JPH071247U - 家具用ヒンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扉と家具本体の側板との間に隙間が生じず、
家具本体内の引出し部をスムーズに引出し得、且つ取付
け作業の容易な家具用ヒンジを提供することを目的とす
る。 【構成】 家具本体５の扉６に取付けられる取付用矩形
平板部１と、この取付用矩形平板部１の面内に垂直状に
突設され、扉６に設けられた穴部６１に嵌合する仮止め
用軸部２と、取付用矩形平板部１の適所に設けられた仮
止め状態固定部３と、取付け用矩形平板部１の一端部に
垂直状に突設され、家具本体５に設けられた穴部５１ａ
に嵌合される扉回転用軸部４とから成ることを特徴とし
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、家具用ヒンジに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図５及び図６は、従来の家具用ヒンジを示す斜視図である。図５に示す家具用 ヒンジは、円板状鍔板部７３の上面と下面に、それぞれ円柱軸部７１、７２を垂 直状に突設している。扉６の上端面に設けたバカ穴に下側の円柱軸部７１を嵌合 し、家具本体５の天板５１に設けたバカ穴に上側の円柱軸部７２を嵌合すること で、扉６を回動（開閉）させる。 また、図６に示す家具用ヒンジは、枢軸部８１の両側にそれぞれ回動取付板８ ２、８３を取付けたもので、一方の回動取付板８２を扉６にビス８４で止着し、 他方の回動取付板８３を家具本体５の側板５３にビス８４止着して、扉６を回動 （開閉）させる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記、図５に示す家具用ヒンジでは、扉と天板に設けたバカ穴に突出軸部を嵌 合するだけのものである。従って、扉が大きい場合（幅広である場合）は扉とヒ ンジの固定状態が悪く、扉自体の重さにより扉の回動（開閉）が円滑にいかない 。また、家具本体の側板と扉との隙間を小さくするためには、ヒンジの嵌合位置 は出来る限り扉の端部（一端面側）に配備することが好ましい。しかし、厚みの 薄い扉の端部に突出軸部嵌合用のバカ穴を開設すると、扉の端面がヒビ割れする 虞れがある。このため、通常、ヒンジ（扉のバカ穴位置）は、扉の端部よりやや 中央よりに配備している（図５参照）。この結果、扉と側板との間に大きな隙間 が開く不利がある。 また、図６に示す家具用ヒンジ（蝶番）では、上記ヒンジ（図５に示すヒンジ ）の不利がない反面、家具本体の両側板長さに等しい長さの引出し部５５がある 場合には、蝶番の突出する取付板部８４及び枢軸部８１が邪魔となって外方へ引 き出せない等の不利がある。

【０００４】 この考案は、以上のような課題を解消させ、扉と家具本体の側板との間に隙間 が生じず、家具本体内の引出し部をスムーズに引出し得、且つ取付け作業の容易 な家具用ヒンジを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び作用】

この目的を達成させるために、この考案の家具用ヒンジでは、次のような構成 としている。 家具用ヒンジは、家具本体の扉に取付けられる取付用矩形平板部と、この取付 用矩形平板部の面内に垂直状に突設され、扉に設けられた穴部に嵌合する仮止め 用軸部と、取付用矩形平板部の適所に設けられた仮止め状態固定部と、取付用矩 形平板部の一端部に垂直状に突設され、家具本体に設けられた穴部に嵌合される 扉回転用軸部とから成ることを特徴としている。

【０００６】 このような構成を有する家具用ヒンジでは、扉の上端面に予め設けられた仮止 め穴に対し、仮止め用軸部を嵌合する。これにより、取付け用矩形平板部は扉の 上端面に重合接面した状態が仮止めされる。ここで、取付け用矩形平板部の面内 に設けられた仮止め状態固定部（ビス貫通孔）を介して、上方からビスを扉に対 しねじ込む。取付用矩形平板部は、仮止めされているため、ネジ込み作業に両手 が使用できる。従って、扉に対し取付用矩形平板部を正確且つ強固に固定し得る 。この状態において、扉回転用軸部は扉の一端部、つまり扉の一端面とほぼ同一 線上に位置し、且つ家具本体の天板部に予め設けられたバカ孔に対応している。 扉回転用軸部を天板部のバカ孔に嵌合することで、扉は回動（開閉）する。また 、ヒンジは扉の一端部の端面に取付けられるから、扉を開放した際、扉と家具本 体の側板との隙間は僅かで済む許かりでなく、扉の９０度開放状態において扉の 内面と家具本体の側板内面とは、ほぼ同一面上となり、家具本体の引出し部を容 易に外方へ引出し得る。

【０００７】

【実施例】

図１は、この考案に係る家具用ヒンジの具体的な一実施例を示す斜視図である 。

【０００８】 家具用ヒンジは、取付用矩形平板部１と、この取付用矩形平板部の面内に垂直 状に突設された仮止め用軸部２と、取付用矩形平板部１の適所に設けられた仮止 め状態固定部３と、取付用矩形平板部１の一端部に上方へ垂直状に突設された扉 回転用軸部４とで構成される。

【０００９】 取付用矩形平板部１は、ステンレス、アルミニウム等の金属板、或いは硬質合 成樹脂板で成形され、厚みの薄い短冊状の平板である。上記仮止め状態固定部３ は、ビス貫通用孔であり、取付用矩形平板部１の面内長さ中央部に開設される。 また、仮止め用軸部２は、取付用矩形平板部１の一方の面に突設される。実施例 では、２本の仮止め用軸部２、２がビス貫通孔３の両側にそれぞれ垂直状に突設 してある。更に、扉回転用軸部４は、円柱状に形成され、取付用矩形平板部１の 一端部であって、取付用矩形平板部１の一端面とほぼ同一線上に垂直突設される 。扉回転用軸部４は、取付用矩形平板部１の他方の面、つまり仮止め用軸部２と 逆方向へ突設される。この扉回転用軸部４の下部（取付用矩形平板部１との接面 部）には、径の大きい略円板状の鍔板部４１が設けてある。

【００１０】 図４は、この考案に係る家具用ヒンジの他の実施例を示す斜視図である。先の 実施例（図１の実施例）では、仮止め用軸部２を２本突設した例を示したが、こ の実施例では１本の仮止め用軸部２を取付用矩形平板部１の面内中央に突設した 例を示している。また、この実施例では、取付用矩形平板部１の他端部に仮止め 状態固定部（ビス貫通孔）３を設けると共に、先端が尖鋭な打ち込み部１１を下 方へ連続突設している。この実施例のヒンジでは、仮止め用軸部２を扉のバカ穴 に嵌合した状態で、扉の上端面に対し打ち込み部１１を叩いて打ち込み固定する 。従って、この実施例ではビス貫通孔を省略し、打ち込み部１１のみを仮止め状 態固定部３としても良く、ビスがない場合でもヒンジを扉に固定し得る。

【００１１】 このような構成を有する家具用ヒンジは、所謂ノックダウン製品と称する家具 （例えばレコードラック等のように、天板、側板、底板、奥板及び扉板等の各部 品がバラ状態で販売され、ユーザーが組み立てる家具）に使用される。図２及び 図３で示すように、扉６、家具本体５の天板部５１及び底板部５２の適所には、 予めバカ穴６１、５１ａ、５２ａが開設してある。 ヒンジを家具本体５及び扉６に取付けるには、図２で示すように、扉６の上端 面６ａに予め設けられた仮止め穴６１、６１に対し、仮止め用軸部２、２を嵌合 する。これにより、取付け用矩形平板部１が扉６の上端面６ａに重合接面した状 態で仮止めされる。ここで、取付け用矩形平板部１の上方からビス貫通孔３を介 して、ビス３１を扉６に対し螺子込む。取付用矩形平板部１は、仮止めされてい るため、ネジ込み作業に両手が使用できる。従って、全くの素人であっても扉６ に対し取付用矩形平板部１を正確且つ強固に固定し得る。この状態において、扉 回転用軸部４は扉６の一端部、つまり扉の一端面とほぼ同一線上に位置し、且つ 家具本体５の天板部５１に予め設けられたバカ孔５１ａに対応している。扉回転 用軸部４を天板部５１のバカ孔５１ａに嵌合することで、扉６は回動（開閉）す る。また、ヒンジは扉６の一端部の端面側に取付けられるから、扉６を開放した 際、扉６と家具本体５の側板５３との隙間は僅かで済む許かりでなく、図３で示 すように、扉６の９０度開放状態において扉６の内面と家具本体の側板５３内面 とは、ほぼ同一面上となり、家具本体５の引出し部を容易に外方へ引出し得る。

【００１２】

【考案の効果】

この考案では、以上のように、取付用矩形平板部１の面内に仮止め用軸部２を 突設すると共にビス貫通孔３を設け、取付用矩形平板部１の一端部に扉回転用軸 部４を垂直状に突設することとしたから、扉に対し仮止め状態のもとで正確且つ 強固にヒンジを取付け得る。また、ヒンジの扉回転用軸部は扉の端面に配備でき 、扉と家具本体の側板との間に大きな隙間が生じることがない許かりでなく、扉 開放時、扉内面と家具本体の側板内面とが同一面上となり、引出し部の円滑な引 出し操作が実現し得る等、考案目的を達成した優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例家具用ヒンジを示す斜視図である。

【図２】実施例家具用ヒンジの取付け状態を示す説明斜
視図である。

【図３】実施例家具用ヒンジの取付け状態を示す斜視図
である。

【図４】家具用ヒンジの他の実施例を示す斜視図であ
る。

【図５】従来の家具用ヒンジの取付け状態を示す説明斜
視図である。

【図６】従来の家具用ヒンジの取付け状態を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ 取付用矩形平板部 ２ 仮止め用軸部 ３ 仮止め状態固定部 ４ 扉回転用軸部 ５ 家具本体 ６ 扉

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具本体の扉に取付けられる取付用矩形
   平板部と、この取付用矩形平板部の面内に垂直状に突設
   され、扉に設けられた穴部に嵌合する仮止め用軸部と、
   取付用矩形平板部の適所に設けられた仮止め状態固定部
   と、取付用矩形平板部の一端部に垂直状に突設され、家
   具本体に設けられた穴部に嵌合される扉回転用軸部とか
   ら成る家具用ヒンジ。