JPS627827Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、家具に使用される扉、特にガラス板
のみから成る扉を、家具本体に開閉自在に枢着す
るのに有効な蝶番を提供するものであつて、扉側
には１個の真円形の貫通孔を設けるだけで蝶番を
取り付け得るようにすると共に、取り付けた蝶番
のみで、扉を閉鎖位置でロツクするためのロツク
手段をも兼用させ得るようにせんとするものであ
る。

以下本考案の一実施例を添付の例示図にもとず
いて説明すると、第１図及び第２図において、１
は扉側取り付け片、２は家具本体側（方立側）の
取り付け片、３は、両取り付け片を互いに枢着す
る支軸、４は押え部材である。

第３図乃至第５図に示すように、前記扉側取り
付け片１には、四角柱状の突出部５が突設され、
この突出部５には、その端面から取り付け用ねじ
孔６が設けられている。前記押え部材４には、真
円柱状の突出部７が突設され、この突出部７に
は、その端面から、前記突出部５が回転不能に内
嵌する四角柱状凹部８が設けられている。

又、前記押え部材４には、前記ねじ孔６に対応
する位置において、取り付け用ねじ９が貫通する
貫通孔１０が設けられている。さらにこの押え部
材４には、他方の取り付け片２側へ斜めに突出す
ると共に、先端に円柱面状膨出部分１１を備えた
係合部１２が一体に連設されている。

家具本体側の取り付け片２には、複数個の取り
付け用孔１３が設けられると共に、両取り付け片
１，２が、挾角が90度となる状態まで閉動したと
き、前記係合部１２の先端円柱面状膨出部分１１
ａが嵌合する被係合凹部１４を備えた横倒三角柱
状の係合部１５が一体に連設されている。

尚、第３図に示すように、扉側取り付け片１に
は、前記突出部５の周囲においてワツシヤー嵌合
凹部１６を設け、この凹部１６より若干厚さの大
なるワツシヤー（ナイロン樹脂製等のもの）１７
を、突出部５に外嵌させて使用することができ
る。（第４図及び第５図では省略している。） 使用方法について説明すると、第６図に示すよ
うに、家具本体における方立１８の内側面に取り
付け片２を、その取り付け用孔１３と木ねじを利
用して従来通り取り付ける。一方、扉となるガラ
ス板１９には、第３図に示すように、前記押え部
材４の真円形柱状の突出部７が丁度内嵌する直径
の真円形貫通孔２０を穿設しておき、ワツシヤー
１７を使用するときには、該ワツシヤー１７を四
角柱状の突出部５に外嵌し、前記真円形貫通孔２
０にガラス板１９の内側から突出部７を嵌合させ
た状態で、該突出部７の四角柱状凹部８に四角柱
状突出部５が内嵌するように、ガラス板１９を取
り付け片１に当て付ける。このとき押え部材４の
係合部１２が取り付け片２側の係合部１５側に指
向するように注意する。

係る状態において、取り付け用ねじ９を貫通孔
１０からねじ孔６に螺合して、押え部材４を取り
付け片１側に締め付けることにより、該押え部材
４と取り付け片１との間でガラス板１９を挾持固
定する。

上記の如く、ガラス板１９を少なくとも上下２
箇所において本考案蝶番により枢着することによ
り、該ガラス板１９を、支軸３を中心に開閉運動
させることができるのであるが、取り付け片２に
対して扉側取り付け片１が直角となる状態までガ
ラス板１９を閉動させたとき、第６図実線で示す
ように、押え部材４側の係合部１２が取り付け片
２側の係合部１５と自動的に係合し、ガラス板１
９を閉鎖位置においてロツクすることになる。ガ
ラス板１９を開動させるときは、両係合部１２，
１５間の係合力に抗して、ガラス板１９を強く手
前に引けば良い。

本考案の蝶番は、以上の如く実施し使用し得る
ものであつて、ガラス板等、扉となる被取り付け
板材には、蝶番取り付けのための孔として、１個
の真円形貫通孔を設ければ良いので、非真円形の
特殊な孔を設ける場合や複数個の孔を設ける場合
に比べて、作業が容易で蝶番取り付けコストを下
げることができる。しかも押え部材４は、突出部
５と凹部８（両者は非真円形柱状であれば良く、
四角形柱状に限定されない）との嵌合によつて、
両係合部１２，１５が互いに係合し得る向きに確
実に固定されるので、被取り付け板材の閉鎖位置
でのロツクを常に良好に行わせ得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は側面図、第２図は平面図、第３図は分
解斜視図、第４図は縦断側面図、第５図は横断平
面図、第６図は使用状態を示す横断平面図であ
る。 １……扉側取り付け片、２……家具本体側取り
付け片、３……支軸、４……押え部材、５……四
角形柱状突出部、７……真円形柱状突出部、８…
…四角形柱状凹部、９……取り付け用ねじ、１
２，１５……係合部、１８……家具本体方立、１
９……ガラス板（被取り付け板材）、２０……真
円形貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支軸によつて互いに枢着された一対の取り付け
   片の内、一方の取り付け片に非真円形柱状の突出
   部を設け、この突出部に回転不能に嵌合する非真
   円形凹部を、押え部材から突設した真円形柱状の
   突出部に設け、前記非真円形柱状突出部に設けた
   ねじ孔に螺嵌して前記押え部材を前記取り付け片
   に固定する固定用ねじにより、前記押え部材と取
   り付け片との間に挾んだ被取り付け板材を固定す
   るようにし、前記両取り付け片を一定角度まで相
   対的に閉動したとき、互いに係合する係合部を、
   前記押え部材と他方の取り付け片とに設けて成る
   蝶番。