JP4022652B2 - 調整蝶番 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家屋や部屋等の出入り口等に設けられた開口にドアを取付けるのに用いられる蝶番(ヒンジ)であって、特にドアの取付けが容易でかつ取付位置の調整が可能な調整蝶番に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の蝶番は、支持軸を中心にその軸に回動可能に軸支された2枚のヒンジ板からなり、一方のヒンジ板を出入り口等の開口の枠等(以下、開口枠体という)に取付け、他方のヒンジ板をドアに取付けて使用しているが、各ヒンジ板の取付け位置の多少のずれがドアの開閉に影響するため、ヒンジ板の取付けには熟練が要求されていた。また、取付け後にその他の事情によってドアの位置を微調整する必要が生じた場合、従来の蝶番ではネジ止めしていたヒンジ板をはずして付け直す必要があった。
これらの問題を解決するために、二つのヒンジ板を分離して一方の支持軸付きヒンジ板を開口枠体に取付け、他方のヒンジ板をドアに取付けておき、一方のヒンジ板とは別に支持軸に軸着させた結合用挿入片を他方のヒンジ板に設けた該挿入片受け用の挿入孔に挿入して両ヒンジ板を結合させて蝶番として作用させる調整蝶番が提案されている。
【0003】
本発明者らが先に提案した調整蝶番の一例を図14に示す(特開平3−39581号公報)。図は分解斜視図で、この蝶番1は支持軸17、18を有する一方のヒンジ板6と、結合用の挿入片9と該挿入片9を受け入れるための挿入孔8を有する他方のヒンジ板7とから大略形成されている。ヒンジ板6には間隔をおいて支持軸17、18を保持するための巻回部10、11が形成されており、巻回部10、11の間にCリング12が装着できるようにしてある。Cリング12内には挿入片9の基端部に設けた巻回部14が嵌入され、支持軸17、18によって挿入片9が回動可能に軸支される。
【0004】
この蝶番の形成は、一方のヒンジ板6を開口枠体に取付け、他方のヒンジ板7をドアに取付けたのち、挿入片9を他方のヒンジ板7の挿入孔8に挿入し、ヒンジ板7に設けられたネジ孔21、23にネジ20、22を挿入し挿入片9を固定して両ヒンジ板6、7を結合する。この例の場合では、挿入片9の厚さ及び幅に対して挿入孔8は少し大きめに形成されていて、挿入片9の孔24を通って先端部がネジ孔21に螺着される固定ネジ20によって挿入片9を挿入孔8内に保持し、調整ネジ23によって挿入片9の厚さ方向の位置を調整固定することによって、ドアを閉めた時のドアの左右方向の側端面と開口枠体の枠内側面との隙間を調整し、支持軸17、18の先端のネジ27、28によって挿入片9を上下動させることによって、ドアの位置を上下できるようにしたものである。なお、図中13及び26はヒンジ板固定用の木ねじ用孔、15はCリングのスリット部、16は挿入片9の切欠き部で挿入片9を上下動させたときに挿入片9の上又は下の端がヒンジ板6の巻回部10、11に当接しないようにするためである。25は調整ネジ22の先端部が挿入される孔である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の調整蝶番では、あらかじめ両ヒンジ板を開口枠体とドアに固定しておき、その後挿入片を挿入して固定するものであるため、調整固定するまでドアを作業者が保持していなければならない。そのため、ドアを保持する人と調整固定する人の2人で作業するか、又はドア吊り込み装置などを使用する必要があった。
更に一旦固定した後、例えばドアの左右方向の位置を調整し直すためには、再び固定ネジを緩めたのち調整ネジを回して調整し、最後に再度固定ネジを締めて固定しなおす必要があるが、ネジの締付時に位置がずれて再度調整しなおす必要があったり、緩め過ぎたためにネジがヒンジ板から脱落するなどの不都合が生じている。
【0006】
ドアの開く位置を右側から左側又はその逆のように変更する場合には、ドアを上下反転させて行うが、従来の蝶番では、ヒンジ板を固定していた木ネジを全てはずして蝶番本体を一旦はずしたのち、反転させたドアを再度木ねじで締め付け固定する必要があった。これらの問題に対処するため、あらかじめドアに蝶番を取付けたドアや枠体を左用、右用として供給することも行われているが、製品が2種類となって製造や梱包、保管、販売等に手数がかかり、このようにしても作業現場での左右変更の場合には、木ネジで締めなおす作業が必要となる。
本発明は、上記従来の種々の問題を解決するためのもので、ドアの仮固定、位置の調整が容易で、ドアの左右の開閉位置の変更に対応できる蝶番を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の調整蝶番における第1の発明は、2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片の幅方向側端又は該側端に対応する挿入孔の内側面に出没可能な係合用の凸片又は係合用凹部を設け、該凸片と凹部で挿入片が保持されるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明は、上記において挿入片を差し込むための挿入孔は一方向にのみ開口を有する長方形の孔でもよいが、ドアの厚さ方向の両端に開口を有する貫通孔として、いずれの開口からも挿入片を挿入できるようにするとよい。
【0009】
第2の本発明は、前記挿入片を挿入孔内に調整可能に固定するにあたり、挿入孔部にA、B、Cの3個のネジからなる調整ネジを配置し、挿入片に設けたスリット又は貫通孔にネジの軸部が差し込まれてA、B2個の挟持用ネジで挿入片を挟んで保持し、該A、B2個のネジを保持してヒンジ板に螺着された調整用ネジCによって挿入片の厚さ方向に挿入片の固定位置を調整できるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
この場合、挟持用ネジA、Bは、挿入片をその厚さ方向の両面から挟持することができるものであればよく、一方をボルトとし他方をナットとしてもよい。調整用ネジCは基端部がヒンジ板に螺着されるネジ部となっており、他方はA、Bのネジに貫通して両ネジを保持するか、A、Bいずれかのネジに係合した形としてもよい。ネジA、B、Cはヒンジ板の一方の側からネジ止め、解除又はネジの進退動ができるように組合せる。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の本発明において、挿入孔をドアの厚さ方向に貫通孔として左右に開口を有する形としたときは、必要ならば、他方の開口を適当な蓋で閉止するか又は挿入片の先端が他方の開口に達するようにしてもよく、また更にヒンジ板の側面に現れるネジ孔を覆うためのヒンジ板側面用の化粧カバーと共に開口用の蓋を一体的に形成してもよい。化粧カバーは、調整用ネジ部が容易に現れるように着脱可能なカバーとする。
【0012】
挿入片を挿入孔内に保持するための凸片と凹部は、通常、挿入片に係合用凹部を設け、挿入孔に凸片(ロックピン)を設けるが、この逆としてもよい、凸片はバネ等で付勢されて突出しており、挿入片の圧入時に隠退し凹部と一致したとき凹部内に突出して挿入片を抜け落ちないように保持する。凸片は、通常、一旦凹部に嵌入したのちは外れないようにするが、例えば、挿入片の側端に設けた溝に挿入孔の他方の開口からピン等を差し込むことによって凸片を凹部から抜き出せるようにしてもよい。
【0013】
挿入片は必ずしも、挿入孔の他方の端部に達する長さとする必要はない。本発明の場合、挿入片を挟持し調整するためのネジA、B、Cはヒンジ板の片面から挿入孔に装着することができ、かつ、ヒンジ板の片面から調整ネジのみを廻すことによって挿入片の位置を調整することができるため、調整ネジの位置は必ずしも挿入孔の長さ方向の中央である必要はない。したがって、挿入片の先端部に位置するように調整ネジを設けることができ、挿入片の挿入方向を変えることによって調整ネジの取り付け位置を変えるようにすることもできる。
【0014】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面にしたがって説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでない。
【0015】
図1は、結合用挿入片と該挿入片が挿入される挿入孔有する他方のヒンジ板とを示す斜視図で、図示しない部分の各部材は従来例として示した図14に示したものとほぼ同じである。
本発明の場合には、一対の挟持用のネジA、Bで挿入片9を挟持し、調整用ネジCで調整するため、挿入片9に設ける孔は一つのみでよく、この例の場合はスリット3とし、同様に他方のヒンジ板7の挿入孔部に設ける調整用のネジ孔2も一つでよい。
【0016】
図2及び図3は、挿入片9をヒンジ板7の挿入孔8内に挿入する前と、挿入した状態を示す断面模式図である。この例は、挿入片9が挿入孔8の左右の開口から挿入できるようにした場合で、開口8aと8bからのための係合用凸片4aと4bが設けられていて、挿入片9の係合用凹部5に嵌入するようになっている。図中、3は挿入片9に設けた調整ネジ30用のスリットを示す。
図4及び図5は係合用凹部5と係合用凸片4との関係を示す模式図である。図4aに示すように挿入孔8内に突出していた凸片4は、挿入片9が圧入されたとき凸片4は挿入孔8の側壁81内に入り(図4b)、凹部5と一致したとき突出して凹部5内に入り、挿入片9とヒンジ板7とを結合する(図5)。凸片4は、図4に示すようにバネ41のような弾性部材で後方より突出するように付勢しておく。図6及び図7は、凸片4の他の例で、逆木状に挿入孔8の側壁81の一部を突出させて凸片4としてもよく、また凸片4を鋼板やプラスチック板で板バネ状に設けてもよい。
【0017】
図8は、調整ネジであるネジA、B、Cの関係を示す。図8は分解斜視図で、ナット状の締付けネジAとネジA内に螺着されるネジ軸部B1 を有するネジBと、ネジA、B内を貫通して両ネジを保持する保持部C1 とヒンジ板7に螺着するネジ部C2 とからなる調整用ネジCとからなる。調整用ネジCの先端部C1 はカシメるなどしてネジA、Bが抜け出ないようにするとよく、またこの先端部C1 にはドライバー又はレンチ用の嵌合溝を設ける。
図9は、挿入片9の固定位置を調整する手段を説明するための断面図である。図に示すようにヒンジ板7に設けられた挿入孔8に挿入された挿入片9は、挟持用ネジA、Bによって挟持され、調整用ネジCによってその位置が調整される。
【0018】
図9は、挿入片9を固定した状態を示す断面図で、まずネジAとBの間に挿入した挿入片9をネジAを廻してネジBとで挟む。ネジAは、ネジAの頭部に設けたレンチ嵌合部A1 にレンチaを挿入して回転させる。このとき、ネジBは空回りしないように保持部C1 とネジ部C2 との間の段部でネジCと係合するようにするか又は挿入片等と係合して空回りしないようにするとよい。ネジA、Bで挿入片9を挟持したのち、ネジAの頭部からネジC用のドライバー又はレンチcを挿入してネジCを回転させて挿入片9の位置を調整固定する。
本発明の場合、ドアの端面と開口枠体との隙間の調整は、図10に示すように、ヒンジ板7の挿入孔8の入口に沿って設けた突条8aを支点として調整ネジの進退と逆方向に挿入片9の支持軸側を移動させることによって行うこともできる。支点を設けずに単に調整ネジのみで行うこともできる。
【0019】
図11は、挿入片9に係合した凸片4を解除する方法の一例を示す図で、挿入片9の側面に溝9aを設けておき、この溝9aにピン9bを挿入することによって凸片4を係合凹部より押し出すようにしてもよい。この場合、凸片4の側面にも溝4aを設けるが、この溝4aはピン9bの挿入が容易となるようにピン9bが挿入される側を凸片4の外形とは別に緩やかな曲面とするとよい。
【0020】
本発明において挿入孔を両側に開口を有するものとしたときに、使用しない方の口を塞ぐ方法としては、図1に示したように別に作製した蓋8bを開口に装着する方法の他に、図12に示すようにあらかじめ両開口面に蓋8cを一体的に設けておき、この一体的に形成された蓋8cを使用する側のものだけ、折って取り除くようにするとか、図13に示すようにヒンジ板7の側面を覆う化粧カバー7aと一体的に蓋を設けて塞ぐようにするとよい。ヒンジ板7は挿入孔を中心に上下を対称形としておくことによって、一つの化粧カバーで左右の挿入孔の開口に対応できる。化粧カバー7aは、例えば、ヒンジ板7に設けた嵌挿用の穴71に嵌合ピン72を嵌め込むなどの方法によってヒンジ板7に装着するとよい。図中、73は挿入孔8用の蓋部、74は調整ネジ用の孔を示す。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、結合用の挿入片を挿入孔に差し込んだとき、挿入片は凸片と係合用凹部とによってワンタッチで結合されるため、開口枠体へのドアの仮り装着が容易にできる。ドアと開口枠体との隙間をA、B、Cの3個の組合せた調整ネジによって行うことができるため、ドア側のヒンジ板に設ける挿入孔を貫通孔とし、左右方向から挿入片を差し込めるので、ドアの取り付け位置を左開き、右開きのいずれにも容易に変更できる。本発明の調整蝶番は、上記の構成とすることによって、左開き用、右開き用と蝶番を区別して製造する必要がないため、製造工程が簡略化できると共に、製品管理、販売管理の面でも多くの作業を省略できるなど種々の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】挿入片と他方のヒンジ板の挿入孔との関係を示す断面模式図である。
【図3】挿入片を挿入孔に差し込んだ状態を示す断面模式図である。
【図4】挿入片の係合用凹部と凸片との関係を示す模式図である。
【図5】挿入片の係合用凹部と凸片とが係合した状態を示す模式図である。
【図6】係合用凸片の一例を示す断面図である。
【図7】係合用凸片の他の例を示す断面図である。
【図8】調整ネジの分解斜視図である。
【図9】調整ネジの断面図である。
【図10】調整によって挿入片が動く状態を示す模式図である。
【図11】凸片を挿入片から除く手段の一例を示す斜視図である。
【図12】挿入孔の閉止手段の一例を示す斜視図である。
【図13】挿入孔の閉止手段の他の例を示す斜視図である。
【図14】従来の調整蝶番を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 蝶番
2 調整ネジ用の孔
3 調整ネジ用のスリット
4 係合用凸片
5 係合用凹部
6 ヒンジ板
7 ヒンジ板
8 挿入孔
9 挿入片
33 調整ネジ
A 挟持用ネジ
B 挟持用ネジ
C 調整用ネジ

Claims (3)

  1. 2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片の厚さ方向の移動量の調整を行うために、挿入片を挟持するためのナット状のネジAと該ネジAに螺着するネジBと、ネジA、Bに貫通してこれらのネジを保持し基端部が挿入孔部のヒンジ板に螺着する調整用ネジCとからなる調整ネジを備えたことを特徴とする調整蝶番。
  2. 挿入片の幅方向側端又は該側端に対応する挿入孔の内側面に出没可能な係合用の凸片又は係合用凹部を設け、該凸片と凹部で挿入片が保持されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の調整蝶番。
  3. 挿入孔が貫通孔で、左右の開口から挿入片を差し込むことができるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の調整蝶番。
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