JPH0431967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は流し台の扉に取り付けるための蝶番金
具に関するものであつて、取付け枠の扉との対向
面に固定するための基板と、扉に対して固定する
ためのカツプ状取付け金具とを二本のリンクを介
して枢着連結して成る形態を具えた蝶番金具に於
て、該基板とカツプ状取付け金具とをその閉じた
状態での対向間隔を自由に調節可能とする如く構
成し、依つて、扉の蝶着が極めてぴつたりとした
ものとするような後処理的調節が任意に達成化さ
れるように成したことを特徴とするものである。

（従来の技術） 従来のこの種蝶番金具として実公昭58−5827号
公報に掲載された「蝶番」がある。

これは、取付け枠に固定するための基板に起立
腕を一体的に立設すると共に、扉に固定するため
のカツプ状取付け金具に対し先端を枢支した二本
のリンクの基端を、該起立腕に対し回転自在に枢
着固定したものである。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来の蝶番であると、基板に対し起立
腕を一体的に連設し、該一体設した起立腕に対し
二本のリンクを回転自在に枢着固定するものであ
るため、該リンクの先端に取り付けたカツプ状取
付け金具と基板とが、その閉じた時の対向的取付
け間隔が固定化され、該間隔を調節することは全
く不可能とするものである。

一方、流し台等の扉をぴつたりと閉扉するため
には、蝶番金具における上記した基板とカツプ状
取付け金具とが、閉扉完了時には完全に閉じた状
態、すなわち設定された対向間隔に戻つた状態と
なることが要求される。然し乍、上記した如き従
来の蝶番金具であると、その取付け誤差等に基づ
き、扉を開扉した際に、蝶番が未だ完全に閉じて
いなかつたり、または閉扉前に閉じてしまつたり
する様な事態を生じることを余儀無くされ、ま
た、この場合、後処理的調節は全く不可能であつ
た。従つて、従来の蝶番金具にあつては、その取
付けに細心の寸法的注意を払うことが要求され
た。

本考案は、上記の如き従来に於ける問題点の解
決化を図つたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、取付け枠の扉との対向面に固定する
ための基板１と、扉に対して固定するためのカツ
プ状取付け金具９とを、第１リンク６及び第２リ
ンク７を介して連結して成る蝶番金具に於て、一
側面にガイド溝３ａを形成すると共に、該カイド
溝３ａ部分には調節用縦長孔３ｂを穿設して成る
ガイド片３を、上記基板１の下半部に一体的に立
設し、該基板１の板面にしてかつ該ガイド片３の
溝形成面側の側方部分には窓状抜き穴４を開設
し、更に、前記ガイド溝３ａに対しそに溝方向に
摺動自在に嵌合させた案内突条５ａを背面全長に
わたつて一体的に形成して成るリンク枢支用体５
を、上記抜き穴４に対し前後進可能に嵌め込むと
共に、前記調節用縦長孔３ｂから突入させた止め
螺子８の先端を、該リンク枢支用体５に対し螺着
し、該リンク枢支用体５には、前記カツプ状取付
け金具９に対し先端を枢着した第１及び第２リン
ク６及び７の基端部を夫々回転自在に枢着したこ
とを特徴とする蝶番金具に係るものである。

（作用） 前述の如き構成を具えた本考案の使用に際して
は、従来のこの種蝶番金具と全く同様にして使用
に供するものである。すなわち、流し台に用いる
場合は、その上部枠部分に対し基板１を固定し、
カツプ状取付け金具９を扉に対して固定し、これ
に依り扉を開閉自在に蝶着するものである。

処で、上記の如き取付け状態に於て、扉を閉扉
した際に、蝶番が未だ完全に閉じていなかつた
り、または閉扉前に閉じてしまつたりする様な事
態を生じて扉がぴつたりと閉じることが出来なか
つた場合、止め螺子８を緩めてリンク枢支用体５
を自由化すると共に、これを前方または後方に適
宜摺動移動させることに依り、第４図に示す間隙
Ｓを扉がぴつたりと閉じるに最適とするものに調
節し、然し後、上記止め螺子８を締めることに依
り、リンク枢支用体５を再び固定状態に保つ。

このような調節を施すことに依り、扉は蝶番金
具取付け後であつてもこれをぴつたりと閉じるた
めの調節が許容化されることとなるわけである。

（実施例） 本考案の構成を図面に示す実施例について詳細
に説明すれば次の通りである。

図において、１は基板、２は該基板１の上半部
裏面に摺動自在に装設した固定板であつて、該固
定板２は取付け部材（例えば流し台の枠部分）の
扉との対向面部分に対して螺子止め等に基づき固
着し、上記基板１はこの様な固着状態にある固定
板２に対し、その取付け用横長孔１ａ，１ａから
ボルト１ｂ，１ｂを挿通して該固定板２に螺合す
ることに依り、取付け位置を横方向に調節可能と
する如くして取り付けられている。

３は基板１の下半部に立設したガイド片であつ
て、その一側面には平面台形状を呈するガイド溝
３ａを形成すると共に、該ガイド溝３ａ部分には
調節用縦長孔３ｂが穿設されている。４は該ガイ
ド溝３ａの溝形成面側の側方部分に開設した窓状
抜き穴であつて、下記するリンク枢支用体５を前
後進可能に嵌め込むためのものである。

５は前記ガイド溝３ａに対し溝方向（前後方
向）に摺動自在にしつくりと嵌合させるための案
内突条５ａを背面に一体的に形成すると共に、基
板１の前方位置部分に第１枢着用膨出部５ｂを、
また、当該第１枢着用膨出部５ｂの手前位置部分
に第２枢着用膨出部５ｃを夫々形成して成るリン
ク枢支用体であつて、該第１枢着用膨出部５ｂに
は第１リンク６の基端部がまた該第２枢着用膨出
部５ｃには第２リンク７の基端部が夫々回転自在
に枢着してある。８は前記調節用縦長孔３ｂから
突入すると共に上記リンク枢支用体５に対して螺
着して成る止め螺子であつて、リンク枢支用体５
は該止め螺子８を介してガイド片３に対し所望高
さでの固定が成されるように構成してある。

９は流し台等の扉側に対して埋設的に固定する
ためのカツプ状取付け金具であつて、その内部側
方には枢支金具１０が固設されており、前述した
第１リンク６及び第２リンク７の先端部は夫々該
枢支金具１０に対し回転自在に枢着されている。
９ａはカツプ状取付け金具９のフランジ部に穿設
した取付け螺子挿通孔である。

（考案の効果） 本考案は、一側面にガイド溝３ａを具えたガイ
ド片３を基板１の下半部に一体的に立設し、該ガ
イド溝３ａに対し案内突条５ａをその溝方向に摺
動自在に嵌合させたリンク枢支用体５に対し、カ
ツプ状取付け金具９に先端を枢支した第１及び第
２リンク６及び７の基端部を夫々回転自在に枢着
したから、止め螺子８の緩締操作に基づき、リン
ク枢支用体５の取付け高さの位置調節が任意に達
成されることとなり、換言すると、カツプ状取付
け金具９と基板１とのその閉じた時の対向的取付
け間隔が任意に設定可能とすることとなる。

従つて、既述した如き作用に基づき、扉蝶着が
極めてぴつたりとしたものとするような後処理的
調節が任意に達成化されることとなるから、従来
の蝶番金具に於て生じた取付け作業に要する寸法
的注意を充分に払わなければならないと云うよう
な煩雑性及び熟練性を伴う問題は全く解消化され
る事となる。

更に本考案は、ガイド溝３ａに対し案内突条５
ａを嵌合させた状態でリンク枢支用体５をガイド
片３に対して摺動自在に取り付けるように構成
し、かつ該リンク枢支用体５は、窓状抜き穴４に
対して前後進可能に嵌め込んであるから、該リン
ク枢支用体５は顕著な安定状態に保持されること
となる。

従つて、扉の開閉操作に基づき該リンク枢支用
体５に強い荷重が加わつても、これの破壊的離脱
を招く様な恐れを絶無とし、顕著な堅牢性を奏す
ることとなる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は第２図に於けるＸ−Ｘ線断面図、第２図は本
考案の正面図、第３図はカツプ状取付け金具９を
省略して表した同上正面図、第４図は同上底面
図、第５図はカツプ状取付け金具９を省略して表
した同上底面図、第６図は一部切欠右側面図、第
７図は本考案の要部を示す説明用斜視図である。 １……基板、２……固定板、３……ガイド片、
３ａ……ガイド溝、４……抜き穴、５……リンク
枢支用体、５ａ……案内突条、６……第１リン
ク、７……第２リンク、８……止め螺子、１０…
…枢支金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 取付け枠の扉との対向面に固定するための基板
   １と、扉に対して固定するためのカツプ状取付け
   金具９とを、第１リンク６及び第２リンク７を介
   して連結して成る蝶番金具に於て、一側面にガイ
   ド溝３ａを形成すると共に、該ガイド溝３ａ部分
   には調節用縦長孔３ｂを穿設して成るガイド片３
   を、上記基板１の下半部に一体的に立設し、該基
   板１の板面にしてかつ該ガイド片３の溝形成面側
   の側方部分には窓状抜き穴４を開設し、更に、前
   記ガイド溝３ａに対しその溝方向に摺動自在に嵌
   合させて案内突条５ａを背面全長にわたつて一体
   的に形成して成るリンク枢支用体５を、上記抜き
   穴４に対し前後進可能に嵌め込むと共に、前記調
   節用縦長孔３ｂから突入させた止め螺子８の先端
   を、該リンク枢支用体５に対し螺着し、該リンク
   枢支用体５には、前記カツプ状取付け金具９に対
   し先端を枢着した第１及び第２リンク６及び７の
   基端部を夫々回転自在に枢着したことを特徴とす
   る蝶番金具。