図3及び図5)から釣糸放出状態(図4及び図6)に切換操作すると、復帰用作動片42の係合部42aは、クラッチ復帰用ギヤ40に形成されている復帰突部40aの復帰係合軌跡内に移動するのと同時に、右フレーム4bに設けられている係合ピン4dの半球状先端部4eが、復帰用作動片42の係合孔42bに嵌合されて復帰用作動片42に抵抗力が付与されるので、ハンドル12の巻取り方向の回転に抵抗力が作用してクラッチの自動復帰機構の誤復帰を防止することが可能となる。
【0024】
このように、ハンドル軸22に近接する復帰用作動片42に抵抗力を付与して誤復帰防止機構を構成したので、従来のような関連部品の累積寸法誤差や係合状態のバラツキ等の影響を受けないで、ハンドル軸22の不必要な巻取り方向の回転を確実且つ安定して規制防止できる。
【0025】
復帰用作動片42(復帰部材)は、図3のクラッチON状態から図4のクラッチOFF状態にクラッチレバー18の切換操作によってクラッチプレート36を回動させた時に、それと連動して一方側のガイド軸38aを中心に揺動するように構成されている。また、復帰用作動片42には、クラッチ復帰用ギヤ40の復帰突部40aに係合可能な係合部42aが形成されており、クラッチのON状態からOFF状態の切換えにより、一方側のガイド軸38aを中心に復帰用作動片42が揺動することによって、係合部42aが右フレーム4bの掛止部4fと復帰用作動片42の折曲部42dとの間に掛止されているバネSの付勢力により、クラッチ復帰用ギヤ40に係合可能となる復帰係合軌跡内に移動できるようになっている。
【0026】
次に図4のクラッチOFF状態(復帰用作動片42の係合部42aをクラッチ復帰用ギヤ40の復帰突部40aに係合させた状態)において、ハンドル12を釣糸巻取り方向に回転操作するとその回転力は、ハンドル軸22を介してクラッチ復帰用ギヤ40に伝達され、このクラッチ復帰用ギヤ40を回転させる。そして、この回転運動はクラッチ復帰用ギヤ40の復帰突部40aに係合している係合部42aを介して復帰用作動片42に伝達され、この復帰用作動片42をガイド軸38aを中心に上方へ揺動させる。このとき、復帰用作動片42の端部42cがクラッチプレート36の復帰係合部36bに係合してクラッチプレート36が支軸14を中心に時計方向にへ回動することによってクラッチレバー18が図4のOFF位置から図3のON位置に戻される。この結果、クラッチOFF状態からクラッチON状態への切換操作が完了する。この切換復帰時、係合ピン4dの先端を半球状の先端部4eに形成しているので、通常のハンドル12の巻取り回転操作で容易にクラッチON状態に切換操作できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、スプールフリー状態(クラッチOFF状態)にクラッチ機構を切換操作した時に、自動復帰機構を構成する復帰部材に抵抗力を付与する誤復帰防止機構を設ける構成を採用したので、ハンドル軸に近接して連動移動する復帰部材の不必要な移動を規制することができて抵抗力がハンドル軸の回転方向に確実且つ安定して作用し、実釣時の良好なクラッチの切換操作性の維持を図りながら釣糸放出時における誤復帰を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る魚釣用リールの全体の構成を示す断面図。
【図2】図1に示す魚釣用リールに適用したクラッチ機構の構成を示す図。
【図3】図1に示すクラッチON状態のクラッチ機構主要部の拡大図。
【図4】図1に示すクラッチOFF状態のクラッチ機構主要部の拡大図。
【図5】図3のクラッチON状態における誤復帰防止機構を示す断面図。
【図6】図4のクラッチOFF状態における誤復帰防止機構を示す断面図。
【符号の説明】
2 リ−ル本体
10a 左側板
10b 右側板
8 スプール
12 ハンドル
40 クラッチ復帰体(クラッチ復帰用ギヤ)
42 復帰部材(復帰用作動片)
4c,4d,42b 誤復帰防止機構
Claims (1)
- リ−ル本体の側板間に回転自在に支持したスプールをスプールフリー状態と巻取り状態に切り換えるクラッチ機構を備えると共に、該クラッチ機構のスプールフリー状態からハンドルを巻取り方向に回転することにより巻取り状態に復帰する自動復帰機構を有する魚釣用リ−ルにおいて、前記自動復帰機構を構成する前記ハンドルと一体回転するクラッチ復帰体の復帰係合軌跡に入出する復帰部材とリール本体との間に誤復帰防止機構を設け、スプールフリー状態にクラッチ機構を切り換え操作した時に前記復帰部材に抵抗力を付与したことを特徴とする魚釣用リ−ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002321102A JP2004154018A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 魚釣用リ−ル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002321102A JP2004154018A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 魚釣用リ−ル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004154018A true JP2004154018A (ja) | 2004-06-03 |
Family
ID=32801758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002321102A Pending JP2004154018A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 魚釣用リ−ル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004154018A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012157266A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Globeride Inc | 魚釣用リール |
KR20170126784A (ko) | 2016-05-10 | 2017-11-20 | 시마노 컴포넌츠 (말레이지아) 에스디엔. 비에이치디. | 양 베어링 릴의 클러치 제어 기구 |
-
2002
- 2002-11-05 JP JP2002321102A patent/JP2004154018A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012157266A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Globeride Inc | 魚釣用リール |
KR20170126784A (ko) | 2016-05-10 | 2017-11-20 | 시마노 컴포넌츠 (말레이지아) 에스디엔. 비에이치디. | 양 베어링 릴의 클러치 제어 기구 |
US10253826B2 (en) | 2016-05-10 | 2019-04-09 | Shimano Components (Malaysia) Sdn. Bhd. | Clutch control mechanism for dual-bearing reel |
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