JPH068656U - 蝶 番 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 別体にして対となる二個の取着部材を連結・
分離自在にした蝶番において、その連結・分離部位の構
造を簡素にして成形性の向上とコスト低減、ならびに、
その連結姿勢の安定を図る。 【構成】 扉取付部３と連結板４を連結ピン５を介して
折曲げ自在に連結した扉側取着部材１と、枠取付部１２
を有する枠側取着部材２との組合せからなり、枠側取着
部材２は、単一板材を曲成して帯状台をなす凸状の内連
結部７を中央に隆設した形状を有し、扉側取着部材１の
連結板４には、板材を凹状に曲成して、内連結部７に外
嵌着する外連結部６が形成され、その内連結部７に外連
結部６を組合せてねじ止め固定し、扉側取着部材１と枠
側取着部材２を分離自在に連結セットする構造が特徴で
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建物や家具類の扉に用いる蝶番に関するもので、詳しくは、家具の 扉枠や建物の柱に取り付ける枠側取着部材と、扉に取り付ける扉側取着部材の組 合せからなり、その枠側取着部材と扉側取着部材を連結分離自在になした分離自 在型の蝶番に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

前記の分離自在型蝶番は、実公昭５９ー１２３７５号公報の公知例があり、家 具や建物の扉の取付け枠に固定する枠側取着部材と、扉側に固定する扉側取着部 材が連結分離自在の為、例えば家具類の扉において、家具本体と扉に、対となる 枠側取着部材と扉側取着部材を分離した状態で個別に取付け、その家具本体と扉 を分離して屋内に運入して、所定位置に設置した家具本体に、分離状態の蝶番を 連結することによって扉を簡便に後付けしたり、その蝶番を分離させることによ って、扉のみを外して保守・交換できる利点がある。

【０００３】 即ち、前記の公知例の分離自在型の蝶番は、中間で折れ曲げ自在のヒンジ部を 有して扉に固定する扉側取着部材と、その扉側取着部材に突設した帯状係止片を 嵌着する係止部を有し、かつ、その帯状係止片の係止孔に係合ロックする係止突 起を設けた「ばね付勢つきロックレバー」を有する枠側取着部材との組合せから なり、その帯状係止片を相手側の係止部に差し込むことによって、対をなすその 両取着部材が合体連結して単一の蝶番を構成すると共に、その枠側取着部材のロ ックレバーを指先等で押さえ込むとロックレバーのロックが外れ、帯状係止片を 相手側の係止部から引き出すことによって、その枠側取着部材と扉側取着部材が 、それぞれ扉側と枠側に取付けられた状態で分離できる構造になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

以上の公知例の分離自在型の蝶番は、前記のロックレバーがばね付勢によって 相手側の係止片との係合をロックする構造のため、家具類の使用中に不注意に、 そのロックレバーに触れると、そのロックが外れて扉と家具本体の相対位置がず れて扉の閉鎖が不良・不能になると共に、構造が機械的に複雑なため加工難度が 高くてコスト高となり、一部の高級家具を除いて一般家具類に普及し難い不具合 がある。本考案は、以上の従来技術の不具合点を解消する分離自在型の蝶番を提 供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の技術課題を解決する本考案の分離自在型蝶番は「扉への取付部と連結板 をヒンジ部を介して折曲げ自在に連結した扉側取着部材と、扉枠への取付部を有 する枠側取着部材との組合せからなり、該枠側取着部材は、単一板材を曲成して 帯状台をなす凸状の内連結部を中央に隆設した形状を有し、前記扉側取着部材の 連結板には、板材を凹状に曲成して前記内連結部に外嵌着する外連結部が形成さ れ、該内連結部に該外連結部を組合せてねじ止め固定し、前記枠側取着部材と前 記扉側取着部材を分離自在に連結セットする構造」になっている。

【０００６】

【作用】

以上の構成の本考案の蝶番は、前記の構成を有して対となる枠側取着部材と扉 側取着部材の組合せからなり、その扉側取着部材と枠側取着部材には、板材を曲 成した帯状台の内連結部と、その内連結部に外嵌着する外連結部が形成され、こ の内・外連結部を嵌め合せてビス止め固定して合体連結される構造を特徴とする ので、その相互連結セットによって単一の蝶番として機能する。そして、別体の 扉側取着部材と枠側取着部材を、分離した状態で扉と枠に個別に取付け、その取 付け状態の両者の内・外連結部を嵌着セットすることによって扉を扉枠に取付け たり、その連結セットを外すことによって、蝶番を二体に分離して、蝶番取付け 状態の扉を扉枠から外すことができる。

【０００７】 そして、連結と分離が自在になる枠側取着部材と扉側取着部材の連結部を構成 する内・外連結部は、簡素形状の板材凹凸曲成からなるので、その枠側取着部材 と扉側取着部材の成形プレス加工と同時成形できる。そして、その内・外連結部 は凹凸嵌合してねじ止め固定されるので、扉の使用中に蝶番の連結姿勢が弛緩し て、扉枠に対する扉の姿勢崩れを生ずるおそれが極めて少く、扉の取付け姿勢が 安定する。

【０００８】

【実施例】

以下、実施例に基づいて詳しく説明する。まず、本考案の第一実施例の蝶番を 示す図１〜図３を参照して、図１はこの蝶番の構造を示す斜視図、図２はこの蝶 番の六面図（底面図は（Ｅ）の平面と対称にあらわれる）である。本考案の蝶番 は、板材をＬ字状になした枠取付部３と板材を折曲した端部に凹状の外連結部６ を有する連結板４が、連結ピン５によって折曲自在にヒンジ連結された扉側取着 部材１と、板材を曲成して帯状台の凸状の内連結部７を設け、その内連結部７の 両側を枠取付部１２になした枠側取着部材２の組合せからなり、この枠側取着部 ２と扉側取着部材１が、図１の（Ａ）・図３参照、内連結部７と外連結部６の嵌 合によって単一の蝶番として連結合体すると共に、その内・外連結部７・６の外 しによって扉側取着部材１と枠側取着部材２が、分離自在になっている。

【０００９】 詳しくは、図１の（Ｂ）参照、扉側取着部材１の扉取付部３は、扉に固定する 部分で、Ｌ字状をなす一面に取付け固定用のビス孔１１が設けてある。そして、 その扉取付部３と折曲自在に連結される連結板４は、板材がクランク形に曲成さ れて連結ピン５によって扉取付部３と連結すると共に、端部に板材を曲成して三 面枠囲いの凹部になした外連結部６が形成され、この連結ピン５の連結部位が当 該蝶番のヒンジ部を構成している。

【００１０】 一方、枠側取着部材２は、単一板材の中央を帯状台に隆起させて三面枠囲いの 凸状をなす内連結部７に形成され、この内連結部７に前記の外連結部６が、がた つきなく外嵌する形状を有している。そして、この内連結部７の上面に螺合立設 したセットビス８を、外連結部６のビススロット９に挿入してセットビス８を締 め付けると、嵌着した内・外連結部７・６が機械的に強固に連結セットされるよ うになっている。そして、この内連結部７の両端は扉への固定用のビス孔１１を 設けた枠取付部１２となっている。

【００１１】 そして、図３参照、枠側取着部材２が扉１４を取付けるべき扉枠１５にビス止 め固定されると共に、扉側取着部材１の扉取付部３が扉１４にビス止め固定され て蝶番として機能し、この扉側取着部材１と枠側取着部材２は、分離状態で扉１ ４と扉枠１５に固定した後、両者の内・外連結部７・６を嵌合セットさせること によって連結合体させたり、或は、連結合体している内・外連結部７・６を外す ことによって、扉１４が扉側取着部材１を固定したまま、扉枠１５から外される 。

【００１２】 なお、この実施例のものは、枠側取着部材２のビス孔１１の一部を長孔になし 、さらに、扉側取着部材１の外連結部６に調整ビス１３を立設して、その調整ビ ス１３の下端を嵌着した内連結部７の上面に接合させると共に、外連結部６の先 端に、凹部の内側に伸びて嵌着した内連結部７の上面に接して、嵌着姿勢の内・ 外連結部７・６の面間に若干の調整空隙１７を生じさせる接合片１６が設けられ ており、長孔のビス孔１１によって、扉枠１５に対する枠側取着部材２の取付け 相対位置を調整したり、調整ビス１３の回転セットによって接合片１６を支点と して、内連結部７に対する外連結部６の傾き角を調整し、両取着部材１・２の相 対連結姿勢が微調整できるようになっている。

【００１３】 以上の図１実施例の蝶番は、前記の作用がある。そして、別体に形成された二 個の取着部材１・２の連結分離構造の要部をなす内・外連結部７・６は、プレス 加工による板材の凹凸加工で形成できるので、その取着部材１・２と同時にプレ ス成形可能であり、蝶番が低コストに量産できる。

【００１４】 つぎに、他の実施例の蝶番の六面図（底面図は図中の（Ｅ）と対称にあらわれ る）を示す図４を参照して、本考案の他の実施例を説明する。この図４のものは 、図１実施例と同一の外連結部６を有する扉側取着部材１と、内連結部７を有す る枠側取着部材２からなるものにおいて、扉側取着部材１の扉取付部３が切欠円 形の輪郭に形成されている。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明のとおり、本考案の連結分離自在型の蝶番は、対となる枠側取着部 材と扉側取着部材の連結・分離部位が構造簡素にして形成し易く、その上、その 連結姿勢が機械的に安定するので、良質にして安価な実用的連結分離自在型の蝶 番を提供し、その普及を図る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案第一実施例の蝶番を示し、図中の（Ａ）
はその全体斜視図、図中の（Ｂ）はその構成部材の斜視
図

【図２】図１実施例の蝶番の六面図を示し、図中の
（Ａ）はその正面図、図中の（Ｂ）はその右側面図、図
中の（Ｃ）はその左側面図、図中の（Ｄ）はその背面
図、図中の（Ｅ）はその平面図（底面図は平面図と対称
にあらわれる）

【図３】図１実施例の使用状態の横断面図

【図４】本考案の他の実施例の蝶番の六面図を示し、図
中の（Ａ）はその正面図、図中の（Ｂ）はその右側面
図、図中の（Ｃ）はその左側面図、図中の（Ｄ）はその
背面図、図中の（Ｅ）はその平面図（底面図は平面図と
対称にあらわれる）

【符号の説明】

１ 扉側取着部材 ２ 枠側取着部材 ３ 扉取付部 ４ 連結部 ５ 連結ピン ６ 外連結部 ７ 内連結部 ８ セットビス ９ ビススロット １１ ビス孔 １２ 枠取付部 １３ 調整ビス １４ 扉 １５ 扉枠 １６ 接合片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉への取付部と連結板をヒンジ部を介し
   て折曲げ自在に連結した扉側取着部材と、扉枠への取付
   部を有する枠側取着部材との組合せからなり、該枠側取
   着部材は、単一板材を曲成して帯状台をなす凸状の内連
   結部を中央に隆設した形状を有し、前記扉側取着部材の
   連結板には、板材を凹状に曲成して前記内連結部に外嵌
   着する外連結部が形成され、該内連結部に該外連結部を
   組合せてねじ止め固定し、前記枠側取着部材と前記扉側
   取着部材を分離自在に連結セットする構造を特徴とする
   蝶番。