JPH0523412Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、所定以上の外力を受けたときに脱落
可能とする車両用脱落式ルームミラーの取付機構
に関する。

［従来の技術］ 従来の車両用脱落式ルームミラーは、フロント
ガラス上部または車室天井前縁付近の被着部に固
着したベースに、ベースステーを介在させてステ
ーを取付けたものであつて、前記ベースステーと
ステーとの間に皿ばねとセツトスクリユーとによ
る脱落機構を内蔵させている。すなわち、第７図
に示すようにあらかじめベース１をフロントガラ
スなどの被着部４０に固着させる一方、ステー４
を位置決め用突部４ａをベースステー３の凹部３
ａに係合させながら、皿ばね５を介装させたセツ
トスクリユー６をベースステー３の上方からステ
ー４のビス孔４ｂに螺合したのち、ベースステー
後端の係止爪７をベース１の係止用テーパ溝２に
挿入係合させ、次いでスクリユー７を用いて第８
図のようにベースステー３をベース２に取付けて
いる。

［考案が解決しようとする課題］ 上記の脱落機構を持つルームミラーは、第８図
に示すようにステー先端のピボツトＰに対し、水
平面から下向きに45°の範囲で外力を受けたとき
に、ピボツトＰを中心にして矢印Ａ方向の脱落ト
ルクを生じるようにしなければならないという設
定位置に関する制約がある。このように設定する
と直接視界をさえぎり、そのため運転者の安全運
転に支障を来たす場合もある。

本考案の目的は、上記のような取付位置に関す
る制約を受けることがなく、直接運転者の視界の
影響のない適当個所に設定でき、かつどの方向か
らの衝撃荷重を受けても容易に脱落可能の取付機
構を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案は車両フロン
トガラス上部または車室天井の前縁付近の被着部
に固着したベースにステーを脱落可能に取付ける
ルームミラーの取付機構であつて、 ベースの下面に形成された凹所と、前記凹所に
収納されるべくステー上面に取外し自在に配置し
たフレームと、前記凹所に内壁面の前部に設けた
半球凹部と、前記半球凹部と係合すべくフレーム
の前端に形成した半球状突起と前記フレーム内に
配置され、かつ先端部分が半球状突起と直交する
方向の凹所内壁面に対し、弾力的に当接しうる弾
性係合手段とを有することを特徴とするものであ
る。

また、前記弾性係合手段はフレーム内に配置さ
れる弓形の板ばねと、板ばねの両端近くに弾力的
に当接させた半球付きストツパと、フレームの両
端部を貫通して突出したストツパの半球突部を嵌
合させるべくベースの凹所に形成した凹部とから
構成されている。

［作用］ 本考案は、車両のフロントガラス上部または天
井前縁などの被着部にベースを固定する。一方フ
レームには板バネを仮止めしサブアセンブリを用
意する。ついでフレームをベース内に位置決めを
しながら嵌合させ、板バネの弾性力を用いて板バ
ネの基端部に配置したストツパをベースの凹所に
係合させてフレームをベースにとりつける。そし
てミラーを取付けたステーを前記フレームの下面
に配置し、ネジ止め固定するものである。

前記取付機構によれば、装着後に所定以上の衝
撃荷重を受けたときは、外力の作用方向に関係な
く、前記弾性係合手段の係合が解かれ、ステーは
フレームごと容易にベースから脱落する。

［実施例］ 以下、実施例について図面を参照して説明す
る。第１図は本考案の第１の実施例を示す縦断側
面図、第２図は斜下方よりみた底正面図、第３図
は第１図の−線における縦断面図、第４図は
第１図の−線における横断平面図である。

図において、１０はベース、１１はベース１０
の下面に形成した凹所、１２は凹所１１の内壁面
の前部に設けた半球凹部、１３は凹所１１の両側
壁に形成した半球凹部、１４はベースの底板に形
成した半球凹部、１５はルームミラーのステー、
１７はステー上面１６に取外し自在に配置したフ
レームである。

ベース１０の上面は、車両フロントガラスなど
の被着部４０に接着しやすく平滑な面に仕上げら
れ、下面１１にはステー上面１６に配置したフレ
ーム１７を収納する凹所１１が形成されている。

フレーム１７はステーと同一材料製で第５図及
び第６図に示すように略半月形をしており、上端
面３ケ所には、ベース１０の底板に設けた凹部１
４に嵌合する位置決め用のダボ１８が形成されて
いる。また本体の中央部には後述する係合手段の
板バネを装着するＵ字溝１９が形成されると共
に、底面中央部から前記Ｕ字溝１９の先端側に向
けて斜状にネジ孔２０が設けられている。さらに
このＵ字溝の基端両側上面には板バネの抜けを防
止するリブ２１が形成されている。一方湾曲外壁
２２の基端両側には前記Ｕ字溝１９に連通する貫
通孔２３が、また先端部にはベース１０に設けた
凹部１２に嵌合する半球状突起２４が形成される
と共に、フレーム１７の下面には、ステー上面１
６に設けた位置決め用の穴１６ａと嵌合する複数
の突起２５が突設されている。

次いで前記フレーム１７をベース１０に係合さ
せる弾性係合手段２６について説明する。

この弾性係合手段２６は、フレーム１７内に配
置される弓形の板バネ２７と、板バネ２７の両端
近くに弾力的に当接させた半球付きストツパ２
８，２８と、フレーム１７の両端部を貫通して突
出したストツパの半球突部２９，２９を嵌合させ
るべくベースの凹所１１に形成した凹部１３，１
３とからなる。前記板バネの両側に当接させる半
球付ストツパ２８，２８はコ字形基底部３０と半
球突部２９とから形成されている。

この取付機構を組立てるには、予め車両のフロ
ントガラス上部または天井前縁などの被着部４０
にベース１０を固定する。一方フレーム１７には
板バネ２７を仮止めしサブアセンブリを用意す
る。すなわちフレーム１７の湾曲外壁２２の基端
部に設けた貫通孔２３，２３に半球付ストツパ２
８の半球突部２９を挿入して配置した上で、板バ
ネ２７をフレーム１７のＵ字溝１９の上端部に掛
けとめる。

このように板バネ２７を掛けとめたフレーム１
７は、フレーム１７の先端に設けた半球状突起２
４をベース１０の凹所内の凹部１２に係合させ、
位置決めしながらベース１０の凹所１１に嵌め込
む。ついで板バネ２７の両脚部２７ａ，２７ａを
内側に押圧してフレーム１７のＵ字溝１９に押し
込んだ上で押圧を解除する。押圧が解除されると
板バネの弾力により両脚部２７ａ，２７ａが外方
に広がり、この押圧力で脚部の外側に配置した半
球付ストツパ２８，２８が外側に移動する。そし
てこのストツパに設けた半球突部２９，２９が貫
通孔２３，２３からフレーム外側に突出してベー
ス１０の凹所に設けた凹部１３，１３に係合して
フレーム１７がベース１０にセツトされる。

次にミラーを取付けたステー１５を、ステー上
面１６に設けた穴１６ａとフレーム下面に設けた
突起２５とを嵌合させて位置決めした上でフレー
ム１７下面に配置し、ステー下面から斜上方に向
けて穿設した透孔３１からスクリユーネジ３２を
挿入し、フレーム１７に設けたネジ孔２０に螺着
し、ステー１５をフレーム１７に固定する。

上記のような構成によれば、フレーム１７とベ
ース１０は、ベース１０の凹所１１内の凹部１２
とフレーム１７の半球状突起２４との係合及び凹
所内側壁の半球凹部１３，１３と板バネ２７の両
脚外側に配置した半球付ストツパ２８の半球突部
２９，２９との係合により固定され、一方ミラー
を取付けたステー１５はフレーム１７の下面にス
クリユーネジ３２により螺着固定されている。そ
してミラーを保持するステー先端のピボツトに衝
撃荷重を受けたときには、フレーム１７とベース
１０とを係合支持している半球凹部１３，１３と
半球突部２９，２９の少なくとも一方の係合が外
れてステー１５及びフレーム１７がベース１０か
ら脱落する。

本実施例は前記の構成としたので、ミラー脱落
時にフレーム部分に損傷が生じた場合、フレーム
のみを交換するだけでよい。また従来の機構では
スクリユーを緩めてもミラーを支持しているステ
ーをベースから取り外すことが出来なかつたが、
本実施例はスクリユーを緩めることにより、ステ
ーをベースから取り外すことが可能であつて、ミ
ラー本体破損の場合も容易にこれを交換すること
が出来る等の特有の効果を奏する。

なお、前記実施例では係止部材としてスクリユ
ーを用いたが、樹脂ピンに代えてもよい。樹脂ピ
ンの場合にはワンプツシユで装着可能であり、し
かもステー斜下方の挿入孔を露出させずに閉栓し
た状態にすることもできる。

［考案の効果］ 本考案ルームミラーの取付機構は、前記の構成
としたので以下のような効果を奏する。

ベースの下面に形成された凹所と、前記凹所
に収納されるべくステー上面取外し自在に突設
させたフレームと、前記凹所の内壁面に設けた
半球凹部と、前記半球凹部と係合すべくフレー
ムの前端に形成した半球状突起と、前記フレー
ム内に配置され、かつ先端部分が半球状突起と
直交する方向の凹所内壁面に対し、弾力的に当
接しうる弾性係合手段とを有しているので、ス
テーのベースへの装着は特別の治工具を使用す
ることなく簡単に行なうことができ、かつ外力
の作用に対して如何なる作用方向にも容易に脱
落する。そのため、従来型に見受けられた取付
位置に関する制約条件がなく、直接運転者の視
界に影響を与えることなく適宜設定できる。

フレームはこれをユニツト化してベースに合
わせておくことにより、各種のステーの取付け
に容易に対応することが可能となる。

ミラー脱落時にフレーム部分に損傷が生じた
場合、フレームを交換するだけでよく経済的で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ルームミラーの取付機構の縦断
側面図、第２図は第１図の斜下方よりみた底面
図、第３図は第１図の−線における縦断正面
図、第４図は第１図の−線における横断平面
図、第５図はフレームの斜視図、第６図は本考案
の取付機構を示す分解斜視図、第７図及び第８図
は従来形を示す図である。 １０……ベース、１１……凹所、１２，１３，
１４……半球凹部、１５……ステー、１６……ス
テー上面、１６ａ……位置決め穴、１７……フレ
ーム、１８……ダボ、１９……Ｕ字溝、２０……
ネジ孔、２１……リブ、２２ａ……湾曲外壁、２
３……連通孔、２４……半球状突起、２５……突
起、２６……弾性係合手段、２７……板バネ、２
７ａ……板バネ基端部、２８……半球付ストツ
パ、２９……半球突部、３０……コ字形基底部、
３１……透孔、３２……スクリユーネジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 車両フロントガラス上部または車室天井前縁
   付近の被着部に固着したベース１０にステー１
   ５を脱落可能に取付けるルームミラーの取付機
   構であつて、 ベース１０の下面に形成された凹所１１と、
   前記凹所１１に収容されるべくステー上面１６
   に取外し自在に配置したフレーム１７と、前記
   凹所１７の内壁面の前部に設けた半球凹部１２
   と、前記半球凹部１２と係合すべくフレーム１
   ７の前縁に形成した半球状突起２４と、前記フ
   レーム１７内に配置され、かつ先端部分が半球
   状突起２４と直交する方向の凹所内壁面に対
   し、弾力的に当接しうる弾性係合手段２６とを
   有することを特徴とするルームミラーの取付機
   構。 ２ 弾性係合手段２６は、フレーム１７内に配置
   される弓形の板ばね２７と、板ばね２７の両端
   近くに弾力的に当接させた半球付きストツパ２
   ８，２８と、フレーム１７の両端部を貫通して
   突出したストツパの半球凸部２９，２９を嵌合
   させるべくベースの凹所１１に形成した凹部１
   ３，１３とから構成されている請求項１記載の
   ルームミラーの取付機構。